(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態になる車両用灯具の詳細について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0015】
まず、添付の
図1には、本発明になる車両用灯具をそのヘッドランプとして搭載した自動車の外観が示されている。即ち、この図において、自動車本体100は、走行時の空気抵抗を低減するために、所謂、流線形状に成形されており、その前面の両側には、それぞれ、右側複合ライト101、左側複合ライト102が取り付けられている。なお、図中の符号103は、当該自動車の前輪を、104は、その後輪を、それぞれ示す。
【0016】
この図からも明らかなように、本発明になる車両用灯具、即ち、左右の複合ライト101、102は、それぞれ、自動車本体100の先端部において、ライン状に取り付けられている。なお、かかる車両用灯具の外観形状によれば、従来のハロゲンランプ等から構成される車両用灯具に比較し、車両先端部における車体の流線形状を乱すことなく、自在に取り付けることが可能となり、これにより、自動車の設計におけるヘッドランプを含めた設計の自由度が大幅に向上することとなる。
【0017】
続いて、以下には、本発明になる車両用灯具である上述したヘッドランプ、即ち、上記左右の複合ライト101、102のうち、特に、
図1に示す自動車の外観図に対して向かって左の複合ライト101の詳細な構造について説明する。
【0018】
図2は、上記の複合ライト101の全体構成を示す展開斜視図であり、更に、
図3は、当該複合ライト101の上面図である。これらの図からも明らかなように、当該複合ライト101は、一例として、例えば、アクリル等の透光性の樹脂を金型成型により成形した、外形が細長くその一側面をテーパ状(略垂直三角形状)に形成した、扁平な棒状、又は、板状の5面体以上の多面体形状を有する導光体である、複合レンズ体3を備えている。
【0019】
なお、この例では、当該扁平な導光体である複合レンズ体3の長手方向の一端面(本例では、左側端面)には、それぞれが個別のLEDで構成され、発光色の異なる複数(本例では2個)の光源2−1、2−2が取り付けられている。また、上記複合レンズ体3の当該端部には、光分離用の「V」字状の溝が形成されている。即ち、これにより、当該「V」字状の溝に対向する導光体の2つの内面がそれぞれ光の反射面(図中3−4面)として機能するようになっている。なお、本例では、一方の個体光源2−1として、白色光を発生する白色LEDを、他方の個体光源2−2として、黄色光を発生する黄色LEDを使用している。
【0020】
また、
図3によっても明らかなように、扁平な導光体である上記複合レンズ体3は、その長手方向に沿った側面(図の前方側面と後方側面)を有しており、その前方側面からは、上述した光源2−1、2−2と共に、後に説明する他の光源からの光を、車両の前方に向かって照射し、そして、その後方側面には、以下にも述べる反射鏡1が配置されている。なお、これらの図における符号1−2は、上記反射鏡1を設置するため、その両側に形成された端部(反射鏡端部)を示している。
【0021】
また、上記複合レンズ体3の前方側面には、例えば、断面略「V」字状の縦方向に延びた溝である、所謂、光拡散部3−5が、複数本、形成されている。なお、これらの溝である光拡散部3−5は、上記複合レンズ体3の前方側面において、上記光源2−1、2−2が取り付けられた端部の近傍では、比較的、粗く(溝間の距離を大きく)、他方、反対側の端部の近傍では、比較的、密に(溝間の距離を小さく)形成されている。なお、この光拡散部3−5は、必ずしも上述した縦方向の溝に限られることなく、全体として光が均等に発散されれば良く、その他の形状として例えば、点状の溝、点状の突起、縦方向の突起部であってもよい。
【0022】
更に、当該反射鏡1の下方には、従来のハロゲンランプ等に替えて、高い強度の白色光を発生する面状の光源(発光部)5が配置されていると共に、当該面状の光源5と上記反射鏡1との間には、レンズ4が設けられている。なお、本例では、上記した高い発光強度を備えた面状の光源5を、一例として、後にも述べるが、各々複数のLEDから構成された複合光源5−1、5−2を、複数(本例では2個)を配列することによって構成している。また、上記のレンズ4としては、面状の光を線状に集光及び光束の形状を変換するため、例えば、外形略円柱状のレンチキュラーレンズを用い、そして、上記面状の光源5の上部において発光面全体をほぼ覆うように配置されている。複合光源(面状の光源)5からの光束を集光したり、その形状を変換したりするためレンズ4の形状は前述したレンチキュラーレンズの他にトロイダル形状や、非球面形状、自由曲面形状を用いても良い。
【0023】
そして、上述した反射鏡1は、上記の図からも明らかなように、例えば、球面又非球面または放物面状や自由曲面形状の、即ち、湾曲した反射面を有しており、上記面状の光源5から発せられ、かつ、上記のレンズ4によって略線状に変換された光を、その反射面で反射・集光して、上記複合レンズ体3の後方側面である入光面に導く。
【0024】
更に、上述した複合レンズ体3の入光面である長手方向の後方側面には、上記反射鏡1からの反射光を所定の形状に形成し、もって、車両前方の路面に所望の照射面(配光性)を得るための光学的手段が設けられている。かかる光学的手段としては、その一例として、フレネルレンズ等のレンズ面を形成し、又は、回折格子(ブレーズ型の回折格子)を形成することが考えられる。特に、フレネルレンズや回折格子を形成することによれば、当該複合レンズ体3の厚肉化や外形の大型化を回避することが出来ることから、特に、好適であろう。なお、本例では、上記
図2において波線で示すように、複数(本例では3個)の回折格子3−1、3−2、3−3が形成されており、ここでは、中央部の回折格子3−2は、その両側の回折格子3−1、3−3に重なるように形成されている。
【0025】
また、
図4(A)には、上述した面状の光源5を構成する複数(本例では2個)の複合光源5−1、5−2のうち、一方の複合光源5−1の詳細を示す。この図では、各複合光源5−1は、複数(本例では、M行×N列=6×3個)の高出力LED素子(半導体発光素子)を平面(Y軸−Z軸)上に、升目状に並べて配置して構成されたものであり、これら複数のLED素子は、図示しないが、制御線等により、個別に駆動することが可能である。なお、一例として、各LED素子のサイズは、0.2mm×0.2mmであり、LED素子間の距離は、0.04mmである。
【0026】
更に、
図4(B)には、上述したM×N個のLED素子の発光面側に近接して配置され、その一方の開口部(図の左側)を、それぞれ、単位光源5−5とし、他方の開口部(図の右側)を開放し、もって、単位光源5−5からの光を所望の配光特性で照射するための、所謂、ライトガイド5−4を示す。このライトガイド5−4は、例えば、図示のように、四角錐、又は、円錐形状であってもよい。これらのライトガイド5−4は、それぞれ対向して配置されたLED発光素子からの光を反射して所定の光ビーム形状、特に光の発散角を小さく変換する機能を有することから、その発光点を高さ方向に設定することを可能とすることから、これらのライトガイド5−4を立体的に(X軸−Y軸−Z軸)その高さを変えて配置することにより、上記面状の光源5からの光の発光点の位置を、適宜、調整することが可能となる。特に、上述した構造になる面状の光源によれば、その後方側面に形成した回折格子3−1、3−2、3−3により集光又は発散されて上述した複合レンズ体3の前方側面から出射される光により得られる照明の配光を設定する場合などにおいて有利であろう。
【0027】
次に、単位光源5−5の構成について述べる。
図12は、単位光源としてWとRの2種類の高出力LED素子を平面(Y軸−Z軸)状に、升目状に6×3個並べて配置して面状に構成した発光部を示し、多数升目状に並べられた単位光源Wの間に少ない数の単位光源Rが部分的に配置されている。
【0028】
単位光源Wは白色発光LEDであり、
図13に示すように、青色LED素子を基板に2個並べて配置し、その一方に青色LED素子からの放射光を励起光として黄色光を発光する蛍光体を重ねて黄色を発光させ、青色LED素子からの放射光と合成(混色)することで白色光を出力する。又は、前述した黄色光に他の一方の青色LED素子の青色の発光と混色することにより白色を得ている。単位光源Rは赤色を発光する赤色LEDであり、
図13に示すように、基板にLED素子を配置して構成される。
【0029】
ここで、赤色とは、赤色の可視光線の場合、または用途に応じては赤色の可視光線の他に近赤外線および赤外線を含む場合もある。一方、前述した白色光と同様に青色LED素子からの放射光を励起光とし赤色または近赤外または赤外光を発光する蛍光体を併用して所望の赤色光を得ることも出来る。
【0030】
更に青色LED素子からの放射光を励起光とし一旦緑色光を発光させ、得られた緑色光を第二の励起光として赤色または近赤外または赤外光を発光する蛍光体を励起し赤色光(
図13中は赤色発光LEDとして図示)を得ることも出来る。
【0031】
上記構成では、単位光源Rから赤が発光されるが、複合光源全体としては白色光の光量が多いので白色光となるが、霧中の視認性向上のため赤色光の発光光量を増加させ白色の色温度を下げるなど光の色温度を制御することも出来る。
【0032】
単位光源5−5の構成の他の例について述べる。
図14は、単位光源としてWとW´の2種類の高出力LED素子を平面(Y軸−Z軸)状に、升目状に3×6個並べて配置して構成したものであり、
図12に示す単位光源Rに代えて、単位光源W´を用いたものである。単位光源Wは白色発光LEDであって、
図13に示すものと同じ構成である。
【0033】
単位光源W´は、
図15に示すように、単位光源Wの構造に赤色LEDの素子を加えて基板に配置したものである。単位光源WとW´の配列割合は
図12と同じである。
【0034】
上記構成では、単位光源W´からは赤みを帯びた白色が発光されるが、複合光源全体としては白色光の光量が圧倒的に多いので、白色光となる。
【0035】
上記した
図12〜
図15に示す各場合において、照射される白色光が車両のヘッドランプとして照射されたとき、照射光に含まれる赤色の光が照射対象物の赤色部分で反射するので、照射対象物の赤色部分を容易に視認することができる。
【0036】
単位光源Rの数は、多すぎると赤みを帯びた光になって明るさ感が低下するので、照射対象物の赤色部分を容易に視認することができるのであれば、少ないほうが良い。
【0037】
図16に発光LEDの分光エネルギーの分布を示し、実線は、従来の青色LED+蛍光体方式の白色発光LEDの分光エネルギーの分布を示す。実線の分布によれば、相対エネルギー強度が赤色付近(光の波長660nm付近)で大きく減少しており、対象物の赤色が見えにくいという傾向であることが分かる。
【0038】
これに対して、
図12〜
図15で説明した実施例では、
図16に示す分光エネルギー分布の本願発明の実施例1の破線に示すように、相対エネルギー強度が赤色付近(光の波長660nm付近)で大きく立ち上がっており、対象物の赤色が見易いという傾向であることが分かる。
【0039】
上記で説明した実施例では、赤色発光LEDは可視光線の赤色を発光する構成としているが、赤外線または近赤外線を選択的に、又は、同時に発光するように構成してもよい。この場合、
図13や
図15において単位光源として、赤外線または近赤外線を発光する赤外線LED素子を備えた単位光源を新たに設け、升目状の配列に部分的に加えるように構成する。そして赤外線LED素子は他のLED素子とは独立して発光駆動制御がなされるように配線される。
【0040】
赤外線LED素子の発光による分光エネルギー分布は、
図16に示す分光エネルギー分布の本発明の実施例2の破線で示すような分布となる。すなわち、相対エネルギー強度が、赤色付近(光の波長660nm付近)より長波長の光部分で大きく立ち上がっている。更に本願発明では後に詳細な説明を行うが波長850nm以上の赤色近赤外線または赤外線(図示せず)付近でも大きく立ち上がった特性としている。
【0041】
近赤外線又は赤外線LED素子は常時は発光を停止しており、赤外/近赤外線対応カメラを用いるときに選択的に発光して用いられる。すなわち、夜間に対向車に対して白色光をロービームにするとともに赤外線を照射し、その赤外線の反射光を上記カメラで好感度にとらえてモニタリングするようにして、対向車の運転手に眩しさを与えずに、かつ、対向車のヘッドライトの陰になって見えにくい歩行者を正確に認知するシステムとして用いられる。
【0042】
なお、上記の例では、一例として、M×N=6×3個の高出力LED素子(半導体発光素子)を用いたものについて説明したが、各発光素子として、更に、微細なものを配列したものでもよく、要するに、所望の発光強度が得られる面状の光源であればよい。
【0043】
続いて、上述した構成になる本発明の車両用灯具、特に、ヘッドランプの機能・動作について、以下に説明する。
<走行ランプ機能>
これは、自動車のヘッドライトの一部において車両の走行時に線状に発光する、所謂、DRL(Daytime Running Lamp)機能である。
【0044】
この走行ランプ機能時においては、
図5にも示すように、上記ヘッドランプを構成する複合レンズ体3の端面(図の左側端面)に取り付けられた一方の光源2−1を発光させる。この光源2−1から発した(白色)光は、図に点線の矢印で示すように、複合レンズ体3を構成する略垂直三角形状に形成された、扁平な棒状の導光体の内部を伝播し、上記光拡散部3−5等を介して、当該複合レンズ体3の発光面である前方側面上の長手方向のほぼ全領域において、その外部に出射する。その結果、上記の
図1において符号101、102で示すように、自動車のヘッドライトの一部において車両の走行時に線状に発光するDRL(Daytime Running Lamp)機能が実現される。
<方向指示ランプ機能>
これは、ヘッドライトの一部において、自動車の走行方向を指示するために発光する、所謂、ターンシグナルランプ機能である。
【0045】
この方向指示ランプ機能時においては、
図6にも示すように、上記ヘッドランプを構成する複合レンズ体3の端面(図の左側端面)に取り付けられた他方の光源2−2を発光させる。この光源2−2から発した(黄色)光は、図に実線の矢印で示すように、複合レンズ体3を構成する略垂直三角形状に形成された、扁平な棒状の導光体の内部を伝播し、特に、複合レンズ体3の他の端面(図の右側端面)近傍に密に形成された光拡散部3−5を介して、その外部に出射する。その結果、
図7において符号105、106で示すように、自動車のヘッドライトの両端部において、車両の走行を指示するために点灯する方向指示ランプ機能が実現される。
【0046】
なお、上述した走行ランプ機能用に光源2−1から発した(白色)光と、方向指示ランプ機能用に光源2−2から発した(黄色)光は、上記複合レンズ体3の端部に「V」字状に形成された溝による反射面3−4の働きにより互いに分離されることから、当該複合レンズ体3の導光体の内部で互いに混じり合うことから回避される。
<ヘッドランプ機能>
ヘッドランプの主要な機能である、即ち、走行路面に照明光を照射するための機能である。
【0047】
即ち、この場合には、添付の
図8及び
図9に矢印で示すように、上述した面状の光源5(即ち、2個の複合光源5−1、5−2)からの高強度の光を、上記レンズ4及び反射鏡1を介して(
図8の反射点c1〜c6を参照)、上記複合レンズ体3である導光体内に導く。その際、その入光面である後方側面の形成した光学的手段(本例では、回折格子3−1、3−2、3−3:
図9の符号b1〜b6を参照)により集光された後、当該導光体の前方側面である出射面から出射し、更には、当該出射面に形成された光拡散部3−5により拡散されて車両の前方に照射される。すなわち、本願発明の車両灯具装置では、面状の光源5から発した光束をレンズ4、反射鏡1、複合レンズ体3に形成した光学手段により配光特性を制御するものである。この際、反射鏡1の表面を鏡面とするのではなく配光特性を制御するために微細光学パターンを設けることでより優れた配光特性の光として照射される。
【0048】
その際、以下にも述べるように、上述した面状の光源5の発光領域や発光強度を制御することによれば、所望の配光特性を得ることが出来る。
【0049】
まず、上記複合レンズ体3から照射光を、それぞれ、所謂、ハイビームとロービームの間で切り替える場合について説明する。この場合、例えば、上述した面状の光源5を構成する複数の発光素子を、選択的に駆動する。より具体的には、例えば、所謂、ハイビームを得る場合、面状の光源5(
図4(A)にそれぞれの構成を示した2個の複合光源5−1、5−2)の発光素子のうち、例えば、面状の光源5の行方向における中心近傍に位置する素子で、上側の行に対応する発光素子を発光させ、他方、ロービームを得る場合には、下側の行に対応する発光素子を発光させる。更に、ワイドロービームを得る場合には、面状の光源5の駆動する発光素子を行方向に増加すればよい。
【0050】
また、例えば、上記面状の光源5を構成する2個の複合光源5−1、5−2を選択的に切り替えることによれば(光源5が1枚の面状体の場合には、左右の領域で切り替える)、導光体である上記複合レンズ体3の前方側面から車両の前方に照射される光を、左右方向に移動することも可能となる。換言すれば、上記面状の光源5の発光領域(パターン)を変えることにより、所望の配光パターンを得ることが可能となる。
【0051】
これによれば、例えば、添付の
図10及び11にも示すように、自動車本体100に取り付けられたステアリング角度検出手段、進路からのそれ量Δ検知手段、走行速度検知手段(但し、ここでは、これらの詳述はせず)により検出された信号に基づいて、上述したハイビーム、ロービーム、ワイドロービームの選択に加え、ヘッドライトからの光ビームを、自動的に、車両の進行方向に向けるようにする等の機能を実現することができ、所謂、アダプティブヘッドライトを実現することができる。なお、
図10において、符号111は、自動車本体100が走行する道路を、113は、当該自動車に取り付けられた、例えば、CCDカメラ等、前方の視界を検知するための手段を示している。
【0052】
また、
図11には、上述した本発明になる車両用灯具(ヘッドライト)により得られる照射特性を示しており、これによれば、車両が直進からカーブに差し掛かる場合において、通常のロービーム115又はハイビーム116−1から、車両の操舵方向に沿って移動するハイビーム116−2に変化する様子が示されている。即ち、図に示した車両前方に存在する注意点(1)及び(2)について、通常のロービーム115又はハイビーム116−1だけでは検出できない注意点(2)についても、操舵方向に沿って移動するハイビーム116−2によれば検知が可能となり、より安全な運転を支援することが可能となる。
【0053】
更には、上記CCDカメラ等の前方の視界を検知する手段からの検出信号に基づいて、上記面状の光源5の発光領域(パターン)を変化することによっても、より安全な運転が可能な配光パターンを得ることも可能となるであろう。例えば、前方からの対向車を検知した場合には、当該対向車に向かって光ビームを発生する領域の発光素子を消灯しあるいは発光強度を低減する、又は、ヘッドランプからの光の配光方向を移動することなどにより、当該対向車へのヘッドライトによる幻惑の発生を回避することも可能となる。
【0054】
以上において、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明によれば、その外観形状からも明らかなように、比較的小型であり、車両の先端部に自在に取り付けることが可能で、ヘッドランプを含めた車両設計の自由度を大幅に向上することが可能であり、更には、走行ランプや方向指示ランプをも含めて一体に構成することで、その製造価格を低減し、又は、車体への組み込み作業をも簡素化することを可能とする優れた車両用灯具を実現することができる。
【0055】
また、以上では、本発明になる車両用灯具を、特に、ヘッドランプへ適用した実施例について詳細に説明したが、しかしながら、本発明はこれに限定されることなく、例えば、車体の後方に取り付けられるテールランプとして利用することも可能であろう。特に、ブレーキランプとして使用する場合等においては、高い発光強度を備えた面状の光源や反射鏡等は不要となることから、より簡潔な構造で安価に実現することが可能となろう。また、その場合、半導体発光素子としては、例えば、赤色光を発生する赤色LEDなどを用いることが好ましい。
【0056】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、しかしながら、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために装置全体を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。