(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技を行った結果、入賞が1回発生した場合に、予め定められた付与数の遊技価値を遊技者に付与する付与手段と、前記入賞が1回発生したことに基づいて前記付与手段が付与した前記付与数を特定可能な付与数信号を出力する付与数信号出力手段と、を備えた遊技機に対応した遊技機管理装置において、
前記付与数信号出力手段が出力した前記付与数信号を入力する付与数信号入力手段と、
前記付与数信号入力手段が前記付与数信号を入力した場合に、当該付与数信号に対応した前記付与数を特定する付与数特定手段と、
前記予め定められた付与数である基準付与数を記憶する基準付与数記憶手段と、
前記付与数特定手段が特定した前記付与数が、前記基準付与数と一致しない場合に異常報知を実行する異常報知手段と、
予め定められた登録条件が成立した場合に、前記基準付与数を新たに登録するための登録状態を設定する登録状態設定手段と、
前記登録状態において発生した前記付与数の履歴を、前記付与数別に管理する付与数管理手段と、を備え、
前記基準付与数記憶手段は、前記登録状態において予め定められた登録頻度で発生した前記付与数を前記基準付与数として記憶することを特徴とする遊技機管理装置。
遊技者が遊技を行うために使用した遊技価値の数である使用数を特定可能な使用数信号を出力する使用数信号出力手段と、遊技を行った結果、入賞が1回発生した場合に、予め定められた付与数の遊技価値を遊技者に付与する付与手段と、を備えた遊技機に対応した遊技機管理装置において、
前記使用数信号出力手段が出力した前記使用数信号を入力する使用数信号入力手段と、
前記使用数信号入力手段が前記使用数信号を入力した場合に、当該使用数信号に対応した前記使用数を特定する使用数特定手段と、
遊技機における遊技にて発生し得る前記使用数である基準使用数を記憶する基準使用数記憶手段と、
前記使用数特定手段が特定した前記使用数が、前記基準使用数と一致しない湯合に異常報知を実行する異常報知手段と、
予め定められた登録条件が成立した場合に、前記基準使用数を新たに登録するための登録状態を設定する登録状態設定手段と、
前記登録状態において発生した前記使用数の履歴を、前記使用数別に管理する使用数管理手段と、を備え、
前記基準使用数記憶手段は、前記登録状態において予め定められた登録頻度で発生した前記使用数を前記基準使用数として記憶することを特徴とする遊技機管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技機管理システムの全体構成を概略的に示している。遊技場にはスロットマシン1(遊技機に相当)に対応して貸出装置2及び呼出ランプ4が設置されている。2台のスロットマシン1、2台の貸出装置2、2台の呼出ランプ4は1台の中継装置3に接続されており、中継装置3はLAN5を介して管理装置6(遊技機管理装置に相当)に接続されている。
【0014】
貸出装置2は、動作状態を示す動作ランプ2a、貨幣挿入口2bとカード挿入口2c、払出ノズル2d等を備えている。貸出装置2は、遊技者が貨幣投入口2bに貨幣を投入すると、その貨幣に応じた数のメダルを払出ノズル2dから貸し出す。呼出ランプ4は、複数の操作ボタン4a、データ表示部4b、液晶表示部4c、発光部4d等を備えている。呼出ランプ4は、管理装置6から取得した各種の遊技データをデータ表示部4bに表示し、その表示内容の切替えを操作ボタン4aの操作により行うことができる。また、呼出ランプ4において、複数の操作ボタン4aは遊技場の従業員の呼出しを行うためボタンを含み、発光部4d等により従業員を呼出す報知が可能である。
【0015】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、遊技場内における遊技機側、つまりスロットマシン1や貸出装置2、呼出ランプ4、中継装置3等から送信される遊技データを管理する。遊技場内には、所謂パチンコ機も含めて例えば数100台の遊技機が設置されており、全遊技機が管理装置6の管理対象となっている。また、本実施例では遊技機がスロットマシン1であることから、遊技価値(遊技媒体)はメダルである。遊技機がパチンコ機であれば、遊技価値はパチンコ玉である。
【0016】
スロットマシン1は、
図2にも示すように、その正面に表示窓7が設けられており、遊技者は表示窓7を通じて内部に設けられたリール8の図柄を視認可能となっている。各図柄は、
図4に示すように、左リール8a、中リール8b、右リール8cの円周面に描かれており、各リール8a〜8cが停止した状態では、表示窓7の上段、中段、下段に対応して表示される。即ち、表示窓7には、各リール8a〜8cの各々について3図柄ずつ合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。
【0017】
スロットマシン1には、
図5に示すようにボーナス役、小役、リプレイ役の3種類の役が設定されている。ボーナス役としてはBB役及びRB役の2種類、小役としては1枚役、5枚役及び2枚役の3種類が設定されている。スロットマシン1では、1回のゲームにおけるメダルの使用数(投入数であるBET数)は、後述する通常状態では3枚(3BET)に設定されており、ボーナス状態では2枚(つまりBB状態又はRB状態では2BET)に設定されている。また、ボーナス状態では、小役(5枚役)のみが内部当選役になるように設定されていると共に、5枚役が入賞した場合のメダルの払出数が15枚に設定されている。
【0018】
表示窓7には、
図6に示すように、中段に対応した横方向の1本(同図の「1」で示す実線)、上段、中段、下段に対応した斜め方向の2本(同図の「2」、「3」で示す実線)、上段と下段に対応した横方向の2本(同図の「4」と「5」で示す実線)の合計5本の入賞ライン(有効ライン)が設定されており、入賞図柄が何れかの入賞ライン上に揃ったときに対応する入賞が発生する。
【0019】
表示窓7の上方には、各種画像等を表示する液晶表示部9が設けられている。表示窓7の下方には、クレジットメダルの投入を行うMAXBETボタン10、クレジットメダルの精算を行うクレジット精算ボタン11、メダルを投入するメダル投入口12が設けられており、これらの下方にはスタートレバー13、左ストップボタン14、中ストップボタン15、右ストップボタン16が設けられている。
【0020】
表示窓7の右方には、メダルの払出し枚数を表示する払出数表示部17、メダルのクレジット数を表示するクレジット数表示部18が設けられている。クレジット数表示部18は、メダル投入口12から投入されたメダルのうち未だゲームに使用されていないメダルの数、及びゲームで入賞が発生したときに付与されるメダルの数を表示する。クレジット数が1以上の状態でクレジット精算ボタン11が操作されたときには、そのクレジット数分のメダルが払出される。又、スロットマシン1の正面最下部には受皿19が設けられており、スロットマシン1の正面最上部にはランプ部20が設けられている。
【0021】
図3はスロットマシン1の電気的構成を機能ブロック図により示している。スロットマシン1には、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えたマイクロコンピュータにより構成される制御部21が設けられている。制御部21は、MAXBETボタン10、クレジット精算ボタン11、スタートレバー13、左ストップボタン14、中ストップボタン15、右ストップボタン16、投入メダル検知部22、設定値操作部23等から各種信号を入力する。
【0022】
制御部21は、設定値操作部23から内部当選確率等の各種の設定信号を入力する。スロットマシン1には例えば「1」〜「6」の6段階で役の内部当選確率を設定するための設定値が設けられており、設定値操作部23から入力した設定信号に基づいて何れかの設定値を有効化する。設定値は、その値が高いほど遊技者にとって有利な設定であり、その値が低いほど遊技者にとって不利な設定である。
【0023】
また、制御部21は、液晶表示部9、払出数表示部17及びクレジット数表示部18等の各種表示部、ランプ部20、各リール8a〜8cに対応するリール用モータ25a〜25cを駆動するリール駆動部26、各リール8a〜8cに設けられた基準位置片の通過を検知するセンサ27a〜27c、各センサ27a〜27cからの検知信号に基づいて各リール8a〜8cの基準位置を検知する基準位置検出部28、スピーカを駆動する音声出力部29、メダルを払出すメダル払出部30、信号出力部21aを接続している。
【0024】
スロットマシン1は、メダルが投入された状態でのスタートレバー13の操作によりゲームが開始されると、乱数発生部31により例えば0〜65535の間で発生させ、その乱数のうち1つを乱数抽出部32により抽選用乱数として抽出する。続いて、抽出した抽選用乱数を図示しない当選乱数テーブルと照合することで、内部当選役を決定する。ここで、
図7は、通常状態及びBB又はRB状態における、各役に対応する抽選用乱数の数が規定された内部当選テーブルを示している。通常状態では、BB役には256個の抽選用乱数が割り振られており、その理論上の内部当選確率は、256/65536である。同様に、RB役には256個、5枚役には4096個、1枚役には16個、2枚役には656個、リプレイ役には8978個の抽選用乱数が割り振られている。また、BB又はRB状態では全ての抽選用乱数が15枚役に割り振られており、15枚役が内部当選役となる確率が高くなるように設定されている。
【0025】
スロットマシン1は、前記内部当選役を決定すると共にリール8を始動させた後、遊技者による各ストップボタン14〜16の操作と内部当選役とに応じて、所謂引込制御(すべり制御)を含む停止制御を実行する。引込制御は、各ストップボタン14〜16の操作を検出した時点から予め規定された引込範囲(最大で4図柄まで)にある図柄を前記入賞ライン上に引込んで停止させることが可能な制御である。そして、役に対応した図柄が入賞ライン上に停止することで入賞が発生する。
【0026】
上記構成のスロットマシン1において、制御部21及びメダル払出部30は付与手段を構成しており、上記したスタートレバー13やストップボタン14〜16の操作等により遊技を行った結果、入賞が1回発生すると、制御部21は、予め定められた付与数の遊技価値を、メダル払出部30を介して遊技者に付与する。
【0027】
具体的には、通常状態において小役(1枚役、5枚役、2枚役)が入賞した場合、対応する数(予め定められた付与数)のメダルの払出しにより遊技価値が付与される。また、リプレイ役が入賞した場合、新たにメダルを投入することなく再度ゲームを実行出来るという遊技価値が付与される。ボーナス状態では、上記したようにBET数が2BETに削減されると共に、5枚役が内部当選役となる確率が高められており、更に、5枚役が入賞した場合には15枚のメダルを払出すことにより、遊技価値が付与される。このため、ボーナス状態は、一気に多量のメダルの獲得が可能となる。尚、BB状態は例えば300枚を越えるメダルの払出しによって終了し、RB状態は例えば8回の入賞の発生により終了するようになっており、係るボーナス状態の終了により通常状態へ移行する。
【0028】
制御部21は、各入力信号及びROMに記憶した制御プログラムに基づいて、リール駆動部26、メダル払出部30、各種表示部17,18、液晶表示部9、音声出力部29及びランプ部20の動作を制御すると共に、アウト信号(1メダルの投入毎又は1クレジットメダルのベット毎に1パルス出力)、セーフ信号(1メダルの払出し毎又は1クレジットメダルの払出し毎に1パルス出力)、ゲーム信号(1ゲーム開始毎に1パルス出力)、RB信号(RB状態中にレベル信号出力)等の遊技信号を制御して、信号出力部21aから管理装置6に出力する。
【0029】
ここで、「アウト」は、遊技者が遊技を行うために使用した遊技価値の数(つまりメダルの使用数)であり、「アウト信号」は、その使用数を特定可能な使用数信号である。また、「セーフ」は、前記付与手段により付与した遊技価値の付与数であり、「セーフ信号」は、前記入賞が1回発生したことに基づいて、その付与数を特定可能な付与数信号である。
【0030】
従って、スロットマシン1の信号出力部21aは、1ゲームを開始するために遊技者が使用(投入)したメダルの数である使用数を特定可能な使用数信号を出力する使用数信号出力手段として機能し、例えばメダルを3枚使用したゲームが開始された場合、アウト信号を3パルス出力する。一方、信号出力部21aは、メダルの払出し数である付与数を特定可能な付与数信号を出力する付与数信号出力手段として機能し、例えばメダルが5枚払出された場合にセーフ信号を5パルス出力する。
【0031】
管理装置6は、CPUからなる制御部、HDD、RAM及びROM等からなる記憶部、I/Fからなる送受信部、モニタ6aやプリンタ等からなる出力部、キーボード6bやマウス等からなる操作部6cを備え、スロットマシン1側から出力された前記遊技信号を受信することで、遊技データを、当該スロットマシン1に対して個別に付与されている遊技機ID(台番)毎に集計して特定する機能を有している。
【0032】
さて、管理装置6は、上記したアウト信号やセーフ信号を受信することで、スロットマシン1におけるメダルの使用や付与が正常に行われているか否かを管理している。また、本実施例では、
図8に示すように、管理装置6は、自身のモニタ6aに、アウト信号及びセーフ信号に係る基準アウト及び基準セーフ表示画面を表示させ、メダルの使用や付与に関する異常が発生した場合、異常報知手段として異常報知を実行するようになっている(
図9参照)。
【0033】
詳細には、以下の作用説明にて述べるように、管理装置6の送受信部は、使用数信号入力手段並びに付与数信号入力手段として、スロットマシン1の信号出力部21aから出力されるアウト信号やセーフ信号が入力される。管理装置6の制御部は、送受信部がアウト信号を入力した場合に、当該アウト信号に対応したメダルの使用数を特定する使用数特定手段として構成されると共に、送受信部がセーフ信号を入力した場合に、当該セーフ信号に対応したメダルの付与数を特定する付与数特定手段として構成されている。
【0034】
また、管理装置6の記憶部(基準使用数記憶手段、基準付与数記憶手段)は、スロットマシン1における遊技にて発生し得る前記使用数である基準使用数(スロットマシン1で発生し得る付与数)のデフォルト値(
図8の<基準アウト>に相当)、並びに前記の予め定められた付与数である基準付与数のデフォルト値(
図8の<基準セーフ>に相当)を予め記憶している。そして、管理装置6の制御部は、アウト信号に基づき特定したメダルの使用数が基準アウトと一致しない湯合、並びにセーフ信号に基づき特定したメダルの付与数が基準セーフと一致しない場合に、例えばモニタ6aの表示制御により異常報知を実行する。
【0035】
上記構成の作用について、モニタ6aの表示画面を表す
図8〜
図11を参照しながら説明する。
図10、
図11は、上記したスロットマシン1を新機種として(以下、機種Bとして)新たに遊技場に設置する際(登録の際)の表示画面を示しており、
図8、
図9は、既に遊技場に設置されている機種Aのスロットマシンについての基準アウト及び基準セーフ表示画面を示している。以下では、管理装置6の制御部(以下、単に管理装置6と略す)が実行する処理内容を、機種A、機種Bの順に、基準アウトと基準セーフとに分けて説明する。
【0036】
(機種Aのスロットマシンと管理装置6の処理内容)
機種Aのスロットマシンは、3枚のメダルをベットする必要がある3枚掛け専用機であり、基準アウト(基準使用数)のデフォルト値は「3」に設定されている。
図8に示すように、<基準アウト>の欄では、デフォルト値の「3」枚だけでなく、空欄41に基準アウトの値を追加登録したり、任意の欄40,41を選択(指定)して、その選択した欄の値を削除することが可能である。この基準アウトの値の追加登録や削除は、管理装置6のキーボード6bやマウス等のように、スロットマシンを設置した遊技場の管理者が操作する操作部6c(操作手段)を用いて行う。このような手動登録(手動入力)が行われると、管理装置6は、操作部6cの操作に応じて指定された基準アウトの値を、自身の記憶部に記憶している基準使用数として追加する。
【0037】
また、図示は省略するが、モニタ6aには、
図8、
図9の表示画面とは別に、集計設定画面が表示される。集計設定画面では、後述する集計を開始するための開始キー等、自動登録(自動入力)に関する各種の設定キーが設けられている。このように、管理装置6は、管理者の操作部6cの操作によって、基準アウト及び基準セーフ表示画面や集計設定画面を表示させて、基準アウトの値の入力が可能な状態とし或は前記開始キーを含む前記設定キーの設定操作を行うことを、予め定められた登録条件が成立した場合として、自身の記憶部に基準使用数を新たに登録するための登録状態を設定する。つまり、管理装置6は登録状態設定手段として機能し、基準アウトについて手動登録と自動登録とを夫々独立して行うことが可能である。そして、管理装置6は使用数管理手段として、その登録状態において発生した使用数の履歴を、使用数別に且つ台番毎に管理(集計)する処理を実行する。具体的には、管理装置6は、アウト信号を入力(受信)したときから所定時間内に(例えば1秒以内に)新たなアウト信号を入力しなかった場合に、1ゲーム分のアウト信号を入力したと判定すると共に、当該アウト信号に対応した使用数を特定して管理する。
【0038】
ここで、管理装置6は例えば、当該アウト信号3パルスを入力する度に、該当する台番の使用数(3枚)を特定し、その使用数が基準アウト(デフォルト値の「3」の枚数)と一致すると判定すると、該当する台番の「アウト(使用数)」の履歴として1ずつカウントアップしたカウント値を記憶する。一方、管理装置6は例えば、アウト信号4パルスを入力すると、該当する台番の使用数(4枚)を特定し、その使用数が基準アウトと一致しないと判定すると、
図9に例示するように異常履歴として特定した内容を異常発生画面に表示させる。このとき、管理装置6は、同画面における異常履歴の欄51に、該当する台番「2」、異常内容「4枚アウト」、異常発生時刻「13:00」を報知する。
【0039】
機種Aのスロットマシンにおいては、機種Bのスロットマシン1と異なり(
図5参照)、3枚役、5枚役、10枚役が設定されており、基準セーフ(基準付与数)のデフォルト値は「3」、「5」、「10」の夫々の枚数を表す値に設定されている。
図8に示すように、<基準セーフ>の欄では、<基準アウト>と同様、デフォルト値だけでなく、空欄45に基準セーフの値を追加登録したり、任意の欄42〜45を選択(指定)して、その選択した欄の値を削除する、手動登録が可能である。この手動登録も、管理装置6の操作部6cを用いて行われ、管理装置6は、操作部6cの操作に応じて指定された基準セーフの値を、自身の記憶部に記憶している基準付与数として追加する。
【0040】
このように、管理装置6は、管理者の操作部6cの操作によって、基準アウト及び基準セーフ表示画面や前記集計設定画面を表示させて、基準セーフの入力が可能な状態とし或は前記開始キーを含む前記設定キーの設定操作を行うことで前記登録条件が成立する。これにより、管理装置6は、登録状態設定手段として自身の記憶部に基準付与数を新たに登録するための登録状態を設定し、基準セーフについて手動登録と自動登録とを夫々独立して行うことが可能である。そして、管理装置6は付与数管理手段として、その登録状態において発生した付与数の履歴を、付与数別に且つ台番毎に管理する処理を実行する。具体的には、管理装置6は、セーフ信号を入力したときから所定時間内に(例えば1秒以内に)新たなセーフ信号を入力しなかった場合に、1ゲーム分のセーフ信号を入力したと判定すると共に、当該セーフ信号に対応した付与数を特定して管理する。
【0041】
ここで、管理装置6は例えば、3パルス、5パルス、10パルスの何れかのセーフ信号を入力する度に、該当する台番について3枚、5枚、10枚の何れかの付与数を特定し、その付与数が基準付与数(デフォルト値の「3」、「5」、「10」の何れかの枚数)と一致すると判定すると、該当する台番の「セーフ(付与数)」の履歴として付与数別に1ずつカウントアップしたカウント値を記憶する。一方、管理装置6は例えば、セーフ信号15パルスを入力すると、該当する台番の付与数(15枚)を特定し、その付与数が前記基準付与数と一致しないと判定すると、
図9に例示するように異常履歴として特定した内容を異常発生画面に表示させる。このとき、管理装置6は、同画面における異常履歴の欄50に、該当する台番「1」、異常内容「15枚セーフ」、異常発生時刻「12:00」を報知する。
【0042】
尚、上記した使用数別或は付与数別の履歴として、前記の登録状態において管理するカウントアップ値は、以下の機種Bで説明するように、モニタ6aに表示させるようにしても良い(
図10、
図11の「アウト」或は「セーフ」参照)。また、
図9に示すように、異常発生画面が表示された場合であっても、例えば操作部6cの操作によって、<基準アウト>の欄41に「4枚」の基準アウトの値を追加登録し、或は、<基準セーフ>の欄45に「15枚」の基準セーフの値を追加登録すると、管理装置6は、追加登録した内容に応じて、該当する異常履歴を表示内容から削除する表示制御を行うことで、異常報知を終了する。
【0043】
(機種Bのスロットマシン1と管理装置6の処理内容)
以下では、機種Bのスロットマシン1に係る管理装置6の処理内容について、上記した機種Aのスロットマシンに係る管理装置6の処理内容と異なる点を主として説明する。
【0044】
機種Bのスロットマシン1を新たに設置した場合、遊技場の管理者は操作部6cの操作により、<基準アウト>の値を新たに登録すべく
図10に示す登録状態表示画面を表示させる。同図の登録状態表示画面では、アウト及びセーフについて集計途中の状態を示している。また、登録状態表示画面では、
図8、
図9の表示画面と同様、操作部6cの操作により、<基準アウト>の空欄40´,41´を選択して、基準アウトの値の手動登録が可能である。これにより、基準アウトの値の手動登録を可能とし、或は新たに設置した機種Bのスロットマシン1からのアウト信号の受信を開始すること(前記開始キーを含む前記設定キーの設定操作を行うこと)を、予め定められた登録条件が成立した場合として、自身の記憶部に基準使用数を新たに登録するための登録状態に設定する。
【0045】
具体的には、上記したように、機種Bのスロットマシン1における1回のゲームでのメダルの使用数は、通常状態で3枚、ボーナス状態で2枚である。それ故、管理装置6は、3パルス或は2パルスのアウト信号を入力する度に、該当する台番の使用数(3枚或は2枚)を特定し、前記登録状態において発生した使用数の履歴として、使用数別に且つ台番毎に前記カウント値を記憶する。こうして、登録状態表示画面には、「アウト」の欄60〜63に示すように、台番「1」〜「4」の各スロットマシン1について、前記カウント値が「2」枚と「3」枚との使用数別に表示されると共に、それらの使用数を合算した「ゲーム数」が表示される。また、「累計」の欄64には、全ての台番「1」〜「4」について、使用数別のカウント値の累計とゲーム数の累計とが表示される。
【0046】
上記のように説明の便宜上、機種Bのスロットマシン1が4台設置されていると仮定した場合、例えば、当該4台について
図11の「アウト」の欄64に示すようにゲーム数の「累計」が8000に到達するまで使用数の履歴を集計する。換言すれば、管理装置6は、累計8000ゲームに到達した時点で、使用数の履歴の管理に関する登録状態を終了する。このとき、管理装置6は、登録状態において予め定められた登録頻度で発生した使用数を基準使用数として、自身の記憶部に記憶する。尚、管理装置6は、当該登録頻度で発生した使用数を基準使用数として記憶することで登録する。
【0047】
詳細には、
図11の「アウト」の欄60〜63に示すように、全ての台番「1」〜「4」のスロットマシン1において、累計8000ゲームの間に、前記カウント値が21以上となっている。このように、累計8000ゲーム中、前記カウント値が例えば5以上となるようなアウトの頻度を登録頻度とする。管理装置6は、<基準アウト>の欄40´,41´に示すように、少なくとも当該登録頻度で発生した「2」枚と「3」枚との使用数を、基準アウトとして表示すると共に基準使用数として自動的に記憶(設定)する。また、管理装置6は、登録状態が終了した時点で、使用数の履歴としてカウントされていたが基準使用数として記憶しなかった使用数があった場合、つまり前記カウント値が0〜4の値をとる使用数については、登録状態終了画面で<異常>の欄70に、該当する台番、異常内容、異常発生時刻等を表示することで、異常報知を実行する。この異常報知は、履歴としてカウントした使用数の値のうち、記憶した基準使用数と一致しないと判断した使用数についてのみ行う。
【0048】
機種Bのスロットマシン1においては、上記したように小役の入賞により、1枚、2枚、5枚、或は15枚のメダルの払出しが行われる(
図5参照)。係るスロットマシン1の<基準セーフ>について、操作部6cの操作により
図10の登録状態表示画面を表示させ、基準セーフの値を空欄42´〜45´を選択して登録することが可能である。これにより、基準セーフの値の手動登録を可能とし、或は新たに設置した機種Bのスロットマシン1からのセーフ信号の受信を開始すること(前記開始キーを含む前記設定キーの設定操作を行うこと)を、予め定められた登録条件が成立した場合として、自身の記憶部に基準付与数を新たに登録するための登録状態に設定する。
【0049】
具体的には、管理装置6は、1パルス、2パルス、5パルス、或は15パルスのセーフ信号を入力する度に、該当する台番の付与数(1枚、2枚、5枚、或は15枚)を特定し、登録状態において発生した付与数の履歴として、付与数別に且つ台番毎に前記カウント値を記憶する。こうして、
図10の登録状態表示画面には、「セーフ」の欄65〜69に示すように、台番「1」〜「4」の各スロットマシン1について、前記カウント値が「1」枚、「2」枚、「5」枚、「15」枚の付与数別に表示されると共に、それらの付与数を合算した「ゲーム数」が表示される。また、「累計」の欄69には、全ての台番「1」〜「4」について、付与数別のカウント値の累計とゲーム数の累計とが表示される。尚、
図10は、累計2000ゲームに到達した時点での集計途中の状態を示しており、管理装置6は、未だ集計していない付与数を特定する度に、その特定した付与数の項目を追加表示する(
図11参照)。
【0050】
このような登録状態における付与数の履歴の集計は、例えば「アウト」と同じタイミング、つまり累計8000ゲームに到達した時点で終了する。また、管理装置6は、登録状態において前記登録頻度(つまり「アウト」と同じ8000ゲーム中、5回以上カウントされる頻度)で発生した付与数を基準付与数として、自身の記憶部に記憶する。
【0051】
この場合、
図11の「セーフ」の欄65〜69に示すように、全ての台番「1」〜「4」のスロットマシン1において、「2」枚、「5」枚、「15」枚の付与数については、少なくとも前記カウント値が5以上となっている。このため、管理装置6は、<基準セーフ>の欄42´〜45´に示すように、少なくとも前記登録頻度で発生した「2」枚、「5」枚、「15」枚の付与数を、基準セーフとして表示すると共に基準付与数として自動的に記憶する。
【0052】
他方、「1」枚の付与数については、前述したように理論上の内部当選確率が低いため、前記登録頻度で発生していないが、管理装置6は、複数台(1番台と3番台)にわたって少なくとも1回カウントされていると判断すると、そのカウントされた当該付与数を、基準セーフとして表示すると共に基準付与数として自動的に記憶する。即ち、管理装置6は、登録状態において、複数のスロットマシン1における付与数の履歴を管理するものであり、当該登録状態における前記の登録頻度で発生していない付与数(「1」枚の付与数)のうち、複数のスロットマシン1にて発生した付与数を、自身の記憶部に基準付与数として記憶する処理を実行する。このような処理は、前述した「使用数」について、前記登録頻度で発生していない場合でも、複数台にわたって少なくとも1回カウントされているときに、付与数と同様に行うようにしてもよい。
【0053】
また、管理装置6は、登録状態が終了した時点で、付与数の履歴としてカウントされていたが基準付与数として記憶しなかった付与数があった場合、つまり前記カウント値が0〜4の値をとり、且つ複数台にわたって少なくとも1回カウントされていない「7」枚の付与数については、登録状態終了画面で<異常>の欄70に、該当する台番「3」、異常内容「7枚セーフ」、異常発生時刻「15:00」を報知する。この異常報知は、管理装置6により、「セーフ」として表示した「1」枚、「2」枚、「5」枚、「7」枚、「15」枚の付与数のうち、記憶した基準付与数と一致しないと判断した付与数についてのみ行う。
【0054】
また、管理者は、操作部6cの操作により、
図11の登録状態終了画面における<基準アウト>や<基準セーフ>の何れかの欄40´〜46´を指定して、基準アウトや基準セーフの値の追加登録・削除等を行うことができる。従って、管理者は、<異常>の欄70の報知を見て、異常でないものとして解消したい場合、操作部6cの操作により、異常とされている使用数や付与数の値を、欄40´〜46´に登録する。このとき、管理装置6は、異常発生時刻の表示を含む異常報知を、
図11の登録状態終了画面から削除する。
【0055】
尚、登録状態終了画面における右下隅には、登録終了キー71が設けられている。登録終了キー71は、基準アウトや基準セーフの登録作業を全て終了する場合、つまり前記登録状態が終了し、且つ基準アウトや基準セーフの値の追加登録・削除等が終了した時点で、操作部6cの操作により指定される。こうして、登録終了キー71が指定されると、管理装置6は、基準アウトや基準セーフに係る全ての処理を終了する。
【0056】
このような実施例によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6は、登録状態において発生した付与数の履歴に応じて、基準セーフを記憶部に記憶させる。このように、基準セーフを自動的に記憶する構成とすることで、基準セーフを登録するための管理者の負担を軽減することができる。この結果、メダルの付与が正常に行われているか否かを管理し易くすることができる。
管理装置6において、操作部6cの操作により基準セーフを追加することができるので、発生頻度が少ない付与数等、前記の登録状態にて所定の登録頻度で発生しなかった種類の付与数についても基準セーフに加えることが可能となる。
【0057】
管理装置6は、所定の登録頻度で発生していなくとも、複数のスロットマシン1で発生した付与数については、基準セーフとして記憶部に記憶させる。つまり、登録頻度で発生しておらず一のスロットマシン1でみれば故障や不正の可能性が残っていても、複数のスロットマシン1で発生していれば故障や不正の可能性が低いものとして基準セーフとして自動的に記憶される。これにより、本来記憶すべき基準セーフを記憶することなく登録状態を終了してしまうことを抑制できる。
【0058】
また、管理装置6は、登録状態において発生した使用数の履歴に応じて、基準アウトを記憶部に記憶させる。このように、基準アウトを自動的に記憶する構成とすることで、基準アウトを登録するための管理者の負担を軽減することができる。この結果、メダルの使用が正常に行われているか否かを管理し易くすることができる。
【0059】
(その他の実施例)
本発明は、上記した実施例に限定されることなく、次のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施例と組合せたりしても良い。
対象となる遊技機としては、前記パチンコ機の他、メダルを使用せずクレジットを消費して遊技が進行する完全クレジット式スロットマシンや、玉が封入されており、得点(遊技価値)を消費して玉を発射する封入式パチンコ機に適用することも可能である。
【0060】
基準セーフや基準アウトに登録するためのアウトやセーフの発生回数は、上記した5回以上のカウント値に限定するものではなく、例えば、1回でも発生していれば、基準セーフや基準アウトとして登録する等、適宜変更しても良い。つまり、登録頻度は適宜変更することが可能である。
登録状態におけるアウトやセーフの発生回数の集計を管理装置6で行う構成としたが、他の装置で行っても良く、例えば、中継装置3にて集計することも可能である。また、本願発明における一部又は全部の機能を管理装置6の外部装置に設けても良い。この場合、管理装置6と外部装置とで本願発明における遊技機管理装置を構成することになる。
【0061】
管理者が操作部6cを操作することで、登録条件が成立したものとして登録状態を設定したが、登録条件を変更しても良く、例えば、機種の配置を登録することが可能な管理装置において、新しい機種の配置を登録した場合に登録条件が成立したと判定するようにしても良い。つまり、新しい遊技機の設置の特定を登録条件としても良い。
【0062】
図11で示したように8000ゲームが経過した場合に登録状態を終了する構成としたが、終了するまでの累計ゲーム数を任意に変更しても良く、例えば、各遊技場の管理装置6で累計ゲーム数を任意に設定可能な構成としても良い。また、累計ゲーム数ではなく、役が1000回(所定回数)入賞した場合や、ボーナスゲームが所定回数発生した場合に登録状態を終了しても良いし、所定の営業日(例えば1日)が経過した場合に登録状態を終了する構成としても良い。