特許第6408342号(P6408342)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立産機システムの特許一覧

<>
  • 特許6408342-圧縮機 図000002
  • 特許6408342-圧縮機 図000003
  • 特許6408342-圧縮機 図000004
  • 特許6408342-圧縮機 図000005
  • 特許6408342-圧縮機 図000006
  • 特許6408342-圧縮機 図000007
  • 特許6408342-圧縮機 図000008
  • 特許6408342-圧縮機 図000009
  • 特許6408342-圧縮機 図000010
  • 特許6408342-圧縮機 図000011
  • 特許6408342-圧縮機 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6408342
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 41/00 20060101AFI20181004BHJP
   F04B 41/02 20060101ALI20181004BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   F04B41/00 A
   F04B41/02 A
   F04B39/12 G
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-224145(P2014-224145)
(22)【出願日】2014年11月4日
(65)【公開番号】特開2016-89692(P2016-89692A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 妙朗
(72)【発明者】
【氏名】成澤 伸之
【審査官】 原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−220123(JP,A)
【文献】 特開2011−079485(JP,A)
【文献】 特開平10−205142(JP,A)
【文献】 特開平11−192965(JP,A)
【文献】 特開昭57−164871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 41/00
F04B 39/12
F04B 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機本体と、圧縮機本体を駆動するモータと、圧縮機本体から吐出された圧縮気体を貯蔵するタンクを有し、
前記圧縮機本体は、前記タンク上に取付けられ、クランクシャフトに取付けられた圧縮機プーリを有し、
前記モータは、前記タンク上に取付けられ、回転軸に取付けられたモータプーリを有し、
前記圧縮機プーリと前記モータプーリはベルトで連結されており、
前記圧縮機プーリ、モータプーリ、ベルトを覆う保護カバーを有する圧縮機であって、
前記保護カバーは、圧縮機外側から覆う外側保護カバーと、前記外側保護カバーとの間で前記圧縮機プーリ、モータプーリ、ベルトを挟むように内側から覆う内側保護カバーからなり、
前記内側保護カバーは前記圧縮機本体側と前記モータ側で2分割され、それぞれの向かい合う端面のうち片方を階段状に折り曲げ、他方をL曲げとして折り曲げ、該折り曲げ部近傍を重ね合わせ締結手段で固定したことを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載の圧縮機であって、
前記L曲げの折り曲げ部と前記階段状の折り曲げ部を重ね合わせたときに、前記L曲げの折り曲げ部の端部が前記階段状の折り曲げ部に干渉しないだけの隙間を設けたことを特徴とする圧縮機。
【請求項3】
請求項に記載の圧縮機であって、
前記L曲げの折り曲げ部の端部が前記階段状の折り曲げ部の前記外側保護カバー側に来るように重ね合わせたことを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機であって、
前記重ね合わせ部分の折り曲げ形状を互い違いに組み合わせられる構成としたことを特徴とする圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機の保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気等の気体を圧縮する圧縮機は、載置台と、該載置台に取付けられ出力軸に駆動プーリが設けられた電動モータと、前記載置台に取付けられ従動プーリを回転することにより空気を吸込んで圧縮し圧縮空気を吐出する圧縮機本体と、前記駆動プーリと従動プーリとに巻装されたベルトとにより大略構成されている。そして、電動モータの駆動プーリ、圧縮機本体の従動プーリ、ベルトを外側から覆う外側保護カバーと、該外側保護カバーとの間に前記各プーリ、ベルトを挟むように内側から覆う内側保護カバーとが設けられている。
ここで、駆動プーリと従動プーリとに巻装されたベルトは、長期間使用すると延びを生じるから、所定の稼動時間毎に張り調整を行うことが望ましい。従って、電動モータは、ベルトに張りを与えるために、圧縮機本体に対する離間距離を調整できるように載置台に移動可能に取付けられている。そのため、電動モータの出力軸が貫通する内側保護カバーには、電動モータを移動させたときに出力軸やモータの外形等が干渉しないように大きな開口を設ける構成としている。
【0003】
しかし、この開口から、プーリやベルトが露出してしまうという問題があった。そこで、これを解決するために、特開2006−220123号公報(特許文献1)がある。特許文献1は、内側保護カバーに、その開口を閉塞する閉塞カバーを設けてプーリやベルトを覆い隠す構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−220123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1では、内側保護カバーは1枚の平板によって構成されているため、同様の構成を大型機へ適用する場合には、特にカバー中央部においてカバー自体の曲げ剛性不足が生じる。この結果として、保護カバー全体の振動が大きくなり、破損やプーリとの干渉など種々の問題を生じる。
【0006】
一方で原価低減の観点から、強度部材ではない保護カバーの板厚は、機能を維持できる範囲で薄板化することが望ましい。このため、剛性不足の問題がさらに顕著になる。
【0007】
上述した特許文献1では、剛性向上のため、内側保護カバーの中央付近を階段状に折り曲げることも示されている。しかし、このような大判板材の曲げ加工は、加工機の制約条件によって素材寸法や形状が制限されるため、実際には困難である。また、単純な1枚平板の折り曲げのみでは、剛性向上の効果は微小であり充分でない。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、内側保護カバーの強度の向上と、素材薄板化による原価低減、および生産性の向上を可能とした圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、圧縮機本体と、圧縮機本体を駆動するモータと、圧縮機本体から吐出された圧縮気体を貯蔵するタンクを有し、圧縮機本体は、タンク上に取付けられ、クランクシャフトに取付けられた圧縮機プーリを有し、モータは、タンク上に取付けられ、回転軸に取付けられたモータプーリを有し、圧縮機プーリとモータプーリはベルトで連結されており、圧縮機プーリ、モータプーリ、ベルトを覆う保護カバーを有する圧縮機であって、保護カバーは、圧縮機外側から覆う外側保護カバーと、外側保護カバーとの間で圧縮機プーリ、モータプーリ、ベルトを挟むように内側から覆う内側保護カバーからなり、内側保護カバーを2分割構造とし、それぞれの向かい合う端面を折り曲げ、折り曲げ部近傍を重ね合わせ、締結手段で固定する構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、保護カバーの生産性向上、振動低減、薄板化による原価低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を適用した実施例1の往復動圧縮機の外観図である。
図2】本発明を適用した実施例1の圧縮機本体と圧縮機プーリの位置関係を示す図である。
図3】本発明を適用した実施例1の往復動圧縮機とモータのプーリの位置を示す図である。
図4】本発明を適用した実施例1の往復動圧縮機とモータのプーリの位置を示す図である。
図5】本発明を適用した実施例1の往復動圧縮機とモータのプーリの位置を示す図である。
図6】本発明を適用した実施例1の保護カバーの配置を説明するための図である。
図7】本発明を適用した実施例1の保護カバーとプーリ、圧縮機本体、モータとの関係を模式的に示した展開図である。
図8】本発明を適用した実施例1の内側保護カバーの形状図を示す図である。
図9】本発明を適用した実施例1の内側保護カバーをタンクに固定する説明図である。
図10】本発明を適用した実施例2の内側保護カバーの形状図を示す図である。
図11】本発明を適用した実施例3の内側保護カバーの形状図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
本実施例による圧縮機として、往復動型の圧縮機本体を備えた空気圧縮機を例にして図1に従って説明する。図1において、(A)は往復動圧縮機の正面図、(B)は往復動圧縮機の背面図である。
【0014】
図1(A)に示すように、往復動圧縮機は、圧縮機本体1と、圧縮機本体1を駆動させるモータ2と、圧縮機本体1から吐出された圧縮空気を貯蔵するタンク3で概略構成されている。圧縮機本体1は、クランクケース4とその上部に設けられたシリンダ5とクランクケース内に設けられたクランクシャフトにコンロッドを介して連結され、シリンダ5内に摺動自在に設けられたピストン等で構成されている。
【0015】
また、図1(B)において、圧縮機本体1のクランクシャフトに取付けられた圧縮機プーリ6とモータ2の回転軸に取付けられたモータプーリ7はベルト8で連結されており、これにより、圧縮機本体1はモータ2により駆動される。また、圧縮機プーリ6、モータプーリ7、ベルト8を外側から覆う外側保護カバー9が設けられている。なお、図1(B)では、外側保護カバー9の背面側板が取り外された状態を示している。また、図1(A)に示すように、外側保護カバーとの間に前記各プーリ、ベルトを挟むように内側から覆う内側保護カバー10、11が設けられている。
【0016】
圧縮機プーリ6は複数の羽根が設けられ、冷却ファンとして作用するように構成されている。往復動圧縮機は上死点と下死点で、回転力が働かなくなるため、回転変動が大きくなる。この回転変動を滑らかにするために、圧縮機プーリ6はフライホイールとしての役割も兼ねており、慣性モーメントを大きくするために重量が必要となるが、回転数調整の関係上径での重さ調整が難しいため、軸方向の厚さでプーリの重さを調整する。なお、圧縮機プーリ6は圧縮機本体に近い方がファンの冷却効率が高い。
【0017】
図2に圧縮機本体1と圧縮機プーリ6の位置関係を上から見た図を示す。図2において、プーリ側主軸受12とベルト溝の距離をLとし、ベルト8による張力をFとすると、プーリ側主軸受12に発生するモーメントMはM=L×Fとなる。よって、圧縮機プーリ6が圧縮機本体1から遠くLが大きくなる場合、張力によるモーメントも大きくなるため、プーリ側の主軸受12の寿命低下を生じさせる。
【0018】
図3、4、5に往復動圧縮機を上から見た図を示す。図3に示すように、圧縮機プーリ6を圧縮機本体1に近くなるように構成すると、ベルト8をかける溝が圧縮機本体側になるため、モータプーリ7の溝もあわせて往復動圧縮機の正面側の前方(図面の下方向)である矢印の示す方向に移動しなくてはならない。この場合はモータ2がタンク3から前に出っ張り、製品の設置面積が大きくなる。
【0019】
逆に図4のように圧縮機本体1を往復動圧縮機の背面側の後方へ移動させれば(矢印の示す図面の上方向)、モータ2を出っ張らないようにできるが、この場合は圧縮機プーリ6がタンク3の背面側の後ろ側へ出っ張る。
【0020】
したがって、幅広のプーリを備えつつ、設置面積を最小化するためには、図5に示すように、圧縮機プーリ6とモータプーリ7の背面側である後側端面を一致させつつ、前側端面は段になるように構成する。ここで、タンク中心から圧縮機プーリ6前側端面までの前後方向距離をLとし、タンク中心からモータプーリ7前側端面までの前後方向距離をLmとすると、L<Lmとなる。このプーリ同士の前側端面の距離の差をLとする。この距離を設けることは、設置面積最小化にとっても有利に働くが、後述する保護カバーの構成が容易になるという効果もある。
【0021】
本実施例の保護カバーは、外側保護カバー9と、圧縮機本体側とモータ側で大きく2分割された内側保護カバー10、11から成る。
【0022】
図6は往復動圧縮機を上から見た図であり、本実施例の保護カバーの配置を説明するための図である。図6に示すように、圧縮機本体側の内側保護カバー10は、圧縮機本体1と圧縮機プーリ6の間にあって、圧縮機本体1や圧縮機プーリ6に対し運転中においても干渉の危険性がないだけの隙間L1、L2を有している。また、モータ側の内側保護カバー11は、モータ2とモータプーリ7の間に設けられていて、モータ2やモータプーリ7に対し運転中においても干渉の危険性がないだけの隙間L3、L4を有している。
【0023】
図7は、保護カバーとプーリ、圧縮機本体、モータとの関係を模式的に示した展開図である。図7に示すように、圧縮機本体1側の内側保護カバー10の中央部には、貫通するクランク軸を避けるための切欠き10aがある。また、モータ2側の内側保護カバー11の中央部には、貫通するモータ軸を避けるための切欠き11aがある。この切欠き11aはモータスライド方向に広くなっているため、電源周波数の違いなど、プーリ径やベルト周長が多少異なる仕様の場合においても、ベルト8の張力の調整が可能である。またモータ2の外形ではなく、モータ軸で避けているため、モータの出力違いなどの場合でもカバーの共用化が可能である。
【0024】
図8に内側保護カバー10、11の形状図を示す。図8(A)は内側保護カバー10、11の上面図、(B)はその斜視図である。なお、内側保護カバー11は、10との区別をつけるために便宜上ハッチングを施して表示している。図8(A)、(B)に示すように、圧縮機本体側の内側保護カバー10は、モータ側端面が階段状に折り曲げられていて、そのときの曲げ高さは、前述したプーリ前側端面間距離Lと略一致している。モータ側の内側保護カバー11も同様である。
【0025】
図8(C)、(D)は内側保護カバー10、11を締結したときの上面図及び斜視図である。図8(C)、(D)に示すように、2枚の内側保護カバー10、11は、階段状の折り曲げ部分近傍を重ね合わせた部分をねじ止め等の締結手段によって締結される。本実施例では、従来は剛性が不足していた内側保護カバーの中央部分に対し、板厚2枚分の折り曲げを設けることになり、剛性向上が見込める。逆に言うと、プーリ前側端面間距離Lがあることで、2枚の保護カバーに上述のような折り曲げを設けることが可能となる。
【0026】
図9は、内側保護カバー10、11をタンク3に固定するための説明図である。図9に示すように、2枚の内側保護カバー10、11を重ね合わせた部分を、固定板13でタンク3に締結することで、さらに振動を低減できる。なお、保護カバーの固定位置は、圧縮機本体1とモータ2の中間点にあった方がバランスが良く、また折り曲げ締結部に近い方がより振動低減が可能である。ただし固定板13をタンク3に対して取付ける位置の関係から、圧縮機本体1あるいはモータ2を搭載する台である、コンプレッサ台14またはモータ台15の側面に近い方が、レイアウトが容易である。本実施例では、モータ台15の側面に固定板13で内側保護カバー10、11を重ね合わせた部分を固定しているが、コンプレッサ台14の側面に固定しても良い。また、上記はコンプレッサ台14とモータ台15を別々に設けた構成について説明したが、これらを1つにした載置台に固定するようにしても良い。
【0027】
また、本実施例は、往復動型の圧縮機本体を備えた空気圧縮機を例にして説明したが、圧縮機本体は往復動型に限定されるものでなく、また、圧縮する対象物は空気に限定されるものでもなく任意の気体でも良い。
【0028】
以上のように、本実施例によれば、内側保護カバーの強度の向上と、素材薄板化による原価低減、および生産性の向上を可能とした圧縮機を提供することができる。
【実施例2】
【0029】
本実施例は、内側保護カバーにおいて、回転部を効果的に保護可能であるとともに、保護カバーの剛性向上による振動低減と、組立性の向上が可能な構成について説明する。
【0030】
すなわち、実施例1では2枚の保護カバーがそれぞれ階段状に折り曲げられていたが、本実施例では、片側の保護カバーの折り曲げを階段ではなくL曲げとして構成する。
【0031】
図10は本実施例における内側保護カバーの構成である。図10において、(A)、(B)は内側保護カバー16、17の締結部を示した上面図および斜視図である。また、(C)、(D)は組付時の上面図および斜視図を示した図である。図10に示すように、内側保護カバー16、17の内、モータ側の内側保護カバー17の折り曲げを階段ではなくL曲げとして構成し、かつL曲げ部と圧縮機本体側の内側保護カバー16の階段曲げ部には干渉の危険性がないだけの隙間を設ける。これにより、実施例1に対して2枚のカバー同士の接触面積が小さくなり、実施例1に対してわずかに剛性は劣るものの、締結点を少なくできる。すなわち、締結箇所を少なくしても、振動によって締結箇所から離れた箇所でカバー同士が干渉し異音等の問題を生じる可能性が減少できる。よって、実施例1では、左右2箇所、上下2箇所の計4箇所でのねじ止めが必要であったが、本実施例では上下2箇所のみでよく、締結箇所を減らすことが出来、組立性の向上が可能となる。
【0032】
また、L曲げ側の端面は、製品正面に露出しないように階段曲げ側の背面にくるように構成すると、L曲げ側の端面が露出せず外観的に優れると共に端面による引っ掛かりを防止できるという効果がある。
【0033】
なお、上記内側保護カバー16と17の折り曲げを逆にして、内側保護カバー16の折り曲げをL曲げとし、17の折り曲げを階段状にしても良い。
【実施例3】
【0034】
本実施例では、内側保護カバーにおいて、回転部を効果的に保護可能であるとともに、保護カバーの剛性向上による振動低減と、組立性の向上が可能であり、かつ材料費の低減が可能な構成について説明する。
【0035】
すなわち、実施例1および2では、2枚の内側保護カバーの重ね合わせ部(実施例2で言えば、16b、17b)は、必ずどちらかの端面が製品正面側へ露出するように構成されていたが、本実施例では、重ね合わせ部分の折り曲げ形状を、互い違いに組み合わせられるように構成する。
【0036】
図11は本実施例における保護カバーの構成である。図11において、(A)、(B)は内側保護カバー18、19の締結部を示した上面図および斜視図である。また、(C)、(D)は組付時の上面図および斜視図を示した図である。図11に示すように、圧縮機本体側カバー18およびモータ側カバー19の重ね合わせ部分の折り曲げ形状を互い違いに組み合わせられるように構成する。これにより、双方のカバーの端面が外観的に目立たないようになり、従来の1枚板の場合と比較しても外観的に見劣りがなくなる。
【0037】
また、実施例1および2に対して、2枚のカバー同士の接触面積が小さくなるのでカバー同士の締結点が1つで良く、剛性を保ちつつ、カバー同士の隙間も小さいまま、カバー固定用の板にネジ1本で固定することが可能となるので締結部材の材料費を低減できるという効果がある。
【0038】
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:圧縮機本体
2:モータ
3:タンク
4:クランクケース
5:シリンダ
6:圧縮機プーリ
7:モータプーリ
8:ベルト
9:外側保護カバー
10、16、18:圧縮機本体側カバー
11、17、19:モータ側カバー
12: プーリ側主軸受
13: 固定版
14:コンプレッサ台
15:モータ台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11