(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、複数の撮像素子実装部を有する撮像素子実装用基板を撮像素子実装用基板とする。また、撮像素子実装用基板に撮像素子が実装された構成を撮像装置とする。また、撮像装置にレンズ筐体を設けた構成を撮像モジュールとする。撮像素子実装用基板および撮像装置は、いずれの方向が上方若しくは下方とされてもよいものであるが、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面若しくは下面の語を用いるものとする。
【0015】
(第1の実施形態)
図1〜
図3を参照して本発明の第1の実施形態における撮像装置21、及び撮像素子実装用基板1について説明する。本実施形態における撮像装置21は、撮像素子実装用基板1と撮像素子10とを有している。
【0016】
図1に示す例において、主面を有している配線基板2と、主面に設けられ、撮像素子10を実装する複数の撮像素子実装部11とを有しており、撮像素子実装部11は、それぞれ縦断面視で凸状または凹状である。
【0017】
図1〜
図3に示す例では、配線基板2は主面を有しており、絶縁層から成る。
【0018】
図1〜
図3に示す例では、絶縁層からなる配線基板2は撮像素子実装部11の外周部に
撮像素子接続用パッド3が設けられている。
【0019】
配線基板2を構成する絶縁層の材料は例えば、電気絶縁性セラミックス、または樹脂(プラスティックス)等が使用される。
【0020】
配線基板2を形成する絶縁層の材料として使用される電気絶縁性セラミックスとしては例えば、酸化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,窒化珪素質焼結体,またはガラスセラミックス焼結体等が挙げられる。
【0021】
配線基板2を形成する絶縁層の材料として使用される樹脂としては例えば、エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂,フェノール樹脂,またはフッ素系樹脂等が挙げられる。フッ素系樹脂としては例えば、ポリエステル樹脂、または四フッ化エチレン樹脂が挙げられる。
【0022】
図1〜
図3に示す例において、配線基板2を形成する絶縁層は、前述した材料から成る絶縁層を複数上下に積層して形成されている。
【0023】
配線基板2を形成する絶縁層は、
図1〜
図3に示すように2層の絶縁層から形成されていても良いし、1層または3層以上の絶縁層から形成されていても良い。
【0024】
また、図示していないが配線基板2の上面、側面、または下面に、外部回路接続用電極が設けられていてもよい。外部回路接続用電極は、配線基板2と外部回路基板若しくは外部装置等と電気的に接続する為に設けられる。
【0025】
配線基板2の内部には、例えば、絶縁層間に形成される内部配線、またはこの内部配線同士を上下に接続する貫通導体が設けられる。これら内部配線、または貫通導体は、配線基板2の表面に露出していても良い。この内部配線、または貫通導体によって、外部回路接続用電極、及び撮像素子接続用パッド3が電気的に接続されていても良い。
【0026】
撮像素子接続用パッド3、外部回路接続用電極、内部配線、及び貫通導体は配線基板2が電気絶縁性セラミックスから成る場合には、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag)若しくは銅(Cu)またはこれらから選ばれる少なくとも1種以上の金属材料を含有する合金等から成る。また、撮像素子接続用パッド3、外部回路接続用電極、内部配線、及び貫通導体は、配線基板2が樹脂から成る場合には、銅(Cu),金(Au),アルミニウム(Al),ニッケル(Ni),クロム(Cr),モリブデン(Mo)若しくはチタン(Ti)またはこれらから選ばれる少なくとも1種以上の金属材料を含有する合金等から成る。
【0027】
撮像素子接続用パッド3、外部回路接続用電極、内部配線、及び貫通導体の露出表面に、めっき層が設けられることが好ましい。この構成によれば、撮像素子接続用パッド3、外部回路接続用電極、内部配線、及び貫通導体の露出表面を保護して酸化を防止できる。また、この構成によれば、撮像素子接続用パッド3と撮像素子10とのワイヤボンディング等の接続部材13を介した電気的接続、または外部回路接続用電極と外部回路基板との電気的接続を良好にできる。めっき層は、例えば、厚さ0.5〜10μmのNiめっき層を被着させるか、またはこのNiめっき層および厚さ0.5〜3μmの金(Au)めっき層を順次被着させてもよい。
【0028】
図1〜
図3に示す例のように、撮像素子実装用基板1は、撮像素子10を実装する複数の撮像素子実装部11を有しており、撮像素子実装部11は、それぞれ縦断面視で凸状または凹状である。
【0029】
図1〜
図3に示す例のように、複数の撮像素子実装部11がそれぞれ断面視で配線基板2の厚み方向に凸状または凹状であることで、撮像素子実装部11が平板状である場合と比較して、複数の撮像素子10を各撮像素子実装部11に実装する場合に、撮像素子実装用基板1が撮像素子10を支持する面積を小さくする、または面積の小さい複数の点で支持することができ、それぞれの撮像素子10の傾きを容易かつ精度よく調整することができる。したがって、複数の撮像素子10を各撮像素子実装部11に容易にかつ精度よく実装することが可能となる。
【0030】
撮像素子実装部11は、撮像素子10が実装される領域をいう。
図1〜
図3に示す例では、撮像素子実装部11は撮像素子接続用パッド3の内側の領域を示しているが、撮像素子接続用パッド3を含めた領域としてもよい。
【0031】
図1及び
図3に示す例では、撮像素子実装部11は第1撮像素子実装部11aと第2撮像素子実装部11bとを有しており、それぞれに凹状の第1最低点2aと第2最低点2cとを有している。第1撮像素子実装部11a及び第2撮像素子実装部11bが凹状の第1最低点2aと第2最低点2cとを有することで、撮像素子10の中心付近を配線基板2と離すことが可能となり、撮像素子10に対する影響を小さくすることができる。また二つの第1最低点2aと第2最低点2cとが、中間部4の中央を配線基板2の厚み方向(z方向)に通る仮想軸を中心として、点対称または線対称であることによって、撮像素子10を実装する工程において、それぞれの撮像素子10の傾きを、中間部4の中央を配線基板2の厚み方向(z方向)に通る仮想軸を中心として、対称とすることが容易となる。
【0032】
図2に示す例では、撮像素子実装部11は第1撮像素子実装部11aと第2撮像素子実装部11bとに分かれており、それぞれに凸状の第1最高点2bと第2最高点2dとを有している。
図2に示す例のように撮像素子実装部11の形状が縦断面視で前記配線基板の厚み方向に凸状であると、撮像素子10を実装する工程において、撮像素子10が凸状部で接するため、撮像素子10の傾きの調整が容易とすることができる。
【0033】
また、
図1〜
図3に示す例では、撮像素子実装部11が2個設けられており、2つの撮像素子実装部11は2つとも凹状または凹状のどちらかである。このことによって、より撮像素子10の傾きの調整が容易となるため、好ましい。
【0034】
また、一般的に、撮像素子10を実装する工程において、撮像素子10は主面側から加圧される場合がある。例えば撮像素子実装部11が凹状で角を有する場合、近年の撮像素子実装用基板の薄型化の影響で、撮像素子10を実装する際の応力が加わる工程において、配線基板2の角にクラックまたは割れが発生する可能性がある。特に縦断面視で凹状の最低点(第1最低点2aまたは第2最低点2c)で角を有する場合は、顕著なものとなる。また、例えば撮像素子実装部11の凸状の最高点の断面図が角度を有する場合は、撮像素子10を実装する際の圧力が加わる工程において、配線基板2の第1最高点2bまたは、第2最高点2dに欠けが発生する可能性と、及び撮像素子10の下面にクラックまたは欠けが発生する可能性とがある。
【0035】
これに対し、
図1〜
図3に示す例のように、撮像素子実装部11の凸状部または凹状部は、縦断面視における外縁形状が円弧状であることで、例えば2つの撮像素子実装部11が凹状の場合は、撮像素子実装部の最低点が応力の起点となりにくく、配線基板2が第1最低点2aまたは、第2最低点2cからクラックまたは割れが発生する事を低減させることができる。また、例えば2つの撮像素子実装部11が凸状の場合には、頂点が緩やかな円弧状となるため、第1最高点2bまたは、第2最高点2dを起点とした配線基板2の欠けの発生を低減させることができる。また、第1最高点2bまたは、第2最高点2dから
撮像素子10の下面にかかる応力を小さくすることが可能となり、撮像素子10にクラックまたは欠けが発生する可能性を低減させることができる。
【0036】
さらに
図1〜
図3に示す例のように、複数の撮像素子実装部11に挟まれる主面の領域である中間部4は、縦断面視における外縁形状が円弧状であることが好ましい。近年、撮像素子10は、高画素化が進んでおりそれに伴い、動作時の発熱量も大きくなっている。そのため、撮像素子10の発熱により、撮像素子実装用基板1が変形する際、撮像素子実装用基板1の2つの撮像素子実装部11の間の中間部4に角部が存在すると、その変形の応力が集中し、撮像素子実装用基板1にクラックが発生する可能性があった。本形態のように、2つの撮像素子実装部11の間の中間部4が円弧状となっていることで、応力を集中しづらくさせ、クラックの発生を低減させることができる為好ましい。
【0037】
また、
図1〜
図3に示す例のように、複数の撮像素子実装部11の凸状の最高点または凹状の最低点の、配線基板2の厚み方向における位置は同じであることが好ましい。なお、配線基板2の厚み方向における位置が同じであるとは、各撮像素子実装部11の凸状の最高点の、配線基板2の厚み方向における距離、または各撮像素子実装部11の凹状の最低点の、配線基板2の厚み方向における距離が0.2mm以下であることを含んでいる。一般的に、2つの撮像素子10とレンズ22との距離は等しい方が好ましい。そのため、本構造によって、2つの撮像素子10とレンズとの距離を等しくすることが容易となるため好ましい。
【0038】
次に、
図3を用いて、撮像装置21と撮像モジュール30について説明する。
図3に示す例において、撮像装置21は撮像素子実装用基板1と、撮像素子実装部11に実装された撮像素子10と、を有している。また、
図3に示す例において、撮像モジュール30は撮像素子実装用基板1の上面に接合されたレンズ筐体31を有している。
【0039】
撮像素子10は例えば、CCD型またはCMOS型等の撮像素子等が用いられる。
図3に示す例においては、撮像素子10の各電極は、接続部材13(ボンディングワイヤ)によって撮像素子接続用パッド3に電気的に接続されている。
【0040】
撮像素子実装用基板1の上面には、レンズ筐体31が接合されている。レンズ筐体31は、上部の開口にレンズ22を有しており、光学フィルタ23が接合されていてもよい。
【0041】
また、
図3に示すように、レンズ筐体31は複数のレンズ22の間に撮像素子実装用基板1まで到達する柱を設けていることが好ましい。一般的に、撮像素子実装用基板1に実装される撮像素子10が2つになると、伴ってレンズ22が2つになることで、レンズ筐体31が大型化する。このとき、2つのレンズ22の間に柱を設けることにより、外部からの衝撃などにより大型化したレンズ筐体31の上面が変形することを防ぐことができる為である。また、複数のレンズ22の間に柱を設けることにより、左側に設けられたレンズ22から入射した光が右側の撮像素子10へ、また右側に設けられたレンズ22から入射した光が左側の撮像素子10へ到達することを低減することが可能となる。よって、画像にノイズが発生することを低減させることが可能となる。
【0042】
本発明の撮像装置21は、上記構成の撮像素子実装用基板1と、撮像素子実装部11に実装された撮像素子10と、撮像素子実装用基板1の上面に接合されたレンズ筐体31とを有していることにより、撮像モジュール30を用いて得られる画像に発生する不具合を低減させることが可能となる。
【0043】
次に、本実施形態の撮像素子実装用基板1の製造方法の一例について説明する。
【0044】
なお、下記で示す製造方法の一例は、多数個取り配線基板を用いた製造方法である。
【0045】
(1)まず、配線基板2を構成するセラミックグリーンシートを形成する。例えば、酸化アルミニウム(Al
2O
3)質焼結体である配線基板2を得る場合には、Al
2O
3の粉末に焼結助材としてシリカ(SiO
2),マグネシア(MgO)またはカルシア(CaO)等の粉末を添加し、さらに適当なバインダー、溶剤および可塑剤を添加し、次にこれらの混合物を混錬してスラリー状となす。その後、従来周知のドクターブレード法またはカレンダーロール法等の成形方法によって多数個取り用のセラミックグリーンシートを得る。
【0046】
なお、配線基板2が、例えば樹脂から成る場合は、所定の形状に成形できるような金型を用いて、トランスファーモールド法またはインジェクションモールド法等で成形することによって配線基板2を形成することができる。
【0047】
また、配線基板2は、例えばガラスエポキシ樹脂のように、ガラス繊維から成る基材に樹脂を含浸させたものであってもよい。この場合には、ガラス繊維から成る基材にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させ、このエポキシ樹脂前駆体を所定の温度で熱硬化させることによって配線基板2を形成できる。
【0048】
(2)次に、スクリーン印刷法等によって、上記(1)の工程で得られたセラミックグリーンシートに撮像素子接続用パッド3、外部回路接続用電極及び貫通導体や内部配線を含んだ配線導体となる部分に金属ペーストを塗布または充填する。
【0049】
この金属ペーストは、前述した金属材料から成る金属粉末に適当な溶剤およびバインダーを加えて混練することによって、適度な粘度に調整して作製される。なお、金属ペーストは、配線基板2との接合強度を高めるために、ガラス、セラミックスを含んでいても構わない。
【0050】
(3)次に、各絶縁層となるセラミックグリーンシートを積層して加圧することにより配線基板2となるセラミックグリーンシート積層体を作製する。また、本工程で例えば金型や樹脂等で撮像素子実装部11となる部分を上面または下面から押圧することで撮像素子実装部11を凹状または凸状とすることが可能となる。または撮像素子実装部11となる部分を上面または下面から吸引することで撮像素子実装部11を凸状または凹状とすることが可能となる。
【0051】
(4)次に、このセラミックグリーンシート積層体を約1500〜1800℃の温度で焼成して、配線基板2が複数配列された多数個取り配線基板を得る。なお、この工程によって、前述した金属ペーストは、配線基板2となるセラミックグリーンシートと同時に焼成され、撮像素子接続用パッド3、外部回路接続用電極、または配線導体となる。
【0052】
(5)次に、焼成して得られた多数個取り配線基板を複数の配線基板2に分断する。この分断においては、配線基板2の外縁となる箇所に沿って多数個取り配線基板に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って破断させて分割する方法、またはスライシング法等により配線基板2の外縁となる箇所に沿って切断する方法等を用いることができる。なお、分割溝は、焼成後にスライシング装置により多数個取り配線基板の厚みより小さく切り込むことによって形成することができるが、多数個取り配線基板用のセラミックグリーンシート積層体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によりセラミックグリーンシート積層体の厚みより小さく切り込んだりすることによって形成してもよい。
【0053】
上記(1)〜(5)の工程によって、撮像素子実装用基板1が得られる。なお、上記(
1)〜(5)の工程順番は指定されない。
【0054】
このようにして形成された撮像素子実装用基板1の撮像素子実装部11に撮像素子10を実装することで、撮像装置21を作製することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による撮像素子実装用基板1および撮像装置21について、
図4を参照しつつ説明する。
【0056】
本実施形態における撮像装置21において、第1の実施形態の撮像装置21と異なる点は、撮像素子実装部11の第1最低点2aおよび第2最低点2cの最低点の撮像素子10に対する位置が異なる点である。
【0057】
図4に示す例では、撮像素子10は主面に受光面10aを有しており、撮像素子実装部11の凹状部の最低点と撮像素子10の受光面10aの中心とが平面視においてずれている、すなわち偏心している。
【0058】
この形状によって、撮像素子10を特定の方向に傾かせやすくなる。そのため、2つの撮像素子10の受光面10aに垂直な軸すなわち光軸を容易に調整することができる為、より撮像装置21で得られる画像を良好とすることが可能となる。
【0059】
また、撮像素子実装部11の凹状部の第1最低点2aは、撮像素子10の受光面10aの中心よりも、複数の撮像素子実装部11間の中央側に位置している。このことによって、2つの撮像素子10の受光面10aを配線基板2の中央方向へ傾けることが容易となる。よって、2つの撮像素子10の光軸を1点に集光することが容易となり、より撮像装置21で得られる画像を良好とすることが可能となる。
【0060】
また、第1撮像素子実装部11aの形状と第2撮像素子実装部11bの形状を、中間部4の中心点に対して点対称または線対称となるように作製することで、2つの撮像素子10の傾きを2つの撮像素子10の光軸が1点で集光するようにより容易に調整することが可能となるため、好ましい。
【0061】
また、2つの撮像素子実装部11の間の中間部4が保持する空間4aの空気の体積をより小さくすることが可能となる。このことで、2つの撮像素子10が動作し発熱した場合において、第1撮像素子実装部11aと第2撮像素子実装部11bとの温度を均等にすることが可能となる。よって、2つの撮像素子10の状態を等しくすることができる為、より撮像装置21で得られる画像を良好とすることが可能となる。
【0062】
このような、撮像素子実装用基板1の作製する方法として、例えば凹状部の中心が偏心するように作製した金型を用いて撮像素子実装用基板1となるセラミックグリーンシートを押圧する方法がある。また、例えば撮像素子実装用基板1となるセラミックグリーンシートを吸引する際に、撮像素子実装部11の中心からずらして吸引する方法等が挙げられる。
【0063】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による撮像素子実装用基板1および撮像装置21について、
図5を参照しつつ説明する。
【0064】
本実施形態における撮像装置21において、第1の実施形態の撮像装置21と異なる点は、撮像素子実装部11の第1最高点2bおよび第2最高点2dの最高点の撮像素子10
に対する位置が異なる点である。
【0065】
図5に示す例では、撮像素子10は主面に受光面10aを有しており、撮像素子実装部11の凸状部の最上点と撮像素子10の受光面10aの中心とが平面視においてずれている、すなわち偏心している。
【0066】
この形状によって、撮像素子10を特定の方向に傾かせやすくなる。そのため、2つの撮像素子10の光軸を容易に調整することができる為、より撮像装置21で得られる画像を良好とすることが可能となる。
【0067】
また、撮像素子実装部11の凸状部の最高点は、受光面10aの中心よりも複数の撮像素子実装部11全体における外側に位置している。このことによって、2つの撮像素子10の受光面10aを配線基板2の中央方向へ傾けることが容易となる。よって、2つの撮像素子10の光軸を容易に調整することが容易となり、より撮像装置21で得られる画像を良好とすることが可能となる。
【0068】
また、第1撮像素子実装部11aの形状と第2撮像素子実装部11bの形状を、中間部4の中央を配線基板2の厚み方向(z方向)に通る仮想軸を中心として、点対称または線対称となるように作製することで、2つの撮像素子10の受光面10aを容易に傾けることが可能となる。よって、2つの撮像素子10の光軸がより容易に調整することが可能となるため、好ましい。
【0069】
このような、撮像素子実装用基板1の作製する方法として、例えば凹状部の中心が偏心するように作製した金型を用いて撮像素子実装用基板1となるセラミックグリーンシートを押圧する方法がある。また、例えば撮像素子実装用基板1となるセラミックグリーンシートを吸引する際に、撮像素子実装部11の中心からずらして吸引する方法等が挙げられる。
【0070】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態による撮像素子実装用基板1および撮像装置21について、
図6を参照しつつ説明する。
【0071】
本実施形態における撮像装置21において、第1の実施形態の撮像装置21と異なる点は、撮像素子実装部11の第1最低点2aおよび第2最低点2cと撮像素子10との下面との間に接着剤19が設けられている点である。
【0072】
図6に示す例では、撮像素子実装用基板1の撮像素子実装部11の第1最低点2aおよび第2最低点2cと撮像素子10の下面との間には接着剤19が充填されている。このことによって、撮像素子実装用基板1と撮像素子10との接合強度を向上させることが可能となる。
【0073】
また、接着剤19を大目に塗布することにより、撮像素子10を実装する工程において撮像素子10の傾きの調整が可能となり2つの撮像素子10の光軸を調整することが、より容易となる、より。また、その後接着剤19を硬化させる工程において、接着剤19の体積が小さくなり撮像素子実装用基板1と当接する。この時、
図6に示すように、凹状部が円弧状を描いていることによって、撮像素子10にかかる応力を低減させることができる為、撮像素子10に欠けやクラック等が発生することを低減させることができる。
【0074】
接着剤19は、例えば、銀エポキシや熱硬化性樹脂等が使用される。また、熱伝導性の良い接着剤19を用いることで、撮像素子10の放熱性を向上させることができる為、好
ましい。
【0075】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態による撮像素子実装用基板1および撮像装置21について、
図7を参照しつつ説明する。
【0076】
本実施形態における撮像装置21において、第1の実施形態の撮像装置21と異なる点は、撮像素子実装部11の第1最高点2bおよび第2最高点2dと撮像素子10の下面との間に接着剤19が設けられている点である。
【0077】
図6に示す例では、撮像素子実装用基板1の撮像素子実装部11の第1最高点2bおよび第2最高点2dと撮像素子10の下面との間には接着剤19が充填されている。このことによって、撮像素子実装用基板1と撮像素子10との接合強度を向上させることが可能となる。特に、
図6に示す形状であると、接着剤19がフィレット形状を形成することが可能となる。よって、撮像素子10を下側に引っ張る力が大きくなるため、より接合強度を向上させることが可能となる。
【0078】
接着剤19は、例えば、銀エポキシや熱硬化性樹脂等が使用される。また、熱伝導性の高い接着剤19を用いることで、撮像素子10の放熱性を向上させることができる為、好ましい。
【0079】
また、熱伝導性の高い接着剤19を第5の実施形態で用いることで、接着剤19のフィレットの部分でより表面積が大きくなるため、より放熱性を向上させることができる為、好ましい。またこの時、凸状部の円弧が大きい程、フィレットを大きく形成することができ、接合強度と放熱性をより向上させることができる為、好ましい。
【0080】
なお、本発明は上述の実施形態の例に限定されるものではなく、数値などの種々の変形は可能である。
【0081】
また、例えば、
図1〜
図7に示す例では、撮像素子接続用パッド3の形状は矩形状であるが、円形状やその他の多角形状であってもかまわない。
【0082】
また、本実施形態における撮像素子接続用パッド3の配置、数、形状などは指定されない。
【0083】
また、本実施形態における特徴部の種々の組み合わせは上述の実施形態の例に限定されるものではい。