(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ソケットがさらに前記凹部を横断して配置された開口を有し、前記開口が、前記ロープ接続部材の接続点を前記凹部内に保持するための保持ピンを受け入れる大きさ及び形状とされている、請求項1に記載の長さ調整可能な引っ張り組立体。
前記ソケット接続部材が、クレーン構成要素に回転可能に接続するためのピンを受け入れる大きさ及び形状とされたソケット接続部材開口を有する2つの脚を備える、請求項1に記載の長さ調整可能な引っ張り組立体。
前記ソケットがさらに前記ソケット接続部材開口に平行な保持開口を有し、前記保持開口が、前記ソケットの回転を阻止するようにされた保持ピンを受け入れる大きさ及び形状とされている、請求項7に記載の長さ調整可能な引っ張り組立体。
前記ロープ接続部材の前記一部を通すステップが前記第二のクレーン構成要素の表面に対して前記ソケットが垂直でない状態で行なわれるようにされ、当該方法が、前記ソケットを前記第二のクレーン構成要素の前記表面に対して垂直に枢動させるステップと、前記ソケットを所定の位置に固定するステップと、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下において、種々の実施形態をより詳細に規定する。規定された各形態は、それに反することが明確に示唆されていない限り、他の如何なる形態とも組み合わせることが可能である。特に、好ましい又は有利であるとして示された如何なる特徴も、他の好ましい又は有利であるとして示された一つ又は複数の特徴と組み合わせることが可能である。
【0023】
本願明細書および特許請求の範囲において使用されている以下に示す用語は、以下に定義されている意味を有する。
【0024】
用語「クレーンサスペンション組立体部分」とは、互いに連結されてクレーンのためのサスペンション組立体を構成する部分をいう。クレーンサスペンション組立体部分の例としては、a)バックステーブーム頂部とイコライザー又はライブマストとの間の、ときにストラップ部分とも呼ばれる、部分、b)ブーム底部とジブストラットとの間のバックステーの部分、c)ジブストラットとジブ頂部との間のバックステーの部分、及びd)マスト頂部とカウンタウエイトとの間のカウンタウエイトストラップ部分がある。その両端部の頭部に貫通した開口を有する従来からある細長く固い金属部材であるストラップ部分に加えて、ときにワイヤーロープペンダント又はカーボンファイバー引っ張り部材が、クレーンサスペンション組立体、ひいてはクレーンサスペンション組立体部分の長手方向部分を構成するために使用される。該部分は複数の平行に細長く延びる部分から形成される。イコライザー及びブーム頂部はブームサスペンション組立体の部品であり、またブームバックステーストラップに接続されるので、用語「クレーンサスペンション組立体部分」には同様にイコライザー及びブーム頂部が含まれる。「クレーンサスペンション組立体部分」はまた、ブーム底部、マスト頂部、ジブ頂部、ジブストラット頂部及びライブマスト頂部、並びに中間サスペンション部材、のようなストラップ部分に取り付けられる他の部材を含む。
【0025】
用語「ピン」は、貫通した開口を有する2つ以上の構造体の開口に嵌合されてこれら構造体間での枢動回転を可能とする、概して筒状の部材をいう。ピンは、ピンが開口を通して長手軸線の方向に滑るのを防止するために、一方又は両方の端部にコッタピンのような頭部または固定部を有していてもよい。本実施形態において使用されるほとんどのピンは滑らかな軸部を有しているが、ある場合にねじが切られた軸部を有するボルトがピンとして使用され、そのような使用はしたがって用語「ピン」の意味する範囲内でのものである。
【0026】
用語「接続板」は、クレーンサスペンション組立体の細長い部分を組立体の他の部分に保持するために使用される構造体を意味する。典型的には接続部材は貫通した2つの開口を有し、接続部材は、ピンが各開口に通された状態で、クレーンサスペンション組立体における2つの隣接したストラップの間に取り付けられる。接続部材はただ一つのリンク板を有していても良い。より典型的には、接続部材は複数のリンク板から構成されていて、リンク板の間にストラップの頭部を挟み、接続部材/ストラップ部分の接続を通して曲げモーメントがない状態で2つのリンク板を介して引っ張り荷重が均等に伝達されるようにされている。接続部材が取り付けられたストラップが複数の平行に細長く伸びる部材により構成されている場合、接続部材は細長い部材の数よりも多い多数のリンク板を備える。例えば、クレーンサスペンションシステムの部分が2つの細長い部材により構成されている場合、接続部材は3つのリンク板により構成されことになるであろう。
【0027】
用語「タブ」は、構造体から延在している伸長部分をいう。タブは、締結、溶接、接着、又は他の接合のような一般に普及した技術により構造体に連結される分離した構成要素とすることもできる。「タブ対」とは共通の目的のために使用される一対のタブをいう。例えば、タブ対は、対となるタブの間の空間に構成要素を受け入れ、両方のタブが構成要素を固定するために使用されるようにできる。
【0028】
ここに開示の主題は多くの型式のクレーンに対する適用性を有するが、ここからは、
図1においてはライブマストを備える使用形態で示され、また
図2においては固定マストを備える使用形態で示されている移動式リフトクレーン10に関連付けて説明している。移動式リフトクレーン10は、車体12とも称される下部作動部、及び無限軌道14の形態である可動の地面係合部材を備える。もちろん、タイヤのような他の形態の地面係合部材だけでなく、示されている以外の追加の無限軌道が使用されてもよい。
【0029】
回転床20は、旋回リングを有する車体12に取り付けられていて、地面係合部材14に対する軸の周りで旋回可能とされている。回転床20は、回転床20の前方位置において枢動可能に取り付けられたブーム22、回転床20上に第一の端部が取り付けられたライブマスト28、ライブマスト28の第二の端部に隣接してライブマスト28に接続されたブーム巻き上げ索具30、及び可動のカウンタウエイトユニット34を支持している。
図1において、カウンタウエイトユニット34は、支持部材上に複数積み重ねた個別のカウンタウエイト部材を有する。他の実施形態において、カウンタウエイトユニットは単一のカウンタウエイトを有していてもよい。
【0030】
ライブマスト28の頂部と回転床との間のブーム巻き上げ索具30(以下で詳細に説明する)が、ライブマスト28の角度を制御するために使用される。ライブマスト28の頂部とブーム22との間のサスペンション組立体36がブームを支持している。ブーム22上のプーリに吊り荷巻き上げライン(図示しない)が掛けまわされて、第一の端部においてフック(図示しない)を支持する。吊り荷巻き上げラインは、その第二の端部において、回転床20に接続された第一の主要吊り荷巻き上げドラム(図示しない)に巻かれている。回転床20は、移動式リフトクレーン10において一般に設けられる他の要素、例えば操作者運転室やブーム巻き上げ索具30のための巻き上げドラムを備える。
【0031】
ブーム巻き上げ索具30は、ブーム巻き上げドラムに巻き付けられ、ライブマスト28上の滑車を通されたワイヤーローブの形態のブーム巻き上げラインを有する。ライブマスト28は、ブーム巻き上げ索具30を介して回転床20に接続され、サスペンション組立体36を介してブームに接続されている。このような配置により、ブーム巻き上げドラムの回転がライブマスト28と回転床20との間のブーム巻き上げラインの長さを変更して、マストの角度を変更し、これによってサスペンション組立体36を介してブームの角度を変更するようにすることができる。
【0032】
上述のように、ブーム22は複数のブーム部分を互いに接続することによって作られ、ブーム22はブームストラップ部分から作られたサスペンション組立体36によってクレーンの操作中は支持される。サスペンション組立体36の頂端部はブーム22の頂端部に接続され、サスペンション組立体36の中間位置はブーム22の中間位置にペンダント38を介して接続される。
図1のクレーンにおいて、ブーム22は、ブーム22上のいくつかの異なる位置で複数のペンダント38を介してサスペンション組立体36に接続されている。
【0033】
図2は、ライブマスト28の代わりに固定マスト60をさらに備える
図1の移動式リフトクレーンを示している。固定マスト60は、サスペンション組立体62を介してブーム22に接続されている。サスペンション組立体62は、ブームの頂端部の近くの巻き上げ端と、ペンダント64を介した中間位置とにおいてブーム22に接続されている。固定マスト60は固定マスト60とイコライザー66との間を通して固定されたブーム巻き上げラインを有し、イコライザー66は、サスペンション組立体62に固定されて、固定マスト60とブーム22の巻き上げ端との間の距離を調節するようにされ、これによりブームの角度を調節するようにしている。サスペンション組立体62は、上述のブームストラップ部分から構成される。
【0034】
図3は、ブーム挿入部材300の形態の中間サスペンション接続支柱部分の実施形態を示している。中間サスペンション接続支柱部分はブーム挿入部材300に限定されるものではなく、ジブやマストのような他の支柱構造において使用されてもよい。中間サスペンション接続支柱部分の実施形態はブームに限られない。複数の中間サスペンション接続支柱部分から支柱を形成して、サスペンション組立体が複数の位置において支柱に接続されるようにしてもよい。
【0035】
ブーム挿入部材300は、4つの長手方向のシャフト304、305、306、307に連結された構造要素302の格子を有する。シャフトを他の数としたり中間サスペンション接続支柱部分の構造を異なる形態としたりすることも可能であり、
図3の実施形態は単に一例として示したものである。4つのシャフト304、305、306、307は方形パターンで配置され、各シャフト304、305、306、307の軸が方形パターンの頂点に配置されている。シャフト304、305、306、307は軸に沿って互いに平行とされ、全体で支柱を形成している。構造要素302は、ブーム挿入部材300の側面に沿って、シャフト304と305との間、シャフト305と306との間、シャフト306と307との間、及びシャフト307と304との間で、斜めに配置されている。ブーム挿入部材300の各端部において、水平構成要素308、310、312、314及び垂直構造要素316、318、320、322がブーム挿入部材300の方形の端部を形成するようにロッドの間に配置されている。
【0036】
ブーム挿入部材300の第一の端部324は、ブーム挿入部材300の下側のシャフト304、307から延びる第一のタブ326及び第二のタブ328を有する。各タブ326、328は、ピンを受け入れる大きさ及び形状にされた水平開口330を有する。第一のフック332及び第二のフック334は、それぞれブーム挿入部材300の第一の端部324の上側のシャフト305、306から延びている。第一のフック332及び第二のフック334は、上方に開口し、ピンを受け入れる大きさ及び形状にされている。
【0037】
第一の端部324の反対側にあるブーム挿入部材300の第二の端部336は4つのタブ対338を有し、各タブ対338はシャフト304、305、306、307から長手軸線の方向に延在した状態となっている。タブ対338はそれぞれ、第一の端部324上のタブ326、328の幅よりも僅かに大きい距離だけ間隔をあけられた第一のタブ340及び第二のタブ342を有する。タブ対338はそれぞれ、ピンを受け入れる大きさ及び形状とされた開口344を有する。
【0038】
ブーム挿入部材300の第一の端部324とブーム挿入部材300の第二の端部336との間に下側の横材346が配置されている。下側の横材346は、第一の下側のシャフト304から水平方向に第二の下側のシャフト307にまで延びている。下側の横材346は、下側の横材346をブーム挿入部材300に連結する追加的な構造的支持部材348を有する。他の実施形態においては、追加的な構造的支持部材は無くすことも可能である。下側の横材346の上側に第一の接続部材及び第二の接続部材が配置される。
図3の実施形態においては、第一の接続部材及び第二の接続部材はタブ350であり、それぞれ貫通する開口を有する。開口はペンダントを下側の横材346に取り付けるための場所を提供する。
【0039】
下側の横材346の上方にある上側のシャフト305、306に2つの上側の横材354、356が配置されている。上側の横材354、356はペンダントがその間を通過するのに十分な大きさの長手方向の空間を有する。ある実施形態においては、2つの上側の横材354、356は、それらをブーム挿入部材300に連結するための追加的な構造的支持部材を有する。
【0040】
ペンダント要素358、359、360、361は、不使用時にはブーム挿入部材300の格子構造内に格納される。他の実施形態においては、ペンダント要素358、359、360、361はブーム挿入部材300から分離して格納される。第一の一対のペンダント358、361は、第一のブーム長さでの動作のための第一の長さを有する。第二の一対のペンダント359、361は、第二のブーム長さでの動作のための第二の長さを有する。追加的なブーム長さのために追加的な対のペンダントも可能である。対のペンダントは、クランプ、ストラップ、締結具、および同様なもののような従来手段によってブーム挿入部材300内に固定される。
【0041】
図11には、ブーム挿入部材300の輸送中にペンダントを格納するための箱1100を備える
図3のブーム挿入部材が示されている。箱1100は、その側面から延びている2つのタブ1104を有する。タブ1104の外側面の間の距離が下側の横材346上のタブ350の間の距離よりも小さくされており、箱1100のタブ1104が下側の横材346のタブ350に嵌合するようにしている。ピンは下側の横材タブ350の開口内に挿入されるとともにさらに箱1100のタブ1104の開口に挿入されて、箱1100をブーム挿入部材350に固定している。箱1100はペンダントを格納するための一連の区画1108に分割されている。
図11に示す実施形態においては、ペンダントは、可撓性を有していて、格納するためにぐるぐる巻きにされる。ぐるぐる巻きにされると、それらは箱1100の区画1108内に配置される。
図11に示す箱1100は6つの区画1108を有しており、各区画1108は、合計で6つの可能性のある異なる長さに対して、一対のペンダントを収納する。または、他の実施形態では、箱1100に3対のペンダントを格納するように、各区画1108が1つのペンダントを保持する。区画1108を他の数とすることも可能であり、またペンダントの格納は、ある区画1108は1つのペンダントを保持し他の区画1108は2つ以上のペンダントを保持するというように、混成されてもよい。ある実施形態においては、箱1100を覆うようにカバー(図示しない)を取り付けて、ペンダントを保持している区画1108を閉じるようにしている。ブーム挿入部材300の使用中は、箱1100はブーム挿入部材300から取り外される。
【0042】
再び
図3を参照すると、ブーム挿入部材300上にはサスペンション組立体部分362が格納されている。サスペンション組立体部分362は、第一のストラップ組立体363及び第二のストラップ組立体364を備える。ストラップ組立体363、364のそれぞれが、第一のストラップ部分365、第二のストラップ部分366、及び三方向接続部材367を備える。第一のストラップ部分365の第一の端部は三方向接続部材367に連結され、第二のストラップ部分366の第一の端部は三方向接続部材367に連結されている。第一のストラップ部分365の第二の端部は、隣接する構成要素に接続するための接続部材を有する。第二のストラップ部分366の第二の端部は、隣接する構成要素に接続するための接続部材を有する。ストラップ部分365、366の第二の端部は、隣接するストラップに直接接続するようにされている。他の実施形態においては、ストラップ部分365、366の第二の端部は、隣接するストラップに接続板を介して接続するようにされている。ストラップ組立体363、364は、クランプ、ストラップ、締結具、及び同様なもののような一般に使用可能な構成要素を使って輸送や保管のためにブーム部分300に固定されてもよい。
【0043】
図5には、三方向接続部材367に接続された第一のストラップ組立体363の第一及び第二のストラップ部分363、364の詳細図が示されている。各ストラップ部分363、364の第一の端部は、ピンを受け入れる大きさ及び形状とされた開口を有している。三方向接続部材367は、ストラップ部分363、364の厚さと同様な厚さを有している。三方向接続部材367には3つの開口が設けられ、それぞれがピンを受け入れる大きさ及び形状とされている。ストラップ部分363の第一の端部の周囲には一対の接続板368、370が配置されており、接続板368、370の開口372はストラップ部分363の開口と整列している。接続板368、370の開口372とストラップ部分363の第一の端部の開口とにピン(図示しない)が挿入されて、ストラップ部分363を接続板368、370に連結している。接続板368、370は三方向接続部材367の各側部に配置され、接続板の第二の開口374が三方向接続部材367の開口に整列している。接続板368、370の開口374と三方向接続部材367の開口とにピン(図示しない)が挿入されて、接続板368、370を三方向接続部材367に連結している。2つのストラップ部分363、364が三方向接続部材367に連結されるように、残りのストラップ部分364に対しても同様な工程が繰り返される。
図1及び
図2にそれぞれ示されるように、ストラップ部分363、364が三方向接続部材367に連結されて、ストラップ組立体363はサスペンション組立体36及びサスペンション組立体62のようなサスペンション組立体において使用されるように準備される。
【0044】
図4には、下側の横材346とストラップ組立体364とに連結されたペンダント360を有する
図3のブーム挿入部材300の実施形態の側面図が示されている。
図5にはペンダント360と三方向接続部材367との接続部の詳細図が示され、
図6には下側の横材346のタブ350に接続されたペンダント360の詳細図が示されている。この実施形態においては、ペンダント360は可撓性のあるロープ引っ張り部材376である。可撓性のロープ引っ張り部材376は、その各端部において、開口382を有する平行なタブ対380を備える接続部材378を有する。平行なタブ対380は、下側の横材346上のタブ350の幅及び三方向接続部材367の幅よりも大きな距離の間隔があけられている。
【0045】
図6に示すように、タブ対380の開口が下側の横材346のタブ350の開口と整列するようにタブ対380が下側の横材346のタブ350を覆って配置されて、ペンダント360の下端部における接続部材378が下側の横材346に連結される。次に開口にピン(図示しない)が挿入されて、ペンダント360は下側の横材346に連結される。
【0046】
図5に示すように、ペンダント360の上端部は、三方向接続部材367を覆って配置されるとともにタブ対384の開口と三方向接続部材367のあいている開口とに整列された上側の接続部材386のタブ対384によって、三方向接続部材367に連結される。開口にピン387が挿入されて、ペンダント360は三方向接続部材367に連結される。
【0047】
図7には、ペンダント360を介してブーム挿入部材300に連結されたサスペンション組立体部分362を備える
図4のブーム挿入部材300が示されている。サスペンション組立体部分362はブーム挿入部材300の上にまで上昇し、ペンダント360はサスペンション組立体部分362とブーム挿入部材300との間で伸びている。これは、移動式クレーンがブーム巻き上げラインを通すことによってブームを持ち上げて、
図7に示されるようにサスペンション組立体部分362を引っ張ってブーム挿入部材300から持ち上げるときに生じる。サスペンション組立体部分362は、移動式クレーンがブームを持ち上げるにつれて、ペンダント360を介してブーム挿入部材300を持ち上げる。サスペンション組立体部分362がブーム挿入部材300を持ち上げる前にブーム挿入部材300の上に上がる高さを調節ためには、ペンダントを別の長さとする。典型的には、ブーム挿入部材300がブームの巻き上げ端の近くで使用されるときには、ブーム挿入部材300がブームの巻き上げ端からより遠くにおいて使用されるときに比べて、より短いペンダントが使用される。
【0048】
図8には別のペンダント組立体800を備える
図3のブーム挿入部材300が示されている。ペンダント組立体800は、筋交い806によって連結された2つの垂直柱802、804を有する。各垂直柱802、804の下端部には、ブーム挿入部材300の下側の横材346に連結するための接続部材806が設けられている。接続部材806は、少なくとも下側の横材346のタブ350の厚さ分だけ間隔があけられているタブ対808である。タブ対808は、ピンを受け入れる大きさ及び形状とされた開口810を有する。
図9に示すように、タブ対808の開口810が下側の横材346のタブ350の開口と整列するように、タブ対810は下側の横材346のタブ350を覆って配置される。開口810にピン(図示しない)が挿入されて、ペンダント組立体800はブーム挿入部材300に連結される。
【0049】
垂直柱802、804はそれぞれ、柱の上端部に配置された長手方向の空洞を有する。長手方向の空洞は、柱挿入部材812を摺動接続部内に受け入れる大きさ及び形状とされている。柱挿入部材812は長手方向の空洞内に配置される。柱挿入部材812は保持機構によって長手方向の空洞内に保持される。このようにして柱挿入部材812は長手方向の空洞内で垂直方向に自由に移動するようになっているが、柱挿入部材812が長手方向の空洞から完全に外れることは保持機構によって阻止されている。ある実施形態においては、保持機構は、柱挿入部材812における垂直方向長穴814(図示しない)と、垂直柱802から垂直方向長穴814内に延びる対応するピン816とである。他の実施形態においては、保持機構は柱挿入部材812の拡大した下端部分と柱の空洞の縮小した上端部分とされて機械的な干渉により柱挿入部材812が柱の空洞から逃げるのを防止するか、または他の如何なる保持機構としてもよい。
【0050】
柱挿入部材812は、ストラップ組立体に連結するための締結具を備える上端部を有する。ある実施形態においては、上端部が可撓性のペンダントの上側の接続部材384に関して上述したように機能するタブ対を有している。そのような実施形態においては、上側の接続部材384は三方向接続部材367に連結される。他の実施形態においては、柱挿入部材812の上端部が柱挿入部材812から延びている2つのタブ818、820であり、各タブ818、820がピンを受け入れる大きさ及び形状とされた開口822、824を有している。そのような実施形態においては、三方向接続部材は必ずしも必要ではなく、接続板368、370の開口と柱挿入部材812上のタブ818、820の開口822、824とにピンを挿入することによって、接続板368、370はペンダント組立体800に直接接続される。
【0051】
図10には
図8及び
図9のペンダント組立体を備えた
図3のブーム挿入部材が示されている。サスペンション組立体部分362はブーム挿入部材300の上にまで上昇し、ペンダント組立体800はサスペンション組立体部分362とブーム挿入部材300との間で延びている。移動式クレーンがブームを持ち上げたときに、ブーム挿入部材300は
図10に示されるようにサスペンション組立体部分362の張力によって持ち上げられる。サスペンション組立体部分362は、移動式クレーンがブームを持ち上げるにつれて、ペンダント組立体800を介してブーム挿入部材300を持ち上げる。サスペンション組立体部分362がブーム挿入部材300を持ち上げる前にブーム挿入部材300の上に上がる高さを調節するために、ペンダントを別の長さとすることもできる。他の実施形態においては、保持機構は柱挿入部材802、804がブーム挿入部材300の上に上がる長さを制御するために調節可能とすることができる。例えば、保持機構が柱挿入部材802、804の長穴814とこの長穴814内に延びるピン816とであるときには、ピン816はサスペンション組立体部分362が上昇する高さを調節するように異なる位置で挿入されるようにしてもよい。
【0052】
図12a及び
図12bには、ブーム挿入部材1201の第一の端部1205と第二の端部1206との間に配置された中間サスペンション接続部を有する別の実施形態に係る挿入部材1201が示されている。挿入部材1201は、各端部1205、1206に配置された取付機構を有している。取付機構は、
図3に関連して上述したように、タブ及び開口を有する。フック、ボルト、クランプ、又は他の同様なもののような他の形式の接続とすることも可能である。挿入部材1201は
図3の実施形態と類似の構造を有しており、同様な構成要素については繰り返して説明はしない。
【0053】
挿入部材1201は、第一の下側のシャフト1208と第二の下側のシャフト1209とに連結された横材1207を有する。横材1207は、それに取り付けられた第一の滑車1210と第二の滑車1211とを有する。第一の滑車1210と第二の滑車1211とは横材1207の周りで回転する。ペンダント組立体1212は、横断ペンダント1215によって接続された第一の可撓性のペンダント1213と第二の可撓性のペンダント1214とを有する。第一のペンダント1213は第一の中間接続部1203において第一の下側のシャフト1208に接続され、第二のペンダント1214は第二の中間接続部1204において第一の下側のシャフト1209に接続されている。
図12aの実施形態においては、各下側のシャフトは、中間接続部1216及び中間接続部1217のような追加の中間接続部を有している。第一のペンダント1213及び第二のペンダント1214はいずれかの中間接続部に連結されるようになっている。ペンダントが接続される中間接続部を変えることによって、ペンダントの有効長さが変更される。
【0054】
図13a及び
図13bには、挿入部材1301の第一の端部1305と第二の端部1306との間に配置されたドラムの形態とされた中間サスペンション接続部を有する、別の実施形態に係る挿入部材1301が示されている。挿入部材1301は、隣接する挿入部材に取り付けるための各端部1305、1306上に配置された取付機構を有する。取付機構は、
図3に関連して上述したようなタブ及び開口を有する。フック、ボルト、クランプ、又は他の同様なもののような他の形式の接続とすることも可能である。挿入部材1301は
図3の実施形態と類似の構造を有しており、同様な構成要素については繰り返して説明はしない。
【0055】
挿入部材1301は第一の下側のシャフト1308と第二の下側のシャフト1309とに連結された横材組立体1307を有する。横材組立体1307は、第一のドラム1310及び第二のドラム1311を有する。各ドラム1310、1311は、ドラム1310、1311の周りに巻かれてドラム1310、1311に連結された付随した可撓性のペンダント1312を有する。可撓性のペンダント1312の自由端1313は、ドラム1310、1311から離れるように延びてサスペンション組立体に接続されるようになっている。ドラム1310、1311は、ドラム1310、1311から延びている可撓性のペンダント1312の長さを調節するために回転される。ある実施形態においては、ドラム1310、1311は手動で回転され、可撓性のペンダント1312が所望の長さだけ延ばされたときにドラム1310、1311を適切な位置で保持するためのブレーキを備えている。他の実施形態においては、ドラム1310、1311は、モータのような電気アクチュエータ、油圧駆動装置のような油圧アクチュエータ、又は機械的接続、によって回転される動力ドラムである。
【0056】
図14a及び
図14bには、挿入部材1401の第一の端部1405と第二の端部1406との間に配置された中間接続部を有する、別の実施形態に係る挿入部材1401が示されている。挿入部材1401は、隣接する挿入部材に取り付けるための各端部1405、1406上に配置された取付機構を有する。取付機構は、
図3に関連して上述したようなタブ及び開口を有する。フック、ボルト、クランプ、又は他の同様なもののような他の形式の接続とすることも可能である。挿入部材1401は
図3の実施形態と類似の構造を有しており、同様な構成要素については繰り返して説明はしない
【0057】
挿入部材1401は、第一の下側のシャフト1408と第二の下側のシャフト1409とに連結された横材組立体1407を有する。横材組立体1407は筒状の巻上げ機1410を有し、筒状の巻上げ機1410はその周りに巻かれた第一の可撓性のペンダント1411及び第二の可撓性のペンダント1412を有する。可撓性のペンダント1411、1412の第一の自由端1413は巻上げ機1410から離れるように延びていて、サスペンション組立体に接続するための端部接続部を有する。可撓性のペンダント1411、1412の第二の自由端1414は、巻上げ機から離れるように挿入部材の下側の面に沿って延びて、第一の下側のシャフト1408と第二の下側のシャフト1409とのうちの何れかに連結される。下側のシャフト1408、1408はそれぞれ、可撓性のペンダント1411、1412の第二の端部が取り付けられる複数の接続部1415、1416、1417を有する。可撓性のペンダント1411、1412の第二の自由端1414が下側のシャフト1408、1409に取り付けられる位置を調節することによって、第一の自由端1413の延在長さが調節される。また、可撓性のペンダント1411、1412の第一の自由端1413の長さは、巻上げ機1410の周りでの可撓性のペンダント1411、1412の巻き数を変更することによって調節可能である。
【0058】
図15a及び
図15bには、挿入部材1501の第一の端部1505と第二の端部1506との間に配置された中間接続部を有する、別の実施形態に係る挿入部材1501が示されている。挿入部材1501は、隣接する挿入部材に取り付けるための各端部1505、1506上に配置された取付機構を有する。取付機構は、
図3に関連して上述したようなタブ及び開口を有する。フック、ボルト、クランプ、又は他の同様なもののような他の形式の接続とすることも可能である。挿入部材1501は
図3の実施形態と類似の構造を有しており、同様な構成要素については繰り返して説明はしない。
【0059】
挿入部材1501は第一の下側のシャフト1508と第二の下側のシャフト1509とに連結された横材組立体1507を有する。横材組立体1507は筒状の巻上げ機1510を有し、筒状の巻上げ機1510はその周りに巻かれた第一の可撓性のペンダント1511及び第二の可撓性のペンダント1512を有する。可撓性のペンダント1511、1512の自由端1513は、巻上げ機1510から離れるように延びていて、サスペンション組立体に接続するための端部接続部を有する。可撓性のペンダント1511、1512の反対側の端部は、巻上げ機1510に連結されている。ペンダント1511、1512の自由端1513の長さは、巻上げ機1510の周りに巻かれる可撓性のペンダント1511、1512の巻き数を変更することによって調節される。
【0060】
図16には、挿入部材1601の第一の端部1605と第二の端部1606との間に配置された中間接続部を有する、別の実施形態に係る挿入部材1601が示されている。挿入部材1601は、隣接する挿入部材に取り付けるための各端部1605、1606上に配置された取付機構を有する。取付機構は、
図3に関連して上述したようなタブ及び開口を有する。フック、ボルト、クランプ、又は他の同様なもののような他の形式の接続とすることも可能である。挿入部材1601は
図3の実施形態と類似の構造を有しており、同様な構成要素については繰り返して説明はしない。
【0061】
挿入部材1601は第一の下側のシャフト1608と第二の下側のシャフト1650とに連結された横材1607を有する。可撓性のペンダント1609、1651は横材1607に接続されていて、横材1607から離れるようにサスペンション組立体に向かって延びる自由端1610、1652を有する。可撓性のペンダント1609、1651は、後述するように横材1607上の接続部内に固定される複数のボタン1611、1612、1613、又は拡径断面部分を有している。ボタン1611、1612、1613は固定長さに設定され、可撓性のペンダント1609、1651を固定するために使用される特定のボタンに応じて、可撓性のペンダント1609、1651の有効長さが調節される。
【0062】
図17は、可撓性のペンダント1609、1651を示している
図16の挿入部材1601の第二の端部1606の斜視図である。
図18は、第一の弦部材1608に沿って位置し、第一のシャフト1608に取り付けられた自由端1653を有する、可撓性のペンダント1609の詳細図である。第一のシャフト1608は、可撓性のペンダントの長さに応じて自由端1653が取り付けられる複数の場所を有する。
【0063】
図19は、
図16の接続部と、その可撓性のペンダント1609のボタン1611、1612、1613との相互関係を示す詳細図である。
図20は
図16の接続部の詳細な断面図である。
図20を参照すると、接続部は、溶接のような従来手段によって横材1607に連結されるタブ対1614を有している。タブ対1614は、ピン1616が挿入される開口1615を有する。ピン1616は、挿入されたときにタブ対1614の両面から延びるように、タブ対1614の外面幅よりも大きい長さを有する。タブ対1614の開口1615内のピン1616には第一のコッタピン1617及び第二のコッタピン1618が固定される。別の実施形態においては、ピン1616は、ねじが切られた端部を有し、開口1615又はタブ対1614の外側のナット内にねじ締めされる。
【0064】
ソケット1619は、タブ対1614の開口1615と同様な開口1621を備える2つの脚1620を有する。使用中は、脚1620はタブ対1614の各タブの間の空間に配置されて、タブ対1614の開口1615と脚1620の開口1621とが整列するようにされる。次に開口1615、1621にピン1616が挿入されて、ソケット1619をタブ対1614に固定する。他の実施形態においては、脚1620は、使用中にタブ対1614の脚1620の間に嵌合するように、タブ対1614の外側幅よりも広い内部空間を有する。
【0065】
図20のソケット1619は、ボタン1622とソケット1619との相互作用が見えるように切断して示されている。ソケット1619は、ボタン1622の外径よりも大きい内径を有する凹部1623を有する。凹部1623の一端に、可撓性のペンダント1609の外径よりは大きいが、ボタン1623の外径よりは小さい、縮径した直径を有する部分1624が設けられている。可撓性のペンダント1609よりは広いがボタン1623よりは狭い長穴1625が、ソケット1619の一側面に沿って切られている。このようにして、可撓性のペンダント1609のボタンの間の部分は長穴1625を通して凹部1623に挿入される。可撓性のペンダント1609は次に、ボタン1622が凹部1623内に摺動するように動かされる。ボタン1622は、凹部の縮径部分1624に到達するまで凹部1623内を摺動する。開口1626はボタン1622の長さをちょうどすぎた位置において凹部1623を横断してソケット1619を貫通しており、ボタン1622が凹部1623内に配置されているときに第二のピン1627が開口1626に挿入されてボタン1622が凹部1623内に固定されるようになっている。
【0066】
一実施形態においては、ボタン1622は柔軟なペンダント1609にかしめられたスリーブである。別の実施形態においては、ボタン1622はロープの編み方を変更して形成された拡径部分である。ボタン1622は、第二のピン1627を取り外して、凹部1623から滑らせることによって凹部1623から取り外される。そして、柔軟なペンダント1609は、ソケット長穴1625の外に滑らせることによって取り外される。柔軟なペンダント1609の有効長さは、種々のボタンを凹部1623内に挿入することによって調整される。
【0067】
図16乃至
図20の柔軟なペンダントは、実施形態において、中間吊り下げ接続部材以外の引っ張り部材として利用してもよい。
図21は、長さ調整可能な引っ張り部材を使用するのに適した一般的な接続部材2100を示す。使用時には、一般的な接続部材2100は、別のクレーン構成要素に張力をかけて接続する必要があるクレーン構成要素に連結される。構成要素2102は、上述のようなブーム挿入部材であるか、または、シャーシ、マスト、回転本体、巻上器、ジブ、床、又は他のクレーン構成要素のような構成要素であってもよい。構成要素2102は、管状の部材として示されているが、平面や他の構成要素の面とすることもできる。
【0068】
構成要素2102は、構成要素2102に連結された第一のタブ2104と第二のタブ2106とを有する。第一のタブ2104と第二のタブ2106は溶接のような従来技術によって構成要素2102に接続される別体構造としてもよいし、又は第一のタブ2104と第二のタブ2106は構成要素2102の一体的部分とすることもできる。第一のタブ2104と第二のタブ2106とはそれぞれ、互いに一直線上にあってピン2210を受け入れる大きさ及び形状とされたタブ開口(
図21では見えない)を有する。タブ2104、2106は、タブ開口が構成要素2102からオフセットするように構成要素2102の表面からから離れるように延びている。
【0069】
ソケット2112は、
図22により詳細に示されているが、ソケット2112の一部がタブ2104、2106の間となるように配置されている。ソケット2112は、ソケットピン2210を受け入れる大きさ及び形状とされた開口2108を有する。組立時には、ソケット開口2108はタブ開口に整列され、ピン2210がタブ開口とソケット開口2210とを通して挿入されて、ソケット2112がピン2210の軸線の周りに回転接続状態で固定される。ピン2210は一端が拡径されていて開口を完全に通過してしまうことを防止しており、またピン2210の他端がコッタピンを受け入れてピン2210がタブ開口の外に滑って戻ることを防止している。
【0070】
図22a乃至
図22dは、ソケット2212をより詳細に示している。ソケット2212は、ピン2210を受け入れるためのソケット開口2108を有する第一の端部と、ロープ接続部材2215(
図23に示されている)を受け入れるための凹部2214を有する第二の端部とを備える。第一の端部は、間に間隔を有する第一の脚2216及び第二の脚2218を有しており、分岐している。脚2216、2218の間の間隔によって、ロープを凹部2214内に通すことができる。他の実施形態においては、単一の脚があるようにしてもよい。
【0071】
図22cは、
図22bのA−A区分に沿うソケット2212の断面図である。この断面図は、ソケット2212の第二の端部とロープ接続部材2215を受け入れるための凹部2214とを示している。凹部2214は、ロープ接続部材2215がそこを通って通過する大きさ及び形状とされており、ロープ接続部材2215上のボタン2222を受け入れるための座部2220を有する。凹部2214の第一の部分2224は、ロープ接続部材2215に固定されたボタン2222と相補的な断面を有しており、脚2216、2218の間の空間からソケット2212の第二の端部の端面2226に向かって延びている。製造を容易にするために、上記断面は円形とされ、また第一の部分2224は円筒とされている。他の実施形態においては、上記断面は四角形のような他の形状であり、第一の部分は相補的な形状を有する。脚2216、2218の反対側の第一の部分2224の端部は、縮径部を有し端面2226を通って延びる第二の部分2228へと移行する。第一の部分2224から第二の部分2228への移行部は、ボタン2222を受け入れるための座部2220を形成している。縮径部は、ロープ接続部材2215の径と相補的な大きさとされて、ロープ接続部材2215が第二の部分2228を通過することができるようにする一方でロープ接続部材2215とソケット2212との間の遊びを最小限に抑える。
【0072】
図22dは
図22bのB−B区分に沿うソケット2212の断面図を示す。断面図はさらに凹部2214を示しており、凹部2214の側面に沿って形成されているアクセス長穴2230を明確にしている。アクセス長穴2230は、ソケット2212の側方から凹部2214にアクセスできるようにしていて、凹部2214の長さに亘って延びている。アクセス長穴2230はロープ接続部材2215の径よりも僅かに大きい幅を有していて、ロープ接続部材2215はアクセス長穴2230を通過することによって凹部2214内に配置されるようになっている。
【0073】
図23はロープ接続部材2215をより詳細に示している。ロープ接続部材2215は、ロープ2232と、ロープ2232に沿って適切な位置に固定されロープ2232に対する拡径部を有する複数のボタン2222とを有する。ロープ2232の第一の端部にクレーン構成要素を接続するための第一の接続部材2234が配置され、ロープ2232の第二の端部はクレーン構成要素に接続するための第二の接続部材2236を有する。
【0074】
複数のボタン2222は、第一の接続部材2234から各ボタン2222までの距離がロープ2232の正常動作距離に対応するように、ロープ2232に沿って別々の位置に固定されている。例えば、
図23に示す実施形態は、第一の接続部材2234から10フィートの位置に第一のボタン2237、第一の接続部材2234から11フィートの位置に第二のボタン2238、第一の接続部材2234から13フィートの位置に第三のボタン2239、第一の接続部材2234から14フィートの位置に第四のボタン2240、第一の接続部材2234から17フィートの位置に第五のボタン2241、第一の接続部材から18フィートの位置に第六のボタン2242、第一の接続部材2242から19フィートの位置に第七のボタン2243、第一の接続部材2242から21フィートの位置に第八のボタン2244を有する。これらの距離は単に例示として与えられたものであり、他の距離や数のボタン2222と可能である。
【0075】
第一の接続部材2234は、当該技術分野でよく知られているような典型的なペンダントピン形式の接続部である。ペンダントピン接続部は、ロープ2232に連結され、ピンを受け入れるための開口を備える第一のタブと第二のタブとを有する。ブーム挿入部材や他のクレーン構成要素のような構成要素は、構成要素から延びる少なくとも一つのタブを有する。ペンダントの第一の及び第二のタブはタブを覆うように配置され、タブの開口を通してピンが挿入されてロープ接続部材2215が構成要素に固定される。
【0076】
第二の接続部材2236は、
図23の実施形態においては単純な安全フックであり、他の実施形態においては第一の接続部材2234のような従来型の接続部材である。荷重はボタン2222によって支持されるため、第二の接続部材は2236第一の接続部材2234と同じ荷重を支持するように設計されている必要はない。むしろ、第二の接続部材2236は、主としてロープ接続部材2215の留められていない端部を固定するための取付部としての役割を果たす。
【0077】
図23の実施形態においては、ロープ接続部材2215上のボタン2222は、ロープ接続部材2215に固定された別体の構成要素である。他の実施形態においては、ボタンはロープ2232の一体的部分である。例えば、ある実施形態においては、ロープ2232はファイバーの拡径部分を個別の間隔で有するように編み込まれている。ワイヤーロープでは難しいかも知れないが、最近の合成繊維は従来とは異なるパターンでより簡単に編み込むことができる。
図23の実施形態では、ロープ2232にかしめられた別個の構成要素を用いている。かしめ工程において、ボタン2222は、所望の位置でロープ2232上に配置され、次に圧縮するように変形される。かしめ工程によって、ボタン2222はロープ2232の強度に相当する強度でロープ2232に固定される。好ましくは、ボタン2222はそれらの位置を示すようにスタンプされるか、そうでなければマークが付けられる。ある実施形態においては、ボタン2222には単一の参照文字がマークされ、他の実施形態においては、ボタン2222にはボタン2222と第一の接続部2234との間の実際の長さの表示がマークされる。
【0078】
図21乃至23を参照すると、使用中においては、ロープ接続部材2215は第一の接続部材2234を使って第一のクレーン構成要素に固定され、ソケット2100は上述のようにして第二のクレーン構成要素に固定される。ソケット2100は取り外し可能なピンを使って取り外し可能に固定される。他の実施形態においては、ソケット2100は第二のクレーン構成要素に取り外せないように固定される。必要とされる引っ張り部材の長さに応じて、ボタン2222を持たないロープ2232の部分が、アクセス長穴2230を通して凹部2214内に送り込まれる。例えば、必要とされる稼働長さが仮に第三のボタン2239に対応するのであれば、第二のボタン2238と第三のボタン2239との間のロープ2232がアクセス長穴2230を通して挿入される。ロープ2232が凹部2214内に配置された状態で、ロープ2232は、第三のボタン2239が座部2220に寄りかかるまで凹部2214の第二の部分2228を通して引っ張られる。次に開口2111内に保持ピンが挿入されて、第三のボタン2239は凹部2214内に保持される。第三のボタン2239が凹部2214内に保持された状態で、ロープ接続部材2215は第一の接続部材2234と第三のボタン2239との間に引っ張り荷重を与えることができる。
【0079】
図24は、クレーン構成要素に回転形態で連結されたソケット2212の実施形態を示す。第一のタブ2106と第二のタブ(図では見えない)は、クレーン構成要素の一部から離れるように延びている。第一のタブ2106と第二のタブは、ピン2110を受け入れる大きさ及び形状とされた開口2248を有する。ソケット2212は、ピン2210を受け入れる大きさ及び形状とされた同様の開口を有する。ソケット2212が第一のタブ2106と第二のタブとの間に置かれた状態で、ピン2210がタブの開口2248とソケットの開口とを通して挿入されて、ソケット2212がタブ2106を介して第二のクレーン構成要素に連結される。ソケット2112は、ピン2110の軸線の周りで
図24に示される位置から
図26に示される位置にまで回転することができる。クレーン構成要素に対して横断する荷重がソケット2212又はロープ2215上に側方荷重もたらさないようにソケット2212が枢動することが有益である。
【0080】
タブ2106には、ともに第二のピン2252を受け入れる大きさ及び形状とされた第一の追加の開口2250と第二の追加の開口2251が設けられている。ソケット2212には、相補的な開口2254が設けられている。相補的な開口2254は、ソケット2212の位置に応じて、追加の開口2250、2251と選択的に整列する。例えば、ソケット2212が
図26に示す位置にある状態では、ピン2256が第二の追加の開口2251を通して挿入されて、ソケット2212を水平位置に固定する。この位置は保管や輸送に便利である。
図25では、ピン2256が第一の追加の開口2250に挿入されて、ソケット2212を傾斜位置に固定している。このような位置はクレーンの組立に便利である。
【0081】
図27は、別の実施形態に係る長さ調整可能な引っ張り組立体2700を示す。この実施形態においては、第一のクレーン部材はジブマスト2702であり、第二のクレーン部材はブーム2704である。長さ調整可能な引っ張り組立体2700は、上述の構成要素からなっており、ジブマスト2704に連結されたロープ組立体2215の第一の接続点2234とブーム2704に連結されたに連結されたソケット2212とを備え、これらによりジブバックステーを形成されている。ある実施形態においては構成要素が逆になっており、ジブマスト2704に連結されたソケット2212とブーム2704に連結されたソケット2212とを備える。他の実施形態においては、第一のクレーン部材がジブマスト2702であり、第二のクレーン部材がジブであり、これら2つをロープ組立体2215が接続する。
【0082】
ここに開示した主題の実施形態はさらに、上述の中間サスペンション接続支柱部分を使用してクレーンを組み立てるための方法も対象とする。この方法においては、少なくとも3つのブーム部分であって、そのうちの少なくとも一つのブーム部分がブーム部分の端部の間に中間サスペンション接続部を有している少なくとも3つのブーム部分が、それらの端部同士が接続されて組み立てられる。少なくとも3つのブーム部分は次に、サスペンション支柱を形成するように端部同士が連結される。組み立てられたサスペンション支柱の第一の端部は次に、回転床の枢動点またはブームの端部の枢動点のようなヒンジ枢動点に連結される。複数のストラップは次に、サスペンションを形成するように端部同士が連結され、サスペンション支柱の第二の端部をマストに接続する。サスペンション要素は次に、中間サスペンション接続部とサスペンションとの間に連結される。サスペンションは次に、ブームの第二の端部を持ち上げるために引っ張られる。マストは、車体に近接したマストを回転することによってストラップを引っ張るライブマストであってもよいし、またはマストとサスペンションとの間の距離を短くすることによってサスペンションを引っ張る固定マストであってもよい。
【0083】
ここに開示の主題の実施形態はさらに、
図27のブーム2704やジムマストバックステー2702のような2つのクレーン構成要素の間の引っ張り組立体を接続する方法を対象とする。この方法においては、ロープ接続部材2215の第一の端部は、ブーム2704のような第一のクレーン構成要素に連結される。
図27の実施形態においては、ロープ接続部材2215はピン接続によってブーム2704に連結されているが、当該技術分野において知られているボルト接続のような他の接続形態とすることも可能である。ソケット2212は、ジブマストバックステー2702のような第二のクレーン構成要素に連結されている。
図27の実施形態においては、ソケット2212はジブマストバックステー2702にピン接続によって連結されているが、当該技術分野において知られている他の接続形態とすることも可能である。
【0084】
ロープ接続部材2215の一部は長穴1625を通って凹部1623内に通される。長穴を通されるロープ接続部材2215の一部は、引っ張り組立体の所望の長さに依存する。ボタンのようなロープ接続部材2215上の拡大接続点は所望の長さに対応し、第一の構成要素の側面上の拡大部分に隣接するロープ2232の一部が長穴1625を通される。ロープ接続部材2215は、拡大部分がソケット内の座部に係合するまでソケット2212を通される。拡大部分は次に凹部内に固定される。第一のクレーン構成要素は次に第二のクレーン構成要素に対して動かされて、ロープ組立体に張力が加えられる。
【0085】
ある実施形態においては、当該方法はさらに、ロープ接続部材の自由端を第二のクレーン構成要素に固定することを含む。ロープの第二の端部における接続は、典型的にはロープ接続部材を保護するために用いられ、荷重を受けるように設計されている必要はない。
【0086】
ある実施形態においては、ロープ接続部材2215は、ソケットが水平面に対して角度を有する状態でソケットに通される。例えば、
図25では、ソケット2212はロープ接続部材2215を受け入れるように配置されている。
【0087】
ここに説明した好ましい実施形態に対して様々な変更や改良をすることは当業者にとって明らかであることが理解されるべきである。例えば、2つの分離した柱挿入部材を使用する代わりに、2つの柱に渡される単一の柱挿入部材を使用することもできる。または可撓性のペンダントを伸長しない単一の剛体のペンダントに置き換えることもできる。さらに、サスペンション接続部は、ブーム挿入部材の2つの端部の間に配置される限りにおいては、下側の横材以外の場所に取り付けてもよい。ペンダント及びソケットは、限定するわけではないがブーム吊り下げ器具、ジブ吊り下げ器具、及びジブバックステー吊り下げ器具のようなブームの中間の吊り下げ器具以外の位置で使用することもできる。