(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6408965
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】ブレーキキャリパー
(51)【国際特許分類】
F16D 65/18 20060101AFI20181004BHJP
F16D 65/02 20060101ALI20181004BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20181004BHJP
F16D 121/24 20120101ALN20181004BHJP
F16D 125/40 20120101ALN20181004BHJP
【FI】
F16D65/18
F16D65/02 C
F16D65/02 F
B60T13/74 G
F16D121:24
F16D125:40
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-158259(P2015-158259)
(22)【出願日】2015年8月10日
(65)【公開番号】特開2017-36796(P2017-36796A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2017年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】515219285
【氏名又は名称】廖志賢
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廖志賢
【審査官】
竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−124812(JP,A)
【文献】
特開2010−236655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 49/00−71/04
B60T 13/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相反する第1の盤面及び第2の盤面を有し第1の軸線を中心に回転するブレーキローターを離脱可能に挟んで停止させることができるブレーキキャリパーであって、
前記ブレーキキャリパーは、
筺体と、
前記筺体に取り付けられていると共に、前記ブレーキローターを離脱可能に挟んで停止させることができる制動ユニットと、
前記筺体内に収容されていると共に、前記制動ユニットを駆動する駆動ユニットと、を備えており、
前記筺体は、
前記ブレーキローターにある該第1の盤面の一部を覆う第1の枠と、
前記第1の軸線と平行して前記第1の枠から延伸する2つの支持軸と、
前記ブレーキローターにある該第2の盤面の一部を覆う第2の枠と、を備えており、
前記駆動ユニットは、
前記筺体の前記支持軸に貫通されると共に、前記支持軸に沿って移動可能な保持座と、
前記保持座に保持されるモーターと、
前記第1の軸線と平行して該ブレーキローターを貫通する第2の軸線に沿って、前記モーターに取付けられている取り付け端部から、前記保持座及び前記第1の枠を貫通して前記ブレーキローターにある該第1の盤面に臨む延伸端部まで延伸し、且つ前記モーターにより回転駆動されることができるシャフト及び前記シャフトの前記延伸端部に取付けられて前記シャフトの回転により前記ブレーキローターにある該第1の盤面に接近/離間することができるスリーブを有するように構成された伸縮機構と、
前記保持座から前記筺体の第2の枠まで延伸する連動座と、を備えており、
前記制動ユニットは、
前記伸縮機構の前記スリーブに固定されると共に、前記伸縮機構が有する前記スリーブの前記第1の盤面に接近する動きにしたがって該ブレーキローターの該第1の盤面に当接することができる第1の制動パッドと、
前記連動座に固定されると共に、前記第2の枠と前記ブレーキローターの前記第2の盤面との間に挿し込まれながら、前記連動座の動きにしたがって前記第2の盤面に当接することができる第2の制動パッドと、を備えており、
この構成により、前記駆動ユニットの前記モーターが前記シャフトを回転駆動すると、前記シャフトの回転により前記ブレーキローターにある該第1の盤面に接近する前記スリーブに固定されている前記第1の制動パッドが前記ブレーキローターの前記第1の盤面に当接した状態になり、
前記当接した状態から、前記モーターが前記シャフトを引き続いて回転駆動すると、前記シャフトがその回転により前記モーター及び前記モーターが取付けられている前記保持座が前記第1の制動パッドから離れるように移動するようになり、前記保持座から前記筺体の前記第2の枠まで延伸する前記連動座に固定されている前記第2の制動パッドが前記ブレーキローターの前記第2の盤面に当接して前記第1の制動パッドと共に前記ブレーキローターを挟んで停止させることができ、
前記筺体にある前記第1の枠における前記第1の盤面へ面する側には、第1の定位溝が形成されており、
前記駆動ユニットの前記伸縮機構は、
前記保持座の該第1の盤面へ面する側の反対側で前記シャフトに設置されて該反対側に当接する止め輪と、
前記スリーブから張り出して前記ブレーキローターにある該第1の盤面と前記第1の枠との間に介在すると共に、前記第1の枠にある前記第1の定位溝内に収容されて保持されることができるアンカーと、を更に有し、 この構成により、前記アンカーは、前記スリーブが前記第1の盤面に接近するように駆動される際においては一部が第1の定位溝から突出し、そして前記スリーブが前記第1の盤面から離れるように駆動される際において前記第1の定位溝に進入して前記第1の枠に当接することを特徴とするブレーキキャリパー。
【請求項2】
前記駆動ユニットの前記シャフトの外周面には、前記スリーブと前記保持座との間に介在するように前記シャフトから張り出すフランジ部と、前記フランジ部より前記第1の盤面に接近する部分に、前記スリーブと螺合可能なネジ部と、が形成されており、
また、前記駆動ユニットは、前記保持座と前記伸縮機構の前記フランジ部との間に設置されるスリーブ軸受を更に備えており、
前記スリーブ軸受は、
前記保持座と連結して前記フランジ部に当接される基部と、
前記基部の周縁から延伸して前記フランジ部と前記ネジ部の一部及び前記スリーブの一部を包囲する周壁部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のブレーキキャリパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制動用のブレーキキャリパーに関し、特に、電動式のブレーキキャリパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両制動装置は、例えば以下の特許文献に記載されたもので、回転するブレーキローターを解除可能に挟んで制動することができる2つの制動パッドを備えているキャリパーと、前記キャリパーと連結する油送管と、前記油送管と連結する油圧ピストンと、前記キャリパーと前記油送管及びの間に流動する作動油と、前記油圧ピストンを作動して前記作動油に圧力を与えると共に、前記作動油を介して前記制動パッドを駆動することができる取っ手と、を有している。
【0003】
運転者が前記取っ手を引くと、前記取っ手に作動されて前記油圧ピストンは、倍力機構を経由して前記作動油を押して圧力を与え、該圧力を前記作動油を通じて前記油送管に伝えることで、前記キャリパーの前記制動パッドを駆動して該ブレーキローターを挟んで制動できる。そして、運転者が前記取っ手を戻すと、前記油圧ピストンが戻ると共に、該圧力が消えることで前記キャリパーによる制動が解除される。
【0004】
なお、このような車両制動装置は、多用される度に前記キャリパーの前記制動パッドが該ブレーキローターとの摩擦による磨耗され、または前記油圧ピストンや前記油送管の老化による前記作動油の漏出などの原因で、制動機能が劣化する。しかし、そこに救済手段として、前記油圧ピストンに余分の作動油を供給して前記制動パッドの出力を補足できる油槽が追加設置されることが一般である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許第M392777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、油槽の設置は車両制動装置全体の大型化に繋がり、空間の利用においては好ましいことではない。
【0007】
上記問題点に鑑みて、本発明は、空間を節約できるブレーキキャリパーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、第1の盤面及び第2の盤面を有し第1の軸線を中心に回転して相反するブレーキローターを離脱可能に挟んで停止させることができるブレーキキャリパーであって、前記ブレーキキャリパーは、筺体と、前記筺体に取り付けられていると共に、前記ブレーキローターを離脱可能に挟んで停止させることができる制動ユニットと、前記筺体内に収容されていると共に、前記制動ユニットを駆動する駆動ユニットと、を備えており、前記筺体は、前記ブレーキローターにある該第1の盤面の一部を覆う第1の枠と、前記ブレーキローターにある該第2の盤面の一部を覆う第2の枠と、を備えており、前記駆動ユニットは、前記筺体の前記支持軸に貫通されると共に、前記支持軸に沿って移動可能な保持座と、前記保持座に保持されるモーターと、前記第1の軸線と平行して該ブレーキローターを貫通する第2の軸線に沿って、前記モーターに取付けられている取り付け端部から、前記保持座及び前記第1の枠を貫通して前記ブレーキローターにある該第1の盤面に臨む延伸端部まで延伸し、且つ前記モーターにより回転駆動されることができるシャフト及び前記シャフトの前記延伸端部に取付けられて前記シャフトの回転により前記ブレーキローターにある該第1の盤面に接近/離間してすることができるを有するように構成された伸縮機構と、前記保持座から前記筺体の第2の枠まで延伸する連動座と、を備えており、前記制動ユニットは、前記伸縮機構の前記スリーブに固定されると共に、前記伸縮機構が有する前記スリーブの前記第1の盤面に接近する動きにしたがって該ブレーキローターの該第1の盤面に当接することができる第1の制動パッドと、前記連動座に固定されると共に、前記第2の枠と前記ブレーキローターの前記第2の盤面との間に挿し込まれながら、前記連動座の動きにしたがって前記第2の盤面に当接することができる第2の制動パッドと、を備えていることを特徴とするブレーキキャリパーを提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、本発明のブレーキキャリパーは、駆動ユニットの前記モーターで固体の前記伸縮機構を作動させて前記制動ユニットの前記制動パッドを駆動する構造であるため、媒体を介する必要がない。よって、該ブレーキキャリパー全体をブレーキローターに集約して設置し、空間の節約を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のブレーキキャリパーの実施形態の各部構成が示されている分解斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態をブレーキローターと組み立てた状態が示されている斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態の構成が示されている縦断面図である。
【
図4】本発明の実施形態の構成が示されている横断面図である。
【
図5】本発明の実施形態における制動ユニットの第1の制動パッドのみが該ブレーキローターに当接する状態が示されている断面図である。
【
図6】本発明の実施形態における第1の制動パッド及び第2の制動パッドが共に該ブレーキローターに当接して制動する状態が示されている正面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では
図1〜
図6を参照しながら、本発明のブレーキキャリパー100の実施形態について詳しく説明する。
【0012】
図2と
図6に示されるように、本発明のブレーキキャリパー100は、相反する第1の盤面210及び第2の盤面220を有する上に第1の軸線L1を中心に回転するブレーキローター200を離脱可能に挟んで停止させることができる。ブレーキキャリパー100は、ブレーキローター200の一部を覆う筺体10と、筺体10に取り付けられていると共に、ブレーキローター200を離脱可能に挟んで停止させることができる制動ユニット30と、筺体10内に収容されていると共に、制動ユニット30を駆動する駆動ユニット40と、を備えている。
【0013】
図1、
図3及び
図4に示されるように、筺体10は、ブレーキローター200にある第1の盤面210の一部を覆う第1の枠11と、第1の軸線L1と平行して第1の枠11から延伸する2つの支持軸13と、ブレーキローター200にある第2の盤面220の一部を覆う第2の枠12と、を備えている。また、第1の枠11における第1の盤面210へ面する側には、第1の定位溝111が形成されている。そして、第2の枠12における第2の盤面220へ面する側には、第2の定位溝121が形成されている。
【0014】
図1及び
図3に示されるように、駆動ユニット40は、筺体10の支持軸13に貫通されると共に、支持軸13に沿って移動可能な保持座41と、保持座41に保持されるモーター42と、モーター42により駆動されてブレーキローター200にある第1の盤面210に接近/離間することができるように構成された伸縮機構44と、保持座41の第1の盤面210へ面する側に設置されるスリーブ軸受43と、保持座41から筺体10の第2の枠12まで延伸する連動座45と、を備えている。
【0015】
駆動ユニット40の伸縮機構44は、モーター42により回転駆動されることができるシャフト441と、保持座41の第1の盤面210へ面する側の反対側でシャフト441に設置されて該反対側に当接する止め輪446と、シャフト441に取付けられてシャフト441の回転によりブレーキローター200にある第1の盤面210に接近/離間することができるスリーブ447と、スリーブ447から張り出してブレーキローター200にある第1の盤面210と第1の枠11との間に介在するように形成されているアンカー448と、を有するように構成されている。
【0016】
伸縮機構44のシャフト441は、第1の軸線L1と平行してブレーキローター200を貫通する第2の軸線L2に沿って、モーター42に取付けられている取り付け端部442から、保持座41とスリーブ軸受43及び第1の枠11を貫通してブレーキローター200にある第1の盤面210に臨む延伸端部443まで延伸するように構成されている。更に、シャフト441の外周面には、スリーブ447と保持座41との間に介在するようにシャフト441から張り出してスリーブ軸受43に当接するフランジ部444と、フランジ部444より第1の盤面210に接近する部分に、スリーブ447と螺合可能なネジ部445と、が形成されている。したがって、フランジ部444と止め輪446とが、保持座41及びスリーブ軸受43に当接することで、シャフト441は保持座41及びスリーブ軸受43に定位されて回転できるように構成されている。
【0017】
伸縮機構44のアンカー448は、筺体10にある第1の枠11にある第1の定位溝111内に嵌め込まれるように配置されており、この構成により、アンカー448及びスリーブ447は第1の枠11に対して回転不可能になり、シャフト441がモーター42により回転駆動される際、シャフト441に取り付けられているスリーブ447及びアンカー448は回転不可能になっている。そのため、スリーブ447及びアンカー448は、
図3、
図5及び
図6に示されるように、モーター42により駆動されるシャフト441の回転方向に応じて、第2の軸線L2に沿って、ブレーキローター200にある第1の盤面210に接近したり離間したりすることができるようになっている。
【0018】
駆動ユニット40のスリーブ軸受43は、保持座41と連結してフランジ部441に当接される基部431と、基部431の周縁から延伸してフランジ部441とネジ部445の一部及びスリーブ447の一部を包囲する周壁部432と、を有する。一方、連動座45には、第2の枠12へ突出する共に、第2の枠12にある第2の定位溝121に保持される爪部451が形成されている。この構成により、
図3及び
図6に示されるように、保持座41に連動して連動座45が移動する際、爪部451は第2の定位溝121内に嵌まりながら、ブレーキローター200にある第2の盤面220に接近したり離間したりすることができるようになっている。
【0019】
そして、制動ユニット30は、伸縮機構44のスリーブ447にあるアンカー448に固定されると共に、スリーブ447の第1の盤面210に接近する動きにしたがってブレーキローター200の第1の盤面210に当接することができる第1の制動パッド31と、駆動ユニット40の連動座45の爪部451に固定されると共に、第2の枠12とブレーキローター200の第2の盤面220との間に挿し込まれていながら、連動座45の動きにしたがって第2の盤面220に当接することができる第2の制動パッド32と、を備えている。
【0020】
以下では、
図3、
図5及び
図6を参照しながら、本発明のブレーキキャリパー100の作動について詳しく説明する。
【0021】
先ずは
図3に示されているように、ブレーキキャリパー100が未作動の際、駆動ユニット40の伸縮機構44におけるスリーブ447にあるアンカー448に固定されている第1の制動パッド31及び連動座45にある爪部451に固定されている第2の制動パッド32は、それぞれブレーキローター200にある第1の盤面210及び第2の盤面220から離れていて、ブレーキローター200の回転を妨げない位置に配置されている。
【0022】
この
図3に示されている状態において、駆動ユニット40のモーター42が伸縮機構44のシャフト441を回転駆動すると、シャフト441の回転により、シャフト441に取付けられているスリーブ447及びアンカー448は、第1の枠11に形成されている第1の定位溝111に沿って、第1の枠11から離れるように移動してブレーキローター200にある第1の盤面210に接近し、アンカー448に固定されている第1の制動パッド31がブレーキローター200の第1の盤面210に当接して、
図5に示されている状態になる。
【0023】
この
図5に示されている状態になってから、さらに、モーター42がシャフト441を引き続き回転駆動すると、シャフト441は、その回転によりフランジ444がスリーブ軸受43ごと保持座41及びモーター42を第1の制動パッド31から押し離すように移動するようになり、保持座41から筺体10の第2の枠12まで延伸する連動座45の爪部451も、一部が第2の枠11にある第2の定位溝121から突出し、爪部451に固定されている第2の制動パッド32をブレーキローター200の第2の盤面220に当接させて
図6に示されている状態になり、第2の制動パッド32が第1の制動パッド31と共にブレーキローター200を挟んで停止させ、制動することができる。また、第1の制動パッド31及び第2の制動パッド32が共にブレーキローター200に当接するとそれ以上接近することができないので、モーター42により駆動されるシャフト441もそれ以上回転できなくなり、モーター42がシャフト441に加える駆動力は、第1の制動パッド31及び第2の制動パッド32がブレーキローター200を挟む制動力に変換されるようになる。
【0024】
そして、この
図6に示されている制動ユニット30がブレーキローター200を制動している状態から、駆動ユニット40のモーター42が伸縮機構44のシャフト441を逆方向へ回転駆動すると、先ずスリーブ447は、ブレーキローター200にある第1の盤面210に当接する第1の制動パッド31を第1の盤面210から離れるようにシャフト441側に連れ戻し、そしてアンカー448を第1の枠11にある第1の定位溝111に戻して第1の枠11に当接させて
図5に示されている状態になる。この
図5に示されている状態になってから引き続いて、モーター42がシャフト441を前記逆方向へ回転駆動すると、止め輪446及びアンカー448の当接によって保持座41は、ブレーキローター200にある第1の盤面210へ移動し、連動座45にある爪部451を第2の枠12にある第2の定位溝121に戻し、したがって第2の盤面220に当接する第2の制動パッド32をも第2の盤面220から離れるように連れ戻して
図3に示されている状態になって、ブレーキキャリパー100が自由に回転できるようになる。
【0025】
このように、本発明のブレーキキャリパー100を、例えば車両の電気制御装置(ECU)と組み合わせて坂道発進補助装置として応用し、坂道における車両の加速力不足や運転者の誤操作などの要因で、車両が坂道から滑り落ちること、或いは逆行することを防止できる。なお、伸縮機構44の可伸縮量などを予め余分があるように設計すれば、制動ユニット30にある第1の制動パット31及び第2の制動パット32の磨耗による制動機能の劣化を容易に補足して対処できる。
【0026】
なお、本発明のブレーキキャリパー100の駆動ユニット40における伸縮機構44は、モーターでネジを回転させる構造による駆動法を用いているが、本実施形態に制限されず、替わりにシャフト441とスリーブ447を一体化させ、リニアモーターなどの装置でシャフト441を第2の軸線L2に沿って往復移動させて制動ユニット30にある第1の制動パッド31を制御する構造にすることも可能である。
【0027】
以上を総括すると、本発明のブレーキキャリパー100は、駆動ユニット40のモーター42と、モーター42によって駆動されて制動ユニット30にある第1の制動パッド31を直接に移動できる伸縮機構44と、伸縮機構44と相対運動して第2の制動パッド32を連動できる保持座41及び連動座45と、筺体10とを備えていることで、媒体を介さずに制動ユニット30を作動できるので、ブレーキキャリパー100全体をブレーキローター200に集約して設置することができる。更に伸縮機構44の可伸縮量などを余分があるように設計すれば、制動ユニット30の磨耗による制動機能の劣化に容易に対処できるので、特に救済手段を増設する必要なく、空間の占用を大幅に節約できる。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
上記構成によれば、本発明のブレーキキャリパーは、車内空間の占用を大幅に節約するので、余った空間を他の装置や部品の追加、増量化、改造などに回すことができる。
【符号の説明】
【0030】
10 筺体
11 第1の枠
111 第1の定位溝
12 第2の枠
121 第2の定位溝
13 支持軸
30 制動ユニット
31 第1の制動パッド
32 第2の制動パッド
40 駆動ユニット
41 保持座
42 モーター
43 スリーブ軸受
431 基部
432 周壁部
44 伸縮機構
441 シャフト
442 取り付け端部
443 延伸端部
444 フランジ部
445 ネジ部
446 止め輪
447 スリーブ
448 アンカー
45 連動座
451 爪部
200 ブレーキローター
210 第1の盤面
220 第2の盤面
L1 第1の軸線
L2 第2の軸線