【文献】
Kyocera,Multiple transmissions to different destinations from the UE-to-Network Relay[online], 3GPP TSG-RAN WG1#82 R1-154010,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154010.zip>,2015年 8月11日,whole document
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一の送信部は、D2D用物理制御チャネルに該当する連続した複数のシンボルのうち、中心のシンボルに参照信号をマッピングし、前記連続した複数のシンボルのうち参照信号がマッピングされたシンボル以外のシンボルに前記D2D用制御情報をマッピングして送信する、請求項3に記載のユーザ装置。
前記D2D用制御情報は、D2D用物理データチャネルに割当てられている無線リソースにおいて前記データがマッピングされているサブフレーム区間を指定する情報を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のユーザ装置。
前記第二の送信部は、前記D2D用制御情報が送信されたサブキャリアに対応づけられるサブキャリアで前記データを送信する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のユーザ装置。
前記第一の送信部は、D2D用物理制御チャネルに割当てられている無線リソースの範囲に応じて、第一のD2D用制御情報フォーマットを用いて前記D2D用制御情報を送信するのか、又は前記第一のD2D用制御情報フォーマットとは異なる第二のD2D用制御情報フォーマットを用いて前記D2D用制御情報を送信するのかを判断する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のユーザ装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る無線通信システムはLTEに準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、12、13、又はリリース14以降に対応する第5世代の通信方式も含む広い意味で使用する。
【0018】
<<システム構成>>
図3に示すように、本実施の形態における無線通信システムは、基地局eNBと、D2D信号を送信する送信側のユーザ装置UEaと、D2D信号を受信する受信側のユーザ装置UEbとを有する。基地局eNBは、例えばマクロセルの報知情報(システム情報:SIB)又はRRC(Radio Resource Control)等を用いて、D2D信号の送受信の為に用いられるリソースプールの割り当て等を行う。なお、以下の説明において、送信側のユーザ装置UEaと受信側のユーザ装置UEbとを、まとめて「ユーザ装置UE」と呼ぶ。
【0019】
本実施の形態において、ユーザ装置UEは、V2Xで規定されている自動車、ドライバーのモバイル端末、及び、歩行者のモバイル端末を含む。また、V2Xで規定されるRSUは、特に断りがない限り、本実施の形態におけるユーザ装置UEであってもよいし、基地局eNBであってもよい。
【0020】
本実施の形態では、従来のD2Dで用いられる無線フレーム構成(
図1)とは異なり、より低遅延な通信を実現可能な無線フレーム構成を用いてD2D通信を行うようにする。
また、本実施の形態では、従来のD2Dのように短い周期で多くの無線リソースを割当てるのではなく、比較的長い間隔及びイベントトリガによりデータが送信される場合に適した無線リソースの割当てを行うようにする。また、本実施の形態では、SCIに含まれる制御情報の一部を省略することで、従来のD2Dよりも少ないデータサイズのSCIを用いた通信を可能にする。これにより、従来のD2Dと比較して、スモールパケットを効率的かつ低遅延に送受信することを可能にする。
【0021】
<<無線フレーム構成>>
まず、本実施の形態で用いられる無線フレーム構成について説明する。なお、以下の説明において、SCIに対応するデータとは、従来のD2Dと同様に、SCIに含まれる制御情報(無線リソースの割当てに関する情報を含む)で指定された無線リソースで送信されるデータを意味する。また、以下の説明において「データ」とは、特に断りがない限りMAC PDUを意味する。
【0022】
<PSCCHとPSSCHとを周波数多重する構成>
図4は、実施の形態における無線フレーム構成(その1)を示す図である。
図4に示すように、本実施の形態では、ユーザ装置UEは、PSCCHとPSSCHとが周波数多重された無線フレーム構成を用いてD2D通信を行うようにしてもよい。無線フレーム構成(その1)を用いることで、ユーザ装置UEは、各サブフレームの各々にSCI及びデータをマッピングすることができる。つまり、送信側のユーザ装置UEaは、あるサブフレームで送信されたSCIに対応するデータを、当該サブフレーム以降のサブフレームにマッピングして送信することができる。これにより、受信側のユーザ装置UEbは、SCIを受信したサブフレーム以降のサブフレームでデータを取得することができるため、遅延が大幅に短縮されることになる。
【0023】
変形例として、PSCCHとPSSCHを周波数多重せず、共通またはオーバーラップしたリソースプールとして、SCI・データそれぞれを送信可能な周波数リソースを拡大してもよい。この時、SCIのブラインド検出精度を向上させるためSCI送信サブフレームの先頭に参照信号及び/又は同期信号のシンボルを多重してもよい。参照信号及び/又は同期信号が多重される周波数リソースはSCIの周波数リソースと同一でもよいし、SCIの周波数リソースとは独立の定められた周波数リソース(例えば中心6PRBなど)でもよい。周波数リソースを限定することでSCI有無の検出が容易になる。
【0024】
(SCIとデータとの対応について)
図5A及びBは、SCIとデータとの対応づけを説明するための図である。無線フレーム構成(その1)が用いられる場合において、従来のD2Dと同様に、同一のSCIと同一のデータとがそれぞれ予め定められたホッピングパターンに従って繰り返し送信(Repetition送信)されるようにしてもよい。例えば
図5Aに示すように、同一のSCI(
図5AのSCI「1」及び「2」)が繰り返し送信され、当該SCIに対応するデータについても、同一のデータ(
図5AのData「1」及び「2」)が繰り返し送信されるようにしてもよい。これにより、従来のD2Dと異なり、SCIの送信と、当該SCIに対応するデータの送信とが並行して行われることになるため、遅延が大幅に短縮されることになる。
【0025】
また、他の例として、データのみが繰り返し送信されるようにして、SCIは各データの各々と1対1に対応づけられるようにしてもよい。例えば、
図5Bに示すように、同一のデータ(
図5BのData「1」及び「2」)が繰り返し送信され、SCI「1」はData「1」に対応づけられ、SCI「2」はData「2」に対応づけられるようにしてもよい。
図5Bの場合、SCI「1」の内容とSCI「2」の内容は異なるため、受信側のユーザ装置UEbは、Data「1」及び「2」を取得するためにはSCI「1」及びSCI「2」の両方を取得する必要があるが、データの繰り返しに関する無線リソースの割当て情報が不要になるため、各SCIの各々に含まれる制御情報のデータサイズを削減することができる。また、
図5Aと同様にSCIの送信と、当該SCIに対応するデータの送信とが並行して行われることになるため、遅延が大幅に短縮されることになる。
【0026】
(SCIのマッピングについて)
図6は、サブフレーム内におけるSCIのマッピング方法の一例を示す図である。従来のD2Dでは、1サブフレーム及び1PRB(Physical Resource Block)の無線リソース内にSCIが1つマッピングされるように規定されていたが、本実施の形態では、1サブフレーム及び1PRBの無線リソース内に複数のSCIがマッピングされるようにしてもよい。例えば、
図6に示すように1スロット及び1PRBの無線リソースごとにSCIが1つずつマッピングされるようにしてもよい。また、送信可能なSCIのデータサイズを確保するため、
図6の周波数方向は、複数のPRB(例えば、2PRBなど)であってもよい。これにより、受信側のユーザ装置UEbは、仮に片方のSCIを受信することができない場合、もう一方のSCIを受信することができればSCIに対応するデータを取得することができ、通信の信頼性を高めることが可能になる。
【0027】
<PSCCHとPSSCHとを時間多重する構成>
図7A及びBは、実施の形態における無線フレーム構成(その2)を示す図である。
図7A及びBに示すように、本実施の形態では、ユーザ装置UEは、PSCCHとPSSCHとが1サブフレーム内に時間多重された無線フレーム構成を用いてD2D通信を行うようにしてもよい。
【0028】
例えば、
図7Aに示すように、所定のサブフレームにはPSCCHとPSSCHとが時間多重されて割り当てられ、それ以後の1以上のサブフレームにはPSSCHのみが割当てられるようにしてもよい。また、
図7Bに示すように、1サブフレームごとに、PSCCHとPSSCHとが時間多重されて割り当てられるようにしてもよい。なお、1サブフレーム内において、PSCCHが割当てられるシンボル数とPSSCHが割当てられるシンボル数に特に制限はない。また、送信可能なSCIのデータサイズを確保するため、
図7A及びBの周波数方向は、複数のPRB(例えば、6PRBなど)であってもよい。
【0029】
無線フレーム構成(その2)を用いることで、ユーザ装置UEは、1サブフレームにSCI及びデータをマッピングすることができる。つまり、送信側のユーザ装置UEaは、あるサブフレームで送信されたSCIに対応するデータを、当該サブフレームと同一又はそれ以降のサブフレームにマッピングして送信することができる。これにより、受信側のユーザ装置UEbは、SCIを受信したサブフレームと同一又はそれ以降のサブフレームでデータを取得することができるため、遅延が大幅に短縮されることになる。
【0030】
(SCI、データ及び参照信号のマッピングについて)
図8A及びBは、1サブフレーム内におけるSCI、データ及び参照信号の配置構成の一例を示す図である。ユーザ装置UEaは、PSCCHとPSSCHとが1サブフレーム内に時間多重された無線フレーム構成を用いてD2D通信を行う際、1サブフレーム内にSCI、データ及びDM−RS(Demodulation Reference Signal)をマッピングして送信するようにしてもよい。SCI、データ及びDM−RSの送信帯域は同一でもよいし、異なっていてもよい。例えば、
図8Aに示すように、送信側のユーザ装置UEaは、SCIとデータとをそれぞれ異なる送信帯域で送信すると共に、従来のD2Dと同様のシンボルでDM−RSを送信するようにしてもよい。また、受信側のユーザ装置UEbは、DM−RSを、SCI及びデータを復号する際のチャネル推定において共通に用いるようにしてもよい。ユーザ装置UEbは、SCI及びデータを復号する際に、従来と同様のチャネル推定精度によりチャネル推定を行うことができる。
【0031】
また、
図8Bに示すように、送信側のユーザ装置UEaは、更に、SCIの送信帯域と同一の送信帯域でDM−RSを送信するようにしてもよい。受信側のユーザ装置UEbは、SCIがマッピングされているシンボルにおけるチャネル推定精度を改善することが可能になる。
【0032】
なお、サブフレームの先頭にAGC(Automatic Gain Control)及び/又は同期精度改善のために、参照信号及び/又は同期信号のシンボルを時間多重してもよい。参照信号及び/又は同期信号が多重される周波数リソースはSCIの周波数リソースと同一でもよいし、SCIの周波数リソースとは独立の定められた周波数リソース(例えば中心6PRBなど)でもよい。周波数リソースを限定することでSCI有無の検出が容易になる。
【0033】
<<SCIの構成>>
次に、本実施の形態で用いられるSCIの構成について説明する。前述のように、本実施の形態では、従来のD2Dのように短い周期で多くの無線リソースを割当てるのではなく、比較的長い間隔及びイベントトリガによりデータが送信される場合に適した無線リソースの割当てを行うようにするため、SCIで、データを送信可能な時間区間(サブフレーム区間)を指定可能にする。また、本実施の形態では、SCIに含まれる制御情報の一部を省略等することで、従来のD2Dよりも少ないデータサイズのSCIを用いた通信を可能にする。
【0034】
(データを送信可能な時間区間について)
従来のD2Dでは、
図2に示すように、1つのSCIで、MAC PDUが示されている場所の全ての無線リソースが割り当てられていた。そこで、本実施の形態では、ユーザ装置UEは、SCIに、PSSCHのリソースプールにおいてデータがマッピングされている時間区間(サブフレーム区間)を指定する情報を含めるようにしてもよい。なお、PSSCHのリソースプールにおいてデータがマッピングされている時間区間(サブフレーム区間)とは、例えば、
図9の「A」に示す区間のように、PSSCHのリソースプールにおける時間軸上の任意のサブフレーム区間を意味している。
【0035】
データがマッピングされている時間区間(サブフレーム区間)は、データがマッピングされているリソースの開始地点及び終了地点を、SFN(System Frame Number)又はDFN(Direct Frame Number)を用いて指定されるようにしてもよいし、SFN(又はDFN)及びサブフレーム番号を用いて指定されるようにしてもよい。また、終了地点は、開始地点からのサブフレーム数で表現されてもよいし、MAC PDU数で表現されてもよい。また、開始地点及び終了地点は、データがマッピングされている無線リソースのサブフレームパターンを示す情報(T−RPT(Time Resource Pattern)と組み合わされて指定されてもよい。
【0036】
(SCIのデータサイズについて)
実施の形態では、SCIに含まれるTA値(Timing Advanced indication)を省略し、SCIを含まないSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。TA値は、D2D通信とユーザ装置UEから基地局eNB向けのUL(Uplink)通信とでシンボル間の干渉を抑制するために用いられる情報であり、送信側のユーザ装置UEaが受信側のユーザ装置UEbにPSSCHの受信タイミングを通知するために用いられる。従って、D2D通信専用のキャリアを用いてD2D通信を行う場合など、D2D通信とユーザ装置UEから基地局eNB向けのUL通信とを同一の無線リソースで共用しない場合は、TA値の通知は不要になる。また、仮に、D2D通信とユーザ装置UEから基地局eNB向けのUL通信とを同一の無線リソースで共用する場合であっても、シンボル間の干渉を許容するのであれば、TA値の通知は不要になる。なお、SCIに含まれるTA値を省略する場合、TA値は0とみなされるようにしてもよいし、予め定められた固定値とみなされるようにしてもよい。これにより、SCIのデータサイズを削減することが可能になる。
【0037】
また、実施の形態では、SCIが送信される時間軸上の無線リソース(例えば、DFN(DFN)及びサブフレーム番号で特定される無線リソース)と、データが送信される無線リソース(例えば、DFN(DFN)及びサブフレーム番号で特定される無線リソース)とを1対1に紐付けることで、SCIに含まれる時間軸上の無線リソースに関する情報(例えば、T−RPT)が省略されたSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。
【0038】
また、SCIが送信されるサブフレームからデータが送信されるサブフレームまでのサブフレーム数(タイムライン)を予め定めておき、SCIに含まれる時間軸上の無線リソースに関する情報(例えば、T−RPT)が省略されたSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。当該サブフレーム数(タイムライン)は、基地局eNBからRRC信号、報知情報(SIB)、レイヤ1又はレイヤ2の制御信号を介してユーザ装置UEに通知されるようにしてもよいし、又は、基地局eNBに該当するRSUから通知されるようにしてもよい。また、SIM(Subscriber Identity Module)に予め設定されていてもよいし、コアネットワークから送信される上位レイヤの制御信号を介して通知されるようにしてもよい。
【0039】
また、前述した
図8A及びBの無線フレーム構成により送信されるSCIとデータとを1対1に対応づけるようにしてもよい。具体的には、SCIが送信される無線リソースと、データが送信される無線リソースとを1対1に対応づけるようにして、SCIに含まれる制御情報のうち時間軸上の無線リソースに関する情報(例えば、T−RPT)が省略されたSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。例えば、送信側のユーザ装置UEaは、
図8A又は
図8Bに図示される位置(無線リソース)のSCIには、
図8A又は
図8Bに図示される位置のデータに対する制御情報(MCS(Modulation and Cording Scheme))等)を含めておき、受信側のユーザ装置UEbは、
図8A又は
図8Bに図示される位置のSCIを取得した場合は、当該SCIに含まれる制御情報を用いて、
図8A又は
図8Bに図示される位置のデータを復号するようにしてもよい。
【0040】
また、他の例として、
図8A又は
図8Bに図示される位置のSCIには、データが送信される無線リソースの周波数領域(A〜B)のうち、Bの周波数(又はBのサブキャリア位置を特定する情報)のみを格納するようにしておき、Aの周波数(サブキャリア)はSCIが受信された周波数領域の一方(すなわちAの位置)と同一の周波数であることが暗示的に示されるようにしてもよい。
【0041】
また、ユーザ装置UEは、D2D信号を送信する際にLBT(Listen Before Talk)を行うことが考えられる。LBTとは、信号を通信路に送信する前に通信路が空いているかを確認(キャリアセンス)してから送信を行うことで、複数の送信局から送信される信号の衝突を防ぐためのメカニズムである。LBTが行われる場合、送信側のユーザ装置UEaは、他のユーザ装置UEがデータの送信を開始してしまう前にデータの送信を完了させるために、例えば連続したサブフレームでまとめてデータを送信するというような動作を行うことが想定される。そこで、SCIに含まれる制御情報のうちT−RPTに代えて、データの送信区間を指定する情報(例えば、データの送信が開始されるサブフレーム及び送信が終了するサブフレーム)含むSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。また、SCIに、T−RPTが設定されているのか、又はデータの送信区間を指定する情報が設定されているのかを示すフラグが含まれるようにしてもよい。
【0042】
また、実施の形態では、SCIが送信される周波数軸上の無線リソース(リソースエレメント又はサブキャリアの位置等)と、データが送信される周波数軸上の無線リソース(リソースエレメント又はサブキャリアの位置等)とを1対1に対応づけることで、SCIに含まれる周波数上の無線リソースに関する情報(例えば、Frequency hopping flag、Resource block assignment and hopping resource allocationの全部又は一部)のデータサイズが削減されたSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。
【0043】
また、実施の形態では、ユーザ装置UEは、データをPSSCHのリソースプールにおける全ての帯域を用いて送信するようにして、SCIに含まれる周波数上の無線リソースに関する情報のデータサイズが削減されたSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。また、周波数帯域に設定されているサブバンドの帯域幅を拡大したり、データの送信帯域幅を固定化することで、SCIに含まれる周波数上の無線リソースに関する情報のデータサイズが削減されたSCIフォーマットを新たに規定するようにしてもよい。
【0044】
また、実施の形態では、SCIを送信する際に付与されるCRCのビット数を削減(例えば8ビット等)するようにしてもよい。以上、SCIのデータサイズを削減するための新たなSCIフォーマットを複数説明したが、これらの新たなSCIフォーマットはそれぞれ組み合わされても良い。
【0045】
(複数のSCIフォーマットの検出について)
本実施の形態で説明したSCIフォーマットが新たに規定される場合、受信側のユーザ装置UEbは、SCIを受信する際に、従来のD2Dで規定されているSCIフォーマット(SCI format 0)なのか、本実施の形態における新たなSCIフォーマットなのかを識別する必要がある。受信側のユーザ装置UEbは、各SCIフォーマットでブラインド検出を試みることで、どの種別のSCIフォーマットでSCIが送信されているのかを認識するようにしてもよい。
【0046】
ここで、受信側のユーザ装置UEbがSCIフォーマットの種別をブラインド検出する場合、ユーザ装置UEの処理負荷の増大が懸念される。そこで、本実施の形態では、PSCCHに割当てられている無線リソース(特定のリソースプール又は特定のサーチスペース等)の範囲に応じて、従来のD2Dで規定されているSCIフォーマットを用いるのか、又は、新たなSCIフォーマットを用いるのかを切替えるようにしてもよい。具体的には、送信側のユーザ装置UEaは、従来のSCIフォーマットを用いるように規定されている無線リソースの範囲でSCIを送信する場合、従来のD2Dで規定されているSCIフォーマットでSCIを送信し、新たなSCIフォーマットを用いるように規定されている無線リソースの範囲でSCIを送信する場合、新たなSCIフォーマットでSCIを送信するようにする。同様に、受信側のユーザ装置UEbは、従来のSCIフォーマットを用いるように規定されている無線リソースの範囲でSCIを受信する場合、従来のD2Dで規定されているSCIフォーマットであると判断してSCIを復号し、新たなSCIフォーマットを用いるように規定されている無線リソースの範囲でSCIを受信する場合、新たなSCIフォーマットであると判断してSCIを復号するようにする。
【0047】
また、他の方法として、本実施の形態では、従来のD2Dで規定されているSCIフォーマットと新たなSCIフォーマットとが同一のデータサイズになるようにしておき、従来のD2Dで規定されているSCIフォーマットのうち未使用の値を用いてSCIフォーマットの種類を識別可能にしてもよい。具体的には、MCSが64QAMである場合の設定値などを利用してSCIフォーマットの種別を識別可能にしてもよい。
【0048】
また、他の方法として、本実施の形態では、従来のD2Dで規定されているSCIフォーマットと新たなSCIフォーマットとが同一のデータサイズになるようにしておき、SCIフォーマットに応じてCRCのビットマスクを変更することで、SCIフォーマットの種別を識別可能にしてもよい。
【0049】
<<ブラインド検出可能なデータについて>>
以上説明したように、受信側のユーザ装置UEbは、SCIに含まれる制御情報からPSSCHのリソースプール上でデータがマッピングされている無線リソースを認識し、データを復号していた。すなわち、受信側のユーザ装置UEbは、データを受信するためには当該データに対応するSCIを受信する必要があった。
【0050】
V2Xでは、ユーザ装置UEは、例えば衝突事故を回避するために用いられるような緊急性の高いデータを送信することが想定される。このような緊急性の高いデータをより低遅延で送受信可能にするために、本実施の形態では、PSCCH又は/及びPSSCHのリソースプール上に、固定長のペイロードサイズのデータを送信可能な無線リソースを予め確保(予約)しておき、受信側のユーザ装置UEは、当該無線リソースをモニタするようにする。なお、以下の説明において、固定長のペイロードサイズのデータの送受信に用いられる予め確保された無線リソースを、「仮想リソースプール」と呼ぶ。
【0051】
図10A及びBは、仮想リソースプールの一例を示す図である。
図10Aは、
図4に示す無線フレーム構成を有するPSSCH及びPSSCHのリソースプール上に、仮想リソースプールを確保した場合の一例を示しており、
図10Bは、
図7A及びBに示す無線フレーム構成を有するPSSCH及びPSSCHのリソースプール上に、仮想リソースプールを確保した場合の一例を示している。なお、
図10A及びBに示す仮想リソースプールの位置はあくまで一例であり、他の位置に仮想リソースプールが確保されるようにしてもよい。
【0052】
仮想リソースプールで送受信される緊急性の高いメッセージに適用されるMCS、TA値及びリソースサイズには、予め規定された固定値が適用されるようにする。これにより、受信側のユーザ装置UEは、SCIを受信しなくても緊急性の高いデータの復号が可能になる。
【0053】
なお、仮想リソースプールでは、緊急性の高いデータ以外の送信が禁止されていてもよい。また、仮想リソースプールで複数のユーザ装置UEから緊急性の高いデータが送信されることによる混雑を防止するため、ユーザ装置UEごとに、仮想リソースプールの占有率又は/及び送信時間比率等が指定されてもよい。また、仮想リソースプールでデータを送信可能なユーザ装置UEの種別(UEカテゴリ等)が予め規定されていてもよい。また、仮想リソースプールごとに、送信可能なデータの種別が予め規定されていてもよい。
【0054】
また、仮想リソースプールの位置を示す情報は、基地局eNBからRRC信号、報知情報(SIB)、レイヤ1又はレイヤ2の制御信号を介してユーザ装置UEに通知されるようにしてもよいし、又は、基地局eNBに該当するRSUから通知されるようにしてもよい。また、SIM(Subscriber Identity Module)に予め設定されていてもよいし、コアネットワークから送信される上位レイヤの制御信号を介して通知されるようにしてもよい。
【0055】
<<機能構成>>
以上説明した実施の形態の動作を実行するユーザ装置UEの機能構成例を説明する。
【0056】
図11は、実施の形態に係るユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。
図11に示すように、ユーザ装置UEは、信号送信部101と、信号受信部102とを有する。なお、
図11は、ユーザ装置UEにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図11に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0057】
信号送信部101は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。また、信号送信部101は、D2D信号(SCI、MAC PDU等)の送信機能とセルラー通信の送信機能を有する。
【0058】
また、信号送信部101は、PSCCHとPSSCHとが周波数多重された無線フレーム構成におけるPSSCHを用いてSCIを送信し、PSCCHとPSSCHとが周波数領域で多重された無線フレーム構成におけるPSSCHを用いて、SCIに対応するデータを送信するようにしてもよい。更に、信号送信部101は、SCIが送信されたサブフレームに対応する予め定められたサブフレームで、当該データを送信するようにしてもよい。
【0059】
また、信号送信部101は、PSCCHとPSSCHとが順に時間多重されたサブフレームにおけるPSCCHを用いてSCIを送信し、当該サブフレームにおけるPSSCH又は当該サブフレームとは異なるサブフレームにおけるPSSCHを用いてSCIに対応するデータを送信するようにしてもよい。更に、信号送信部101は、PSCCHに該当する連続した複数のシンボルのうち、中心のシンボルに参照信号(DM−RS)をマッピングし、当該連続した複数のシンボルのうち参照信号がマッピングされたシンボル以外のシンボルにSCIをマッピングして送信するようにしてもよい。
【0060】
また、信号送信部101は、PSCCH又はPSSCHに割当てられている無線リソースのうち、データ長が予め定められた優先度の高いデータの送信に用いられる特定の無線リソースを用いてデータを送信するようにしてもよい。
【0061】
また、信号送信部101は、SCIが送信されたサブキャリアに対応づけられるサブキャリアでデータを送信するようにしてもよい。
【0062】
また、信号送信部101は、PSCCHに割当てられている無線リソースの範囲に応じて、従来のSCIフォーマットを用いてSCIを送信するのか、又は本実施の形態における新たなSCIフォーマットを用いてSCIを送信するのかを判断するようにしてもよい。
【0063】
なお、信号送信部101は、PSCCHでSCIを送信する第一の送信部とPSSCHでデータを送信する第二の送信部とを有してもよい。
【0064】
信号受信部102は、他のユーザ装置UE又は基地局eNBから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。また、信号受信部102は、D2D信号(SCI、MAC PDU等)の受信機能とセルラー通信の受信機能を有する。
【0065】
また、信号受信部102は、PSCCHとPSSCHとが周波数多重された無線フレーム構成におけるPSSCHを用いてSCIを受信し、PSCCHとPSSCHとが周波数領域で多重された無線フレーム構成におけるPSSCHを用いて、SCIに対応するデータを受信するようにしてもよい。更に、信号受信部102は、SCIが送信されたサブフレームに対応する予め定められたサブフレームで、当該データを受信するようにしてもよい。
【0066】
また、信号受信部102は、PSCCHとPSSCHとが順に時間多重されたサブフレームにおけるPSCCHを用いてSCIを受信し、当該サブフレームにおけるPSSCH又は当該サブフレームとは異なるサブフレームにおけるPSSCHを用いてSCIに対応するデータを受信するようにしてもよい。更に、信号受信部102は、PSCCHに該当する連続した複数のシンボルのうち、中心のシンボルにマッピングされた参照信号(DM−RS)を用いて、SCIを復号する際のチャネル推定を行うようにしてもよい。
【0067】
また、信号受信部102は、PSCCH又はPSSCHに割当てられている無線リソースのうち、データ長が予め定められた優先度の高いデータの送信に用いられる特定の無線リソースをモニタリングし、予め固定値として定められたMCS、TA値及びリソースサイズに基づきデータを取得するようにしてもよい。
【0068】
また、信号受信部102は、SCIを受信したサブキャリアに対応づけられるサブキャリアでデータを受信するようにしてもよい。
【0069】
また、信号受信部102は、PSCCHに割当てられている無線リソースの範囲に応じて、受信したSCIには従来のSCIフォーマットが用いられているのか、又は本実施の形態における新たなSCIフォーマットが用いられているのかを判断するようにしてもよい。なお、信号受信部102は、PSCCHでSCIを受信する第一の受信部とPSSCHでデータを受信する第二の受信部とを有してもよい。
【0070】
<ハードウェア構成>
実施の形態の説明に用いたブロック図(
図11)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0071】
例えば、本発明の一実施の形態におけるユーザ装置UEは、本発明の信号送信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図12は、実施の形態に係るユーザ装置UEのハードウェア構成の一例を示す図である。上述のユーザ装置UEは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0072】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ装置UEのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0073】
ユーザ装置UEにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0074】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、ユーザ装置UEの信号送信部101と、信号受信部102とは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0075】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ装置UEの信号送信部101と、信号受信部102とは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0076】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る信号送信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0077】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0078】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、ユーザ装置UEの信号送信部101と、信号受信部102とは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0079】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0080】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0081】
また、ユーザ装置UEは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0082】
<まとめ>
以上、実施の形態によれば、D2D通信をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、D2D用物理制御チャネルとD2D用物理データチャネルとが周波数多重された無線フレーム構成におけるD2D用物理制御チャネルを用いて、D2D用制御情報を送信する第一の送信部と、D2D用物理制御チャネルとD2D用物理データチャネルとが周波数領域で多重された無線フレーム構成におけるD2D用物理データチャネルを用いて、前記D2D用制御情報に対応するデータを送信する第二の送信部と、を有するユーザ装置が提供される。このユーザ装置UEにより、D2D通信において、スモールパケットを効率的かつ低遅延に送受信可能な技術が提供される。
【0083】
また、前記第二の送信部は、前記D2D用制御情報が送信されたサブフレームに対応する予め定められたサブフレームで前記データを送信するようにしてもよい。これにより、SCIから時間軸に関する情報を削減することができ、ユーザ装置UEは、低遅延な無線フレーム構成が用いられる場合であっても効率的にSCIを送受信することができる。
【0084】
また、実施の形態によれば、D2D通信をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置であって、D2D用物理制御チャネルとD2D用物理データチャネルとが順に時間多重されたサブフレームにおけるD2D用物理制御チャネルを用いて、D2D用制御情報を送信する第一の送信部と、前記サブフレームにおけるD2D用物理データチャネル又は前記サブフレームとは異なるサブフレームにおけるD2D用物理データチャネルを用いて、前記D2D用制御情報に対応するデータを送信する第二の送信部と、を有するユーザ装置が提供される。このユーザ装置UEにより、D2D通信において、スモールパケットを効率的かつ低遅延に送受信可能な技術が提供される。
【0085】
また、前記第一の送信部は、D2D用物理制御チャネルに該当する連続した複数のシンボルのうち、中心のシンボルに参照信号をマッピングし、前記連続した複数のシンボルのうち参照信号がマッピングされたシンボル以外のシンボルに前記D2D用制御情報をマッピングして送信するようにしてもよい。これにより、受信側のユーザ装置UEでSCIを復号する場合に行われるチャネル推定精度を改善することが可能になる。
【0086】
また、前記第二の送信部は、D2D用物理制御チャネル又はD2D用物理データチャネルに割当てられている無線リソースのうち、データ長が予め定められた優先度の高いデータの送信に用いられる特定の無線リソースを用いてデータを送信するようにしてもよい。これにより、受信側のユーザ装置UEは、SCIを受信しなくても緊急性の高いデータの復号が可能になる。
【0087】
また、前記D2D用制御情報は、D2D用物理データチャネルに割当てられている無線リソースにおいて前記データがマッピングされているサブフレーム区間を指定する情報を含むようにしてもよい。これにより、比較的長い間隔及びイベントトリガによりデータが送信される場合に適した無線リソースの割当てを行う場合に、無駄に無線リソースが割当られてしまうことを防止することができる。
【0088】
また、前記第二の送信部は、前記D2D用制御情報が送信されたサブキャリアに対応づけられるサブキャリアで前記データを送信するようにしてもよい。これにより、SCIから周波数軸に関する情報を削減することができ、ユーザ装置UEは、低遅延な無線フレーム構成が用いられる場合であっても効率的にSCIを送受信することができる。
【0089】
また、前記第一の送信部は、D2D用物理制御チャネルに割当てられている無線リソースの範囲に応じて、第一のD2D用制御情報フォーマットを用いて前記D2D用制御情報を送信するのか、又は前記第一のD2D用制御情報フォーマットとは異なる第二のD2D用制御情報フォーマットを用いて前記D2D用制御情報を送信するのかを判断するようにしてもよい。これにより、受信側のユーザ装置UEがSCIをブラインド検出する際の処理負荷を軽減させることができる。
【0090】
また、実施の形態によれば、D2D通信をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置が行う信号送信方法であって、D2D用物理制御チャネルとD2D用物理データチャネルとが周波数多重された無線フレーム構成におけるD2D用物理制御チャネルを用いて、D2D用制御情報を送信するステップと、D2D用物理制御チャネルとD2D用物理データチャネルとが周波数領域で多重された無線フレーム構成におけるD2D用物理データチャネルを用いて、前記D2D用制御情報に対応するデータを送信するステップと、を有する信号送信方法が提供される。この信号送信方法により、D2D通信において、スモールパケットを効率的かつ低遅延に送受信可能な技術が提供される。
【0091】
また、実施の形態によれば、D2D通信をサポートする無線通信システムにおけるユーザ装置が行う信号送信方法であって、D2D用物理制御チャネルとD2D用物理データチャネルとが順に時間多重されたサブフレームにおけるD2D用物理制御チャネルを用いて、D2D用制御情報を送信するステップと、前記サブフレームにおけるD2D用物理データチャネル又は前記サブフレームとは異なるサブフレームにおけるD2D用物理データチャネルを用いて、前記D2D用制御情報に対応するデータを送信するステップと、を有する信号送信方法が提供される。この信号送信方法により、D2D通信において、スモールパケットを効率的かつ低遅延に送受信可能な技術が提供される。
【0092】
<実施形態の補足>
実施の形態におけるPSCCHは、D2D通信に用いられる制御情報(SCI等)を送信するための制御チャネルであれば他の制御チャネルであってもよい。また、PSSCHは、D2D通信に用いられるデータ(MAC PDU等)を送信するためのデータチャネルであれば他のデータチャネルであってもよい。また、PSDCHは、D2DディスカバリのD2D通信に用いられるデータ(ディスカバリメッセージ等)を送信するためのデータチャネルであれば他のデータチャネルであってもよい。
【0093】
D2D信号、RRC信号及び制御信号は、それぞれD2Dメッセージ、RRCメッセージ及び制御メッセージであってもよい。
【0094】
方法の請求項は、サンプル的順序で様々なステップの要素を提示しており、請求項の中で明記していない限り、提示した特定の順序に限定されない。
【0095】
以上、本発明の実施の形態は、LTE、LTE−A、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、UWB(Ultra-Wideband)、Bluetooth(登録商標)および/または他の適切なシステムを利用するシステムに拡張され得る。
【0096】
以上、本発明の実施の形態で説明する各装置(ユーザ装置UE)の構成は、CPUとメモリを備える当該装置において、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
【0097】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べたシーケンス及びフローチャートは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ユーザ装置UEは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置UEが有するプロセッサにより動作するソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0098】
なお、実施の形態において、SCIはD2D用制御情報の一例である。PSCCHは、D2D用物理制御チャネルの一例である。PSSCHは、D2D用物理データチャネルの一例である。仮想リソースプールは、データ長が予め定められた優先度の高いデータの送信に用いられる特定の無線リソースの一例である。MAC PDUはデータの一例である。SCIフォーマット(SCI format 0)は、第一のD2D用制御情報フォーマットの一例である。本実施の形態における新たなSCIフォーマットは、第二のD2D用制御情報フォーマットの一例である。
【0099】
本特許出願は2015年8月13日に出願した日本国特許出願第2015−159994号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2015−159994号の全内容を本願に援用する。