(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弾性のシュラウドビーム(7.1)は、ニードルシュラウド(7)がケース(2)に対するニードルシュラウド(7)の近位の動きを妨げる第2の伸長位置(SEP)にあるとき、弾性のケースの逆転防止ビーム(2.4)に当接する、請求項4に記載の自動注射器(1)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
すべての図面において、対応する部材には同じ参照符号が付けられている。
【0019】
図1A〜Dは、組み立て中の本発明による自動注射器1の例示的な実施形態を示している。
図1Aおよび1Bを参照すると、自動注射器1の例示的な実施形態は、前部ケース2.1および後部ケース2.2を有するケース2を含む。別の例示的な実施形態では、ケース2は単一のケースを含むことができる。ケース2の遠位端に、キャップ11を着脱可能に連結することができる。ケース2は、ケース2の透明部分または切り取り部とすることが可能な視認窓2.7を含むことができる。ニードルシュラウド7は、ケース2内に嵌め込み式にすることができる。
【0020】
図1Cに示すように、ケース2は、シリンジ3などの薬剤容器を保持するように適用される。シリンジ3は充填済みシリンジとし、遠位端に配置された針4(
図3C参照)を有することができる。自動注射器1および/またはシリンジ3を組み立てるとき、針4に保護用ニードルシース5を着脱可能に連結することができる。シリンジ3を近位で封止し、シリンジ3に含まれる薬剤Mを針4を通して変位させるために、ストッパ6が配置される。シリンジ3は、ケース2に対してある決まった位置に保持され、そこでその近位端によって支持される。他の例示的な実施形態において、薬剤容器は、薬剤Mを含み、着脱可能な針と係合するカートリッジとすることができる。
【0021】
例示的な実施形態において、ニードルシュラウド7は、ケース2の中に摺動可能に配設され、ケース2に対して近位および遠位に動くことができる。ニードルシュラウド7は、シュラウドばね8によってケース2に対して遠位方向Dに付勢することができる。
【0022】
例示的な実施形態では、ケース2の近位部材の中に駆動ばね9(たとえば、圧縮ばね)が配置される。プランジャ10は、駆動ばね9の力をストッパ6に送るように働く。例示的な実施形態において、プランジャ10は中空であり、駆動ばね9はプランジャ10の内部に配置され、プランジャ10を後部ケース2.2に対して遠位方向Dに付勢する。例示的な実施形態において、プランジャ10はプランジャボス10.1を含み、プランジャボス10.1は、ニードルシュラウド7が注射部位に接して押し下げられる前にプランジャ10が解放されるのを防止し、ニードルシュラウド7が押し下げられるとプランジャ10を解放するように配置されたプランジャ解放機構12の一部である。
【0023】
自動注射器1を組み立てるプロセスの例示的な実施形態において、駆動ばね9は、プランジャ10に挿入され、近位で後部ケース2.2上に着地され、プランジャ10は、後部ケース2.2に押し付けられ、駆動ばね9を圧縮する。駆動ばね9が適切に圧縮されたとき、プランジャボス10.1がケース2内に形成されたバヨネットスロット2.3と係合するように、プランジャ10を回転させる。次いで、駆動ばね9はわずかに伸び、プランジャボス10.1をバヨネットスロット2.3の中にロックすることが可能になる。プランジャ10は、後部ケース2.2に対する近位方向Pにおける軸方向並進運動および後部ケース2.2に対する回転によってのみ、バヨネットスロット2.3から解放することができる。
【0024】
自動注射器1を組み立てるプロセスの例示的な実施形態において、シュラウドばね8は、前部ケース2.1に挿入され、近位で前部ケース2.1内に着地され、ニードルシュラウド7は、前部ケース2.1に押し付けられ、シュラウドばね8を圧縮する。ニードルシュラウド7上の弾性のシュラウドビーム7.1は、ケース2のシリンジ支持部2.5上の柔軟な(compliant)ケースの逆転防止ビーム2.4と接触する。シリンジ3がまだケース2の中にないとき、ケースの逆転防止ビーム2.4は半径方向内側の方向に偏向することが可能であり、シュラウドビーム7.1は、ケースの逆転防止ビーム2.4を近位方向Pに移動させることができる。シリンジ3は、近位方向Pから遠位方向Dに向かって前部ケース2.1の中に組み込まれる。例示的な実施形態において、シリンジ3は、針4および保護用ニードルシース5が取り付けられた状態で挿入することができる。別の例示的な実施形態において、針4および/または保護用ニードルシース5は、シリンジ3を前部ケース2.1に挿入した後に、シリンジ3に組み付けることができる。シリンジ3が前部ケース2.1に挿入されると、ケースの逆転防止ビーム2.4はシリンジ3に当接し、したがって、半径方向内側に偏向することができなくなる。したがって、シュラウド7が前部ケース2.1に対して遠位方向Dに動くことを可能にするには、シュラウドの逆転防止ビーム7.1が、ケースの逆転防止ビーム2.4のまわりで半径方向外側に偏向しなければならない。
【0025】
自動注射器1を組み立てるプロセスの例示的な実施形態において、組み立て後の後部ケース2.2は、シリンジ3の挿入後、プランジャ10および駆動ばね9によって前部ケース2.1に連結することができる。後部ケース2.2が前部ケース2.1と係合すると、プランジャボス10.1は、前部ケース2.1上の傾斜リブ2.6と接触し、それによって、プランジャボス10.1に軸方向(近位方向P)および回転の力が加えられる。プランジャボス10.1に加えられる軸方向および回転の力によって、プランジャ10は、後部ケース2.2に対して近位方向および回転方向に動かされ、バヨネットスロット2.3を部分的に係合解除する。しかしながら、ニードルシュラウド7上の第1のシュラウドボス7.2がプランジャボス10.1に当接し、傾斜リブ2.6および第1のシュラウドボス7.2は、プランジャボス10.1がバヨネットスロット2.3を完全に係合解除することを妨げる。シュラウドばね8の付勢力を受けて、第2のシュラウドボス7.4がプランジャボス10.1に当接し、したがって、ニードルシュラウド7がケース2から遠位に伸長することが制限される。
【0026】
例示的な実施形態において、プランジャボス10.1、傾斜リブ2.6および第1のシュラウドボス7.2は、プランジャ解放機構12を構成する。
【0027】
自動注射器1を組み立てるプロセスの例示的な実施形態において、シリンジ3の挿入後、キャップ11が保護用ニードルシース5に連結される。キャップ11は、バーブ(barb)、スナップ嵌め、摩擦、フックなどによって保護用ニードルシース5と係合するように配置することができ、したがって、キャップ11が軸方向の遠位方向Dに動くとき、保護用ニードルシース5は軸方向の遠位方向Dに動かされる。キャップ11は、ニードルシュラウド7および/またはケース2と係合することができる。
【0028】
図2Aおよび2Bは、使用前の本発明による組み立て後の自動注射器1の例示的な実施形態の異なる側面図である。
図2Cは、本発明による組み立て後の自動注射器1の例示的な実施形態の長手方向の断面図である。
図2Dは、本発明による組み立て後の自動注射器1の例示的な実施形態の半透明の側面図である。
【0029】
本発明による組み立て後の自動注射器1の例示的な実施形態の操作手順は、以下のようにすることができる:
【0030】
使用前、自動注射器1は、
図2A〜2Dに示す状態にある。該当する場合、使用者は自動注射器1を包装から取り出す。次いで使用者は、薬剤Mを視認窓2.7を通して調べることができる。
【0031】
使用者はキャップ11を取り外し、キャップ11を遠位方向Dにケース2から離すように引き、それによって、保護用ニードルシース5も取り外す。シリンジ3がケース2内に保持されているため、キャップ11を引くことによってかけられる負荷は、ケース2によって消散される。
【0032】
図3A〜3Dに示すように、ニードルシュラウド7は、ケース2から遠位方向Dに突出する伸長位置EPにある。例示的な実施形態において、伸長位置EPは、プランジャボス10.1が第2のシュラウドボス7.4に当接することによって画成され、それにより、シュラウドばね8の力を受けてニードルシュラウド7.4がケース2に対して遠位方向Dに動くことが制限される。
【0033】
図4A〜4Dに示すように、自動注射器1は、ニードルシュラウド7が注射部位に突き当たった状態で注射部位に押し付けられ、それにより、シュラウドばね8の付勢に逆らって、ニードルシュラウド7が伸長位置EPから後退位置RPへ動かされる。ニードルシュラウド7が伸長位置EPから後退位置RPに向かって並進運動するとき、プランジャボス10.1は、第1のシュラウドボス7.2に載り(ride)それに沿って動く。例示的な実施形態において、第1のシュラウドボス7.2は抵抗要素7.5を含むことができ、抵抗要素7.5は、プランジャボス10.1に当接すると、ニードルシュラウド7の近位方向Pにおける並進運動に対する抵抗が高まることによる触覚的なフィードバックを生み出す。触覚的なフィードバックは、ニードルシュラウド7をさらに押し下げることによって針の挿入および/または薬剤Mの送達が開始されることを示す。抵抗要素7.5がプランジャボス10.1を越える(bypass)前に、ニードルシュラウド7がシュラウドばね8の力を受けて伸長位置EPに戻るようにすると、自動注射器1を注射部位から取り出し、再び位置決めすることが可能になる。様々な例示的な実施形態において、抵抗要素7.5は、隆起部、傾斜部、アバットメント、凹部、ばねの移動止め、予荷重されたビームなどの少なくとも1つを含むことが可能であることが当業者には理解されるであろう。
【0034】
プランジャボス10.1が抵抗要素7.5を通過した後、ニードルシュラウド7は、針4が露出されて注射部位に挿入されるように十分に後退している。ニードルシュラウド7が完全に押し下げられて後退位置RPになる(したがって、針4が完全に挿入される)と、第1のシュラウドボス7.2は、プランジャボス10.1から軸方向にオフセットされ、もはやプランジャボス10.1に当接しなくなる。
【0035】
図5A〜5Bに示すように、駆動ばね9の力を受けて、プランジャボス10.1は、傾斜リブ2.6に載って遠位方向Dに動き、プランジャ10をケース2に対して回転させ、バヨネットスロット2.3を完全に係合解除する。したがって、プランジャ10は解放され、ストッパ6を遠位方向Dに前進させ、薬剤Mをシリンジ3から針4を通して変位させる。例示的な実施形態では、プランジャ10がバヨネットスロット2.3を係合解除すると、プランジャボス10.1がニードルシュラウド7に突き当たり、薬剤Mの送達が開始されたことを示す聴覚的なフィードバックを生じさせることができる。薬剤送達の進捗に関する視覚的なフィードバックを提供し、自動注射器1が使用されたことを示す視認窓2.7を通して、前進するプランジャ10を観察することができる。
【0036】
図6A〜6Dに示すように、自動注射器1が注射部位から取り外されると、ニードルシュラウド7は、シュラウドばね8によって針4を覆うように駆動され、後退位置RPから第2の伸長位置SEPに向かって動く。第2の伸長位置SEPにおいて、ニードルシュラウド7は、伸長位置EPよりもケース2から遠くに突出し、ケース2に対してある軸方向位置にロックされる。
【0037】
ニードルシュラウド7が後退位置RPから第2の伸長位置SEPに向かって並進運動するとき、シュラウドビーム7.1は、ケースの逆転防止ビーム2.4のまわりで半径方向外側に偏向される。シュラウドビーム7.1は、ケースの逆転防止ビーム2.4を通過した後、半径方向内側に向かって偏向されない位置まで戻る。シュラウドビーム7.1はケースの逆転防止ビーム2.4に当接するようになるが、逆転防止ビーム2.4はシリンジ3によって内側で支持され、したがって、半径方向内側の方向に偏向されてシュラウドビーム7.1を通過させることができないため、ニードルシュラウド7を、第2の伸長位置SEPからケース2に対して近位方向Pに並進運動させることができない。したがって、ニードルシュラウド7は、第2の伸長位置SEPにロックされる。ニードルシュラウド7のさらなる伸長は、ニードルシュラウド7内のスロット7.3の一端と係合するケースボス2.8によって妨げられる。
【0038】
例示的な実施形態では、自動注射器1が完全な薬剤送達の前に注射部位から取り外された場合、ニードルシュラウド7が第2の伸長位置SEPへ並進運動する。したがって、注射後に針が刺さって負傷する危険性が低減される。
【0039】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0040】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0041】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0042】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0043】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0044】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0045】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0046】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0047】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0048】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0049】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0050】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0051】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0052】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(VH)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0053】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0054】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0055】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0056】
本明細書に記載される装置、方法および/またはシステム、ならびに実施形態の様々な構成要素の変更(追加および/または削除)は、そうした変更およびそのすべての等価物を包含する、本発明の完全な範囲および趣旨から逸脱することなく行うことが可能であることが当業者には理解されるであろう。