特許第6408545号(P6408545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イーサワークス エルエルシーの特許一覧

特許6408545ロケーションニュートラルソフトウェアの需要増大に伴う展開に対するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6408545
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ロケーションニュートラルソフトウェアの需要増大に伴う展開に対するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20181004BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20181004BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20181004BHJP
【FI】
   G06F9/50 150B
   G06F13/00 560A
   G06Q50/10
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-240506(P2016-240506)
(22)【出願日】2016年12月12日
(62)【分割の表示】特願2014-531916(P2014-531916)の分割
【原出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2017-84381(P2017-84381A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2017年1月6日
(31)【優先権主張番号】61/536,826
(32)【優先日】2011年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514069414
【氏名又は名称】イーサワークス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】AETHERWORKS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ロバート フランシス マキニス
【審査官】 原 忠
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−533687(JP,A)
【文献】 特開2004−288118(JP,A)
【文献】 Paul Watson et.al,An Architecture for the Dynamic Deployment of Web Services on a Grid or the Internet,Technical Report Series CS-TR-890,2005年 2月 1日,p.1-13,[online], [retrieved on 2016-06-23], Retrieved from the Internet::<URL:http://www.cs.ncl.ac.uk/publications/trs/papers/890.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/46 − 9/54
G06F 13/00
G06F 15/00
G06F 17/30
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のウェブサービスを記憶するように構成されたサービスライブラリと、
ネットワークに接続され、前記サービスライブラリ内に記憶されたウェブサービスに対する展開要求を受信して遂行するようにした1つ以上のサービスホストであって、これら展開要求を遂行することに、1つ以上のウェブサービスの1つ以上のサービスエンドポイントをインスタンス化することが含まれるようにしている当該サービスホストと、
前記サービスホストに接続され、前記1つ以上のサービスホストに関連するデータを記憶するように構成されたホストディレクトリと、
前記1つ以上のサービスホストに関連する前記記憶されたデータに基づく応答を検索するために前記ホストディレクトリに問合せし、前記記憶されたウェブサービスに基づく応答を検索するために前記サービスライブラリに問合せし、前記検索された応答に基づく展開プランを発生させ、前記発生させた展開プランに基づく展開要求を前記1つ以上のサービスホストに送信するように構成されたマネージャと、
各サービスホストの前記サービスエンドポイントのエントリを登録するとともに維持するように構成されたディレクトリを有するディスカバリサービスと、
サービスコンシューマエージェントと
を具え、
前記サービスコンシューマエージェントは、
コンシューマエージェントと、
前記コンシューマエージェントが結合されているポイントオブプレゼンスであって、前記ディスカバリサービスと通信するように構成されているとともに、1つ以上のサービスエンドポイントに結合されるように構成されている当該ポイントオブプレゼンスと
を有し、
前記マネージャは更に、前記ホストディレクトリ及び前記サービスライブラリに問合せし、1つ以上の前記ウェブサービスと1つ以上の前記サービスホストとを整合し、展開要求を1つ以上の前記サービスホストに送信するように構成される、ウェブサービス提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載のウェブサービス提供システムにおいて、前記サービスライブラリは更に、前記1つ以上のウェブサービスをパブリッシャから受信するように構成されているウェブサービス提供システム。
【請求項3】
請求項1に記載のウェブサービス提供システムにおいて、前記1つ以上のサービスホストは更に、前記ウェブサービスの利用に関する情報を前記マネージャに送信するように構成されているウェブサービス提供システム。
【請求項4】
請求項1に記載のウェブサービス提供システムにおいて、前記1つ以上のサービスホストは更に、前記1つ以上のサービスホストに関連するデータを前記ホストディレクトリに送信するように構成されており、前記1つ以上のサービスホストに関連する前記データには利用可能なリソースを含めるようにしたウェブサービス提供システム。
【請求項5】
請求項1に記載のウェブサービス提供システムにおいて、前記ディスカバリサービスは更に、前記ウェブサービスの1つに対応するURIを受信するとともに、この1つのウェブサービスが展開される前記サービスエンドポイントの1つに対応するURLを要求し且つ解決するように構成されているウェブサービス提供システム。
【請求項6】
1つ以上のウェブサービスをサービスライブラリ内に記憶させるステップと、
1つ以上のサービスホストに関連するデータをホストディレクトリ内に記憶させるステップと、
前記1つ以上のサービスホストの各々における1つ以上のサービスエンドポイントでの前記1つ以上のウェブサービスの展開を、マネージャにより、制御するステップと
を具えるウェブサービス提供方法において、
ウェブサービスの展開を制御する前記ステップが、
前記記憶されたウェブサービスに基づく応答を検索するために、前記サービスライブラリに問合せするステップと、
前記1つ以上のサービスホストに関連する前記記憶されたデータに基づく応答を検索するために、前記ホストディレクトリに問合せするステップと、
前記検索された応答に基づく展開プランを発生させるステップと、
展開要求を前記発生させた展開プランに基づく前記1つ以上のサービスホストに送信するステップと、
前記展開要求に応答して前記ウェブサービスのうちの1つのウェブサービスの前記1つ以上のサービスエンドポイントをインスタンス化するステップと、
各サービスホストの前記サービスエンドポイントのエントリを、ディレクトリを有するディスカバリサービス内に登録するとともに維持するステップと、
コンシューマエージェントをポイントオブプレゼンスに結合するステップであって、前記コンシューマエージェントは前記ポイントオブプレゼンスに結合され、前記ポイントオブプレゼンスは、前記ディスカバリサービスと通信するとともに、1つ以上のサービスエンドポイントに結合される、結合するステップと、
を具え
前記ウェブサービスの展開を制御する前記ステップが更に、
前記1つ以上のサービスホストに関連するデータを検索するために及び前記1つ以上のウェブサービスに関する情報を検索するために、前記サービスライブラリ及び前記ホストディレクトリに問合せするステップと、
前記1つ以上のウェブサービスに関する前記情報及び前記1つ以上のサービスホストに関連する前記データを用いて、1つ以上の前記ウェブサービスと1つ以上の前記サービスホストとを整合するステップと、を具えている、ウェブサービス提供方法。
【請求項7】
請求項6に記載のウェブサービス提供方法において、この方法が更に、前記サービスライブラリにおいてパブリッシャから前記1つ以上のウェブサービスを受信するステップを具えているウェブサービス提供方法。
【請求項8】
請求項6に記載のウェブサービス提供方法において、この方法が更に、前記ウェブサービスの利用に関する情報を前記1つ以上のサービスホストから前記マネージャに送信するステップを具えているウェブサービス提供方法。
【請求項9】
請求項6に記載のウェブサービス提供方法において、この方法が更に、前記1つ以上のサービスホストに関連する前記データを、前記1つ以上のサービスホストから前記ホストディレクトリに送信するステップを具え、前記1つ以上のサービスホストに関連する前記データは、利用可能なリソースを有するようにするウェブサービス提供方法。
【請求項10】
請求項6に記載のウェブサービス提供方法において、この方法が更に、前記ディスカバリサービスで、前記ウェブサービスの1つに対応するURIを受信するとともに、この1つのウェブサービスが展開される前記サービスエンドポイントの1つに対応するURLを要求し且つ解決するステップを具えているウェブサービス提供方法。
【請求項11】
コンシューマエージェントをポイントオブプレゼンスに結合するステップと、
所望のウェブサービスのURIに対応するサービスエンドポイントに対応するURLを解決するために、前記ポイントオブプレゼンスを介してディスカバリサービスと通信するステップと、
前記ポイントオブプレゼンスを前記サービスエンドポイントに結合するステップと
を具えるウェブサービス消費方法において、
前記ディスカバリサービスは、マネージャと通信するように構成され、このマネージャは、1つ以上のサービスホストに関連するホストディレクトリ内に記憶されたデータに基づく応答を検索するためにホストディレクトリに問合せし、サービスライブラリ内に記憶されたウェブサービスに基づく応答を検索するために前記サービスライブラリに問合せし、前記検索された応答に基づく展開プランを発生し、展開及び展開解除要求を前記発生させた展開プランに基づく1つ以上のサービスホストに送信するように構成され、1つのサービスホストは、前記サービスエンドポイントをインスタンス化するように構成されており、
前記ディスカバリサービスは、ディレクトリを有し、該ディレクトリは、各サービスホストの前記サービスエンドポイントのエントリを登録するとともに維持するように構成され
前記マネージャは更に、前記ホストディレクトリ及び前記サービスライブラリに問合せし、1つ以上の前記ウェブサービスと1つ以上の前記サービスホストとを整合し、展開要求及び展開解除要求を1つ以上の前記サービスホストに送信するように構成される、ウェブサービス消費方法。
【請求項12】
請求項11に記載のウェブサービス消費方法において、前記ホストディレクトリは、前記1つ以上のサービスホストに関連するデータを記憶するように構成されているウェブサービス消費方法。
【請求項13】
請求項11に記載のウェブサービス消費方法において、前記ディスカバリサービスは、少なくとも前記所望のウェブサービスを記憶するように構成されているサービスディレクトリを含むウェブサービス消費方法。
【請求項14】
実行時に1つ以上のコンピュータデバイスがウェブサービス提供方法を遂行するようにするコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記ウェブサービス提供方法は、
1つ以上のウェブサービスをサービスライブラリ内に記憶するステップと、
1つ以上のサービスホストに関連するデータをホストディレクトリ内に記憶させるステップと、
前記1つ以上のサービスホストの各々における1つ以上のサービスエンドポイントでの前記1つ以上のウェブサービスの展開を、マネージャにより、制御するステップと
を具えており、ウェブサービスの展開を制御する前記ステップが、
前記記憶されたウェブサービスに基づく応答を検索するために、前記サービスライブラリに問合せするステップと、
前記1つ以上のサービスホストに関連する前記記憶されたデータに基づく応答を検索するために、前記ホストディレクトリに問合せするステップと、
前記検索された応答に基づく展開プランを発生させるステップと、
展開要求を前記発生させた展開プランに基づく前記1つ以上のサービスホストに送信するステップと、
前記展開要求に応答して前記ウェブサービスのうちの1つのウェブサービスの前記1つ以上のサービスエンドポイントをインスタンス化するステップと、
各サービスホストの前記サービスエンドポイントのエントリを、ディレクトリを有するディスカバリサービス内に登録するとともに維持するステップと、
コンシューマエージェントをポイントオブプレゼンスに結合するステップであって、前記コンシューマエージェントは前記ポイントオブプレゼンスに結合され、前記ポイントオブプレゼンスは、前記ディスカバリサービスと通信するとともに、1つ以上のサービスエンドポイントに結合される、結合するステップと
を具えているようにし
前記ウェブサービスの展開を制御する前記ステップが更に、
前記1つ以上のサービスホストに関連するデータを検索するために及び前記1つ以上のウェブサービスに関する情報を検索するために、前記サービスライブラリ及び前記ホストディレクトリに問合せするステップと、
前記1つ以上のウェブサービスに関する前記情報及び前記1つ以上のサービスホストに関連する前記データを用いて、1つ以上の前記ウェブサービスと1つ以上の前記サービスホストとを整合するステップと、
を具えるようにした非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、更に、前記サービスライブラリにおいてパブリッシャから前記1つ以上のウェブサービスを受信するステップを具えている非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、更に、前記ウェブサービスの利用に関する情報を前記1つ以上のサービスホストから前記マネージャに送信するステップを具えている非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、更に、前記1つ以上のサービスホストに関連する前記データを、前記1つ以上のサービスホストから前記ホストディレクトリに送信するステップを具え、前記1つ以上のサービスホストに関連する前記データは、利用可能なリソースを有するようにした非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
請求項14に記載の非一時的コンピュータ可読媒体であって、更に、前記ディスカバリサービスで、前記ウェブサービスの1つに対応するURIを受信するとともに、この1つのウェブサービスが展開される前記サービスエンドポイントの1つに対応するURLを要求し且つ解決するステップを具えている非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
実行時に1つ以上のコンピュータデバイスがウェブサービス消費方法を遂行するようにするコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記ウェブサービス消費方法は、
コンシューマエージェントをポイントオブプレゼンスに結合するステップと、
所望のウェブサービスのURIに対応するサービスエンドポイントに対応するURLを解決するために、前記ポイントオブプレゼンスを介してディスカバリサービスと通信するステップと、
前記ポイントオブプレゼンスを前記サービスエンドポイントに結合するステップと
を具えており、
前記ディスカバリサービスは、マネージャと通信するように構成され、このマネージャは、前記1つ以上のサービスホストに関連するホストディレクトリ内に記憶されたデータに基づく応答を検索するためにホストディレクトリ問合せし、サービスライブラリ内に記憶されたウェブサービスに基づく応答を検索するために前記サービスライブラリに問合せし、前記検索された応答に基づく展開プランを発生し、展開及び展開解除要求を前記発生させた展開プランに基づく1つ以上のサービスホストに送信するように構成され、1つのサービスホストは、前記サービスエンドポイントをインスタンス化するように構成されており、
前記ディスカバリサービスは、各サービスホストの前記サービスエンドポイントのエントリを登録するとともに維持するように構成されているディレクトリを有し、
前記マネージャは更に、前記ホストディレクトリ及び前記サービスライブラリに問合せし、1つ以上の前記ウェブサービスと1つ以上の前記サービスホストとを整合し、展開要求及び展開解除要求を1つ以上の前記サービスホストに送信するように構成される、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体において、前記ホストディレクトリは、前記1つ以上のサービスホストに関連するデータを記憶するように構成されている非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体において、前記ディスカバリサービスは、少なくとも前記所望のウェブサービスを記憶するように構成されているサービスディレクトリを含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス指向型コンピューティング(計算)、特にウェブ(Web)サービス
アーキテクチャに関するものであるが、このウェブサービスアーキテクチャに限定される
ものではない。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2011年9月20日に出願された出願番号61/536,826の米国特許仮出願の
優先権を主張するものであり、この米国特許仮出願の内容は、参考のために導入されるも
のである。
【背景技術】
【0003】
サービス指向型コンピューティング(Service-Oriented Computing;SOC)は、柔軟
で動的なビジネスプロセスと、組織化及びコンピューティングプラットフォームに及ぶア
ジャイルアプリケーションとを生ぜしめるように疎結合しうるサービス網へのアプリケー
ションコンポーネントのアセンブリを推進させるものである。サービス指向型コンピュー
ティングは、密結合されたコンポーネントベースの分散システムを、サービス業務に対す
るアドレス指定、結合及び行使に対し同様な技術を用い得る広いサービス網に発展させる
手法として出現している。
【0004】
サービス指向型コンピューティングによれば、自律性及び異質性への傾向を反映する新
たなアーキテクチャを生ぜしめる方法を提供しうる。サービス指向型コンピューティング
の柔軟で疎結合された処理を可能としうる分散型アーキテクチャは、サービス指向型アー
キテクチャ(Service-Oriented Architecture;SOA)称することができ、そのソフトウ
ェアサービスが主要構成要素となる。SOAの指標特徴は、疎結合された自律性サービス
と、マクロ(サービス)レベルでのコードの再利用の推進と、アーキテクチャのコンポー
ザビリティとの間の相互運用である。
【0005】
SOAは、3つのプライマリーエンティティ(基本的な実体)、すなわちプロバイダ、
コンシューマ及びレジストリより構成することができる。プロバイダは、レジストリ中の
サービスロケーション(サービス位置)をパブリッシュ(publish)でき、コンシューマ
は、プログラムするサービスを位置決めして起動するのにレジストリを用いることができ
る。SOAの実装により、サービスを記述するのに用いられる言語を特定し、サービスを
パブリッシュするとともに発見する手段を提供し、プロトコルを決定するとともにこれら
プロトコルとの相互作用を達成するのに用いられる通信機構を決定することができる。イ
ンターネット上でのソフトウェアサービスの展開が、“ウェブサービス”として総称的に
知られているような一組(セット)の基準を用いて益々達成されるようになってきている
【0006】
ウェブサービスはプラットフォーム非依存型基準、例えば、W3Cワーキンググループ
の取り組みにより開発された基準に基づくようにしうる。これらの基準は、プロトコルと
、メッセージフォーマットと、サービス記述言語とを規定することができ、これらにより
、クライアントと、異種のコンピューティングプラットフォームに関するサービスとの間
の相互作用をインターネット上で達成するようにしうる。
【0007】
ウェブサービスにより導入される基準によれば、分散システムを、密結合された分散ア
プリケーションから、疎結合されたサービスシステムに発展させる手段を提供しうる。ま
た、これらの基準は、良好に規定されたインターフェースを用いたメッセージの交換によ
る異種のコンピューティングプラットフォーム間の相互運用を達成しうる。プラットフォ
ーム非依存型ウェブサービス基準は、実装及びホスティング技術を抽出することにより、
現存する異種サービスに対するアクセスを均質化するとともに、何れかの特定の実装又は
ホスティング技術を採用することを強要することなく新たなサービスを開発することを推
進する手段を提供しうる。ウェブサービスモデルは広く採用されているが、その期待値は
少なくとも2つの制約により弱められるおそれがある。
【0008】
第1に、ウェブサービスモデルが固定され、信頼性の高いホストとのネットワーク化さ
れた信頼性の高い環境に対してのみ適したものとなるおそれがある。従って、インターネ
ット上でのホストのダイナミズム及び誤謬性を考慮しそこなうおそれがあり、ホスト障害
に対して堅牢とすることを目的とするアプリケーションにおいて障害回復コードが幾つも
存在するようになるおそれがある。第2に、サービスプロバイダの役割が過剰であり且つ
その仕様が曖昧であることが、独占所有権のある展開システムの開発や、ウェブサービス
の使用が付随的なものにすぎない閉ざされた世界環境をもたらすおそれがある。これらの
2つの欠点を抱えると、ウェブサービスモデルを広く採用することにより、ウェブサービ
スインターフェースをエクスポーズ(expose)するが、展開システム及びホスティング環
境を必要とする点で殆ど両立しえないアプリケーションにより、ソフトウェアサービスの
ランドスケープが著しくポピュレートされるようになるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、改良したウェブサービスアーキテクチャが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨の一態様では、ウェブサービス提供システムが、1つ以上のウェブサービ
スを記憶するように構成したサービスライブラリを設ける。ネットワークに接続される1
つ以上のサービスホストは、サービスライブラリに記憶されるウェブサービスに対する展
開及び展開解除要求を受信するとともに遂行するようにする。これら展開及び展開解除要
求の遂行には、ウェブサービスの1つ以上のエンドポイントをインスタンス化することを
含めることができる。サービスホストに接続されるホストディレクトリは、サービスホス
トに関連するデータを記憶するように構成する。マネージャは、ホストディレクトリ及び
サービスライブラリに問合せし、展開プランを発生し、展開及び展開解除要求をサービス
ホストに送信するように構成する。
【0011】
本発明の一例においては、サービスライブラリは、ウェブサービスを、パブリッシャ(
Publisher)から受信するように構成することができる。サービスホストは、ウェブサー
ビスの利用に関する情報をマネージャに送信するようにしうる。サービスホストは、1つ
以上のサービスホスト、例えば利用可能なリソース(資源)に関連するデータをホストデ
ィレクトリに送信しうる。
【0012】
本発明の一例では、ウェブサービス提供システムが、各サービスホストに対応するエン
ドポイントのエントリを登録するとともに維持するように構成しうるディレクトリを有す
るディスカバリサービスを具えるようにしうる。ディレクトリサービスは、ウェブサービ
スと、当該ウェブサービスが展開されるエンドポイントの対応する組との間のマッピング
を記憶しうる。ディレクトリサービスは、ウェブサービスの1つに対応する統一資源識別
子(URI)を受信するとともに、この1つのウェブサービスが展開されるエンドポイン
トの1つに対応するURLを要求し且つ解決するように構成しうる。
【0013】
本発明の要旨の他の態様では、ウェブサービス提供方法が、1つ以上のウェブサービス
をサービスライブラリ内に記憶するステップと、1つ以上のサービスホストに関連するデ
ータをホストディレクトリ内に記憶させるステップとを具えるようにする。このウェブサ
ービス提供方法は、1つ以上のサービスホストの各々における1つ以上のサービスエンド
ポイントでの1つ以上のウェブサービスの展開及び展開解除を、マネージャにより、制御
するステップを具えるようにする。ウェブサービスの展開及び展開解除を制御するこのス
テップは、ウェブサービスに関する情報及びサービスホストに関連するデータを検索する
ために、サービスライブラリ及びホストディレクトリに問合せするステップと、これら情
報及びデータを用いて、展開プランを発生させるステップと、展開及び展開解除要求をサ
ービスホストに送信するステップと、展開及び展開解除要求に応答してウェブサービスの
1つ以上のサービスエンドポイントをインスタンス化するステップとを具えるようにしう
る。
【0014】
本発明の要旨の更に他の態様では、ウェブサービス消費方法が、コンシューマエージェ
ントをポイントオブプレゼンスに結合するステップを具えるようにする。ポイントオブプ
レゼンスは、所望のウェブサービスのURIに対応するサービスエンドポイントに対応す
るURLを解決するために、ディスカバリサービスと通信するようにしうる。ポイントオ
ブプレゼンスはサービスエンドポイントに結合するようにしうる。ディスカバリサービス
は、マネージャと通信するようにし、このマネージャは、ホストディレクトリ及びサービ
スライブラリに問合せし、展開プランを発生し、展開及び展開解除要求を1つ以上のサー
ビスホストに送信するように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の要旨によるウェブサービスを提供するシステムの一実施例のサービスプロバイダ部分を示す線図である。
図2】本発明の要旨によるウェブサービスを提供するシステムの一実施例のディスカバリサービス及びサービスプロバイダ部分を示す線図である。
図3】本発明の要旨によるウェブサービスを提供及び消費するシステムの一実施例のサービスコンシューマ(消費者)、ディスカバリサービス及びサービスプロバイダを示す線図である。
図4】本発明の要旨によるウェブサービスを提供及び消費する方法の一実施例を示す流れ図である。
図5】本発明の要旨の一実施例による、サービスコンシューマとローカルのポイントオブプレゼンス(POP)との間の代表的な相互作用を示す線図である。
図6】本発明の要旨の一実施例による、パブリッシャとサービスライブラリとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図7】本発明の要旨の一実施例による、サービスホストとホストディレクトリとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図8】本発明の要旨の一実施例による、ポイントオブプレゼンスとアクティブサービスディレクトリとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図9】本発明の要旨の一実施例による、アクティブサービスディレクトリとマネージャとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図10a】本発明の要旨の一実施例による、マネージャとサービスライブラリとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図10b】本発明の要旨の一実施例による、マネージャとホストディレクトリとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図10c】本発明の要旨の一実施例による、マネージャとサービスホストとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図10d】本発明の要旨の一実施例による、マネージャとサービスホストとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図10e】本発明の要旨の一実施例による、マネージャとアクティブサービスディレクトリとの間の代表的な相互作用を示す線図である。
図11】本発明の要旨の一実施例によるエンドポイントの展開を示す線図である。
図12】本発明の要旨の一実施例によるサービスの起動を示す線図である。
図13】本発明の要旨の一実施例による需要増大に伴う動的展開を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面全体に亘って同じ参照符号は、特に注釈しない限り、図示の実施例における同様な
機能、要素、コンポーネント(構成素子)又は部分を示すのに用いられているものである
。更に、本発明の要旨を図面に関して詳細に説明するが、これは図示の実施例に関するも
のであり、本発明をこれらに限定するものではない。
【0017】
ここで用いる用語“アクタ”とは、アクションを起こす(処置を講じる)のに応答しう
るエンティティを称しうるものである。例えば、アクタには自動コンピュータプログラム
を含めることができる。或いはまた、“アクタ”は、コンピュータのオペレータにより制
御するのに適したユーザインターフェースを有するコンピュータプログラムを称しうるも
のである。
【0018】
ここで用いる用語“インフラストラクチャ”とは、ここで述べる動作状態で存在するア
ーキテクチュアの構成要素を総称しうるものであり、これは如何なる特定の実装(インプ
リメンテーション)にも依存しないものである。
【0019】
ここで用いる用語“ウェブサービス”とは、ネットワークを通じたソフトウェアサービ
スの展開を称しうるものである。また、ここで用いる用語“ウェブサービス”はネットワ
ークを通じたソフトウェアサービスの展開に限定されるものではない。その理由は、当業
者にとって明らかなように、このようなサービスは、ローカルエリアネットワークLAN
等のような他のネットワークにおいても展開させることができる為である。
【0020】
本発明の要旨に関連しているウェブサービスに対して、記述用としたある種類の基準(
WSDL(Web Service Definition Language))と、広告(宣伝)及び発見用としたあ
る種類の基準(UDDI(Universal Description, Discovery and Integration))と、
通信用としたある種類の基準(SOAP(Simple Object Access Protocol))とを説明
の目的で記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者にとって明らか
なように、REST(REpresentational State Transfer)のような他の適切な基準を用
いることができ、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
【0021】
ウェブサービスはSOAPを用いてメッセージの交換をする相互作用を行うことができ
る。SOAPは、プログラミング言語及びプラットフォームに依存しないウェブサービス
に対する通信プロトコルを規定するものであり、この通信プロトコルは広範囲の転送プロ
トコルに亘って用いることができる。例えば、SOAP over HTTPは、ウェブサービ
スの定義を結合(バインディング)する基準プロトコルとして用いることができる。
【0022】
SOAPメッセージには、メッセージに対する名前空間を規定する“エンベロープ”と
称しうるouter XML要素と、メッセージングフレームワークに対する何らかの適切な拡
張子を有する任意のヘッダ要素と、必要とするボディ要素とを含むことができる。ボディ
要素は、情報を最終のSOAPレシーバに送信するが、この役割を越えて特定されず、明
確な構造又は解釈も、なすべき何らかの処理を特定する手段もない機構を提供しうるもの
である。
【0023】
WSDLは、ウェブサービスをXMLで記述する用語である。サービスのコンポーネン
トインターフェース記述は、ウェブサービスエンドポイントを位置決めし、このエンドポ
イントに結合(バインド)し、このエンドポイントと相互作用させるのに必要とする情報
を含めることができるWSDL文書として実現しうる。WSDL文書は、ウェブサービス
エンドポイントをこれらの動作に関して記述するXML文書要素と、(型の定義を含む)
各動作のパラメータ及び戻り値と、通信に用いるプロトコル及びデータバインディング(
データ結合)から構成される。
【0024】
リクエスタエージェントソフトウェアは、例えば、特定の言語でプロキシ又は“スタブ
”コードを生成させる自動コード生成ツールを用いてエンドポイントのWSDL文書に対
して記述しうる。これらは、ジャバ(Java)に対する“WSDL to Java”のようなスタンド
アローンツールや、コードをPerl、C++、C#、PHP、等で生成するジェネレータに
対しプラグ接続可能なフレームワークを生じるビジュアルスタジオ(Visual Studio)及
びエクリプス(Eclipse)におけるようなIDEベースのものとすることができる。
【0025】
本発明の要旨の代表的な実施例を図1図2図3及び図4を参照して以下に記載する
が、これらは説明の為のものであり、本発明を限定するものではない。
【0026】
代表的な実施例で図1を参照するに、ウェブサービスを提供するシステムにサービスプ
ロバイダコンポーネント110を設けることができる。このサービスプロバイダコンポー
ネント110は、例えば、コンピュータプログラムで具現化しうる。コンピュータプログ
ラムは、CD‐ROM、DVD、磁気ディスク、ROM、RAM、等のようなコンピュー
タ可読媒体に記憶させることができる。プログラムの命令は、例えば、ネットワーク又は
分散コンピュータシステムに接続されたサーバのような1つ以上のコンピューティングデ
バイス内に含まれる1つ以上のプロセッサのメモリ内に読み込むことができる。実行に際
し、プログラムはコンピューティングデバイスの種々のコンポーネントを制御することを
プロセッサに命令することができる。プログラム中の一連の命令を実行することにより、
ここに開示するある機能をプロセッサが遂行するようにするが、本発明の要旨の実装用の
ソフトウェア命令の代わりに又はこれと組み合わせて配線回路を用いることができる。従
って、本発明の実施例は、ハードウェアとソフトウェアとの特定の如何なる組み合わせに
も限定されるものではない。
【0027】
代表的な実施例では、サービスプロバイダコンポーネント110には、例えば、1つ以
上のウェブサービスを記憶しうるように構成したサービスライブラリ130を設けること
ができる。このサービスライブラリ130は、例えば、パブリッシャ160に接続するこ
とができ、このパブリッシャ160はウェブサービスを記憶のためにサービスライブラリ
130に対し“パブリッシュ”しうる。ネットワークに接続されたサービスホスト147
は、サービスライブラリ130内に記憶されたウェブサービスに対する展開及び展開解除
要求を受け且つ遂行するように適合させることができる。例えば、展開及び展開解除要求
を遂行するのに、1つのウェブサービスの1つ以上のエンドポイント143のインスタン
ス化(具体化)を含めることができる。ホストディレクトリ120はサービスホスト14
7に接続することができ、1つ以上のサービスホスト147に関連するデータを記憶する
ように構成しうる。マネージャ150は、ホストディレクトリ120及びサービスライブ
ラリ130に問合せ(クエリ)し、展開プランを発生させ、展開及び展開解除要求をサー
ビスホスト147に送信することができる。
【0028】
サービスホスト147は、ウェブサービスの利用に関する情報をマネージャ150に送
信するように構成しうる。サービスホスト147は、これらの利用可能なリソースに関連
するデータをホストディレクトリ120に送信するように構成することもできる。
【0029】
この代表的な実施例では、ウェブサービス提供能力を、互いに独立した複数の役割に分
割し、各アクタにとって必要とするドメインに関する知識の量を低減させ、ウェブサービ
スを提供するのに参加することに関する障壁を低下させることにより、ウェブサービスの
ライフサイクル中の参加者に対する複雑性を低減させることができる。例えば、ウェブサ
ービスをパブリッシング、展開及びホスティングするタスクを個別的で独立する活動とし
て処理しうる。従って、サービスプロバイダコンポーネント110を3つの個別的な“ア
クタ”、すなわちパブリッシャ160、マネージャ150及びサービスホスト147とみ
なすことができるが、このことは説明のためのものであり、本発明をこれに限定するもの
ではない。その他に、2つのアーキテクチャエンティティ、すなわちサービスライブラリ
130及びホストディレクトリ120と称するリポジトリが存在している。
【0030】
ウェブサービスプロバイダエージェントによる実装は、明示的に展開させるのに代えて
、パブリッシャ160により記述しうるようにでき、この場合パブリッシャ160が、こ
の実装をサービスライブラリ130と称するリポジトリ内に記憶させることによりインフ
ラストラクチャ内に“パブリッシュ”する。この方法は、サービスの実証を実際の具現化
から分離させることによるウェブサービスの展開に対する方法を表す。すなわち、ウェブ
サービスのライフサイクルを、その展開時ではなくそのパブリッシュ時から開始するよう
にしうる。
【0031】
インフラストラクチャに参加するために、サービスホスト147は、これらの利用可能
なリソースを記述するとともにホストディレクトリ120と称するリポジトリに登録する
ことにより、これらサービスホストの意思をホストのウェブサービスに登録しうる。サー
ビスホスト147は、これらの利用可能なウェブサービス展開コンテナを表すとともに、
パブリッシャ160のリスト、すなわちこれらサービスホストが展開しようとしているウ
ェブサービスプロバイダエージェントによる実装を特定することができる。従って、サー
ビスホスト147は、これらの静的に展開されるサービスを広告するのではなく、デマン
ドレベルが変化するのに対応させる必要がある際にマネージャ150により動的に消費(
及びリクレイム)しうる潜在的なホスティングリソースの共用プールを結合するこれらの
ホスティング能力を広告することにより、インフラストラクチャに参加することができる
【0032】
マネージャ160は、(いつでも0個以上のエンドポイント140を存在させうる)単
一のウェブサービスのプロビジョニング(提供)レベルを管理する責任を負う場合がある
。マネージャ160は、展開を成立させるために、最初にサービスライブラリ130及び
ホストディレクトリ120に問合せし、次いでウェブサービスの実装を適切に有能である
サービスホスト147と組合せることにより展開計画を立てるようにしうる。このマネー
ジャ160は、展開要求をサービスホスト147に送信し(ステップ433)、これによ
りこのサービスホスト147がウェブサービスのエンドポイント140をインスタンス化
する(又は要求を拒否する)責任を負う場合がある。サービスホスト147は、これらの
ドメイン内で展開される各ウェブサービスのエンドポイントの利用に関する情報を各ウェ
ブサービスのマネージャ150に提供しうる。マネージャ150はこの利用データを用い
て、これらが管理するウェブサービスが必要とするプロビジョニングレベルに関して決定
を行うことができる。
【0033】
代表的な他の実施例で図2を参照するに、ウェブサービスを提供するシステムには、デ
ィスカバリサービスコンポーネント210を設けることができる。このディスカバリサー
ビスコンポーネント210は、例えば、サービスプロバイダコンポーネント110と同様
に、コンピューティングデバイスで実行されるコンピュータプログラムで構成することが
できる。このコンピューティングデバイスは、インターネットのようなネットワークを介
してサービスプロバイダコンポーネント110に結合された、このサービスプロバイダコ
ンポーネント110のコンピューティングデバイスとは異なる物理的に分離したデバイス
とすることができる。或いはまた、ディスカバリサービスコンポーネント210をホステ
ィングするコンピューティングデバイスは、サービスプロバイダコンポーネント110を
ホスティングするコンピューティングデバイスと同じにすることができる。特に、これら
のコンピューティングデバイス及びここに記載する全ての他のコンピューティングデバイ
スは、本発明の精神及び範囲内で単一のデバイス、デバイスの集合、ネットワーク等とし
て構成しうる。
【0034】
ディスカバリサービスコンポーネント210には、アクティブサービスディレクトリ2
20を設けることができる。このアクティブサービスディレクトリ220は例えば、サー
ビスライブラリ130内に記憶されたウェブサービスと、ウェブサービスが展開されてい
るエンドポイント143の対応する組との間のマッピングを記憶するように構成しうる。
【0035】
アクティブサービスディレクトリ220は、単一のウェブサービスとこのウェブサービ
スの一組の能動的なエンドポイント143との間のマッピングを保持しうる。アーキテク
チュアにおける中心となるエンティティ、すなわちアクティブサービスディレクトリ22
0に保持された集合的なマッピングにより、全ての参加者の見通しからのインフラストラ
クチャの現在の状態を表すことができる。全てのインフラストラクチャの参加者はアクテ
ィブサービスディレクトリ220に頼ることにより所望のウェブサービスのエンドポイン
ト143を位置決めしうる為、このディレクトリは、現在展開されているエンドポイント
を有さないウェブサービスに対する自動展開処理を開始するようにしうる。
【0036】
アクティブサービスディレクトリ220は、ウェブサービスのアクティブなエンドポイ
ント143を加え、除去し及び検索する動作を提供しうる(ステップ450)。アクティ
ブサービスディレクトリ220が特定のウェブサービスのアクティブなエンドポイントに
対する検索要求を受けるが、このようなエントリが存在しない場合には、アクティブサー
ビスディレクトリ220は積極的に位置決めして、要求されたウェブサービスのマネージ
ャ150に情報提供する。マネージャは、前述した展開処理を用いて新たなエンドポイン
ト143の展開を動的に開始しうる。このマネージャ150は、これが管理するウェブサ
ービスの新たに展開される如何なるエンドポイント143にも対する全てのアクティブサ
ービスディレクトリ220のエントリを挿入及び維持するために応答しうる。例えば、ウ
ェブサービスに対するデマンドがゼロに減少する場合には、マネージャ150は、展開さ
れるエンドポイント143の1つ(又は全て)を展開解除することを決定することができ
る。エンドポイント143が展開解除された場合には、マネージャ150はこのエンドポ
イントのエントリをアクティブサービスディレクトリ220から除外し、このディレクト
リが更新状態を保ち、インフラストラクチャの現在の状態をできるだけ正確に反映するよ
うにしうる。
【0037】
代表的な更に他の実施例で図3を参照するに、ウェブサービスを提供するシステムには
サービスコンシューマコンポーネン310を設けることができる。このサービスコンシュ
ーマコンポーネン310は、例えば、サービスプロバイダコンポーネント110と同様に
、コンピューティングデバイスで実行されるコンピュータプログラムで構成することがで
きる。このコンピューティングデバイスは、インターネットのようなネットワークを介し
てサービスプロバイダコンポーネント110に結合された、このサービスプロバイダコン
ポーネント110のコンピューティングデバイスとは異なる物理的に分離したデバイスと
することができる。或いはまた、サービスコンシューマコンポーネント310をホスティ
ングするコンピューティングデバイスは、サービスプロバイダコンポーネント110をホ
スティングするコンピューティングデバイスと同じコンピューティングデバイスの部分に
することができる。
【0038】
サービスコンシューマコンポーネント310には、コンシューマエージェント320と
ポイントオブプレゼンス330とを設けることができる。ディスカバリサービスコンポー
ネント210は、例えば、サービスライブラリ130内の1つ以上のウェブサービスに対
応するURIを受信し、存在する場合には展開されたウェブサービスのエンドポイント1
43に対応する1つ以上のURLを要求するとともにこれを解決するように構成すること
ができる。特定のウェブサービスの複数の実装を、ある実施例と関連してサービスライブ
ラリ130に対しパブリッシュしうる。これらの実装の各々は、同じURIに対応する。
特定のウェブサービスは、例えば、多数の異なる言語を用いるか、又は1つ以上の異なる
展開環境を要求するか、或いはこれらの双方を行って実装することができる。これらの実
装の各々は、サービスライブラリ130内に記憶させることができるとともに、同じUR
Iに対応させることができ、しかもこれらの実装の各々により同じインターフェースを実
装し、特定の実装の何れか1つに対する呼出しにより同じ返答をもたらし得るようにする
。コンシューマエージェント320はポイントオブプレゼンス330に結合させることが
できる。ポイントオブプレゼンス330はディスカバリサービスコンポーネントと通信す
ることができるとともに、URLを用いてエンドポイント143に結合させることができ
る。このポイントオブプレゼンス330は、サービスロケーションに関して抽象化すると
ともにコンシューマエージェント320のビューを維持し、これによりウェブサービスの
インスタンス化へのコンシューマエージェントに対するゲートウェイとして作用するよう
に構成することができる。
【0039】
この代表的な実施例に関してここに開示する技術では、ウェブサービスを記述するのに
URLを用いる必要がないようにする。その理由は、URLは時間と共に無効となるおそ
れがある為である。その代り、如何なる時点でも0個以上のアクティブエンドポイントを
有しうるサービスを抽象的に記述するURIでウェブサービスを識別しうるようにする。
サービスコンシューマコンポーネント310では、サービスエンドポイント143に対す
る位置決め及び結合のタスクをサービスコンシューマコンポーネントの代わりに遂行する
機構を導入することにより、これらのタスクを取除くことができる。
【0040】
この技術によれば、起動要求に含まれるURIからライブエンドポイントURLを透過
的に解決しうるウェブサービスの消費に対し制限されたメディエーションフレームワーク
を提供しうる。このフレームワークは、上述したように且つ図3に示すように、アーキテ
クチュアである“ポイントオブプレゼンス”のインスタンス化へのゲートウェイとして作
用しうるサービスコンシューマコンポーネント310に存在するプロキシ機構として実現
しうる。コンシューマエージェント320のソフトウェアは、このローカルのポイントオ
ブプレゼンス330に結合されるとともに、所望のウェブサービスのURIを用いてウェ
ブサービスの動作を呼出すように書き表すことができる。ポイントオブプレゼンス330
は、ウェブサービスのアクティブエンドポイントのリストをアクティブサービスディレク
トリ220から検索し、使用するエンドポイントを選択し、サービスコンシューマコンポ
ーネント310のために必要な動作を呼出し、何らかの結果を戻すことにより、URIか
らURLを透過的に解決するために応答しうるようにできる。また、これは、ウェブサー
ビスが展開されるサービスホスト147及びこれらウェブサービスの不履行を透過的に検
出及び回復させたり、(ローカルポリシーに応じて)他のエンドポイント143を再試行
することによりこれらの不履行を積極的に回復させたりするように応答しうるようにもす
ることができる。回復不能なエラーはサービスコンシューマコンポーネント310に戻し
、インフラストラクチャのリソースが利用可能であると仮定して、現在では要求を満足で
きないということを表すようにすることができる。
【0041】
ポイントオブプレゼンス330は、サービスロケーションに関して抽象化しうるととも
に、依然としてコンシューマ310のビューをシステム上に維持することができる。例え
ば、ディベロッパーがウェブサービスを、これが現在展開されているか展開されていない
かに拘らず、プログラミングするようにすることにより、コンシューマエージェント32
0のアプリケーションを簡単化することができる。更に、ディスカバリサービスコンポー
ネント210との相互作用を必要とする全てのタスクを消費する為、ポイントオブプレゼ
ンス330は、インフラストラクチュアで用いられる特定の標準バージョン(例えば、U
DDIバージョン)に関して抽象化層を提供しうる。これにより、標準の発展に直面して
陳腐化することに対する障壁を提供しうるとともに、コンシューマエージェントのアプリ
ケーションを、異なる標準を用いている環境間でのポータブルアプリケーションとするこ
とができる。
【0042】
代表的な更に他の実施例で図4を参照するに、ウェブサービスを提供する方法には、1
つ以上のウェブサービスをサービスライブラリ内に記憶するステップ(ステップ410)
を設けることができる。サービスライブラリは例えば、パブリッシュされたウェブサービ
スをパブリッシャから受信しうる(ステップ411)。1つ以上のサービスホストに関連
するデータは、ホストディレクトリ内に記憶させることができる(ステップ420)。例
えば、ホストディレクトリは、サービスホストに関連するデータ、例えば、サービスホス
トがホスティングをしようとしているパブリッシャからの利用可能なリソースに関するデ
ータを受信することができる(ステップ422)。マネージャは、各サービスホストにお
けるサービスエンドポイントに関するウェブサービスの展開及び展開解除を制御しうる(
ステップ430)。例えば、マネージャは、ウェブサービスに関する情報及びサービスホ
ストに関連するデータを検索するためにサービスライブラリ及びホストディレクトリに問
合せしうる(ステップ431)。次いで、マネージャは、ウェブサービスに関する情報及
びサービスホストに関連するデータを用いて展開プランを発生させることができる(ステ
ップ432)。次いで、マネージャは、展開及び展開解除要求をサービスホストに送信し
うる(ステップ433)。次いで、サービスホストは展開要求に応答してウェブサービス
をインスタンス化するか(ステップ434)、又は展開解除要求に応答してウェブサービ
スをインスタンス化解除しうる。利用データ及びその他の情報はサービスホストからマネ
ージャにフィードバックすることができる(ステップ440)。
【0043】
マネージャは、ウェブサービスを展開するエンドポイントに関する情報を、アクティブ
サービスディレクトリを含むディスカバリサービスコンポーネントに送信しうる(ステッ
プ450)。サービスコンシューマは、URI要求を、例えばローカルのポイントオブプ
レゼンスを介してディレクトリサービスに送信しうる(ステップ460)。このディレク
トリサービスはマネージャと関連して、URI要求に応答してURL応答を生じることが
でき(ステップ470)、サービスコンシューマは所望のウェブサービスをホスティング
するエンドポイントに結合しうるようになる。
【0044】
ここに開示するシステムのあるコンポーネント間の代表的な相互作用に関し図5図1
0を参照して以下に記載するが、これは説明の目的のためであり、本発明をこれに限定す
るものではない。
【0045】
本発明の要旨の実施例によれば、図5を参照するに、サービスコンシューマ310は、
必ずしもウェブサービスのエンドポイントと直接相互作用する必要はない。例えば、サー
ビスコンシューマ310は、ローカルのポイントオブプレゼンス330に結合させ、その
動作を起動させることができる。POPはサービスコンシューマ310とコロケートする
ことができる。すなわち、コンシューマエージェント320は、例えば、プロトコル、ホ
スト名及びローカルURIのポートが付されたウェブサービスのURIへの静的な結合を
達成させるように書き表すことができる。
【0046】
例えば、URI“ServiceA”により識別されるウェブサービスの動作“x”を起動する
ことを図5に示す。コンシューマエージェントのアプリケーションはPOPに結合させ、
その動作を起動させることができ、次いでこのPOPが要求されたウェブサービスのエン
ドポイントを位置決めすることができる。POPは、URI“ServiceA”をパラメータと
して有する“findAll”動作(“全てを見い出せ”という動作)を起動させることにより
検索要求をアクティブサービスディレクトリ220に送信することができるとともに、“
ServiceA”(541、551及び552)の現在能動的であるアクティブエンドポイント
540及び550を記述しているサービスインスタンスディスクリプタのリストを受信し
うる。POPは、エンドポイントに接続してサービスコンシューマのために動作“x”を
起動する前に、どのエンドポイントを選択するかのローカルポリシーをユーザに供給する
ことができる。この動作の結果をPOPに戻し、最終的にコンシューマエージェント32
0のアプリケーションに戻すことができる。
【0047】
本発明の要旨の実施例によれば、図6を参照するに、パブリッシャ160は、ウェブサ
ービスの実装をパブリッシュ及びアンパブリッシュ(パブリッシュ解除)するためにサー
ビスライブラリ130と相互作用するサービスコンシューマとしうるが、必ずしもこのよ
うにする必要はない。パブリッシャ160には、他のサービスコンシューマ(例えば、3
10)と同様に、コンシューマエージェント610及びポイントオブプレゼンス620を
設け、外部の如何なるウェブサービスとも直接相互作用する必要がないようにし、その代
りローカルのポイントオブプレゼンス620を介して所望の動作を起動させるようにする
ことができる。
【0048】
例えば、(サービスインプリメンテーションディスクリプタで記述された)ウェブサー
ビスの実装をパブリッシュするために、パブリッシャ160をローカルのポイントオブプ
レゼンス610に結合させ、所望のサービスインプリメンテーションディスクリプタを有
するサービスライブラリ130の“publishServiceImplementation”(サービスインプリ
メンテーションをパブリッシュせよ)の動作を起動しうる。インプリメンテーション(実
装)がパブリッシュされると、このインプリメンテーションが直ちに使用しうるようにな
り、需要を満足させるのに必要な可能なサービスホスト上で展開しうるようになる。
【0049】
本発明の要旨の実施例によれば、図7を参照するに、サービスホスト147は、サービ
スプロバイダの役割に寄与することと、サービスコンシューマとしても作用することとの
双方を達成するようにしうるが、必ずしもこのようにする必要はない。サービスホスト1
47には、他のサービスコンシューマ(例えば、310)と同様に、コンシューマエージ
ェント710及びローカルのポイントオブプレゼンス720を設けることができる。この
サービスホスト147自体には、例えば、ホストディスクリプタを用いてホストディレク
トリ130を記述することによりこのホストディレクトリ130を登録し、このサービス
ホスト147が、ローカルのポイントオブプレゼンス720に結合され、ホストディレク
トリ130の“addAuthorizedPublisher”(認可されたパブリッシャを加える)の動作を
起動するようにしうる。従って、ローカルのポイントオブプレゼンス720を介してサー
ビスホスト147を動作させることにより登録処理を遂行でき、同じ起動処理をインフラ
ストラクチュアにより全てのサービスコンシューマに提供しうる。登録時には、サーバホ
ストのホストディスクリプタを、需要を満足させるのに必要なものとして消費する準備の
あるホスティングリソースの共用プールに加えることができる。
【0050】
本発明の要旨の実施例によれば、図8を参照するに、何れかのサービスコンシューマ3
10と関連するポイントオブプレゼンス330は、サービスコンシューマ310のための
ウェブサービスに関し位置決めし、結合し、動作を起動しうるトランスペアレントのエン
ドポイントレゾリューション及び障害回復システムとしうる。例えば、ウェブサービスの
アクティブインスタンスを位置決めするために、ポイントオブプレゼンスを“アクティブ
サービスディレクトリ”810と称するウェブサービスと相互作用させ、ウェブサービス
のURIをパラメータとして有するその“findOne”動作(“1つを見い出せ”という動
作)又は“findAll”動作(“全てを見い出せ”という動作)の何れかを起動させるよう
にする。
【0051】
アーキテクチュアのインスタンス化に関与するためには、ローカルのポイントオブプレ
ゼンスがアクティブサービスディレクトリの少なくとも1つのエンドポイント810の予
備知識を有するようにしうる。アクティブサービスディレクトリの如何なる他のエンドポ
イントも、ウェブサービスのURI“Active Service Directory”の下でアクティブサー
ビスディレクトリ220内にリストアップすることができるとともに、“findOne”及び
“findAll”動作を用いて位置決めすることができる。POPは、失敗時に使用するため
に、アクティブサービスディレクトリの他のエンドポイントのリストを検索し且つ記憶さ
せるようにすることができる。
【0052】
本発明の要旨の実施例によれば、図9を参照するに、アクティブサービスディレクトリ
220が、ゼロのアクティブエンドポイントを有するウェブサービスに対する検索要求を
受信すると、このウェブサービスのマネージャ150のインスタンスを位置決めしてエン
ドポイントを展開しうるようにする。アクティブサービスディレクトリ220は、そのロ
ーカルのポイントオブプレゼンスに結合し、且つ最初に要求されたウェブサービスに対し
応答しうるマネージングエントリ920のURIを用いてアクティブサービスディレクト
リ“findOne”又は“findAll”動作を起動することにより、独自の検索機能を利用するこ
とができる。このURIは、例えば、“Manager ”のURIを要求されたウェブサービス
のURIに連結させてパターン“WebServiceURI_ManagerURI”が得られるように構成する
ことができる。アクティブサービスディレクトリは、“Manager”インターフェースを実
装するウェブサービスのエンドポイントを記述するサービスインスタンスディスクリプタ
(ServiceInstanceDescriptor)を返信することができる。
【0053】
マネージャ150は、これらが管理しているウェブサービスのディレクトリの記録を維
持する責任を負う場合がある為、マネージャ150は、これらが展開している如何なるエ
ンドポイントの記録をも、アクティブサービスディレクトリ220内に挿入しうるように
する。マネージャ150は、この動作を、例えば“requestFirstInstance”(“第1のイ
ンスタンスを要求せよ”)の起動により遂行し、展開及び登録処理の全体が成功裏に終了
された場合には“true”を返信し、その他の場合には“false”を返信する。“false”を
返信する“requestFirstInstance”動作は、システムが現在の状況にあると、ウェブサー
ビスの新たなインスタンスを展開することができないということを表すことができる。こ
の状態は、要求中のエンティティ(すなわち、サービスコンシューマ)に返信しうる回復
不能なエラーを表しうる。動作により“true”を返信する場合には、アクティブサービス
ディレクトリ220は最初に要求された検索動作を再遂行し、新たに挿入されたサービス
インスタンスディスクリプタを要求中のエンティティに返信することができる。
【0054】
本発明の要旨の実施例によれば、図10を参照するに、マネージャ150は、以下に例
示的な説明するように(この説明に限定されない)、サービスライブラリ130、ホスト
ディレクトリ120、1つ以上のサービスホスト147及びアクティブサービスディレク
トリ220を有する種々のコンポーネントと通信することができる。例えば、図10aを
参照するに、マネージャ150は、展開されるウェブサービスの一組の実装を検索するた
めにサービスライブラリ130の動作を起動することができる。これらの実装の各々を、
サービスインプリメンテーションディスクリプタで記述することができる。すなわち、こ
のディスクリプタのエレメントを後にマネージャ150により用いて、展開用の適切な候
補の実装を選択することができる。
【0055】
同様に図10bを参照するに、マネージャ150は、展開処理中にホストディレクトリ
120の動作を起動することができる。マネージャ150は、ホストディレクトリ120
を用いて、指示されている(例えば、固有のパブリッシャIDにより指示されている)パ
ブリッシャ160によりパブリッシュされたウェブサービスの実装を展開しようとしてい
るサービスホスト147を識別する一組のホストディスクリプタを検索することができる
。マネージャ150は、サービスライブラリ130から検索されたサービスインプリメン
テーションディスクリプタと、ホストディレクトリ120から検索されたホストディスク
リプタとを比較して、ローカルポリシーに基づく適切な候補の展開プランを作成すること
ができる。プランが選択されると、マネージャ150は選択されたサービスホスト147
と連絡し、展開処理を開始することができる。
【0056】
図10cを参照するに、マネージャ150は、(ホストディスクリプタで記述された)
選択したサービスホスト147における展開に対し(サービスインプリメンテーションデ
ィスクリプタで記述された)適切なウェブサービスの実装を選択した後に、ホストディス
クリプタに含まれるサービスホスト147に結合しうるとともに“展開”(“deploy”)
動作を直接起動しうる。展開が成功すると、サービスホスト147は、新たに展開したウ
ェブサービスのエンドポイントを記述するサービスインスタンスディスクリプタをマネー
ジャ150に返信しうる。マネージャ150は次いで、このサービスインスタンスディス
クリプタをアクティブサービスディレクトリ220内に登録し、展開処理を終了させるこ
とができる。
【0057】
図10dを参照するに、上述したこととは相違し、サービスホスト147はこれらのド
メイン(例えば、これらの制御下にあるコンテナ)内で展開される各ウェブサービスのエ
ンドポイントに対し、利用データをそのウェブサービスのマネージングエントリに報告し
うる。サービスホスト147はローカルのポイントオブプレゼンス720に結合しうると
ともに、“Manager”のURIをデータが報告されているウェブサービスのURIに連結
させる(例えば、“WebServiceURI_ManagerURI”を得る)ことにより識別されるウェブサ
ービスの“reportUsageData”動作(“利用データを報告せよ”の動作)を起動しうる。
この“reportUsageData”動作は、この特定のウェブサービスに対する利用データを次に
報告するまでサービスホスト147が待つ必要がある時間長を表す数値を返信しうる。サ
ービスホスト147のローカルポリシーは、(ワーキングメモリのようなローカルのリソ
ースコンテナのために)利用データが要求よりも早期に返信されることを指示しうる。要
求された期間よりもかなり遅くデータを返信させることにより、サービスホスト147に
関する問題、すなわちサービスの利用可能性を有効に管理するためにマネージャ150が
決定しうる情報に関する問題があることをマネージャ150に指示することができる。
【0058】
図10eを参照するに、ウェブサービスのマネージャ150がこのウェブサービスのエ
ンドポイントを成功裏に展開又は展開解除すると、アクティブサービスディレクトリ22
0内にエンドポイントリファレンスを加えるか又はこのアクティブサービスディレクトリ
内のエンドポイントリファレンスを除去することができる。マネージャ150は、ローカ
ルのポイントオブプレゼンスに結合し且つ適切なサービスインスタンスディスクリプタを
用いてアクティブサービスディレクトリ220のウェブサービスの“addActiveService”
動作(“アクティブサービスを加えよ”という動作)又は“removeActiveService”動作
(“アクティブサービスを除去せよ”という動作)を起動することができる。
【0059】
例えば、マネージャ150は、これらが管理するウェブサービスのアクティブサービス
ディレクトリのエントリを維持する責任がある場合がある。サービスプロバイダの責任を
満足させる全てのエンティティのうち、マネージャ150はこれらの各々が管理するウェ
ブサービスの正確な公的な記録を、維持する上で最も関心があるものとみなしうる。その
理由は、ウェブサービスのプロビジョニングレベルを管理するこれらの責任を履行する場
合に決定する上でより重要な情報となりうる正確な利用データをこれらに与えることがで
きる為である。
【0060】
以下の実施例により本発明を更に説明する。この実施例の使用は例示的なものであり、
本発明又は如何なる例示用語の範囲及び意味を制限するものではない。同様に、本発明は
ここに開示する如何なる特定の好適実施例に限定されるものでもない。実際に、本発明の
多くの変形例は、本明細書を読んだ当業者にとって明らかである。本発明は、特許請求の
範囲の権利となる全等価範囲とともにこの特許請求の範囲により理解すべきである。
【0061】
本例では、図11図12及び図13を参照するに、前述した代表的なコンポーネント
の相互作用を、“DayTime”(“デイタイム”)と称するウェブサービスを提供及び起動
するためのエンドポイント展開、サービスの起動及び需要増大に伴う動的展開に対する単
一ステップとして用いて、手続きを説明する。
【0062】
新たなウェブサービスのエンドポイントの展開は、図11におけるように、マネージャ
150により実行しうる。マネージャ150は、新たな“DayTime”ウェブサービス11
00のエンドポイント1120を使用可能にするために、サービスライブラリ130、ホ
ストディレクトリ120、1つ以上のサービスホスト147及びアクティブサービスディ
レクトリ220と相互作用する。
【0063】
説明のためで本発明を限定するものではないが、新たなウェブサービスのエンドポイン
トを展開するために、マネージャ150は最初に有効な展開プラン(例えば、ホストディ
スクリプタ内に記述された“機能”と整合した“要求”を有するサービスインプリメンテ
ーションディスクリプタを具える展開プラン)を作成及び選択しうる。マネージャ150
は、サービスライブラリ130にコンタクト(連絡)し且つ“DayTime”ウェブサービス
のパブリッシュされた全ての実装の組を検索することから開始しうる。返信される各実装
は、サービスインプリメンテーションディスクリプタ1130であって、その各々が“パ
ブリッシャID”(“PnblisherID”)のエレメント1131を有している当該サービス
インプリメンテーションディスクリプタにより記述しうる。マネージャ150は、各実装
に対し、パブリッシャID1131を用いてホストディレクトリ120とコンタクトする
とともに、特定のパブリッシャにより書表されているプロバイダエージェントアプリケー
ションを展開しようとしているサービスホストの組を検索することができる。マネージャ
150は次いで、有効な展開プランの組を作成するとともに、ローカルポリシーに基づく
候補の中から1つを選択することができる。マネージャ150は次いで、展開プランを実
行し、選択されたホストディスクリプタ1150により記述されたサービスホスト140
にコンタクトさせ、選択されたサービスインプリメンテーションディスクリプタ1130
でその“展開”動作を起動させることができる。展開が成功すると、目標とするサービス
ホスト147は、エンドポイント1120を記述するサービスインスタンスディスクリプ
タ1160をマネージャ150に返信しうる。マネージャ150は、サービスインスタン
スディスクリプタ1160をアクティブサービスディレクトリ220内に挿入することに
より展開を終了させることができる。新たに展開されるエンドポイントがアクティブサー
ビスディレクトリ220内にリストアップされると、これを展開し、位置決めする準備状
態にあり、その動作をサービスコンシューマにより起動されるものとみなしうるものであ
る。
【0064】
図12を参照するに、サービスコンシューマ310によるサービス起動には、ローカル
のポイントオブプレゼンス330における結合及び起動用のウェブサービス動作を含める
ことができる。ローカルのポイントオブプレゼンス330は、起動要求を受信するのに応
答して、目標のウェブサービスのアクティブエンドポイントを位置決めするとともに、サ
ービスコンシューマのために要求された動作、例えば、“DayTime”ウェブサービス11
10の “getTime”(“ゲットタイム”)動作を起動する。
【0065】
ローカルのポイントオブプレゼンス330は、コンシューマエージェント320のアプ
リケーションから起動要求を受信すると、最初に、到来する要求から所望のウェブサービ
スURI1210を抽出しうる。ポイントオブプレゼンス330がエンドポイントキャッ
シュを実装する場合には、このポイントオブプレゼンスは最初に、以前に検索したエンド
ポイントのリストを局部的に検査しうる。このようなエントリが存在しない場合には、ア
クティブサービスディレクトリ220を用いて新たなリストを検索しうる。エンドポイン
トのリストが検索されると、ポイントオブプレゼンスは、ローカル選択ポリシーに応じて
使用するための1つを選択しうる。次に、ポイントオブプレゼンス330は、(メッセー
ジに対する可能な変更を含む)起動要求を準備し、選択されたウェブサービスのエンドポ
イントに結合し、起動要求を送付する。起動が何らかの理由で失敗すると、残りのアクテ
ィブエンドポイントに対し同じ処置を試みることができ、全てのエンドポイントが利用で
きないと分かると、一般的なエラーをサービスコンシューマ310に返信しうる。起動が
成功すると最初に、サービスコンシューマ310に返信して起動処理を結論付ける前に、
(この場合もメッセージに対する変更を含むことのできる)結果の応答を準備しうる。
【0066】
図13を参照するに、需要増大に伴う動的システムでは、例えば、現在アクティブエン
ドポイントが存在しないウェブサービスの動作の起動を含む現存の又は予期される事象に
応答してエンドポイントの展開を生ぜしめることができる。このような状況では、図11
及び図12を参照して上述した要旨を遂行しうる。例えば、アクティブサービスディレク
トリ220が“DayTime”ウェブサービス1110の全てのエンドポイントに対する要求
を受信すると、このアクティブサービスディレクトリは、現在何も展開されていないこと
を見つけることができる。このように、アクティブサービスディレクトリ220は、要求
されたウェブサービスの第1のインスタンスの展開を、このウェブサービスのマネージャ
150とコンタクトするとともに“requestFirstInstance”動作(“第1のインスタンス
を要求せよ”という動作)を起動することにより(必ずしも成立されないが)開始しうる
。この時点で、展開処理を上述したようにして実行しうる。すなわち、マネージャ150
が“requestFirstInstance”動作から戻されると、アクティブサービスディレクトリ22
0は検索を再実行するとともに、新たに展開されたエンドポイント1120に対するリフ
ァレンスと、インフラストラクチュア中に現在利用できるリソースがあるものとした場合
に所定時に要求を満足し得ないということを表すエラーとの何れかを返信することができ
る。
【0067】
説明したように、ウェブサービスを展開しうるようにするためには、マネージャ150
はこのウェブサービスに対し現在展開するようにする必要はない。ウェブサービスとして
実装が行なわれ、一般的又はカスタムとした或いはまたその双方としたサービス特有のマ
ネージャの実装がサービスライブラリ130内にパブリッシュされた場合には、マネージ
ャがこれらの特定のウェブサービスを管理するのに用いるのと同じ展開機構を用いて、ウ
ェブサービスのマネージャを展開及び管理することができる。この再帰的でコラプシブル
なモデルは、ウェブサービスインフラストラクチュアが、需要を満足するのに充分なウェ
ブサービスのエンドポイントを提供するように“ワウンドアップ”(“wound up”)とな
り、しかも需要がゼロに減少する場合にゼロのリソース消費の状態に“ワウンドダウン”
(“wound down”)となるようにしうる。
【0068】
幾つかの実施例と関連して上述したように、幾つかのコンポーネント、例えば、110
、210及び310には、種々の機能を実行するためにコンピュータ、プロセッサ、回路
網、モバイル機器、クラスタ又はその他のハードウェアを設けうる。更に、本発明の要旨
の幾つかのエレメントは、コンピュータ可読媒体に記録しうるとともに実行した際にプロ
セッサが幾つかの機能を実行するようにするコンピュータ可読コードで構成することがで
きる。これらの実施例では、コンピュータが、ウェブサービスの提供及び消費の双方又は
何れか一方を達成してこのようなサービスをネットワーク、例えば、インターネットを介
して提供するシステム及び方法を可能にする際の重要な役割を奏する。例えば、コンピュ
ータ、プロセッサ、メモリ、記憶装置及びネットワークハードウェアの存在により、ウェ
ブサービスの環境を展開、消費及び管理するとともに、コンシューマの測定需要に基づい
てリソースを動的に適用及び再要求する能力を提供するものである。
【0069】
更に、幾つかの実施例と関連して上述したように、幾つかのコンポーネントは、例えば
、ネットワーク、例えば、インターネットを介して幾つかの他のコンポーネントと通信し
うる。明確に上述していないが、本発明の要旨は、送信及び受信を含む各トランザクショ
ンの両側を含むようにするものである。上述した特徴事項に関して、あるコンポーネント
が他のコンポーネントに送信、供給又は利用しうるようにする場合には、他のコンポーネ
ントは明瞭に述べられているか否かを受信又は取得することを、当業者は容易に理解しう
るものである。
【0070】
本発明の要旨の範囲は、ここに記載した特定の実施例により限定されるものではない。
実際に、ここに述べた実施例以外の本発明の要旨の変形例は、上述した記載及び添付図面
から当業者にとって明らかとなるものである。このような変形例も特許請求の範囲に入る
ものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図11
図12
図13