特許第6408268号(P6408268)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6408268
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/508 20150101AFI20181004BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20181004BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20181004BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181004BHJP
【FI】
   F21V29/508
   F21S8/04 130
   F21V29/70
   F21Y115:10
【請求項の数】21
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-139167(P2014-139167)
(22)【出願日】2014年7月4日
(65)【公開番号】特開2016-18618(P2016-18618A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2017年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 豊
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−082067(JP,A)
【文献】 特開2012−160455(JP,A)
【文献】 特許第5431612(JP,B1)
【文献】 特開2010−277826(JP,A)
【文献】 特開2013−020766(JP,A)
【文献】 特開2009−004131(JP,A)
【文献】 特開2012−004050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/00 − 99/00
F21S 8/04 − 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
発光素子を備える発光素子基板と、
前記発光素子基板に給電する電源基板と、を備える照明器具であって、
前記電源基板は、少なくとも一部が前記発光素子基板に接触するように配置されている、照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具であって、
前記電源基板もしくは前記発光素子基板は、少なくともどちらか一方において他方に向けて延出される延出部を有し、該延出部において前記電源基板と前記発光素子基板とが重なるように配置されている、照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具であって、
前記電源基板と前記発光素子基板は、前記器具本体の照射面側に配置されている、照明器具。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の照明器具であって、
前記電源基板は、前記発光素子基板に対して照射面側に配置されている、照明器具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記電源基板を覆う電源カバーを、さらに備え、
前記発光素子基板は、前記器具本体に取り付けられ、
前記電源基板は、前記電源カバーに取り付けられる、照明器具。
【請求項6】
請求項5に記載の照明器具であって、
前記電源基板と前記発光素子基板とが重なる部分の少なくとも一部は、前記電源カバー外に露出している、照明器具。
【請求項7】
請求項6に記載の照明器具であって、
前記電源基板は、前記電源カバー外に露出する部分の照射面側に光反射層を有する、照明器具。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記電源基板と前記発光素子基板とは、前記電源基板が有する実装面と前記発光素子基板が有する実装面とが互いに異なる方向を向く姿勢で、それぞれが配置される、照明器具。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記電源基板と前記発光素子基板とは、前記電源基板が有する実装面と前記発光素子基板が有する実装面とが同一方向を向く姿勢で、それぞれが配置される、照明器具。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記発光素子基板を覆うモジュールカバーを、さらに備え、
前記モジュールカバーは、該発光素子基板の非通電部と重なる位置に開口部を有している、照明器具。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記発光素子は、複数であり、
前記複数の発光素子は、前記発光素子基板上に直線状に並べて配置される、照明器具。
【請求項12】
請求項11に記載の照明器具であって、
前記複数の発光素子は、複数の直線状の配列を組み合わせて配置される、照明器具。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載の照明器具であって、
複数の直線状に並べて配置される前記複数の発光素子は、少なくとも一対が向かい合うとともに、点対称に配置される、照明器具。
【請求項14】
請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の照明器具であって、
直線状に並べて配置される前記複数の発光素子は、該複数の発光素子が実装される基板の外周と沿わないように配置される、照明器具。
【請求項15】
請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の照明器具であって、
一方の基板上に直線状に並べて配置される複数の発光素子が、隣り合う他方の基板上に直線形状に配置される複数の発光素子に対して直交するように配置される、照明器具。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記電源基板は、複数の前記発光素子基板のそれぞれに配線部材を用いて電気的に接続され、前記発光素子基板へ電力供給する、照明器具。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記電源基板と前記発光素子基板の重なる部分において、前記電源基板と前記発光素子基板とを電気的に接続する、照明器具。
【請求項18】
請求項に記載の照明器具であって、
前記電源カバーは、段部を有し、
照明器具の照射面側に向かって複数段形状に突出する、照明器具。
【請求項19】
請求項に記載の照明器具であって、
前記器具本体と前記発光素子基板との間に前記電源カバーの一部が配置され、
前記発光素子基板と前記電源カバーとは、共通の締結部材により前記器具本体に固定される、照明器具。
【請求項20】
請求項18に記載の照明器具であって、
前記発光素子基板を覆うモジュールカバーを、さらに備え、
前記モジュールカバーは、前記器具本体に設けられた突条部と前記電源カバーに設けられた前記段部に固定される、照明器具。
【請求項21】
請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記器具本体の中心と前記発光素子とを結ぶ線上から外れた位置に受光部を配置する、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源としてLEDを備えた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、光源としてLEDを備えた照明モジュールと、該照明モジュールに電力を供給する電源部と、照明モジュール及び電源部を保持するシャーシ(保持体)と、電源部を覆う電源カバーを備える照明器具が開示されている。
【0004】
特許文献1の照明器具においては、特許文献1の図2からもわかるように、シャーシに電源部が取り付けられ、該電源部を覆うように電源カバーがシャーシに取り付けられる構成となっている。すなわち、電源部がシャーシと電源カバーにより形成される空洞内に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−134684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電源部は、通電に伴い発熱するため、電源部が有する電源基板等への熱による悪影響を抑えるには電源部で発生した熱を外気に伝えて効率的に放熱する必要がある。しかし、特許文献1の照明器具の場合、発熱源となる電源部がシャーシと電源カバーにより形成される空洞内に収容されるため、電源部から発生する熱が空洞内にこもってしまう。そのため、照明器具としては電源部で発生した熱を外気に伝えて効率的に放熱できるものが望まれる。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電源部で発生した熱を外気に伝えて効率的に放熱できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
すなわち、本願に開示する照明器具は、
器具本体と、
発光素子を備える発光素子基板と、
前記発光素子基板に給電する電源基板と、を備える照明器具であって、
前記電源基板は、少なくとも一部が前記発光素子基板に接触するように配置されているものである。
【0010】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板もしくは前記発光素子基板は、少なくともどちらか一方において他方に向けて延出される延出部を有し、該延出部において前記電源基板と前記発光素子基板とが重なるように配置されていることが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板と前記発光素子基板は、前記器具本体の照射面側に配置されていることが好ましい。
【0012】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板は、前記発光素子基板に対して照射面側に配置されていることが好ましい。
【0013】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板を覆う電源カバーを、さらに備え、
前記発光素子基板は、前記器具本体に取り付けられ、
前記電源基板は、前記電源カバーに取り付けられることが好ましい。
【0014】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板と前記発光素子基板とが重なる部分の少なくとも一部は、前記電源カバー外に露出していることが好ましい。
【0015】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板は、前記電源カバー外に露出する部分の照射面側に光反射層を有することが好ましい。
【0016】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板と前記発光素子基板とは、前記電源基板が有する実装面と前記発光素子基板が有する実装面とが互いに異なる方向を向く姿勢で、それぞれが配置されることが好ましい。
【0017】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板と前記発光素子基板とは、前記電源基板が有する実装面と前記発光素子基板が有する実装面とが同一方向を向く姿勢で、それぞれが配置されることが好ましい。
【0018】
本願に開示する照明器具において、
前記発光素子基板を覆うモジュールカバーを、さらに備え、
前記モジュールカバーは、該発光素子基板の非通電部と重なる位置に開口部を有していることが好ましい。
【0019】
本願に開示する照明器具において、
前記発光素子は、複数であり、
前記複数の発光素子は、前記発光素子基板上に直線状に並べて配置されることが好ましい。
【0020】
本願に開示する照明器具において、
前記複数の発光素子は、複数の直線状の配列を組み合わせて配置されることが好ましい。
【0021】
本願に開示する照明器具において、
複数の直線状に並べて配置される前記複数の発光素子は、少なくとも一対が向かい合うとともに、点対称に配置されることが好ましい。
【0022】
本願に開示する照明器具において、
直線状に並べて配置される前記複数の発光素子は、該複数の発光素子が実装される基板の外周と沿わないように配置されることが好ましい。
【0023】
本願に開示する照明器具において、
一方の基板上に直線状に並べて配置される複数の発光素子が、隣り合う他方の基板上に直線形状に配置される複数の発光素子に対して直交するように配置されることが好ましい。
【0024】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板は、複数の前記発光素子基板のそれぞれに配線部材を用いて電気的に接続され、前記発光素子基板へ電力供給することが好ましい。
【0025】
本願に開示する照明器具において、
前記電源基板と前記発光素子基板の重なる部分において、前記電源基板と前記発光素子基板とを電気的に接続することが好ましい。
【0026】
本願に開示する照明器具において、
前記電源カバーは、段部を有し、
照明器具の照射面側に向かって複数段形状に突出することが好ましい。
【0027】
本願に開示する照明器具において、
前記器具本体と前記発光素子基板との間に前記電源カバーの一部が配置され、
前記発光素子基板と前記電源カバーとは、共通の締結部材により前記器具本体に固定されることが好ましい。
【0028】
本願に開示する照明器具において、
前記発光素子基板を覆うモジュールカバーを、さらに備え、
前記モジュールカバーは、前記器具本体に設けられた突条部と前記電源カバーに設けられた前記段部に固定されることが好ましい。
【0029】
本願に開示する照明器具において、
前記器具本体の中心と前記発光素子とを結ぶ線上から外れた位置に受光部を配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、電源部で発生した熱を外気に伝えて効率的に放熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を示す側面図。
図2】照明器具(セードを取り外した状態)を示す平面図。
図3】照明器具(セードを取り外した状態)の取付面側を示す図。
図4図2におけるA−A線断面図。
図5図2におけるB−B線断面図。
図6】光源部(LED光源モジュール)及び電源基板を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態に係る照明器具11について、図1から図6を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具11は、複数のLED素子42を光源とする照明器具である。図1に示すように、照明器具11は、天井等の器具取付面(図示せず)に直付けされるシーリングライトである。以下の説明では、照明器具11の光を照射する側を照明器具11の照射面側とし、照明器具11における天井等の器具取付面に対向する側を照明器具11の取付面側(取付状態では天井側)として説明する。また、照明器具11の上下方向は、照明器具11が天井等の器具取付面に設置された状態における上下方向(図1図4図5における上下方向)として説明する。上下方向に直交する方向を径方向として説明する。また、本実施形態の説明において、下方から照明器具11等を視た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具11等を視た状態を側面視とする。照明器具11等の断面形状を視た状態を断面視とする。
【0033】
照明器具11は、主に器具本体21、電源部31、光源部41、セード51、電源カバー61、接続部71、受光部81、及び保護部材91を有している。照明器具11は、平面視における形状が円形である。
【0034】
器具本体21は、照明器具11の本体を構成するものである。器具本体21は、いわゆるベースやシャーシと呼ばれる部材である。器具本体21は、平面視における外形輪郭形状が円形である。器具本体21は、光源部41、セード51、電源部31を有する電源カバー61、接続部71及び保護部材91等を保持するものである。器具本体21は、光源取付部22、収容部23、中央円環部24、突条部26、及び外周縁部27を有し、単一の部材として一体的に形成されている。
なお、本実施形態においては、光源取付部22、収容部23、中央円環部24、突条部26、及び外周縁部27を器具本体21として一体的に形成しているが、特に限定するものではない。
また、器具本体21は、電源部31を有する電源カバー61、光源部41、及びセード51等を保持可能な耐久性と、光源部41や電源部31が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、鉄やアルミニウム、またはそれらの合金等の金属板を用いて形成されている。なお、器具本体21は、耐久性及び放熱性が高い材料であれば、先述した金属材料に限らず、その他の合金材料や樹脂等の他の材料で形成することができる。器具本体21は、少なくとも照射面側に、白色塗装などのように光を反射する加工が施されていることが好ましい。
【0035】
光源取付部22は、光源部41が取り付けられる部分である。光源取付部22は、器具本体21の周方向に沿って、一定幅設けられ、平面視において略円環状の部分である。光源取付部22は、光源取付面部22a、光源固定部22b及びカバー取付部22c(図4図5参照)を有している。光源取付面部22aは、周方向及び半径方向に所定幅を有する略円環状の平坦面であり、複数のLED光源モジュール44を当接して取り付けるための面である。光源固定部22bは、光源部41をネジ部材により固定するために光源取付面部22aの外周近傍に複数設けられたネジ部材を螺合するためのネジ孔である。なお、光源固定部22bは、例えばバーリング加工によって形成されることにより、ネジ部材49との螺合部分の長さを長く確保することもできる。カバー取付部22cは、光源取付面部22aの径方向内側に連設されるとともに半径方向に所定幅を有する略円環状の平坦面である。カバー取付部22cは、電源カバー61の外周縁部である鍔部66を当接して取り付ける面である。カバー取付部22cは、光源取付面部22aに対して取付面側にわずかに(電源カバー61の鍔部66の厚さ程度)突出する面である。カバー取付部22cの径方向内側の内周縁には、収容部23の外周縁が連続して形成される。収容部23は、カバー取付部22cに対して取付面側に突出して形成されている。光源取付部22は、収容部23周囲を取り囲むように収容部23の径方向外側の領域に設けられている。また、光源取付部22は器具本体21の外周縁部より径方向内側の領域に形成されている。光源取付部22は、取付面側が露出しており、外気に接している。光源取付部22は、光源部41で発生した熱を蓄えることができる。光源取付部22は取付面側が外気に接しているため、光源取付部22の温度が外気温度よりも高い場合には光源取付部22に蓄えられた熱が外気に伝わる。これにより、光源取付部22の温度が低下する。すなわち、光源取付部22を放熱部として機能させるため、LED光源モジュール44が取り付けられる光源取付面部22aは、LED光源モジュール44との接触面積が広くなるよう平坦に形成されている。
【0036】
突条部26は、光源取付部22の径方向外側に隣接して設けられ、照射面側に突出する部分である。突条部26は、光源部41の外周側に沿うように平面視において円環状に形成されている。突条部26の下端には、保護部材91の外周端がネジ部材により取付けられる。突条部26は、器具本体21を補強するための補強用リブとしての機能を有し、断面形状が略台形凸状に形成されている。これにより、器具本体21における周方向の曲げ剛性を向上することができる。突条部26の径方向外側であって、器具本体21の外周縁には、平面視において円環状の外周縁部27を有している。外周縁部27は、光源取付部22に対して取付面側に突出して形成されている。外周縁部27は、器具本体21を補強するための補強用リブとしての機能を有している。これにより、器具本体21における周方向の曲げ剛性を向上することができる。外周縁部27には、セード51を保持するための複数の保持部29が設けられている。複数の保持部29は、外周縁部27に略均等間隔に配置される。
【0037】
中央円環部24は、器具本体21の径方向中央部に設けられている。中央円環部24は、径方向中心となる位置に取付孔24aと、該取付孔24aの周縁に形成される円板状の周縁部24bを有している。取付孔24aは、照明器具11を天井に取り付ける際、引掛シーリングアダプタ等の配線部品(図示せず)を挿通するための円形の開口部分である。
【0038】
周縁部24bは、取付孔24aの円環状の周縁部分であり、接続部71の一端(上端)がネジ部材により取り付けられる部分である。周縁部24bは、光源取付部22に対して側面視において取付面側に位置する。周縁部24bには、接続部71をネジ部材により取り付けるためのネジ孔が設けられている。接続部71は、照明器具11を天井等の器具取付面に配置された配線器具にコネクタ(図示せず)を介して電気的に接続するものである。周縁部24bの径方向外側には、収容部23が連設されている。
【0039】
収容部23は、電源部31の一端側が収容される部分である。収容部23は、器具本体21の径方向中央部に位置し、周縁部24bの径方向外側に設けられている。収容部23は、平面視において外形形状が円環形状で、断面視において光源取付部22から取付面側に突出して形成されている。収容部23には、電源部31の一端側を収容するための空間が確保されている。
【0040】
電源部31は、光源部41が有するLED素子42に給電を行って、LED素子42を点灯させるための電源回路である。電源部31は、所定形状に加工されたプリント配線基板上に複数の電子部品35(図4参照)が実装された電源基板33である。電源基板33は、図4図6に示すように、所定幅を有する略円弧形状の基部33aと、該基部33aの一端から外側に延出される平面視略三角形状の延出部33bを有している。基部33aは、電源回路を構成する複数の電子部品35等が実装される部分である。
なお、本実施形態では、延出部33bには電子部品などを実装しない構成としているが、特に限定するものではない。例えば、延出部33bにリモコンの受光部や保安灯を設けることも可能である。
【0041】
電源基板33は、平面視において少なくとも一部がLED光源モジュール44が有する基板43に重なるように配置されている。電源基板33の延出部33bは、その一端が電源カバー61に開口形成された貫通孔68を介して基板43(基板43a)の一端である基板延出部43eと平面視において重なり、もしくは接触する部分である。電源部31は、外部商用電源から供給される交流電流を所定の直流電流に変換し、変換後の電流を基板43に実装された複数のLED素子42に供給するためのものである。電源基板33の基部33aは、電源カバー61及び収容部23により形成される空間内に収容され、該電源カバー61の底部64に複数(本実施形態では、3個)のスペーサ40を介して取り付けられている。これにより、電源カバー61と電源部31との間に空間を形成し、電気的絶縁距離を確保している。電源基板33が有する実装面(電子部品35等が実装された面)は、図4に示すように、側面視において基板43が有する実装面(LED素子が実装された面)に向かい合うように配置されている。電源部31には、コネクタ(図示せず)が設けられている。照明器具11を天井等の器具取付面に取り付ける際、電源部31が有するコネクタを配線器具側のコネクタ(図示せず)に接続することで、電源部31は照明器具用の天井配線器具を介して外部商用電源と電気的に接続される。電源部31と、光源部41が有する各LED光源モジュール44とは、複数(本実施形態では、4本)の配線部材34(図6参照)によって電気的に接続されている。配線部材34は、例えば、電源基板33が有する一つの電子部品35(例えば、コンバータ)と各LED光源モジュール44が有する給電端子47とを電気的に接続する。
なお、電源基板33が有する基部33aや延出部33bの平面視における形状は、特に本実施形態に限定するものではない。例えば、延出部33bについては、基板43の一端に重なる、もしくは接触するような形状であればよく、平面視において三角形状以外にも、矩形状、半円状等であってもよい。
また、延出部33bの照射面側には、光を反射する反射層(例えば、反射面が白色の層であり、シルク印刷層、白色塗料による塗装面などで構成される)を形成してもよい。このような反射層を形成することにより、電源カバー61外に露出する延出部33bは、LED素子42からの光を反射することができ、セード51の外側から延出部33bの影を見えにくくすることができる。また、延出部33bの照射面側には、金属箔(例えば、銅箔)を設けてもよい。
【0042】
光源部41は、照明器具11の照射面側に向けて光を出射する部分である。光源部41は、電源部31の径方向外周側に配置される。光源部41は、複数のLED素子42を有し、光源取付部22の平坦面である光源取付面部22aに配置される平板状のものである。具体的には、光源部41は、複数(本実施形態では、4枚)のLED光源モジュール44を有しており、各LED光源モジュール44は、発光素子を備える発光素子基板として、平板状モジュール基板である基板43(43a、43b)上に複数の点光源であるLED素子42が実装されて構成されている。複数のLED素子42は、主光源であるLED群42aと42bとを含む。本実施形態においては、さらに保安灯用LED素子42cを基板43a上に実装している。保安灯用LED素子42cは、必ずしも必要ではない。また、保安灯用LED素子42cを基板43a上に実装しなくてもよく、例えば、基板43bの何れかの実装面上に実装してもよい。複数のLED素子42は、各LED光源モジュール44の長手方向に沿って直線状かつ略等間隔に配置されている。各LED光源モジュール44における複数のLED素子42は、図6に示すように、1個のLED群42a、2個のLED群42b、から構成されている。各LED群42a及び42bは、それぞれ直線上に並べて配置され、互いに分離独立した位置に配置されている。LED光源モジュール44は、基板43上にLED群42aやLED群42bなどの複数の直線状の配列を組合せて作成されている。例えば、基板43a上に実装されたLED群42a及びLED群42bは、平面視において基板43aに対向する位置に配置される基板43b上に実装されたLED群42a及びLED群42bと点対称の位置に配置されている。LED群42aは、各LED光源モジュール44においてそれぞれの基板43の中央を通る径方向に直交する方向に沿って複数(本実施形態では9個)のLED素子42が略等間隔で実装されたものである。LED群42bは、各LED光源モジュール44においてそれぞれの基板43の中央を通る径方向に直交する方向に沿って複数(本実施形態では3個)のLED素子42が略等間隔で実装されたものである。LED群42bの配列方向の長さ寸法は、LED群42aの配置方向の長さ寸法よりも短い。各LED光源モジュール44におけるLED群42bは、LED群42aの配列方向と平行であって、各基板43の周方向両端近傍に配置されている。すなわち、各LED光源モジュール44が有するLED群42a及びLED群42bは、平面視において接続部71を中央として、電源カバー61の四方を囲むように互いが対向して配置されている。LED群42a及びLED群42bは、略円環状に形成された4つのLED光源モジュール44の表面において略四角形形状となるように配置されている。電源基板33と基板43は、器具本体21の照射面側に配置されている。
【0043】
LED光源モジュール44が有する基板43aは、図6に示すように、平面視において所定幅を有する略円弧状に形成されている。基板43aは、周方向の対向する両端部において、径方向に沿って形成された端部43dを有している。基板43aは、径方向内側の略円弧状の内端部43cと、径方向外側の円弧状の外端部43fを有している。内端部43cの周方向の一端には、径方向内側に延出される、平面視略三角形状の板状部分である基板延出部43eが設けられている。内端部43cの周方向の他端近傍には、給電端子47が設けられている。給電端子47は、基板43の径方向において内端部43c近傍に配置されている。これにより、配線部材34を極力短くすることができ、コストを削減できるとともにノイズの影響を低減できる。基板延出部43eは、平面視において電源基板33が有する延出部33bに重なり合う、もしくは接触する部分である。基板延出部43eは、図4に示すように、側面視において延出部33bの上側(取付面側)に配置される。なお、基板43(43a、43b)は、少なくとも照射面側に、光を反射する加工(白色塗装等)が施されていることが好ましい。
なお、本実施形態においては、4つのLED光源モジュール44のうちの1つを、基板43a(基板延出部43e)を有するLED光源モジュール44としているが、特に限定するものではない。
また、本実施形態では、電源基板33及び基板43aの両方に延出部(延出部33b、基板延出部43e)を設ける構成としているが、特に限定するものではない。すなわち、電源基板もしくは基板は、少なくともどちらか一方において他方に向けて延出される延出部を有していればよく、該延出部において前記電源基板と前記発光素子基板とが重なるように配置されていればよい。
また、本実施形態では、電源基板33(延出部33b)と基板43a(基板延出部43e)とが重なる部分(本実施形態では、平面視において四角形状の部分)が、電源カバー61外に露出しているが特に限定するものではない。また、電源基板33と基板43aとが重なる部分の形状は特に限定されず、重なる部分を有していれば、本発明の効果が得ることができる。
【0044】
基板43bは、図2に示すように、平面視において所定幅を有する略円弧状に形成されている。基板43bは、円周方向の対向する両端部において、径方向に沿って形成された端部43kを有している(図6参照)。基板43bは、径方向内側の円弧状の内端部43hと、円弧に直線状の切欠きを有した径方向外側の外端部43gを有している。内端部43hの周方向の一端近傍には、給電端子47が設けられている。各LED光源モジュール44は、周方向の各端部(端部43d、端部43k)同士を対向させて器具本体21に配置させることにより、略円環状を成した光源部41を形成することができる。各LED光源モジュール44は、電源カバー61の径方向外側を取り囲むように配置されている。各LED光源モジュール44は、例えばビス等の2つのネジ部材49で光源取付部22に取り付けられている。なお、LED光源モジュール44は、ネジ部材49の替わりにリベットで光源取付部22に取り付けることもできる。LED光源モジュール44は、配線部材34によって電源部31(電源基板33)と電気的に接続されている。各LED光源モジュール44は、基板43の実装面の裏面が各光源取付部22の光源取付面部22aに当接して固定されるため、各LED光源モジュール44が発熱した際には、LED光源モジュール44の熱が器具本体21に伝わる。器具本体21に伝わった熱は、器具本体21の温度よりも周辺温度が低い場合、器具本体21周辺の空気へ伝わる。これにより、器具本体21に伝わった熱は、各光源取付面部22aを介して器具本体21の取付面側に放熱される。
なお、各LED光源モジュール44は、熱伝導性シート(図示せず)や放熱グリスを介して光源取付部22に取り付けてもよく、これにより、より高い放熱性を得ることができる。
また、本実施形態では、光源となる発光素子として表面実装型のLED素子を用いたが、光源の種類はLED素子に限定されず、例えばCOB型発光モジュールや有機EL素子(OLED)などであっても実現可能である。
【0045】
光源部41は、複数のLED素子42が光源取付部22の光源取付面部22aの照射面側に少なくとも配置される。これは、基板43上に実装されたLED素子42が発熱源となるため、少なくともLED素子42を光源取付面部22aの領域内に配置することで放熱の効率化を図るためである。例えば、LED光源モジュール44の平面視における大きさ・形状と、光源取付面部22aの平面視における大きさ・形状とは、同一である必要はない。すなわち、基板43を介して、発熱源であるLED素子42を光源取付面部22aの領域内に配置すれば、放熱効果が得られる。そのため、例えば基板43aの外周縁部である基板延出部43eなどの基板上にLED素子42が実装されていない部分は、光源取付面部22aの領域からはみ出して配置してもかまわない。
【0046】
セード51は、器具本体21の照射面側を覆うように取り付けられ、光源部41からの光を反射及び拡散させつつ、外部へ配光する部材である。セード51は、透光性を有する樹脂素材で形成されている。セード51の全体形状は、平面形状が円形であり、下面側に緩やかにドーム状に膨らんでいる。セード51は、セード51の内部の清掃や器具本体21の部品交換等のために器具本体21に対して着脱できる構造となっている。セード51の上面側の開口縁部には、セード51を器具本体21が有する保持部29に取り付けるための被保持部が形成されている。なお、本実施形態におけるセード51の形状は一例であって、ドーム状の他、円筒状や角筒状などにすることもできる。
【0047】
器具本体21には、セード51の被保持部を保持するための取付金具である保持部29が設けられている。詳細は省略するが、セード51を器具本体21の取り付け位置に配置してセード51の周方向の一方に回動させると、セード51の被保持部が器具本体21の保持部29に保持されてセード51が器具本体21に取り付けられる。また、セード51が器具本体21に取り付けられた状態でセード51を周方向の他方に回動させると、セード51の被保持部が器具本体21の保持部29から外れて、セード51を器具本体21から取り外すことができる。
【0048】
電源カバー61は、電源部31を覆う部材である。電源カバー61は、器具本体21が有する収容部23の照射面側を閉塞する部材であり、内部に電源部31が取り付けられる部材である。電源カバー61は、器具本体21の照射面側の中央部にネジ部材により取り付けられる。電源カバー61は、取付孔62、周縁部63、周壁部67、底部64、周壁段部65、及び鍔部66を有している。電源カバー61は、少なくとも照射面側に、光を反射する加工(白色塗装等)が施されていることが好ましい。
【0049】
取付孔62は、照明器具11を天井に取り付ける際、引掛シーリングアダプタ等の配線部品(図示せず)を挿通する円形の開口部分である。取付孔62は、電源カバー61の径方向中央に設けられている。
【0050】
周縁部63は、取付孔62の周縁部分であり、引掛シーリングアダプタ等の配線部品(図示せず)に支持される平面視において円環状の部分である。周縁部63は、側面視において光源取付部22よりも上方に位置している。
【0051】
周壁部67は、周縁部63の周囲に連設され、照射面側へ行くに従って拡径する部分である。
【0052】
底部64は、周壁部67の周囲に円環状に形成された平坦部分である。底部64は、下方に突出する円環状の面である。底部64には、平面視において略半分の面積となる領域にスペーサ40(図5参照)を介して電源部31が配置される。底部64には、受光部81に対応する位置に、受光部81の一端を露出するための平面視長方形状の受光孔64aが形成されている。
【0053】
周壁段部65は、底部64の外周縁から径方向外側に延設される階段状の周壁部分である。周壁段部65は、第1段差部65a、段部65b及び第2段差部65cを有している。第1段差部65aは、底部64の外周縁から径方向外側に延設され、取付面側へ行くに従って拡径する部分である。段部65bは、第1段差部65aの外周縁から径方向外側に延設され、平面視において円環状の平坦部分である。第2段差部65cは、段部65bの外周縁から径方向外側に延設され、取付面側へ行くに従って拡径する部分である。第2段差部65cには、基板43aが有する基板延出部43eの近傍に電源基板33が有する延出部33bを挿通して電源カバー61の外部に露出するための貫通孔68が形成されている。貫通孔68は、側面視において略長方形状に形成されている。
【0054】
鍔部66は、周壁段部65の下端の外周縁から径方向外側に突出する円環状の部分である。鍔部66は、電源カバー61を器具本体21に取り付けた際に、器具本体21に当接する部分である。鍔部66には、複数のネジ孔が設けられており、ネジ部材49により鍔部66が器具本体21に取り付けられる。鍔部66は、図5に示すように、器具本体21と基板43(43a)に挟まれた状態で、ネジ部材49により固定される。すなわち、基板43と電源カバー61とは、共通のネジ部材49により器具本体21に固定される。
【0055】
電源カバー61は、光源部41が取り付けられる光源取付部22に隣接して設けられており、電源カバー61の上下方向の寸法(高さ寸法)が大きくなると、光源部41からの光を遮ってセード51に電源カバー61の影が映る場合がある。このため、電源カバー61の周壁段部65は、複数段(本実施形態では2段)からなる階段状に形成して、その一部を光源部41に対して径方向内側へ離れた位置に配置することで光源部41からの光を遮りにくくしている。本実施形態では、周壁段部65を例えば2段からなる階段状にすることで、周壁段部65の照射面側の部位を光源部41から径方向内側へ離している。なお、周壁段部65は、本発明における段部の一例である。また、本実施形態では、器具本体21の取付面側に収容部23を設け、該収容部23に電源部31の一部及び接続部71を収容することで、電源カバー61の容積を抑えるとともに照射面側への突出寸法を抑えて、電源カバー61を扁平状に形成し、光源部41からの光を遮りにくくしている。より具体的には、本実施形態では、電源カバー61の外周縁部である周壁段部65を2段からなる階段状に形成しているが、図5における点線部L1で示すように、電源カバー61の外周縁部を1段で構成した場合、LED素子42から出射された光(図5の点線矢印)が当該外周縁部により遮られてセード51に電源カバー61の影が映る場合がある。従って、本実施形態の電源カバー61ように外周縁部を2段からなる階段状に形成することで、LED素子42から出射された光が遮られることを抑え、通過させやすくすることができ、セード51に電源カバー61の影が映ることを防ぐことができる。
【0056】
電源カバー61は、内部に電源部31を取り付けた状態で、該電源部31の上端側を収容部23内に収容し、鍔部66が器具本体21に当接されて取り付けられる。この際に、電源カバー61が有する周縁部63の上面が、接続部71の下端面に当接もしくは近接する。電源カバー61が収容部23の照射面側に取り付けられることで、電源カバー61と収容部23により所定形状の空間が形成され、該空間に電源部31、接続部71、及び受光部81等を収容するための高さ及び幅が確保される。
【0057】
接続部71は、アダプタ等の配線器具が取り付けられる部分である。接続部71は、ネジ部材により収容部23が有する周縁部24bに取り付けられる。
【0058】
接続部71は、扁平な略円筒状であって、その外径は収容部23が有する取付孔24a及び電源カバー61が有する取付孔62の各直径よりも大きい。照明器具11を天井に取り付ける場合は、照明器具用の天井配線器具(引掛シーリングボディ)に引掛シーリングアダプタ等の配線部品を取付け、取付孔24a及び取付孔62に配線部品を差し込むことで、照明器具11が天井に取り付けられる。
【0059】
受光部81は、リモコン(図示せず)からの無線信号(本実施形態では赤外線)を受光する部分である。受光部81は、電源カバー61が有する受光孔64aから露出するように配置される。受光部81は、配線を介して電源部31に電気的に接続される。受光部81は、使用者によって操作されるリモコンから送信される無線信号を伝送媒体としたリモコン信号を受信することができる。使用者は、リモコンにより受光部81に所定の信号を送信することでLED光源モジュール44(LED素子42)の点灯、消灯、調光等を遠隔操作できる。
【0060】
保護部材91は、器具本体21とセード51との間において、光源部41(LED光源モジュール44)を覆うように配置される部材である。保護部材91は、LED光源モジュール44の非通電部と重なる位置に開口部92を有するように構成される。保護部材91は、いわゆるモジュールカバーと呼ばれる部材であり、本発明におけるモジュールカバーの一例である。保護部材91は、透光性を有しており、例えば透光性を有する樹脂シート素材で形成されている。本実施形態の保護部材91は透明である。保護部材91の形状は、所定幅を有する円環状であって、複数のLED光源モジュール44を覆うことができるように、略円環状をなすLED光源モジュール44の形状よりもやや大きい形状である。すなわち、本実施形態では、4枚のLED光源モジュール44に対して1枚の略円環状の保護部材91で覆われる。保護部材91は、内周縁部が電源カバー61の段部65bに複数のビス等のネジ部材により取り付けられ、外周縁部が突条部26の下端面に複数のビス等のネジ部材により取り付けられる。保護部材91は、LED光源モジュール44の非通電部と重なる位置にオーバル状の開口部92を有している。
【0061】
以上説明した本実施形態に係る照明器具11によれば、電源基板33は、平面視において少なくとも一部がLED光源モジュール44(LED素子42が実装された基板43)に重なるように配置されている。これにより、電源部31で発生した熱を基板43側に伝えて効率的に放熱させることができる。すなわち、電源部31で発生した熱は、電源カバー61を介してだけではなく、基板43に伝えることで器具本体21を介して外気へ伝えることができる。
【0062】
また、照明器具11では、電源基板33もしくはLED素子42が実装された基板43は、少なくともどちらか一方において他方に向けて延出される延出部を有し、該延出部において電源基板33と基板43とが重なるように配置されている。このように、電源基板33や基板43に延出部を設ける(本実施形態では、電源基板33に延出部33b、基板43aに基板延出部43eをそれぞれ設ける)ことにより、電源基板33や基板43の表面積を増やすことができるので、外気への放熱がしやすくなる。また、電源基板33や基板43から外気へ放熱しやすくなることで、基板自体の温度上昇を抑え、各基板上に実装されている部品に対して互いに発生する熱の影響を与えにくい。また、電源基板33や基板43に延出部を設けることにより、電源部31を有した電源カバー61を器具本体21に取り付ける際に、延出部が位置決めの目安となって、電源カバー61の位置決めがし易い。なお、延出部33bと基板延出部43eは、本発明における延出部の一例である。
【0063】
また、照明器具11では、電源基板33は、側面視においてLED素子42が実装された基板43の照射面側(図4図5では下面側)に配置されている。すなわち、照明器具11では、電源基板33に比べて発熱量の大きな基板43を、電源基板33の取付面側(上側)に配置している。これにより、電源基板33が対流効果による基板43からの上昇熱の影響を受けにくくなり、効率よく放熱することができる。また、本実施形態のように基板43を器具本体21(光源取付部22)や電源カバー61(鍔部66)に接するように配置することで、基板43から発生した熱を器具本体21や電源カバー61に伝えるとともに器具本体21や電源カバー61を介して照明器具11の周囲に放熱することができ、さらに効率よく放熱することができる。
【0064】
また、照明器具11では、LED素子42が実装された基板43は、器具本体21に取り付けられ、電源基板33は、電源カバー61内に取り付けられる。これにより、照明器具の組立工程の分業化を可能とし、組立作業性を向上することができる。すなわち、本実施形態のように、LED素子42が実装された基板43等が組み付けられたユニットとなる器具本体21と、電源基板33等が組み付けられたユニットとなる電源カバー61とを分けて組み立てることができるため、照明器具の組立工程の分業化を可能とし、組立作業性を向上することができる。
【0065】
また、照明器具11では、電源基板33とLED素子42が実装された基板43とが重なる部分の少なくとも一部は、電源カバー61外に露出している。すなわち、電源カバー61から電源基板33の一部が露出することによって、電源基板33から生じる熱が電源カバー61内に籠もることを抑えて、電源カバー61外にも放熱される。
【0066】
また、照明器具11では、電源カバー61外に露出する電源基板33において、該電源基板33の照射面側に光反射層を有している。これにより、LED素子42から出射される光を光反射層によって反射し、電源基板33の影が出にくい。光反射層は、電源基板33の照射面側における少なくとも電源カバー61から露出する領域に設けることで、LED素子42から出射する光を反射することができる。なお、光反射層は、薄い層であって、図面に明確に表すことが困難であるため、図示は省略した。
なお、光反射層は、電源カバー61から露出する領域だけでなく、電源基板33の照射面側の全ての領域に設けてもよい。これにより、電源基板33に光反射層を設ける際に、電源基板33において光反射層を設ける領域を特定する必要がないため、電源基板33に光反射層を設ける作業が容易になる。また、光反射層は、電源基板33の照射面側における少なくとも電源カバー61から露出する領域の全域に設けることで、光反射層における光反射効率が高くなるため好ましいが、電源カバー61から露出する領域の一部のみに設けてもよい。また、光反射層は、電源基板33の側面(実装面に直交する面)にさらに設けることで、光反射効率が高くなるため好ましい。
【0067】
また、照明器具11では、電源基板33が有する実装面は、側面視において基板43が有する実装面に向かい合うように配置されている。すなわち、電源基板33の実装面と基板43の実装面とは、互いに異なる方向を向く姿勢で配置されている。電源基板33の実装面に電子部品35を実装する場合、実装面側は電子部品35の高さ及び電気的絶縁距離(例えば沿面距離)分の高さを必要とする。一方、電源基板33において電子部品35を実装しない面(実装面と反対側の面)は、最低限の絶縁距離を有していればよい。そのため、電源基板33の実装面と基板43の実装面とが互いに異なる方向を向く姿勢で配置すれば、電源基板33の実装面側には最低限の絶縁距離を有すればよく、電源カバー61の照明器具11の照射面側(前面側)に突出する高さを低減することができる。これにより、光源部41から出射された光を電源カバー61により遮られることを抑えられ、電源カバー61の影が出にくくなる。また、本実施形態では、電源基板33の実装面が取付面側(上側)に向くように配置されている。これにより、電源基板33の実装面に実装された電子部品の熱が対流効果により空気を介して上方に上昇し、器具本体21に伝熱され、該器具本体21から周囲に熱が放熱され、放熱効果を高めることができる。
また、本実施形態では、電源基板33を基板43よりも照射面側になるように配置したが、これに限らず、電源基板33を基板43よりも取付面側に配置してもよい。このとき電源基板33と基板43は、互いに実装面ではない表面同士が向き合って配置される。この場合でも、電源カバー61の照射面側に突出する高さを低減することができる。
また、本実施形態の照明器具11では、電源基板33の実装面と基板43の実装面とが互いに異なる方向を向く姿勢で配置されているが、これに限定されることはない。電源基板33の実装面と基板43の実装面とが同一方向を向く姿勢で配置されてもよい。その場合には、電源基板33と基板43の取付方向が同一であるため、電源基板33と基板43とを重ねて配置する際に位置あわせが容易となる。
【0068】
また、照明器具11では、LED光源モジュール44(LED素子42が実装された基板43)を覆うカバーである保護部材91を備え、該発光素子基板の非通電部と重なる位置に開口部92を有している。すなわち、該開口部は、LED光源モジュール44の一部を露出させる。これにより、開口部92は、器具本体21と保護部材91との間に入り込んだ虫の死骸や埃などを除去できる孔として利用できるとともに、組立時における保護部材91の取付位置の基準となり得る。また、開口部を設けることによって、保護部材91が覆う空間内の空気が入れ替わりやすく、LED光源モジュール44の放熱性を向上させることができる。
【0069】
また、照明器具11では、LED素子42は、複数であり、複数のLED素子42は、基板43上に直線状に並べて配置される。すなわち、基板43上に実装される複数のLED素子42の向きが直線状となり、実装する際に実装しやすい。従って、LED素子42の実装コストが低減される。
【0070】
また、照明器具11では、複数のLED素子42は、複数の直線状の配列を組み合わせて配置される。これにより、1つの直線状に並べて配置された複数のLED素子42よりも照明器具11の輝度ムラを抑えることができる。さらに、例えば角型状のセードを用いる場合、複数のLED素子42を複数の直線状の配列を組み合わせた配置とすることで、セードの外周側や隅部分を明るくすることができる。また、本実施形態のように、円環状に配置されたLED光源モジュール44において略四角形状に複数のLED素子42を実装しているため、円形のセード51だけでなく角型のセードにも適したものとなり、円形及び角形の両方のセードに対応することができる。
【0071】
また、照明器具11では、図2に示すように、複数の直線状に並べて配置される前記複数のLED素子42は、少なくとも一対が向かい合うとともに、点対称に配置されている。これにより、照明器具11の輝度ムラを抑えることができる。
【0072】
また、照明器具11では、直線形状に配置される前記複数のLED素子42は、該複数のLED素子42が実装される基板43の外周と沿わないように配置されている。本実施形態のように、円環状に配置されたLED光源モジュール44において、基板43の外周と沿わないように略四角形状に複数のLED素子42を実装しているため、円形のセード51だけでなく角型のセードにも適したものとなり、円形及び角形の両方のセードに対応することができる。
【0073】
また、照明器具11では、一方の基板上に直線形状に配置される複数のLED素子42が、隣り合う他方の基板上に直線形状に配置される複数のLED素子42に対して直交するように配置される。これにより、円形のセード51だけでなく角型のセードにも適したものとなり、円形及び角形の両方のセードに対応することができる。
【0074】
また、本実施形態の照明器具11では、電源基板33から複数のLED光源モジュール44のそれぞれに配線部材を用いて電気的に接続して電力供給する。例えば、電源基板から特定のLED光源モジュール44に電力供給し、該LED光源モジュール44に隣り合う他のLED光源モジュール44へも電力供給する照明器具の場合、LED光源モジュール44間を跨ぐように接続する渡り線が用いられる。この場合、最低でもLED光源モジュール44の基板43の両端のそれぞれに渡り線を接続するための電気的接続部(例えば、コネクタ)を設けなければならず、1枚の基板に少なくとも2箇所の電気的接続部を設けなければならない。それに対して、本実施形態では、電源基板33からそれぞれのLED光源モジュール44に電気的に接続している。この場合、電気的接続部は、基板43上に1箇所設ければよく、LED光源モジュール44の小型化ができる。また、LED光源モジュール44間に渡り線を要しないため、使用部材が削減でき、絶縁距離を取るために器具本体(シャーシ)に溝(凹部)等を形成する必要がなく製造コストが削減できる。また、各LED光源モジュール44は、電源基板33と直列で接続されている。各LED光源モジュール44を直列に接続した場合、LED素子42の駆動電圧Vfの低下を抑えることができる。
【0075】
また、照明器具11では、電源基板33と基板43の重なる部分において、電源基板33と基板43とを電気的に接続することもできる。この場合、電気的に接続する距離が短いため、接続に用いる配線部材の長さを短くすることができ、コスト的に有利である。また、電源基板33と基板43の重なる部分に機械的に接続可能なコネクタを設けて、重なり部分を機械的に接続する構成とすることもできる。なお、当該重なり部分は、互いに基板膨張時に影響を考慮して、機械的及び電気的な接続を行わずに、互いに基板に負荷がかからない程度に近接させる構成とすることもできる。
【0076】
また、照明器具11では、電源カバー61は、照明器具の照射面側に向かって2段形状に突出する。すなわち、電源カバー61の外周縁部を2段からなる階段状に形成すれば、1段からなる形状に比べてLED素子42から出射される光を遮ることを抑え、影が出にくい。
【0077】
また、照明器具11では、器具本体21と基板43との間に、電源カバー61の一部である鍔部66が配置され、該鍔部66と基板43とが共通の締結部材であるネジ部材49により固定される(図5参照)。このように固定することによって、締結部材の使用数を低減することができ、コスト的に有利である。さらに、発熱源である基板43からの熱が器具本体21だけでなく電源カバー61側へも直接伝わり、放熱効果が高まる。
【0078】
また、照明器具11では、保護部材91は、器具本体21に設けられた突条部26と電源カバー61に設けられた段部65bに固定される。これにより、保護部材91とLED光源モジュール44との間に適度な距離を設けることができ、通気性が確保され、LED光源モジュール44から発生する熱が籠りにくい構造となる。また、器具本体21の突条部26と電源カバー61の段部65bとの高さを合わせることによって保護部材91が組立時に載置しやすく、取り付けやすくなる。
【0079】
また、照明器具11では受光部81を器具本体21の中心CとLED素子42とを結ぶ線上から偏在した位置に配置している。具体的には、図2に示すように、受光部81から最も近接しているLED群42bのうちの一つから器具本体21の中心Cとを結ぶ線L上から外れた位置に受光部81を配置している。このように受光部81を配置することで、受光部81とLED素子42との離間距離を最も長くすることができるため、受光部81がLED素子42から照射される光の影響を受けにくい。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、照明器具11は丸型としたが、角型やその他の形状としてもよい。また、シーリングライトの他、ペンダントライト等に適用してもよい。ペンダントライトの場合、接続部は、例えば配線ケーブルなどに相当する。また、天井面に配置されたダクトレールに接続可能なペンダントライトの場合、接続部は、例えば配線ダクトプラグおよびそれに接続される配線ケーブルなどに相当する。したがって、本発明における接続部は、照明器具の種類や形態によって広義に解釈することができるものとする。
【0081】
本実施形態の器具本体21の形状は一例であり、本実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、照明器具11の形状が丸型以外の角型やその他の形状である場合には、それに応じた形状とすることができる。また、器具本体21の形状は、光源部41の形状に応じて適宜変形させることも可能である。
【符号の説明】
【0082】
11 照明器具
21 器具本体
31 電源部
33 電源基板
33b 延出部
41 光源部
42 LED素子
43 基板
43e 基板延出部
44 LED光源モジュール
61 電源カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6