【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載のメッシュ無線ローカルエリアネットワークコントローラが提供される。前記メッシュ無線ローカルエリアネットワークコントローラは、本明細書では、略してメッシュWLANコントローラと呼ばれる。前記メッシュWLANコントローラは、メッシュソフトアクセスポイントモード及びメッシュクライアントモードで動作するよう構成される。前記メッシュWLANコントローラは、更に、前記メッシュクライアントモードで動作するときに、
− 最初の電源投入時に、少なくとも1つのメッシュWLAN基本サービスセット(メッシュWLAN BSS)を検出するためにメッシュネットワークスキャンを実施し、
− 検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信し、メッシュクライアントアクセスが達成された場合には、アクセスした前記WLAN BSSに、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSS202、204、206を示すメッシュクライアントアクセス情報を供給し、
− 前記検出されたメッシュWLAN BSSのいずれとのやりとりにおいてもメッシュクライアントアクセスが達成されない場合には、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するよう切り替わるよう構成される。
【0010】
本発明の第1の態様のメッシュWLANコントローラは、WLANデバイスの、メッシュソフトアクセスポイント又はメッシュクライアントのいずれかとしての機能的動作を供給する。前記メッシュWLANコントローラは、同じ意味を持つメッシュWLANモジュール又はメッシュWLANドライバとも呼ばれ得る。
【0011】
前記メッシュWLANコントローラは、メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときには、関連するメッシュWLAN BSSにおいてソフトアクセスポイント機能を供給するよう構成される。前記メッシュWLANコントローラは、メッシュクライアントモードで動作するときには、検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つへのメッシュクライアントアクセス要求の送信、及びメッシュクライアントアクセスが達成された場合の、アクセスした前記WLAN BSSへの、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSSを示すメッシュクライアントアクセス情報の供給を制御する。これは、単一のWLANデバイスが2つ以上のメッシュWLAN BSSにアクセスすることを可能にする。このように、所与のメッシュWLAN BSS内で、どのメッシュクライアントがその他のメッシュWLAN BSSにアクセスできるかが知られる。このコンステレーションにおいては、前記メッシュWLANコントローラは、前記メッシュWLANコントローラを有する異なるWLANデバイス間でシグナリングオーバーヘッドが少ない簡単且つ高速な通信を達成するためにWLANデバイスの様々な実施例及び多くのアプリケーションシナリオにおいて用いられ得る特別なメッシュWLANネットワーク化の概念を可能にする。従って、本発明の第1の態様メッシュWLANコントローラは、標準的なインフラストラクチャ又はアドホックWLANネットワーク化の概念とは異なる自己組織化メッシュWLANネットワーク化の概念を実施することを可能にする。前記概念は、概して、多くの異なる応用事例に適用可能であるが、ヘッドレスWLANデバイスを含むネットワーク化アプリケーションに特に適している。
【0012】
メッシュWLAN基本サービスセット(BSS)は、メッシュWLAN拡張サービスセット(ESS)の構成要素を形成し、各々、インフラストラクチャ又はアドホックタイプの802.11 WLANの基本構成要素を形成するインフラストラクチャWLAN BSS及びWLAN独立BSS(IBSS)にある程度類似するが、技術的にはそれらと区別される。具体的には、所与のメッシュWLAN BSSは、1つのメッシュソフトアクセスポイント及び1つ以上のメッシュWLANクライアントを含む。メッシュWLANクライアントは、各々、1つ以上の他のメッシュWLAN BSSに並行してアクセスを要求及び達成すること、即ち、同時に、前記所与のメッシュWLAN BSS及び1つ以上の他のこのようなメッシュWLAN BSSのメッシュWLANクライアントとして動作することができる。
【0013】
本発明のメッシュWLANコントローラは、メッシュWLAN BSS、及び複数の相互接続されたメッシュWLAN BSSを含むメッシュWLAN拡張サービスセット(ESS)の自己組織化形成を達成する。最初の電源投入時、即ち、前記メッシュWLANコントローラが、製造後、電源を切った後、又はリセットコマンドを受信した後、初めて動作させられるとき、前記メッシュWLANコントローラは、既存のメッシュWLAN BSSを検出し、1つ以上の検出された既存のメッシュWLAN BSSへのアクセスを要求するために、前記メッシュクライアントモードで動作するだろう。アクセス可能なメッシュWLAN BSSが全くないためにメッシュクライアントモードでの動作が不可能である場合には、前記メッシュWLANコントローラは、前記ソフトアクセスポイントモードに切り替わり、斯くして、他のWLANデバイスへのメッシュクライアントアクセスを可能にするための新しいメッシュWLAN BSSを作成するだろう。メッシュWLANクライアントとしての動作がデフォルト動作モードを形成することから、メッシュWLAN ESSにおけるシグナリングオーバーヘッドは小さく保たれる。
【0014】
本明細書内のインフラストラクチャWLAN BSS及びアドホックWLAN独立BSSへの言及は、上述の及び本明細書の最初の出願日の前に公開されている規格シリーズの規格文書に従う標準的なWLAN BSS又はIBSSを指す。このような既存の規格と比較して、本明細書で開示されている前記メッシュWLAN BSS及びその特徴は、特に、前記メッシュWLANコントローラがメッシュソフトアクセスポイントモードで動作することに関連する付加的な機能を供給する点で、非標準的なものである。以下では、メッシュWLANコントローラの実施例を説明する。
【0015】
前記メッシュWLANコントローラは、メッシュWLANデバイスのメッシュWLAN動作を制御するのに役立つ。前記メッシュWLANコントローラの様々な実施例は、例えば、特定用途向け回路若しくはシステムオンチップ、又はマイクロコントローラ、又は前記メッシュWLANコントローラの機能を実施する記憶されたプログラムコードを実行するためのプログラム可能な組み込みプロセッサの電子部品の形態をとる。
【0016】
前記メッシュWLANコントローラの好ましい実施例は、更に、異なるメッシュWLAN BSS間でメッシュWLANメッセージを転送することを可能にするメッシュブリッジクライアント機能を供給する。本実施例に基づくメッシュWLANにおいては、メッシュWLAN ESS内の2つ以上のメッシュWLAN BSSに割り当てられたメッシュWLANデバイス間でのみマルチホップ通信が可能になる。この実施例においては、メッシュWLANコントローラは、好ましくは、更に、
− 前記メッシュクライアントモードで動作するときに、2つ以上のメッシュWLAN BSSに対するメッシュクライアントアクセスを達成し、メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう指示を受けると、
− メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちのいずれかからメッシュWLANメッセージを検出及び受信し、
− 受信した前記メッシュWLANメッセージを、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つの他の、好ましくは、その他のメッシュWLAN BSS内に転送するよう構成される。
【0017】
明確にするために、この実施例においては、基本的なメッシュクライアントモードで動作している間、即ち、1つのメッシュWLAN BSSにしかアクセスできない間は、前記受信したメッシュWLANメッセージを転送する前記メッシュブリッジクライアントモードの上記の機能は供給されない。従って、前記メッシュWLANコントローラの前記メッシュブリッジクライアントモードは、2つ以上のメッシュWLAN BSSへのメッシュクライアントアクセスを達成したという前提条件の下でしか有効にされることができない。更に、前記ブリッジクライアントモードで動作するメッシュWLANコントローラしか、或るメッシュWLAN BSSから他のメッシュWLAN BSSへの受信したメッシュWLANメッセージの転送を供給することができない。換言すれば、前記ブリッジクライアントモードで動作しているメッシュWLANコントローラしか、それらがアクセスできる前記メッシュWLAN BSS間でのマルチホップ通信を供給することができない。本実施例のメッシュWLANコントローラに基づけば、ブリッジクライアントを形成する、即ち、前記ブリッジクライアントモードで動作するメッシュWLANデバイスしか、異なるメッシュのWLAN BSS間のメッシュWLANメッセージの転送に寄与しないことから、メッシュWLAN通信における特に低いシグナリング量が達成される。
【0018】
これと比較して、IEEE 802.11sのWLAN技術は、いずれのノードもメッセージを中継するルータの役割を果たすことを必要とする。このような標準的なWLAN技術は、WLAN ESS内のWLANメッセージの通信のずっと大量のシグナリングをもたらす。幾つかの実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、最初の電源投入時に、前記メッシュWLANスキャンを実施する前に、ランダムな期間の間待つよう構成される。この実施例は、多くのWLANデバイスの設置を形成するWLAN構成における最初のメッシュWLANシグナリングの時間分布を供給する。同時に、動作の開始のこのランダムな時間分布は、メッシュWLAN BSS及びメッシュWLAN ESSの形成における自己組織化プロセスに役立つ。
【0019】
応用事例においては、メッシュWLAN BSS及びメッシュWLAN ESSは、既存のインフラストラクチャWLAN BSS又はアドホックWLAN IBSSにおいて動作するインフラストラクチャ又はアドホックWLANデバイスも含む環境において共存し得る。しかしながら、このようなインフラストラクチャWLANデバイスを前記メッシュWLAN BSSに接続することは望ましくないかもしれない。この問題を解決する前記メッシュWLANコントローラの有利な実施例は、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときに、前記WLANノードの、メッシュWLAN BSSのメッシュソフトアクセスポイントとしての識別を可能にするユニークなメッシュ基本サービスセット識別子、本明細書では、メッシュBSS識別子を供給するよう構成され、このことは、それは、同時には、インフラストラクチャWLAN BSS又はWLAN IBSSと関連づけられないことを意味する。
【0020】
他の実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときに、外部メッシュWLANデバイスからメッシュクライアントアクセス要求を受信すると、既に所定の最大数の外部メッシュWLANデバイスが前記メッシュWLAN BSSにアクセスしていない限り、前記外部メッシュWLANデバイスが前記メッシュWLAN BSSにアクセスすることを許可するよう構成される。この実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、更に、外部メッシュWLANデバイスが、対象メッシュWLAN BSSだけでなく、更に、多くの他の外部メッシュWLAN BSSにもメッシュクライアントアクセスできると決定すると、前記メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう前記外部メッシュWLANデバイスに指示するよう構成される。
【0021】
或るこのような実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作するときに、前記メッシュBSS識別子(BSSID)を、ユニークなネットワーク識別子及びメッシュタイプ識別子を含むコードとして決定し、供給するよう構成され、前記メッシュタイプ識別子は、前記BSSが、インフラストラクチャWLAN BSS及びアドホックWLAN IBSSと区別されるメッシュWLAN BSSであることを示す。或る例示的な実施例においては、前記メッシュWLAN BSSの前記メッシュBSSID又はネットワークIDに、他のメッシュWLANデバイスは、このWLAN BSSを、同様のタイプのメッシュWLANデバイスによって作成された特別なメッシュWLAN BSSとして認識することができる一方で、インフラストラクチャWLAN BSSにおいてだけ動作するWLANデバイスは、前記メッシュWLAN BSSを、互換インフラストラクチャWLAN BSSとして識別しないだろうようなフラグが立てられる。この実施例の或る変形例においては、前記メッシュBSSIDの或る特定のビット位置が、前記メッシュWLAN BSSタイプを示すように設定される。特定の例として、前記メッシュBSSIDの第1バイトの第2最小ビットが1に設定され得る。802.11規格によれば、このビットは、ローカルに管理されるMACアドレスのマークを形成し、それ故、それは、通常のインフラストラクチャWLANデバイスによって用いられない。前記メッシュBSSIDの他のビットは、メッシュWLANデバイスタイプを識別するために用いられ得る。しかしながら、前記BSSの識別子もこの目的のために用いられ得る。いずれにしても、これは、同様のタイプのメッシュWLANデバイスだけが、前記メッシュWLAN BSS及び対応するメッシュWLAN ESSを形成し、他のタイプのメッシュWLANデバイスは、それへのアクセスを要求しないことを選び得ることを達成する。
【0022】
多くのWLANデバイスへのバッチWLANプロビジョニングに特に適しており、更に下ではWLANバッチプロビジョニング実施例と呼ばれる他の実施例においては、前記メッシュWLANコントローラは、インフラストラクチャWLANコントローラユニットと制御通信をやりとりするための有線制御インターフェースを有し、受信したメッシュWLANメッセージにおいて、インフラストラクチャWLAN BSSに関するインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を検出し、受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、出力として、前記制御インターフェースを介して供給し、その後、非アクティブモードに切り替わるよう構成される。この機能に基づいて、形成されるメッシュWLAN ESSは、前記メッシュWLAN ESSを介して自動的に各ノードに前記インフラストラクチャWLANパラメータを渡すことにより、外部コンフィギュレータデバイスによってインフラストラクチャWLAN構成での動作のために迅速にプロビジョニングされ得る。インフラストラクチャWLAN動作のために構成されるべき前記メッシュWLANデバイスは全て既に前記メッシュWLAN ESS内にあり、前記コンフィギュレータは、ユーザの介入を必要とせずに前記デバイスを全てプロビジョニングすることができる。前記インフラストラクチャWLANプロビジョニングが終了した後、前記メッシュWLANコントローラはオフに切り替わり、従って、前記メッシュWLANネットワークは、同様にオフに切り替えられ、WLANコントローラ動作は目標インフラストラクチャWLANネットワークに切り替える。
【0023】
前記メッシュWLANコントローラの本実施例は、好ましくは、それ自体は既知であるインフラストラクチャWLAN技術の幾つかの機能を供給する前記インフラストラクチャWLANコントローラと統合される。本明細書に記載されているメッシュWLANネットワーク化実施例と関連した動作に特に適している、このメッシュWLANコントローラの好ましい実施例は、統合インフラストラクチャWLANコントローラユニットを更に有し、前記統合インフラストラクチャWLANコントローラユニットは、
− 最初の電源投入時に、非アクティブモードに留まり、
− 前記制御インターフェースを介して前記メッシュWLANコントローラから前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信すると、前記インフラストラクチャWLAN BSSに対するインフラストラクチャWLANステーションとしての許可を要求するために、前記インフラストラクチャWLAN BSSとのインフラストラクチャWLAN通信を制御するインフラストラクチャステーションモードで動作するよう構成される。
【0024】
このメッシュWLANコントローラは、例えば、既知のインフラストラクチャWLANコントローラにコードの薄いレイヤを付加することによって、前記インフラストラクチャWLANコントローラと統合された形態で実施されることができ、故に、前記メッシュWLANコントローラは、あらゆる現在知られているWLAN SoCプラットフォームに容易に付加され得る。それ故、前記メッシュWLANコントローラを付加的に実施するための従来のインフラストラクチャWLANコントローラに対する修正は、既存の規格によるWLANデバイスの通常の挙動に影響を及ぼさないだろう。
【0025】
上記の実施例は、或る変形例においては、統合アドホックWLANコントローラユニットと制御通信をやりとりするための有線制御インターフェースを有することによって、WLAN IBSSにおける動作可能性のために拡張されている。この実施例においては、受信したメッシュWLANメッセージにおけるWLAN IBSSに関するアドホックWLANクレデンシャル情報の検出は、受信した前記アドホックWLANクレデンシャル情報を、出力として、前記制御インターフェースを介して供給し、その後、非アクティブモードに切り替わることをもたらす。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様又はその実施例のうちの1つによる、特に、前記メッシュWLANコントローラの前記バッチプロビジョニング実施例によるメッシュWLANコントローラと、インフラストラクチャWLANコントローラとを有するWLANデバイスが提供される。
【0027】
前記インフラストラクチャWLANコントローラは、前記メッシュWLANコントローラと制御通信をやりとりするための制御インターフェースを有し、最初の電源投入時に非アクティブモードに留まり、前記制御インターフェースを介して前記メッシュWLANコントローラから前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信すると、前記インフラストラクチャWLAN BSSに対するインフラストラクチャWLANステーションとしての許可を要求するために、前記インフラストラクチャWLAN BSSと前記WLANデバイスのインフラストラクチャWLAN通信を制御するインフラストラクチャステーションモードで動作するよう構成される。
【0028】
前記WLANデバイスは、任意の所望のアプリケーションを実施するアプリケーションデバイスを形成し、この目的のために、WLAN技術によって受信及び送信され得るアプリケーション制御通信を達成するためのアプリケーションユニットと接続される前記メッシュWLANコントローラを有する。本発明のこの態様のWLANデバイスは、標準的なWLAN機能を提供することに加えて、多くのWLANデバイス、例えば、数百又は数千のWLANデバイスに対するインフラストラクチャWLANのメッシュWLANをベースとしたプロビジョニングを達成することを可能にする。
【0029】
好ましい実施例においては、前記WLANデバイスは、ヘッドレスWLANデバイスである。例えば、1つのビルのフロアにおいて数百の照明器具を一度に試運転することは、珍しくなく、前記照明器具を、本発明の第2の態様によるWLANデバイスとして実施することによって、達成され得る。前記WLANデバイスは、本明細書では、明確にする目的のためにメッシュWLANデバイスとも呼ばれ、又は簡潔にノードとも呼ばれ、又はWLAN BSSを形成するWLANデバイスの説明に関連してデバイスとも呼ばれる。
【0030】
前記WLANデバイスの或る実施例は、標準的なWLAN IBSSにおける動作を制御するためのアドホックWLANコントローラを付加的に有する。それは、前記メッシュWLANコントローラと制御通信をやりとりするための制御インターフェースを有し、最初の電源投入時に非アクティブモードに留まり、前記制御インターフェースを介して前記メッシュWLANコントローラから前記アドホックWLANクレデンシャル情報を受信すると、前記WLAN IBSSに対するWLANステーションとしての許可を要求するために、前記WLAN IBSSのソフトアクセスポイントと前記ヘッドレスWLANデバイスのアドホックWLAN通信を制御するインフラストラクチャステーションモードで動作するよう構成される。
【0031】
本発明の第3の態様によれば、メッシュWLAN BSSが提供される。前記メッシュWLAN BSSは、複数のWLANデバイス、特に、本発明の第2の態様又はその実施例のうちの1つによるヘッドレスWLANデバイスを有する。前記メッシュWLAN BSSは、本発明の第2の態様のWLANデバイスの利点及び実施例を共有する。或る実施例においては、前記メッシュWLAN BSSは、参加するために必要なセキュリティのないオープンネットワークとして実施され、それ故、WLANコンフィギュレータデバイスが、WLANプロビジョニングに関連して新しいメッシュWLAN BSSに特に容易に参加することを可能にする。
【0032】
本発明の第4の態様によれば、メッシュWLAN拡張サービスセット、本明細書においてはメッシュWLAN ESSが提供される。それは、本発明の第3の態様又はその実施例のうちの1つによるメッシュWLAN BSSを複数有する。前記メッシュWLAN ESSは、本発明の第3の態様のメッシュWLAN BSSの利点を共有する。特に、本発明の第4の態様の自己組織化「軽量」メッシュWLAN ESSは、少しのインフラストラクチャWLAN構成パラメータを前記WLANデバイスに渡すために、ほんの一時的に用いられ得る。「軽量」という用語は、IEEE 802.11などの標準的なメッシュネットワークソリューションのいずれとの比較においても、前記WLAN ESSを動作させるために特に小さいシグナリング負荷しか必要とされないことを示すために用いられている。本態様の単純なメッシュWLAN ESSは、インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報のプロビジョニングのような1回限りの使用の事例には十分な機能及び信頼性を持つのに対して、既存の規格は、特に、WLANクレデンシャルのプロビジョニングを必要とするWLANデバイスが多数存在すると、シグナリング能力を酷使するだろう。
【0033】
従って、パフォーマンス又は信頼性は、本発明の本態様のメッシュWLAN ESSの設計にとって主要な関心事ではない。それよりむしろ、既存の無線LANプラットフォームにおける実施の容易さが、望まれており、達成されている。
【0034】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1の態様又はその実施例のうちの1つによる、特に、本発明の第1の態様のメッシュWLANコントローラのバッチプロビジョニング実施例によるメッシュWLANコントローラを有するインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスが提供される。更に、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、外部エンティティからインフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信し、受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を前記メッシュWLANコントローラに供給するよう構成される構成インターフェースを有する。前記メッシュWLANコントローラは、更に、前記構成インターフェースから前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を受信し、受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、少なくとも1つのメッシュWLANメッセージの形態で、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの、少なくとも1つのメッシュWLAN BSS内に、或る実施例においては、任意のメッシュWLAN BSS内に転送するよう構成される。
【0035】
第5の態様のインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、本発明の第2の態様又はその実施例のうちの1つによる多くのWLANデバイスに対してインフラストラクチャWLANをプロビジョニングするのに特に適している。それ故、それは、本発明の前述の第1乃至第4の態様の利点を共有する。
【0036】
或る実施例においては、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、インフラストラクチャWLANコントローラを更に有する。前記メッシュWLANコントローラ及び前記インフラストラクチャWLANコントローラは、それらの各々の制御インターフェースを介して相互に制御通信をやりとりするよう構成される。この実施例においては、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を標準的なインフラストラクチャWLAN BSSから受信し、それをインフラストラクチャWLANプロビジョニングのために前記メッシュWLAN BSSに転送することができる。
【0037】
或る実施例においては、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、更に、前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を成功裏に転送すると、前記メッシュWLANコントローラを非アクティブにするよう構成される。インフラストラクチャWLANコントローラの供給によって標準的なインフラストラクチャにおける動作が可能である場合には、前記インフラストラクチャWLANコントローラは、この時点においてアクティブにされ得る。
【0038】
本発明の第6の態様によれば、インフラストラクチャWLANアクセスポイント、本発明の第4の態様又はその実施例のうちの1つによるメッシュWLAN ESS、及び本発明の第5の態様又はその実施例のうちの1つによるインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスを有するWLAN構成が提供される。
【0039】
本発明の第7の態様によれば、メッシュ無線ローカルエリアネットワークコントローラ、本明細書においてはメッシュWLANコントローラを動作させるための方法は、
− 前記メッシュWLANコントローラを、メッシュソフトアクセスポイントモード又はメッシュクライアントモードのいずれかで動作させるステップを有し、前記メッシュクライアントモードで動作させるときに、
− 少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出するために、最初の電源投入時にメッシュネットワークスキャンを実施するステップと、
− 検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信し、メッシュクライアントアクセスが達成された場合には、アクセスした前記WLAN BSSに、メッシュクライアントアクセスが達成されたその他のメッシュWLAN BSSを示すメッシュクライアントアクセス情報を供給するステップと、
− 前記検出されたメッシュWLAN BSSのいずれとのやりとりにおいてもメッシュクライアントアクセスが達成されなかった場合には、前記メッシュソフトアクセスポイントモードで動作させるよう切り替えるステップとを有する。
【0040】
本発明の第7の態様の方法は、本発明の第1乃至第6の態様に関連して説明した利点を共有する。
【0041】
或る実施例においては、前記方法は、前記メッシュクライアントモードで動作するときに、前記検出されたメッシュWLAN BSSのうちの2つ以上に対するメッシュクライアントアクセスが達成された場合に、メッシュブリッジクライアントモードで動作するよう指示を受けると、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちのいずれかからメッシュWLANメッセージを検出し、受信した前記メッシュWLANメッセージを、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つの他の、或る変形においては、その他のメッシュWLAN BSS内に転送するステップを更に有する。
【0042】
本発明の第8の態様によれば、コンピュータ若しくはプロセッサにおいて実行するときに、又はコンピュータ若しくはプロセッサにロードされるときに、前記コンピュータ又はプロセッサに本発明の第7の態様又はその実施例のうちの1つの方法を実施させる実行コードを有するコンピュータプログラムが提供される。
【0043】
本発明の第9の態様によれば、WLANコンフィギュレータデバイスを動作させるための方法であって、
− 外部エンティティからインフラストラクチャ又はアドホックWLANクレデンシャル情報を受信するステップと、
− メッシュWLAN ESSの少なくとも1つのメッシュWLAN BSSを検出するためのメッシュネットワークスキャンを実施するステップと、
− 検出された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つにメッシュクライアントアクセス要求を送信するステップと、メッシュクライアントアクセスが達成された場合に、
− 受信した前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を、少なくとも1つのメッシュWLANメッセージの形態で、メッシュクライアントアクセスが達成された前記メッシュWLAN BSSのうちの少なくとも1つのメッシュWLAN BSSのメッシュWLANデバイスに供給するステップとを有する。
【0044】
第9の態様の方法は、本発明の第1乃至第8の態様のうちの1つ以上によって実施されるメッシュWLANの概念に基づく。それは、シグナリング負荷の小さいWLANクレデンシャルの特に簡単な自動化されたプロビジョニングを可能にする。前記プロビジョニングプロセスにおいて、ユーザ入力は必要とされない。
【0045】
前記方法は、インフラストラクチャ又はアドホックWLANプロビジョニングに準用可能である。この場合には、前記クレデンシャル情報は、各々、インフラストラクチャWLAN BSS又は標準的なアドホックWLAN IBSSに関連する。
【0046】
この方法の或る実施例によれば、前記受信したインフラストラクチャ又はアドホックWLANクレデンシャル情報を供給するステップは、
− 前記WLANコンフィギュレータデバイスが、前記メッシュWLAN ESSの全てのメッシュWLANデバイスのためのブロードキャストアドレスである宛先アドレスで、前記メッシュWLAN ESSにルート要求コマンドを送信するステップと、
− ルート応答メッセージを受信し、前記WLAN ESS内の全ての応答メッシュWLANデバイスのリストを維持するステップと、
− 前記インフラストラクチャ又はアドホックWLANクレデンシャル情報を供給するために前記WLAN ESS内の各ノードとユニキャスト通信を用いて直接通信するステップとを有する。
【0047】
このようにして、前記インフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイスは、前記メッシュWLAN ESS内の前記メッシュWLANデバイスの各々に、ユニキャスト通信で前記インフラストラクチャWLANクレデンシャル情報を直接供給することができる。他の実施例は、ユニキャスト通信の代わりにマルチキャスト通信を用いる。
【0048】
本発明の第10の態様によれば、コンピュータ若しくはプロセッサにおいて実行するときに、又はコンピュータ若しくはプロセッサにロードされるときに、前記コンピュータ又はプロセッサに本発明の第9の態様又はその実施例のうちの1つの方法を実施させる実行コードを有するコンピュータプログラムが提供される。
【0049】
請求項1においても規定されているような本発明の第1の態様のメッシュWLANコントローラ、本発明の第2の態様のWLANデバイス、本発明の第3の態様のメッシュWLAN BSS、本発明の第4の態様のメッシュWLAN拡張サービスセット、本発明の第5の態様のインフラストラクチャWLANコンフィギュレータデバイス、本発明の第6の態様のWLAN構成、本発明の第7の態様の方法、本発明の第8の態様のコンピュータプログラム、本発明の第9の態様の方法、及び本発明の第10の態様のコンピュータプログラムは、特に、従属請求項において規定されているような、同様の及び/又は同一の好ましい実施例を有することは理解されるだろう。
【0050】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項又は上記の実施例と、各々の独立請求項の如何なる組み合わせでもあり得ることは理解されるだろう。
【0051】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載する実施形態を参照して明らかになるであろう。