(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6408628
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ポンプ及び液供給装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20181004BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20181004BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20181004BHJP
F04B 23/02 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
H01L21/306 J
H01L21/30 572B
H01L21/304 648Z
H01L21/304 643A
F04B23/02 E
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-50368(P2017-50368)
(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公開番号】特開2018-156989(P2018-156989A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2017年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】崔 文 淳
(72)【発明者】
【氏名】金 錫 奎
(72)【発明者】
【氏名】鄭 英 周
【審査官】
宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−047355(JP,A)
【文献】
特開2000−283050(JP,A)
【文献】
特開平03−294612(JP,A)
【文献】
実開平06−043207(JP,U)
【文献】
特開平10−275794(JP,A)
【文献】
特開2000−331984(JP,A)
【文献】
特開2016−070147(JP,A)
【文献】
特開平07−011931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
H01L 21/304
H01L 21/306
F04B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯藏タンクに貯藏されている液を外部へ供給できるように動力を提供するポンプであって、
ポンプ本体と、
前記ポンプ本体に連結されるマフラーと、
前記マフラーを囲んでいる結露防止装置と、を含んでおり、
前記結露防止装置は、前記マフラーを囲んでいるハウジングを含んでおり、
前記ハウジングには、エアーが排出される複数の通気孔が形成されていることを特徴とするポンプ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記マフラーから離隔されて前記マフラーを囲んでいることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記マフラーの表面には、複数のホールが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記複数の通気孔は、前記ハウジングの側面に形成され、前記複数のホールに対向するように提供されることを特徴とする請求項3に記載のポンプ。
【請求項5】
前記複数の通気孔は、前記複数のホールより大きいことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のポンプ。
【請求項6】
前記ハウジングの材質は、樹脂であることを特徴とする請求項5に記載のポンプ。
【請求項7】
前記マフラーの前記表面は、メッシュ構造で提供されることを特徴とする請求項6に記載のポンプ。
【請求項8】
液を貯藏する貯藏タンクと、
前記液を外部へ供給できるように動力を提供するポンプと、を含んでおり、
前記ポンプは、
ポンプ本体と、
前記ポンプ本体に連結されるマフラーと、
前記マフラーを囲んでいる結露防止装置と、を含んでおり、
前記結露防止装置は、
前記マフラーを囲んでいるハウジングを含んでおり、
前記ハウジングには、エアーが排出される複数の通気孔が形成されていることを特徴とする液供給装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記マフラーから離隔されて前記マフラーを囲んでいることを特徴とする請求項8に記載の液供給装置。
【請求項10】
前記マフラーの表面には、複数のホールが形成されていることを特徴とする請求項9に記載の液供給装置。
【請求項11】
前記複数の通気孔は、前記ハウジングの側面に形成され、前記複数のホールに対向するように提供されることを特徴とする請求項10に記載の液供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マフラーの結露又は結氷を防止するためのポンプ及び液供給装置に係る。
【背景技術】
【0002】
基板表面に残留する粒子(Particle)、有機汚染物、及び金属汚染物等の汚染物質は、半導体素子の特性と生産収率に大きな影響を及ぼす。このため、基板表面に付着された各種の汚染物質を除去する洗浄工程が、半導体製造工程で非常に重要であり、半導体を製造する各単位工程の前後段階において、基板を洗浄処理する工程が実施されている。
【0003】
基板を洗浄処理するためには、基板に、化学薬品(chemical)のような薬液を供給する。薬液供給装置に利用されるポンプは、空気圧を利用するベローズタイプ(bellows type)が利用されている。このようなポンプは、排気部で発生する排気音が大きい。したがって、排気部にマフラー(排気消音器)を設置することが、一般的である。
【0004】
図1は、一般的に使用されるポンプ1を示している。ポンプの排気部2には、騒音を減少させるためのマフラー3が設置されている。マフラー3の表面には、多数のホール4が形成されている。また、マフラー3は、本来の効果のために、材質、厚さ、及びホールの大きさ及び個数等のような仕様(specification)が定められている。ポンプ1に注入されたエアー(air)は、マフラー3の内部を通過し、多数のホール4を通じて外部へ抜け出す。この時、ホール4を抜け出るエアーは、断熱膨張しながら、周囲の熱を吸収し、マフラー3の表面は、冷却されて結露又は結氷現象が発生する。このような現象は、マフラー3のホール4を閉鎖し、エアーの排出が円滑に行われないようにする。これは、マフラー3の作動不良及び工程不良を引き起こす問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−522649号公報
【特許文献2】特開2006−269914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、マフラーの表面に発生する結露又は結氷を防止するためのポンプを、提供することにある。
【0007】
本発明の目的は、ポンプマフラーの作動不良及びこれによる工程不良を防止するための液供給装置を、提供することにある。
【0008】
本発明の目的は、ここに限定されず、言及されないその他の目的は、以下の記載から当業者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はポンプを提供する。
【0010】
前記ポンプは、ポンプ本体と、前記ポンプ本体に連結されるマフラーと、前記マフラーを囲んでいる結露防止装置と、を含んでいる。
【0011】
一実施形態によれば、前記結露防止装置は、前記マフラーを囲んでいるハウジングを含んでおり、前記ハウジングには、エアーが排出される複数の通気孔が形成されている。
【0012】
一実施形態によれば、前記ハウジングは、前記マフラーから離隔されて前記マフラーを囲んでいる。
【0013】
一実施形態によれば、前記マフラーの表面には、複数のホールが形成されている。
【0014】
一実施形態によれば、前記複数の通気孔は、前記ハウジングの側面に形成され、前記複数のホールに対向するように提供されている。
【0015】
一実施形態によれば、前記複数の通気孔は、前記複数のホールより大きい。
【0016】
一実施形態によれば、前記ハウジングの材質は、樹脂である。
【0017】
一実施形態によれば、前記マフラーの前記表面は、メッシュ構造で提供されている。
【0018】
本発明は液供給装置を提供する。
【0019】
前記液供給装置は、液を貯藏する貯藏タンクと、前記液を外部へ供給できるように動力を提供するポンプと、を含んでおり、前記ポンプは、ポンプ本体と、前記ポンプ本体に連結されるマフラーと、前記マフラーを囲んでいる結露防止装置と、を含んでいる。
【0020】
一実施形態によれば、前記結露防止装置は、前記マフラーを囲んでいるハウジングを含んでおり、前記ハウジングには、エアーが排出される複数の通気孔が形成されている。
【0021】
一実施形態によれば、前記ハウジングは、前記マフラーから離隔されて前記マフラーを囲んでいる。
【0022】
一実施形態によれば、前記マフラーの表面には、複数のホールが形成されている。
【0023】
一実施形態によれば、前記複数の通気孔は、前記ハウジングの側面に形成され、前記複数のホールに対向するように提供されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るポンプによれば、マフラー表面に発生する結露又は結氷を防止することができる。
【0025】
本発明に係る液供給装置によれば、ポンプマフラーの作動不良及びこれによる工程不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】洗浄媒体を利用して基板を洗浄する従来の基板処理装置を概略的に示した図面である。
【
図2】基板処理設備を概略的に示した平面図である。
【
図3】本発明に係る液供給装置を含む基板処理装置を概略的に示した図面である。
【
図4】本発明に係る液供給装置を示した図面である。
【
図5】本発明に係るポンプのマフラーを示す図面である。
【
図6】本発明に係るポンプのマフラーを示す図面である。
【
図7】本発明に係るポンプのハウジングを示す図面である。
【
図8】本発明に係るポンプでエアーの流れを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を添付された図面を参照してより詳細に説明する。本発明の実施形態は、様々な形態に変形されることができ、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されない。本実施形態は、当業界で平均的な知識を有する者に、本発明をさらに完全に説明するために、提供されるものである。したがって、図面での要素の形状は、より明確な説明を強調するために誇張されている。
【0028】
以下、
図2乃至
図8を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【0029】
図2は、基板処理設備5を概略的に示した平面図である。
【0030】
図2を参照すれば、基板処理設備5は、インデックスモジュール10と工程処理モジュール20とを含んでいる。インデックスモジュール10は、ロードポート120及び移送フレーム140を含んでいる。ロードポート120、移送フレーム140、及び工程処理モジュール20は、一列に順次配列されている。以下、ロードポート120、移送フレーム140、及び工程処理モジュール20が配列された方向を、第1方向12とする。そして、上部から見る時、第1方向12と垂直になる方向を、第2方向14とし、第1方向12と第2方向14とを含んだ平面と垂直である方向を、第3方向16とする。
【0031】
ロードポート120には、基板Wが収納されたキャリヤー130が置かれる。ロードポート120は、複数個が提供され、これらは、第2方向14に沿って一列に配置されている。
図2では、4つのロードポート120が提供されていることが図示されている。しかし、ロードポート120の数は、工程処理モジュール20の工程効率及びフットプリント等の条件にしたがって増加あるいは減少させてもよい。キャリヤー130には、基板Wの縁を支持するように提供されるスロット(図示されない)が形成されている。スロットは、第3方向16に複数個提供されている。基板Wは、第3方向16に沿って互いに離隔された状態で積層されるように、キャリヤー130内に位置されている。キャリヤー130としては、全面開放一体形ポッド(Front Opening Unified Pod;FOUP)が使用されている。
【0032】
工程処理モジュール20は、バッファユニット220、移送チャンバー240、及び工程チャンバー260を含んでいる。移送チャンバー240は、その長さ方向が第1方向12と並行に配置されている。第2方向14に沿って移送チャンバー240の一側及び他側には、各々の工程チャンバー260が配置されている。移送チャンバー240の一側に位置する工程チャンバー260と移送チャンバー240の他側に位置する工程チャンバー260とは、移送チャンバー240を基準に互いに対称になるように提供されている。工程チャンバー260の一部は、移送チャンバー240の長さ方向に沿って配置されている。また、工程チャンバー260の別の一部は、互いに積層されるように配置されている。すなわち、移送チャンバー240の一側には、工程チャンバー260がAXB(AとBは各々1以上の自然数)の配列に配置されることができる。ここで、Aは、第1方向12に沿って一列に提供される工程チャンバー260の数であり、Bは、第3方向16に沿って一列に提供される工程チャンバー260の数である。移送チャンバー240の一側に、工程チャンバー260が4つ又は6つが提供される場合、工程チャンバー260は、2X2又は3X2の配列に配置される。工程チャンバー260の数は、増加あるいは減少させることもできる。上述したことと異なりに、工程チャンバー260は、移送チャンバー240の一側のみに提供されることができる。また、上述したことと異なりに、工程チャンバー260は、移送チャンバー240の一側及び両側に単層で提供されることができる。
【0033】
バッファユニット220は、移送フレーム140と移送チャンバー240との間に配置されている。バッファユニット220は、移送チャンバー240と移送フレーム140との間に基板Wが搬送される前に、基板Wが留まる空間を提供する。バッファユニット220は、その内部に基板Wが置かれるスロット(図示せず)が提供されている。当該スロット(図示せず)は、複数個提供され、相互に第3方向16に沿って離隔されている。バッファユニット220において移送フレーム140と対向する面と移送チャンバー240と対向する面との各々は、開放されている。
【0034】
移送フレーム140は、ロードポート120に設置されたキャリヤー130とバッファユニット220との間に、基板Wを搬送する。移送フレーム140には、インデックスレール142とインデックスロボット144とが、提供されている。インデックスレール142は、その長さ方向が第2方向14に並べて提供されている。インデックスロボット144は、インデックスレール142上に設置され、インデックスレール142に沿って第2方向14に直線移動される。インデックスロボット144は、ベース144a、ボディー144b、及びインデックスアーム144cを有する。ベース144aは、インデックスレール142に沿って移動可能となるように設置されている。ボディー144bは、ベース144aに結合されている。ボディー144bは、ベース144a上で第3方向16に沿って移動可能となるように提供されている。また、ボディー144bは、ベース144a上で回転可能となるように提供されている。インデックスアーム144cは、ボディー144bに結合され、ボディー144bに対して前進及び後進移動が可能となるように提供されている。インデックスアーム144cは、複数個提供され、各々個別駆動される。インデックスアーム144cは、第3方向16に沿って互いに離隔された状態で積層されるように配置されている。インデックスアーム144cの一部は、工程処理モジュール20によって基板Wをキャリヤー130に搬送する時に、使用され、他の一部は、キャリヤー130によって基板Wを工程処理モジュール20に搬送する時に、使用される。これは、インデックスロボット144が基板Wを搬入及び搬出する過程において、工程処理前の基板Wから発生された粒子が、工程処理後の基板Wに付着することを防止することができる。
【0035】
移送チャンバー240は、バッファユニット220と工程チャンバー260との間に、そして、工程チャンバー260との間に、基板Wを搬送する。移送チャンバー240には、ガイドレール242とメインロボット244とが提供されている。ガイドレール242は、その長さ方向が第1方向12に並んで配置されている。メインロボット244は、ガイドレール242上に設置され、ガイドレール242上で第1方向12に沿って直線移動する。メインロボット244は、ベース244a、ボディー244b、及びメインアーム244cを有する。ベース244aは、ガイドレール242に沿って移動可能となるように設置されている。ボディー244bは、ベース244aに結合されている。ボディー244bは、ベース244a上で第3方向16に沿って移動可能となるように提供されている。また、ボディー244bは、ベース244a上で回転可能となるように提供されている。メインアーム244cは、ボディー244bに結合され、これは、ボディー244bに対して前進及び後進移動可能となるように提供されている。メインアーム244cは、複数個提供され、各々個別駆動される。メインアーム244cは、第3方向16に沿って互いに離隔された状態で積層されるように配置されている。バッファユニット220において基板Wを工程チャンバー260に搬送する時に使用されるメインアーム244cと、工程チャンバー260において基板Wをバッファユニット220に搬送する時に使用されるメインアーム244cとは、互いに異なる。
【0036】
工程チャンバー260内には、基板Wに対して洗浄工程を遂行する基板処理装置300が提供されている。各々の工程チャンバー260内に提供される基板処理装置300は、遂行する洗浄工程の種類にしたがって異なる構造を有することができる。選択的に、各々の工程チャンバー260内の基板処理装置300は、同一の構造を有してもよい。選択的に、工程チャンバー260は、複数個のグループに区分され、同一のグループに属する工程チャンバー260に提供される基板処理装置300は、互いに同一の構造を有し、異なるグループに属する工程チャンバー260に提供される基板処理装置300は、互いに異なる構造を、有することができる。例えば、工程チャンバー260が2つのグループに分けられる場合、移送チャンバー240の一側には、第1グループの工程チャンバー260が提供され、移送チャンバー240の他側には、第2グループの工程チャンバー260が提供されることができる。選択的に、移送チャンバー240の一側及び他側の各々で、下層には第1グループの工程チャンバー260が提供され、上層には第2グループの工程チャンバー260が提供されることができる。第1グループの工程チャンバー260と第2グループの工程チャンバー260とは、各々使用されるケミカルの種類や、洗浄方式の種類にしたがって、区分されることができる。
【0037】
以下では、基板Wを処理する基板処理装置300の一例を、説明する。
図3は基板処理装置300の一例を示す図面である。
【0038】
図3を参照すれば、基板処理装置300は、チャンバー310、カップ320、支持ユニット340、昇降ユニット360、噴射ユニット380、及び液供給ユニット500を有する。
【0039】
チャンバー310は、内部に空間を提供する。カップ320は、チャンバー310内の空間に位置する。カップ320は、基板処理工程が遂行される空間を提供し、その上部は開放されている。カップ320は、内部回収筒322、中間回収筒324、及び外部回収筒326を有する。各々の回収筒322、324、326は、工程に使用された薬液において互いに異なる薬液を、回収する。内部回収筒322は、支持ユニット340を囲んでいる環形のリング形状で提供され、中間回収筒324は、内部回収筒322を囲んでいる環形のリング形状で提供され、外部回収筒326は、中間回収筒324を囲んでいる環形のリング形状で提供されている。内部回収筒322の内側空間322a、内部回収筒322と中間回収筒324との間の空間324a、及び中間回収筒324と外部回収筒326との間の空間326aは、内部回収筒322、中間回収筒324、及び外部回収筒326に薬液が流れ込むための流入口410として、各々機能する。各々の回収筒322、324、326には、その底面の下方向に垂直に延長される回収ライン322b、324b、326bが連結されている。各々の回収ライン322b、324b、326bは、各々の回収筒322、324、326を通じて流れ込まれた薬液を、排出する。排出された薬液は、外部の薬液再生システム(図示せず)を通じて再使用されることができる。
【0040】
支持ユニット340は、カップ320の処理空間内に配置されている。支持ユニット340は、工程進行中に基板を支持し、基板を回転させる。支持ユニット340は、スピンヘッド342、支持ピン344、チャックピン346、駆動軸348、及び駆動部349を有する。スピンヘッド342は、上部から見る時、略円形で提供される上部面を有する。スピンヘッド342の底面には、駆動部349によって回転可能である駆動軸348が固定結合されている。駆動軸348が回転すれば、スピンヘッド342は回転される。スピンヘッド342は、基板を支持できるように支持ピン344とチャックピン346とを含んでいる。支持ピン344は、複数個提供されている。支持ピン344は、スピンヘッド342の上部面の縁部に所定間隔で離隔されるように配置され、スピンヘッド342から上部に突出している。支持ピン344は、それらの組合せによって、全体的に環形のリング形状を有するように配置されている。支持ピン344は、スピンヘッド342の上部面から基板が所定距離離隔されるように、基板の底面縁を支持する。チャックピン346は、複数個提供されている。チャックピン346は、スピンヘッド342の中心から支持ピン344より遠く離れるように、配置されている。チャックピン346は、スピンヘッド342から上部に突出するように、提供されている。チャックピン346は、支持ユニット340が回転される時、基板が正位置から側方向に離脱されないように、基板の側面を支持する。チャックピン346は、スピンヘッド342の半径方向に沿って待機位置と支持位置との間で直線移動可能となるように、提供されている。待機位置は、支持位置に比べてスピンヘッド342の中心から遠く離れた位置である。基板が支持ユニット340にローディング又はアンローディングされる時には、チャックピン346は、待機位置に位置し、基板に対して工程遂行の時には、チャックピン346は、支持位置に位置している。支持位置において、チャックピン346は基板の側部と接触している。
【0041】
昇降ユニット360は、カップ320を上下方向に直線移動させる。昇降ユニット360は、カップ320の複数の回収筒322、324、326を移動させる。また、図示されないが、各々の回収筒は、個別的に移動させることができる。カップ320が上下に移動されることによって、支持ユニット340に対するカップ320の相対高さは、変更される。昇降ユニット360は、ブラケット362、移動軸364、及び駆動器366を有する。ブラケット362は、カップ320の外壁に固定設置され、駆動器366によって上下方向に移動される移動軸364が、固定結合されている。基板Wが支持ユニット340に置かれるか、あるいは支持ユニット340から持ち上げられる時、支持ユニット340がカップ320の上部に突出するように、カップ320は、下降される。また、工程が進行される時には、基板Wに供給された薬液の種類にしたがって薬液が既設定されたカップ320(回収筒322、324、326)に流れ込むように、カップ320の高さが調節される。例えば、第1薬液で基板を処理する間に、基板は、内部回収筒322の内側空間322aと対応される高さに位置決めされる。また、第2薬液、及び第3薬液で基板を処理する間に、各々の基板は、内部回収筒322と中間回収筒324のとの間の空間324a、及び中間回収筒324と外部回収筒326との間の空間326aに対応する高さに、位置決めされる。上述したことと異なり、昇降ユニット360は、カップ320の代わりに支持ユニット340を上下方向に移動させることができる。また、上述したことと異なり、カップ320は、単一の回収筒322を有してもよい。
【0042】
噴射ユニット380は、基板Wに液を供給する。液は、例えば、薬液である。薬液は、硫酸を含むことができる。薬液は、燐酸を含むことができる。液は、例えば、リンス液である。リンス液は、純水である。噴射ユニット380は、回動可能である。噴射ユニット380は、1つ又は複数個提供することができる。噴射ユニット380は、ノズル支持台382、支持台386、駆動部388、及びノズル400を有する。支持台386は、その長さ方向が第3方向16に沿って提供され、支持台386の下端には、駆動部388が結合されている。駆動部388は、支持台386を回転及び昇降運動させる。ノズル支持台382は、駆動部388と結合された支持台386の終端の反対側と、垂直に結合されている。ノズル400は、ノズル支持台382の終端の底面に設置されている。ノズル400は、駆動部388によって工程位置と待機位置に移動される。工程位置は、ノズル400がカップ320の垂直上部に配置された位置であり、待機位置は、ノズル400がカップ320の垂直上部から外れた位置である。
【0043】
図4は、本発明に係る液供給装置を示した図面であり、
図5及び
図6は、本発明に係るポンプのマフラーを示す図面であり、
図7は、本発明に係るポンプのハウジングを示す図面である。
【0044】
液供給ユニット500は、貯藏タンク550、供給ライン560、及びポンプ510を含んでいる。液供給ユニット500は、本発明に係る液供給装置500として利用されている。
【0045】
貯藏タンク550には、液が貯藏される。液は、例えば、薬液である。貯藏された液は、ポンプ510を通じて外部へ供給される。また、貯藏された薬液は、噴射ユニット380に供給される。また、貯藏された薬液は、供給ライン560を通じて噴射ユニット380に供給される。
【0046】
ポンプ510は、ポンプ本体520、マフラー530、及び結露防止装置540を含んでいる。ポンプ510は、ベローズタイプ(bellows type)ポンプが使用されている。
【0047】
ポンプ本体520は、ポンプ510の本体をなす。マフラー530は、ポンプ本体520に連結されている。マフラー530は、ポンプ本体520の排気部522に連結されている。
図5に図示されるように、マフラー530の側表面には、複数のホール532が形成されている。また、
図6に図示されるように、マフラー530の側表面は、メッシュ(mesh)構造に形成されてもよい。マフラー530の内部には、エアー(air)が流れる。エアー(air)は、メッシュ構造に形成された多数のホールを通じて外部へ抜け出される。
【0048】
結露防止装置540は、マフラー530を囲むように提供されている。結露防止装置540は、ハウジング542を含んでいる。
【0049】
ハウジング542は、ポンプ本体520と連結されている。一例として、
図4に図示されるように、ハウジング542の内部に、ポンプ本体520が一部挿入される形態で提供されることができる。この時、ハウジング542は、上部に開口部が形成された円筒形状で提供されている。ポンプ本体520とハウジング542とが接する部分は、強固に密着して外部の空気がハウジング542に流れ込まれないようにする。
【0050】
または、図示されていないが、別の装着部を提供し、ハウジング542がマフラー530又はポンプ本体520と連結されるようにする。装着部は、ハウジング542がマフラー530又はポンプ本体520と連結されかつハウジング542を固定させる構成であれば、どのような形態でも提供することができる。
【0051】
マフラー530は、ハウジング542の内部に位置する。ハウジング542は、マフラー530を囲むように提供されている。ハウジング542は、マフラー530から離隔してマフラー530を囲んでいる。ハウジング542は、断熱効果が高い材質で提供されている。一例として、ハウジング542は、樹脂で提供されている。ハウジング542は、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride、PVC)、又はポリプロピレン(polypropylene、PP)で提供されている。
【0052】
ハウジング542の表面には、複数の通気孔544が形成されている。通気孔544では、エアーが排出されている。すなわち、マフラー530のホール532を抜け出されたエアーは、再び通気孔544を通じて外部へ排出される。通気孔544は、マフラー530に形成されたホール532より大きく提供されている。通気孔544は、ホール532と対向するように提供されている。すなわち、通気孔544は、ハウジング542の側面に提供されている。
【0053】
ハウジング542がポンプ本体520に結合した状態において、ハウジング542の上下部は、閉鎖されるように提供されている。通気孔544は、ハウジング542の側面のみに形成されている。一例として、ハウジング542の下面は、閉鎖されるように提供されている。すなわち、外部の空気が、ハウジング542の下部を通じて内部に流れ込まれないようにする。
【0054】
また、上述したように、ハウジング542の上部には開口部が形成されるが、当該開口部には、ポンプ本体520が挿入されるので、結果的に、ハウジング542の上側外部からハウジング542の内部に、空気が流れ込まない。
【0055】
また、図示されていないが、別の装着部が提供される場合には、ハウジング542の上下面は、全て閉鎖されるように、提供される。
【0056】
以下では、
図8を参照して、本発明に係るポンプ510の駆動を説明する。
【0057】
ポンプ510は、空気圧を利用するベローズタイプ(bellows type)を利用するため、エアーが流入及び排気されることにより、薬液を外部へ供給する動力を提供する。エアーが排気される排気部522には、マフラー530が装着されている。ポンプ510に流れ込まれたエアーは、マフラー530の表面に形成されたホール532とハウジング542の通気孔544とを通じて外部へ排出される。
【0058】
ポンプ510が作動すれば、マフラー530表面は冷却される。この時、ポンプ510の外部にある相対的に高温の空気が、ハウジング542の内部に流れ込めば、結露又は結氷現象が発生する恐れがある。
【0059】
しかし、上述したように、ハウジング542の上部は、ポンプ本体520と結合した状態で閉鎖され、また、ハウジング542の下部は、閉鎖されている。そのため、ハウジング542の上下面を通じた外部の空気流入は、遮断されている。
また、ハウジング542の側面では、通気孔544を通じてエアーが排出されるので、外部の空気が通気孔544を通じて流れ込む量は極めて少ない。このような効果を極大化するために、マフラー530のホール532を通じて排出されるエアーが、その経路を維持し、ハウジング542の通気孔544を通じて抜け出るようにすることが好ましい。このために、ハウジング542の通気孔544とマフラー530のホール532とは、互いに対向するように提供されている。
【0060】
上述したように、ハウジング542とマフラー530との間は、離隔されている。外部から流れ込まれる空気が無ければ、マフラー530によって排出されるエアーは、離隔空間Sを経て再び通気孔544を通じて排出される。そのため、この離隔空間S及びマフラー530表面の周辺に留まるエアーの量は、極めて少ない。したがって、マフラー530の表面が冷却されても、マフラー530の表面に発生する結露又は結氷現象は、最小化することができる。また、ハウジング542材質が、樹脂のような断熱効果が高い材質で提供される場合、ハウジング542の外部が相対的に高温であっても離隔空間S内に熱が伝達されない。したがって、離隔空間Sに留まるエアーと冷却されたマフラー530の表面の温度は、概ね同様に維持される。したがって、マフラー530表面に発生する結露又は結氷現象を、防止することができる。
【0061】
一方、ハウジング542の通気孔544を通じてエアーが排出されながら断熱膨脹してハウジング542表面が冷却され、これによって、ハウジング542表面で結露又は結氷現象が、発生する恐れがある。
【0062】
これを防止するために、ハウジング542は、断熱効果が高くて熱伝導率が低い材質及び厚さで提供されている。一例として、ハウジング542の材質は、樹脂で提供されている。ハウジング542は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)で提供されることができる。また、ハウジング542は、充分な厚さで提供され、実際のポンプ510とマフラー530の作動条件下でもハウジング542の表面に結露及び結氷が発生しないように、することができる。
【0063】
また、ハウジング542の通気孔544に排出されるエアーの断熱膨脹及び冷却効果を減らすために、通気孔544の大きさは、適切に形成されることができる。一例として、通気孔544の大きさは、マフラー530の表面に形成されたホール532よりさらに大きくする。これによって、エアーの急激な断熱膨脹を防止し、ハウジング542の表面の冷却効果を減少させることができる。
【0064】
上述した実施形態においては、基板を処理する装置に係る薬液供給に使用されるポンプを例として説明したが、必ずしもこれに限定されない。したがって、任意の流体を供給するためのポンプ及びマフラーにおいて、マフラーの結露又は結氷を防止する目的であれば、いずれでもよい。
【0065】
以上の詳細な説明は、本発明を例示するものである。また、前述した内容は、本発明の好ましい実施形態を例として説明するためのものであり、本発明は、多様な他の組合せ、変更、及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、前述した開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内において、変更又は修正が可能である。前述した実施形態は、本発明の技術的思想を具現するための最善の形態を説明するためのものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途において要求される多様な変更も、可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は、開示された実施形態に本発明を限定しようとする意図ではない。添付された請求の範囲は、他の実施形態も含むこととして解釈すべきである。
【符号の説明】
【0066】
500 液供給装置、
510 ポンプ、
520 ポンプ本体、
530 マフラー、
540 結露防止装置、
542 ハウジング、
545 通気孔、
550 貯藏タンク。