特許第6408478号(P6408478)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6408478トリオキサカルシン、トリオキサカルシン−抗体複合体、およびその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6408478
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】トリオキサカルシン、トリオキサカルシン−抗体複合体、およびその用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20181004BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20181004BHJP
   C07D 493/22 20060101ALI20181004BHJP
   C07H 17/04 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20181004BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   A61K39/395 L
   A61K47/68
   C07D493/22CSP
   C07H17/04CSP
   A61P9/00
   A61P35/00
   A61P27/02
   A61P29/00
   A61P37/02
   A61P31/00
【請求項の数】17
【全頁数】182
(21)【出願番号】特願2015-544186(P2015-544186)
(86)(22)【出願日】2013年11月26日
(65)【公表番号】特表2016-507476(P2016-507476A)
(43)【公表日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】US2013071924
(87)【国際公開番号】WO2014082065
(87)【国際公開日】20140530
【審査請求日】2016年11月22日
(31)【優先権主張番号】61/729,826
(32)【優先日】2012年11月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507044516
【氏名又は名称】プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ,アンドリュー,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】スマルツ,ダニエル,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハ,アンドレアス
【審査官】 高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/119549(WO,A1)
【文献】 Bioconjugate Chem.,2010年,Vol.21,p.5-13
【文献】 Cancer Research,2006年,Vol.66, No.6,p.3214-3221
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/395
A61K 47/68
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I−d):
【化1】
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の化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩であって、
式中、
aは、1〜10の整数(両端を含む)であり、
は、存在しないか、または、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基であり、
は、存在しないか、または、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基であり、
Aは、式−NH−、−NH−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−S−、−O−、
【化2】
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の基であり、
Qは、−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−であり、
Wは、−O−、−S−、または−NRW1−であり、式中、RW1は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
W2は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、または、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成し、
Bは、抗体または抗体断片であり、
D1は、置換もしくは無置換アルキルであり、
E1は、水素であり、
は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORF1、−C(=O)RF2、−COF1、−CN、−SCN、−SRF1、−SORF1、−SOF2、−NO、−N、−N(RF2、−NRF2C(=O)RF2、−NRF2C(=O)N(RF2、−OC(=O)ORF1、−OC(=O)RF2、−OC(=O)N(RF2、−NRF2C(=O)ORF1、または−C(RF2であり、
F1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、またはアシルであり、
F2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、または置換アミノであり、あるいは、2つのRF2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく、
は、−L−(A−L−Bであり、
は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORI1、−C(=O)RI2、−COI1、−CN、−SCN、−SRI1、−SORI1、−SOI2、−NO、−N、−N(RI2、−NRI2C(=O)RI2、−NRI2C(=O)N(RI2、−OC(=O)ORI1、−OC(=O)RI2、−OC(=O)N(RI2、−NRI2C(=O)ORI1、−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、
I1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または式(iii)もしくは(iv)の基であり、
I2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、または式(iii)もしくは(iv)の基であり、あるいは、2つのRI2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく、
式(iii)および(iv)は、
【化3】
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であり、式中、
I3、RI5、RI6、RI7、RI8、RI10、RI11、およびRI12のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−N(RI13、または−NHC(=O)RI13であり、式中、RI13のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、あるいは、2つのRI13基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し、
I4およびRI9のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI14、−N(RI14、−OC(=O)RI14、−NHC(=O)RI15、−OC(=O)RI14、−C(=O)RI14、−C(=NRI14)RI15、−C(=N−ORI14)RI15、−C(=N−NHRI14)RI15、−C(RI15NHRI14、または−C(RI15ORI14であり、式中、RI14は、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、RI15は、水素または置換もしくは無置換アルキルであり、
およびMのそれぞれは、独立して、−O−、−NRI16−、または−CHRI16−であり、式中、RI16は、水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、または−ORI13であり、式中、RI13のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、またはアシルである、
前記化合物、またはそれらの薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
が、存在しないか、または、式:
【化4-1】
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【化4-2】
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式中、
nは、1〜10の整数(両端を含む)であり、
xは、0、1、または2であり、
zは、1または2であり、
Qは、−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−であり、
Wは、O、S、またはNRW1であり、
W1は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
W2は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、または、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成し、
W3のそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、あるいは、2つのRW3基が一緒になって3〜6員環を形成し、あるいは、RW1およびRW3が一緒になって5〜6員ヘテロ環式の環を形成する、
の1つ以上の基の組み合わせからなる連結基である、請求項1に記載の化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
が、
【化5】
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であり、
nが、1〜10の整数(両端を含む)であり、
W1が、水素または置換もしくは無置換アルキルであり、
W3のそれぞれが、独立して水素である、
請求項2に記載の化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
が、存在しないか、または、式:
【化6-1】
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【化6-2】
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【化6-3】
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式中、
nは、1〜10の整数(両端を含む)であり、
xは、0、1、または2であり、
zは、1または2であり、
Qは、−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−であり、
Wは、O、S、またはNRW1であり、
W1は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
W2は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、または、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成し、
W3のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、あるいは、2つのRW3基が一緒になって3〜6員環を形成し、あるいは、RW1およびRW3が一緒になって5〜6員ヘテロ環式の環を形成する、
の1つ以上の基の組み合わせからなる連結基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
が、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換アリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはそれらの薬学的に許容し得る塩。
【請求項6】
が、置換もしくは無置換アルキル、または−ORF1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
が、水素、−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項8】
式(P−I−d):
【化7】
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の化合物またはその薬学的に許容し得る塩であって、
式中、
は、存在しないか、または、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基であり、
Xは、
【化8】
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であり、
式中、
W1は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
D1は、置換もしくは無置換アルキルであり、
E1は、水素であり、
は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORF1、−C(=O)RF2、−COF1、−CN、−SCN、−SRF1、−SORF1、−SOF2、−NO、−N、−N(RF2、−NRF2C(=O)RF2、−NRF2C(=O)N(RF2、−OC(=O)ORF1、−OC(=O)RF2、−OC(=O)N(RF2、−NRF2C(=O)ORF1、または−C(RF2であり、
F1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、またはアシルであり、
F2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、または置換アミノであり、あるいは、2つのRF2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルもしくはヘテロアリール環を形成してもよく、
は、−L−Xであり、

は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORI1、−C(=O)RI2、−COI1、−CN、−SCN、−SRI1、−SORI1、−SOI2、−NO、−N、−N(RI2、−NRI2C(=O)RI2、−NRI2C(=O)N(RI2、−OC(=O)ORI1、−OC(=O)RI2、−OC(=O)N(RI2、−NRI2C(=O)ORI1、−CH(ORI1)、−CH(ORI1または−CHOC(=O)Rあり、
I1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または式(iii)もしくは(iv)の基であり、
I2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、または式(iii)もしくは(iv)の基であり、あるいは、2つのRI2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく、
式(iii)および(iv)は、
【化9】
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であり、
式中、
I3、RI5、RI6、RI7、RI8、RI10、RI11、およびRI12のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−N(RI13、または−NHC(=O)RI13であり、式中、RI13のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、あるいは、2つのRI13基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し、
I4およびRI9のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI14、−N(RI14、−OC(=O)RI14、−NHC(=O)RI15、−OC(=O)RI14、−C(=O)RI14、−C(=NRI14)RI15、−C(=N−ORI14)RI15、−C(=N−NHRI14)RI15、−C(RI15NHRI14、または−C(RI15ORI14であり、式中、RI14は、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、RI15は水素または置換もしくは無置換アルキルであり、
およびMのそれぞれは、独立して、−O−、−NRI16−、または−CHRI16−であり、式中、RI16は、水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、または−ORI13であり、式中、RI13のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、またはアシルである、
前記化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項9】
式(I−d):
【化10】
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の化合物またはその塩を調製する方法であって、
方法が、請求項8に記載の式(P−I−d):
【化11】
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の化合物またはその塩と、(i)式Y−L−Xの化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9個の独立の反復とをカップリングした後に、式Y−L−Bの化合物とのカップリングを行うこと、または、(ii)式Y−L−Bの化合物とのカップリングを行うこと、を含む、
式中、XおよびYのそれぞれは、独立して、−SH、−OH、−NH、−NH−NH、−N、−O−NH、ハロゲン(または他の脱離基)、−C(=O)RX1
【化12】
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からなる群から選択され、
式中、
X1は、水素、ハロゲン、または−ORX2であり、式中、RX2は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または酸素保護基であり、
Wは、O、S、またはNRW1であり、
W1は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
W2は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、または2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成し、
aは、1〜10の整数(両端を含む)であり、
は、存在しないか、または、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基であり、
は、存在しないか、または、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基であり、
Aは、式−NH−、−NH−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−S−、−O−、
【化13】
[この文献は図面を表示できません]

の基であり、
Qは、−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−であり、
Wは、−O−、−S−、または−NRW1−であり、式中、RW1は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基であり、
W2は、水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、または、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成し、
Bは、抗体または抗体断片であり、
D1は、置換もしくは無置換アルキルであり、
E1は、水素であり、
は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORF1、−C(=O)RF2、−COF1、−CN、−SCN、−SRF1、−SORF1、−SOF2、−NO、−N、−N(RF2、−NRF2C(=O)RF2、−NRF2C(=O)N(RF2、−OC(=O)ORF1、−OC(=O)RF2、−OC(=O)N(RF2、−NRF2C(=O)ORF1、または−C(RF2であり、
F1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、またはアシルであり、
F2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、または置換アミノであり、あるいは、2つのRF2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく、
は、水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)RH1、または式(ii)
【化14】
[この文献は図面を表示できません]

の基であり、
式中、
H1、RH3、およびRH5のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORH9、−OC(=O)RH9、−N(RH9、または−NHC(=O)RH9であり、式中、RH9のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、あるいは、2つのRH9基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し、
H2およびRH4のそれぞれは、独立して、水素、−ORH7、−N(RH7、−OC(=O)RH7、−NHC(=O)RH8、−C(=O)RH7、−C(=NRH7)RH8、−C(=N−ORH7)RH8、−C(=N−NHRH7)RH8、−C(RH8NHRH7、または−C(RH8ORH7であり、式中、RH7は、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、RH8は、水素または置換もしくは無置換アルキルであり、あるいは、RH7およびRH8または2つのRH7基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し、
は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORI1、−C(=O)RI2、−COI1、−CN、−SCN、−SRI1、−SORI1、−SOI2、−NO、−N、−N(RI2、−NRI2C(=O)RI2、−NRI2C(=O)N(RI2、−OC(=O)ORI1、−OC(=O)RI2、−OC(=O)N(RI2、−NRI2C(=O)ORI1、−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、
I1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または式(iii)もしくは(iv)の基であり、
I2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、または式(iii)もしくは(iv)の基であり、あるいは、2つのRI2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよく、
式(iii)および(iv)は、
【化15】
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であり、
式中、
I3、RI5、RI6、RI7、RI8、RI10、RI11、およびRI12のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−N(RI13、または−NHC(=O)RI13であり、式中、RI13のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、あるいは、2つのRI13基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成し、
I4およびRI9のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI14、−N(RI14、−OC(=O)RI14、−NHC(=O)RI15、−OC(=O)RI14、−C(=O)RI14、−C(=NRI14)RI15、−C(=N−ORI14)RI15、−C(=N−NHRI14)RI15、−C(RI15NHRI14、または−C(RI15ORI14であり、式中、RI14は、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)であり、RI15は水素または置換もしくは無置換アルキルであり、
およびMのそれぞれは、独立して、−O−、−NRI16−、または−CHRI16−であり、式中、RI16は、水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、または−ORI13であり、式中、RI13のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、またはアシルである、
前記方法。
【請求項10】
が−CH(ORI1である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項11】
がメチルである、請求項1〜7および10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項12】
D1がメチルである、請求項1〜7、10および11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項13】
Aが、式:
【化16】
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の基であり、
Qが−NH−または−O−である、
請求項1〜7、10および11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項14】
以下:
【化17】
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からなる群から選択される、化合物およびその塩。
【請求項15】
Bが、Adecatumumab、Afutuzumab、Alemtuzumab、Bavituximab、Belimumab、Bevacizumab、Brentuximab、Cantuzumab、Cetuximab、Citatuzumab、Cixutumumab、Conatumumab、Dacetuzumab、Elotuzumab、Etaracizumab、Farletuzumab、Figitumumab、Gemtuzumab、Ibritumomab、Inotuzumab、Ipilimumab、Iratumumab、Labetuzumab、Lexatumumab、Lintuzumab、Lucatumumab、Mapatumumab、Matuzumab、Milatuzumab、Necitumumab、Nimotuzumab、Ofatumumab、Olaratumab、Oportuzumab、Panitumumab、Pertuzumab、Pritumumab、Rituximab、Robatumumab、Sibrotuzumab、Siltuximab、Tacatuzumab、Tigatuzumab、Tositumomab、Trastuzumab、Tucotuzumab、Veltuzumab、Votumumab、およびZalutumumabからなる群から選択される抗体、またはその抗体断片である、請求項1〜7および10〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項16】
請求項1〜7および10〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩と、薬学的に許容し得る添加剤とを含んでなる、医薬組成物。
【請求項17】
心血管疾患、増殖性疾患、糖尿病網膜症、炎症性疾患、自己免疫疾患、および感染症からなる群から選択される状態を処置するための医薬組成物であって、請求項1〜7および10〜15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩の、状態を処置するのに有効な量を含む、前記医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2012年11月26日出願の米国仮特許出願第61/729,826号の米国特許法第119条(e)の下における優先権を主張し、これは参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
抗体−薬物複合体(antibody-drug conjugates)(ADCs)は新しいタイプの標的治療であり、3つの部分、すなわち、標的特異的抗体(例えば、モノクローナル抗体mAb)または抗体断片(例えば、一本鎖可変断片(scFv))、ペイロード(多くの場合には細胞毒性薬物)、および薬物を抗体につなぐリンカーからなる。投与によって、抗体は標的細胞に結合する。薬物は、その治療効果を、例えば、ADCからの任意選択の切断によっておよび/または細胞内への内在化もしくは細胞の表面への近接によって行使する。例えば、Ducry et al., Bioconjugate Chemistry (2010) 21: 5-13、Kovtun et al., Cancer Research (2006) 66: 3214-21、およびKovtun et al, Cancer Letters (2007) 255 (2): 232-40参照。標的治療は多くの利点を提供すると考えられており、それらは減少した副作用およびより幅広い治療域を非標的治療と比較して含むが、これらに限定されない。
【0003】
用いられるリンカーのタイプはADCの設計において重要な検討事項である。例えば、切断可能なリンカーを有するADCは、より少なく有利な治療域を有すると考えられ、効率的に内在化される腫瘍細胞表面抗原などの標的を対象として設計されるのが良い。親水性リンカー、例えば、複数のポリエチレングリコール(PEG)ユニットを含有するリンカーは、MDR(多剤耐性)輸送体によって耐性の癌細胞から薬物が排出されるのを防ぐことを助けるということが公知である。例えば、P. Diamond, Genetic Engingeering & Biotechnology News, Antibody-Drug Conjugates Stage a Comeback (March 9, 2010)参照。さらに、リンカーは、血液循環中の安定性を保証し、且つ薬物の(好ましくは標的細胞内への)迅速な放出を可能にするように設計されることが望ましい。ADC用の酵素的に分解可能および分解不可能なリンカーのいくつかのタイプ、例えば、切断可能な酸およびペプチダーゼに不安定性のリンカーならびに切断不可能なリンカー(例えば、チオエーテル)も検討されて来ている。例えば、Ducry et al., Bioconjugate Chemistry (2010) 21: 5-13参照。
【発明の概要】
【0004】
二本鎖DNAに結合して多くの場合に共有結合的に修飾する天然生成物は、ヒトの癌の化学療法において傑出して重要である。トリオキサカルシンはDNAを修飾する天然生成物の新たなクラスであり、抗増殖効果を有する。トリオキサカルシンは、Tomitaらによって1981年に初めて記載された。例えば、Tomita et al., J. Antibiotics, 34(12): 1520-1524, 1981、Tamaoki et al., J. Antibiotics 34(12): 1525-1530, 1981、Fujimoto et al., J. Antibiotics 36(9): 1216-1221, 1983参照。トリオキサカルシンA、B、およびCは、TomitaらによってStreptomyces bottropensisのDO−45の培養ブロスから単離されたものであり、マウスモデルにおける抗腫瘍活性およびグラム陽性抗生物活性を有することが示されている。以降の研究は、このファミリーの他の構成員の発見をもたらした。トリオキサカルシンAは強力な抗癌剤であり、サブナノモルのIC70値を肺(LXFL529L、H−460)、乳腺(MCF−7)、およびCNS(SF−268)癌細胞株に対して有する。トリオキサカルシンは、抗微生物活性、例えば、抗細菌および抗マラリア活性も有することが示されて来た。例えば、Maskey et al., J. Antibiotics (2004) 57:771-779参照。二本鎖DNAオリゴヌクレオチド基質中のグアニジレート(guanidylate)残基のΝ−7に結合したトリオキサカルシンAのX線結晶構造は、二本鎖インターカレーションおよびアルキル化によって進行するDNA修飾の提唱された経路の説得力ある証拠を提供して来た。例えば、Pfoh et al., Nucleic Acids Research (2008) 36:3508-3514参照。全てのトリオキサカルシンはアグリコンの誘導体であると考えられる。アグリコン自体は細菌性の単離物であり、特許文献においてはDC−45−Aと呼ばれている。1984年7月10日登録の米国特許第4,459,291号は、発酵によるDC−45−Aの調製を記載している。DC−45−AはトリオキサカルシンA、B、およびCのアルギコンであり、発酵生成物のトリオキサカルシンAおよびCの酸加水分解またはStreptomyces bottropensisの発酵ブロスからの直接的な単離によって調製される。
【0005】
本研究以前に、本発明者は、既知のトリオキサカルシンおよび全く新規のトリオキサカルシンアナログを入手するための完全に合成的な方法を開発した。例えば、参照によって本明細書に援用される国際公開第WO2011/119549号参照。また、図1も参照。様々な完全に合成的な天然および非天然のトリオキサカルシン化合物が、スケーリングが適用可能なプロセスによって調製された。この合成経路は、鍵となる多様化可能な前駆体2を、同様の複雑性を有する3つのビルディングブロック(ジアゾジケトン、シアノフタライド化合物、およびエノン化合物)の結合によって生成する。開発されたプロセスは堅牢でスケーラブルな化学反応であり、複数グラム量のこれらのビルディングブロックのそれぞれの調製を可能にする。特に、これらのビルディングブロックを前駆体2(これは、トリオキサカルシンの主要な構造的特徴の全てを含んでいる)に変換するためには、6つの化学的ステップしか必要とされない。差別的に保護された前駆体は、次に、立体選択的なグリコシル化反応によってトリオキサカルシンファミリーの2つの有効な構成員(トリオキサカルシンAおよびDC−45−A1)に変換され得る。この合成法に従って調製されたいくつかの非天然および天然トリオキサカルシンを用いて、トリオキサカルシンに関する構造活性相関研究が実施された。例えば、図2A〜2D参照。
【0006】
本発明者は、この合成法をもとにして、連結基によって抗体に共有結合された(「複合体化された」)トリオキサカルシンの入手方法をここに確立する。予備的な研究は、トリオキサカルシンが種々の細胞型にとって高度に毒性であるということを示唆している。本発明者は、トリオキサカルシンを抗体に連結することが、細胞型に対するトリオキサカルシンの力価を保持しつつも、標的細胞に対する特異性を増大させ且つ、任意に、トリオキサカルシンのエンドサイトーシスを増大させ得るであろうと考える。それらの効果は、送達されるべきトリオキサカルシンの総量を低めることを可能にし、それによって付随する毒性を低減するであろう。トリオキサカルシンを抗体と複合体化する種々の連結基、かかる複合体化に用いられる化学反応、および複合体化の部位の検討が本明細書に記載される。
【0007】
一態様では、式(A)のトリオキサカルシンの抗体−薬物複合体、
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容し得る塩が提供され、式中、GはOまたはN−Rである。これは、それに結合した基−L−(A−L−Bの少なくとも1つを含んでなり、式中、aは1〜10の整数(両端を含む)であり、Lは存在しないかまたは連結基であり、Aは2つの相補的な基(XおよびY)の反応から形成された部分であり、Lは存在しないかまたは別の連結基であり、Bは抗体または抗体断片である。
【0008】
一部の実施形態では、式(A)のトリオキサカルシンの抗体−薬物複合体は、式(I)、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0009】
一部の実施形態では、式(A)のトリオキサカルシンの抗体−薬物複合体は、式(II)、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0010】
さらに、本明細書では式(P−A)の化合物と呼ばれる式(A)の前駆体化合物、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容し得る塩が提供され、それに結合した基−L−Xの少なくとも1つを含んでなる。式中、Lは存在しないかまたは連結基であり、Xは反応性部分である。
【0011】
一部の実施形態では、式(P−A)の前駆体化合物は、式(P−I)の化合物、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0012】
一部の実施形態では、式(P−A)の前駆体化合物は、式(P−II)の化合物、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0013】
式(A)、(I)、および(II)の化合物は、それに結合した少なくとも1つの−L−X基を含んでなる式(P−A)、(P−I)、または(P−II)の化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすること、または、式Y−L−Xの化合物の独立の1つ以上と反復的にカップリングした後に式Y−L−Bの化合物とカップリング(キャッピング)することによって、調製される。ここで、XおよびYは一緒に反応して基Aを形成する。
【0014】
さらに、それらの抗体−薬物複合体を調製する方法、その薬学的に許容し得る組成物、および癌などの疾患を処置する際のそれらの使用の方法が提供される。
【0015】
さらに、抗体−薬物複合体の(それと複合体化した抗体を含んでいない)前駆体、その医薬組成物、ならびにそれらの使用および処置の方法も提供される。
【0016】
さらに、それと複合体化された抗体を含まない新規トリオキサカリン、その医薬組成物、およびそれらの使用および処置の方法が提供される。
【0017】
さらに、本明細書に記載のトリオキサカルシンの求核付加(例えば、水もしくは水酸化物の付加によるか、またはDNAアルキル化によるグアニンの付加による)の生成物が提供される。それらは、例えば、試験および化合物の開発のための対照化合物として有用だと考えられる。
【0018】
本発明の1つ以上の実施例の詳細が、添付の図面および以下の発明を実施するための形態によって示される。本発明の他の特徴、目的、および利点は実施例および特許請求の範囲から明らかである。
【0019】
<定義>
化学的な定義
具体的な官能基および化学用語の定義が、より詳細に以下において説明される。化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.,(中表紙)に従って特定され、具体的な官能基は、同記載の通りに全般に定義される。さらに、有機化学の一般原理ならびに具体的な官能性部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999、Smith and March March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001、Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989、およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
【0020】
本明細書に記載の化合物は1つ以上の不斉中心を含み得、したがって、種々の異性体型、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー、または幾何異性体の形態であり得、あるいは、立体異性体の混合物の形態、例えば、ラセミ混合物および1つ以上の立体異性体が濃縮した混合物であり得る。異性体は、当業者に公知の方法、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化によって、混合物から単離され得る。または、好ましい異性体が不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley Interscience, New York, 1981)、Wilen et al., Tetrahedron, 33:2725 (1977)、Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962)、およびWilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268(E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)参照。化合物は、他の異性体を実質的に含まない単一の異性体として、または種々の異性体の混合物として存在し得る。
【0021】
値のある範囲が挙げられたときには、その範囲内の各値および部分範囲を包含することが意図されている。例えば、「C1−6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1−6、C1−5、C1−4、C1−3、C1−2、C2−6、C2−5、C2−4、C2−3、C3−6、C3−5、C3−4、C4−6、C4−5、およびC5−6アルキルを包含することが意図されている。
【0022】
本明細書において用いられる場合、「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1−10アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1〜9個の炭素原子を有する(「C1−9アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1〜8個の炭素原子を有する(「C1−8アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1〜7個の炭素原子を有する(「C1−7アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1〜6個の炭素原子を有する(「C1−6アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1〜5個の炭素原子を有する(「C1−5アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1〜4個の炭素原子を有する(「C1−4アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1〜3個の炭素原子を有する(「C1−3アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は1〜2個の炭素原子を有する(「C1−2アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルキル」)。C1−6アルキル基の例は、メチル(C)、エチル(C)、n−プロピル(C)、イソプロピル(C)、n−ブチル(C)、tert−ブチル(C)、sec−ブチル(C)、イソブチル(C)、n−ペンチル(C)、3−ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3−メチル−2−ブタニル(C)、第3級アミル(C)、およびn−ヘキシル(C)を含む。アルキル基のさらなる例は、n−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)などを含む。別段の定めがない限りは、アルキル基のそれぞれは独立して無置換であるか(「無置換アルキル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルキル」)。一部の実施形態ではアルキル基は無置換C1−10アルキル(例えば、CH)である。一部の実施形態ではアルキル基は置換C1−10アルキルである。
【0023】
本明細書において用いられる場合、「ヘテロアルキル」は本明細書に記載のアルキル基を指し、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、1、2、3、または4個のヘテロ原子)が主鎖中にさらに含まれる(すなわち、主鎖の隣接する炭素原子間に挿入される)および/または主鎖の1つ以上の末端位置に配置される。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜10個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する飽和基を指す(「ヘテロC1−10アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜9個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−9アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜8個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−8アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜7個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−7アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜6個の炭素原子および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−6アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜5つの炭素原子および1または2個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−5アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜4個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−4アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜3個の炭素原子および1個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−3アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1〜2個の炭素原子および1個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC1−2アルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロCアルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は飽和基であり、2〜6個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルキル」)。別段の定めがない限りは、ヘテロアルキル基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアルキル」)、または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアルキル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は無置換ヘテロC1−10アルキルである。一部の実施形態ではヘテロアルキル基は置換へテロC1−10アルキルである。
【0024】
本明細書において用いられる場合、「アルケニル」は直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指し、2〜10個の炭素原子および1個以上の二重結合(例えば、1、2、3、または4個の二重結合)を有する。一部の実施形態ではアルケニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2−9アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2−8アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2−7アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は2〜5個の炭素原子を有する(「C2−5アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2−4アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2−3アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1つ以上の炭素間二重結合は、内部(例えば、2−ブテニル)または末端(例えば、1−ブテニル)であり得る。C2−4アルケニル基の例は、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などを含む。C2−6アルケニル基の例は、上記のC2−4アルケニル基、さらにはペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などを含む。アルケニルのさらなる例は、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などを含む。別段の定めがない限りは、アルケニル基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換アルケニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルケニル」)。一部の実施形態ではアルケニル基は無置換C2−10アルケニルである。一部の実施形態ではアルケニル基は置換C2−10アルケニルである。
【0025】
本明細書において用いられる場合、「ヘテロアルケニル」は本明細書に記載のアルケニル基を指し、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、1、2、3、または4個のヘテロ原子)が主鎖中にさらに含まれる(すなわち、主鎖の隣接する炭素原子間に挿入される)および/または主鎖の1つ以上の末端位置に配置される。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2〜10個の炭素原子と、少なくとも1個の二重結合と、1個以上のヘテロ原子とを、主鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2−10アルケニル」)。一部の実施形態ではヘテロアルケニル基は2〜9個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−9アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は2〜8個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−8アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は2〜7個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−7アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は2〜6個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1つ以上のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は2〜5個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1または2個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−5アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は2〜4個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1または2個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−4アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は2〜3個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−3アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は2〜6個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1または2個のヘテロ原子を主鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルケニル」)。別段の定めがない限りは、ヘテロアルケニル基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアルケニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアルケニル」)。一部の実施形態ではヘテロアルケニル基は無置換へテロC2−10アルケニルである。一部の実施形態ではヘテロアルケニル基は置換へテロC2−10アルケニルである。
【0026】
本明細書において用いられる場合、「アルキニル」は、2〜10個の炭素原子および1つ以上の三重結合(例えば、1、2、3、または4個の三重結合)を有する直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2−10アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2−9アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2−8アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2−7アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2−6アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2〜5個の炭素原子を有する(「C2−5アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2−4アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2−3アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つ以上の炭素間三重結合は内部(例えば、2−ブチニル)または末端(例えば、1−ブチニル)であり得る。C2−4アルキニル基の例は、エチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)などを含むが、限定されない。C2−6アルケニル基の例は、上記C2−4アルキニル基およびペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などを含む。アルキニルのさらなる例は、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などを含む。別段の定めがない限りは、アルキニル基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換アルキニル」)、または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アルキニル」)。一部の実施形態ではアルキニル基は無置換C2−10アルキニルである。一部の実施形態ではアルキニル基は置換C2−10アルキニルである。
【0027】
本明細書において用いられる場合、「ヘテロアルキニル」は本明細書に記載のアルキニル基を指し、酸素、窒素、または硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、1、2、3、または4個のヘテロ原子)が主鎖中にさらに含まれる(すなわち、主鎖の隣接する炭素原子間に挿入される)および/または主鎖の1つ以上の末端位置に配置される。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜10個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを主鎖中に有する基を指す(「ヘテロC2−10アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜9個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−9アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜8個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−8アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜7個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−7アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜6個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1つ以上のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜5個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2個のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−5アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜4個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2個のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−4アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜3個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1個のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−3アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜6個の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合と、1または2個のヘテロ原子とを主鎖中に有する(「ヘテロC2−6アルキニル」)。別段の定めがない限りは、ヘテロアルキニル基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアルキニル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアルキニル」)。一部の実施形態ではヘテロアルキニル基は無置換ヘテロC2−10アルキニルである。一部の実施形態ではヘテロアルキニル基は置換ヘテロC2−10アルキニルである。
【0028】
本明細書において用いられる場合、「カルボシクリル」または「炭素環式」は非芳香族の環式炭化水素基のラジカルを指し、3〜10個の環内炭素原子(「C3−10カルボシクリル」)と0個のヘテロ原子とを非芳香環系中に有する。一部の実施形態では、カルボシクリル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3−8カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は3〜7個の環内炭素原子を有する(「C3−7カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3−6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5−10カルボシクリル」)。例示的なC3−6カルボシクリル基は、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などを含むが、限定されない。例示的なC3−8カルボシクリル基は、上記のC3−6カルボシクリル基、さらにはシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などを含むが、限定されない。例示的なC3−10カルボシクリル基は、上記のC3−8カルボシクリル基、さらにはシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などを含むが、限定されない。上記の例が示すように、一部の実施形態では、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)または多環式(例えば、縮合、架橋、またはスピロ環系を含有する。例えば、2環系(「2環式カルボシクリル」)または3環系(「3環式カルボシクリル」))であり、飽和であり得、あるいは、1つ以上の炭素間二重または三重結合を含有し得る。「カルボシクリル」は、上記において定義されるカルボシクリル環が1つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、結合点がカルボシクリル環上にある環系も含む。かかる場合には、炭素数は、炭素環式の環系に含まれる炭素数を依然指定する。別段の定めがない限りは、カルボシクリル基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換カルボシクリル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換カルボシクリル」)。一部の実施形態ではカルボシクリル基は無置換C3−10カルボシクリルである。一部の実施形態ではカルボシクリル基は置換C3−10カルボシクリルである。
【0029】
一部の実施形態では、「カルボシクリル」は、3〜10個の環内炭素原子を有する単環式の飽和カルボシクリル基である(「C3−10シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3−8シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3−6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は5〜6個の環内炭素原子を有する(「C5−6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5−10シクロアルキル」)。C5−6シクロアルキル基の例はシクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)を含む。C3−6シクロアルキル基の例は、上記のC5−6シクロアルキル基、さらにシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)を含む。C3−8シクロアルキル基の例は、上記のC3−6シクロアルキル基、さらにはシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)を含む。別段の定めがない限りは、シクロアルキル基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換シクロアルキル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は無置換C3−10シクロアルキルである。一部の実施形態では、シクロアルキル基は置換C3−10シクロアルキルである。
【0030】
本明細書において用いられる場合、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」は、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とを有する3〜14員の非芳香環系のラジカルを指す。各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「3〜14員ヘテロシクリル」)。1つ以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基においては、結合点は、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または多環式(例えば、縮合、架橋、またはスピロ環系。例えば、2環系(「2環式ヘテロシクリル」)または3環系(「3環式ヘテロシクリル」))であり得、飽和であり得るか、あるいは1つ以上の炭素間二重または三重結合を含有し得る。ヘテロシクリル多環式環系は、1つ以上のヘテロ原子を1つ又は両方の環の中に含み得る。「ヘテロシクリル」は、上記において定義されるヘテロシクリル環が1つ以上のカルボシクリル基と縮合されており、結合点がカルボシクリルもしくはヘテロシクリル環上にある環系、または、上記において定義されるヘテロシクリル環が1つ以上のアリールもしくはヘテロアリール基と縮合されており、結合点がヘテロシクリル環上にある環系も含む。かかる場合には、環員数は、ヘテロシクリル環系に含まれる環員数を依然指定する。別段の定めがない限りは、ヘテロシクリルのそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロシクリル」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は無置換3〜14員ヘテロシクリルである。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は置換3〜14員ヘテロシクリルである。
【0031】
一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とを有する5〜10員非芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とを有する5〜8員非芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とを有する5〜6員非芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。
【0032】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基は、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、チオレニルを含むが、限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基は、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを含むが、限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンを含むが、限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、ジオキソラニル、オキサチオラニル、およびジチオラニルを含むが、限定されない。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを含むが、限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを含むが、限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを含むが、限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、トリアジナニルを含むが、限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基は、アゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを含むが、限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基は、アゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを含むが、限定されない。例示的な2環式ヘテロシクリル基は、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ−1,8−ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7−テトラヒドロピラノ[3,4−b]ピロリル、5,6−ジヒドロ−4H−フロ[3,2−b]ピロリル、6,7−ジヒドロ−5H−フロ[3,2−b]ピラニル、5,7−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピラニル、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、2,3−ジヒドロフロ[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ピロロ−[2,3−b]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3,2−c]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−b]ピリジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジニルなどを含むが、限定されない。
【0033】
本明細書において用いられる場合、「アリール」は、単環式または多環式(例えば、2環式または3環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状配列によって共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指し、6〜14個の環内炭素原子と0個のヘテロ原子とが芳香環系中に与えられている(「C6−14アリール」)。一部の実施形態ではアリール基は6個の環内炭素原子を有する(「Cアリール」。例えば、フェニル)。一部の実施形態ではアリール基は10個の環内炭素原子を有する(「C10アリール」。例えば、1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。一部の実施形態ではアリール基は14個の環内炭素原子を有する(「C14アリール」。例えば、アントラシル(anthracyl))。「アリール」は、上記において定義されるアリール環が1つ以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、ラジカルまたは結合点がアリール環上にある環系も含む。かかる場合には、炭素原子数は、アリール環系に含まれる炭素原子数を依然指定する。別段の定めがない限りは、アリール基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換アリール」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換アリール」)。一部の実施形態ではアリール基は無置換C6−14アリールである。一部の実施形態ではアリール基は置換C6−14アリールである。
【0034】
「アラルキル」は「アルキル」の下位集合であり、本明細書に記載のアリール基によって置換された本明細書に記載のアルキル基を指し、結合点はアルキル部分にある。
【0035】
本明細書において用いられる場合、「ヘテロアリール」は、5〜14員の単環式または多環式の(例えば、2環式、3環式の)4n+2芳香環系(例えば、環状配列によって共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指し、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とが芳香環系中に与えられている。各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜14員ヘテロアリール」)。1つ以上の窒素原子を含有するへテロアリール基においては、結合点は、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール多環式環系は、1つ以上のヘテロ原子を1つまたは両方の環の中に含み得る。「ヘテロアリール」は、上記において定義されるヘテロアリール環が1つ以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、結合点がヘテロアリール環上にある環系を含む。かかる場合には、環員数は、ヘテロアリール環系に含まれる環員数を依然指定する。「ヘテロアリール」は、上記において定義されるヘテロアリール環が1つ以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリールまたはヘテロアリール環上にある環系も含む。かかる場合には、環員数は、縮合多環式(アリール/ヘテロアリール)環系に含まれる環員数を指定する。1つの環がヘテロ原子を含有しない多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)は、結合点は、いずれの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2−インドリル)またはヘテロ原子を含有しない環(例えば、5−インドリル)上でもあり得る。
【0036】
一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とが芳香環系中に与えられた5〜10員芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とが芳香環系中に与えられた5〜8員芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環内炭素原子と1〜4個の環内ヘテロ原子とが芳香環系中に与えられた5〜6員芳香環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロアリール」)。一部の実施形態では、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。別段の定めがない限りは、ヘテロアリール基のそれぞれは、独立して、無置換であるか(「無置換ヘテロアリール」)または1つ以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は無置換5〜14員ヘテロアリールである。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は置換5〜14員ヘテロアリールである。
【0037】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルを含むが、限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを含むが、限定されない。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを含むが、限定されない。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、テトラゾリルを含むが、限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、ピリジニルを含むが、限定されない。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを含むが、限定されない。3または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルを含むが、限定されない。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基は、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを含むが、限定されない。例示的な5,6−2環式ヘテロアリール基は、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを含むが、限定されない。例示的な6,6−2環式ヘテロアリール基は、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを含むが、限定されない。例示的な3環式ヘテロアリール基は、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、およびフェナジニルを含むが、限定されない。
【0038】
「ヘテロアラルキル」は「アルキル」の下位集合であり、本明細書に記載のヘテロアリール基によって置換された本明細書に記載のアルキル基を指し、結合点はアルキル部分にある。
【0039】
本明細書において用いられる場合、用語「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む環部分を指す。用語「部分不飽和」は、複数の不飽和位を有する環も包含することが意図されているが、本明細書において定義される芳香族基(例えば、アリールまたはヘテロアリール部分)を含むことは意図されていない。
【0040】
本明細書において用いられる場合、用語「飽和」は、二重または三重結合を含有しない環部分を指す。すなわち、その環は専ら単結合を含有する。
【0041】
何らかの基に接尾辞「−エン(-ene)」を添加することは、その基が2価の部分であるということを示す。例えば、アルキレンはアルキルの2価の部分であり、アルケニレンはアルケニルの2価の部分であり、アルキニレンはアルキニルの2価の部分であり、ヘテロアルキレンはヘテロアルキルの2価の部分であり、ヘテロアルケニレンはヘテロアルケニルの2価の部分であり、ヘテロアルキニレンはヘテロアルキニルの2価の部分であり、カルボシクリレンはカルボシクリルの2価の部分であり、ヘテロシクリレンはヘテロシクリルの2価の部分であり、アリーレンはアリールの2価の部分であり、ヘテロアリーレンはヘテロアリールの2価の部分である。
【0042】
上記から理解されるように、本明細書に記載のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、一部の実施形態では、任意に、置換される。任意に置換されてよいとは、置換または無置換であり得る基を指す(例えば、「置換」または「無置換」アルキル、「置換」または「無置換」アルケニル、「置換」または「無置換」アルキニル、「置換」または「無置換」ヘテロアルキル、「置換」または「無置換」ヘテロアルケニル、「置換」または「無置換」ヘテロアルキニル、「置換」または「無置換」カルボシクリル、「置換」または「無置換」ヘテロシクリル、「置換」または「無置換」アリール、あるいは「置換」または「無置換」ヘテロアリール基)。通常は、用語「置換」は、用語「任意に」が先行しているか否かにかかわらず、ある基(例えば、炭素または窒素原子)の上に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基で置き換えられることを意味する。許容される置換基は、例えば、置換によって、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離、または他の反応などによる変換を自発的に受けることがない化合物をもたらす置換基である。別段の定めがない限り、「置換」された基は、基の1つ以上の置換可能な位置に置換基を有する。任意の構造中の1つよりも多い位置が置換されるときには、置換基は各位置において同一または別である。用語「置換」は、有機化合物の全ての許容される置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の任意のもの、による置換を含むと考えられる。本発明は、安定な化合物に到達するために、任意および全てのかかる組み合わせを考慮する。本発明の目的のためには、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たして且つ安定な部分の形成をもたらす、水素置換基および/または本明細書に記載の任意の適当な置換基を有し得る。
【0043】
例示的な炭素原子置換基は、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)aa、−OP(=O)aa、−P(=O)(Raa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、−OP(=O)N(Rbb、−P(=O)(NRbb、−OP(=O)(NRbb、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(NRbb、−P(Rcc、−P(Rcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、C3−14カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するが、これらに限定されない。各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換される。
あるいは、炭素原子上にある2個のジェミナル水素が、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbb、または=NORccと置き換えられる。
aaのそれぞれは、独立して、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択される。または、2つのRaa基が一緒になって3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換される。
bbのそれぞれは、独立して、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択される。または、2つのRbb基が一緒になって3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換される。
ccのそれぞれは、独立して、水素、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択される。または、2つのRcc基が一緒になって3〜14員ヘテロシクリルまたは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換される。
ddのそれぞれは、独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)ee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリール、5〜10員ヘテロアリールから選択される。各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基によって置換される。または、2つのジェミナルRdd置換基が一緒になって=Oまたは=Sを形成する。
eeのそれぞれは、独立して、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、および3〜10員ヘテロアリールから選択される。各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基によって置換される。
ffのそれぞれは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6−10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから選択される。または、2つのRff基が一緒になって3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成する。各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基によって置換される。
ggのそれぞれは、独立して、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1−6アルキル、−ON(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)、−NH(C1−6アルキル)、−NH(C1−6アルキル)、−NH、−N(OC1−6アルキル)(C1−6アルキル)、−N(OH)(C1−6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1−6アルキル、−SS(C1−6アルキル)、−C(=O)(C1−6アルキル)、−COH、−CO(C1−6アルキル)、−OC(=O)(C1−6アルキル)、−OCO(C1−6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1−6アルキル)、−OC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)C(=O)(C1−6アルキル)、−NHCO(C1−6アルキル)、−NHC(=O)N(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1−6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1−6アルキル)、−OC(=NH)(C1−6アルキル)、−OC(=NH)OC1−6アルキル、−C(=NH)N(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH(C1−6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1−6アルキル)、−OC(NH)NH(C1−6アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1−6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1−6アルキル)、−SON(C1−6アルキル)、−SONH(C1−6アルキル)、−SONH、−SO1−6アルキル、−SOOC1−6アルキル、−OSO1−6アルキル、−SOC1−6アルキル、−Si(C1−6アルキル)、−OSi(C1−6アルキル)−C(=S)N(C1−6アルキル)、C(=S)NH(C1−6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1−6アルキル)、−C(=S)SC1−6アルキル、−SC(=S)SC1−6アルキル、−P(=O)(C1−6アルキル)、−P(=O)(C1−6アルキル)、−OP(=O)(C1−6アルキル)、−OP(=O)(OC1−6アルキル)、C1−6アルキル、C1−6ペルハロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヘテロC1−6アルキル、ヘテロC2−6アルケニル、ヘテロC2−6アルキニル、C3−10カルボシクリル、C6−10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリールである。または、2つのジェミナルRgg置換基が一緒になって=Oもしくは=Sを形成する。Xは対イオンである。
【0044】
本明細書において用いられる場合、用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
【0045】
本明細書において用いられる場合、「アシル」は式−C(=O)Raaの基を指し、式中Raaは本明細書に記載の通りである。
【0046】
本明細書において用いられる場合、「対イオン」は、電子的中性を保つために正荷電の第4級アミンと結合した、負荷電基である。例示的な対イオンは、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO、ClO、OH、HPO、HSO、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸など)、およびカルボン酸イオン(例えば、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸など)を含む。
【0047】
「脱離基」は当分野においては理解される用語であり、ヘテロリティックな結合開裂において電子対を持って出て来る分子断片を指す。この分子断片はアニオンまたは中性の分子である。例えば、Smith, March's Advanced Organic Chemistry 6th ed. (501-502)参照。例示的な脱離基はハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)および活性化された置換ヒドロキシル基(例えば、OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(=O)aa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−OP(=O)N(Rbb、および−OP(=O)(NRbb。式中、Raa、Rbb、およびRccは本明細書に記載の通り)を包含するが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書において用いられる場合、用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は基−OHを指す。用語「置換ヒドロキシル」または「置換ヒドロキシル」は、さらに、親分子に直接結合している酸素原子が、水素以外の基によって置換されたヒドロキシル基を指す。これは、−ORaa、−ON(Rbb、−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OSi(Raa、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(=O)aa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−OP(=O)N(Rbb、および−OP(=O)(NRbbから選択される基を含み、式中、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書に記載の通りである。
【0049】
本明細書において用いられる場合、用語「チオール」または「チオ」は、基−SHを指す。用語「置換チオール」または「置換チオ」は、さらに、親分子に直接結合している硫黄原子が、水素以外の基によって置換されたチオール基を指す。これは、−SRaa、−S=SRcc、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、および−SC(=O)Raaから選択される基を含み、式中、RaaおよびRccは本明細書に記載の通りである。
【0050】
本明細書において用いられる場合、用語「アミノ」は基−NHを指す。用語「置換アミノ」は、さらに、本明細書に記載の一置換アミノ、二置換アミノ、または三置換アミノを指す。一部の実施形態では、「置換アミノ」は一置換アミノまたは二置換アミノ基である。
【0051】
本明細書において用いられる場合、用語「一置換アミノ」は、親分子に直接結合している窒素原子が、1つの水素および水素以外の1つの基によって置換されたアミノ基を指す。これは、−NH(Rbb)、−NHC(=O)Raa、−NHCOaa、−NHC(=O)N(Rbb、−NHC(=NRbb)N(Rbb、−NHSOaa、−NHP(=O)(ORcc、および−NHP(=O)(NRbbから選択される基を含み、式中、Raa、Rbb、およびRccは本明細書に記載の通りであり、式中、基−NH(Rbb)のRbbは水素ではない。
【0052】
本明細書において用いられる場合、用語「二置換アミノ」は、親分子に直接結合している窒素原子が、水素以外の2つの基によって置換されたアミノ基を指す。これは、−N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbSOaa、−NRbbP(=O)(ORcc、および−NRbbP(=O)(NRbbから選択される基を含み、式中、Raa、Rbb、およびRccは本明細書に記載の通りである。ただし、親分子に直接結合している窒素原子は水素によって置換されない。
【0053】
本明細書において用いられる場合、用語「三置換アミノ」は、親分子に直接結合している窒素原子が3個の基によって置換されたアミノ基を指す。これは−N(Rbbおよび−N(Rbbから選択される基を含み、式中、RbbおよびXは本明細書に記載の通りである。
【0054】
本明細書において用いられる場合、用語「オキソ」は基=Oを指し、用語「チオキソ」は基=Sを指す。
【0055】
本明細書において用いられる場合、「対イオン」は、電子的中性を保つために正荷電の第4級アミンと結合した、負荷電基である。例示的な対イオンは、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO、ClO、OH、HPO、HSO、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸など)、およびカルボン酸イオン(例えば、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸など)を含む。
【0056】
窒素原子は、原子価が許す限り置換または無置換であり得、第1級、第2級、第3級、および第4級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基は、水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1−10アルキル、C1−10ペルハロアルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを含むが、これらに限定されない。あるいは、N原子に結合した2つのRcc基が一緒になって3〜14員ヘテロシクリルまたは5〜14員ヘテロアリール環を形成する。各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換される。式中、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは、上記において定義される通りである。
【0057】
一部の実施形態では、窒素原子上に存在する置換基は窒素保護基(本明細書では「アミノ保護基」とも呼ばれる)である。窒素保護基は、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1−10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、ヘテロC1−10アルキル、ヘテロC2−10アルケニル、ヘテロC2−10アルキニル、C3−10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6−14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基を含むが、これらに限定されない。各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換される。式中、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは本明細書に記載の通りである。窒素保護基は当分野において周知であり、参照によって本明細書に援用されるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳説されているものを含む。
【0058】
例えば、アミド基(例えば、C(=O)Raa)などの窒素保護基は、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロケイ皮酸アミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを含むが、これらに限定されない。
【0059】
カルバメート基(例えば、−C(=O)ORaa)などの窒素保護基は、メチルカルバメート、エチルカルバマンテ(ethylcarbamante)、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート,シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボリンル(isoborynl)カルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバメートを含むが、これらに限定されない。
【0060】
スルホンアミド基(例えば、−S(=O)aa)などの窒素保護基は、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを含むが、これらに限定されない。
【0061】
他の窒素保護基は、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピローリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第4級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリル(dibenzosuberyl)アミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルホスホロアミダート、ジフェニルホスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を含むが、これらに限定されない。
【0062】
一部の実施形態では、酸素原子上に存在する置換基は酸素保護基(本明細書においては「ヒドロキシル保護基」とも呼ばれる)である。酸素保護基は、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−Ρ(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、および−P(=O)(NRbbを含むが、これらに限定されない。式中、Raa、Rbb、およびRccは本明細書に記載の通りである。酸素保護基は当分野において周知であり、参照によって本明細書に援用されるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳説されているものを含む。
【0063】
例示的な酸素保護基は、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル(dibenzosuberyl)、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、蟻酸、蟻酸ベンゾイル、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢酸、3−フェニルプロピオン酸、4−オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート(pivaloate)、アダマントエート(adamantoate)、クロトン酸、4−メトキシクロトン酸、安息香酸、p−フェニル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸(メシト酸)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネートアルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフトチル(napththyl)カーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨード安息香酸、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)安息香酸、2−ホルミルベンゼンスルホン酸、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)酪酸、2−(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノスクシノアート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテン酸、o−(メトキシアシル)安息香酸、α−ナフトエ酸、硝酸、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバメート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシレート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)を含むが、これらに限定されない。
【0064】
一部の実施形態では、硫黄原子上に存在する置換基は硫黄保護基(「チオール保護基」とも呼ばれる)である。硫黄保護基は、−Raa、−N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、および−P(=O)(NRbbを含むが、これらに限定されない。式中、Raa、Rbb、およびRccは本明細書に記載の通りである。硫黄保護基はは当分野において周知であり、参照によって本明細書に援用されるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳説されているものを含む。
【0065】
これらおよび他の例示的な置換基は、発明を実施するための形態、実施例、および特許請求の範囲においてより詳細に説明される。本発明は置換基の上記の例示的な一覧によって限定されることを意図されていない。
【0066】
<その他の定義>
用語「塩」および「薬学的に許容し得る塩」は、正しい医学的判断の範囲内において、ヒトおよびより下等動物の組織と接触する使用にとって好適であって、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、適当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は、当分野において周知である。例えば、Bergeらは、薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences (1977) 66: 1-19に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩は、適当な無機および有機酸ならびに塩基に由来するものを含む。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例はアミノ基の塩であり、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸によって、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸によって、あるいは、当分野において用いられる他の方法、例えば、イオン交換を用いることによって、形成される。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。適切な塩基に由来する薬学的に許容し得る塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN(C1−4アルキル)塩を含む。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適宜、対イオン(例えば、ハロゲン化合物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸)を用いて形成された非毒性アンモニウム、第4級アンモニウム、およびアミンカチオンを含む。
【0067】
本明細書において用いられる場合、「ペプチジル基」は2価のアミノ酸部分を指す。「ジペプチジル」基は、ペプチド結合すなわち−C(=O)−N−(アミド)結合によって1つに連結された2個のアミノ酸残基を含んでなる2価の部分を指す。「ポリペプチジル」基は、3個以上の連続して連結されたアミノ酸残基(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、またはより多くの連結されたアミノ酸残基)を含んでなる2価の部分を指す。ペプチジル、ジペプチジル、およびポリペプチジル部分は天然アミノ酸のみを含有し得るが、当分野において公知の非天然アミノ酸(すなわち、天然に存在しないがポリペプチド鎖中には組み込まれ得る化合物)および/またはアミノ酸アナログが代わりに用いられ得る。さらに、ペプチジル、ジペプチジル、またはポリペプチジル部分に含まれるアミノ酸の1つ以上が、例えば、化合物の付加、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、複合体化用のリンカー、官能化、または他の改変によって改変され得る。例えば、システイン(−CHSH)側鎖は改変されてホルミル(−CHO)側鎖となり得る。
【0068】
目的のペプチジル、ジペプチジル、およびポリペプチジル部分を提供する際に有用だと考えられる例示的なアミノ酸は、天然α−アミノ酸、例えば、ペプチド中に見出される20の一般的な天然に存在するα−アミノ酸のD−およびL−異性体(例えば、A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、V)、天然β−アミノ酸(例えば、β−アラニン)、および非天然アミノ酸を含むが、限定されない。多くの公知の非天然アミノ酸が存在しており、その任意のものが本発明のペプチド中に含まれ得る。例えば、S. Hunt, The Non-Protein Amino Acids: In Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids, edited by G. C. Barrett, Chapman and Hall, 1985参照。目的のペプチジル、ジペプチジル、およびポリペプチジル部分を提供する際に有用だと考えられるアミノ酸のさらなる例は、オルニチン、シトルリン(Cit)、α−メチル−アラニン(Aib)、4−ヒドロキシプロリン、デスモシン、γ−アミノ酪酸、β−シアノアラニン、ノルバリン、4−(E)−ブテニル−4(R)−メチル−N−メチル−L−トレオニン、N−メチル−L−ロイシン、1−アミノ−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−2−フェニル−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−シクロブタンカルボン酸、4−アミノ−シクロペンテンカルボン酸、3−アミノ−シクロヘキサンカルボン酸、4−ピペリジル酢酸、4−アミノ−1−メチルピロール−2−カルボン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2−アミノヘプタン二酸、4−(アミノメチル)安息香酸、4−アミノ安息香酸、オルト、メタおよびパラ置換フェニルアラニン(例えば、−C(=O)C、−CF、−CN、−ハロ、−NO、CHによって置換される)、二置換フェニルアラニン、置換チロシン(例えば、−C(=O)C、−CF、−CN、−ハロ、−NO、CHによってさらに置換される)、およびスタチンを含むが、限定されない。
【0069】
投与が考えられる「対象」は、ヒト(例えば、任意の年齢集団の男性または女性、例えば、小児科の対象(例えば、幼児、児童、思春期)または成人の対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人))および/または他のヒトでない動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、商業的に重要な哺乳動物、例えば、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)、モルモット、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、および/またはイヌを含むが、それらに限定されない。ヒトでない動物は、成育の任意の時期にあるオスまたはメスであり得る。ヒトでない動物は、トランスジェニック動物であり得る。
【0070】
「疾患(disease)」、「障害(disorder)」、および「状態(condition)」は、本明細書においては交換可能に用いられる。
【0071】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがない限りは、用語「処置する」、「処置すること」、および「処置」は、対象が特定の疾患、障害、または状態を患っているときに起こる行為であって、その疾患、障害、または状態の深刻さを低減するまたはその疾患、障害、または状態の進行を遅延もしくは減速させるものを考える(「治療的処置」または「治療的に処置すること」)。さらに、「処置する」、「処置すること」、および「処置」は、対象が特定の疾患、障害、または状態を患いだす以前に起こる行為であって、その疾患、障害、または状態を妨げるまたはその深刻さを低減するものも考える(「予防的処置」または「予防的に処置すること」)。
【0072】
通常は、化合物の「有効量」は、所望の生体応答を誘起するのに十分な量を指す。当業者には当然のことながら、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的なエンドポイント、化合物の薬物動態、処置されようとする疾患、投与法、ならびに対象の年齢、健康、および状態などの要因に応じて変わり得る。例えば、抗増殖活性を有する化合物の有効量は、細胞の増殖を阻害するのに十分な濃度をもたらす量である。有効量は、治療的および予防的処置を包含する。
【0073】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがない限りは、化合物の「治療有効量」は、ある疾患、障害、もしくは状態の処置において治療効果をもたらすため、またはその疾患、障害、もしくは状態に伴う1つ以上の症状を遅延もしくは最小化するために十分な量である。化合物の治療有効量は、単独でまたは別の治療法と組み合わせて、その疾患、障害、または状態の処置において治療効果をもたらす治療薬の量を意味する。用語「治療有効量」は、総体的な治療を改善する、その疾患、障害、もしくは状態の症状もしくは原因を減らすもしくは防ぐ、または別の治療薬の治療有効性を増強する量を包含する。
【0074】
本明細書において用いられる場合、別段の定めがない限りは、化合物の「予防有効量」は、ある疾患、障害、もしくは状態、またはその疾患、障害、もしくは状態に伴う1つ以上の症状を予防する、あるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、単独でまたは別の薬剤と組み合わせて、その疾患、障害、または状態の予防において予防効果をもたらす治療薬の量を意味する。用語「予防有効量」は、総体的な予防を改善するまたは別の予防薬の予防有効性を増強する量を包含し得る。
【0075】
本明細書において用いられる場合、用語「少なくとも1」の使用は1、2、3、4、またはさらに多くを指すが、例えば、1〜4、1〜3、1〜2、2〜4、2〜3、または3〜4などの範囲(両端を含む)も包含する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】トリオキサカルシンの合成に有用なトリオキサカルシンの差別的に保護された前駆体、骨格(2)の収束的合成を示す。
【0077】
図2】目的の天然および非天然トリオキサカルシンを示す。
【0078】
図3】T−DM1のリンカー戦略を示す。
【0079】
図4】SGN−35のリンカー戦略を示す。
【0080】
図5】モノクローナル抗体の部位特異的な化学修飾を示す。
【0081】
図6】抗体との複合体化の化学的手掛かりを提供するための、トリオキサカルシンAのα−アジド酢酸アナログの例示的な合成を示す。トリオキサカルシンADCの他の例示的な合成は実施例において示されている。例えば、実施例1〜21参照。
【0082】
図7】化合物3のDNAアルキル化から形成されるグアニン付加体を示す。
【0083】
図8】トリオキサカルシンAのDNAアルキル化から形成されるアントラキノン−グアニン付加体を示す。
【0084】
図9】トリオキサカルシンAのDNAアルキル化からグチンギマイシン(gutingimycin)およびアントラキノン−グアニン付加体を形成するための、提唱される機構を示す。
【0085】
図10】トリオキサカルシンの一部の増殖阻害(GI50)を比較している。H460細胞(大細胞肺癌細胞株)、T−47D細胞(乳管癌細胞株)、HEK293細胞(胎児腎細胞株)、N87細胞(胃癌細胞株)、MDA−MB−361/DYT2細胞(乳腺癌細胞株)、HT−29細胞(大腸癌細胞株)、HL−60細胞(急性前骨髄球性白血病細胞株)、およびHEL92.1.7細胞(赤白血病細胞株)によって検討された。
【発明を実施するための形態】
【0086】
本明細書に記載の通り、本研究以前に、本発明者は、既知のトリオキサカルシンおよび全く新規のトリオキサカルシンアナログを入手するための完全に合成的な方法を開発した。例えば、参照によって本明細書に援用される国際公開第WO2011/119549号参照。図1も参照。様々な完全に合成的な天然および非天然のトリオキサカルシン化合物が、スケーリングが適用可能なプロセスによって調製された。この合成法に従って調製されたいくつかの非天然および天然トリオキサカルシンを用いて、トリオキサカルシンに関する構造活性相関研究が実施された。例えば、図2A〜2D参照。
【0087】
本発明者は、この合成法をもとにして、連結基によって抗体に共有結合された(「複合体化された」)トリオキサカルシンの入手方法をここに確立する。予備的な研究は、トリオキサカルシンが種々の細胞型にとって高度に毒性であるということを示唆している。本発明者は、トリオキサカルシンを抗体に連結することが、細胞型に対するトリオキサカルシンの力価を保持しつつも、標的細胞に対する特異性を増大させ且つ任意にトリオキサカルシンのエンドサイトーシスを増大させ得るであろうと考える。それらの効果は、送達されるべきトリオキサカルシンの総量を低めることを可能にし、それによって付随する毒性を低減するであろう。トリオキサカルシンを抗体と複合体化する種々の連結基、かかる複合体化に用いられる化学反応、および複合体化の部位の検討が本明細書において企図される。
【0088】
一態様では、式(A)のトリオキサカルシンの抗体−薬物複合体、
【化7】
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またはその薬学的に許容し得る塩が提供され、それに結合した基−L−(A−L−Bの少なくとも1つを含んでなる。
式中、
GはOまたはN−Rであり、式中、Rは水素または−ORG1である。RG1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または基−L−(A−L−Bである。
aは1〜10の整数(両端を含む)であり、
は存在しないかまたは、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基である。
は存在しないかまたは、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基である。
Aは式−NH−、−NH−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−S−、−O−、
【化8】
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の基である。
Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−である。
Wは−O−、−S−、または−NRW1−であり、式中、RW1は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
W2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、または、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成する。
Bは抗体または抗体断片である。
は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORA1、−C(=O)RA2、−COA2、−CN、−SCN、−SRA1、−SORA1、−SOA2、−NO、−N、−N(RA2、−NRA2C(=O)RA2、−NRA2C(=O)N(RA2、−OC(=O)ORA1、−OC(=O)RA2、−OC(=O)N(RA2、−NRA2C(=O)ORA1、−C(RA2、または基−L−(A−L−Bであり、且つRが水素である。あるいは、RおよびRが一緒になって=O、=N(RA2)、または=Sを形成する。
A1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−(A−L−Bである。
A2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、または置換アミノ、または基−L−(A−L−Bである。あるいは、2つのRA2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
あるいは、RA1またはRA2は式(i)の基に示される。
【化9】
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A3、RA4、RA5、RA6、およびRA7のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−N(RA9、−NHC(=O)RA9、または基−L−(A−L−Bである。式中、RA9のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または基−L−(A−L−Bである。あるいは、2つのRA9基が一緒になって、置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
は−O−、−NRA8−、または−CHRA8−であり、式中、RA8は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORA9、または基−L−(A−L−Bである。式中、RA9は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、アシル、酸素保護基、または基−L−(A−L−Bであり、
は水素または−ORC1である。式中、RC1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−(A−L−Bである。
は水素または−ORD1であり、式中、RD1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−(A−L−Bである。
は水素または−ORE1であり、式中、RE1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−(A−L−Bである。
は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORF1、−C(=O)RF2、−COF1、−CN、−SCN、−SRF1、−SORF1、−SOF2、−NO、−N、−N(RF2、−NRF2C(=O)RF2、−NRF2C(=O)N(RF2、−OC(=O)ORF1、−OC(=O)RF2、−OC(=O)N(RF2、−NRF2C(=O)ORF1、−C(RF2、または基−L−(A−L−Bである。
F1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−(A−L−Bである。
F2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、または基−L−(A−L−Bである。あるいは、2つのRF2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)RH1、基−L−(A−L−B、または式(ii)の基であり、
【化10】
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式中、
H1、RH3、およびRH5のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORH9、−OC(=O)RH9、−N(RH9、−NHC(=O)RH9、基−L−A−L−Bであり、式中、RH9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または基−L−(A−L−Bである。あるいは、2つのRH9基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
H2およびRH4のそれぞれは独立して水素、−ORH7、−N(RH7、−OC(=O)RH7、−NHC(=O)RH8、−C(=O)RH7、−C(=NRH7)RH8、−C(=N−ORH7)RH8、−C(=N−NHRH7)RH8、−C(RH8NHRH7、−C(RH8ORH7、または基−L−(A−L−Bである。式中、RH7は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、基−L−(A−L−Bであり、且つRH8が水素または置換もしくは無置換アルキルである。あるいは、RH7およびRH8または2つのRH7基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
は−O−、−NRH6−、または−CHRH6−であり、式中、RH6は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORH9、または基−L−(A−L−Bである。式中、RH9のそれぞれは独立して水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、アシル、または基−L−(A−L−Bである。
は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORI1、−C(=O)RI2、−COI1、−CN、−SCN、−SRI1、−SORI1、−SOI2、−NO、−N、−N(RI2、−NRI2C(=O)RI2、−NRI2C(=O)N(RI2、−OC(=O)ORI1、−OC(=O)RI2、−OC(=O)N(RI2、−NRI2C(=O)ORI1、−CH(ORI1)、−CH(ORI1、−CHOC(=O)RI2、または基−L−(A−L−Bである。
I1のそれぞれは独立して水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、式(iii)もしくは(iv)の基、または基−L−(A−L−Bである。
I2のそれぞれは独立して水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、式(iii)もしくは(iv)の基、または基−L−(A−L−Bである。あるいは、2つのRI2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
式中、式(iii)および(iv)は、
【化11】
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であり、
式中、
I3、RI5、RI6、RI7、RI8、RI10、RI11、およびRI12のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−N(RI13、−NHC(=O)RI13、基−L−(A−L−Bである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または基−L−(A−L−Bである。あるいは、2つのRI13基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
I4およびRI9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI14、−N(RI14、−OC(=O)RI14、−NHC(=O)RI15、−OC(=O)RI14、−C(=O)RI14、−C(=NRI14)RI15、−C(=N−ORI14)RI15、−C(=N−NHRI14)RI15、−C(RI15NHRI14、−C(RI15ORI14、または基−L−(A−L−Bである。式中、RI14は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、基−L−(A−L−Bであり、RI15は水素または置換もしくは無置換アルキルである。
およびMのそれぞれは独立して−O−、−NRI16−、または−CHRI16−であり、式中、RI16は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORI13、基−L−(A−L−Bである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、アシル、または基−L−(A−L−Bである。
【0089】
一部の実施形態では、式(A)のトリオキサカルシンの抗体−薬物複合体は、式(I)、
【化12】
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またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0090】
一部の実施形態では、式(A)のトリオキサカルシンの抗体−薬物複合体は、式(II)、
【化13】
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またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0091】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物は、それに結合した基−L−(A−L−Bの1つのみを含んでなる。一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物が、それに結合した基−L−(A−L−Bの独立の2つを含んでなる。一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物は、それに結合した基−L−(A−L−Bの独立の3つを含んでなる。
【0092】
抗体または抗体断片Bは多くの結合部位を有する大きい分子であり、したがってそれに結合した[式(A)、(I)、および(II)の化合物−L−(A−L−]の多数を有し得る。一部の実施形態では、抗体または抗体断片は、それに結合した[式(I)の化合物−L−(A−L−]の独立の1〜200個(両端を含む)、例えば、1〜150、1〜100、1〜75、1〜50、1〜25、1〜15、1〜10など(両端を含む)、例えば、独立の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個を含んでなる。
【0093】
さらに、本明細書において式(P−A)の化合物と呼ばれる式(A)の前駆体化合物、
【化14】
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またはその薬学的に許容し得る塩が提供され、それに結合した基−L−Xの少なくとも1つを含んでなる。
式中、
GはOまたはN−Rであり、式中、Rは水素または−ORGlである。式中、RGlは水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または基−L−Xである。
は存在しないかまたは、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、およびポリペプチジル基、ならびにその組み合わせからなる群から選択される連結基である。
Xは、−SH、−OH、−NH、−NH−NH、−N、−O−NH、ハロゲン(または他の脱離基)、−C(=O)RX1
【化15】
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からなる群から選択される。
式中、
X1は水素、ハロゲン、または−ORX2であり、式中、RX2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、酸素保護基である。
Wは−O−、−S−、または−NRW1−である。
W1は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
W2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリールであり、または、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成する。
は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORA1、−C(=O)RA2、−COA2、−CN、−SCN、−SRA1、−SORA1、−SOA2、−NO、−N、−N(RA2、−NRA2C(=O)RA2、−NRA2C(=O)N(RA2、−OC(=O)ORA1、−OC(=O)RA2、−OC(=O)N(RA2、−NRA2C(=O)ORA1、−C(RA2、または基−L−Xであり、Rは水素である。あるいは、RおよびRが一緒になって=O、=N(RA2)、または=Sを形成する。
A1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−Xである。
A2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、または置換アミノ、または基−L−Xである。あるいは、2つのRA2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
あるいは、RA1またはRA2は式(i)の基に示される。
【化16】
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A3、RA4、RA5、RA6、およびRA7のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−N(RA9、−NHC(=O)RA9、または基−L−Xであり、式中、RA9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または基−L−Xである。あるいは、2つのRA9基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
は−O−、−NRA8−、または−CHRA8−であり、式中、RA8は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORA9、または基−L−Xである。式中、RA9は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、アシル、酸素保護基、または基−L−Xである。
は水素または−ORC1であり、式中、RC1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−Xである。
は水素または−ORD1であり、式中、RD1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−Xである。
は水素または−ORElであり、式中、RElは水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−Xである。
は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORF1、−C(=O)RF2、−COF1、−CN、−SCN、−SRF1、−SORF1、−SOF2、−NO、−N、−N(RF2、−NRF2C(=O)RF2、−NRF2C(=O)N(RF2、−OC(=O)ORF1、−OC(=O)RF2、−OC(=O)N(RF2、−NRF2C(=O)ORF1、−C(RF2、または基−L−Xである。
F1のそれぞれは独立して水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、または基−L−Xである。
F2のそれぞれは独立して水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、または基−L−Xである。あるいは、2つのRF2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)RH1、基−L−X、または式(ii)の基である。
【化17】
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式中、
H1、RH3、およびRH5のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORH9、−OC(=O)RH9、−N(RH9、−NHC(=O)RH9、または基−L−Xであり、式中、RH9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または基−L−Xである。あるいは、2つのRH9基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
H2およびRH4のそれぞれは独立して水素、−ORH7、−N(RH7、−OC(=O)RH7、−NHC(=O)RH8、−C(=O)RH7、−C(=NRH7)RH8、−C(=N−ORH7)RH8、−C(=N−NHRH7)RH8、−C(RH8NHRH7、−C(RH8ORH7、−L−Xである。式中、RH7は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、基−L−Xであり、RH8は水素または置換もしくは無置換アルキルである。あるいは、RH7およびRH8または2つのRH7基が一緒になって、置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
はO、NRH6、またはCHRH6であり、式中、RH6は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORH9、または基−L−Xである。式中、RH9のそれぞれは独立して水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、アシル、または基−L−Xである。
は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORI1、−C(=O)RI2、−COI1、−CN、−SCN、−SRI1、−SORI1、−SOI2、−NO、−N、−N(RI2、−NRI2C(=O)RI2、−NRI2C(=O)N(RI2、−OC(=O)ORI1、−OC(=O)RI2、−OC(=O)N(RI2、−NRI2C(=O)ORI1、−CH(ORI1)、−CH(ORI1、−C(RI2、−CHOC(=O)RI2、または基−L−Xである。
I1のそれぞれは、独立して、水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、式(iii)もしくは(iv)の基、または基−L−Xである。
I2のそれぞれは、独立して、水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、式(iii)もしくは(iv)の基、または基−L−Xである。あるいは、2つのRI2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
式中、式(iii)および(iv)は、
【化18】
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である。
式中、
I3、RI5、RI6、RI7、RI8、RI10、RI11、およびRI12のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−N(RI13、−NHC(=O)RI13、基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または基−L−Xである。あるいは、2つのRI13基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
I4およびRI9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI14、−N(RI14、−OC(=O)RI14、−NHC(=O)RI15、−OC(=O)RI14、−C(=O)RI14、−C(=NRI14)RI15、−C(=N−ORI14)RI15、−C(=N−NHRI14)RI15、−C(RI15NHRI14、−C(RI15ORI14、または基−L−A−L−Bである。式中、RI14は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、基−L−Xであり、RI15は水素または置換もしくは無置換アルキルである。
およびMのそれぞれは独立して−O−、−NRI16−、または−CHRI16−であり、式中、RI16は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORI13、基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、アシル、または基−L−Xである。
【0094】
一部の実施形態では、式(P−A)の前駆体化合物は、式(P−I)の化合物、
【化19】
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またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0095】
一部の実施形態では、式(P−A)の前駆体化合物は、式(P−II)の化合物、
【化20】
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またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0096】
式(A)、(I)、および(II)の化合物は、それに結合した少なくとも1つの−L−X基を含んでなる式(P−A)、(P−I)、または(P−II)の化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすること、または、式Y−L−Xの化合物の独立な1つ以上と反復的にカップリングしてから式Y−L−Bの化合物とカップリング(キャッピング)することによって、調製される。式中、XおよびYは一緒に反応して基Aを形成する。
【0097】
一部の実施形態では、式(P−A)、(P−I)、または(P−II)の化合物が、それに結合した基−L−Xのわずか1つを含んでなる。一部の実施形態では、式(P−A)、(P−I)、または(P−II)の化合物が、それに結合した基−L−Xの独立な2つを含んでなる。一部の実施形態では、式(P−A)、(P−I)、または(P−II)の化合物が、それに結合した基−L−Xの独立な3つを含んでなる。
【0098】
さらに、式(A)、(I)、および(II)の薬学的に許容し得る組成物、使用および処置の方法、ならびに調製の方法が提供される。
【0099】
<基RおよびR
上記で全般に定義されたように、Rは水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORA1、−C(=O)RA2、−COA2、−CN、−SCN、−SRA1、−SORA1、−SOA2、−NO、−N、−N(RA2、−NRA2C(=O)RA2、−NRA2C(=O)N(RA2、−OC(=O)ORA1、−OC(=O)RA2、−OC(=O)N(RA2、−NRA2C(=O)ORA1、−C(RA2、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xであり、Rは水素である。あるいは、RおよびRが一緒になって=O、=N(RA2)、または=Sを形成する。
【0100】
一部の実施形態ではRは水素であり、Rは水素である。
【0101】
一部の実施形態では、Rはハロゲン(例えば、F、−Cl、Br、または−I)であり、Rは水素である。
【0102】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルであり、Rは水素である。例示的なR1−6アルキル基は、置換もしくは無置換メチル(C)エチル(C)、n−プロピル(C)、イソプロピル(C)、n−ブチル(C)、tert−ブチル(C)、sec−ブチル(C)、イソブチル(C)、n−ペンチル(C)、3−ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3−メチル−2−ブタニル(C)、第3級アミル(C)、n−ヘキシル(C)を包含するが、これらに限定されない。
【0103】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルケニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニル、置換もしくは無置換C2−3アルケニル、置換もしくは無置換C3−4アルケニル、置換もしくは無置換C4−5アルケニル、または置換もしくは無置換C5−6アルケニルであり、Rは水素である。
【0104】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニル、置換もしくは無置換C2−3アルキニル、置換もしくは無置換C3−4アルキニル、置換もしくは無置換C4−5アルキニル、または置換もしくは無置換C5−6アルキニルであり、Rは水素である。
【0105】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換カルボシクリル、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリル、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリル、置換もしくは無置換C4−5カルボシクリル、または置換もしくは無置換C5−6カルボシクリルであり、Rは水素である。
【0106】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換ヘテロシクリル、例えば、置換もしくは無置換3〜6員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換3〜4員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換4〜5員ヘテロシクリル、または置換もしくは無置換5〜6員ヘテロシクリルであり、Rは水素である。
【0107】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アリール、例えば、置換もしくは無置換フェニルであり、Rは水素である。
【0108】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換ヘテロアリール、例えば、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロアリールであり、Rは水素である。
【0109】
一部の実施形態では、Rは−ORA1であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−C(=O)RA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−COA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−CNであり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−SCNであり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−SRA1であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−SORA1であり、Rは水素である。一部の実施形態では、RはSOA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−NOであり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−Nであり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−N(RA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−NRA2C(=O)RA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−NRA2C(=O)N(RA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−OC(=O)ORA1であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−OC(=O)RA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−OC(=O)N(RA2であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−NRA2C(=O)ORA1であり、Rは水素である。一部の実施形態では、Rは−C(RA2であり、Rは水素である。
【0110】
一部の実施形態では、Rは式(I)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xであり、Rは水素である。
【0111】
一部の実施形態では、RおよびRが一緒になって=Oを形成する。一部の実施形態では、RおよびRが一緒になって=N(RA2)を形成する。一部の実施形態ではRおよびRが一緒になって=Sを形成する。
【0112】
上記で全般に定義されたように、RA1のそれぞれは独立して水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RA2のそれぞれは独立して水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、または置換アミノ、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。あるいは、2つのRA2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
あるいは、RA1またはRA2は式(i)の基に示される。
【化21】
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A3、RA4、RA5、RA6、およびRA7のそれぞれは、独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−N(RA9、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。あるいは、2つのRA9基が一緒になって置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。Mは−O−、−NRA8−、または−CHRA8−であり、式中、RA8は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、アシル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0113】
一部の実施形態ではRA1またはRA2は水素である。一部の実施形態では、RA1またはRA2は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRA1またはRA2は式(i)の基に示される。
【0114】
一部の実施形態では、RA3は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−NHC(=O)RA9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRA3は水素である。一部の実施形態ではRA3は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態では、RA3は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RA3は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RA3は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0115】
一部の実施形態では、RA4は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−NHC(=O)RA9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRA4は水素である。一部の実施形態ではRA4は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRA4は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RA4は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RA4は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0116】
一部の実施形態では、RA5は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−NHC(=O)RA9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。一部の実施形態ではRA5は水素である。一部の実施形態ではRA5は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRA5は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RA5は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RA5は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0117】
一部の実施形態では、RA6は、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−NHC(=O)RA9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRA6は水素である。一部の実施形態ではRA6は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRA6は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RA6は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RA6は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0118】
一部の実施形態では、RA7は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORA9、−OC(=O)RA9、−NHC(=O)RA9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRA7は水素である。一部の実施形態ではRA7は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRA6は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RA7は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RA7は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0119】
一部の実施形態ではMは−O−、−NRA8−、または−CHRA8−である。式中、RA8は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORA9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RA9は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、アシル、酸素保護基、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0120】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NRA8−、例えば、NH−である。一部の実施形態ではMは−CHRA8−、例えば、CH−である。
【0121】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5はメチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9であり、RA7はメチルであり、Mは−O−である。
【0122】
一部の実施形態では、式(i)の基は式(i−a)である。
【化22】
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【0123】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NH−である。一部の実施形態ではMは−CH−である。一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5は、メチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9であり、RA7はメチルである。一部の実施形態では、RA6は、式(A)、(I)、および(II)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0124】
一部の実施形態では、式(i−a)の基は式(i−b1)、(i−b2)、(i−b3)、または(i−b4)である。
【化23】
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【0125】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NH−である。一部の実施形態ではMは−CH−である。一部の実施形態ではRA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5はメチルであり、RA7はメチルである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0126】
一部の実施形態では、式(i−b)の基は式(i−c1)、(i−c2)、(i−c3)、または(i−c4)である。
【化24】
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【0127】
一部の実施形態では、式(i)の基は式(i−d)である。
【化25】
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【0128】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5はメチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。RA6は、水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9であり、RA7はメチルである。一部の実施形態では、RA6は、式(A)、(I)、および(II)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0129】
一部の実施形態では、式(i)の基は式(i−e1)または(i−e2)である。
【化26】
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【0130】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9であり、RA7はメチルである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0131】
一部の実施形態では、式(i)の基は式(i−f)である。
【化27】
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【0132】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5はメチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。RA7はメチルである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0133】
一部の実施形態では、式(i)の基は式(i−g)である。
【化28】
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【0134】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5はメチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。RA7はメチルである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0135】
一部の実施形態では式(i)の基は式(i−h)である。
【化29】
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【0136】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9である。RA5はメチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9であり、RA7はメチルである。一部の実施形態では、RA6は、式(A)、(I)、および(II)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0137】
一部の実施形態では、式(i)の基は式(i−i1)または(i−i2)である。
【化30】
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【0138】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9であり、RA7はメチルである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0139】
一部の実施形態では式(i)の基は式(i−j)である。
【化31】
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【0140】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5はメチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。RA7はメチルである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0141】
一部の実施形態では式(i)の基は式(i−k)である。
【化32】
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【0142】
一部の実施形態では、RA3は水素であり、RA4は水素または−ORA9であり、RA5はメチル、−NHC(=O)RA9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。RA7はメチルである。一部の実施形態ではRA3は非水素のエカトリアル基である。
【0143】
<基R、R、R、およびR
上で全般に定義されたように、Rは水素または−ORC1である。式中、RC1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは−ORC1、例えば、OHまたは−OCHである。
【0144】
上で全般に定義されたように、Rは水素または−ORD1である。式中、RD1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは−ORD1、例えば、OHまたは−OCHである。
【0145】
上記で全般に定義されたように、Rは水素または−ORE1である。式中、RE1は水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは−ORE1、例えば、OHまたは−OCHである。
【0146】
上記で全般に定義されたように、Rは、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORF1、−C(=O)RF2、−COF1、−CN、−SCN、−SRF1、−SORF1、−SOF2、−NO、−N、−N(RF2、−NRF2C(=O)RF2、−NRF2C(=O)N(RF2、−OC(=O)ORF1、−OC(=O)RF2、−OC(=O)N(RF2、−NRF2C(=O)ORF1、−C(RF2、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0147】
一部の実施形態ではRは水素である。
【0148】
一部の実施形態ではRはハロゲン、例えば、F、−Cl、Br、または−Iである。
【0149】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。例示的なR1−6アルキル基は、置換もしくは無置換メチル(C)、エチル(C)、n−プロピル(C)、イソプロピル(C)、n−ブチル(C)、tert−ブチル(C)、sec−ブチル(C)、イソブチル(C)、n−ペンチル(C)、3−ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3−メチル−2−ブタニル(C)、第3級アミル(C)、n−ヘキシル(C)を包含するが、これらに限定されない。
【0150】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルケニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニル、置換もしくは無置換C2−3アルケニル、置換もしくは無置換C3−4アルケニル、置換もしくは無置換C4−5アルケニル、または置換もしくは無置換C5−6アルケニルである。
【0151】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニル、置換もしくは無置換C2−3アルキニル、置換もしくは無置換C3−4アルキニル、置換もしくは無置換C4−5アルキニル、または置換もしくは無置換C5−6アルキニルである。
【0152】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換カルボシクリル、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリル、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリル、置換もしくは無置換C4−5カルボシクリル、または置換もしくは無置換C5−6カルボシクリルである。一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換シクロプロピルである。
【0153】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換ヘテロシクリル、例えば、置換もしくは無置換3〜6員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換3〜4員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換4〜5員ヘテロシクリル、または置換もしくは無置換5〜6員ヘテロシクリルである。
【0154】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アリール、例えば、置換もしくは無置換フェニルである。
【0155】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換ヘテロアリール、例えば、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロアリールである。
【0156】
一部の実施形態ではRは−ORF1である。一部の実施形態ではRは−C(=O)RF2である。一部の実施形態ではRは−COF1である。一部の実施形態ではRは−CNである。一部の実施形態ではRは−SCNである。一部の実施形態ではRは−SRF1である。一部の実施形態ではRは−SORF1である。一部の実施形態ではRは−SOF2である。一部の実施形態ではRは−NOである。一部の実施形態ではRは−Nである。一部の実施形態ではRは−N(RF2である。一部の実施形態ではRは−NRF2C(=O)RF2である。一部の実施形態ではRは−NRF2C(=O)N(RF2である。一部の実施形態ではRは−OC(=O)ORF1である。一部の実施形態ではRは−OC(=O)RF2である。一部の実施形態ではRは−OC(=O)N(RF2である。一部の実施形態ではRは−NRF2C(=O)ORF1である。一部の実施形態ではRは−C(RF2である。
【0157】
一部の実施形態では、Rは、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0158】
上で全般に定義されたように、RF1のそれぞれは独立して水素、酸素保護基(酸素に結合している場合)、硫黄保護基(硫黄に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RF2のそれぞれは独立して水素、窒素保護基(窒素に結合している場合)、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。あるいは、2つのRF2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
【0159】
一部の実施形態では、RF1またはRF2は水素、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0160】
一部の実施形態では、Rは水素または−OHであり、Rは−OCHであり、Rは−OHである。
【0161】
一部の実施形態では、Rは水素または−OHであり、Rは−OCHであり、Rは−OHであり、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。
【0162】
<基R
上記で全般に定義されたように、Rは水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−C(=O)RH1、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、または式(ii)の基であり、
【化33】
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式中、
H1、RH3、およびRH5のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORH9、−OC(=O)RH9、−N(RH9、−NHC(=O)RH9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RH9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。あるいは、2つのRH9基が一緒になって、置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
H2およびRH4のそれぞれは独立して水素、−ORH7、−N(RH7、−OC(=O)RH7、−NHC(=O)RH8、−C(=O)RH7、−C(=NRH7)RH8、−C(=N−ORH7)RH8、−C(=N−NHRH7)RH8、−C(RH8NHRH7、−C(RH8ORH7、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RH7は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RH8は水素または置換もしくは無置換アルキルである。あるいは、RH7およびRH8または2つのRH7基が一緒になって、置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
はO、NRH6、またはCHRH6である。式中、RH6は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORH9、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RH9のそれぞれは独立して水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、アシル、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0163】
一部の実施形態ではRは水素である。
【0164】
一部の実施形態ではRは酸素保護基である。
【0165】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0166】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルケニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニル、置換もしくは無置換C2−3アルケニル、置換もしくは無置換C3−4アルケニル、置換もしくは無置換C4−5アルケニル、または置換もしくは無置換C5−6アルケニルである。
【0167】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニル、置換もしくは無置換C2−3アルキニル、置換もしくは無置換C3−4アルキニル、置換もしくは無置換C4−5アルキニル、または置換もしくは無置換C5−6アルキニルである。
【0168】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換カルボシクリル、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリル、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリル、置換もしくは無置換C4−5カルボシクリル、または置換もしくは無置換C5−6カルボシクリルである。
【0169】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換ヘテロシクリル、例えば、置換もしくは無置換3〜6員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換3〜4員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換4〜5員ヘテロシクリル、または置換もしくは無置換5〜6員ヘテロシクリルである。
【0170】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アリール、例えば、置換もしくは無置換フェニルである。
【0171】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換ヘテロアリール、例えば、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロアリールである。
【0172】
一部の実施形態では、Rは−C(=O)RH1、例えば、C(=O)CHである。
【0173】
一部の実施形態では、Rは、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0174】
一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。
【0175】
一部の実施形態では、RH1は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORH9、−OC(=O)RH9、−NHC(=O)RH9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RH9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRH1は水素である。一部の実施形態ではRH1は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRH1は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RH1は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RH1は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0176】
一部の実施形態では、RH3は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORH9、−OC(=O)RH9、−NHC(=O)RH9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RH9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRH3は水素である。一部の実施形態ではRH3は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRH3は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RH3は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RH3は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0177】
一部の実施形態では、RH5は、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORH9、−OC(=O)RH9、−NHC(=O)RH9、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RH9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRH5は水素である。一部の実施形態ではRH5は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRH5は−ORA9、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RH5は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RH5は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0178】
一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。
【0179】
一部の実施形態ではRH2は水素である。
【0180】
一部の実施形態では、RH2は置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0181】
一部の実施形態では、RH2は、式(A)、(I)、および(II)では−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Ν3である。
【0182】
一部の実施形態ではRH2は−ORH7である。一部の実施形態ではRH2は−N(RH7である。一部の実施形態ではRH2は−OC(=O)RH7である。一部の実施形態ではRH2は−NHC(=O)RH9である。一部の実施形態ではRH2は−C(=O)RH7である。一部の実施形態ではRH2は−C(=NRH7)RH8である。一部の実施形態ではRH2は−C(=N−ORH7)RH8である。一部の実施形態ではRH2は−C(=N−NHRH7)RH8である。一部の実施形態ではRH2は−C(RH8NHRH7である。一部の実施形態ではRH2は−C(RH8ORH7である。RH2の一部の実施形態では、RH7は水素である。RH2の一部の実施形態では、RH7は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。RH2の一部の実施形態では、RH7は酸素保護基(酸素原子に結合している場合)または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)である。RH2の一部の実施形態では、RH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RH2の一部の実施形態ではRH8は水素である。RH2の一部の実施形態では、RH8は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0183】
しかしながら、RH2の一部の実施形態ではXは−Nではない。RH2の一部の実施形態ではLは−CHCH−ではない。RH2の一部の実施形態では、基−L−Xは−CHCHではない(例えば、基−C(=O)−に結合しているとき)。RH2の一部の実施形態ではRH7は−CHCHではない。RH2の一部の実施形態ではRH8は−CHCHではない。
【0184】
一部の実施形態ではRH4は水素である。
【0185】
一部の実施形態では、RH4は置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0186】
一部の実施形態では、RH4は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0187】
一部の実施形態ではRH4は−ORH7である。一部の実施形態ではRH4は−OC(=O)RH7である。一部の実施形態ではRH4は−C(=O)RH7である。一部の実施形態ではRH4は−C(=NRH7)RH8である。一部の実施形態ではRH4は−C(=N−ORH7)RH8である。一部の実施形態ではRH4は−C(=N−NHRH7)RH8である。一部の実施形態ではRH4は−C(RH8NHRH7である。一部の実施形態ではRH4は−C(RH8ORH7である。RH4の一部の実施形態ではRH7は水素である。RH4の一部の実施形態では、RH7は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。RH4の一部の実施形態では、RH7は酸素保護基(酸素原子に結合している場合)または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)である。RH4の一部の実施形態では、RH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RH4の一部の実施形態ではRH8は水素である。RH4の一部の実施形態では、RH8は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0188】
一部の実施形態では、RH2は−ORH7(例えば、OH)または−N(RH7であり、RH4は−C(=N−ORH7)RH8である。式中、RH4のRH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。この場合、一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。
【0189】
一部の実施形態では、RH2は−OC(=O)RH7(例えば、OAc)または−NHC(=O)RH7であり、RH4は−C(=N−ORH7)RH8である。式中、RH4のRH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。この場合、一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。
【0190】
一部の実施形態では、RH4は−C(=O)RH7(例えば、C=OCH)であり、RH2は−OC(=O)RH7または−NHC(=O)RH7である。式中、RH2のRH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。この場合、一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。
【0191】
一部の実施形態では、RH4は水素であり、RH2は、−NHC(=O)RH7、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。この場合、一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。
【0192】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NRH6−、例えば、NHである。一部の実施形態ではMは−CHRH6−、例えば、CH−である。
【0193】
一部の実施形態では式(ii)の基は式(ii−a)である。
【化34】
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【0194】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NH−である。一部の実施形態では、Mは−CH−である。一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH6または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。一部の実施形態では、RH1は非水素のエカトリアル基である。一部の実施形態では、RH2は非水素のエカトリアル基である。一部の実施形態では、RH2は非水素のアキシアル基である。一部の実施形態では、RH2は−ORH7(例えば、OH)または−OC(=O)RH7(例えば、OAc)であり、RH4は−C(=N−ORH7)RH8である。式中、RH4のRH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態では、RH4は−C(=O)RH7(例えば、C=OCH)であり、RH2は−OC(=O)RH7である。式中、RH2のRH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態では、RH4は水素であり、RH2は、−NHC(=O)RH7、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。
【0195】
一部の実施形態では、式(ii)の基は式(ii−b1)または(ii−b2)である。
【化35】
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【0196】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NH−である。一部の実施形態ではMは−CH−である。一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。一部の実施形態ではRH1は非水素のエカトリアル基である。
【0197】
一部の実施形態では、式(ii)の基は式(ii−c1)または(ii−c2)である。
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0198】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NH−である。一部の実施例ではMは−CH−である。一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。一部の実施形態ではRH1は非水素のエカトリアル基である。
【0199】
一部の実施形態では、式(ii)の基は式(ii−d1)または(ii−d2)である。
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NH−である。一部の実施例ではMは−CH−である。一部の実施形態では、RH1は水素であり、RH3は−ORH9または−OC(=O)RH9であり、RH5はメチルである。一部の実施形態では、RH2は−ORH7(例えば、OH)または−OC(=O)RH7(例えば、OAc)である。一部の実施形態ではRH1は非水素のエカトリアル基である。一部の実施形態ではRH2は非水素のエカトリアル基である。一部の実施形態ではRH2は非水素のアキシアル基である。
【0201】
一部の実施形態では、式(ii)の基は式(ii−e)である。
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0202】
一部の実施形態ではRH3は−ORH9または−OC(=O)RH9である。一部の実施形態ではRH2は−ORH7(例えば、OH)または−OC(=O)RH7(例えば、OAc)であり、RH4は−C(=N−ORH7)RH8である。式中、RH4のRH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRH4は−C(=O)RH7(例えば、C=OCH)であり、RH2は−OC(=O)RH7である。式中、RH2のRH7は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRH4は水素であり、RH2は−NHC(=O)RH7、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−X、例えば、L−Nである。一部の実施形態ではRH2は非水素のエカトリアル基である。一部の実施例ではRH2は非水素のアキシアル基である。
【0203】
<基R
上記で全般に定義されたように、Rは、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、−ORI1、−C(=O)RI2、−COI1、−CN、−SCN、−SRI1、−SORI1、−SOI2、−NO、−N、−N(RI2、−NRI2C(=O)RI2、−NRI2C(=O)N(RI2、−OC(=O)ORI1、−OC(=O)RI2、−OC(=O)N(RI2、−NRI2C(=O)ORI1、−CH(ORI1)、−CH(ORI1、−CHOC(=O)RI2、−C(RI2、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0204】
一部の実施形態ではRは水素である。
【0205】
一部の実施形態ではRはハロゲン、例えば、F、−Cl、−Br、または−Iである。
【0206】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0207】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルケニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニル、置換もしくは無置換C2−3アルケニル、置換もしくは無置換C3−4アルケニル、置換もしくは無置換C4−5アルケニル、または置換もしくは無置換C5−6アルケニルである。
【0208】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニル、置換もしくは無置換C2−3アルキニル、置換もしくは無置換C3−4アルキニル、置換もしくは無置換C4−5アルキニル、または置換もしくは無置換C5−6アルキニルである。
【0209】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換カルボシクリル、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリル、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリル、置換もしくは無置換C4−5カルボシクリル、または置換もしくは無置換C5−6カルボシクリルである。
【0210】
一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換ヘテロシクリル、例えば、置換もしくは無置換3〜6員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換3〜4員ヘテロシクリル、または置換もしくは無置換4〜5員ヘテロシクリルである。
【0211】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アリール、例えば、置換もしくは無置換フェニルである。
【0212】
一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換ヘテロアリール、例えば、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロアリールである。
【0213】
一部の実施形態ではRは−ORI1である。一部の実施形態ではRは−C(=O)RI2である。一部の実施形態ではRは−COI1である。一部の実施形態ではRは−CNである。一部の実施形態ではRは−SCNである。一部の実施形態ではRは−SRI1である。一部の実施形態ではRは−SORI1である。一部の実施形態ではRは−SOI2である。一部の実施形態ではRは−NOである。一部の実施形態ではRは−Nである。一部の実施形態では、Rは−N(RI2である。一部の実施形態ではRは−NRI2C(=O)RI2である。一部の実施形態ではRは−NRI2C(=O)N(RI2である。一部の実施形態ではRは−OC(=O)ORI1である。一部の実施形態ではRは−OC(=O)RI2である。一部の実施形態ではRは−OC(=O)N(RI2である。一部の実施形態ではRは−NRI2C(=O)ORI1である。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)である。一部の実施形態ではRはCH(ORI1である。一部の実施形態ではRは−CHOC(=O)RI2である。一部の実施形態ではRは−C(RI2である。
【0214】
一部の実施形態では、Rは、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0215】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは独立して水素である。
【0216】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは酸素保護基(酸素に結合している場合)または硫黄保護基(硫黄に結合している場合)である。
【0217】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0218】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは置換もしくは無置換アルケニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニル、置換もしくは無置換C2−3アルケニル、置換もしくは無置換C3−4アルケニル、置換もしくは無置換C4−5アルケニル、または置換もしくは無置換C5−6アルケニルである。
【0219】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは置換もしくは無置換アルキニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニル、置換もしくは無置換C2−3アルキニル、置換もしくは無置換C3−4アルキニル、置換もしくは無置換C4−5アルキニル、または置換もしくは無置換C5−6アルキニルである。
【0220】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは置換もしくは無置換カルボシクリル、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリル、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリル、置換もしくは無置換C4−5カルボシクリル、または置換もしくは無置換C5−6カルボシクリルである。
【0221】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは置換もしくは無置換ヘテロシクリル、例えば、置換もしくは無置換3〜6員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換3〜4員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換4〜5員ヘテロシクリル、または置換もしくは無置換5〜6員ヘテロシクリルである。
【0222】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは置換もしくは無置換アリール、例えば、置換もしくは無置換フェニルである。
【0223】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは置換もしくは無置換ヘテロアリール、例えば、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロアリールである。
【0224】
一部の実施形態ではRI1の少なくとも1つはアシルである。
【0225】
一部の実施形態では、RI1の少なくとも1つは、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0226】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは独立して水素である。
【0227】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは窒素保護基(窒素に結合している場合)である。
【0228】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0229】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは置換もしくは無置換アルケニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニル、置換もしくは無置換C2−3アルケニル、置換もしくは無置換C3−4アルケニル、置換もしくは無置換C4−5アルケニル、または置換もしくは無置換C5−6アルケニルである。
【0230】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは置換もしくは無置換アルキニル、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニル、置換もしくは無置換C2−3アルキニル、置換もしくは無置換C3−4アルキニル、置換もしくは無置換C4−5アルキニル、または置換もしくは無置換C5−6アルキニルである。
【0231】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは置換もしくは無置換カルボシクリル、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリル、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリル、置換もしくは無置換C4−5カルボシクリル、または置換もしくは無置換C5−6カルボシクリルである。
【0232】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは置換もしくは無置換ヘテロシクリル、例えば、置換もしくは無置換3〜6員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換3〜4員ヘテロシクリル、置換もしくは無置換4〜5員ヘテロシクリル、または置換もしくは無置換5〜6員ヘテロシクリルである。
【0233】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは置換もしくは無置換アリール、例えば、置換もしくは無置換フェニルである。
【0234】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは置換もしくは無置換ヘテロアリール、例えば、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロアリールである。
【0235】
一部の実施形態ではRI2の少なくとも1つはアシルである。
【0236】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つはヒドロキシル、置換ヒドロキシル、チオール、置換チオール、アミノ、または置換アミノである。
【0237】
一部の実施形態では、RI2の少なくとも1つは、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0238】
一部の実施形態では、2つのRI2基が、任意に、一緒になってヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
【0239】
一部の実施形態では、RI1またはRI2は式(iii)または(iv)の基である。
【化39】
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式中、
I3、RI5、RI6、RI7、RI8、RI10、RI11、およびRI12のそれぞれは、独立して、水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−N(RI13、−NHC(=O)RI13、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。あるいは、2つのRI13基が一緒になって、置換もしくは無置換ヘテロ環式または置換もしくは無置換ヘテロアリール環を形成する。
I4およびRI9のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI14、−N(RI14、−OC(=O)RI14、−NHC(=O)RI15、−OC(=O)RI14、−C(=O)RI14、−C(=NRI14)RI15、−C(=N−ORI14)RI15、−C(=N−NHRI14)RI15、−C(RI15NHRI14、−C(RI15ORI14、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI14は独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基(酸素原子に結合している場合)、窒素保護基(窒素原子に結合している場合)、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RI15は水素、または置換もしくは無置換アルキルである。
およびMのそれぞれは独立して−O−、−NRI16−、または−CHRI16−であり、式中、RI16は水素、置換もしくは無置換アルキル、窒素保護基(窒素に結合している場合)、−ORI13、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、アシル、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0240】
一部の実施形態では、RI3は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRI3は水素である。一部の実施形態ではRI3は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI3は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RI3は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI3は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0241】
一部の実施形態では、RI5は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRI5は水素である。一部の実施形態ではRI5は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI5は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RI5は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI5は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0242】
一部の実施形態では、RI6は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRI6は水素である。一部の実施形態ではRI6は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI6は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態ではRI6は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI6は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0243】
一部の実施形態では、RI7は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRI7は水素である。一部の実施形態ではRI7は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI7は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態ではRI7は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI7は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0244】
一部の実施形態では、RI8は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRI8は水素である。一部の実施形態では、RI8は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI8は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RI8は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI8は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0245】
一部の実施形態ではRI10は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態では、RI10は水素である。一部の実施形態ではRI8は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI10は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RI10は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI10は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0246】
一部の実施形態では、RI11は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRI11は水素である。一部の実施形態ではRI11は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI11は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RI11は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI11は、式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0247】
一部の実施形態では、RI12は水素、置換もしくは無置換アルキル、−ORI13、−OC(=O)RI13、−NHC(=O)RI13、または式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。式中、RI13のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、酸素保護基、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRI12は水素である。一部の実施形態では、RI12は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態では、RI11は−ORI13、例えば、OHまたは−O−アルキルである。一部の実施形態では、RI12は、式(A)、(I)、および(II)では−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、RI12は式(A)、(I)、および(II)では−NHC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−NHC(=O)−L−Xである。
【0248】
一部の実施形態ではRI4は水素である。
【0249】
一部の実施形態では、RI4は置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0250】
一部の実施形態では、RI4は、式(A)、(I)、および(II)では−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0251】
一部の実施形態ではRI4は−ORI14である。一部の実施形態ではRI4は−N(RI14)2である。一部の実施形態ではRI4は−OC(=O)RI14である。一部の実施形態ではRI4は−NHC(=O)RI15である。一部の実施形態ではRI4は−C(=O)RI14である。一部の実施形態ではRI4は−C(=NRI14)RI15である。一部の実施形態ではRI4は−C(=N−ORI14)RI15である。一部の実施形態ではRI4は−C(=N−NHRI14)RI15である。一部の実施形態ではRI4は−C(RI15NHRI14である。一部の実施形態ではRI4は−C(RI15ORI14である。RI4の一部の実施形態では、RI14は水素である。RI4の一部の実施形態では、RI14は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。RI4の一部の実施形態では、RI14は酸素保護基(酸素原子に結合している場合)または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)である。RI4の一部の実施形態では、RI14は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RI4の一部の実施形態では、RI15は水素である。RI4の一部の実施形態では、RI15は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0252】
一部の実施形態ではRI9は水素である。
【0253】
一部の実施形態では、RI9は置換もしくは無置換アルキル、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキル、置換もしくは無置換C1−2アルキル、置換もしくは無置換C2−3アルキル、置換もしくは無置換C3−4アルキル、置換もしくは無置換C4−5アルキル、または置換もしくは無置換C5−6アルキルである。
【0254】
一部の実施形態では、RI9は、式(A)、(I)、および(II)では−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。
【0255】
一部の実施形態ではRI9は−ORI14である。一部の実施形態ではRI9は−N(RI14である。一部の実施形態ではRI9は−OC(=O)RI14である。一部の実施形態ではRI9は−NHC(=O)RI15である。一部の実施形態ではRI9は−C(=NRI14)RI15である。一部の実施形態ではRI9は−C(=N−ORI14)RI15である。一部の実施形態ではRI9は−C(=N−NHRI14)RI15である。一部の実施形態ではRI9は−C(RI15NHRI14である。一部の実施形態ではRI9は−C(RI15ORI14である。RI9の一部の実施形態では、RI14は水素である。RI9の一部の実施形態では、RI14は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。RI9の一部の実施形態では、RI14は酸素保護基(酸素原子に結合している場合)または窒素保護基(窒素原子に結合している場合)である。RI9の一部の実施形態では、RI14は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。RI9の一部の実施形態では、RI15は水素である。RI9の一部の実施形態では、RI15は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0256】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NRI16−、例えば、NHである。一部の実施形態ではMは−CHRI16、例えば、CH−である。
【0257】
一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−NRI16−、例えば、NHである。一部の実施形態ではMは−CHRI16、例えば、CH−である。
【0258】
一部の実施形態では、MおよびMは両方とも−O−である。
【0259】
一部の実施形態では、式(iii)の基は式(iii−a)である。
【化40】
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【0260】
一部の実施形態ではRI3は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI5は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI6は−ORI13、例えば、OHである。一部の実施形態ではRI7は水素である。一部の実施形態ではRI4は−ORI14である。一部の実施形態ではRI4は−OC(=O)RI14である。一部の実施形態ではRI14は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI14は酸素保護基である。一部の実施形態では、RI14は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではMは−O−である。
【0261】
一部の実施形態では、式(iv)の基は式(iv−a)である。
【化41】
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【0262】
一部の実施形態ではRI3は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI5は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI6は−ORI13、例えば、OHである。一部の実施形態ではRI7は水素である。一部の実施形態ではRI8は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI10は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI11は−ORI13、例えば、OHである。一部の実施形態ではRI12は水素である。一部の実施形態ではRI9は−ORI14である。一部の実施形態ではRI9は−OC(=O)RI14である。一部の実施形態ではRI14は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI14は酸素保護基である。一部の実施形態では、RI14は、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−O−である。
【0263】
一部の実施形態では、式(iv)の基は式(iv−b1)または(iv−b2)である。
【化42】
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【0264】
一部の実施形態ではRI3は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI5は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI6は−ORI13、例えば、OHである。一部の実施形態ではRI7は水素である。一部の実施形態ではRI8は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI10は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRI11は−ORI13、例えば、OHである。一部の実施形態ではRI12は水素である。一部の実施形態ではMは−O−である。一部の実施形態ではMは−O−である。
【0265】
一部の実施形態では、Rは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つは水素である。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが置換もしくは無置換アルケニルである。一部の実施形態では、Rは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが置換もしくは無置換アルキニルである。一部の実施形態では、Rは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが置換もしくは無置換カルボシクリルである。一部の実施形態では、Rは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが置換もしくは無置換ヘテロシクリルである。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)または−CH(ORI1であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが置換もしくは無置換アリールである。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが置換もしくは無置換ヘテロアリールである。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の1つがアシルである。一部の実施形態では、Rは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが、式(A)、(I)、および(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)、(P−I)、および(P−II)では基−L−Xである。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが式(iii)の基である。一部の実施形態ではRは−CH(ORI1)、−CH(ORI1、または−CHOC(=O)RI2であり、RI1またはRI2の少なくとも1つが式(iv)の基である。
【0266】
<基G>
本明細書において全般に定義されるように、GはOまたはN−Rであり、式中、Rは水素または−ORG1である。式中、RGlは水素、酸素保護基、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または式(A)または(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)または(P−II)では基−L−Xである。
【0267】
一部の実施形態ではGはOである。
【0268】
一部の実施形態ではGはN−Rである。一部の実施形態ではRは−ORG1である。一部の実施形態では、RGlは、式(A)または(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−A)または(P−II)では基−L−Xであり、これらは本明細書において定義される。
【0269】
<式(I)、(P−I)、(II)、および(P−II)のさらなる実施形態>
上記実施形態の種々の組み合わせが、本明細書においてはさらに考えられる。当業者には当然のことながら、本明細書に記載の種々の実施形態は様々に組み合わされ得、本発明者によって企図される。
【0270】
例えば、一部の実施形態では、式(I)または(P−I)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(I−a)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−I−a)の化合物、
【化43】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態では、Rは−OHまたは−ORA1である。一部の実施形態ではRA1は式(i)の基である。式(i)の一部の実施形態では、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9である。一部の実施形態では、RA6は、式(I)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−I)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは−ORC1、例えば、OHである。一部の実施形態では、RおよびRは両方とも水素である。一部の実施形態ではRは−ORD1、例えば、OCHである。一部の実施形態ではRは−ORE1、例えば、OHである。一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態ではRは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。
【0271】
一部の実施形態では、式(I)または(P−I)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(I−b)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−I−b)の化合物、
【化44】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRA1は式(i)の基である。式(i)の一部の実施形態では、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9である。一部の実施形態では、RA6は、式(I)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−I)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態ではRは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。
【0272】
一部の実施形態では、式(I)または(P−I)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(I−c)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−I−c)の化合物、
【化45】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態ではRは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。
【0273】
一部の実施形態では、式(I)または(P−I)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(I−d)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−I−d)の化合物、
【化46】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORFlである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態ではRは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。
【0274】
一部の実施形態では、式(I)または(P−I)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(I−e)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−I−e)の化合物、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは−ORC1、例えば、OHである。一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態では、Rは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。
【0275】
一部の実施形態では、式(I)または(P−I)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(I−f)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−I−f)の化合物、
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態では、Rは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。
【0276】
一部の実施形態では、式(I)または(P−I)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(I−x)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−I−x)の化合物、
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRA1は式(i)の基である。式(i)の一部の実施形態では、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9である。一部の実施形態では、RA6は、式(I)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−I)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORFlである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態ではRは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。
【0277】
一部の実施形態では、式(II)または(P−II)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(II−a)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−II−a)の化合物、
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRは−OHまたは−ORA1である。一部の実施形態では、RA1は式(i)の基である。式(i)の一部の実施形態では、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9である。一部の実施形態では、RA6は、式(II)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態では、Rは−ORC1、例えば、OHである。一部の実施形態では、RおよびRは両方とも水素である。一部の実施形態では、Rは−ORD1、例えば、OCHである。一部の実施形態ではRは−ORE1、例えば、OHである。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態ではRは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。一部の実施形態では、Rは−ORG1である。一部の実施形態では、RG1は、式(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−L−Xである。
【0278】
一部の実施形態では、式(II)または(P−II)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(II−b)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−II−b)の化合物、
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRA1は式(i)の基である。式(i)の一部の実施形態では、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9である。一部の実施形態では、RA6は、式(II)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態ではRは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態では、Rは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。一部の実施形態ではRは−ORG1である。一部の実施形態では、RG1は、式(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−L−Xである。
【0279】
一部の実施形態では、式(II)または(P−II)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(II−c)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−II−c)の化合物、
【化52】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態では、Rは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。一部の実施形態ではRは−ORG1である。一部の実施形態では、RG1は式(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−L−Xである。
【0280】
一部の実施形態では、式(II)または(P−II)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(II−d)の化合物、またはそれに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−II−d)の化合物、
【化53】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態では、Rは式(ii)の基である。一部の実施形態ではRは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。一部の実施形態ではRは−ORG1である。一部の実施形態では、RG1は、式(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−L−Xである。
【0281】
一部の実施形態では、式(II)または(P−II)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(II−e)の化合物、または、それに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−II−e)の化合物、
【化54】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは−ORC1、例えば、OHである。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態では、Rは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。一部の実施形態ではRは−ORG1である。一部の実施形態では、RGlは、式(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−L−Xである。
【0282】
一部の実施形態では、式(II)または(P−II)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つの基を含んでなる式(II−f)の化合物、または、それに結合した式−L−Xの少なくとも1つの基を含んでなる式(P−II−f)の化合物、
【化55】
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あるいはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORFlである。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態では、Rは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。一部の実施形態ではRは−ORG1である。一部の実施形態では、RGlは、式(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−L−Xである。
【0283】
一部の実施形態では、式(II)または(P−II)の化合物は、それぞれ、それに結合した式−L−(A−L−Bの少なくとも1つを含んでなる式(II−x)の化合物、または、それに結合した基−L−Xの少なくとも1つを含んでなる式(P−II−x)の化合物、
【化56】
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またはその薬学的に許容し得る塩である。一部の実施形態ではRA1は式(i)の基である。式(i)の一部の実施形態では、RA6は水素、−ORA9、−OC(=O)RA9、または−NHC(=O)RA9である。一部の実施形態では、RA6は、式(I)では基−OC(=O)−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−OC(=O)−L−Xである。一部の実施形態では、Rは置換もしくは無置換アルキルまたは−ORF1である。一部の実施形態ではRは水素である。一部の実施形態ではRは式(ii)の基である。一部の実施形態では、Rは水素、−CH(ORI1)、または−CH(ORI1である。一部の実施形態ではRは−ORG1である。一部の実施形態では、RGlは、式(II)では基−L−(A−L−B、または式(P−II)では基−L−Xである。
【0284】
<リンカー基L
本明細書において全般に定義されるように、Lは存在しないか、または、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、ポリペプチジル基、およびその組み合わせからなる群から選択される連結基である。
【0285】
一部の実施形態ではLは存在しない。当然のことながら、Lが存在しない場合、基Aは式(A)、(I)、および(II)の化合物と直接的に結合しており、基Xは式(P−I)の化合物と直接的に結合している。
【0286】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アルキレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキレン、置換もしくは無置換C2−6アルキレン、置換もしくは無置換C3−6アルキレン、置換もしくは無置換C4−6アルキレン、置換もしくは無置換C5−6アルキレン、置換もしくは無置換C2−5アルキレン、置換もしくは無置換C2−4アルキレン、置換もしくは無置換C2−3アルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、または置換もしくは無置換Cアルキレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アルキレンである。
【0287】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アルケニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニレン、置換もしくは無置換C3−6アルケニレン、置換もしくは無置換C4−6アルケニレン、置換もしくは無置換C5−6アルケニレン、置換もしくは無置換C2−5アルケニレン、置換もしくは無置換C2−4アルケニレン、置換もしくは無置換C2−3アルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、または置換もしくは無置換Cアルケニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アルケニレンである。
【0288】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アルキニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニレン、置換もしくは無置換C3−6アルキニレン、置換もしくは無置換C4−6アルキニレン、置換もしくは無置換C5−6アルキニレン、置換もしくは無置換C2−5アルキニレン、置換もしくは無置換C2−4アルキニレン、置換もしくは無置換C2−3アルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、または置換もしくは無置換Cアルキニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アルキニレンである。
【0289】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換のヘテロアルキレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換ヘテロC1−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC3−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC4−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC5−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−5アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−4アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−3アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、または置換もしくは無置換ヘテロCアルキレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアルキレンである。
【0290】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換ヘテロC2−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC3−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC4−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC5−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−5アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−4アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−3アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、または置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアルケニレンである。
【0291】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換ヘテロC2−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC3−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC4−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC5−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−5アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−4アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−3アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、または置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアルキニレンである。
【0292】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロシクリレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換5〜8員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換5員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換6員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換7員ヘテロシクリレン、または置換もしくは無置換8員ヘテロシクリレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロシクリレンである。
【0293】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換カルボシクリレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリレン、置換もしくは無置換C3−5カルボシクリレン、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリレン、置換もしくは無置換Cカルボシクリレン、置換もしくは無置換Cカルボシクリレン、置換もしくは無置換Cカルボシクリレン、または置換もしくは無置換Cカルボシクリレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換カルボシクリレンである。
【0294】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アリーレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換Cアリーレン(フェニレン)または置換もしくは無置換C10アリーレン(ナフチレン)を含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アリーレンである。
【0295】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロアリーレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換5員ヘテロアリーレン、または置換もしくは無置換6員ヘテロアリーレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアリーレンである。
【0296】
一部の実施形態ではLは、本明細書に記載のペプチジル基の少なくとも1つを含んでなる。一部の実施形態ではLは連結基であり、本明細書に記載のジペプチジル基の少なくとも1つを含んでなる連結基である。一部の実施形態ではLは連結基であり、本明細書に記載のポリペプチジル基の少なくとも1つを含んでなる。
【0297】
一部の実施形態ではLは、次式の1つ以上の基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の基)の組み合わせを含んでなる連結基を表す。
【化57-1】
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【化57-2】
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式中、
nは1〜10の整数(両端を含む)であり、
xは0、1、または2であり、
zは1または2であり、
Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、−O−であり、
WはO、S、またはNRW1である。
W1は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
W2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリールである。あるいは、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成する。
W3のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、置換もしくは無置換(unsubstiuted)ヒドロキシル、置換もしくは無置換(unsubstiuted)チオール、置換もしくは無置換アミノである。あるいは、2つのRW3基が一緒になって3〜6員環を形成する。
あるいは、RW1およびRW3が一緒になって5〜6員ヘテロ環式の環を形成する。
【0298】
一部の実施形態では、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
【0299】
一部の実施形態ではxは0である。一部の実施形態ではxは1である。一部の実施形態ではxは2である。
【0300】
一部の実施形態ではzは1である。一部の実施形態ではzは2である。
【0301】
一部の実施形態ではQは−NH−である。一部の実施形態ではQは−NH−NH−である。一部の実施形態ではQは−S−である。一部の実施形態ではQは−O−である。
【0302】
一部の実施形態ではWはOである。一部の実施形態ではWはSである。一部の実施形態ではWはNRW1である。一部の実施形態ではRW1は水素である。一部の実施形態ではRW1は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0303】
一部の実施形態ではRW2は水素である。一部の実施形態ではRW2は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0304】
一部の実施形態では、RW3のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。あるいは、2つのRW3基が一緒になって3〜6員環を形成する。あるいは、RW1およびRW3が一緒になって5〜6員ヘテロ環式の環を形成する。
【0305】
一部の実施形態ではLは連結基を示し、次式の1つ以上の基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の基)の組み合わせを含んでなる。
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0306】
または、一部の実施形態ではLはデンドリマー連結基であり、それに結合した複数の独立のトリオキサカルシン化合物を含んでなる。デンドリマー連結基は本明細書において用いられる場合には繰り返し分岐した連結基であり、繰り返し分岐した置換もしくは無置換アルキレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換アルケニレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換アルキニレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換カルボシクリレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換アリーレン、繰り返し分岐した置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、繰り返し分岐したペプチジル基、繰り返し分岐したジペプチジル基、繰り返し分岐したポリペプチジル基、およびその組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態では、デンドリマー連結基は、それに結合したトリオキサカルシン化合物の独立な1〜200個(両端を含む)、例えば、1〜150、1〜100、1〜75、1〜50、1〜25、1〜15、1〜10個など(両端を含む)、例えば、独立な1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個を含んでなる。
【0307】
1つの限定しない実施形態では、Lは、式(A)、(I)、および(II)または(P−I)のオキシム部分を介して式(A)、(I)、および(II)または(P−I)の化合物に結合される。例えば、一部の実施形態では、Lは、RH2またはRH4について定義されたオキシム部分−C(=N−ORH7)RH8を介して結合される。
【0308】
<リンカー基L
本明細書において全般に定義されるように、Lは存在しないかまたは、置換もしくは無置換アルキレン、置換もしくは無置換アルケニレン、置換もしくは無置換アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換カルボシクリレン、置換もしくは無置換アリーレン、置換もしくは無置換ヘテロアリーレン、ペプチジル基、ジペプチジル基、ポリペプチジル基、およびその組み合わせからなる群から選択される連結基である。
【0309】
一部の実施形態ではLが存在しない。当然のことながら、式(A)、(I)、および(II)の化合物について、Lが存在しない場合Bは基Aに直接的に結合している。さらに当然のことながら、式Y−L−Bの化合物について、Lが存在しない場合、Yは、抗体または抗体断片Bに直接的に結合した官能基である。
【0310】
一部の実施形態では、Yは抗体または抗体断片の官能基、例えば、抗体または抗体断片のアミノ酸部分の側鎖に結合した官能基である。例えば、一部の実施形態では、Lが存在しないときには、Yは、抗体または抗体断片のシステイン部分の−SH基である。一部の実施形態では、Lが存在しないときには、Yは、抗体または抗体断片のリシン、アルギニン、アスパラギン、もしくはグルタミン部分、またはN末端の−NH基である。一部の実施形態では、Lが存在しないときには、Yは、抗体または抗体断片のアスパラギン酸またはグルタミン酸部分の−COH基である。一部の実施形態では、Lが存在しないときには、Yは、抗体または抗体断片のセリンまたはトレオニン部分の−OH基である。システイン側鎖(−CHSH)は化学的または酵素的に改変され得、これは例えば、ホルミル(−CHO)基への変換による。例えば、図5参照。かかる場合にも、L基は存在しないと考えられる。なぜなら、Yが、抗体または抗体断片のアミノ酸部分の側鎖と直接的に結合した−CHO官能基であるからである。
【0311】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アルキレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C1−6アルキレン、置換もしくは無置換C2−6アルキレン、置換もしくは無置換C3−6アルキレン、置換もしくは無置換C4−6アルキレン、置換もしくは無置換C5−6アルキレン、置換もしくは無置換C2−5アルキレン、置換もしくは無置換C2−4アルキレン、置換もしくは無置換C2−3アルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、置換もしくは無置換Cアルキレン、または置換もしくは無置換Cアルキレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アルキレンである。
【0312】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アルケニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルケニレン、置換もしくは無置換C3−6アルケニレン、置換もしくは無置換C4−6アルケニレン、置換もしくは無置換C5−6アルケニレン、置換もしくは無置換C2−5アルケニレン、置換もしくは無置換C2−4アルケニレン、置換もしくは無置換C2−3アルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、置換もしくは無置換Cアルケニレン、または置換もしくは無置換Cアルケニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アルケニレンである。
【0313】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アルキニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C2−6アルキニレン、置換もしくは無置換C3−6アルキニレン、置換もしくは無置換C4−6アルキニレン、置換もしくは無置換C5−6アルキニレン、置換もしくは無置換C2−5アルキニレン、置換もしくは無置換C2−4アルキニレン、置換もしくは無置換C2−3アルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、置換もしくは無置換Cアルキニレン、または置換もしくは無置換Cアルキニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アルキニレンである。
【0314】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロアルキレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換ヘテロC1−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC3−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC4−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC5−6アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−5アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−4アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−3アルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキレン、または置換もしくは無置換ヘテロCアルキレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアルキレンである。
【0315】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロアルケニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換ヘテロC2−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC3−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC4−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC5−6アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−5アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−4アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−3アルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレン、または置換もしくは無置換ヘテロCアルケニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアルケニレンである。
【0316】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロアルキニレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換ヘテロC2−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC3−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC4−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC5−6アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−5アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−4アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロC2−3アルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレン、または置換もしくは無置換ヘテロCアルキニレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアルキニレンである。
【0317】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロシクリレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換5〜8員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換5〜7員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換5〜6員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換5員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換6員ヘテロシクリレン、置換もしくは無置換7員ヘテロシクリレン、または置換もしくは無置換8員ヘテロシクリレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロシクリレンである。
【0318】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換カルボシクリレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換C3−6カルボシクリレン、置換もしくは無置換C3−5カルボシクリレン、置換もしくは無置換C3−4カルボシクリレン、置換もしくは無置換Cカルボシクリレン、置換もしくは無置換Cカルボシクリレン、置換もしくは無置換Cカルボシクリレン、または置換もしくは無置換Cカルボシクリレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換カルボシクリレンである。
【0319】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換アリーレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換Cアリーレン(フェニレン)または置換もしくは無置換C10アリーレン(ナフチレン)を含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換アリーレンである。
【0320】
一部の実施形態ではLは、置換もしくは無置換ヘテロアリーレンの少なくとも1つ、例えば、置換もしくは無置換5員ヘテロアリーレンまたは置換もしくは無置換6員ヘテロアリーレンを含んでなる連結基である。一部の実施形態では、Lは本明細書に記載の置換もしくは無置換ヘテロアリーレンである。
【0321】
一部の実施形態ではLは、本明細書に記載のペプチジル基の少なくとも1つを含んでなる連結基である。一部の実施形態ではLは、本明細書に記載のジペプチジル基の少なくとも1つを含んでなる連結基である。一部の実施形態ではLは、本明細書に記載のポリペプチジル基の少なくとも1つを含んでなる連結基である。
【0322】
一部の実施形態ではLは連結基を示し、次式の1つ以上の基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の基)の組み合わせを含んでなる。
【化59-1】
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【化59-2】
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式中、
nは1〜10の整数(両端を含む)であり、
xは0、1、または2であり、
zは1または2であり、
Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、−O−である。
WはO、S、またはNRW1である。
W1は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
W2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリールである。あるいは、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成する。
W3のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、置換もしくは無置換(unsubstiuted)ヒドロキシル、置換もしくは無置換(unsubstiuted)チオール、置換もしくは無置換アミノである。あるいは、2つのRW3基が一緒になって3〜6員環を形成する。あるいは、RW1およびRW3が一緒になって5〜6員ヘテロ環式の環を形成する。
【0323】
一部の実施形態では、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
【0324】
一部の実施形態ではxは0である。一部の実施形態ではxは1である。一部の実施形態ではxは2である。
【0325】
一部の実施形態ではzは1である。一部の実施形態ではzは2である。
【0326】
一部の実施形態ではQは−NH−である。一部の実施形態ではQは−NH−NH−である。一部の実施形態ではQは−S−である。一部の実施形態ではQは−O−である。
【0327】
一部の実施形態ではWはOである。一部の実施形態ではWはSである。一部の実施形態ではWはNRW1である。一部の実施形態ではRW1は水素である。一部の実施形態ではRW1は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0328】
一部の実施形態ではRW2は水素である。一部の実施形態ではRW2は置換もしくは無置換アルキル、例えば、メチルである。
【0329】
一部の実施形態では、RW3のそれぞれは独立して水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アリール、または置換もしくは無置換ヘテロアリールである。あるいは、2つのRW3基が一緒になって3〜6員環を形成する。あるいは、RW1およびRW3が一緒になって5〜6員ヘテロ環式の環を形成する。
【0330】
一部の実施形態ではLは連結基を示し、次式の1つ以上の基(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の基)の組み合わせを含んでなる。
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0331】
<基B>
本明細書において全般に定義されるように、Bは抗体または抗体断片である。当然のことながら、抗体または抗体断片Bは大きい分子であり、トリオキサカルシン−リンカー部分、すなわち[トリオキサカルシン−L−A−L−]部分の多くの結合部位候補を有する。一部の実施形態では、抗体または抗体断片は、それに結合したトリオキサカルシン−リンカー部分の独立な1〜200個(両端を含む)、例えば、1〜150、1〜100、1〜75、1〜50、1〜25、1〜15、1〜10個など(両端を含む)、例えば、独立な1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個を含んでなり得る。
【0332】
抗体は、本明細書に記載される場合には、全長の(すなわち、天然に存在するか、または通常の免疫グロブリン遺伝子断片組み換えプロセスによって形成される)免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)、または抗体断片などの免疫グロブリン分子の免疫活性な(すなわち特異的に結合する)部分を指す。抗体は糖蛋白質であり、ジスルフィド結合によって相互に連結された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含んでなる。各重鎖は重鎖可変領域(本明細書においてはVと省略される)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのサブドメインCH1、CH2、およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書においてはVと省略される)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は1つのサブドメイン、すなわちCからなる。VおよびV領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の複数領域にさらに再分割され得、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が点在している。各VおよびVは3つのCDRおよび4つのFRからなり、それらはアミノ末端からカルボキシ末端に向かって次の順序で配列されている。FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的な補体系の第1成分(C1q)を含む宿主の組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0333】
本明細書において用いられる場合、用語「モノクローナル抗体」は、1つの抗原の同じエピトープに結合する免疫グロブリンの単一クローン群から得られる抗体を指し得る。モノクローナル抗体は同じIg遺伝子再構成を有し、したがって同一の結合特異性を示す。本明細書に記載のモノクローナル抗体を調製するための方法は、当分野において公知である。モノクローナル抗体は種々の方法によって調製され得る。例えば、モノクローナル抗体はハイブリドーマ法によって作られ得(例えば、Kohler et al., Nature, 1975, 256: 495参照)、または組み換えDNA法によって作られ得る(例えば、米国特許第4,816,567号参照)。モノクローナル抗体はファージ抗体ライブラリーからも単離され得る(例えば、Clarkson et al., Nature, 1991, 352: 624-628およびMarks et al., J. Mol. Biol., 1991, 222: 581-597参照)。
【0334】
ヒトモノクローナル抗体は、当分野において公知の方法の任意のものによって作られ得る。それらは、米国特許第5567610号、米国特許第5565354号、米国特許第5571893号、Kozber, J. Immunol., 1984, 133: 3001、Brodeur, et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, p. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., new York, 1987)、およびBoerner et al., J. Immunol., 1991, 147: 86-95に開示のものを包含する。ヒト抗体は、目的の抗原(例えば、CD20またはEGFR)に対する抗原を産生しているヒトの血液または他の組織から、抗体産生リンパ球を回収することによって得られる。それらのリンパ球は処理されて、適切な培養条件下において実験室で独立して増殖する細胞をもたらし得る。この細胞培養物は、目的の抗原に対する抗体の産生についてスクリーニングされ、次にクローニングされ得る。クローン培養物が用いられてCD20および/もしくはEGFRに対するヒトモノクローナル抗体を産生できる。または、抗体の重および軽鎖の可変部分をコードする遺伝子エレメントがクローニングされて、種々の型の抗体の産生用に核酸ベクター中に挿入され得る。ヒトモノクローナル抗体を調製するための従来の方法に加えて、かかる抗体は、ヒト抗体を産生し得るトランスジェニック動物を免疫化することによっても調製され得る(例えば、Jakobovits et al., PNAS USA, 1993, 90: 2551、Jakobovits et al., Nature, 1993, 362: 255-258、Bruggermann et al., Year in Immunol., 1993, 7:33、および米国特許第5569825号)。
【0335】
本明細書において用いられる場合、「ヒト化モノクローナル抗体」は、少なくともヒトの定常領域と非ヒト生物種の抗原結合領域(例えば、1、2、または3個のCDR)とを有するモノクローナル抗体を指し得る。ヒト化抗体は目的の抗原を特異的に認識するが、抗体そのものに対するヒトの免疫応答は惹起しないと考えられる。一例として、マウスCDRがヒト抗体のフレームワーク領域にグラフトされて、ヒト化抗体を調製し得る(例えば、Riechmann et al., Nature, 1988, 332, 323およびNeuberger et al., Nature, 1985, 314, 268)。または、ヒト化モノクローナル抗体は、非ヒト抗体の非CDR領域をヒト抗体の同様の領域に交換し、且つ元の抗体のエピトープ特異性は保持することによって構築され得る。例えば、非ヒトCDRおよび、任意に、フレームワーク領域の一部は、ヒトFRおよび/またはFc/pFc’領域と共有結合的に連結されて、機能的な抗体をもたらし得る。
【0336】
本明細書において用いられる場合、用語「キメラ抗体」は、1つの供給源(例えば、生物種)に由来する可変領域と別の供給源に由来する定常領域の少なくとも一部とを含んでなるモノクローナル抗体を指し得る。一部の実施形態では、キメラ抗体は組み換えDNA技術によって調製される。一部の実施形態では、キメラ抗体はマウス可変領域およびヒト定常領域を含んでなる。かかるキメラ抗体は、一部の実施形態では、マウス免疫グロブリン可変領域をコードするDNA部分とヒト免疫グロブリン定常領域をコードするDNA部分とを含んでなる発現された免疫グロブリン遺伝子の産物であり得る。キメラ抗体を作るための方法は、従来の組み換えDNAおよび遺伝子トランスフェクション技術を含む(例えば、Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1984, 81: 6851-6855、米国特許第5,202,238号、および米国特許第5,204,244号参照)。
【0337】
抗体断片は抗体の一部分、例えば、F(ab’)、F(ab)、Fab’、Fab、Fv、scFv(一本鎖Fv)などである。かかる断片は標準的な方法によって調製され得る。例えば、Coligan et al. Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons, 1991-1997参照。構造にかかわらず、抗体断片は、完全な抗体によって認識される同じ抗原と結合する。抗体断片は1つ以上の蛋白質分解断片(すなわち、パパインによる切断によって生ずる断片)を含み得、それらは例えば、Fab断片(それぞれが軽鎖ドメインおよび重鎖ドメイン(本明細書では「Fab重鎖ドメイン」と呼ばれる)を含有する)および/または2つのFcドメインを含有するFc断片である。各軽鎖ドメインはVおよびCサブドメインを含有し、各Fab重鎖ドメインはVおよびCH1サブドメインを含有し、各FcドメインはCH2およびCH3サブドメインを含有する。
【0338】
一部の実施形態では、抗原に結合する抗体断片は抗体分子の小部分のみであり、パラトープがそのエピトープに対する抗体の結合に関与する(全般的にはClark, W.R. (1986) The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley & Sons, Inc., New York、Roitt, I. (1991) Essential Immunology, 7th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford参照)。抗体のpFc’およびFc領域は、例えば、補体カスケードのエフェクターであるが、抗原結合には関与しない。pFc’領域が酵素的に切除された抗体またはpFc’領域無しで作られた抗体は、F(ab’)2断片と呼ばれ、完全な抗体の抗体結合部位の両方を保持している。単離されたF(ab’)2断片は、その2つの抗原結合部位ゆえに二価モノクローナル断片と呼ばれる。同様に、Fc領域が酵素的に切除された抗体またはFc領域無しで作られた抗体は、Fab断片と呼ばれ、完全な抗体分子の抗原結合部位の1つを保持している。さらに、Fab断片は、共有結合した抗体軽鎖およびFdと呼ばれる抗体重鎖の一部分(重鎖可変領域。本明細書においてはFab重鎖ドメインと呼ばれる)からなる。Fd断片は抗体の特異性の主な決定因子であり(単一のFd断片は抗体の特異性を変えること無しに最大10の異なる軽鎖と結合し得る)、Fd断片は単独でエピトープ結合能を保持する。
【0339】
用語Fab、Fc、pFc’、F(ab’)2、およびFvは、いずれの標準的な免疫学的な意味でも用いられる(Klein, Immunology (John Wiley, New York, NY, 1982)、Clark, W.R. (1986) The Experimental Foundations of Modern Immunology (Wiley & Sons, Inc., New York)、Roitt, I. (1991) Essential Immunology, 7th Ed., (Blackwell Scientific Publications, Oxford))。周知の機能活性な抗体断片は、抗体のF(ab’)2、Fab、Fv、およびFd断片を包含するが、これらに限定されない。これらの断片は完全な抗体のFc断片を欠いており、完全な抗体よりも迅速に循環からクリアランスされ、より少なく非特異的な組織結合性を有し得る(Wahl et al., J. Nucl. Med. 24:316-325 (1983))。例えば、一本鎖抗体が、米国特許第4,946,778号に記載の方法に従って構築され得る。かかる一本鎖抗体は、柔軟なリンカー部分によって連結された軽および重鎖の可変領域を含む。単離された可変重鎖単一ドメインを含んでなる単一ドメイン抗体(「Fd」)を得るための方法も報告されている(例えば、Ward et al., Nature, 1989, 341:644-646参照。これは、その標的エピトープがそれに単独形態で結合するのに十分な親和性を有する抗体重鎖可変領域(V単一ドメイン抗体)を同定するスクリーニングの方法を開示している)。公知の抗体の重鎖および軽鎖可変領域配列に基づく組み換えFv断片を作るための方法は当分野において公知であり、記載されている(例えば、Moore et al., 米国特許第4,462,334号参照)。抗体断片の使用および作製を記載している他の参照は、例えば、Fab断片(Tijssen, Practice and Theory of Enzyme Immunoassays (Elsevieer, Amsterdam, 1985))、Fv断片(Hochman et al., Biochemistry, 1973, 12: 1130、Sharon et al., Biochemistry, 1976, 15: 1591、Ehrilch et al., 米国特許第4,355,023号)、および抗体分子の一部分(Audilore-Hargreaves, 米国特許第4,470,925号)を包含する。したがって、抗体断片は、CD20またはEGFRエピトープに対する抗体の特異性を壊すこと無しに完全な抗体から構築され得る。
【0340】
一部の実施形態では、抗体断片はラクダ抗体(例えば、軽鎖を持たない1つのN末端ドメインが抗原結合が十分可能な機能的な抗体)、すなわち単一ドメイン抗体断片である。
【0341】
使用が考えられる例示的な抗体およびそれらの細胞マーカー(標的)は、表Aに挙げられている抗体およびその抗体断片を包含するが、それらに限定されない。
【表A-1】
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【表A-2】
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【0342】
一部の実施形態では、抗体はTrastuzumab(HERCEPTIN)またはその抗体断片である。
【0343】
<基A、a、X、およびYならびに調製の方法>
上記の開示から通常分かるように、それに結合した少なくとも1つの−L−X基を含んでなる式(P−I)の化合物は式Y−L−Bの化合物とカップリングされる。または、式Y−L−Xの化合物の独立な1つ以上と反復的にカップリングされた後に、式Y−L−Bの化合物とカップリング(キャッピング)される。例えば、スキーム1および2参照。一部の実施形態では、カップリングは「クリックケミストリー」と通常呼ばれる反応からなる。クリックケミストリーは2001年にSharplessによって導入された化学的手法であり、小ユニットを1つに連結することによって種々の物質を迅速で確実に生成するように仕立てられた化学反応を言い表している。例えば、Kolb, Finn and Sharpless Angewandte Chemie International Edition (2001) 40: 2004-2021、Evans, Australian Journal of Chemistry (2007) 60: 384-395)参照。例示的なカップリング反応(その一部は「クリックケミストリー」として分類され得る)は、活性化された酸またはハロゲン化アシルからのエステル、チオエステル、アミドの形成(例えば、ペプチドカップリング)、求核置換反応(例えば、ハロゲン化物の求核置換またはひずみ環系の開環)、アジド−アルキンのHuisgon環化付加、チオール−イン付加、イミン形成、およびマイケル付加(例えば、マレイミド付加)を包含するが、これらに限定されない。
<スキーム1>
【化61】
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<スキーム2>
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0344】
通常は、式(P−I)の化合物に関して、基Yは前駆体化合物上に存在する基Xに対して相補的で反応性であるべきである(式(A)、(I)、および(II)の化合物を形成するため)。例えば、もしもY−L−BまたはY−L−Xの基Yが求核基である場合、基Xは求電子性基であろう。同様に、もしもY−L−BまたはY−L−Xの基Yが求電子性基であるならば、基Xは求核基であろう。XおよびYは同じく定義されるので、かかる基は対の相補的であるということが理解される。
【0345】
本明細書において全般に定義されるように、XおよびYは、−SH、−OH、−NH、−NH−NH、−N、−O−NH、ハロゲン(または他の脱離基)、
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され得る。
式中、
X1は水素、ハロゲン、または−ORX2であり、式中、RX2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換ヘテロアルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、酸素保護基である。
WはO、S、またはNRW1である。
W1は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
W2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリールである。あるいは、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成する。
【0346】
一部の実施形態ではYは−SHである。一部の実施形態ではXは−SHである。
【0347】
一部の実施形態ではYは−OHである。一部の実施形態ではXは−OHである。
【0348】
一部の実施形態ではYは−NHである。一部の実施形態ではXが−NHである。
【0349】
一部の実施形態ではYは−NH−NHである。一部の実施形態ではXが−NH−NHである。
【0350】
一部の実施形態ではYは−O−NHである。一部の実施形態ではXは−O−NHである。
【0351】
一部の実施形態ではYは−Nである。一部の実施形態ではXは−Nである。
【0352】
一部の実施形態では、Yはハロゲン、例えば、Cl、−Br、または−Iである。一部の実施形態では、Xはハロゲン、例えば、Cl、−Br、または−Iである。
【0353】
一部の実施形態ではYは−C(=O)RX1であり、式中、RX1は水素であり、すなわちYをアルデヒド−CHOとして提供する。一部の実施形態ではXは−C(=O)RX1であり、式中、RX1は水素であり、すなわちXをアルデヒド−CHOとして提供する。
【0354】
一部の実施形態ではYは−C(=O)RX1であり、式中、RX1はハロゲン(例えば、Cl、−Br、および−Iを表す「Hal」)であり、すなわちYをハロゲン化アシル−C(=O)−Halとして提供する。
【0355】
一部の実施形態ではXは−C(=O)RX1であり、式中、RX1はハロゲン(例えば、Cl、−Br、および−Iを表す「Hal」)であり、すなわちXをハロゲン化アシル−C(=O)−Halとして提供する。
【0356】
一部の実施形態ではYは−C(=O)RX1であり、式中、RX1は−ORX2であり、式中、RX2は水素であり、すなわちYをカルボン酸−C(=O)OHとして提供する。
【0357】
一部の実施形態ではXは−C(=O)RX1であり、式中、RX1は−ORX2であり、式中、RX2は水素であり、すなわちXをカルボン酸−C(=O)OHとして提供する。
【0358】
一部の実施形態ではYは−C(=O)RX1であり、式中、RZ1は−ORX2である。式中、RX2は置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換ヘテロアルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または酸素保護基であり、すなわちYをエステル−C(=O)ORX2として提供する。
【0359】
一部の実施形態ではXは−C(=O)RX1であり、式中、RZ1は−ORX2である。式中、RX2は置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換ヘテロアルキル、置換もしくは無置換ヘテロアルケニル、置換もしくは無置換ヘテロアルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または酸素保護基であり、すなわちXをエステル−C(=O)ORX2として提供する。
【0360】
一部の実施形態では、Yは次式のオキシラニル、チオレニル(thiorenyl)、またはアジルジニル(azirdinyl)基である。
【化64】
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式中、WはO、S、またはNRW1である。一部の実施形態ではWはOである。一部の実施形態ではWはSである。一部の実施形態ではWはNRW1である。
【0361】
一部の実施形態では、Xは次式のオキシラニル、チオレニル(thiorenyl)、またはアジルジニル(azirdinyl)基である。
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
式中、WはO、S、またはNRW1である。一部の実施形態ではWはOである。一部の実施形態ではWはSである。一部の実施形態ではWはNRW1である。
【0362】
一部の実施形態ではXまたはYはエチニル
【化66】
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である。
【0363】
一部の実施形態では、XまたはYはエテニルまたはプロペニル
【化67】
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である。
【0364】
一部の実施形態では、XまたはYはα,β−不飽和カルボニル
【化68】
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である。
【0365】
一部の実施形態ではXまたはYはマレイミド基
【化69】
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である。
【0366】
一部の実施形態ではXまたはYは基
【化70】
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であり、式中、RW2はアルキル、例えば、メチルである。
【0367】
一部の実施形態ではXまたはYは基
【化71】
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である。
【0368】
さらに、本明細書において全般に定義されるように、XおよびYは一緒に反応して基Aを形成する。式中、Aは、式−NH−、−NH−NH−、−NH−O−、−O−NH−、−S−、−O−、
【化72】
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の基であり、
式中、
Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、−O−であり、
WはO、S、またはNRW1である。
W1は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
W2は水素、置換もしくは無置換アルキル、置換もしくは無置換アルケニル、置換もしくは無置換アルキニル、置換もしくは無置換カルボシクリル、置換もしくは無置換ヘテロシクリル、置換もしくは無置換アリール、置換もしくは無置換ヘテロアリールである。あるいは、2つのRW2基が一緒になって5〜6員環を形成する。
【0369】
一部の実施形態ではAは−NH−である。
【0370】
一部の実施形態ではAは−NH−NH−である。
【0371】
一部の実施形態ではAは−S−である。
【0372】
一部の実施形態ではAは−O−である。
【0373】
一部の実施形態ではAはジスルフィド基
【化73】
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である。
【0374】
一部の実施形態では、Aは、
【化74】
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であり、式中、Qは−NH−、−NH−NH−、−Ο−ΝΗ−、−ΝΗ−Ο−、−S−、−O−である。例えば、一部の実施形態ではQは−NH−であり、Aは式
【化75】
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のアミド基である。一部の実施形態では、Qは−NH−NH−であり、Aは式
【化76】
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のアミドヒドラジド基である。一部の実施形態ではQは−S−であり、Aは式
【化77】
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のチオエステル基である。一部の実施形態ではQは−O−であり、Aは式
【化78】
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のエステル基である。
【0375】
一部の実施形態では、Aは、
【化79】
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である。一部の実施形態では、RW2はアルキル、例えば、メチルである。
【0376】
一部の実施形態では、Aは、
【化80】
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である。一部の実施形態では、RW2はアルキル、例えば、メチルである。一部の実施形態ではRW1は水素である。
【0377】
一部の実施形態では、Aは、
【化81】
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である。一部の実施形態では、RW2はアルキル、例えば、メチルである。
【0378】
一部の実施形態では、Aは、
【化82】
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である。
【0379】
一部の実施形態では、Aは、
【化83】
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であり、式中、WはO、S、またはNRW1であり、RW1は水素、置換もしくは無置換アルキル、またはアミノ保護基であり、Qは−NH−、−NH−NH−、−Ο−ΝΗ−、−ΝΗ−Ο−、−S−、または−O−である。一部の実施形態ではWはOである。一部の実施形態ではWはSである。一部の実施形態ではWはNRW1である。一部の実施形態ではQは−NH−である。一部の実施形態ではQは−NH−NH−である。一部の実施形態ではQは−S−である。一部の実施形態ではQは−O−である。
【0380】
一部の実施形態では、Aは、
【化84】
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である。式中、Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−である。一部の実施形態ではQは−NH−である。一部の実施形態ではQは−NH−NH−である。一部の実施形態ではQは−S−である。一部の実施形態ではQは−O−である。
【0381】
一部の実施形態では、Aは、
【化85】
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であり、式中、Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−である。一部の実施形態ではQは−NH−である。一部の実施形態ではQは−NH−NH−である。一部の実施形態ではQは−S−である。一部の実施形態ではQは−O−である。
【0382】
一部の実施形態では、Aは、
【化86】
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であり、式中、WはO、S、またはNRW1であり、RW1は水素、置換もしくは無置換アルキル、またはアミノ保護基であり、Qは−NH−、−NH−NH−、−O−NH−、−NH−O−、−S−、または−O−である。一部の実施形態ではWはOである。一部の実施形態ではWはSである。一部の実施形態ではWはNRW1である。一部の実施形態ではQは−NH−である。一部の実施形態ではQは−NH−NH−である。一部の実施形態ではQは−S−である。一部の実施形態ではQは−O−である。
【0383】
一態様では、それに結合した少なくとも1つの基−L−(A−L−Bを含んでなる式(A)、(I)、および(II)の化合物またはその薬学的に許容し得る塩を調製する方法が提供される。この方法は、任意に、式(P−I)の前駆体化合物またはその薬学的に許容し得る塩(それに結合した少なくとも1つの基−L−Xを含んでなる)を式Y−L−Xの化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9個の独立の反復とカップリングした後に、式Y−L−Bの化合物とのカップリング(キャッピング)を行うことを含む。
【0384】
当然のことながら、もしも前駆体化合物と1つのY−L−Xとを反応させた後にY−L−Bとのカップリング(キャッピング)を行う反復的な(interative)方法が採用される場合、式−L−(A−L−Bの基が提供され、式中、aは2であろう。さらに当然のことながら、もしも前駆体化合物とY−L−Xの2、3、4、5、6、7、8、または9個の独立の反復とを反応させた後にY−L−Bとのカップリング(キャッピング)を行う反復的な(interative)方法が採用される場合、式−L−(A−L−Bの基が提供され、式中、aはそれぞれ3、4、5、6、7、8、9、または10であろう。
【0385】
さらに当然のことながら、もしも方法が上記の任意選択の反復的な(interative)方法を採用せず、その代わりに前駆体化合物とY−L−Bとを反応させることを含む場合、式−L−(A−L−Bの基が提供され、式中aは1である。
【0386】
簡素のために、下記の方法は上記の任意選択の反復的な(interative)方法は説明しない。その代わりに、式−L−A−L−Bの基を提供する、すなわちaが1である前駆体化合物とY−L−Bとの反応を説明する。しかしながら、下記の方法の任意のものを改変して、反復的な手法によって、それに結合した式−L−(A−L−Bの基を含んでなる式(A)、(I)、および(II)の化合物に到達し、aが2、3、4、5、6、7、8、9、または10であることは、完全に本方法の範囲内である。
【0387】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法は、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすることを含み、式中、XおよびYの一方は−C(=O)RX1であり、RX1はハロゲンまたは−ORX2であり、XおよびYのもう一方は−SH、−OH、−NH、または−NH−NHであり、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。式中、Aはアミド、チオエステル、またはエステル基である。例えば、スキーム3および表1参照。
<スキーム3.アミド、チオエステル、およびエステル形成による式(A)、(I)、および(II)の化合物の調製>
【化87】
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【表1】
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【0388】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物を式Y−L−Bの化合物とカップリングすることを含む。式中、XおよびYの一方はハロゲンまたは別の脱離基であり、XおよびYのもう一方は−SH、−OH、−NH、または−NH−NHであり、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。式中、Aはそれぞれ−S−、−O−、−NH−、または−NH−NH−である。例えば、スキーム4および表2参照。
<スキーム4.ハロゲン化物または他の脱離基の求核置換>
【化88】
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【表2】
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【0389】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすることを含み、式中、XおよびYの一方は、
【化89】
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であり、XおよびYのもう一方は−SH、−OH、−NH、または−NH−NHであり、式(A)、(I)、および(II)のカップリングされた化合物を提供する。例えば、スキーム5および表3参照。
<スキーム5.ひずみ環系に対する求核付加>
【化90】
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【表3】
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【0390】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングさせること(アジド−アルキンHuisgen環化付加)を含み、式中、XおよびYの一方が、
【化91】
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であり、XおよびYのもう一方が−Nであり、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。例えば、スキーム6および表4参照。
<スキーム6.アジド−アルキンHuisgen環化付加>
【化92】
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【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0391】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすること(チオール−イン付加による)を含み、式中、XおよびYの一方が、
【化93】
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であり、XおよびYのもう一方が−SHであり、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。例えば、スキーム7および表5参照。
<スキーム7.チオール−イン付加>
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすることを含み、式中、XおよびYの一方がアルデヒド−CHOまたはケトンであり、XおよびYのもう一方が−NH、−NH−NH、または−O−NHであり、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。例えば、スキーム8および表6参照。
<スキーム8.イミン形成>
【化95】
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【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0393】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすることを含み、式中、XおよびYの一方がα,β−不飽和カルボニルであり、XおよびYのもう一方が−OH、−SH、−NH、−NHNH、または−O−NHであり、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。例えば、スキーム9および表7参照。
<スキーム9.マイケル付加>
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0394】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすることを含み、式中、XおよびYの一方がマレイミド基であり、XおよびYのもう一方が−OH、−SH、−NH、−NHNH、または−O−NHであり、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。例えば、スキーム10および表8参照。
<スキーム10.マレイミド付加>
【化97】
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【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0395】
一部の実施形態では、式(A)、(I)、および(II)の化合物を調製する方法が、式(P−I)の前駆体化合物と式Y−L−Bの化合物とをカップリングすることを含み、式中、XおよびYのそれぞれが−SHであり、酸化剤による処理によって、式(A)、(I)、および(II)の化合物を提供する。式中、Aはジスルフィド結合である。例えば、スキーム11参照。
<スキーム9.ジスルフィド形成>
【化98】
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【0396】
<調製方法のさらなる実施形態>
トリオキサカルシン骨格の特定の部位が、1つ以上の基−L−Xの結合用に具体的に考えられて、式(P−A)、(P−I)、および(P−II)の化合物を提供し、さらに式(A)、(I)、および(II)の抗体−薬物複合体を提供する。当業者には当然のことながら、基−L−Xの結合に好適だと見なされる多くの部位がトリオキサカルシン骨格上には存在している。以下の説明は本発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0397】
一部の実施形態では、基−L−Xによって官能化された上側または下側のグリコシドが、標準的なグリコシル化条件を用いて結合され得る。例えば、スキーム12および13参照。スキーム12については、Lear et al., Angew. Chem., Int. Ed. (2001) 113: 972-975および Ren et al., J. Am. Chem. Soc. (2007) 729:5381-5383も参照。スキーム13については、Kimura et al., Chem. Lett. (1984) 501-504、Kimura et al., Bull. Chem. Soc. Jpn. (1986) 59:423-431も参照。
<スキーム12.−L−Xによって官能化された上側のグリコシドの結合>
【化99】
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<スキーム13.−L−Xによって官能化された下側のグリコシドの結合>
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0398】
一部の実施形態では、トリオキサカルシン骨格に既に結合したグリコシドが合成的に操作され得る。例えば、オキシム形成、ヒドラゾン形成、還元的アミノ化、またはエステル形成による下側のグリコシドの操作が、基−L−Xによって官能化されたトリオキサカルシンを提供する。スキーム14〜17参照。
<スキーム14.下側のグリコシドのオキシム修飾>
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
<スキーム15.下側のグリコシドのヒドラゾン修飾>
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
<スキーム16.下側のグリコシドの還元的アミノ化>
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
<スキーム17.下側のグリコシドのエステル形成>
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
一部の実施形態では、トリオキサカルシン骨格の左側部分が操作され得る。例えば、エステル形成による基−L−Xの結合が、官能化されたトリオキサカルシンを提供する。スキーム18参照。
<スキーム18.左側部分におけるエステル形成>
【化105】
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【0400】
<抗体がそれと複合体化していないトリオキサカルシン化合物>
本発明は、新規であり且つ抗体がそれと複合体化していなくても活性であるいくつかのトリオキサカルシン化合物も認める。
【0401】
例えば、本発明者は、右側の環の酸素化を取り除いた単純化されたアナログが極めて有効であるということ、場合によってはそれらの酸素化された対応物よりもそうであるということを発見した。例えば、図10に開示されている化合物を参照。このファミリーの具体的な化合物は、式(I−x)、(I−c)、(I−f)、および(I−d)、(II−x)、(II−c)、(II−f)、および(II−d)の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩を包含する。式中、R、RA1、RC1、RD1、RE1、R、R、およびRは本明細書において定義される通りであるが、ただし化合物はそれと複合体化した抗体を含んでいない。
【化106-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化106-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
<医薬組成物>
一部の実施形態では、本発明は、有効成分および、任意に、薬学的に許容し得る添加剤を含んでなる医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、有効成分は有効量、例えば、治療有効量または予防有効量で存在する。
【0403】
「有効成分」は、本明細書において用いられる場合、式(A)、(I)、および(II)のトリオキサカルシン−抗体複合体、式(P−A)、(P−I)、もしくは(P−II)の前駆体化合物、または抗体がそれと複合体化していない新規トリオキサカルシン化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩を指す。
【0404】
本開示の医薬組成物は、1つ以上の投与経路によって、当分野において公知の種々の方法の1つ以上を用いて投与され得る。当業者には当然のことながら、投与の経路および/または方法は所望の結果に応じて様々であろう。好ましい投与経路は、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄内、または他の非経口投与経路、例えば、上皮投与(例えば、注射または点滴)を包含する。用語「非経口投与」は、本明細書において用いられる場合、経腸および外用投与以外の投与方法を意味し、通常は注射により、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、および胸骨内注射および点滴を包含するが、限定されない。
【0405】
または、医薬組成物は、非経口でない経路によって、例えば、外用、表皮、または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、経口、膣内、直腸内、舌下、または外用で投与され得る。
【0406】
投与経路に応じて、医薬組成物または有効成分は、化合物を不活性化し得る酸および他の自然条件の作用から化合物を守るための材料によってコーティングされ得る。
【0407】
薬学的に許容し得る添加剤は、任意および全ての溶媒、希釈剤、または他の液状基剤、分散または懸濁助剤、界面活性剤、等張化剤、増粘もしくは乳化剤、保存料、固形結合剤、滑剤などを、所望の具体的な剤形に適するように含む。医薬組成物の処方および/または製造に際する一般的な考慮事項は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition (Lippincott Williams & Wilkins, 2005)に見出され得る。
【0408】
本明細書に記載される医薬組成物は、薬理学の分野において公知の任意の方法によって調剤され得る。通常は、かかる調剤方法は、有効成分を添加剤および/または1つ以上の他の補助成分と結合し、次に、必要であるおよび/または望ましい場合には、その製品を成形および/または包装して所望の単または複数回分の単位にするという、ステップを含む。
【0409】
医薬組成物は、バルクとして、1回分のユニットドーズとして、および/または1回分のユニットドーズの複数個として、調剤、包装、および/または販売され得る。本明細書において用いられる場合、「ユニットドーズ」は、有効成分の所定量を含む医薬組成物の個別的な量である。有効成分の量は、通常は、対象に対して投与されるはずの有効成分の用量、および/またはかかる用量の好都合な分画、例えば、かかる用量の1/2または1/3に等しい。
【0410】
有効成分、薬学的に許容し得る担体、および/または任意のさらなる成分の相対量は、本発明の医薬組成物中において、処置される対象の素性、体格、および/または状態に応じて、さらには、組成物が投与される経路に応じて、様々であろう。例えば、組成物は、0.1%〜100%(w/w)の有効成分を含み得る。
【0411】
提供される医薬組成物の製造に用いられる薬学的に許容し得る添加剤は、不活性な希釈剤、分散および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存料、緩衝剤、滑剤、ならびに/あるいは油を含む。ココアバターおよび座薬用ワックスなどの添加剤、着色料、コーティング剤、甘味料、香料、ならびに芳香剤も、組成物中に存在し得る。
【0412】
例示的な希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、ショ糖、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉糖など、およびそれらの混合物を含む。
【0413】
例示的な造粒および/または分散剤は、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木材生成物、天然海綿、陽イオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、カルボキシメチル澱粉ナトリウム(澱粉グリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、糊化デンプン(スターチ1500)、微結晶デンプン、非水溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(ビーガム)、ラウリル硫酸ナトリウム、第4級アンモニウム化合物、およびそれらの組み合わせを含む。
【0414】
例示的な界面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、ウールファット、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイド状粘土(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびビーガム(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、およびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween−20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween−60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween−80)、ソルビタンモノパルミテート(Span−40)、ソルビタンモノステアレート(Span−60)、ソルビタントリステアレート(Span−65)、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート(Span−80))、ポリオキシエチレンエステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(Myrj−45)、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシメチレン、およびソルトール)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、クレモフォア)、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij−30))、ポリ(ビニルピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、プルロニックF68、ポロキサマー188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウムなど、および/またはそれらの組み合わせを含む。
【0415】
例示的な結合剤は、デンプン(例えば、コーンスターチおよび澱粉糊)、ゼラチン、糖(例えば、ショ糖、グルコース、ブドウ糖、デキストリン、モラセス、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ガム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスエキス、パンワール(panwar)ガム、ガティガム、イサポル(isapol)殻粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、およびカラマツアラボガラクタン)、アルギン酸、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコールなど、および/またはそれらの組み合わせを含む。
【0416】
例示的な保存料は、抗酸化剤、キレート剤、抗微生物保存料、抗真菌保存料、アルコール保存料、酸性保存料、および他の保存料を含む。
【0417】
例示的な抗酸化剤は、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル(acorbyl)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、ピロ亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを含む。
【0418】
例示的なキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、酒石酸ならびにその塩および水和物を含む。例示的な抗微生物保存料は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを含む。
【0419】
例示的な抗真菌保存料は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を含む。
【0420】
例示的なアルコール保存料は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸、およびフェニルエチルアルコールを含む。
【0421】
例示的な酸性保存料は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を含む。
【0422】
他の保存料は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテロオキシム(deteroxime)メシレート、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエンド(toluened)(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、およびEuxylを含む。一部の実施形態では保存料は抗酸化剤である。別の実施形態では保存料はキレート剤である。
【0423】
例示的な緩衝剤は、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルコヘプトン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質不含水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコールなど、およびそれらの組み合わせを含む。
【0424】
例示的な滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸(behanate)グリセリル、水添植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、およびそれらの組み合わせを含む。
【0425】
例示的な天然油は、アーモンド、アンズ核、アボカド、ババス、ベルガモット、クロスグリ種子、ルリジサ、ケード、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナウバ、ヒマシ、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、亜麻仁、ゲラニオール、ヒョウタン、葡萄種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、アオモジ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、ヤシ、パーム核、ピーチ核、ピーナッツ、ケシ種子、カボチャ種子、セイヨウアブラナ、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、ビャクダン、サザンカ、キダチハッカ、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、椿、ベチバー、クルミ、および小麦胚芽油を含む。例示的な合成油は、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、ミネラルオイル、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーンオイル、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0426】
経口および非経口投与のための液状剤形は、薬学的に許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液状剤形は、当分野において一般的に用いられる不活性な希釈剤を含み得る。それらは、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(例えば、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物である。不活性な希釈剤以外に、経口組成物は、補助剤、例えば、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、香料、および芳香剤を含み得る。非経口投与のための一部の実施形態では、本発明の複合体は、可溶化剤、例えば、クレモフォール、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの組み合わせと混合される。
【0427】
注射製剤、例えば、無菌の注射用の水性または油性懸濁液が、公知技術に従って、適当な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて、調剤され得る。無菌注射製剤は、無毒で非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液、懸濁液、またはエマルション、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液であり得る。用いられ得る許容可能な基剤および溶媒には、水、リンゲル液(USP)、および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒として従来用いられている。この目的のためには、任意の無刺激性の不揮発性油が用いられ得、合成モノまたはジグリセリドを含む。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射液の調製に用いられる。
【0428】
注射製剤は、例えば、細菌リテーナフィルタによる濾過によって、あるいは、滅菌剤を無菌固形組成物の形態(これは、使用前に滅菌水または他の無菌の注射液媒体中に溶解または分散され得る)で組み込むことによって、滅菌され得る。
【0429】
薬物の効果を延ばすためには、多くの場合に、皮下または筋肉内注射によるその薬物の吸収を減速させることが望ましい。これは、低い水溶性を有する結晶または非結晶材料の懸濁液の使用によって達成され得る。薬物の吸収速度は、すなわちその溶解速度に依存し、これは翻って結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。または、非経口投与された薬剤形の遅延された吸収は、薬物を油系基剤中に溶解または懸濁することによって達成される。
【0430】
直腸または膣内投与用の組成物は、通常は座薬であり、本発明の複合体を適当な非刺激性の添加剤または担体(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、もしくは座薬用ワックス)と混合することによって調製され得る。それらは、常温において固体であるが体温においては液体であり、したがって直腸または膣腔において融けて有効成分を放出する。
【0431】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉末剤、および顆粒剤を含む。かかる固形剤形においては、有効成分が、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容し得る添加剤または担体と混合される。それらは、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、ならびに/あるいはa)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、およびアカシア、c)保湿剤、例えば、グリセロール、d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、一部のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール、h)吸着剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土、ならびにi)滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物である。カプセル剤、錠剤、および丸薬の場合には、剤形は緩衝剤を含み得る。
【0432】
類似のタイプの固形組成物が、ソフトおよびハードの充填ゼラチンカプセル剤の充填剤として用いられ得、添加剤、例えば、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどを用いる。錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸薬および顆粒剤という固形剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティングおよび医薬調剤分野において周知の他のコーティングを用いて調剤され得る。それらは、任意に、乳白剤を含み得、有効成分を、専らまたは優先的に腸管の特定の部位において、任意に、遅延された様式で放出する組成物からなり得る。用いられ得る包埋用組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。類似のタイプの固形組成物が、ソフトおよびハードの充填ゼラチンカプセル剤の充填剤として用いられ得、添加剤、例えば、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどを用いる。
【0433】
有効成分は、上記の1つ以上の添加剤によるマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸薬、および顆粒剤という固形剤形は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティング、放出制御型コーティング、および医薬調剤分野において周知の他のコーティングを用いて調剤され得る。かかる固形剤形においては、有効成分は、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えば、ショ糖、ラクトース、またはデンプンと混合され得る。かかる剤形は、通常の慣行として、不活性な希釈剤以外のさらなる物質、例えば、錠剤化用滑剤および他の錠剤化用助剤、かかるステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含み得る。カプセル剤、錠剤、および丸薬の場合には、剤形は緩衝剤を含み得る。それらは、任意に、乳白剤を含み得、有効成分を、専らまたは優先的に腸管の特定の部位において、任意選択で遅延された様式で放出する組成物からなり得る。用いられ得る包埋用組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。
【0434】
有効成分は、急速な放出から有効成分を守る担体、例えば、制御放出型製剤(インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化された送達系を含む)によって調剤され得る。生分解性の生体適合性ポリマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸が用いられ得る。かかる製剤の調製用の多くの方法は特許化されており、または当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978参照。
【0435】
医薬組成物は、当分野において公知の医療器具を用いて投与され得る。例えば、好ましい実施形態では、本開示の医薬組成物は、無針皮下注射器具、例えば、米国特許第5,399,163号、第5,383,851号、第5,312,335号、第5,064,413号、第4,941,880号、第4,790,824号、または第4,596,556号に開示の器具を用いて投与され得る。本開示に有用な周知のインプラントおよびモジュールの例は、米国特許第4,487,603号(制御された速度で薬物を投与するためのインプラント用マイクロインフュージョンポンプを開示している)、米国特許第4,486,194号(皮膚を通して薬物を投与するための治療器具を開示している)、米国特許第4,447,233号(正確な注入速度で薬物を送達するための薬物インフュージョンポンプを開示している)、米国特許第4,447,224号(連続薬物送達のための可変流速インプラント用インフュージョン装置を開示している)、米国特許第4,439,196号(複数チャンバー区画を有する浸透圧型の薬物送達系を開示している)、および米国特許第4,475,196号(浸透圧型の薬物送達系を開示している)を含む。これらの特許は参照によって本明細書に援用される。多くの他のかかるインプラント、送達系、およびモジュールは当業者にとって公知である。
【0436】
本明細書において提供される医薬組成物の説明は、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に主として関するものであるが、当業者には当然のことながら、かかる組成物は、通常はあらゆる種類の動物への投与に好適である。組成物を種々の動物への投与にとって好適にするための、ヒトへの投与に好適な医薬組成物の改変は周知である。通常の獣医薬理学者は、通常の実験によってかかる改変を設計および/または実施できる。医薬組成物の処方および/または製造に際する一般的な考慮事項は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2005に見出され得る。
【0437】
有効量を達成するために要求される化合物の正確な量は、対象毎に、例えば、対象の生物種、年齢、および全般的な状態、副作用または障害の重症度、具体的な化合物の正体、投与方法などに応じて、異なろう。所望の投薬量は、1日3回、1日2回、1日1回、2日毎、3日毎、毎週、2週毎、3週毎、または4週毎に与えられ得る。一部の実施形態では、所望の投薬量は、複数回の投与(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回、またはさらに多くの投与)を用いて与えられ得る。
【0438】
一部の実施形態では、70kgの成人に対する1日1回以上の投与のための有効成分の有効量は、単位剤形あたり有効成分の約0.0001mg〜約3000mg、約0.0001mg〜約2000mg、約0.0001mg〜約1000mg、約0.001mg〜約1000mg、約0.01mg〜約1000mg、約0.1mg〜約1000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約100mg、約10mg〜約1000mg、または約100mg〜約1000mgを含み得る。
【0439】
一部の実施形態では、有効成分は、約0.001mg/kg〜約100mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg〜約40mg/kg、好ましくは約0.5mg/kg〜約30mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、および約1mg/kg〜約25mg/kg対象体重/日を与えるのに十分な投薬レベルにおいて、1日1回以上、経口的または非経口的に投与されて、所望の治療効果を得ることができる。
【0440】
当然のことながら、本明細書に記載の用量範囲は、成人に対する提供される医薬組成物の投与のための手引きを提供している。例えば、児童または思春期に投与されるべき量は、医師または当業者によって決定され得、成人に投与されるよりも低いかまたはそれと同じであり得る。
【0441】
さらに、当然のことながら、本明細書に記載の有効成分または組成物は、1つ以上のさらなる治療活性剤と組み合わせて投与され得る。有効成分または組成物は、それらのバイオアベイラビリティを改善する、それらの代謝を減少および/もしくは変化させる、それらの排泄を抑制する、ならびに/または体内におけるそれらの分布を変化させるさらなる治療活性剤と組み合わせて投与され得る。また、当然のことながら、用いられる治療法は、同一の障害に対する1つの所望の効果を達成し得(例えば、化合物が抗癌剤などと組み合わせて投与され得る)、および/または別々の効果を達成し得る(例えば、有害な副作用の抑制、例えば、嘔吐が制吐薬によって抑制される)。
【0442】
有効成分または組成物は、1つ以上のさらなる治療活性剤と同時に、それに先立って、またはその後に投与され得る。通常は、各薬剤は、その薬剤について定められた用量および/またはタイムスケジュールによって投与されることになろう。さらに当然のことながら、この組み合わせに用いられるさらなる治療活性剤は、1つの組成物として一緒に投与され得、または、別の組成物として別々に投与され得る。レジメンに用いられる具体的な組み合わせは、有効成分とさらなる治療活性剤との適合性および/または達成されるべき所望の治療効果を考慮に入れることになろう。通常は、組み合わせて用いられるさらなる治療活性剤は、それらが単独で用いられるレベルを超えないレベルで用いられるということが予想される。一部の実施形態では、組み合わせて用いられるレベルは、単独で用いられるレベルよりも低い。
【0443】
例示的なさらなる治療活性剤は、癌治療薬、抗生物質、抗ウィルス剤、麻酔薬、抗凝固薬、酵素の阻害剤、ステロイド剤、ステロイド性もしくは非ステロイド性抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、免疫抑制剤、抗新生物剤、抗原、ワクチン、抗体、充血除去剤、鎮静剤、オピオイド、鎮痛剤、鎮痛剤、解熱剤、ホルモン、プロスタグランジン、プロゲステロン作用薬、抗緑内障薬、眼薬、抗コリン薬、抗うつ剤、抗精神病薬、催眠剤、精神安定剤、抗けいれん薬/抗てんかん薬(例えば、Neurontin、Lyrica、バルプロエート(例えば、Depacon)、および他の神経安定薬)、筋弛緩薬、抗れん縮薬、筋収縮剤、チャネル遮断剤、縮瞳薬、抗分泌薬、抗血栓薬、抗凝結薬、抗コリン薬、β−アドレナリン遮断薬、利尿剤、心血管系作用薬、血管作動薬、血管拡張薬、抗高血圧薬、血管新生剤、細胞−細胞外マトリックス相互作用の調節薬(例えば、細胞増殖阻害剤および抗接着分子)、またはDNA、RNA、蛋白質間相互作用、蛋白質−受容体間相互作用などの阻害剤/挿入剤を含むが、これらに限定されない。治療活性剤は、有機低分子、例えば、薬物化合物(例えば、アメリカ食品医薬品局によって認可され、連邦規則集(CFR)に記載されている化合物)、ペプチド、蛋白質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核蛋白質、ムコ蛋白質、リポ蛋白質、合成ポリペプチドまたは蛋白質、蛋白質に連結された低分子、糖蛋白質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞を含む。
【0444】
一部の実施形態では、さらなる治療薬は癌治療である。癌治療は、手術および外科治療、放射線治療、およびさらなる癌治療薬(例えば、癌の生物学的治療および化学療法薬)の投与を含むが、これらに限定されない。
【0445】
例示的な癌の生物学的治療薬は、インターフェロン、サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子、インターフェロンα、インターフェロンγ)、ワクチン、造血成長因子、単クローン血清療法、免疫刺激剤および/または免疫調節薬(例えば、IL−1、2、4、6、または12)、免疫細胞成長因子(例えば、GM−CSF)、および抗体(例えば、HERCEPTIN(trastuzumab)、T-DM1、AVASTIN(bevacizumab)、ERBITUX(cetuximab)、VECTIBIX(panitumumab)、RITUXAN(rituximab)、BEXXAR(tositumomab))を含むが、これらに限定されない。
【0446】
例示的な癌の化学療法薬は、抗エストロゲン薬(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、およびメゲストロール)、LHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリンおよびロイプロリド)、抗アンドロゲン薬(例えば、フルタミドおよびビカルタミド)、光線力学療法(例えば、vertoporfin(BPD-MA)、フタロシアニン、光増感剤Pc4、およびデメトキシ−hypocrellin A(2BA-2-DMHA))、ナイトロジェンマスタード(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、エストラムスチン、およびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン(BCNU)およびロムスチン(CCNU))、アルキルスルホナート(例えば、ブスルファンおよびトレオスルファン)、トリアゼン(例えば、ダカルバジン、テモゾロミド)、白金含有化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)、タキソイド(例えば、パクリタキセルまたはパクリタキセル相当物、例えば、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(Abraxane)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA-パクリタキセル、Taxoprexin)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG-パクリタキセル、パクリタキセルpoliglumex、CT-2103、XYOTAX)、腫瘍活性化プロドラッグ(TAP)ANG1005(パクリタキセルの3分子に結合したAngiopep-2)、パクリタキセル-EC-1(erbB2認識ペプチドEC-1に結合したパクリタキセル)、およびグルコース複合体化パクリタキセル、例えば、2’−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルスクシネート、ドセタキセル、タキソール)、epipodophyllin(例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド、トポテカン、9−アミノカンプトテシン、カンプトイリノテカン、イリノテカン、クリスナトール、マイトマイシンC)、代謝拮抗剤、DHFR阻害剤(例えば、メトトレキサート、ジクロロメトトレキサート、トリメトレキサート、エダトレキサート)、IMPデヒドロゲナーゼ阻害剤(例えば、ミコフェノール酸、tiazofurin、リバビリン、およびEICAR)、リボヌクレオチドリダクターゼ阻害剤(例えば、ヒドロキシ尿素およびデフェロキサミン)、ウラシルアナログ(例えば、5−フルオロウラシル(5−FU)、フロキシウリジン、ドキシフルリジン、ratitrexed、テガフール・ウラシル、カペシタビン)、シトシンアナログ(例えば、シタラビン(ara C)、シトシンアラビノシド、およびフルダラビン)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ビタミンD3アナログ(例えば、EB1089、CB1093、およびKH1060)、イソプレニル化阻害剤(例えば、ロバスタチン)、ドーパミン作動性神経毒(例えば、1−メチル−4−フェニルピリジニウムイオン)、細胞周期阻害剤(例えば、スタウロスポリン)、アクチノマイシン(例えば、アクチノマイシンD、ダクチノマイシン)、ブレオマイシン(例えば、ブレオマイシンA2、ブレオマイシンB2、ペプロマイシン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ペグ化リポソームドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ピラルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン)、MDR阻害剤(例えば、ベラパミル)、Ca2+ATPase阻害剤(例えば、タプシガルギン)、イマチニブ、サリドマイド、lenalidomide、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI-606)、セジラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS-354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI-571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、lestaurtinib(CEP-701)、ネラチニブ(HKI-272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマキサニブ(semaxinib、SU5416)、sunitinib(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(PALLADIA(登録商標))、vandetanib(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、vatalanib(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、bevacizumab(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、panitumumab(VECTIBIX(登録商標))、ranibizumab(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、エベロリムス(AFINITOR(登録商標))、alemtuzumab(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、temsirolimus(TORISEL(登録商標))、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ乳酸(TKI258、CHIR-258)、BIBW2992(TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、および/またはXL228)、プロテオソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(VELCADE))、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン、temsirolimus(CCI-779)、エベロリムス(RAD-001)、ridaforolimus、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF-4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)、およびOSI-027(OSI))、oblimersen、ゲムシタビン、carminomycin、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、procarbizine、プレドニゾロン、デキサメタゾン、campathecin、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、methopterin、ポルフィロマイシン、メルファラン、leurosidine、leurosine、クロラムブシル、trabectedin、プロカルバジン、discodermolide、カルミノマイシン、アミノプテリン、およびヘキサメチルメラミンを含むが、これらに限定されない。
【0447】
別の実施形態では、さらなる治療活性剤は抗炎症薬である。例示的な抗炎症薬は、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(LODINE(登録商標))、COX-2阻害剤、例えば、セレコキシブ(CELEBREX(登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、バルデコキシブ(BEXTRA(登録商標))、パレコキシブ、エトリコキシブ(MK663)、deracoxib、2−(4−エトキシ−フェニル)−3−(4−メタンスルホニル-フェニル)−ピラゾロ[1,5−b]ピリダジン、4−(2−オキソ−3−フェニル−2,3−ジヒドロオキサゾール−4−イル)ベンゼンスルホンアミド、darbufelone、flosulide、4−(4−シクロヘキシル−2−メチル−5−オキサゾリル)−2−フルオロベンゼンスルホンアミド)、メロキシカム、ニメスリド、1−メチルスルホニル−4−(1,1−ジメチル−4−(4−フルオロフェニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−3−イル)ベンゼン、4−(1,5−ジヒドロ−6−フルオロ−7−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)−(2)−ベンゾチオピラノ(4,3−c)ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、4,4−ジメチル−2−フェニル−3−(4−メチルスルホニル)フェニル)シクロ−ブテノン、4−アミノ−N−(4−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル)−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1−(7−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−5−ベンゾ−フラニル)−4−シクロプロピルブタン−1−オン、またはそれらの生理的に許容される塩、エステル、もしくは溶媒和物、sulindac(CLINORIL(登録商標))、ジクロフェナク(VOLTAREN(登録商標))、ピロキシカム(FELDENE(登録商標))、ジフルニサル(DOLOBID(登録商標))、ナブメトン(RELAFEN(登録商標))、オキサプロジン(DAYPRO(登録商標))、インドメタシン(INDOCIN(登録商標))、またはステロイド、例えば、PEDIAPED(登録商標)プレドニゾロンリン酸ナトリウム経口溶液、SOLU-MEDROL(登録商標)メチルプレドニゾロンコハク酸ナトリウム注射用、PRELONE商標のプレドニゾロンシロップ剤を含むが、これらに限定されない。
【0448】
抗炎症薬のさらなる例は、ナプロキセン(EC-NAPROSYN徐放錠剤の形態で市販)、NAPROSYN(登録商標)、Roche LabsのANAPROX(登録商標)およびANAPROX(登録商標)DS錠剤およびNAPROSYN(登録商標)懸濁液、セレコキシブ錠剤のCELEBREX(登録商標)商標、ロフェコキシブのVIOXX(登録商標)商標、ベタメタゾンのCELESTONE(登録商標)商標、CUPRAMINE(登録商標)商標のペニシラミンカプセル剤、DEPEN(登録商標)商標のTitratableペニシラミン錠、DEPO-MEDROL商標の酢酸メチルプレドニゾロン注射用懸濁液、ARAVA(商標)レフルノミド錠、スルファサラジン徐放錠剤のAZULFIDIINE ENタブ(登録商標)商標、FELDENE(登録商標)商標のピロキシカムカプセル剤、CATAFLAM(登録商標)ジクロフェナクカリウム錠剤、VOLTAREN(登録商標)ジクロフェナクナトリウム徐放錠剤、VOLTAREN(登録商標)-XRジクロフェナクナトリウム長期放出型錠剤、またはENBREL(登録商標)Etanerecept製品を含む。
一部の実施形態では、さらなる治療活性剤は鎮痛薬である。例示的な鎮痛薬は、鎮痛剤、例えば、非麻薬性鎮痛剤(例えば、サリチル酸、例えば、アスピリン、イブプロフェン(MOTRIN(登録商標)、ADVIL(登録商標))、ケトプロフェン(ORUDIS(登録商標))、ナプロキセン(NAPROSYN(登録商標))、アセトアミノフェン、インドメタシン)または麻薬性鎮痛剤(例えば、オピオイド鎮痛剤、例えば、トラマドール、フェンテニル(fentenyl)、スフェンタニル、モルヒネ、ヒドロモルフォン、コデイン、オキシコドン、およびブプレノルフィン)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、アスピリン、アセトアミノフェン、COX-2阻害剤)、ステロイドまたは抗リウマチ薬、偏頭痛製剤、例えば、β受容体遮断薬、ergot誘導体、3環式抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、デシプラミン、イミプラミン)、抗てんかん薬(例えば、clonaxepam、バルプロ酸、フェノバルビタール、フェニトイン、tiagaine、ガバペンチン、カルバマゼピン、トピラマート、バルプロ酸ナトリウム)、αアゴニスト、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)、選択的ノルエピネフェリン取り込み阻害剤、ベンゾジアゼピン、メキシレチン(MEXITIL)、フレカイニド(TAMBOCOR)、NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、ケタミン、デトロメトルファン(detromethorphan)、メタドン)、および外用薬(例えば、カプサイシン(Zostrix)、EMLAクリーム、リドカイン、プリロカイン)を含むが、これらに限定されない。
【0449】
<キット>
さらに、本明細書においては、医薬品パックおよび/またはキットも考えられる。提供される医薬品パックおよび/またはキットは、提供される組成物と容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/またはディスペンサー容器、あるいは他の適当な容器)とを含み得る。一部の実施形態では、提供されるキットは、第2の容器を任意選択でさらに含み得る。これは、対象に対する投与の準備のために、提供される組成物の希釈または懸濁のための適当な水性の担体を含む。一部の実施形態では、提供される製剤容器および溶媒容器の内容物が結合して、1つの単位剤形を形成する。
【0450】
任意選択で、1つの容器は、提供される組成物および/または懸濁もしくは希釈用の適当な水性の担体を含有するために、1つ以上の区画を含み得る。一部の実施形態では、1つの容器は変更に適切であり得、したがって容器は物理的変更を受けて複数区画および/または別々の区画の成分の結合を可能にし得る。例えば、ホイルまたはプラスチックバッグが、ミシン目が入ったシールで隔てられた2つ以上の区画を含み得る。シールを破るきっかけが生ずると、シールは破られて2つの別々の区画の内容物の結合を可能にし得る。したがって医薬品パックまたはキットはかかる複数区画容器を含み得、それらは、提供される組成物と適当な溶媒および/または適当な水性の担体とを懸濁のために含み得る。
【0451】
任意選択で、本発明のかかるキットでは使用説明書がさらに提供される。かかる説明書は、通常は例えば、用量および投与の説明を提供し得る。別の実施形態では、さらに説明書は、具体的な容器および/または投与のシステムに特化した説明に関してさらなる詳細を提供し得る。さらに、説明書は、さらなる治療法と同時のおよび/または組み合わせての使用のために特化した説明を提供し得る。
【0452】
<使用および処置の方法>
さらに、本明細書に記載の化合物(例えば、式(A)、(I)、および(II)のトリオキサカルシン−抗体複合体、式(P−A)、(P−I)、または(P−II)の前駆体化合物、またはそれと複合体化した抗体を含まない新規トリオキサカルシン化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩)を用いる方法が提供される。
【0453】
例えば、一態様では、心血管疾患、増殖性疾患(例えば、癌、良性腫瘍)、糖尿病網膜症、炎症性疾患、自己免疫疾患、および感染症(例えば、細菌感染、真菌感染、寄生虫感染)からなる群から選択される疾患、障害、または状態を処置する方法が提供され、その必要がある対象に対して本発明の化合物の有効量を投与することを含む。
【0454】
一部の実施形態では、本発明の化合物は心血管疾患の処置に有用である。例示的な心血管疾患は、冠状動脈性心疾患、心筋症、高血圧性心臓病、心不全、炎症性心臓病、心臓弁膜症、卒中、脳血管疾患、および末梢動脈疾患を含むが、これらに限定されない。
【0455】
一部の実施形態では、本発明の化合物は増殖性疾患の処置に有用である。例示的な増殖性疾患は癌および良性新生物を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、増殖性疾患は癌である。例示的な癌は、聴神経腫瘍、腺癌、副腎腺癌、肛門癌、血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管腫)、虫垂癌、良性単クローン性ガンマグロブリン血症、胆道癌(例えば、胆管癌)、膀胱癌、乳癌(例えば、乳部の腺癌、乳頭状乳癌、乳腺癌、髄様癌乳癌)、脳の癌(例えば、髄膜腫、グリオーマ(例えば、星細胞腫、乏突起膠腫、)、髄芽腫)、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頚部癌(例えば、子宮頚部腺癌)、絨毛癌、脊索腫、頭蓋咽頭腫、大腸癌(例えば、結腸癌、直腸癌、大腸腺癌)、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫)、子宮内膜癌(例えば、子宮癌、子宮肉腫)、食道癌(例えば、食道腺癌、バレット腺癌)、ユーイング肉腫、眼の癌(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫)、家族性好酸球増多症、胆嚢癌、胃癌(例えば、胃腺癌)、消化管間質腫瘍(GIST)、頭部および頸部の癌(例えば、頭部および頸部の扁平上皮癌、口腔癌(例えば、口腔扁平上皮癌(OSCC))、咽喉癌(例えば、喉頭癌、咽頭癌、鼻咽頭癌、中咽頭癌))、造血器癌(例えば、白血病、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL))、リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、B細胞NHL、例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞性リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、リンパ節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞型リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち「ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症」)、有毛細胞性白血病(HCL)、免疫芽球型大細胞性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、および原発性の中枢神経系(CNS)リンパ腫、およびT細胞NHL、例えば、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉症(mycosis fungiodes)、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、未分化大細胞性リンパ腫)、上記の1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物、例えば、混合型白血病リンパ腫(MLL)および多発性骨髄腫(MM))、重鎖病(例えば、α鎖病、γ鎖病、μ鎖病)、血管芽腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫細胞性アミロイドーシス、腎臓癌(例えば、腎芽腫、別名をウィルムス腫瘍、腎細胞癌)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌(HCC)、悪性ヘパトーマ)、肺癌(例えば、気管支原性癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺腺癌)、平滑筋肉腫(LMS)、肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症)、髄異形成症候群(MDS)、中皮腫、骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(AMM)、別名を骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES))、神経芽細胞腫、神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1型または2型、シュワノマトーシス)、神経内分泌癌(例えば、膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍)、骨肉腫、卵巣癌(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌)、乳頭腺癌、膵癌(例えば、膵腺癌(pancreatic andenocarcinoma)、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍)、陰茎癌(例えば、陰茎および陰嚢のページェット病)、松果体腫、原始神経外胚葉性腫瘍(PNT)、前立腺癌(例えば、前立腺の腺癌)、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌(例えば、扁平上皮癌(SCC)、ケラトアカントーマ(KA)、メラノーマ、基底細胞癌(BCC))、小腸癌(例えば、虫垂癌)、軟部肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫)、脂腺癌、汗腺癌、滑膜腫、精巣癌(例えば、セミノーマ、精巣胎児性癌)、甲状腺癌(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様癌)、尿道癌、膣癌、ならびに外陰癌(例えば、外陰ページェット病)を含むが、これらに限定されない。
【0456】
トリオキサカルシンは種々の癌、例えば、卵巣、大腸、肝細胞、膵臓癌、およびアンデノカルシノーマ(andenocarcinoma)の処置に有用であることが公知である。例えば、Cassidy et al., Cancer Chemother. Pharmacol. (1993) 37 :395-400、Tomita et al., J. Antibiot. (1981) 34: 1519-1524参照。式(A)、(I)、および(II)の種々の化合物は、抗体と複合体化されて、さらに高い有効性をこれらおよび本明細書に記載の他の癌に対して有するであろうと考えられる。
【0457】
一部の実施形態では、本発明の化合物は糖尿病網膜症の処置に有用である。
【0458】
一部の実施形態では、本発明の化合物は炎症性疾患の処置に有用である。例示的な炎症性疾患は、にきびに伴う炎症、貧血(例えば、再生不良性貧血、溶血性自己免疫性貧血)、喘息、動脈炎(例えば、多発動脈炎、側頭動脈炎、結節性多発動脈炎、高安動脈炎)、関節炎(例えば、結晶性関節炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、痛風性関節炎、反応性関節炎、関節リウマチ、およびライターの関節炎)、強直性脊椎炎、穀粉症、筋萎縮性側索硬化症、自己免疫疾患、アレルギーまたはアレルギー性反応、動脈硬化、気管支炎、滑液包炎、慢性前立腺炎、結膜炎、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、皮膚筋炎(cermatomyositis)、憩室炎、糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病)、皮膚状態(例えば、乾癬、湿疹、熱傷、皮膚炎、そう痒(疥癬))、子宮内膜症、ギラン・バレー症候群、感染症、虚血性心疾患、川崎病、糸球体腎炎、歯肉炎、過敏症、頭痛(例えば、偏頭痛、緊張型頭痛)、イレウス(例えば、術後イレウスおよび敗血症中のイレウス)、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎(膀胱痛症候群)、消化管障害(例えば、消化性潰瘍、局所性腸炎、憩室炎、消化管出血、好酸球性消化管障害(例えば、好酸球性食道炎、好酸球性胃炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性大腸炎)、胃炎、下痢、胃食道逆流症(GORD、またはその同意語GERD)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置性大腸炎、ベーチェット病、分類不能大腸炎)、および炎症性腸症候群(IBS)から選択される)、狼瘡、多発性硬化症、モルフェア、重症筋無力症(myeasthenia gravis)、心筋虚血、ネフローゼ症候群、尋常性天疱瘡、悪性貧血(pernicious aneaemia)、消化性潰瘍、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、脳疾患(例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、およびアルツハイマー病)に伴う神経炎症、前立腺炎、頭蓋放射線傷害に伴う慢性炎症、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、局所性腸炎、リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、強皮症(schleroderma)、全身性進行性硬化症(scierodoma)、サルコイドーシス、脊椎関節症(spondyloarthopathies)、シェーグレン症候群、甲状腺炎、移植拒絶、腱炎、外傷または損傷(例えば、凍傷、刺激性薬剤、毒素、創傷、熱傷、物理的損傷)、血管炎、白斑、およびウェゲナー肉芽腫症を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、炎症性疾患は、関節炎(例えば、関節リウマチ)、炎症性腸疾患、炎症性腸症候群、喘息、乾癬、子宮内膜症、間質性膀胱炎、および前立腺炎(prostatistis)から選択される。
【0459】
一部の実施形態では、炎症性状態は急性の炎症性状態(例えば、感染に由来する炎症)である。一部の実施形態では、炎症性状態は慢性の炎症性状態(例えば、喘息、関節炎、および炎症性腸疾患に起因する状態)である。化合物は、外傷および非炎症性の筋肉痛に伴う炎症を処置する際にも有用であり得る。化合物は、癌に伴う炎症を処置する際にも有用であり得る。
【0460】
一部の実施形態では、本発明の化合物は自己免疫疾患の処置に有用である。例示的な自己免疫疾患は、関節炎(例えば、関節リウマチ、脊椎関節症(spondyloarthopathies)、痛風性関節炎、変形性関節症、例えば、骨関節炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、未分化型脊椎関節炎(undifferentiated spondylitis)、ベーチェット病、溶血性自己免疫性貧血、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、穀粉症、急性肩部痛、乾癬性、および若年性関節炎を含む)、喘息、動脈硬化、骨粗鬆症、気管支炎、腱炎、滑液包炎、皮膚状態(例えば、乾癬、湿疹、熱傷、皮膚炎、そう痒(疥癬))、遺尿、好酸球性疾患、消化管障害(例えば、消化性潰瘍、局所性腸炎、憩室炎、消化管出血、好酸球性消化管障害(例えば、好酸球性食道炎、好酸球性胃炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性大腸炎)、胃炎、下痢、胃食道逆流症(GORDまたはその同意語GERD)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置性大腸炎、ベーチェット病、分類不能大腸炎)、および炎症性腸症候群(IBS)から選択される)および腸管運動促進薬によって改善される障害(例えば、イレウス、術後イレウス、および敗血症中のイレウス、胃食道逆流症(GORDまたはその同意語GERD)、好酸球性食道炎、胃不全麻痺、例えば、糖尿病性胃不全麻痺、食物不耐症および食物アレルギーおよび他の機能性腸疾患、例えば、非潰瘍性消化不良(NUD)および非心臓性胸痛(NCCP。肋軟骨炎を含む))を含むが、これらに限定されない。
【0461】
一部の実施形態では、炎症性疾患および/または免疫疾患は消化管障害である。一部の実施形態では、消化管障害は、消化性潰瘍、局所性腸炎、憩室炎、消化管出血、好酸球性消化管障害(例えば、好酸球性食道炎、好酸球性胃炎、好酸球性胃腸炎、好酸球性大腸炎)、胃炎、下痢、胃食道逆流症(GORDまたはその同意語GERD)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置性大腸炎、ベーチェット病、分類不能大腸炎)、および炎症性腸疾患(IBS)から選択される。
【0462】
一部の実施形態では、本発明の化合物は感染症(例えば、細菌感染、真菌感染、および/または寄生虫感染)の処置に有用である。一部の実施形態では、化合物は寄生虫感染(例えば、マラリア)を処置する際に有用である。一部の実施形態では、化合物は細菌感染を処置する際に有用である。一部の実施形態では、化合物は真菌感染を処置する際に有用である。
【0463】
トリオキサカルシンは抗生物および抗寄生虫(例えば、抗マラリア)活性を有することが公知である。例えば、米国特許第4,459,291号、米国特許第4,511,560号、Fujimoto et al., J. Antibiot. (1983) 36: 1216-1221、Maiese et al. J. Antibiot. (1990) 43:253-258、Tomita et al., J. Antibiot. (1981) 34: 1519-1524、およびMaskey et al. J. Antibiot. (2004) 57:771-779参照(抗細菌および抗マラリア活性)。式(A)、(I)、および(II)の種々の化合物は、抗体と複合体化されて、さらに高い有効性を感染症、例えば、細菌感染および本明細書に記載の他の感染症に対して有するであろうと考えられる。
【0464】
<付加体>
さらに、本明細書に記載のトリオキサカルシンの(例えば、水もしくは水酸化物付加による、またはDNAアルキル化によるグアニン付加による)求核付加の生成物が提供され、例えば、試験および化合物創出の対照化合物として有用だと考えられる。例えば、グアニン付加からもたらされる付加体を示している図7〜9参照。考えられる1つの例示的な用途は、目的のトリオキサカルシン化合物を対応するグアニン付加体(負の対照として)と並べて操作して、目的のトリオキサカルシン化合物が対応する付加体よりも高い活性を有するということを確認することである。この結果は、目的のトリオキサカルシンの抗増殖活性がグアニン付加体を形成するその能力に起因するということを示唆するであろう。
【0465】
一部の実施形態では式(付加体−I)の付加体が提供され、
【化107】
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式中、Nucは−OHまたはグアニンラジカルの
【化108】
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である。
【0466】
式(付加体−I)の例示的な化合物は、
【化109】
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などを含むが、これらに限定されない。図10に示されている化合物の付加体も本明細書では考えられる。一部の実施形態では、式(付加体−I)の化合物は、図9に示されているようにトリオキサカルシンA−グアニン付加体、グチンギマイシンではない。
【0467】
または、一部の実施形態では式(付加体II)の付加体が提供され、
【化110】
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式中、Nucは−OHまたはグアニンラジカルの
【化111】
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である。
【0468】
式(付加体−II)の例示的な化合物は、
【化112】
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を含むが、これに限定されない。これは、本明細書ではトリオキサカルシンAのアントラキノン−グアニン付加体とも呼ばれる。
【実施例】
【0469】
本明細書に記載される発明がより詳しく理解され得るために、以下の実施例が示される。当然のことながら、これらの実施例は単に例示的な目的のためであって、本発明を限定すると解釈されるべきものではない。
【0470】
トリオキサカルシン−抗体複合体の作製
後期臨床試験に用いられたADCの最も新しいリンカー戦略は、ImmunoGen社およびSeattle Genetics社によって開発された。例えば、Teicher et al., Clin. Cancer Res. (2011) 17:6389-6397参照。Trastuzumab emtansine(T-DM1)はImmunoGen社の細胞毒性薬物DM1からなり、SMCCリンカーを介してHER2結合抗体trastuzumabのリシンと結合している。例えば、図3参照。Seattle Genetics社のAdcetrisは、ペプチド含有リンカーを介して抗体Brentuximabのシステインと結合した薬物SGN-35からなる。例えば、図4参照。これらの戦略は、モノクローナル抗体のリシンまたはシステインを複合体化に用いてADCをもたらす。例えば、T-DM1では、1〜8個の薬物(DM1)が抗体(T)あたり存在するということが公知である。例えば、US2011/0165155参照。
【0471】
Bertozzi et al.による代替的な戦略は、モノクローナル抗体の部位特異的な化学修飾に、遺伝子によってコードされたアルデヒドタグを用いることを報告している。例えば、Bertozzi et al., PNAS (2008) 1-6、Bertozzi et al., ACIE (2012) 51:4161、Bertozzi et al., Nature Protocols (2012) 7: 1052-1067参照。図5も参照。かかるアルデヒドはアミノオキシ試薬と反応してオキシムを形成し得、pH4〜5までは安定であると報告されている。例えば、Zhu et al., Biomacromolecules (2011) 12:3460-3468参照。
【0472】
トリオキサカルシン化合物は、当分野において公知のカップリング用の上記および他の公知の方法の任意のものを用いて、抗体とカップリングされ得る。例えば、図6参照。例えば、トリオキサカルシンは、反応性の官能基によって末端修飾された1つ以上のリンカーを用いて抗体とカップリングされ得る。種々のリンカー、例えば、
(a)アミンおよびチオール官能基の連結
【化113】
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(b)アルコールおよびチオール官能基の連結
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
(c)アミン官能基と別の非特異的な官能基との連結
【化115】
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(d)チオールおよびカルボニル官能基の連結
【化116】
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(e)2個のチオール官能基の連結
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
(f)2個のアミン官能基の連結
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
が考えられる。
【0473】
上記のリンカーは全てインビボにおいて「切断不可能」である可能性が高い。リンカーは、多くの方法によって、例えば、リンカー長、リンカーの親水性(例えば、単純なアルキルではなくポリ(エチレングリコール))を増大または減少させること、ならびに/またはペプチド、ポリペプチド、ヒドラゾン、および/もしくはジスルフィドなどの部分をリンカー中に含ませてリンカーをインビボで切断可能にすることによって改変され得る。
<実施例1:オキシム形成および抗体のマイケル付加によるトリオキサカルシンのケトン官能化>
【化119】
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<実施例2:オキシム形成および抗体のマイケル付加によるトリオキサカルシンのケトン官能化>
【化120】
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<実施例3.ヒドラゾン形成および抗体のマイケル付加によるトリオキサカルシンのケトン官能化>
【化121】
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<実施例4.還元的アミノ化および抗体のマイケル付加によるトリオキサカルシンのケトン官能化>
【化122】
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<実施例5.還元、エステル形成、および抗体のマイケル付加によるトリオキサカルシンのケトン官能化>
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
<実施例6:オキシム形成、マイケル付加、および抗体のペプチドカップリングによるトリオキサカルシンのケトン官能化>
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
<実施例7>
【化125-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化125-2】
[この文献は図面を表示できません]
<実施例8>
【化126-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化126-2】
[この文献は図面を表示できません]
<実施例9>
【化127-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化127-2】
[この文献は図面を表示できません]
<実施例10>
【化128-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化128-2】
[この文献は図面を表示できません]
<実施例11>
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
<実施例12:オキシム形成によるトリオキサカルシノースBのケトン官能化>
【化130】
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【0474】
1−(6−(アミノオキシ)ヘキシル)−1H−ピロール−2,5−ジオン塩酸塩(13.3mg、53.5μmol、5.0equiv)が、23℃の無水メタノール(0.5mL)中の無水酢酸ナトリウム(4.4mg、54μmol、5.0equiv)およびベンジルトリオキサカルシノースB(3.0mg、11μmol、1equiv)の懸濁液に添加された。15h後に、混合物は濃縮された。残渣はジクロロメタン(5mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)との間で分配された。層が分離された。水層がジクロロメタンによって抽出された(3×3mL)。有機層はまとめられ、まとめられた溶液は硫酸マグネシウムによって乾燥された。乾燥された溶液は濾過され、濾液は濃縮された。残渣はフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製され(2.0:3.0:0.1酢酸エチル−ヘキサン−トリエチルアミン)、生成物を無色の油としてもたらした(4.60mg、9.69μmol、91%)。TLC:(50%酢酸エチル−ヘキサン)Rf = 0.51 (UV); 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ: 7.41-7.29 (m, 5H), 6.68 (s, 2H), 5.06 (app d, J = 3.3 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.46 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 4.06 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.00 (s, OH), 3.86 (d, J = 9.3 Hz, OH), 3.69-3.64 (m, 1H), 3.51 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.42-2.37 (m, 1H), 1.94 (s, 3H), 1.91-1.86 (m, 1H), 1.66-1.54 (m, 4H), 1.41-1.28 (m, 4H), 1.09 (d, J = 6.4 Hz, 3H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3), δ: 12.7, 14.3, 25.5, 26.5, 28.5, 28.8, 31.9, 37.8, 40.2 (2C), 63.0, 69.6, 72.6, 74.1, 97.1 (2C), 127.8 (2C), 127.9, 128.0, 128.5, 134.0 (2C), 171.9 (2C); HRMS (ESI): Calcd for (C25H34N2O7+H)+: 475.2439. Found: 475.2452.
【0475】
<実施例13:オキシム形成によるジデオキシトリオキサカルシンのケトン官能化>
【化131】
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1−(6−(アミノオキシ)ヘキシル)−1H−ピロール−2,5−ジオン塩酸塩(15.1mg、60.8μmol、20.0equiv)が、23℃の無水メタノール(1.0mL)中のジデオキシトリオキサカルシングリコシド(2.00mg、3.04μmol、1equiv)および無水酢酸ナトリウム(4.98mg、60.8μmol、20.0equiv)の溶液に添加された。反応フラスコはアルミニウム箔によって覆われて光を遮断した。32h後に混合物は濃縮された。未反応の出発物質を除去するために、残渣はレパラティブTLCによって精製された(シリカゲル、67%酢酸エチル−ヘキサン)。生成物はさらにシリカゲルのショートパスによる濾過によって精製され(最初はヘキサン、酢酸エチルに向かって勾配)、オキシム生成物をもたらした(1.52mg、59%)。TLC:(75%酢酸エチル−ヘキサン)Rf = 0.63 (UV); 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ: 14.67 (s, 1H). 7.44 (s, 1H), 6.69 (s, 2H) 5.84 (t, J = 3.6 Hz, 1H), 5.35 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 4.86 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.74 (s, 1H), 4.22 (s, OH), 4.08 (dt, J = 6.6, 1.6 Hz, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.75 (s, OH), 3.62 (s, 3H), 3.52 (app t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.48 (s, 3H), 3.03 (app q, J = 5.7 Hz, 2H), 2.95 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 2.89 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 2.72 (app t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.58 (s, 3H), 2.59 (s, 3H), 2.51-2.47 (m, 1H), 2.24-2.05 (m, 4H), 1.65-1.20 (m, 8H), 1.12 (d, J = 6.3 Hz, 3H); HRMS (ESI): Calcd for (C43H52N2O16+Na)+: 875.3215. Found: 875.3112.
【0476】
<実施例14:種々のリンカー基の合成>
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ1
炭酸カリウム(823mg、5.96mmol、5.0equiv)が、23℃のメタノール(24mL)中の1−チオフェニルトリオキサカルシノシドA(353mg、1.19mmol、1equiv、それぞれα−およびβ−アノマーの2.4:1混合物)の溶液に添加された。4h後に、pH7のリン酸緩衝水溶液(20mL)が添加された。混合物は約20mLの体積まで濃縮された。濃縮物は酢酸エチルによって抽出された(3×40mL)。有機層はまとめられた。まとめられた溶液は飽和塩化ナトリウム水溶液(40mL)によって洗浄され、洗浄された溶液は硫酸ナトリウムによって乾燥された。乾燥された溶液は濾過され、濾液が濃縮されて、生成物の1−チオフェニルアキセノシド(thiophenylaxenoside)をそれぞれα−およびβ−アノマーの2.0:1混合物としてもたらした(223mg、74%)。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ: α−アノマー (主): 7.49 (m, 2H), 7.32-7.24 (m, 3H), 5.57 (d, 1H, J = 7.0 Hz), 4.81 (q, 1H, J = 6.5 Hz), 3.16 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 2.33 (dd, 1H, J = 15.0, 6.7 Hz), 2.17 (s, 1H), 1.86 (d, 1H, J = 14.7 Hz), 1.35 (s, 3H), 1.25 (d, 3H, J = 6.5 Hz); β−アノマー (副): 7.49 (m, 2H), 7.32-7.24 (m, 3H), 5.13 (dd, 1H, J = 11.7, 2.3 Hz), 4.21 (q, 1H, J = 7.0 Hz), 3.03 (d, 1H, J = 10.0 Hz), 2.14 (s, 1H), 1.87-1.75 (m, 2H), 1.35 (s, 3H), 1.29 (d, 3H, J = 7.0 Hz).
【0477】
ステップ2
2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド(77mg、0.32mmol、4.0equiv)が、テトラヒドロフラン(800μL)中の6−マレイミドヘキサン酸(66mg、0.32mmol、4.0equiv)およびトリエチルアミン(219μL、1.57mmol、20.0equiv)の溶液に添加された。1h後に、懸濁液はセライトの短いパッドおよびテトラヒドロフラン(5mL)による溶出によって濾過された。濾液は濃縮された。残渣はトルエン(1.0mL)中に溶解され、所産の溶液は未希釈の1−チオフェニルアキセノシド(thiophenylaxenoside)に添加された(20mg、0.079mmol、1equiv、それぞれα−およびβ−アノマーの2.0:1混合物)。4−ジメチルアミノピリジン(58mg、0.47mmol、6.0equiv)が添加された。10min後に、混合物は酢酸エチル(30mL)とpH7のリン酸緩衝水溶液(10mL)との間で分配された。層が分離された。水層は酢酸エチル(30mL)によって抽出された。有機層はまとめられた。まとめられた溶液は飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)によって洗浄され、洗浄された溶液は硫酸ナトリウムによって乾燥された。乾燥された溶液は濾過され、濾液は濃縮された。残渣がフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製され(最初は40%酢酸エチル−ヘキサン、70%酢酸エチル−ヘキサンに向かって勾配)、純粋なチオグリコシドエステルを、それぞれα−およびβ−アノマーの4.5:1混合物としてもたらした(13mg、37%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: α-アノマー (主): 7.49 (m, 2H), 7.31-7.24 (m, 3H), 6.67 (s, 2H), 5.64 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 4.78 (q, 1H, J = 6.4 Hz), 4.72 (s, 1H), 3.51 (m, 2H), 2.41-2.31 (m, 3H), 1.92 (d, 1H, J = 14.7 Hz), 1.71-1.58 (m, 4H), 1.33 (m, 2H), 1.19 (s, 3H), 1.09 (d, 3H, J = 6.8 Hz).
【0478】
ステップ3
2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド(44mg、0.18mmol、4.0equiv)が、テトラヒドロフラン(450μL)中の4−マレイミドブタン酸(33mg、0.18mmol、4.0equiv)およびトリエチルアミン(126μL、0.901mmol、20.0equiv)の溶液に添加された。75min後に、懸濁液はセライトの短いパッドおよびテトラヒドロフラン(2mL)による洗浄によって濾過された。濾液は濃縮された。残渣がトルエン(300μL)中に溶解され、所産の溶液が未希釈の1−チオフェニルアキセノシド(thiophenylaxenoside)に添加された(11.5mg、0.045mmol、1equiv、それぞれα−およびβ−アノマーの3.3:1混合物)。4−ジメチルアミノピリジン(33mg、0.27mmol、6.0equiv)が添加された。10min後に、混合物は酢酸エチル(15mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)との間で分配された。層が分離された。水層は酢酸エチル(15mL)によって抽出された。有機層はまとめられ、まとめられた溶液は硫酸ナトリウムによって乾燥された。乾燥された溶液は濾過され、濾液は濃縮された。残渣がフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製され(30%酢酸エチル−ヘキサン)、純粋なチオグリコシドエステルをそれぞれα−およびβ−アノマーの約7:1の混合物としてもたらした(13mg、69%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: α-アノマー (主): 7.48 (m, 2H), 7.31-7.23 (m, 3H), 6.70 (s, 2H), 5.64 (d, 1H, J = 6.3 Hz), 4.78 (q, 1H, J = 6.8 Hz), 4.73 (s, 1H), 3.06 (m, 2H), 2.45-2.33 (m, 3H), 1.98-1.90 (m, 3H), 1.21 (s, 3H), 1.10 (d, 3H, J = 6.3 Hz).
【0479】
<実施例15:化合物(24)の合成>
【化133】
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酸化銀(I)(29mg、0.12mmol、2.0equiv)が、23℃の臭化アリル(2mL)中のジデオキシ−DC-45-A2(30mg、0.062mmol、1equiv)および無水硫酸カルシウム(34mg、0.25mmol、4.0equiv)の懸濁液に添加された。21h後に混合物は酢酸エチル(20mL)によって希釈され、希釈された懸濁液はセライトの短いパッドを通して濾過された。濾液は濃縮された。残渣が調製用HPLCによって精製され(アジレント社Prep−C18カラム、10μm、30×150mm、270nmでUV検出、水中の40→90%アセトニトリルによる勾配溶出、流速:15mL/min)、濃縮後に純粋なO−アリルケタールをもたらした(14.9mg、46%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 14.79 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 6.1 (m, 1H), 5.39 (dd, 1H, J = 17.7, 1.4 Hz), 5.21 (m, 2H), 4.81 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 4.76 (s, 1H), 4.55 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 3.06 (m, 2H), 2.89 (d, 1H, J = 5.6 Hz), 2.86 (d, 1H, J = 6.0 Hz), 2.73 (t, 2H, J = 6.5 Hz), 2.59 (s, 3H), 2.10 (m, 2H).
【0480】
<実施例16:化合物(55)の合成>
【化134】
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過ヨウ素酸ナトリウム(48mg、0.23mmol、8.0equiv)が、THF(2mL)および水(1mL)の混合物中の、O−アリルヘミケタール(14.9mg、0.028mmol、1equiv)、2,6−ルチジン(6.6μL、0.057mmol、2.0equiv)、およびオスミウム酸カリウム二水和物(0.5mg、0.001mmol、0.05equiv)の氷冷懸濁液に添加された。5min後に冷却浴が外され、反応フラスコは23℃まで昇温した。21h後に懸濁液はジクロロメタン(20mL)によって希釈され、希釈された懸濁液はセライトの短いパッドを通して濾過された。濾液は濃縮された。残渣が調製用HPLCによって精製され(アジレント社Prep-C18カラム、10μm、30×150mm、270nmでUV検出、水中の40→90%アセトニトリルによる勾配溶出、流速:15mL/min)、濃縮後に純粋なアルデヒドをもたらした(8.6mg、58%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 14.81 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 5.23 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 4.83 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 4.73 (s, 1H), 4.55 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.45 (s, 3H), 3.04 (m, 2H), 2.92 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 2.83 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 2.73 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 2.59 (s, 3H), 2.09 (m, 2H); HRMS (ESI): Calcd for (C27H28O11+Na)+ 551.1529, found 551.1538.
【0481】
<実施例17:化合物(29)の合成>
【化135】
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6−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)ヘキサンヒドラジド塩酸塩(9.9mg、38μmol、5.0equiv)が、23℃のメタノール(0.5mL)中のアルデヒド(4.0mg、7.6μmol、1equiv)の溶液に添加された。90min後にエーテル(30mL)が添加され、希釈された溶液はセライトの短いパッドを通して濾過された。濾液は濃縮された。残渣が調製用HPLCによって精製され(アジレント社Prep-C18カラム、10μm、30×150mm、270nmでUV検出、水中の40→90%アセトニトリルによる勾配溶出、流速:15mL/min)、濃縮後に純粋なN−アシルヒドラゾンをもたらした(1.7mg、30%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 14.88 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.31 (t, 1H, J = 5.2 Hz), 6.67 (s, 2H), 5.22 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.80 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.74 (s, 1H), 4.65 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.51 (m, 2H), 3.45 (s, 3H), 3.05 (m, 2H), 2.92 (d, 1H, J = 5.6 Hz), 2.86 (d, 1H, J = 5.2 Hz), 2.74 (m, 2H), 2.59 (m, 2H), 2.59 (s, 3H), 2.10 (m, 2H), 1.70-1.58 (m, 4H), 1.34 (m, 2H).
【0482】
<実施例18:化合物(41)の合成>
【化136】
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2−アミノ安息香酸(4.2mg、31μmol、5.0equiv)が、23℃のN,N−ジメチルホルムアミド(300μL)およびpH7のリン酸緩衝水溶液(200μL)の混合物中の、ジデオキシ−DC-45-A2(3.0mg、6.2μmol、1equiv)および1−(6−(アミノオキシ)ヘキシル)−1H−ピロール−2,5−ジオン塩酸塩(31mg、120μmol、20equiv)の溶液に添加された。16h後に、懸濁液は20%アセトニトリル−水(10mL)によって希釈され、希釈された溶液は調製用HPLCによって精製され(アジレント社Prep-C18カラム、10μm、30×150mm、270nmでUV検出、水中の20→90%アセトニトリルによって60minかけて勾配溶出、流速:15mL/min)、濃縮後に純粋なオキシムをもたらした(2.8mg、67%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 12.77 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 6.69 (s, 2H), 5.27 (d, 1H, J = 4.1 Hz), 4.81 (d, 1H, J = 3.8 Hz), 4.71 (s, 1H), 4.44 (s, 1H), 4.18 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.53 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 3.12 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 3.07 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 2.92 (m, 2H), 2.85 (m, 2H), 2.56 (s, 3H), 1.85 (m, 2H), 1.74 (m, 2H), 1.61 (m, 2H), 1.44 (m, 2H), 1.35 (m, 2H); HRMS (ESI): Calcd for (C35H40N2O12+H)+ 681.2654, found 681.2648.
【0483】
<実施例19:化合物(49)の合成>
【化137】
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2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(16mg、77μmol、8.0equiv)が、ベンゼン(2mL)中のチオグリコシド(13mg、29μmol、3.0equiv、それぞれα−およびβ−アノマーの4.5:1混合物)および2−デオキシトリオキサカルシン(5mg、10μmol、1equiv)の溶液に添加された。溶液が濃縮され、残渣がアルゴンによって遮断された。ジクロロメタン(500μL)および砕いた4Åモレキュラーシーブ(20mg)が23℃で順に添加された。20分後に、懸濁液は氷水浴によって冷却された。ヘキサフルオロリン酸銀(15mg、58μmol、6.0equiv)が添加された。25min後に、冷温懸濁液はジクロロメタン(30mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)との間で分配された。混合物は激しく振とうされ、層が分離された。有機層は硫酸ナトリウムによって乾燥された。乾燥された溶液は濾過され、濾液は濃縮された。残渣が調製用HPLCによって精製され(アジレント社Prep-C18カラム、10μm、30×150mm、270nmでUV検出、水中の40→100%アセトニトリルによる40minの勾配溶出、流速:15mL/min)、濃縮後に純粋なα−グリコシドをもたらした(6mg、74%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 15.03 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 6.69 (s, 2H), 5.37 (s, 1H), 5.27 (s, 2H), 4.83 (d, 1H, J = 3.7 Hz), 4.74 (s, 1H), 4.71 (s, 1H), 4.49 (q, 1H, J = 6.6 Hz), 4.38 (s, 1H), 4.09 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.52 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 3.16 (m, 1H), 3.08 (d, 1H, J = 5.5 Hz), 3.01 (ddd, 1H, J = 17.9, 15.0, 5.9 Hz), 2.68 (dd, 1H, J = 18.1, 3.8 Hz), 2.61 (s, 3H), 2.44-2.36 (m, 3H), 2.33 (m, 1H), 1.92 (dd, 1H, J = 14.6, 3.7 Hz), 1.71-1.58 (m, 5H), 1.14 (m, 5H), 1.04 (s, 3H); HRMS (ESI): Calcd for (C42H49NO17+Na)+ 862.2893, found 862.2892.
【0484】
<実施例20:化合物(39)の合成>
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
酸化銀(I)(1mg、4μmol、2equiv)および無水硫酸カルシウム(1mg、7μmol、3equiv)が、ヨードメタン(200μmol)中のα−グリコシド(2mg、2μmol、1equiv)の溶液に順に添加された。2h後に混合物は濃縮された。残渣がジクロロメタン(5mL)中に懸濁され、セライトの短いパッドを通して濾過された。濾液は濃縮された。残渣が調製用HPLCによって精製され(アジレント社Prep−C18カラム、10μm、30×150mm、270nmでUV検出、水中の40→100%アセトニトリルによる勾配溶出、流速:15mL/min)、濃縮後に純粋なメチル化されたヘミケタールをもたらした(1mg、49%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 14.92 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 6.69 (s, 2H), 5.38 (t, 1H, J = 2.7 Hz), 5.27 (d, 1H, J = 3.3 Hz), 5.22 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.83 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.75 (s, 1H), 4.74 (br, 1H), 4.49 (q, 1H, J = 6.2 Hz), 4.1 (br, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.52 (t, 2H, J = 7.1 Hz), 3.45 (s, 3H), 3.03 (ddd, 1H, J = 18.3, 14.3, 5.5 Hz), 2.90 (m, 2H), 2.68 (m, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.45-2.34 (m, 3H), 2.22 (m, 1H), 1.92 (dd, 1H, J = 14.5, 3.8 Hz), 1.71-1.40 (m, 5H), 1.29 (m, 2H), 1.20 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 1.05 (s, 3H); HRMS (ESI): Calcd for (C43H51NO17+Na)+ 876.3049, found 876.3028.
【0485】
<実施例21:化合物(48)の合成>
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(6.5mg、32μmol、4.0equiv)が、ベンゼン(2mL)中のチオグリコシド(6.7mg、16μmol、2.0equiv、それぞれα−およびβ−アノマーの約7:1混合物)および2−デオキシトリオキサカルシン(4.0mg、8.0μmol、1equiv)の溶液に添加された。溶液が濃縮され、残渣はアルゴンによって遮断された。ジクロロメタン(400μL)および砕いた4Åモレキュラーシーブ(20mg)が23℃で順に添加された。20min後に、懸濁液は氷水浴によって冷却された。ヘキサフルオロリン酸銀(6.0mg、24μmol、3.0equiv)が添加された。20min後に、冷温の懸濁液はジクロロメタン(30mL)と飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)との間で分配された。混合物は激しく振とうされ、層が分離された。有機層は硫酸ナトリウムによって乾燥された。乾燥された溶液は濾過され、濾液は濃縮された。残渣が調製用HPLCによって精製され(アジレント社Prep−C18カラム、10μm、30×150mm、270nmでUV検出、水中の20→90%アセトニトリルによる60minの勾配溶出、流速:15mL/min)、濃縮後に純粋なα−グリコシドをもたらした(3mg、46%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 15.03 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 6.71 (s, 2H), 5.36 (app s, 1H), 5.26 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.83 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 4.75 (s, 1H), 4.71 (s, 1H), 4.49 (q, 1H, J = 6.6 Hz), 3.84 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 3.16 (d, 1H, J = 5.1 Hz), 3.07 (d, 1H, J = 5.1 Hz), 3.01 (m, 1H), 2.69 (s, 1H), 2.67 (m, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.45-2.35 (m, 3H), 2.22 (m, 1H), 1.98-1.91 (m, 3H), 1.59 (d, 1H, J = 14.3 Hz), 1.21 (d, 3H, J = 6.6 Hz), 1.06 (s, 3H); HRMS (ESI): Calcd for (C40H45NO17+Na)+ 834.2580, *found 834.2569.
【0486】
<実施例22:抗増殖試験>
細胞培養
H460細胞はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から購入された。H460細胞は10%ウシ胎児血清(FBS)を加えたRPMI−1640培地によって維持された。
【0487】
細胞増殖試験
増殖培地中のH460細胞の懸濁液(3000細胞/ウェル)が、96ウェルプレートに播種された。96ウェルプレートは37℃において24hインキュベーションされた。各化合物のストック溶液が連続希釈され、所産の溶液が細胞に投与されて、110pM〜250nM(トリオキサカルシンA)または1.1nM〜2.5μΜ(全ての他の化合物)の最終濃度を達成した。37℃における72hのインキュベーション後に、20μLのレサズリン溶液(プロメガ社CellTiter-Blue(登録商標)細胞生存率試験)が各ウェルに添加された。37℃における2.0hのインキュベーション後に、蛍光(560nm励起/590nm発光)が、マイクロプレートリーダー(SpectraMax PLUS384)を用いて生存細胞の尺度として記録された。%増殖阻害が、次式に基づいて各ウェルについて算出された。%増殖阻害=100×(S−B)/(B−B)。式中、Sは試料の蛍光であり、Bは試験終了時の細胞の基剤処理群の平均蛍光であり、Bは試験開始時の細胞の未処理群の平均蛍光である。各濃度における平均の%阻害がlog(濃度)に対してプロットされ、4パラメータのロジスティック方程式を用いて曲線当てはめが作成された。GI50値は、所産の曲線が50%阻害を通る濃度を示すように計算された。
【0488】
図10は、トリオキサカルシンの一部の増殖阻害(GI50)を比較している。H460細胞(大細胞肺癌細胞株)、T−47D細胞(乳管癌細胞株)、HEK293細胞(胎児腎細胞株)、N87細胞(胃癌細胞株)、MDA−MB−361/DYT2細胞(乳腺癌細胞株)、HT−29細胞(大腸癌細胞株)、HL−60細胞(急性前骨髄球性白血病細胞株)、およびHEL92.1.7細胞(赤白血病細胞株)によって検討された。グリコシル化の部位のかなりの変更が良く許容されるように見える。上側のグリコシドまたは下側のグリコシドの全くの不在(例えば、DC−45−A1)は、トリオキサカルシンAよりも少なく活性だが依然として高度に有効な抗増殖剤である化合物をもたらす。興味深いことに、右側の環の酸素化を取り除いた単純化されたアナログが極めて有効であり、場合によってはそれらの酸素化された対応物よりもそうである。抗体−トリオキサカルシン複合体の開発にとって重要なことに、上側のグリコシドのCヒドロキシル基はトリオキサカルシンAにおいてアセチル化されている。このエステル基の存在は、例えば、トリオキサカルシンDと比較して抗増殖活性を増大させるように見える。下側のグリコシドのCヒドロキシル基のアセチル化は、有効な活性を保持する化合物をもたらす。新規の図10に開示されている化合物も本発明の一部として考えられ、例えば、本明細書に記載の処置または使用の方法の任意のもののための化合物として有用であり得る。
【0489】
<実施例23:天然および合成トリオキサカルシンの結晶状のグアニン付加体は、共通の生体機序を示唆し、トリオキサカルシンAの不安定性の根拠を明らかにする>
トリオキサカルシンは構造的に複雑な細菌代謝物質であり、培養されたヒト癌細胞に対して有効な細胞毒性を発揮し、抗細菌および抗マラリア活性を示している。例えば、Tomita et al., J. Antibiot. (1981) 34: 1519-1524、Tamaoki et al., J. Antibiot. (1981) 34: 1525-1530、Maskey et al., J. Antibiot. (2004) 57:771-779参照。トリオキサカルシンA(図2A参照)は同定されたなかで最も有効な天然トリオキサカルシンであり、サブナノモルのIC70値を多くのヒト癌細胞株に対して有する。例えば、Maskey et al., J. Antibiot. (2004) 57:771-779参照。トリオキサカルシンの生物活性は、二本鎖DNAのグアノシン残基のΝ7を不可逆的にアルキル化するそれらの能力に起因し、それらのスピロエポキシド官能基によって媒介されると考えられている。この提唱を支持する有力な証拠が、トリオキサカルシンAと2つのグアノシン残基を含有する自己相補的なDNA二本鎖オリゴヌクレオチドとの2:1共有結合付加体のX線結晶学的分析によって得られた。例えば、Pfoh et al., Nucleic Acids Res. (2008) 36:3508-3514参照。さらに、生理条件下において、または加熱によってさらに迅速に、このDNA損傷の脱プリン化が起こってトリオキサカルシンAとグアニンとの1:1付加体(グチンギマイシン。図9参照)をもたらすということが示された。これは結晶学的にもキャラクタリゼーションされている。例えば、Maskey et al., Ang. Chem. Int. Ed. (2004) 43: 1281-1283参照。
【0490】
最近、本発明者はトリオキサカルシンAに至る全合成のコンポーネントに基づく経路を報告し、このプラットホームを用いていくつもの非天然トリオキサカルシンアナログを調製した。例えば、Magauer et al., Nat. Chem. (2013) 5:886-893参照。それらのアナログの多くはトリオキサカルシンAと比較してかなり構造的に改変されていたが、有効な細胞毒性を保持していた。例えば、モノグリコシドアナログである化合物3(図10および以下参照)は、トリオキサカルシンAと比較してC2およびC4位が脱酸素されており、トリオキサカルシノースAのグリコシル残基を欠いているが、それでも有効な細胞毒性剤である(GI50は19±7nM、H460細胞)。例えば、Magauer et al., Nat. Chem. (2013) 5:886-893参照。トリオキサカルシンAについて、本発明者は0.85±0.36nMというGI50値を測定した。Magauer et al., Nat. Chem. (2013) 5:886-893も参照。本研究では、本発明者は、アナログ3が、自己相補的な8merの二本鎖DNAに含まれるグアノシン残基のアルキル化によるDNA損傷をも生じさせるという証拠を、3とグアニンとの1:1付加体の結晶学的キャラクタリゼーションによって示す。例えば、図7参照。さらに、本発明者は、トリオキサカルシンAの新規のグアニン付加体を結晶学的にキャラクタリゼーションした。これは、トリオキサカルシノースA残基の脱離およびアントラキノンを形成する酸化的芳香化による、1の分子分解の今まで気づかれていなかった経路を明らかにする。
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0491】
それらの先駆的研究において、Pfohらは、トリオキサカルシンAと自己相補的な二本鎖オリゴヌクレオチドd(AACCGGTT)との2:1共有結合インターカレーション複合体を、X線結晶学によってキャラクタリゼーションした。例えば、Pfoh et al., Nucleic Acids Res. (2008) 36:3508-3514参照。結晶状の複合体を調製するために、DNA二本鎖は、3日間4℃において25%メタノール−水中のトリオキサカルシンA(2.2equiv)によって処理された。所産の溶液のハンギングドロップが、1.55Mクエン酸アンモニウムおよび30%ジメチルスルホキシドを含有する水溶液に対して40℃において24h平衡化され、アルキル化されたインターカレーション複合体の黄色結晶をもたらした。
【0492】
本発明者は、同様のプロトコールによって全合成のトリオキサカルシンアナログ3を用いてDNAアルキル化実験を行った。アナログ3と自己相補的な二本鎖オリゴヌクレオチドd(AACCGGTT)とのインキュベーション(25%メタノール−水中、3日間、4℃)、その後の1.65Mクエン酸三アンモニウム(pH7.0)および30%DMSOを含有する水溶液による平衡化(2週間40℃および2週間23℃)は、X線回折にとって好適なグアニン付加体の結晶を生じた。
【0493】
別に、本発明者は、トリオキサカルシンAと種々の配列の二本鎖DNAオリゴヌクレオチドとの反応の検討を行った。1つの実験では、本発明者は、トリオキサカルシンAを自己相補的な二本鎖オリゴヌクレオチドd(CGTATACG)と一緒に25%メタノール−水中において3日間4℃でインキュベーションした。所産の溶液のハンギングドロップが、5%の2−メチル−2,4−ペンタンジオール、20mMナトリウムジメチルアルシネート(sodium dimethylarsinate)、6mMスペルミン四塩酸塩、40mM塩化ナトリウム、および10mM塩化マグネシウムを含有する水溶液に対して40℃で平衡化させられた。2週間後に、暗赤色の結晶生成物が得られた。X線結晶学的分析はこれが新規のグアニン付加体であることを示し、そのトリオキサカルシン残基の平面コアはかなりの改変を経てアントラキノン−クアニン付加体を形成していた(図8および9ならびに以下参照)。
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
【0494】
本発明者およびその他は、トリオキサカルシンAが水性またはアルコール性溶液中の塩基性条件下において不安定であるということを観察した。これは、当初黄色の溶液の暗赤色への迅速な暗色化によって明らかにされた。例えば、Magauer et al., Nat. Chem. (2013) 5:886-893、Shirahata et al., Symposium on the Chemistry of Natural Products (1981) 24: 199-206参照。トリオキサカルシンAのDNAアルキル化から生じたアントロキノン−グアニン付加体は、図9に概要が示されるようなこの不安定性のあり得る化学的基盤を本発明者に提唱させる。示されているように、本発明者は、C1ケトンの塩基によって触媒されるエノール化がトリオキサカルシノースAの脱離および芳香化を促進するということを提唱する。本発明者が簡単だと予想する自動酸化が、次にアントラキノン生成物をもたらすと考えられる。考えられるところでは、暗赤色の付加体アントラキノン生成物はDNA結合に先立つトリオキサカルシノースA残基の塩基によって促進される脱離と次にアルキル化とによって形成され得るが、本発明者は図9に示される順序がより有望だと考える。順序にかかわらず、アントラキノン生成物は、トリオキサカルシンAの塩基不安定性とトリオキサカルシノースA残基の脱離を経た後に自動酸化を行うというその今まで気づかれていない傾向との間の関連性を示唆している。この提唱をさらに支持するのは、化合物3(これは脱離−自動酸化経路を経る能力を有さない)が塩基に対して不安定でなく、通常はトリオキサカルシンAよりもかなり安定であるという観察結果である。さらに、化合物3はグアニンを二本鎖DNAから奪う能力を保持しており、しかも水溶液中において優れた安定性を示す。化合物3などの単純化された構築物がトリオキサカルシンAと類似のDNA損傷を生じさせ、尚より大きい化学的安定性を示すという証拠を得て、本発明者は、この新規の化学物質シリーズの化合物が、抗体−薬物複合体などの化学療法構築物の候補のさらなる検討にとって有望な手段をもたらすと考える。
【0495】
X線測定
3−グアニン付加体およびアントラキノン−クアニン付加体の結晶学的データがSLSシンクロトロンにおいて、高分子ビームラインX10SAで0.6358Åの波長を用いて測定された。ファインスライス法データ収集が既報のプロトコールに従って実施された。Mueller et al., Acta Crystallogr. D (2012) 68:42-56参照。その小さい結晶サイズゆえに、シンクロトロン放射光の使用が必要であった。データの統合はXDSソフトウェアを用いて実施された。Kabsch Acta Crystallogr. D (2010) 66: 125-132参照。構造を解くことおよび精密化することがSHELXSおよびSHELXLを用いて実施された。Sheldrick, Acta Crystallogr. A (2008) 64: 112-122参照。3−グアニン付加体(PDBのID:4HP7)の構造は蛋白質データバンクに寄託された。結晶学的分析は3−グアニン付加体が構造的にグチンギマイシンに似ているということを立証し、これは共通の作用機序を支持した。
【0496】
<他の実施形態>
特許請求の範囲において、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、1つ以上を意味し得る。ただし、反対の定めがあるかまたは文脈から別様に明らかである場合を除く。1つの群の1つ以上の構成要素の間に「または」を含む請求項または説明は、群の構成要素の1つ、1つ超、または全てが所与の産物またはプロセスに含まれる、用いられる、または関係している場合、満たされていると見なされる。ただし、反対の定めがあるかまたは文脈から別様に明らかである場合を除く。本発明は、群の厳密に1つの構成要素が所与の産物またはプロセスに含まれる、用いられる、または関係している実施形態を含む。本発明は、群の構成要素の1つ超または全てが所与の産物またはプロセスに含まれる、用いられる、または関係している実施形態を含む。
【0497】
さらに、本発明は、列記される請求項の1つ以上に含まれる1つ以上の限定、要素、節、および説明の用語が、別の請求項に導入される、全ての変形、組み合わせ、および並べ替えを包含する。例えば、他の請求項に従属する任意の請求項は、同一の基礎クレームに従属する任意の別の請求項に見出される1つ以上の限定を含むように、修正され得る。要素が、例えば、マーカッシュ群の形式で一覧として示されるときには、それらの要素からなる各下位群も開示されるものであり、任意の要素が群から除去され得る。当然のことながら、通常は、本発明、または本発明の態様が具体的な要素および/または特徴を含むと言われる場合には、本発明または本発明の態様の一部の実施形態はかかる要素および/または特徴からなるか、または本質的になる。簡単のために、それらの実施形態は本明細書において一々具体的に記載されなかった。さらに、用語「含む」および「含有する」は開放的であることが意図されており、さらなる要素またはステップの包含を許容する。範囲が示される場合、端点も含まれる。さらに、別段の定めがあるかまたは文脈および当業者の理解から別様に明らかである場合を除いて、範囲として表される値は、任意の特定の値または部分範囲を、記載の範囲内で、本発明の種々の実施形態において、その範囲の下限の単位の1/10までとり得る。ただし、文脈から別段の定めのある場合を除く。
【0498】
本願は、種々の登録済み特許、公開済み特許願、雑誌記事、および他の刊行物を参照しているが、その全体は参照によって本明細書に援用される。もしも援用された参照物のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合には、本明細書に従う。さらに、従来技術に属する本発明の任意の具体的な実施形態は、請求項のいずれか1つ以上から明らかに除外され得る。かかる実施形態は当業者に公知であると考えられるので、その除外が本明細書において明示的に記載されていない場合であっても、除外され得る。本発明の任意の特定の実施形態は、従来技術の存在に関係しているか否かにかかわらず、任意の理由で、任意の請求項から除外され得る。
【0499】
当業者は、本明細書に記載された具体的な実施形態の多くの均等物を認めるか、またはごく通常の実験を用いて確認できるであろう。本明細書に記載された本発明の実施形態の範囲は、上記の発明を実施するための形態に限定されることを意図されておらず、その代わりに、添付の特許請求の範囲において示される通りとする。当業者には当然のことながら、本明細書に対する種々の変更および修正が、次の特許請求の範囲において定められる本発明の趣旨または範囲から逸脱することなくなされ得る。
図1
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図2A
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図2B
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図2C
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図2D
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10-1】
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図10-2】
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図10-3】
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図10-4】
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図10-5】
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図10-6】
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図10-7】
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図10-8】
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図10-9】
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図10-10】
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図10-11】
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図10-12】
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図10-13】
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図10-14】
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図10-15】
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図10-16】
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図10-17】
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図10-18】
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図10-19】
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