【実施例】
【0062】
[0079] この発明は下記のその好ましい態様の実施例によりさらに説明することができるが、これらの実施例は単に説明のためだけに含まれているのであり、別途明確に示さない限り本発明の範囲を限定することを意図するものでは無いことは理解されるであろう。
【0063】
実施例1
[0080] 2〜4歳の成体のビーグル犬17匹(対照n=8、抗酸化剤強化n=9)を、無作為に対照グループまたは強化飼料グループの中に入れた。対照飼料は59ppmのビタミンEおよび32ppm未満のビタミンCを含んでいた。試験試料は、900ppmのビタミンEおよび121ppmのビタミンC、260ppmのl−カルニチンおよび135ppmのアルファリポ酸を有していた。その飼料を開始しておおよそ1ヶ月後、イヌに与えた最初の問題解決課題はランドマーク識別学習課題(landmark discrimination learning task)であり、それは空間的注意の試験である(Milgram et al., 1999 Milgram, N. W., Adams, B., Callahan, H., Head, E., Mackay, B., Thirlwell, C., & Cotman (1999), C. W. Landmark Discrimination Learning in the Dog. Learning & Memory, 6:54-61)。
【0064】
[0081] ランドマーク識別学習は、対象がある目的物への接近度に基づいて特定の目的物を選択することを必要とする。しかし、初期学習は、イヌの目的物識別課題を学習する
能力に基づいている。我々は以前に、識別学習に対する年齢の影響は課題の難しさに依存することを見出している。
【0065】
[0082] ランドマーク0試験を学習する際に、強化飼料を食べた成体のイヌは、対照フードを食べた成体のイヌよりも誤りが少なかった(対照の平均=31.1、強化の平均=15.1)。その成体のイヌを、ランドマークを十分に陽性(positive well)からさらに遠くへ移動させたランドマーク1および2の試験に進ませた。強化飼料を食べた成体のイヌは、対照を食べた成体のイヌよりも少ない誤りでランドマーク0〜2を学習した(対照でのランドマーク0+1+2の平均誤り数=132.9;強化飼料を食べたイヌのランドマーク0+1+2の平均誤り数=87.1)。
【0066】
実施例2
[0083] 30(30)匹の成体の無作為な出所のイヌをこの試験のために利用した。イヌは試験の開始前に少なくとも10月齢であり、妊娠しておらず、授乳しておらず、適当な体重であった。動物を食事処置のために、5個のグループにそれぞれのグループあたり3匹のオスおよび3匹のメスで無作為抽出した。
【0067】
[0084] 2週間の前給餌期間(prefeeding period)の間、全てのイヌに、米国飼料検査官協会により提案された栄養素に関する全ての推奨(AAFCO 2000)を満たす、または超える対照フード(0ppmのdl−アルファ−リポ酸を添加した)を与えた(表2)。その前給餌期間の後、イヌを次のdl−アルファ−リポ酸目標含有量(乾燥物質基準)の1つを有する5個の処置グループに無作為抽出した:0ppm、150ppm、1500ppm、3000ppm、4500ppm。全ての飼料(対照およびアルファリポ酸)において、ビタミンEを添加し、それは600〜1000国際単位のレベルで存在し、ビタミンCを100〜200ppmのレベルで添加した。
【0068】
[0085] 試験フードは、水以外で唯一の栄養源であった。新鮮な水を適宜供給した。イヌを選択し、最初の体重を得た後、フードの用量をそれぞれのイヌに関してそのフードの予想されるMEに基づいて計算した。最初のフード用量の計算は、通常の活動を説明するための因子により修正された、そのイヌに関する維持エネルギー必要量(MER)に基づいており、次の式により計算された:
MER(kcal/day)=1.6×RER(安静時エネルギー必要量)
ここで:RER(kcal/day)=70×体重(kg)0.75。
【0069】
[0086] イヌの体重を毎週量り、それらの最適体重を維持するのに十分なフードを与えるため、必要に応じてフードの用量を調節した。最適体重は、5点スケール上の3であるように決定された。フードの用量の調節の後にイヌが最初の体重の−10%の範囲内の体重を維持しなかった場合、それは試験から外された。全ての体重およびフード摂取量の測定値を記録した。
【0070】
[0087] 試料をすり潰し、0.100+/−0.001gの試料を5.0mLのリン酸緩衝液(10mM Na
2HPO
4、2mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、0.9% NaCl、pH 7.4)の中に2回抽出した。250μLの抽出物を、Teflonで裏打ちされたキャップを有する5mLガラス遠心チューブの中に入れた。15μLのEDTA溶液(約1M NaOHでpH 7.8に調節した100mM EDTA)および50μLの新しく調製した5mMジチオエリトリトール(DTE)を添加した。その溶液をボルテックスし、室温で5分間保温した。次いで10μLの1M H
3PO
4および2.0mLのジエチルエーテルを添加した。チューブにキャップを付け、ボルテックスし、1500×gで3分間室温で遠心分離した。エーテル層を別の5mLのガラス遠心チューブに移し、一方で水層を1.5mLのエーテルでさらに2回抽出した。同じ試料から
の全ての抽出物を合わせた。次いでその抽出物を室温において水浴中で窒素エバポレーター中で乾燥させる。この時点で、試料にキャップを付け、一夜凍結させた。
【0071】
[0088] 次いで乾燥させた抽出物を解かし、70μLのSDS/EDTA溶液(0.11%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、15mM EDTA、0.9%NaCl)および5μLの新しく調製した1mM DTEで再構成した。次いで50μLの新しく調製したNaBH
4をそれぞれのチューブに添加した。そのチューブをボルテックスし、室温で10分間保温した。10分後、その試料を−70℃で凍結した。その溶液を解かす前に、20μLの2M HClを添加した。その溶液を解かした後に、800μLの100mM
NH
4CO
3を添加した。その溶液をボルテックスし、5μLのアセトニトリル中100mMモノブロモジアマン(monobromodiamane)溶液(mBBr)を添加した。次いでその溶液を室温において暗所で90分間保温した。
【0072】
[0089] 1.5mLのジクロロメタンを用いた抽出により、保温後の試料から過剰なmBBrおよびDTE誘導体を除去した。その水層をHPLC上に置いた。約2M NH
4OHを用いてpH 3.95に調節した、30%アセトニトリル、1%酢酸で構成され、1.0mL/分の流速でポンプで流された(pumped)移動相を用いて、注入あたり15分間の均一溶媒での溶離でリポ酸を分離した。この調製は、押し出されたフードの密度が1g/mLに等しいと仮定した。
【0073】
[0090] 全血球計数および血液の生化学分析のために、試験の開始の2週間前に、ならびに0、28、56、84、112、140および168日目に再度、血液を無菌的に集めた。加えて、食事介入の0、28および84日目に、白血球の単離のために15mlの全血を集めた。
【0074】
[0091] ヘパリン処理した(Heparinzed)全血を、50ml Accuspinコニカル遠心チューブ(Sigma Chemical)上に層状に入れ(layered)、等体積のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を添加した。試料を700gで30分間、ブレーキ無しで遠心分離した。単球の層を回収し、15mlコニカル遠心チューブに移し、1〜3mlのPB中で再懸濁し、前回のように遠心分離した(第1洗浄)。第2洗浄を第1洗浄のように行った。最後に、細胞を回収し、過塩素酸(10% w/v)中で懸濁し、分析まで−70℃で冷凍した。
【0075】
[0092] 試料を−70℃の冷凍庫からその中にドライアイスを有する冷却器の中に移した。バイアルを冷却遠心機中で12,000rpmで5分間遠心分離した。グルタチオン(GSH)分析のため、上清の部分量(aliquot)をコニカル試験チューブに移した。
【0076】
[0093] 酸に可溶性の抽出物の誘導体化は、Jonesにより修正された(Jonesら)、Reedおよび共同研究者ら(Farissら)の方法によった。
[0094] 手短には、150μLの抽出物または外部標準を1.5mlエッペンドルフチューブの中に入れ、続いて20μγ−Glu−Glu内部標準を添加し、50μLのIAAを添加し、続いて混合した。その溶液を、KOH−KHCO
3の使用溶液を用いることによりpH約10(紫色)に調節した。溶液を暗所において室温下で1時間保温した。サンガー試薬を総体積と同じ体積で添加し、その溶液を暗所において室温で一夜(20時間)保温した。
【0077】
[0095] 保温の後、溶液を12000rpmで5分間遠心分離し、上清を別の1.5mlエッペンドルフチューブの中に移した。200μLの上清を300μLの注入口を有する琥珀色のオートバイアルの中に入れ、その上端にHPLC分析のためのクリンパを取り
付けた。
【0078】
[0096] 溶媒および分離条件は記述されている通りであった(Fariss, Jones)。GSHおよびGSSGのレベルを、信頼できる標準物質と比較して定量した。ガンマ−グルタミル−グルタメートを内部標準として用いて誘導体化の効率を評価した。
【0079】
[0097] 臨床化学、血液学および体重に関する値のベースラインに対する比較を、ウィンドウズ版SAS上での対応t検定として、有意性をP<0.05で設定して分析した。
それぞれの測定された時点における値の平均を、一元配置ANOVAにより、有意性をP<0.05で設定して分離した。GSH:GSSGにおける、84日目およびベースラインの間の差を、ウィンドウズ版SASにより、一元配置ANOVAで有意性をP<0.05で設定してグループ間で分析した。
【0080】
結果
[0098] 7回の連続するアッセイ(0、28、56、84、112、140、168日目)を経て決定されたフード中のリポ酸の濃度(ppm)は、予想されるアッセイ感度および我々の設備で典型的に生じる生成パラメーターの範囲内であった(表2)。
【0081】
[0099] そのフード摂取データに目立つ点は無かった。全てのグループ中のほとんどの動物は、6ヶ月目の時点で、平均して、試験開始の時点よりも多くのフードを摂取した。体重のデータは、4500ppm含有グループにおいて最初にいくらかの体重の減少が起きたが、その変化は6ヶ月目の時点までに反転したようであったことを除いて目立つ点は無かった。体調の点数は、この軽度の体重減少に影響を受けなかったようであった。
【0082】
[00100] 日常的な身体検査は、栄養に関連する異常またはdl−アルファ−リポ酸の
毒性の証拠を何も示さなかった。試験母集団中のすべての動物は、試験の経過全体の間、正常なままであった。試験の経過の間で数匹の動物において時々嘔吐が観察された;しかし、その嘔吐をリポ酸に起因し得る可能性があるという結論が導かれるであろう傾向は観察されなかった。最も高い含有グループ中の1匹の動物を、体重減少および白血球増加症のため、21日目に試験から外した。この動物における白血球増加症は試験の終了までに解決せず、これはいくつかの他の疾患プロセスに起因し得ると思われる。
【0083】
[00101] 28、56、84、112、140および168日目に関する血清の生化学
的値をイヌの同じグループに関する最初の値と比較した際に、いくつかの統計的な差が認められたが、これらの値は実験室での基準範囲(reference range)内であるかそれに非常に近く、数ヶ月にわたる一貫した傾向が認められたので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。それぞれの期間における対照および他の処置グループの間の比較もいくつかの統計的な差を示したが、これらの値は臨床検査室での基準範囲内であるかそれに非常に近く、傾向が存在しなかったので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。
【0084】
[00102] 28、56、84、112、140および168日目に関する血液学的値を
イヌの同じグループに関する最初の値と比較した際に、いくつかの統計的な差が認められた;しかし、これらの値は実験室での基準範囲内であるかそれに非常に近く、傾向が存在しなかったので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。それぞれの期間における対照および他の処置グループの間の比較はいくつかの統計的な差を示した;しかし、これらの値は臨床検査室での基準範囲内であるかそれに非常に近く、傾向が存在しなかったので、これらのいずれも生物学的に有意であるとはみなされなかった。
【0085】
GSH:GSSG比
[00103] 84日間の給餌にわたるGSH:GSSG比の変化は試料の有意な全体的な
効果を示し(P=0.024)、すべての補われたグループでその比が増大した(表3)。ANOVAは、最も低い、および最も高い含有に関して基礎フードと比較して有意な差を示したが、最も大きな数値の増加は最も低い含有レベルにおいてであった。すなわち、最も高い、および最も低い含有に関するGSH:GSSG比の変化は、この同じ期間にわたって基礎フードで観察された変化と有意に異なっていた。84日目における4点に関する比は、これらの試料の全て(1匹の対照、3匹の処置グループ)でGSSGが検出できなかったため、決定することができなかった。従って、補われたグループに関する値は、そのアッセイが84日目における低レベルのGSSGを検出するのに十分に高感度であったならば、さらに高いGSH:GSSGの比を示していた可能性がある。
【0086】
表2
【0087】
【表2】
【0088】
表3
【0089】
【表3】
【0090】
*対照および4,500ppmグループでは1匹のイヌが84日目において検出可能な
GSSGを有しておらず、一方で3,000ppmグループでは2匹のイヌが84日目において検出可能なGSSGを有していなかった。
【0091】
[00104] アルファ−リポ酸に関して、さらなる観察を適用可能である。飼料中のアル
ファ−リポ酸の長期にわたる給餌は、安全かつ有効である。それは還元型グルタチオン(GSH)対酸化型グルタチオン(GSSG)の比を向上させる。飼料中のアルファ−リポ酸の長期にわたる投与は、最低1、2、3、4、5または6カ月の期間から、1、2、3、4、5年の期間、またはその動物の一生涯を含むさらに長い期間を通してまでであることができる。そのアルファ−リポ酸は飼料中でカプセル封入のような特別な保護無しで機能し、医薬において用いられる単位剤形、例えば錠剤、丸剤、カプセルおよび同様のもののような単位剤形で飼料中に存在する必要がない。そのリポ酸は、飼料中で飼料の最低約25、50、75または100ppmで提供される。最高範囲はその毒性レベルのすぐ下であり、飼料の約400、300または200ppmに至るまでと幅広い。一般に、1日あたり約6または7mg/動物のkg体重を超えることはなく、より一般には約5mg/動物のkg体重より上ではない。アルファ−リポ酸は抗酸化防御能力を向上させ、さらにその動物の酸化的傷害に耐える能力を向上させる。この全ては、適量存在する他の抗酸化剤、例えばビタミンEおよびビタミンCと共になされる。これは、アルファ−リポ酸の作用がビタミンCおよび/またはビタミンEの作用を超えていることを実証している。
【0092】
実施例3
材料および方法:
[00105] 30(30)匹のイヌを用いて、AAFCO対照フードまたは魚油を含む試
験フードと比較した際のリポ酸の効果を決定した。
【0093】
[00106] AAFCO対照フード、魚油を含むフード、およびリポ酸を含むフードの間
で差次的遺伝子発現プロフィールを試験した。d30において、最小で1.3倍の変化で
、AAFCO対照と比較して1212個の遺伝子のリストを生成し、魚油を含むフードと比較して1896個の遺伝子のリストを生成した。
【0094】
[00107] RNA抽出:全RNAを全血試料からPAXgene RNA単離キットを
用いて単離した。全ての測定は、canine 2 Affymetrix genechipを用いて行った。統計分析のため、全ての測定値をRMAを用いて標準化した。全ての分析はPartekを用いて行った。対象および試験フードの間で差次的に発現している遺伝子に関してANOVA t−検定を行い、それはp−値カットオフ0.1、倍率変化>+/−1.3に基づいて選択された。
【0095】
[00108] 遺伝子発現:150ppmのリポ酸を含む試験フードを与えられたイヌにお
いて、AAFCO対照フードを与えられたイヌと比較した際に1212個の遺伝子の発現が変化していることが分かった。加えて、リポ酸を含む試験フードを与えられたイヌにおいて、魚油を含む試験フードと比較して1896個の遺伝子の発現が変化していることが分かった。表9は、機能によりグループ分けした遺伝子および対照フードまたは魚油を含むフードのどちらかを与えられたそれらと比較した発現の方向を示す。
【0096】
[00109] メタボロミクス:血漿代謝産物を分析し、対象を与えられたイヌと比較した
倍率変化として比較した。
[00110] バイオマーカーの測定:ELISAに基づくキットを用いて血清軟骨マーカ
ーを測定し、軟骨マーカーの濃度を決定した。0日目を分析における共変数として用いて、ベースラインの値に関して調整した。
【0097】
[00111] 結果:リポ酸のフードへの添加は、結果として、II型コラーゲンC−プロ
ペプチドおよびII型コラーゲンのカルボキシ末端に架橋されたテロペプチド断片における、リポ酸無しの類似のフードよりも大きな減少をもたらした。これらの2種類のマーカーは骨関節炎を有するイヌにおいて増加することが知られている。加えて、リポ酸を含むフードを与えられたイヌは脂肪を失い、これはエネルギーのための脂肪の利用(脂肪酸化)の増大およびより健康な体重維持のためのグルコースの産生の減少を示唆している。言い換えれば、リポ酸を与えられたイヌは利用可能なグルコースをより効率的に利用し、エネルギーの使用に関してそれらの代謝を脂肪の動員に移行させた。加えて、代謝産物であるヒドロキシプロリンが血漿中で減少しており、この代謝産物はほとんど排他的に軟骨から生じるため、これは低減した軟骨破壊を示唆している。さらに、血清白血球から決定された遺伝子発現の変化はその証拠を支持し、軟骨構成要素の合成の増大および軟骨を分解する酵素の発現の減少による軟骨の保護の増大を示唆している。最後に、遺伝子発現の変化は、グルコースからのピルベートの形成を阻害し、エネルギーに関して代謝をアセチル−CoAの往復(shuttling)に移行させるPDK4の増加およびグルコース輸送体の上方制御による向上した脂肪利用を示唆している。リポ酸を与えられたイヌは、対照のフードを与えられたイヌと比較してゲノム的により引き締まっている(leaner)ようにも見えた。
【0098】
[00112] 次の表は、リポ酸を用いた処置に関する、脂肪および体重ならびに軟骨マー
カーにおける違いを示している。
[00113] 表4は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を与えられたイヌと比
較した、対照飼料を与えられたイヌの体組成の変化を図説している。表4において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日の処置期間にわたって最も大きい体重の変化を示した。
【0099】
【表4】
【0100】
[00114] 表5は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を与えられたイヌと比
較した、対照飼料を与えられたイヌにおけるピルベートの血中レベルの変化を図説している。表5において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは30日の処置期間にわたって最も大きいピルベートの血中レベルの変化を示した。
【0101】
【表5】
【0102】
[00115] 表6は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を30日間与えられた
イヌと比較した、対照飼料を与えられた後にゲノム的に太っていると分類されたイヌの百分率を図説している。表6において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは、30日の処置期間の後に、身体的に太ったイヌとゲノム的に似ていなかった。
【0103】
【表6】
【0104】
[00116] 表7は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を30日間与えられ、
90日目に再度測定されたイヌと比較した、対照の試料を与えられた後のイヌにおける関節マーカーの血中レベルの変化を図説する。表7において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは、リポ酸を加えた対照を与えられた30日間の処置期間の後に関節マーカー(すなわちCPIIおよびCTXII)の低減を、90日間の期間の後に関節マーカーのより大きな低減を示した。
【0105】
【表7】
【0106】
[00117] 表8は、対照試料を与えられた後のイヌにおける、魚油を加えた対照および
リポ酸を加えた対照を90日間与えられたイヌと比較した、イヌ科の動物の骨細胞における軟骨の代謝に関連する遺伝子の方向性の変化(上方制御または下方制御)を図説する。表8において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは、軟骨のコラーゲン構成要素の分解に対応するMMP3遺伝子の下方制御、MMP類の阻害に対応す
るTIMP2の上方制御、およびII型コラーゲンの合成における律速段階に対応する(すなわち、コラーゲンエピトープ中への組み込みのためにヒドロキシプロリンを生成する)プロリル4−ヒドロキシラーゼの上方制御を示した。
【0107】
【表8】
【0108】
[00118] 表9は、魚油を加えた対照およびリポ酸を加えた対照を90日間与えられた
イヌと比較した、対照試料を与えられた後のイヌにおける、軟骨の代謝およびエネルギー代謝に関連する遺伝子における変化を図説する。
【0109】
表9.対照または上質(upgrade)フード(上質は魚油を含む)と比較した、リポ酸により変化した軟骨およびエネルギー代謝に関連する遺伝子
【0110】
【表9-1】
【0111】
【表9-2】
【0112】
[00119] 表10は、本発明の説明的なペットフード組成物中の成分を図説する。
表10.組成物を作るために用いられる成分
【0113】
【表10】
【0114】
[00120] 表11は、リポ酸を加えた対照を90日間与えられたイヌと比較した、対照
試料を与えられた後のイヌに関する血液試料中の免疫状態マーカーを図説する。表11において図説されているように、リポ酸を含むフードを与えられたイヌは90日後に増大した免疫状態マーカーを示した。
【0115】
【表11】
【0116】
*0日目の値を分析における共変数として用いた
−対照は標準的なAAFCOドッグフードを指す。
−上質は低脂肪、低カロリー、高繊維のペットフードを指す。
【0117】
[00121] 表12は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した
、対照飼料を与えられた後のイヌに関して血液試料中で測定された関節のマーカーを図説する。表12において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日後に減少した免疫状態のマーカーを示した。
【0118】
【表12】
【0119】
[00122] 表13は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した
、対照飼料を与えられた後のイヌに関して血液試料中で測定された皮膚および外皮のマーカーを図説する。表13において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日後に増大した皮膚および外皮のマーカーを示した。
【0120】
【表13】
【0121】
[00123] 表14は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した
、対照飼料を与えられた後のイヌに関して血液試料中で測定された腎臓のマーカーを図説する。表14において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは90日後に減少した腎臓のマーカーを示した。
【0122】
【表14】
【0123】
[00124] 表15は、リポ酸を含むペットフードを90日間与えられたイヌと比較した
、対照飼料を与えられた後のイヌに関する二重エネルギーX線吸収測定(DEXA)による測定結果を図説する。DEXAを用いた体脂肪の測定は、健康の評価に関して体重よりも正確である。イヌは多くの筋肉を有する可能性があるが、多くの高さ/体重チャートにより“体重過多”とみなされる可能性がある。逆もまた真である可能性がある−イヌは多くの脂肪およびわずかな筋肉を有する可能性があり、“太り過ぎ”であるが体重過多ではない可能性がある。
【0124】
【表15】
【0125】
[00125] 表16は、5種類の異なるフードを180日間与えられた後のイヌに関する
血液試料中で測定された免疫状態および抗酸化物質のマーカーを図説する。
【0126】
【表16】
【0127】
*0日目の値を共変数として用いた
−対照は標準的なAAFCOドッグフードを指す。
−上質は低脂肪、低カロリー、高繊維のペットフードを指す。
【0128】
[00126] 表17は、5種類の異なるフードを180日間与えられた後のイヌに関する
血液試料中で測定された関節のマーカーを図説する。
【0129】
【表17】
【0130】
[00127] 表18は、5種類の異なるドッグフードを180日間与えられた後のイヌに
関する血液試料中で測定された皮膚および外皮のマーカーを図説する。
【0131】
【表18】
【0132】
[00128] 表19は、5種類の異なるペットフードを180日間与えられた後のイヌに
関する血液試料中で測定された腎臓のマーカーを図説する。
【0133】
【表19】
【0134】
[00129] 表20は180日目における体組成を図説し、5種類の異なるペットフード
を180日間与えられたイヌに関して最初の共変数を用いて処置の効果を決定する。
【0135】
【表20】
【0136】
[00130] 表21は180日目における血中サイトカインレベルを図説し、5種類の異
なるペットフードを180日間与えられたイヌに関して最初の共変数を用いて処置の効果を決定する。
【0137】
【表21】
【0138】
[00131] 表22は、リポ酸を含むペットフードを30日間与えられたイヌと比較した
、対照飼料を与えられた後のイヌに関する血液試料中で測定された代謝産物の変化を図説する。表22において図説されているように、リポ酸を加えた対照を与えられたイヌは30日後に減少した腎臓のマーカーを示した。
【0139】
【表22】
【0140】
[00132] 本発明は、本発明の少数の観点の説明として意図されている実施例において
開示されている特定の態様により範囲を限定されず、機能的に均等であるあらゆる態様はこの発明の範囲内である。実際、本明細書において示され、記述されているそれらに加えて、本発明の様々な修正が当業者に明らかになると考えられ、それは添付された特許請求の範囲の範囲内に入ることを意図する。
【0141】
[00133] 引用されているあらゆる参考文献に関して、それの開示全体を本明細書に援
用する。