特許第6409002号(P6409002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許6409002通信クォータ割当て方法および対応するオンライン課金システム
<>
  • 特許6409002-通信クォータ割当て方法および対応するオンライン課金システム 図000013
  • 特許6409002-通信クォータ割当て方法および対応するオンライン課金システム 図000014
  • 特許6409002-通信クォータ割当て方法および対応するオンライン課金システム 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409002
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】通信クォータ割当て方法および対応するオンライン課金システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   H04M15/00 E
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-552160(P2015-552160)
(86)(22)【出願日】2014年1月7日
(65)【公表番号】特表2016-510535(P2016-510535A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】IB2014000075
(87)【国際公開番号】WO2014108801
(87)【国際公開日】20140717
【審査請求日】2015年9月7日
(31)【優先権主張番号】201310021275.9
(32)【優先日】2013年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】フ,ヨンペイ
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−533916(JP,A)
【文献】 特開平05−244193(JP,A)
【文献】 特開2010−193334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04B 7/24− 7/26
H04L 12/00−12/26、
12/50−12/955
H04M 3/00、
3/16− 3/20、
3/38− 3/58、
7/00− 7/16、
11/00−11/10、
15/00−15/38
H04W 4/00− 8/24、
8/26−16/32、
24/00−28/00、
28/02−72/02、
72/04−74/02、
74/04−74/06、
74/08−84/10、
84/12−88/06、
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信に対してクォータを割り当てるための方法であって、
i)前記通信に対してクォータを割り当てるステップと、
ii)前記割り当てられたクォータに基づいて、前記通信のための実際のクォータ消費スピードを獲得するステップと、
iii)前記実際のクォータ消費スピードに従って前記通信に対して新しいクォータを割り当てるステップと
を含み、
前記ステップiiは、最新の時間に割り当てられたクォータの消費スピードを獲得するステップと、前記最新の時間の前に割り当てられた一定数のクォータの平均消費スピードを獲得するステップとをさらに含み、
前記ステップiiiは、前記最新の時間に割り当てられた前記クォータを調整するステップをさらに含んでおり、調整量は、前記最新の時間に割り当てられた前記クォータの前記消費スピードと、前記最新の時間の前に割り当てられた前記一定数のクォータの前記平均消費スピードとの間の差に依存している方法。
【請求項2】
前記ステップiiiにおいて、消費スピードが増大しているときに、より大きなクォータが前記新しいクォータとして割り当てられ、
消費スピードが減少しているときに、より小さなクォータが前記新しいクォータとして割り当てられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップiiおよびステップiiiは、前記通信が完了するまで反復される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記一定数は、1つまたは複数を含んでいる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップiiiにおいて、前記差と時定数の積が前記調整量として使用され、前記時定数は、前記クォータの有効時間と同じオーダであり、また前記時定数は、前記クォータの有効時間よりも大きい、前記クォータの有効時間に等しい、または前記クォータの有効時間よりも小さい、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップiの前に、トラフィック制御デバイスからのクォータ要求を受信するステップと、
前記ステップiにおいて、前記割り当てられたクォータの量を前記トラフィック制御デバイスに通知するステップと、
前記ステップiiにおいて、前記トラフィック制御デバイスから、前記割り当てられたクォータに基づいた前記通信のためのクォータの実際の消費された量と、前記割り当てられたクォータに基づいた前記通信のための実際の通信時間とを取得するステップ、および前記クォータの前記消費スピードを算出するステップと、
前記ステップiiiにおいて、前記新しいクォータの量を前記トラフィック制御デバイスに通知するステップと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップiにおいて、前記割り当てられたクォータの前記量と、前記クォータの有効時間と、クォータの再割当てをアクティブに要求するためのしきい値とが、前記トラフィック制御デバイスに対して送信され、送信時間が記録され、クォータの再割当てを要求するための前記しきい値は、前記割り当てられたクォータの前記量に関連づけられており、
前記ステップiiは、
前記トラフィック制御デバイスによって送信される前記クォータの有効時間内のクォータの前記消費された量を受信するステップおよび記録するステップ、ならびに受信時間を記録するステップと、
クォータの前記消費された量と、前記記録された受信時間と送信時間との間の時間差とに従って前記割り当てられたクォータの前記消費スピードを算出するステップおよび記録するステップと、
以前に反復されたステップiiにおいて記録される情報から、前記最新の時間の前に割り当てられた前記一定数のクォータの前記平均消費スピードを算出するステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップiiは、
前記クォータの有効時間の期限切れの後に前記トラフィック制御デバイスによって送信される実際に消費されたクォータを受信するステップ、または
前記割り当てられたクォータの前記消費された量が、前記クォータの有効時間の期限切れの前にクォータの再割当てをアクティブに要求するための前記しきい値に到達するときに、前記トラフィック制御デバイスによって送信される実際に消費されたクォータを受信するステップ
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
オンライン課金システムであって、
通信に対してクォータを割り当てるように構成された割当てユニットと、
前記割り当てられたクォータに基づいて、前記通信についての実際のクォータ消費スピードを獲得するように構成された処理ユニットと
を備えており、
前記割当てユニットはさらに、前記実際のクォータ消費スピードに従って、前記通信に対して新しいクォータを割り当てるように構成されており、
前記割当てユニットと、前記処理ユニットとは、繰り返して動作する、オンライン課金システムであって、
前記処理ユニットは、さらに、
最新の時間に割り当てられたクォータの消費スピードを獲得し、
前記最新の時間の前に割り当てられた一定数のクォータの平均消費スピードを獲得するように、
構成されており、
前記割当てユニットは、さらに、前記最新の時間に割り当てられた前記クォータを調整するように構成されており、調整量は、前記最新の時間に割り当てられた前記クォータの前記消費スピードと、前記最新の時間の前に割り当てられた前記一定数のクォータの前記平均消費スピードとの間の差に依存している、オンライン課金システム
【請求項10】
前記割当てユニットは、さらに、
消費スピードが増大しているときに、新しいより大きなクォータを割り当て、
消費スピードが減少しているときに、新しいより小さなクォータを割り当てるように、
構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
記一定数は、1つまたは複数を含んでいる、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記割当てユニットは、さらに、前記調整量として、前記差と時定数の積を使用するように構成されており、前記時定数は、前記クォータの有効時間と同じオーダであり、また前記時定数は、前記クォータの有効時間よりも大きい、前記クォータの有効時間に等しい、または前記クォータの有効時間よりも小さい、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
トラフィック制御デバイスからクォータ要求を受信し、
前記割り当てられたクォータの量を前記トラフィック制御デバイスに通知し、
前記割り当てられたクォータに基づいて、前記通信のためのクォータの実際の消費された量を前記トラフィック制御デバイスから受信し、
前記新しいクォータの量を前記トラフィック制御デバイスに通知するように
構成されたインターフェース・ユニットをさらに備えている、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項14】
前記インターフェース・ユニットは、
前記割り当てられたクォータの前記量を送信するときに、前記トラフィック制御デバイスに対して、前記クォータの有効時間と、クォータの再割当てをアクティブに要求するためのしきい値とを送信し、また送信時間を記録し、クォータの再割当てを要求するための前記しきい値は、前記割り当てられたクォータの前記量に関連づけられており、
前記トラフィック制御デバイスによって送信される前記クォータの有効時間内のクォータの前記消費された量を受信し、受信時間を記録するように
構成されており、
前記処理ユニットは、さらに、
クォータの前記消費された量に課金し、
クォータの前記消費された量と、前記受信時間と前記送信時間との間の時間差とに従って、前記割り当てられたクォータの前記消費スピードを取得し、記録し、
以前に記録された情報から、最新の時間の前に割り当てられた前記一定数のクォータの平均消費スピードを算出するように
構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記インターフェース・ユニットは、
前記クォータの有効時間の期限切れの後に前記トラフィック制御デバイスによって送信される実際に消費されたクォータを受信し、または
前記割り当てられたクォータの前記消費された量が、前記クォータの有効時間の期限切れの前にクォータの再割当てをアクティブに要求するための前記しきい値に到達するときに、前記トラフィック制御デバイスによって送信される実際に消費されたクォータを受信するように、
構成されている、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおける通信クォータの割当てに関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン課金システム(OCS:Online Charging System)においては、リアル・タイム制御を実現するために、一定のクォータが、一般的に前もって通信(ユーザ)のために予約され、その後に、通信(ユーザ)は、実際に消費された量に従って課金される。それゆえに、どれだけのクォータがユーザに対して割り当てられるべきかを決定することが必要とされる。
【0003】
OCSにおける従来のクォータ割当てメカニズムは、使用可能なクレジット(すなわち、ユーザのアカウントにおける残高)に基づいている。複数の同時のコールが存在する可能性があることを考慮すると、使用可能なクレジットは、全体の使用可能な残高のうちのあるパーセンテージとすることができる。いくつかの場合には、割り当てられたクォータは、最小の/最大のクォータしきい値によって制限される。クォータは、60秒ごとに、または1分ごとにある一定のスピードで使い尽くされるので、本方法は、時間を課金基準とする従来の回路交換サービスの場合に、効率が高い。しかしながら、変化に富んだ様々なデータ・サービスの出現とともに、これらのデータ・サービスのバースティング特性(bursting characteristic)は、従来のクォータ割当て方法に対する大きな課題を引き起こし、したがって、データ・セッションをどのようにして効果的に管理すべきかは、OCSの最新の課題になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
とりわけ、従来のクォータ割当てメカニズムは、それらが、これらのサービスにおいて使用される場合、データ・サービスのバースティング特性(bursting property)を明らかにしないことがある。異なる種類のデータ・サービスの場合には、従来のクォータ割当てメカニズムは、依然として、ユーザのアカウントにおける残高に従って通信クォータを割り当てるが、ユーザのアカウントにおける残高は、通常、クォータに対するユーザの消費されたレートに無関係である。クォータに対するユーザの消費されたレートが、毎回割り当てられるクォータよりも高い場合、それは、クォータを要求するための過度に重い信号オーバーヘッドとトラフィックとを引き起こす可能性があるが、しかしながら、クォータに対するユーザの消費されたレートが低い場合、冗長的に割り当てられたクォータは、浪費をもたらす。クォータは、すべての同時のコールの間でインテリジェントにはバランスが取られない可能性がある。
【0005】
例えば、データ・セッションが、100Mバイトを有するファイルをダウンロードするために確立されるときには、従来の割当てメカニズムによれば、5Mバイトを有するクォータは、絶えずそのセッションのために割り当てられ尽くす。ユーザのダウンロードするレートが、非常に高速である場合、そのときにはクォータが超過されるたびごとに、トラフィックを制御するためのパケット・ゲートウェイは、新しいライセンスを要求するための要求をOCSに対して再送信する必要がある。それゆえに、ファイルのダウンロードを完了するために、パケット・ゲートウェイは、少なくとも20回のOCSとの信号相互作用を実行するために必要とされ、この信号相互作用は、パケット・ゲートウェイと、OCSとの間の大きな信号のトラフィック/オーバーヘッドを引き起こす可能性がある。別の例では、データ・セッションが、ウェブ・ページの閲覧のためだけに確立されるときに、それは、クォータをゆっくりと消費するが、従来の割当てメカニズムは、依然として、毎回、データ・セッションのために5Mバイトを予約し、また対応するクレジットが、予約され、これは、他のコールが、場合によっては、欠如するクレジットのために、サービスされない、または不十分なサービス品質(QoS:Quality of Service)でサービスされるようにする可能性がある。
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は、差分クォータ割当て(DQA:Differential Quota Allocation)と呼ばれることもある新しいクォータ割当てメカニズムを提案しており、このクォータ割当てメカニズムにおいては、クォータの量はクォータの消費スピードに基づいて、調整されることもある。好ましいメカニズムにおいては、消費スピードが増大している場合、この時間に割り当てられるクォータは、最後に割り当てられたクォータよりも大きくなるべきであり、その反対に、消費スピードが減少している場合、この時間に割り当てられるクォータは、最後に割り当てられたクォータよりも小さくなるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の発明の概念に基づいて、通信に対するクォータを割り当てるための方法は、i)通信に対してクォータを割り当てるステップと、ii)割り当てられたクォータに基づいて、通信のための実際のクォータ消費スピードを獲得するステップと、iii)その実際のクォータ消費スピードに従って通信に対して新しいクォータを割り当てるステップとを含む本発明の方法の態様に従って提供される。
【0008】
この態様においては、新しいクォータは、実際のクォータ消費スピードに従って割り当てられ、これは、クォータ割当てに対するより多くの柔軟性を提供する。
【0009】
好ましい一実施形態においては、ステップiiiにおいて、消費スピードが増大しているときに、より大きなクォータが新しいクォータとして割り当てられ、消費スピードが減少しているときに、より小さなクォータが新しいクォータとして割り当てられる。
【0010】
この実施形態においては、より大きなクォータは、トラフィック制御デバイスと、OCSとの間の信号相互作用が、OCSに対する大きなトラフィックを有するバースティング・データ・サービスの影響を軽減し、制御によって引き起こされるトラフィック・オーバーヘッドを低減させ、またネットワーク性能を向上させるように、安定化され、または低減させられるように、高いクォータ消費スピードを有する通信に対して割り当てられる。割り当てられたクォータが実際に消費され得ない場合の発生を低減させ、浪費している、また欠如するクレジットの発生を回避し、また欠如するクォータからの他の同時のセッションを防止するようにするために、より妥当にすべての同時のコールの間で、クレジットが、分配され得るように、より小さなクォータは、低いクォータ消費スピードを有する通信に対して割り当てられる。
【0011】
代替的な一実施形態においては、クォータは、最新の時間、または最近のいくつかの時間に割り当てられるクォータの消費スピードに従って、消費スピードが、最大しきい値を超過するときに、増大させられ、また消費スピードが、最小のしきい値よりも低いときに低減させられることもある。さらに、当業者なら、本発明の教示の下で以前のクォータの消費スピードに従って、新しいクォータを割り当てる他の実施形態を考えることもでき、これについては、ここでは詳細には説明されないであろう。
【0012】
好ましい一実施形態においては、ステップiiと、ステップiiiとは、通信が完了するまで反復される。
【0013】
この実施形態においては、割り当てられたクォータは、全体の通信プロセスの間に、数回調整され、この全体の通信プロセスは、リアル・タイム問題解決手法をもたらす。
【0014】
好ましい一実施形態においては、ステップiiは、最新の時間に割り当てられたクォータの消費スピードを獲得するステップと、最新の時間の前に割り当てられた一定数のクォータの平均消費スピードを獲得するステップとをさらに含む。ステップiiiは、最新の時間に割り当てられたクォータを調整するステップをさらに含んでおり、調整量は、最新の時間に割り当てられたクォータの消費スピードと、最新の時間の前に割り当てられた一定数のクォータの平均消費スピードとの間の差に依存しており、また一定数は、1つまたは複数を含んでいる。
【0015】
この実施形態においては、割り当てられるべきクォータは、クォータの消費スピードの変化が、適切に考慮に入れられ得るように、最新の時間に割り当てられたクォータの消費スピードと、最新の時間の前に割り当てられた一定数のクォータの平均消費スピードとの間の差に従って調整される。平均化するための数は、実際の必要性に従って選択されることもある。短期間の変化が主として考慮される場合に、平均化するための数は、より少ないが、長期間の変化が主として考慮される場合には、平均化するための数は、より大きくすることができる。
【0016】
好ましい一実施形態においては、ステップiの前に、本方法は、トラフィック制御デバイスからクォータ要求を受信するステップをさらに含んでいる。ステップiにおいては、トラフィック制御デバイスは、割り当てられたクォータの量について通知される。ステップiiにおいて、割り当てられたクォータに基づいた、通信についてのクォータの実際に消費された量と、割り当てられたクォータに基づいた、通信についての実際の通信時間とが、トラフィック制御デバイスから取得され、またクォータの消費スピードは、算出される。ステップiiiにおいて、トラフィック制御デバイスは、新しいクォータの量について通知される。
【0017】
この実施形態は、本発明と、トラフィック制御デバイスなど(パケット・ゲートウェイなど)のネットワーク要素との間の相互作用の方法を提供している。
【0018】
さらなる一実施形態においては、ステップiにおいて、割り当てられたクォータの量と、クォータの有効時間と、クォータの再割当てをアクティブに要求するためのしきい値とが、トラフィック制御デバイスに対して送信され、送信時間が記録され、クォータの再割当てを要求するためのしきい値は、割り当てられたクォータの量に関連づけられている。
【0019】
ステップiiは、クォータの有効時間内で消費され、またトラフィック制御デバイスによって送信されるクォータの消費された量を受信するステップおよび記録するステップ、ならびに受信時間を記録するステップと、
クォータの消費された量と、記録された受信時間と送信時間との間の時間差とに従って割り当てられたクォータの消費スピードを算出するステップおよび記録するステップと、
以前に反復されたステップiiにおいて記録される情報から、最新の時間の前に割り当てられた一定数のクォータの平均消費スピードを算出するステップと
を含む。
【0020】
この実施形態は、クォータの消費スピードと、平均消費スピードとを決定するためのより特定の方法を提供しており、ここでは、毎回、割り当てられるクォータの消費された量と、消費された時間とは、記録され、算出は、記録されたデータに従って実行される。
【0021】
さらなる一実施形態においては、ステップiiは、クォータの有効時間の期限切れの後にトラフィック制御デバイスによって送信される実際に消費されたクォータを受信するステップ、またはクォータの消費された量が、クォータの有効時間の期限切れの前にクォータの再割当てをアクティブに要求するためのしきい値に到達するときに、トラフィック制御デバイスによって送信される実際に消費されたクォータを受信するステップをさらに含む。
【0022】
この実施形態においては、通信レートが高い場合に、クォータは、クォータの有効時間の期限切れの前に使用し尽くされこともあり、それゆえに、トラフィック制御デバイスは、有効時間の期限切れの前に、消費されたクォータを送信し、また再割当てについて要求する。通信レートが、低い場合、クォータは、クォータの有効時間の期限切れの後に使い尽くされないこともあり、それゆえに、トラフィック制御デバイスは、有効時間の期限切れの後に実際に消費されたクォータを送信する。
【0023】
それに応じて、本発明の製品の態様においては、通信に対してクォータを割り当てるように構成された割当てユニットと、割り当てられたクォータに基づいて、通信についての実際のクォータ消費スピードを獲得するように構成された処理ユニットとを備えているオンライン課金システムが提供されており、処理ユニットは、さらに、実際のクォータ消費スピードに従って通信に対して新しいクォータを割り当てるように構成されており、割当てユニットと、処理ユニットとは、繰り返して動作する。
【0024】
本発明の他の特徴と、目的と、利点とは、添付図面を参照して行われる非限定的な実施形態の詳細な説明を読んだ後に、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態による、パケット・ゲートウェイと、OCSとの間の信号相互作用プロセスを示す図である。
図2】本発明の実施形態による、増大する消費スピードを有するクォータのために割り当てられたクォータの量を示す図である。
図3】本発明の実施形態による、減少する消費スピードを有するクォータのために割り当てられたクォータの量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、
i)通信に対してクォータを割り当てるステップと、
ii)割り当てられたクォータに基づいて通信のための実際のクォータ消費スピードを獲得するステップと、
iii)実際のクォータ消費スピードに従って通信に対して新しいクォータを割り当てるステップと
を含む、通信に対してクォータを割り当てるための方法を提供している。
【0027】
本発明の割当てメカニズムの一般的な説明が、以下で式に関連して与えられるであろう。その結果として、本発明の割当てメカニズムの特定の応用が、2つの特定の例に関連して説明されるであろう。
【0028】
1.最初に、データ・サービスが、開始されるときに、初期のクォータが、そのサービスの通信のために割り当てられる。一実施形態においては、従来のクォータ割当てメカニズムを使用して、ユーザのアカウントにおける残高に従って、初期のクォータを決定することができる。変形の一実施形態においては、所定の初期のクォータが、サービスの通信のために割り当てられることもある。初期のクォータを割り当てるための特定の方法と、初期のクォータの割り当てられた量とは、本発明の発明の概念の実施に影響を及ぼすことがないことが理解されよう。
【0029】
2.次のクォータ割当ての間に(一般に、初期クォータが使い尽くされ、またはクォータの有効期間が、期限切れにされるときに)本発明の実施形態において提案されるDQA方法が使用され、そこでは、割り当てられたクォータの消費スピードは、この次に割り当てられるクォータに影響を及ぼすであろう。
【0030】
一実施形態においては、最後の1回または複数回に割り当てられたクォータの消費スピードは、消費スピードが最大のしきい値を超過するときにクォータが増大され得、消費スピードが最小のしきい値よりも低いときにクォータが減少され得るように算出される。
【0031】
しかしながら、別の実施形態においては、割り当てられたクォータの消費スピードが増大しているか、または減少しているかどうかが算出される。消費スピードが増大している場合、クォータは、最後に割り当てられたクォータよりも大きく割り当てられるべきであり、そうではなくて消費スピードが減少している場合、クォータは、最後に割り当てられたクォータよりも小さく割り当てられるべきである。
【0032】
2つの特定の例示の式が、以下で与えられて、どのようにして割り当てられたクォータを定量的に決定すべきかを例証しており、
【0033】
【数1】
または
【0034】
【数2】
であり、式中で、
n=2,3,...;x=1,2,...n−2;
=Q,t=VT
であり、また式中でQは、n番目の時間の割当てにおいて割り当てられるクォータであり、
n−1は、n−1番目の時間の割当てにおいて割り当てられるクォータであり、
n−1は、tn−1という消費された時間を有するn−1番目の時間の割当てにおいて割り当てられるクォータの中の実際に消費されたクォータであり、
n−2は、tn−2という消費された時間を有するn−2番目の時間の割当てにおいて割り当てられるクォータの中の実際に消費されたクォータであり、
【0035】
【数3】
は、最後の割当ての前の以前のx回の割当て(すなわち、n−1−x番目の時間の割当てからn−2番目の時間の割当てへの)において割り当てられるクォータの平均クォータ消費スピードを取得する2つの異なる種類の方法である。ここで、
【0036】
【数4】
は、毎回、割り当てられるクォータの消費スピードを平均することにより取得されるが、
【0037】
【数5】
は、全体の時間範囲の上の割り当てられたクォータのうちの全体の消費された量を平均することにより取得される。それらは、式の中では異なっているけれども、それらは、両方とも、以前のクォータの消費スピードを説明している。他の式が、適用可能ではあるが、本発明においては示されていないことが、理解される。
【0038】
Cは、構成可能な時定数であり、この時定数の単位は、クォータの有効時間(VT:validity time)と同じオーダであり、またそれは、VTより大きいか、VTより小さいか、またはVTに等しい。Cの異なる値は、変化の異なる量を決定する。
【0039】
【数6】
は、最後の割当てにおいて割り当てられたクォータの消費スピードである。
【0040】
式において、
【0041】
【数7】
と、
【0042】
【数8】
または
【0043】
【数9】
との間の差が、算出され、またCによって乗算されて、最後の割当てにおいて割り当てられるクォータQn−1に対する調整量として使用される。
【0044】
【数10】
が、比較的に大きい場合、今回、割り当てられるクォータは、増大させられることになり、そうでなければ、今回、割り当てられるクォータは、減少させられることになることが、分かる可能性がある。
【0045】
本発明の実施形態の応用は、以下のあと2つの特定の例に関連して説明されるであろう。ここでは、上記式におけるパラメータが、以下のように規定される。
各クォータのVTは、120sに固定され、
C=100sであり、これは、VTと同じオーダであり、
x=1であり、すなわち、最後の(n−1番目の時間の)割当てにおいて割り当てられるクォータの消費スピードは、第2の最後の(n−2番目の時間の)割当てにおいて割り当てられるクォータの消費スピードと比較されるべきであり、またそれらの間の差は、今回、割り当てられるべきクォータに影響を及ぼすことになる。
【0046】
上記式は、
【0047】
【数11】
のように簡略化される。
【0048】
第1の例
この例においては、クォータの消費スピードは、増大している。
【0049】
図1に示されるように、ダイアメーター・プロトコル(DIAMETER protocol)は、相互作用を信号で伝えるために、OCSと、トラフィック制御PGW/HAとの間で使用される。
【0050】
図1に示されるように、ステップ1において、PGW/HAは、ダイアメーター・ベースのクレジット制御要求(CCR−初期またはCCR−I)をOCSに対して送信する。OCSのインターフェース・ユニットは、クレジット制御要求CCR−Iを受信する。クレジット制御要求は、通信のためのクォータ要求として使用される。CCR−Iは、AVP(属性値対(attribute value pair))、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ(Rating−Group)...](MSCC:Multiple−Services−Credit−Control)などを含んでいる。
【0051】
ステップ2において、OCSの割当てユニットは、使用可能なクレジットを決定し、またクォータQと、クォータの有効時間VTと、しきい値QTとを割り当てる。ここで、Q=5Mバイトであり、VT=120sであり、これは、クォータが、120s後に無効になることになり、また新しいクォータが、要求されるべきであることを意味しており、またこれは、オペレータによって柔軟に決定され、QT=4.5Mバイトであり、これは、Qの90%であり、またこれは、通信のためのトラフィックが、しきい値に到達するときに、新しいクォータを要求するためにトラフィック制御デバイスによって使用されるしきい値である。一般的に言えば、QTと、割り当てられたクォータQとの間には、1対1の対応が存在している。
【0052】
ステップ3において、OCSは、ダイアメーター・ベースのクレジット制御応答(CCA(Credit−Control−Answer)−初期またはCCA−I)をインターフェース・ユニットを通してPGW/HAに対して返信する。クレジット制御応答は、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、Q(5M)、QT(4.5M)、VT(120s)...]などを含む。さらに、OCSのインターフェース・ユニットは、CCA−Iの送信時間を記録して、クォータの消費スピードを算出する。
【0053】
その後に、PGW/HAは、通信トラフィックのクォータの使用を監視する。
【0054】
通信は、ファイルをロードすべきであるので、消費されたクォータは、120sが満了する前に、そのしきい値QTに迅速に到達することができる。この時間に、PGW/HAは、OCSに対して消費されたクォータU(これは、QTに等しくなることができる)を報告し、クォータの再クォータを要求する。ステップ4において、PGW/HAは、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、U(4.5M)...]などを含むCCRアップデート(CCR−Uと呼ばれることもある)をOCSに対して報告する。
【0055】
OCSのインターフェース・ユニットは、PGW/HAによって送信されるCCR−Uを受信し、消費されたクォータの量を取得し、この消費されたクォータの量は、4.5Mバイトである。また、インターフェース・ユニットは、CCR−Uの受信時間を記録する。
【0056】
ステップ5において、OCSのプロセッサは、消費されたクォータの量に課金する。より重要なことに、OCSのプロセッサは、記録された受信時間と送信時間との間の時間差を取得する。この実施形態においては、図2に示されるように、時間差は、30sであり、すなわち、4.5Mバイトのクォータがt=30sのうちに使い尽くされることが仮定される。
【0057】
ステップ5において、その後に、OCSのプロセッサは、割り当てられたクォータの消費スピードを取得し、また記録し、この割り当てられたクォータの消費スピードは、4.5M/30sである。
【0058】
さらに、OCSのプロセッサは、通信に対して割り当てられるべき新しいクォータQを算出し、すなわち、
=5M+(4.5M/30s−5M/120s)*100s=15.8M
であり、上記の式に従って、
=Qn−1+(Un−1/tn−1−Un−2/tn−2)*C、(n=2,3...)である。
【0059】
クォータの消費スピードが、非常に増大される(期待されるものと比べて)ので、今回、割り当てられるクォータQは、最初に割り当てられたクォータQよりも大きいことが分かる可能性がある。それに応じて、しきい値QT=15.8M×90%=14.22Mが、存在している。
【0060】
ステップ6において、OCSは、ダイアメーター・ベースのCCA−アップデートまたはCCA−UをPGW/HAに対して返信する。クレジット制御応答は、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、Q(15.8M)、QT(14.22M)、VT(120s)...]などを含んでいる。さらに、OCSのインターフェース・ユニットは、CCA−Uの送信時間を記録して、クォータの消費スピードを算出する。クォータの有効時間は、依然として120sである。本システムはまた、有効時間を他の値へと変更することもできることが理解される可能性がある。
【0061】
その後に、PGW/HAは、通信トラフィックのクォータの使用を監視する。
【0062】
消費されたクォータが、クォータしきい値QTに到達するときに、PGW/HAは、消費されたクォータUをOCSに対して報告し、クォータの再割当てを要求することになる。ステップ7において、PGW/HAは、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、U(14.22M)...]などを含むCCR−UをOCSに対して報告する。
【0063】
OCSのインターフェース・ユニットは、PGW/HAによって送信されるCCR−Uを受信し、消費されたクォータの量を取得し、この消費されたクォータの量は、14.22バイトである。また、インターフェース・ユニットは、CCR−Uの受信時間を記録する。
【0064】
ステップ8において、OCSのプロセッサは、消費されたクォータの量に課金する。より重要なことに、OCSのプロセッサは、記録された受信時間と、送信時間との間の時間差を取得する。この実施形態においては、図2に示されるように、時間差が、90sであり、すなわち、14.22Mバイトのクォータが、t=90sのうちに使い尽くされることが、仮定される。
【0065】
ステップ8において、その後に、OCSのプロセッサは、割り当てられたクォータの消費スピードを取得し、また記録し、この割り当てられたクォータの消費スピードは、14.22M/90sである。
【0066】
さらに、OCSのプロセッサは、通信に対して割り当てられるべき新しいクォータQを算出し、すなわち、
=Q+(U/t−U/t)*C
=15.8M+(14.22M/90s−4.5M/30s)*100s=16.6M
であり、上記の式に従って、
=Qn−1+(Un−1/tn−1−Un−2/tn−2)*C、(n=2,3...)である。
【0067】
クォータ消費スピードが増大しているので、今回、割り当てられるクォータQは、最後に割り当てられたクォータQよりも大きいことが分かる可能性がある。それに応じて、しきい値QT=16.6M×90%=14.94Mが、存在している。しかしながら、分かる可能性があるように、クォータ消費スピードは、以前のクォータ消費スピードからあまりにも多く増大させられることはない。すなわち、割り当てられたクォータは、通信の要件を実質的に満たすことができ、またそれゆえに、今回、割り当てられるクォータQは、Qからあまりにも多く増大させられることはない。
【0068】
ステップ9において、OCSは、ダイアメーター・ベースのCCA−UをPGW/HAに対して返信する。クレジット制御応答は、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、Q(16.6M)、QT(14.94M)、VT(120s)...]などを含んでいる。さらに、OCSのインターフェース・ユニットは、CCA−Uの送信時間を記録して、クォータの消費スピードを算出する。
【0069】
その後に、上記のステップは、通信が、完了するまで、反復される。
【0070】
本発明の実施形態を使用して、平均クォータしきい値が、14Mである(すなわち、平均クォータが、15.55Mである)という仮定の下で、100Mバイトを有するファイルをダウンロードするために、PGWと、OCSとは、(100−4.5)/14+1=7.8回、相互作用する必要がある。ここで、「−4.5」と「+1」とは、初めて最初に割り当てられたクォータを表す。しかしながら、クォータしきい値が、毎回、4.5Mである(すなわち、割り当てられたクォータが、毎回、5Mである)従来のスキームが、使用される場合、100Mバイトを有するファイルをダウンロードするために、PGWと、OCSとは、100/4.5=22回、相互作用する必要がある。分かる可能性があるように、本発明の実施形態を使用して、PGWと、OCSとの間で必要とされる相互作用の数は、信号によって引き起こされるオーバーヘッドと、トラフィックとが、節約されるように、非常に減少させられる。
【0071】
第2の例
この例においては、クォータの消費スピードは、減少している。
【0072】
図1に示されるように、ダイアメーター・プロトコルは、相互作用を信号で伝えるために、OCSと、トラフィック制御PGW/HAとの間で使用される。
【0073】
図1に示されるように、ステップ1において、PGW/HAは、ダイアメーター・ベースのクレジット制御要求(CCR−初期またはCCR−I)をOCSに対して送信する。OCSのインターフェース・ユニットは、クレジット制御要求CCR−Iを受信する。クレジット制御要求は、通信のためのクォータ要求として使用される。CCR−Iは、AVP(属性値対)、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ...](MSCC)などを含んでいる。
【0074】
ステップ2において、OCSの割当てユニットは、使用可能なクレジットを決定し、またクォータQと、クォータの有効時間VTと、しきい値QTとを割り当てる。ここで、Q=5Mバイトであり、VT=120sであり、これは、クォータが、120s後に無効になることになり、また新しいクォータが、要求されるべきであることを意味しており、またこれは、オペレータによって柔軟に決定され、QT=4.5Mバイトであり、これは、Qの90%であり、またこれは、通信のためのトラフィックが、しきい値に到達するときに、新しいクォータを要求するためにトラフィック制御デバイスによって使用されるしきい値である。一般的に言えば、QTと、割り当てられたクォータQとの間には、1対1の対応が存在している。
【0075】
ステップ3において、OCSは、ダイアメーター・ベースのクレジット制御応答(CCA−初期またはCCA−I)をインターフェース・ユニットを通してPGW/HAに対して返信する。クレジット制御応答は、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、Q(5M)、QT(4.5M)、VT(120s)...]などを含む。さらに、OCSのインターフェース・ユニットは、CCA−Iの送信時間を記録して、クォータの消費スピードを算出する。
【0076】
その後に、PGW/HAは、通信トラフィックのクォータの使用を監視する。
【0077】
通信は、わずかなトラフィックだけを必要とするウェブ・ページを閲覧すべきであるので、120sが、満了したときに、消費されたクォータは、そのしきい値QTに到達していない。120sが、満了した後に、PGW/HAは、消費されたクォータUをOCSに対して報告し、またクォータの再割当てを要求し続ける。ステップ4において、PGW/HAは、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、U(0.5M)...]などを含むCCRアップデート(CCR−Uとも呼ばれる)をOCSに対して報告する。
【0078】
OCSのインターフェース・ユニットは、PGW/HAによって送信されるCCR−Uを受信し、消費されたクォータの量を取得し、この消費されたクォータの量は、0.5Mバイトである。また、インターフェース・ユニットは、CCR−Uの受信時間を記録する。
【0079】
ステップ5において、OCSのプロセッサは、消費されたクォータの量に課金する。より重要なことに、OCSのプロセッサは、記録された受信時間と送信時間との間の時間差を取得する。この実施形態においては、図3に示されるように、時間差は、120sであり、すなわち、0.5Mバイトのクォータがt=120sのうちに使い尽くされることが仮定される。
【0080】
ステップ5において、その後に、OCSのプロセッサは、割り当てられたクォータの消費スピードを取得し、また記録し、この割り当てられたクォータの消費スピードは、0.5M/120sである。
【0081】
さらに、OCSのプロセッサは、通信に対して割り当てられるべき新しいクォータQを算出し、すなわち、
=5M+(0.5M/120s−5M/120s)*100s=1.25M
であり、上記の式に従って、
=Qn−1+(Un−1/tn−1−Un−2/tn−2)*C、(n=2,3...)である。
【0082】
クォータの消費スピードが減少させられる(期待されるものと比べて)ので、今回、割り当てられるクォータQは、最初に割り当てられたクォータQよりも小さいことが分かる可能性がある。それに応じて、しきい値QT=1.25M×90%=1.125Mが、存在している。
【0083】
ステップ6において、OCSは、ダイアメーター・ベースのCCA−アップデートまたはCCA−UをPGW/HAに対して返信する。クレジット制御応答は、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、Q(1.25M)、QT(1.125M)、VT(120s)...]などを含んでいる。さらに、OCSのインターフェース・ユニットは、CCA−Uの送信時間を記録して、クォータの消費スピードを算出する。
【0084】
その後に、PGW/HAは、通信トラフィックのクォータの使用を監視する。
【0085】
120sが満了するときに、消費されたクォータは、クォータしきい値QTに到達してはいない。PGW/HAは、消費されたクォータU=0.4MをOCSに対して報告し、クォータの再割当てを要求することになる。ステップ7において、PGW/HAは、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、U(0.4M)...]などを含むCCR−UをOCSに対して報告する。
【0086】
OCSのインターフェース・ユニットは、PGW/HAによって送信されるCCR−Uを受信し、消費されたクォータの量を取得し、この消費されたクォータの量は、0.4Mバイトである。また、インターフェース・ユニットは、CCR−Uの受信時間を記録する。
【0087】
ステップ8において、OCSのプロセッサは、消費されたクォータの量に課金する。より重要なことに、OCSのプロセッサは、記録された受信時間と、送信時間との間の時間差を取得する。この実施形態においては、図2に示されるように、時間差が、120sであり、すなわち、0.4Mバイトのクォータが、t=120sのうちに使い尽くされることが、仮定される。
【0088】
ステップ8において、その後に、OCSのプロセッサは、割り当てられたクォータの消費スピードを取得し、また記録し、この割り当てられたクォータの消費スピードは、0.4M/120sである。
【0089】
さらに、OCSのプロセッサは、通信に対して割り当てられるべき新しいクォータQを算出し、すなわち、
=Q+(U/t−U/t)*C
=1.25M+(0.4M/120s−0.5M/120s)*100s=1.17M
であり、上記の式に従って、
=Qn−1+(Un−1/tn−1−Un−2/tn−2)*C、(n=2,3...)である。
【0090】
クォータ消費スピードが減少しているので、今回、割り当てられるクォータQは、最後に割り当てられたクォータQよりも小さいことが分かる可能性がある。それに応じて、しきい値QT=1.17M×90%=1.053Mが、存在している。
【0091】
ステップ9において、OCSは、ダイアメーター・ベースのCCA−UをPGW/HAに対して返信する。クレジット制御応答は、属性値対、マルチ・サービス・クレジット制御[レーティング・グループ、Q(1.17M)、QT(1.053M)、VT(120s)...]などを含んでいる。さらに、OCSのインターフェース・ユニットは、CCA−Uの送信時間を記録して、クォータの消費スピードを算出する。
【0092】
その後に、上記のステップは、通信が、完了するまで、反復される。
【0093】
この実施形態においては、低速の消費スピードを有する通信には、より少ないクォータを割り当てられて、同時のコールのうちでより妥当にクレジットを配信し、割り当てられたクォータが、実際には消費され得ない場合の発生を低減させ、クレジットの浪費と欠如との発生を回避させ、また欠如しているクォータから他の同時のセッションを防止する。
【0094】
本発明の実施形態または実施形態における特徴は、競合なしに任意に組み合わされ得ることに注意すべきである。
【0095】
明らかに、本発明はまた、様々な他の実施形態を有することもできる。様々な対応する変更および変形は、本発明の精神および考慮すべきことを逸脱することなく、当業者によって行われる可能性があるが、しかしながら、すべてのこれらの対応する変更および変形は、本発明の添付の特許請求の範囲によって規定される保護範囲内にある。
【0096】
例えば、上記の2つの実施形態においては、クォータの消費スピードは、増大していることや、減少していることなど整合した傾向を維持する。実際の場合には、複雑な変化が、クォータの消費スピードに対して起こる可能性がある。例えば、消費スピードは、最初に増大させられ、また次いで減少させられる。本発明がこの場合において使用されるときに、割り当てられるクォータは、最初に増大させられることになり、また次いで、それは、クォータの消費スピードが減少するときに減少させられることになる。
【0097】
さらに、例えば、クォータの量に関連した上記のしきい値は、クォータが、遅延を回避するために使い尽くされる前に、前もってクォータ割当てを要求するための基準値である。クォータのしきい値と、量とは、それ自体、実質上同じ意味を有しており、これらのクォータのしきい値と、量との両方は、この割当ての間に行われ得る通信トラフィックを表している。それらは、組み込まれている可能性があり、すなわち、クォータの再割当てのための要求は、消費されたクォータの量が、クォータの量に到達するときに行われることもある。
【0098】
さらに、例えば、上記の実施形態においては、クォータの消費された時間は、OCSにより、記録された受信時間と、送信時間との間の時間差を算出することにより取得される。代替的な一実施形態においては、クォータの消費された時間は、それをOCSに対して報告するトラフィック制御デバイスによって取得されることもある。
【0099】
上記の方法の全部または一部のステップは、リード・オンリー・メモリ、磁気ディスク、コンパクト・ディスクなどのコンピュータ読取り可能ストレージ媒体に記憶され得るプログラムによって指示される関連したハードウェアによって実施され得ることが、当業者によって理解される可能性がある。任意選択として、上記の実施形態におけるステップの全部または一部は、1つまたは複数の集積回路によって実施されることもある。それに応じて、上記の実施形態におけるおのおののモジュール/ユニットは、ハードウェア機能モジュールまたはソフトウェア機能モジュールの方法で達成されることもある。本発明は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せについてのどのような特定の形態だけにも限定されることはない。
図1
図2
図3