特許第6409008号(P6409008)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6409008電子喫煙具に対する使用済カートリッジ検出方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409008
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】電子喫煙具に対する使用済カートリッジ検出方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20181004BHJP
【FI】
   A24F47/00
【請求項の数】19
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-561610(P2015-561610)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-513453(P2016-513453A)
(43)【公表日】2016年5月16日
(86)【国際出願番号】US2014020770
(87)【国際公開番号】WO2014138244
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年2月7日
(31)【優先権主張番号】13/788,455
(32)【優先日】2013年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594112886
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノバック,ザ・サード・チャールズ・ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】アンポリーニ,フレデリック・フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】イースト,アレン・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー,ジュニア・レイモンド・シー
(72)【発明者】
【氏名】コレット,ウィリアム・ロバート
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−249777(JP,A)
【文献】 特開平11−143304(JP,A)
【文献】 特開2003−021991(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/085205(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、
前記電源からの電力の送出を制御するよう適応される制御部品と、
加熱素子及びヒュージブルリンクを含む加熱接続部と、を備える喫煙具であって、
前記電源、前記制御部品、及び、前記加熱接続部は閉電気回路を画成し、
前記制御部品は、前記電源から前記加熱接続部へ第1の組の条件の第1の電流フローを選択的に作動するよう構成され、前記第1の電流フローは前記加熱素子による加熱を開始するに不十分である、喫煙具。
【請求項2】
制御本体は、前記電源及び前記制御部品を収容し、
カートリッジ本体は、前記加熱接続部を収容し、
前記カートリッジ本体は、前記制御本体と着脱可能に係合されて前記閉電気回路を確立するよう構成される、請求項1記載の喫煙具。
【請求項3】
前記加熱素子は、抵抗加熱素子である、請求項1又は2記載の喫煙具。
【請求項4】
前記ヒュージブルリンクは、電気的ヒュージブルリンク又は機械的ヒュージブルリンクである、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の喫煙具。
【請求項5】
前記ヒュージブルリンクは、前記加熱素子の加熱を開始するに十分な電気条件下では機能しなくなるよう適応される、請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の喫煙具。
【請求項6】
前記ヒュージブルリンクと前記加熱素子は、並列配置で電気的に整列されている、請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の喫煙具。
【請求項7】
前記第1の組の条件は、前記加熱素子に対する使用電圧を定義する電圧と略同じ電圧、及び、約45ミリ秒以下、又は、約5ミリ秒乃至約25ミリ秒の電流フローの持続時間を有する、請求項1記載の喫煙具。
【請求項8】
前記使用電圧は、約2ボルト乃至約6ボルトである、請求項7記載の喫煙具。
【請求項9】
前記閉電気回路は、更に、電流感知抵抗器を有し、
前記電流感知抵抗器は、前記ヒュージブルリンクの状態を表す値を測定するよう適応され、
前記制御部品は、前記電流感知抵抗器から受信した値に基づいて論理的シーケンスを開始するよう適応され、
前記論理的シーケンスに基づき、前記制御部品は、前記制御本体と係合している前記カートリッジ本体の正常な使用を許可する、或いは、異なるカートリッジ本体と係合されるまで前記制御本体の動作を一時的に停止させるよう構成される、請求項2記載の喫煙具。
【請求項10】
前記制御部品は、前記電源から前記加熱接続部へ第2の組の条件の第2の電流フローを選択的に作動するよう構成され、前記第2の電流フローは前記加熱素子による加熱を開始するに十分である、請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の喫煙具。
【請求項11】
前記第2の電流フローは、前記ヒュージブルリンクが機能しなくなる電流フローの時間を超える持続時間にわたって印加される、請求項10記載の喫煙具。
【請求項12】
前記カートリッジ本体は、前記加熱素子と連通する消耗部品配置を更に有する、請求項2記載の喫煙具。
【請求項13】
前記消耗部品配置は、基質及びエアロゾル前駆体組成物を有し、
前記エアロゾル前駆体組成物は、前記基質の少なくとも一部分にコーティングされる、該一部分に吸着される、又は、該一部分に吸収される、請求項12記載の喫煙具。
【請求項14】
喫煙具におけるカートリッジ本体の状態を検出する方法であって、
制御部品及び電源を含む制御本体を提供する段階と、
加熱素子及びヒュージブルリンクを含む加熱接続部を有するカートリッジ本体を提供する段階と、
前記加熱接続部、前記電源、及び、前記制御部品を含む閉電気回路を確立し、前記電源から前記加熱接続部へ第1の組の条件の第1の電流フローを前記制御部品に開始させるよう前記カートリッジ本体と制御本体を着脱可能に係合する段階と、を備え、
前記制御部品は、前記閉電気回路を流れる前記第1の電流フローの特徴に基づいてカートリッジ本体の状態を識別し、
前記第1の電流フローの条件は、前記加熱素子の加熱を開始するに不十分である、方法。
【請求項15】
前記閉電気回路は、更に、前記制御本体及び前記カートリッジ本体の一方に位置決めされる電流感知抵抗を有し、
前記電流感知抵抗器は、前記第1の電流の特徴を測定し、前記測定を前記制御部品に中継する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記特徴に対する第1の値は、手つかずのヒュージブルリンク及び未使用のカートリッジ本体を表すとして前記制御部品によって処理される、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
前記特徴に対する第2の値は、機能しなくなったヒュージブルリンク及び使用済みのカートリッジ本体を表すとして前記制御部品によって処理される、請求項14又は15記載の方法。
【請求項18】
前記カートリッジ本体は、前記加熱素子と連通する消耗部品配置を有する、請求項14乃至17のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
前記消耗部品配置は、基質及びエアロゾル前駆体組成物を有し、
前記エアロゾル前駆体組成物は、前記基質の少なくとも一部分にコーティングされる、該一部分に吸着される、又は、該一部分に吸収される、請求項18記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入可能な形態でタバコ成分または他の材料を産出するために使用されるエアロゾル送出具におけるカートリッジの状態を検出することに関する。特定的には、検出システムは、カートリッジが使用済か未使用かを示すことができる。
【背景技術】
【0002】
使用時にタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品に対する改良品または代替品として、長い年月に渡り多くの喫煙装置が提案されてきた。多くのこれら装置は、タバコを燃焼することで生ずる相当量の不完全燃焼や熱分解の生成物を送出することなくタバコ、シガレット、葉巻、又はパイプの喫煙と関連する感覚を提供するよう設計されている。このために、揮発性材料を蒸発または加熱する、又は、著しくタバコを燃焼させることなくシガレット、葉巻、又は、パイプの喫煙の感覚を提供することを試みるために電気エネルギーを利用する多数の喫煙製品、香味生成器、および、薬用吸入器が提案されている。例えば、本願で参照として組み込む、Robinson外による米国特許第7,726,320号、Griffith Jr.外による米国特許公報第2013/0255702号、Sebastian外による米国特許公報第2014/0000638号、2012年9月4日に出願された米国特許出願第13/602,871号、及び、2012年10月8日に出願された米国特許出願第13/647,000号に記載される背景技術に挙げられる様々な代替の喫煙具、エアロゾル送出装置、および、熱生成源を参照する。
【0003】
煙またはエアロゾル形成のための熱を生成するために電気エネルギーを用いたあるタバコ製品、特に、電子シガレット製品と呼ばれる製品は、世界中で市販されている。従来のタイプのシガレット、葉巻、又は、パイプの属性の多くと共通点を有する代表的な製品は、フィリップモリス社(Philip Morris Incorporated)によるACCORD(登録商標)、InnoVapor LLCによるJOYE 510(商標)及びM4(商標)、ホワイトクラウドシガレット社(White Cloud Cigarettes)によるCIRRUS(商標)及びFLING(商標)、Epuffer(登録商標) International IncによるCOHITA(商標)、COLIBRI(商標)、ELITE CLASSIC(商標)、MAGNUM(商標)、PHANTOM(商標)及びSENSE(商標)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(商標),STORM(商標)及びVAPORKING(登録商標)、Egar AustraliaによるEGAR(商標)、JoyetechによるeGo-C(商標)及びeGo-T(商標)、Elusion UK LtdによるELUSION(商標)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(登録商標)、Green Smoke Inc.USAによるGREEN SMOKE(登録商標)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(商標)、Smoke Stik(登録商標)によるHALLIGAN(商標)、HENDU(商標)、JET(商標)、MAXXQ(商標)、PINK(商標)及びPITBULL(商標)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(商標)、Crown7によるHYDRO IMPERIAL(商標)及びLXE(商標)、ロジックテクノロジー社(LOGIC Technology)によるLOGIC(商標)及びTHE CUBAN(商標)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(登録商標)、ニコテック社(Nicotek,LLC)によるMETRO(登録商標)Sottera,Inc.によるNJOY(登録商標)及びONEJOY(商標)、SS Choice LLCによるNO.7(商標)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(商標)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(商標)、Red Dragon ProductsによるRED DRAGON(商標)、Ruyan Group (Holdings) Ltd.による,LLC、RUYAN(登録商標)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるSMART SMOKER(登録商標)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(登録商標)、Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(登録商標)、VMR Products LLCによるV2CIGS(商標)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(商標)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(登録商標)、E-CigaretteDirect, LLCによるVEPPO(商標)、及び、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(登録商標)として市販されている。更なる他の電動エアロゾル送出装置、特に、いわゆる電子シガレットとして特徴付けられる装置は、商標名BLU(商標)、COOLER VISIONS(商標)、DIRECT E-CIG(商標)、DRAGONFLY(商標)、EMIST(商標)、EVERSMOKE(商標)、GAMUCCI(登録商標)、HYBRID FLAME(商標)、KNIGHT STICKS(商標)、ROYAL BLUES(商標)、SMOKETIP(登録商標)及びSOUTH BEACH SMOKE(商標)の下、市販されている。
【0004】
電気エネルギーによって生成される熱を用いて、どの著しい程度にもタバコを燃焼することなく、燃焼加熱源を必要とすることなく、又、相当量の不完全燃焼や熱分解の生成物を必ずしも送出することなく、シガレット、葉巻、又は、パイプの喫煙の感覚を提供する喫煙具を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【特許文献4】米国特許出願第13/602,871号
【特許文献5】米国特許出願第13/647,000号
【発明の概要】
【0006】
上述の及び他のニーズは、本開示により満たされ、本開示の一態様によると、喫煙具のカートリッジ部分の状態を検出するよう適応される喫煙具が提供される。喫煙具は、制御本体係合端部を有する制御本体部分を含み、制御本体部分はその内部に制御部品と電源を収容する。該喫煙具は、制御本体部分の制御本体係合端部と着脱可能に係合されるよう構成されたカートリッジ本体係合端部を含むカートリッジ本体部分を更に有する。様々な実施形態では、カートリッジ本体部分は、消耗部品配置及び少なくとも一つの加熱素子及びヒュージブルリンクを含み消耗部品配置と動作可能に係合される加熱接続部を収容する。
【0007】
本発明の喫煙具の様々な実施形態では、電源は、バッテリー、コンデンサ、及び、その組み合わせよりなる群から選択される。該喫煙具の特定の実施形態では、加熱素子は抵抗加熱素子である。該喫煙具の特定の実施形態では、ヒュージブルリンクは電気ヒュージブルリンクである。代替的には、ヒュージブルリンクは、機械的ヒュージブルリンクでもよい、即ち、ある所定の条件下でヒュージブルリンクを壊すよう適応される機械的機構を含み得る。喫煙具の様々な実施形態では、加熱素子及びヒュージブルリンクは、並列配置で電気的に整列されている。更に、ヒュージブルリンクは、加熱素子の加熱を生じさせるに十分な電気条件(例えば、定められた電圧及び持続時間の電流)下では機能しなくなるよう適応され得る。
【0008】
喫煙具の様々な実施形態では、ヒュージブルリンク及び加熱素子を有する加熱接続部は、制御本体とカートリッジ本体が互いと係合されている場合に電源と制御部品と電気接続されている。制御部品は、マイクロコントローラを有し得る。更に、制御部品は、制御本体とカートリッジ本体が係合された場合に電源から加熱接続部へ第1の組の条件の第1の電流フローを選択的に作動するよう構成され得、第1の電流フローの条件は加熱素子による加熱を開始するには不十分である。第1の組の条件は、加熱素子に対する使用電圧を定義する電圧と略同じ電圧、及び、約45ミリ秒以下(例えば、約5ミリ秒乃至約25ミリ秒)の電流フローの持続時間を有する。使用電圧は、約2ボルト乃至約6ボルトでもよい。
【0009】
制御部品は、電源から加熱接続部へ第2の組の条件の第2の電流フローを選択的に作動するよう構成され、第2の電流フローの条件は加熱素子による加熱を開始するに十分である。喫煙具の様々な実施形態では、第2の電流フローの条件は、ヒュージブルリンクを機能しなくさせるに十分である。本開示の喫煙具の幾つかの実施形態では、第2の電流フローの条件は、第1の電流フローの公称電圧よりも大きい電圧を有する。幾つかの実施形態では、第2の電流フローの条件は、第1の電流フローの条件と略同一でもよいが、第2の電流フローは、ヒュージブルリンクが機能しなくなる電流フローの時間を超えるに十分な持続時間にわたって流れることができる。
【0010】
喫煙具の様々な実施形態は、更に、電流感知抵抗器を有し、電流感知抵抗器はヒュージブルリンクの状態を示すよう適応される。制御部品は、電流感知抵抗器によって示されるヒュージブルリンクの状態から解釈されるカートリッジ状態に基づいてコマンド機能を開始するよう更に構成される。具体的には、電流感知抵抗器は、ヒュージブルリンク上の第1の抵抗、及び、加熱素子上の第2の抵抗を感知するよう適応される。第1の抵抗が感知されることは、未使用のカートリッジを示している。第1の抵抗がなく第2の抵抗が感知されることは、使用済みのカートリッジを示している。
【0011】
カートリッジ本体の様々な実施形態は、更に、加熱素子と連通する消耗部品配置を有する。消耗部品配置は、エアロゾル前駆体組成物を有し得る。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、多価アルコール、薬剤、タバコ成分、タバコから派生する材料、香味剤、及び、その組み合わせよりなる群から選択される。特定の実施形態では、多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、及び、その組み合わせよりなる群から選択される。様々な実施形態では、消耗部品配置は、基質とエアロゾル前駆体組成物を有し、エアロゾル前駆体組成物は、基質の少なくとも一部分にコーティングされる、該部分に吸着される、又は、該部分に吸収される、のいずれか一つである。
【0012】
本開示は、喫煙具のカートリッジ部分の状態を検出する方法も説明する。カートリッジ状態検出方法の様々な実施形態は、制御部品及び電源を含む制御本体を提供する段階と、加熱素子及びヒュージブルリンクを含む加熱接続部を有するカートリッジ本体を提供する段階と、加熱接続部が電源、及び、制御部品と電気接続されるようカートリッジ本体を制御本体と着脱可能に係合する段階と、を有する。該方法は、更に、電源から加熱接続部及び制御部品への第1の電流フローを確立する段階を備え、制御部品は、加熱接続部を流れる第1の電流に基づいてカートリッジ状態を解釈するよう構成される。上述した喫煙具の同様の態様が、以下により詳細に説明するように、カートリッジ検出方法において提供される。
【0013】
本発明は、無制限に、以下の実施形態を含む。
【0014】
実施形態1:電源と、電源からの電力の送出を制御するよう適応される制御部品と、加熱素子及びヒュージブルリンクを含む加熱接続部と、を備える喫煙具。
【0015】
実施形態2:制御本体は、電源及び制御部品を収容し、カートリッジ本体は、加熱接続部を収容し、カートリッジ本体は、制御本体と着脱可能に係合される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0016】
実施形態3:電源は、バッテリー、コンデンサ、又は、その組み合わせよりなる群から選択される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0017】
実施形態4:加熱素子は、抵抗加熱素子である、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0018】
実施形態5:ヒュージブルリンクは、電気的ヒュージブルリンクである、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0019】
実施形態6:ヒュージブルリンクは、機械的ヒュージブルリンクである、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0020】
実施形態7:ヒュージブルリンクは、加熱素子の加熱を開始するに十分な電気条件下では機能しなくなるよう適応される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0021】
実施形態8:ヒュージブルリンクと加熱素子は、並列配置で電気的に整列されている、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0022】
実施形態9:加熱接続部、電源、及び、制御部品は、制御本体とカートリッジ本体が係合された場合に、閉電気回路を画成する、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0023】
実施形態10:制御部品は、電源から加熱接続部へ第1の組の条件の第1の電流フローを選択的に作動するよう構成され、第1の電流フローは加熱素子による加熱を開始するに不十分である、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0024】
実施形態11:第1の組の条件は、加熱素子に対する使用電圧を定義する電圧と略同じ電圧、及び、約45ミリ秒以下の電流フローの持続時間を有する、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0025】
実施形態12:電流フローの持続時間は約5ミリ秒乃至約25ミリ秒である、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0026】
実施形態13:使用電圧は、約2ボルト乃至約6ボルトである、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0027】
実施形態14:電気回路は、更に、電流感知抵抗器を有する、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0028】
実施形態15:電流感知抵抗器は、ヒュージブルリンクの状態を表す値を測定するよう適応される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0029】
実施形態16:制御部品は、電流感知抵抗器から受信した値に基づいて論理的シーケンスを開始するよう適応される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0030】
実施形態17:論理的シーケンスに基づき、制御部品は、制御本体と係合しているカートリッジの正常な使用を許可する、或いは、異なるカートリッジと係合されるまで制御本体の動作を一時的に停止させるよう構成される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0031】
実施形態18:制御部品は、電源から加熱接続部へ第2の組の条件の第2の電流フローを選択的に作動するよう構成され、第2の電流フローは加熱素子による加熱を開始するに十分である、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0032】
実施形態19:第2の電流フローは、ヒュージブルリンクが機能しなくなる電流フローの時間を超える持続時間にわたって印可される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0033】
実施形態20:制御部品はマイクロコントローラを有する、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0034】
実施形態21:カートリッジ本体は、加熱素子と連通する消耗部品配置を更に有する、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0035】
実施形態22:消耗部品配置は、エアロゾル前駆体組成物を有する、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0036】
実施形態23:エアロゾル前駆体組成物は、多価アルコール、薬剤、タバコ成分、タバコから派生する材料、香味剤、及び、その組み合わせよりなる群から選択される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0037】
実施形態24:多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、及び、その組み合わせよりなる群から選択される、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0038】
実施形態25:消耗部品配置は基質とエアロゾル前駆体組成物を有し、エアロゾル前駆体組成物は、基質の少なくとも一部分にコーティングされる、該部分に吸着される、又は、該部分に吸収される、のいずれか一つである、全ての先行する又は後続する実施形態の喫煙具。
【0039】
実施形態26:喫煙具におけるカートリッジの状態を検出する方法であって、制御部品及び電源を含む制御本体を提供する段階と、加熱素子及びヒュージブルリンクを含む加熱接続部を有するカートリッジ本体を提供する段階と、加熱接続部、電源、及び、前記制御部品を含む閉電気回路を確立し、電源から加熱接続部へ第1の組の条件の第1の電流フローを制御部品に開始させるようカートリッジ本体と制御本体を着脱可能に係合する段階と、を備え、制御部品は、電気回路を流れる第1の電流の特徴に基づいてカートリッジ状態を識別する、方法。
【0040】
実施形態27:電源は、バッテリー、コンデンサ、及び、その組み合わせよりなる群から選択される、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0041】
実施形態28:閉電気回路は、更に、制御本体及びカートリッジの一方に位置決めされる電流感知抵抗を有する、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0042】
実施形態29:電流感知抵抗器は、第1の電流の特徴を測定し、測定を制御部品に中継する、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0043】
実施形態30:特徴に対する第1の値は、手つかずのヒュージブルリンク及び未使用のカートリッジを表すとして制御部品によって処理される、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0044】
実施形態31:特徴に対する第2の値は、機能しなくなったヒュージブルリンク及び使用済みのカートリッジを表すとして制御部品によって処理される、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0045】
実施形態32:第1の電流フローの条件は、加熱素子の加熱を開始するに不十分である、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0046】
実施形態33:制御部品は、マイクロコントローラを有する、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0047】
実施形態34:カートリッジ本体は、加熱素子と連通する消耗部品配置を有する、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0048】
実施形態35:消耗部品配置は、エアロゾル前駆体組成物を有する、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0049】
実施形態36:エアロゾル前駆体組成物は、多価アルコール、薬剤、タバコ成分、タバコから派生する材料、香味剤、及び、その組み合わせよりなる群から選択される、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0050】
実施形態37:多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、及び、その組み合わせよりなる群から選択される、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0051】
実施形態38:消耗部品配置は基質とエアロゾル前駆体組成物を有し、エアロゾル前駆体組成物は、基質の少なくとも一部分にコーティングされる、該部分に吸着される、又は、該部分に吸収される、のいずれか一つである、全ての先行する又は後続する実施形態の方法。
【0052】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び、利点は、以下に簡単に説明する添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことで明らかとなるであろう。本発明は、上述の実施形態のうちの二つ、三つ、四つ以上の全ての組み合わせ、並びに、本開示に記載する特徴又は素子が本願の特定の実施形態の説明において明確に組み合わされていてもなくても、本開示に記載する任意の二つ、三つ、又は、四つ以上の該特徴又は素子の組み合わせを含む。本開示は、様々な態様及び実施形態にある開示する発明の任意の分離可能な特徴又は素子が、文脈で明確に述べられていない限り組み合わせることができることが意図されるよう総体的に読まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
前述の一般用語において本発明を説明したが、添付の図面をここで参照する。該図は、必ずしも正確な縮尺率で描かれていない。
図1図1は、本開示による喫煙具の模範的な実施形態の斜視図であって、該喫煙具の外側シェルの一部分が切り取られて内部の構成要素が見える図を示す。
図2図2は、本開示によるカートリッジ検出システムの模範的な実施形態のブロック図を示す。
図3図3は、喫煙具におけるカートリッジの状態を検出する方法の模範的な実施形態のフロー図を示す。
図4図4は、喫煙具におけるカートリッジの状態を識別するために制御部品によって利用される決定経路の模範的な論理的フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、その模範的な実施形態を参照して以下により完全に説明する。これらの模範的な実施形態は、本開示を徹底して且つ完全に理解できるよう提供され、当業者に発明の範囲を完全に伝えることができるであろう。実際に、本発明は、多数の異なる形態で具体化されてもよく、記載する実施形態に制限されると解釈されてはならず、むしろ、これら実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすよう提供される。明細書中、及び、添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形(「a」「an」、「the」)は文脈で明確に指示されない限り複数の指示対象を含む。
【0055】
本開示は、電気エネルギーを使用して材料を加熱(好ましくは、どの著しい程度にも材料を燃焼することなく)し、吸引可能な物質を形成する具(及びその製造)に関わり、該具は「手持ち」装置と考えられる位に十分に小型である。ある実施形態では、具は特に喫煙具として特徴付けられ得る。本願で使用されるように、「喫煙具」といった用語は、具のどの成分をどの著しい程度にも燃焼することなくシガレット、葉巻、又は、パイプを喫煙する感覚(例えば、吸い込みや吐き出しの形式、味又は香味のタイプ、官能効果、物理的感触、使用形式、視覚できるエアロゾルによって提供されるような視覚的刺激、等)を多数提供する具を意味することが意図される。本願で使用されるように、「喫煙具」といった用語は、動作中、具がタバコの燃焼又は熱分解の副産物から結果として生ずるエアロゾルという点で煙を生成することを必ずしも意味せず、むしろ、具は、具又は装置のある成分を揮発又は蒸発することから結果として生ずる蒸気(煙のようとして説明される、視覚できるエアロゾルと考えられるエアロゾル内の蒸気を含む)を産出する。非常に好ましい実施形態では、喫煙具として特徴付けられる具は、タバコから導出されるタバコ及び/又は成分を含んでいる。
【0056】
更なる実施形態では、本開示に応じて製造される具は、蒸気を生成する具、エアロゾル化する具、又は、薬剤を送出する具として特徴付けられる。そのため、具は、一つ以上の物質(例えば、香味及び/又は薬剤活性成分)を吸引可能な形態又は状態で提供するよう配置され得る。例えば、吸引可能な物質は、実質的に、蒸気(即ち、その臨界点よりも低い温度で気相となる物質)の形態でもよい。代替的には、吸引可能な物質は、エアロゾル(即ち、気体中の微細固体粒子又は液滴の懸濁液)の形態でもよい。簡略化のため、本願で使用する「エアロゾル」といった用語は、視覚できるか否かに関わらず、又、その形態が煙のようと考えられ得るか否かに関わらず、人間が吸い込むに好適な形態又はタイプの蒸気、気体、及び、エアロゾルを含むことが意図される。
【0057】
使用の際、本開示による喫煙具は、従来のタイプの喫煙具(例えば、炎で火を点けることで使用され、後に燃やされるタバコを吸い込むことで使用されるシガレット、葉巻、又は、パイプ)を用いることにおける個人の物理作用の多くの影響を受ける。例えば、本発明の喫煙具のユーザーは、従来のタイプの喫煙具のように該喫煙具を持ち、該喫煙具の一端部を吸い込み該喫煙具によって生成されるエアロゾルを吸引し、選択された時間間隔でタバコをふかす。
【0058】
本発明の一態様による製造され得る喫煙具は、外側シェル又は本体内に設けられる幾つかの構成要素を含み得る。外側シェル又は本体の全体的な設計は様々であり、喫煙具の全体的なサイズ及び形状を定める外側本体のフォーマット又は構成も様々である。典型的には、シガレット又は葉巻の形状に似ている細長い本体は一つの単一シェルから形成され得、又は、細長い本体は二つ以上の別個の部分より形成され得る。例えば、喫煙具は、略筒状の形状を有する細長いシェル又は本体を有し得るため、従来のシガレット又は葉巻の形状に似ている。一実施形態では、喫煙具の全ての構成要素は、一つの外側本体又はシェル内に含まれている。代替的には、喫煙具は、結合し、分離することができる、二つのシェルを有してもよい。例えば、喫煙具は、一端部には一つ以上の再利用可能な構成要素(例えば、充電式バッテリー及び喫煙具の動作を制御する様々な電子部品)を含むシェルを有する制御本体、他端部には該一端部に着脱可能に取り付けられる使い捨て部分(例えば、使い捨ての香味含カートリッジ)を含むシェルを有してもよい。更には、本開示の[背景技術]において列挙した代表的な製品のような、市販されている電子喫煙具を考慮して様々な喫煙具の設計及び構成要素配置が認識されるであろう。
【0059】
本開示の一態様により製造され得る喫煙具は、電源(即ち、電気電源)、少なくとも一つの制御部品(例えば、喫煙具の他の構成要素への電源の電流フローを制御する等して発熱のために電力を作動し、制御し、調整し、停止させる手段)、ヒーター又は発熱構成要素(例えば、「噴霧器」として一般的に称される電気抵抗加熱素子又は構成要素)、及び、エアロゾル前駆体組成物(例えば、一般的には、「スモークジュース」「イーリキッド」及び「イージュース」として一般的に称される材料等、十分な熱を加えるとエアロゾルを産出することができる液体)の何等かの組み合わせ、及び、エアロゾルを吸引(例えば、利用時に生成されたエアロゾルを吸い込めるような喫煙具を通る画成された空気流路)するために喫煙具を吸い込むための口端部領域又は先端部を含む。喫煙具内の構成要素の整列は様々である。特定の実施形態では、エアロゾル前駆体組成物は、ユーザーへのエアロゾル送出を最大化するようユーザーの口に近接する喫煙具の端部(例えば、ある状況では置換可能であり使い捨てカートリッジを含む)の近くに位置し得る。しかしながら、他の構成が除外されることはない。一般的に、ヒーターの構成要素は、エアロゾル前駆体組成物の十分近くに位置決めされ得ることにより、ヒーターの構成要素からの熱がエアロゾル前駆体(並びに、ユーザーに送出されるよう同様に供給される一つ以上の香味、薬剤等)を揮発し、ユーザーに送出するためのエアロゾルが形成される。加熱部材がエアロゾル前駆体組成物を加熱すると、エアロゾルが消費者によって吸入されるに適した物理的な形態で形成され、放出され、又は、生成される。前述の用語は入れ替え可能であり、例えば、放出する、放出している、放出する、又は、放出したは形成する又は生成する、形成している又は生成している、形成する又は生成する、及び、形成した又は生成した、を含むことを意味することに注意する。具体的には、吸引可能な物質は、蒸気、エアロゾル、又は、その混合物の形態で放出される。追加的には、様々な喫煙具成分の選択は、本開示の[背景技術]に列挙される代表的な製品のような、市販の電子喫煙具を考慮して理解されるであろう。
【0060】
本開示の一態様により製造される喫煙具は、抵抗加熱、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給等、喫煙具に様々な機能性を提供するに十分な電流フローを供給するバッテリー又は他の電気電源を含み、組み込み得る。電源は様々な実施形態を取り得る。電源は、加熱部材を迅速に加熱するよう十分な電力を送出して、エアロゾルを形成し、所望の持続時間にわたって使用できるよう喫煙具に電力を供給し得ることが好ましい。電源は、喫煙具内に便利に嵌るようサイズが決められることが好ましく、それにより、喫煙具は扱われやすくなる。更には、好ましい電源は望ましい喫煙経験から沿れないよう十分に軽量であることが好ましい。
【0061】
本開示による模範的な喫煙具10を図1に示す。例示する面から分かるように、喫煙具10は、機能する関係において整列される制御本体80とカートリッジ90とを有し得る。これについて、制御本体80とカートリッジ90は、互いと着脱可能である。図1にはねじ付き係合が示されているが、圧入係合、磁気係合等、更なる係合の手段も含まれることは理解されるであろう。カートリッジは、特に、本願に別に記載されるように一回限りのコネクタを含み得る。
【0062】
特定の実施形態では、制御本体80は、再利用可能であり、カートリッジ90は使い捨てである。幾つかの実施形態では、喫煙具全体は、制御本体が限られた数のカートリッジで限られた回数の使用(例えば、バッテリーの電力成分が喫煙具に十分な電力をもはや供給しなくなるまで)だけを可能にするよう構成される点で使い捨てであるとして特徴付けられ、その後、制御本体を含む喫煙具10全体が破棄される。他の実施形態では、制御本体は置換可能なバッテリーを有してもよく、制御本体は何回かのバッテリー交換を通じ、多数のカートリッジを用いて再利用できる。同様にして、喫煙カートリッジ10は、充電式のため、典型的なコンセントへの接続、車内充電器(即ち、シガレットライター受容部)への接続、及び、USBケーブルを介する等してのコンピューターへの接続を含む、全てのタイプの再充電技術と組み合わされ得る。
【0063】
制御本体80は、制御部品20と、フローセンサ30と、バッテリー40とを含む。これらの構成要素は、特定の配置で例示されているが、構成要素の様々な配置が本開示によって包含されることは理解されるであろう。制御本体80は、制御本体シェル81の先端部12に複数のインジケータ19を更に有する。これらのインジケータ19は、喫煙具から何回タバコをふかしたか或いは後何回ふかせるかを示し、活性又は非活性状態を示し、タバコをふかすことに応じて点灯されることができる。インジケータの数は任意であり、異なる形状を取ることができ、単に本体における開口部(インジケータが設けられている場合には音の放出等のため)でもよい。
【0064】
一つ以上の吸気部17に対する様々な位置は、本開示によって包含される。図示するように、吸気部17は、吸い込まれた空気が十分にフローセンサ30と接触してセンサを始動させるよう(他の位置も包含されるが、特に、異なる感知手段が設けられているかプッシュボタン等による手動作動が提供されている場合)制御本体シェル81内に位置決めされてもよい。受容部60は、制御本体80の近接取付端部13にも設けられ制御本体突出部82の中に延在することで、カートリッジ90が制御本体に取り付けられる場合に抵抗加熱素子50との電気接続を容易にすることができる。例示する実施形態では、受容部60は、喫煙具10の使用中に制御本体内の吸気部からカートリッジへの空気流を容易にするために、中央開口通路を含む。
【0065】
カートリッジ90は、シェル91を含み、その口端部11に口開口部18が形成されることで、喫煙具10の吸い込み中にカートリッジから消費者に空気と同伴蒸気(即ち、吸引可能な形態にあるエアロゾル前駆体組成物の成分)の通路を提供する。本開示による喫煙具10の全体的な形状は、略棒形状、略筒形状、又は、略円筒形状として定められる。図1に例示されるように、喫煙具10は、略円形の断面を有するが、他の断面形状(長円形、正方形、三角形等)も本開示によって包含される。喫煙具の物理的形状を説明するこのような用語は、制御本体やカートリッジのようなユニットを多数有する実施形態において喫煙具の個々のユニットに適用されてもよい。
【0066】
好ましい実施形態では、喫煙具10はシガレット又は葉巻の形状に匹敵するサイズを取り得る。そのため、喫煙具は約5mm乃至約25mm、約5mm乃至約20mm、約6mm乃至約15mm、又は、約6mm乃至約10mmの直径を有する。このような寸法は、特に、制御本体シェル81の外側直径及び/又はカートリッジシェル91に対応し得る。制御本体は、約50mm乃至約110mm、約60mm乃至約100mm、又は、約65mm乃至約95mmの長さを有し得る。カートリッジは、約20mm乃至約60mm、約25mm乃至約55mm、又は、約30mm乃至約50mmの長さを有する。組み合わされたカートリッジと制御本体の全体的な長さ(又は、一つの単一シェルよりなる、本開示による喫煙具の全体的な長さ)は、近似的に、典型的なシガレットの長さ、例えば、約70mm乃至約130mm,約80mm乃至約125mm、又は、約90mm乃至約120mmの長さ以下である。
【0067】
喫煙具10のカートリッジシェル91は、筒形状等の適当な構造を形成し維持し、又は、喫煙具の好適な構成要素を中に保持するに適した全ての材料よりなり得る。図1に示すように、本体は、単一の壁より形成され得る。カートリッジシェル91は、少なくとも抵抗加熱素子によって供給される加熱温度である温度で例えば、劣化しない等の構造的完全性を保持するよう熱抵抗性を有する材料(自然又は剛性)よりなる。幾つかの実施形態では、熱抵抗性ポリマーが使用され得る。他の実施形態では、本体は、略ストロー形状の紙等、紙から形成され得、又は、ステンレス鋼等の金属から形成され得る。更に詳細に説明するように、紙筒のような本体は、中を通る蒸気の動きを実質的に防止するよう機能する、関連する一枚以上の層を含む。一実施例では、本体の位置表面にアルミニウム箔層がラミネートされてもよい。セラミック材料が使用されてもよい。
【0068】
カートリッジ90は、金属製の針金コイルの形態で抵抗加熱素子50を更に含む。抵抗加熱素子は、抵抗加熱素子を通る電流フローを容易化し、適当な配線(図示せず)を取り付けて、カートリッジ90が制御本体80に接続された場合にバッテリー40と抵抗加熱素子の電気接続を形成するよう、端子51(例えば、正端子及び負端子)をその反対端部に有する。具体的には、プラグ65がカートリッジの先端取付端部14に位置決めされる。カートリッジ90が制御本体80と接続されている場合、プラグ65は電流がバッテリー40から、受容部やプラグを通って抵抗加熱素子50に制御可能に流れるよう、受容部60と係合して電気接続を形成する。カートリッジシェル91は、先端取付端部にわたって続き、カートリッジの該端部は突出するプラグで実質的に閉じられる。図1に例示するように、プラグ65は、制御本体80からカートリッジ90に空気が流れるよう、受容部60における中央開口通路と整列される中央開口通路を含む。
【0069】
一般的に、使用の際、消費者がカートリッジの口端部11を吸うと、フローセンサ30は流れの変化を検出し、制御部品20を始動して、抵抗加熱素子50を通る電流フローを容易にする。それにより、フローセンサ30が略即座に空気流を検出できるようにして制御本体80の中を空気流が移動できるようにすることが有用である。
【0070】
制御アルゴリズムは、循環するために抵抗加熱素子50への電力供給を必要とするため、定義された温度が維持される。したがって、制御アルゴリズムは、消費者がタバコをふかさなくなってから定められた時間経過した後、喫煙具10を自動的に非活性化し、喫煙具を通る電力フローを終わらせる。更に、喫煙具は、温度センサを含み、制御部品にフィードバックを供給する。このようなセンサは、例えば、抵抗加熱素子50と直接的に接触している。論理的制御部品に依存して抵抗加熱素子を通る抵抗を評価し、該抵抗を素子の温度と相互に関連させるように、代替的な温度感知手段も同様に使用され得る。他の実施形態では、フローセンサ30は、容量感知等の代替的な感知手段を提供するよう適当な構成要素によって置き換えられてもよい。更に、喫煙具10をオン/オフにするよう電力供給する、加熱素子50をオンにして吸引用の蒸気又はエアロゾルを生成する等の様々な機能を引き出すために消費者による手動作動を可能にする一つ以上の制御ボタンを含み得る。
【0071】
フローセンサ30が制御本体80内に位置決めされている場合、制御本体に吸気部17が設けられていることが有用である。望ましい場合には、密封された流路が設けられ得、制御本体80内のフローセンサ30は、カートリッジと制御本体が係合された後はカートリッジの内部と流体接続される。このような流体接続は、制御本体に取り付けられた場合には制御本体内の残りの成分に対して密封されているが、カートリッジ90に開口されている。更に、他の実施形態では、フローセンサ30は、制御本体80の代わりに、カートリッジ90内に位置されてもよい。
【0072】
貯留部は、エアロゾル化域にエアロゾル前駆体組成物を運搬するために運搬素子を利用してもよい。本願で用いられるように、「貯留部」といった用語は、液体、流体、又は、エアロゾル等の産物を保持し、保存し、保有するための受容部又はチャンバーを指す。その一つの例を図1に示す。本願からも分かるように、カートリッジ90は、本実施形態では、カートリッジシェル91の内部を取り囲む管の形状に形成される不線布繊維の層を有する貯留層201を含む。エアロゾル前駆体組成物は、貯留層201に保有される。例えば、液体成分は、貯留層201によって吸着式に保有され得る。貯留層201は、運搬素子301(本実施形態では芯)と流体接続されている。運搬素子301は、貯留層201に保存されているエアロゾル前駆体組成物をカートリッジ90のエアロゾル化域400に毛管現象により運搬する。例示されるように、運搬素子301は、本実施形態では金属製の針金コイルの形態にある抵抗加熱素子50と直接的に接触している。
【0073】
使用の際、ユーザーが喫煙具10を吸うと、抵抗加熱素子50が始動され(例えば、ふかしセンサを介して)、エアロゾル前駆体組成物に対する成分がエアロゾル化域400で蒸発される。喫煙具10の口端部11を吸うと、周囲空気は、吸気部17に入り、受容部60における中央開口部とプラグ65における中央開口部を通過する。カートリッジ90では、吸われた空気は、空気通路管220における空気通路230を通過し、エアロゾル化域400における形成された蒸気と組み合わさってエアロゾルを形成する。エアロゾルは、エアロゾル化域から移動され、空気通路管250における空気通路260を通過し、喫煙具10の口端部11にある口開口部18から出される。望ましい場合には、空気通路管250は設けられなくてもよく、抵抗加熱素子50によってエアロゾル前駆体組成物が蒸発されるためエアロゾルを形成するための場所に開空洞が存在していてもよい。
【0074】
図1に示す実施形態における喫煙具10は、使い捨て具として特徴付けられる。そのため、このような実施形態における貯留部201は、消費者が喫煙具を一回以上使用することができるよう、十分な量のエアロゾル前駆体組成物及び全ての更なる吸引可能な材料を含むことが望ましい。例えば、喫煙具は、例えば、二回以上、五回以上、十回以上、又は、二十回以上といった、複数の従来のシガレットから利用可能なふかしの数(約二秒の持続時間)と略等しいふかしの数を喫煙具が提供することができるよう、十分なエアロゾル化可能な及び/又は吸引可能な材料を含み得る。特には、図1の実施形態による使い捨ての単一ユニットの具は、約20以上、約50以上、又は、約100以上のふかしを提供することができる。
【0075】
図1は、本開示による喫煙具を示すが、本開示の範囲は例示する構成要素の特定の組み合わせ及び/又は配置に制限されると解釈されてはならない。むしろ、本開示は、電子喫煙具を形成するに有用な構成要素の様々な組み合わせを包含し得る。例えば、Sebastian外による米国特許公報第2014/0000638号、及び、Griffith Jr.外による米国特許公報第2013/0255702号に記載する喫煙具を参照し、これらの開示を本願では全体的に参照として組み込む。更には、使用する代表的な加熱素子及び材料は、Counts外による米国特許第5,060,671号、Deevi外による米国特許第5,093,894号、Deevi外による米国特許第5,224,498号、Sprinkel Jr.外による米国特許第5,228,460号、Deevi外による米国特許第5,322,075号、Deevi外による米国特許第5,353,813号、Deevi外による米国特許第5,468,936号、Dasによる米国特許第5,498,850号、Dasによる米国特許第5,659,656号、Deevi外による米国特許第5,498,855号、Hajaligolによる米国特許第5,530,225号、Hajaligolによる米国特許第5,665,262号、Das外による米国特許第5,573,692、及び、Fleischhauerによる米国特許第5,591,368号に記載され、これらの開示を本願では全体的に参照として組み込む。
【0076】
本発明による喫煙具の様々な構成要素が技術において説明され市販されている構成要素の中から選ばれてもよい。本開示により使用され得るバッテリーの例は、米国特許出願第2010/0028766号に記載され、その開示を本願では全体的に参照として組み込む。
【0077】
ふかし作動能力を提供し得る模範的な機構は、Honeywell,Inc.,Freeport,I11のマイクロスイッチ部門によって製造されるモデル163PC01D36シリコンセンサを含む。本開示による加熱回路において使用され得るデマンド動作の電気スイッチの更なる例は、本願では全体的に参照として組み込むGerth外による米国特許第4,735,217号に記載される。本発明の喫煙具において有用な、電流調整回路やマイクロコントローラを含む他の制御部品の更なる説明が、Brooks外による米国特許第4,922,901号、米国特許第4,947,874号及び米国特許第4,947,875号、McCafferty外による米国特許第5,372,148、Fleischhauer外による米国特許第6,040,560号、及び、Nguyen外による米国特許第7,040,314号に提供され、これらの開示を本願では全体的に参照として組み込む。
【0078】
エアロゾル前駆体組成物又は蒸気前駆体組成物は、一つ以上の異なる成分を有し得る。例えば、エアロゾル前駆体は、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、又は、その混合物)を含み得る。更なるエアロゾル前駆体組成物の代表的なタイプは、Sensabaugh,Jr.外による米国特許第4,793,365号、Jakob外による米国特許第5,101,839号、Biggs外による国際公開第98/57556号、及び、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)(R.J.レイノルズ・タバコ・カンパニーのモノグラフによる「タバコを燃やさず加熱する新しいシガレットプロトタイプに対する化学的生物学的研究」)に記載され、その開示を本願では参照として組み込む。
【0079】
エアロゾル前駆体組成物は、水等の更なる液体材料を含んでもよい。例えば、エアロゾル前駆体組成物は、グリセリンと水の混合物、プロピレングリコールと水の混合物、プロピレングリコールとグリセリンの混合物、又は、プロピレングリコール、グリセリン、及び、水の混合物を含み得る。模範的なエアロゾル前駆体組成物は、関連する喫煙カートリッジタイプC1a、C2a、C3a、C4a、C1b、C2b、C3b、及び、C4bを用いて使用することができるブランド名E−CIGの電子葉巻として、及び、中国北京にあるRuyan SBT Technology and Development Co.,LtdによるRuyan 噴霧電子パイプ及びRuyan噴霧電子シガレットとして、Atlanta Imports Inc.,Acworth,Ga.,USA.(米国ジョージア州アクワースにあるアトランタ・インポート社)から販売されている装置内に含まれる材料のタイプも含み得る。
【0080】
開示する喫煙具において使用されるエアロゾル前駆体組成物は、一つ以上の香味、薬剤、又は、他の吸引可能な材料を更に有し得る。例えば、液体ニコチンが使用され得る。このような更なる材料は、エアロゾル前駆体又は蒸気前駆体組成物の一つ以上の成分を有し得る。そのため、エアロゾル前駆体又は蒸気前駆体組成物は、吸引可能な物質を有するとして説明される。吸引可能な物質は、本願で説明するように、香味、薬剤、及び、他の材料を含み得る。特に、本発明による喫煙具を用いて送出される吸引可能な物質は、タバコ成分又はタバコから派生する材料を有し得る。或いは、香味、薬剤、又は、他の吸引可能な材料は、例えば、貯留部にある他のエアロゾル前駆体組成物とは別に供給され得る。このように、定められた一定分量の香味、薬剤、又は、他の吸引可能な材料は、抵抗加熱素子に別々に或いは同時に送出され、エアロゾル前駆体又は蒸気前駆体組成物の更なる成分と共にユーザーによって吸引される気流の中に香味、薬剤、又は、他の吸引可能な材料が放出される。
【0081】
喫煙具の主流エアロゾルの感覚的又は官能的特徴又は性質を変える幅広いタイプの香味剤又は材料が使用され得る。このような香味剤は、タバコ以外の源から提供されてもよく、事実上自然的または人工的でもよく、濃縮物又は香味パッケージとして使用されてもよい。エアロゾルが生成される喫煙具の領域に適用される、或いは、その中に含まれる香味剤が特に関心のあるものである。ここで再び、このような剤は抵抗加熱素子に直接的に供給されるか、既に説明した通り、基質上に設けられてもよい。模範的な香味剤は、バニリン、エチルバニリン、クリーム、お茶、コーヒー、フルーツ(例えば、りんご、さくらんぼ、いちご、なし、及び、ライムやレモン等のシトラス香味)、メープル、メンソール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、しょうが、はちみつ、アニス、セージ、シナモン、サンダルウッド、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草、及び、シガレット、葉巻、及び、タバコの香味料に伝統的に使用されるタイプや特徴の香味料や香味パッケージを含む。ブドウ糖果糖液糖のようなシロップが使用されてもよい。香味剤は、酸性又は塩基性特徴(例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸、及び、ピルビン酸のような有機酸)を含み得る。香味剤は、望ましい場合には、エアロゾル生成材料と組み合わされてもよい。使用できる模範的な植物から派生する組成物は、Dube外による米国特許出願第12/971,746号及びDube外による米国特許出願第13/015,744号に記載され、その開示を本願では全体的に参照として組み込む。
【0082】
有機酸は、エアロゾル前駆体と組み合され得るニコチンのような香味、感覚、又は、官能的特性に望ましい変更を与えるようエアロゾル前駆体に特に含まれてもよい。例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸、及び、ピルビン酸等の有機酸は、ニコチンと等モル(合計有機酸含量)となる量で、ニコチンを含むエアロゾル前駆体に含まれ得る。有機酸の全ての組み合わせが使用され得る。例えば、エアロゾル前駆体は、存在する有機酸の全量がエアロゾル前駆体に存在するニコチンの全量に等モルとなる濃度まで、一モルのニコチン当たり約0.1乃至約0.5モルのレブリン酸、一モルのニコチン当たり約0.1乃至約0.5モルのピルビン酸、一モルのニコチン当たり約0.1乃至約0.5モルの乳酸、又は、その組み合わせを含んでもよい。
【0083】
タバコから派生する医薬品グレードのニコチンを含むタバコ抽出物を含むエアロゾル前駆体の実施形態では、タバコ抽出部が例えば、ホフマン検体として総称的に知られている化合物を実質的に含まないとして特徴付けられることが有利である。ホフマン検体は、N’−ニトロソノルニコチン(NNN)、(4−メチルニトロソアミン)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)、N’−ニトロソアナタビン(NAT)、及び、N’−ニトロソアナバシン(NAB)を含むタバコ特有のニトロソアミン(TSNAs)、ベンズ[a]アントラセン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、クリセン、ジベンズ[a,h]アントラセン、及び、インデノ[1,2,3−cd]ピレンを含む多環芳香族炭化水素(PAHs)等を含む。ある実施形態では、エアロゾル前駆体材料は、TSNAs及びPAHsを含むどのホフマン検体も全く含まないとして特徴付けられる。エアロゾル前駆体の実施形態は、約5ppm未満、約3ppm未満、約1ppm未満、又は、約0.1ppm未満、或いは、どの検出可能な限界未満の範囲においてTSNAレベル(又は他のホフマン検体レベル)を有してもよい。ホフマン検体濃度の低下を実現するためにある抽出処理又は取扱い処理が使用され得る。例えば、タバコ抽出物は、例えば、Bhattacharyya外による米国特許出願第2007/0186940号、Rees外による米国特許出願第2011/0041859号、Jonssonによる米国特許出願第2011/0159160号、及び、Byrd外による米国特許出願第2012/0291793号に記載されるように、インプリントポリマー又はノンインプリントポリマーと接触され得る。更に、タバコ抽出物は、特定のアルデヒド及び他の化合物を除去することができるアミン官能性を有するイオン交換材料で扱われ得、これらの文献は本願では全て参照として組み込む。例えば、Horsewell外による米国特許第4,033,361号及びFiglar外による米国特許第6,779,529号を参照し、これらは本願では全体的に参照として組み込む。
【0084】
ある実施形態では、エアロゾル前駆体は、電子喫煙具におけるエアロゾル形成のための加熱中に表面積が増大するよう適応される。特に、エアロゾル前駆体は、発泡材料を有し得る。発泡材料は、加熱中に劣化し、エアロゾル前駆体の少なくとも一部分を泡立たせ、又は、微細液滴を生成するに十分な二酸化炭素(又は他のガス状物質)を放出するよう適応される。このような発泡剤を含むことは、エアロゾル前駆体からエアロゾルを形成するに必要な熱の量を減少することに有益である。
【0085】
エアロゾル前駆体組成物は、利用される様々な量の材料に基づいて様々な配座を取り得る。例えば、有用なエアロゾル前駆体組成物は、ポリオールの約98重量パーセント、約95重量パーセント、又は、約90重量パーセントまで含み得る。この合計量は、二つ以上の異なるポリオール間で任意の組み合わせに分割され得る。例えば、一つのポリオールは、エアロゾル前駆体の約50乃至約90重量パーセント、約60乃至約90重量パーセント、又は、約75乃至約90重量パーセントを含み、次のポリオールは、エアロゾル前駆体の約2乃至約45重量パーセント、約2乃至約25重量パーセント、又は、約2乃至約10重量パーセントを含み得る。有用なエアロゾル前駆体は、水の約25重量パーセント、約20重量パーセント、又は、約15重量パーセントまでを含み得、特に、水の約2乃至約25重量パーセント、約5乃至訳20重量パーセント、又は、約7乃至15重量パーセントを含み得る。香味等(ニコチン等の薬剤を含む)は、エアロゾル前駆体の約10重量パーセント、約8重量パーセント、又は、約5重量パーセントまでを含み得る。
【0086】
非制限的な例として、本発明によるエアロゾル前駆体は、グリセロール、プロピレングリコール、水、ニコチン、及び、一つ以上の香味を含み得る。具体的には、グリセロールは約70乃至約90重量パーセント、約70乃至85重量パーセント、又は約75乃至85重量パーセントの量で存在し、プロピレングリコールは約1乃至約10重量パーセント、約1乃至8重量パーセント、又は約2乃至6重量パーセントの量で存在し、水は約10乃至約20重量パーセント、約10乃至18重量パーセント、又は約12乃至16重量パーセントの量で存在し、ニコチンは約0.1乃至約5重量パーセント、約0.5乃至4重量パーセント、又は約1乃至3重量パーセントの量で存在し、香味は約5重量パーセント、約3重量パーセント、又は約1重量パーセントまでの量で存在し得、これら全ての量はエアロゾル前駆体の全重量に基づいている。エアロゾル前駆体の一つの特定の非制限的な例は、約75乃至約80重量パーセントのグリセロール、約13乃至約15重量パーセントの水、約4乃至約6重量パーセントのプロピレングリコール、約2乃至約3重量パーセントのニコチン、及び、約0.1乃至約0.5重量パーセントの香味を有し得る。例えば、ニコチンはタバコ抽出物から得られてもよい。
【0087】
喫煙具内で使用されるエアロゾル前駆体組成物の量は、喫煙具が許容可能な感覚的且つ官能的特性や望ましい性能特性を発揮するような量である。例えば、多くの面でタバコの煙の様子に似ている視覚可能な主流のエアロゾルの生成用に提供するために、グリセリン及び/又はプロピレングリコール等の十分なエアロゾル前駆体組成物の成分が使用されることが非常に好ましい。典型的には、喫煙具の中に含まれるエアロゾル生成材料の量は、約1.5g以下、約1g以下、又は、約0.5g以下の範囲にある。エアロゾル前駆体組成物の量は、喫煙具と使用されるカートリッジ当たりの望まれるふかしの数等の要因に依存し得る。エアロゾル前駆体組成物が、タバコのカットフィルタを燃やすことで主流を生成する伝統的なタイプのシガレットとは著しく異なる、著しい程度の許容できない異味、薄膜状の食感、又は、全体的な感覚的経験を生じさせないことが望ましい。特定のエアロゾル生成材料及び貯留部材料の選択、これら成分の使用される量、及び、使用されるタバコ材料のタイプは、喫煙具によって生成される主流のエアロゾルの全体的な化学成分を制御するために、変更され得る。
【0088】
更なる成分が本開示の喫煙具において利用されてもよい。例えば、Sprinkel, Jrによる米国特許第5,261,424号は吸い込みを行い、加熱をトリガすることに関連するユーザーの唇の活動を検出するよう装置の口端部と関連付けられ得る圧電センサを開示し、McCafferty外による米国特許第5,372,148号はマウスピースを介した圧力低下に応じて加熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するふかしセンサを開示し、Harris外による米国特許第5,967,148号は挿入された構成要素の赤外線透過率における不均一性を検出する識別子と、受容部に構成要素を挿入された際に検出ルーチンを実行する制御部とを含む喫煙装置における受容部を開示し、Fleischhauer外による米国特許第6,040,560号は多数の微分位相で定められた実行可能な電力サイクルを開示し、Watkins外による米国特許第5,934,289号はフォトニック−オプトエレクトロニクス構成要素を開示し、Counts外による米国特許第5,954,979号は喫煙装置を介して吸い込み抵抗を変更する手段を開示し、Blake外による米国特許第6,803,545号は喫煙装置で使用するための特定のバッテリー構成を開示し、Griffen外による米国特許第7,293,565号は喫煙装置と使用される様々な充電システムを開示し、Fernando外による米国特許第2009/0320863号は充電を容易にし、装置のコンピューター制御を可能にする喫煙装置用のコンピューターインターフェース手段を開示し、Fernando外による米国特許第2010/0163063号は喫煙装置用の識別システムを開示し、Flickによる国際公開第2010/003480号はエアロゾル生成システムにおけるふかしを示す流体フロー感知システムを開示し、これらの開示全ては本願で全体的に参照として組み込まれる。電子エアロゾル送出具に関連する成分、本具において使用され得る開示する材料又は成分の更なる例は、Gerthによる米国特許第4,735,217号、Morgan外による米国特許第5,249,586号、Higgins外による米国特許第5,666,977号、Adams外による米国特許第6,053,176号、Whiteによる米国特許第6,164,287号、Vogesによる米国特許第6,196,218号、Felter外による米国特許第6,810,883号、Nicholsによる米国特許第6,854,461号、Honによる米国特許第7,832,410号、Kobayashiによる米国特許第7,513,253号、Hamanoによる米国特許第7,896,006号、Shayanによる米国特許第6,772,756号、Honによる米国特許公報第2009/0095311号、第2006/0196518号、第2009/0126745号、及び、第2009/0188490号、Thorens外による米国特許公報第2009/0272379号、Monsees外による米国特許公報第2009/0260641号及び第2009/0260642号、Oglesby外による米国特許公報第2008/0149118号及び第2010/0024834号、Wangによる米国特許公報第2010/0307518号、及び、Honによる国際公開第2010/091593号を含む。前述の文書によって開示される様々な材料が様々な実施形態において本装置に組み込まれ得、前述の開示全ては本願では全体的に参照として組み込む。
【0089】
本開示による喫煙具は、以下に詳細に説明するように、様々な実施形態を取り得るが、消費者による喫煙具の使用は範囲について類似している。特に、喫煙具は単一のユニットとして、又は、使用する際に消費者によって組み合わされ、その後、消費者によって分解される複数の構成要素として提供され得る。一般的に、本開示による喫煙具は、第2のユニットと係合可能/非係合可能な第1のユニットを有し、第1のユニットは抵抗加熱素子を有し、第2のユニットは電気電源を有する。幾つかの実施形態では、第2のユニットは、更に、電気電源からの電流フローを作動し調整する一つ以上の制御部品を有し得る。第1のユニットは、第2のユニットと係合する先端部、及び、近接端部に開口部が形成されたマウスピース(又は、単に口端部)を含む反対の近接端部を有し得る。第1のユニットは、第1のユニットのマウスピースへの空気流路開口部を有し、空気流路は抵抗加熱素子からマウスピースまで形成されるエアロゾルの通路を提供する。好ましい実施形態では、第1のユニットは使い捨てである。同様にして、第2のユニットは再利用できる。
【0090】
使用中、消費者は抵抗加熱素子の加熱を開始し、抵抗加熱素子によって生成される熱はエアロゾル前駆体組成物、任意には、更なる吸引可能な物質をエアロゾル化する。このような加熱により、エアロゾル前駆体組成物の少なくとも一部分がエアロゾル(含まれる全ての更なる吸引可能な物質を含み得る)の形態で放出され、このエアロゾルはカートリッジの口端部と流体接続されているカートリッジの内部の空間に供給される。消費者がカートリッジの口端部を吸い込むと、空気がカートリッジを通って吸い込まれ、吸い込まれた材料がカートリッジ(及び存在する全ての任意のマウスピース)の口端部から出て消費者の口に入る際に、吸い込まれた空気とエアロゾルの組み合わせが消費者によって吸引される。加熱を開始するために、消費者は、プッシュボタン、容量センサ、又は、抵抗加熱素子がバッテリー又は他のエネルギー源(コンデンサ等)からの電気エネルギーを受けるようにする同様の構成要素を作動してもよい。電気エネルギーは、所定の時間の長さにわたって供給されてもよく、或いは、手動で制御されてもよい。電気エネルギーの流れは、喫煙具でのふかしの間には実質的に進められないことが好ましい(エネルギーの流れは、例えば、アクティブな加熱温度への迅速な加熱を容易にする温度等、周囲温度より高い基本温度を維持するために進められてもよい)。更なる実施形態では、加熱は、本願で別に説明されるように、様々なセンサの使用を通じて消費者のふかし作用によって開始されてもよい。一旦ふかしが中断されると、加熱は停止されるか減少される。十分な量の吸引可能な物質(例えば、典型的な喫煙経験と同一視させるに十分な量)が放出されるよう消費者が十分な数だけたばこをふかすと、カートリッジが制御筐体から除去され破棄される。カートリッジが使い尽くされたこと(即ち、エアロゾル前駆体組成物が消費者によって略除去されたこと)が示される。幾つかの実施形態では、単一のカートリッジが一回以上の喫煙経験を提供することができるため、一箱の従来のシガレット以上の程度にシミュレートするよう十分な容量のエアロゾル前駆体組成物を提供し得る。
【0091】
本発明により有用な喫煙具は、更に、カートリッジ状態を検出するよう適応される一つ以上の構成要素を有する。喫煙具の様々な実施形態は、加熱素子とヒュージブルリンクを有する加熱接続部を含み得る。本願で使用される「ヒュージブルリンク」といった用語は、定められた条件下では機能しなくなり、カートリッジ状態検出システムにおいて犠牲装置として機能するよう適応される構成要素を指している。加熱接続部は、加熱接続部に電気エネルギーが供給され得るよう喫煙具の電源と電気接続されていることが好ましい。各種実施形態では、加熱接続部は、加熱接続部にわたる電流フロー、電圧、及び/又は、抵抗を測定するよう適応される構成要素と電気接続されている。喫煙具の特定の実施形態は、加熱接続部にわたって測定された電流、電圧、及び/又は、抵抗に基づいてカートリッジ状態を解釈するよう適応される制御部品を含み得る。
【0092】
特定の実施形態では、喫煙具は、電気回路を定める構成要素を含み得、それにより、制御部品は一つ以上の定義されたアルゴリズムに応じて電源から加熱接続部まで低電力パルスを制御可能に送出するよう構成される。非制限的な例として、制御アルゴリズムは、ルックアップテーブルを用いたバッテリー電圧の比較に基づき得るパルス幅変調を含み得る。更なる非制限的な例として、制御アルゴリズムは、ヒーター電圧測定の利用を通じる等して、低電圧フィードバックループを含み得る。具体的には、喫煙具の様々な実施形態では、制御本体と係合するカートリッジが閉電気回路を画成し、該閉電気回路を介して制御部品が低電力パルス(並びに、より高い電力パルス)を制御可能に送出できるように、適当な配線が設けられ得る。低電力パルスは、本願に記載されるようにヒュージブルリンクの限界を超えない電流として定義され得る。反対に、加熱素子(即ち、加熱素子がエアロゾル前駆体材料を蒸発させるに十分な温度まで加熱される)の仕事状態を定めるより高い電力電流はヒュージブルリンクの限界を超えてもよい。
【0093】
幾つかの実施形態では、低電力パルスはより高い電力パルスの対応する特性と略似ている電圧、電流、又は、両方を有し得、パルス電力は電流フローの持続時間によって定義され得る。特に、回路に送出される平均電力が適当に制約されるように時間が調節され得る。ある実施形態では、ヒュージブルリンクは、加熱素子の抵抗よりも低い抵抗を発揮し得る。幾つかの実施形態では、ヒュージブルリンクと加熱素子は並列に設けられ、閉回路に入る電流の大部分は優先的にヒュージブルリンクを通って流れる。電流フローの持続時間が十分に長い場合、抵抗が低いヒュージブルリンクは機能しなくなるため、全ての送出された電流が加熱素子を通される。ヒュージブルリンクが形成された材料のタイプにより、十分に長い電流フロー時間は約50ミリ秒以上、約100ミリ秒以上、又は、約50乃至約500ミリ秒でもよい。様々な実施形態では、加熱素子は、十分な加熱を行うために、電流が約0.5秒以上又は約1秒以上、特に、約1秒乃至約4秒の時間にわたって印可されることを必要とする。したがって、幾つかの実施形態では、低電力パルスを定める条件は、加熱素子が正常に機能するのと同じ対応する電圧、電流、又は、その両方と略同じ電圧、電流、又は、電圧と電流の両方を有し得、更に、約45ミリ秒以下又は約25ミリ秒以下、特に、約5ミリ秒乃至約25ミリ秒のアクティブフロー単位時間を有し得る。
【0094】
他の実施形態では、低電力パルスは、加熱素子の仕事状態を定める電流及び/又は電圧未満の電流及び/又は電圧によって定められ得る。例えば、加熱素子の仕事状態を定める電流は、二以上、五以上、又は、十以上の倍数で低電力パルスによって送出される電流を超えることができる。加熱素子に対する使用電圧を定める電圧は、約2ボルト乃至約6ボルト、約2.5ボルト乃至約5.5ボルト、又は、約3ボルト乃至約5ボルトでもよい。使用電圧は、上述の通り、電流フロー中に加熱素子が所望の量のエアロゾルを形成するために十分に加熱される電圧である。
【0095】
本開示による喫煙具は、加熱接続部にわたって電流、電圧、及び、抵抗の一つ以上を測定するよう適応される構成要素を更に有し得る。例えば、以下により説明するように、電流感知抵抗器が使用されてもよい。制御部品は、電流感知抵抗器又は同様の構成要素によって提供される値に基づいてヒュージブルリンクの状態を解釈するよう適応される。制御部品は、電流感知抵抗器によって供給される値に基づいて、喫煙具の制御部分と係合されるカートリッジ部分の加熱素子の加熱を許可する又は許可しないよう適応される。電流感知抵抗器は、ヒュージブルリンクが手を付けられておらず、そのため、低電力パルスを送信する状態にある場合に第1の値を定めるよう適応される。例えば、手つかずのヒュージブルリンクは、特定の値又は値の範囲の第1の測定可能な抵抗によって定められ、低電力パルスを生じる際の電流感知抵抗器による定められた値又は値の範囲の第1の抵抗の感知により電流感知抵抗器は制御部品に値を出力することでき、それによりカートリッジが未使用であることが定義されているとして認識される。手つかずでないヒュージブルリンクは、特定の値又は値の範囲の第2の測定可能な抵抗によって定められ、電流感知抵抗器による定められた値又は値の範囲の第2の抵抗の感知により電流感知抵抗器は制御部品に値を出力することでき、それによりカートリッジが使用済であることが定義されているとして認識される。第2の測定可能な抵抗は、加熱素子の抵抗でもよく、第2の測定可能な抵抗の感知はカートリッジが使用されたことを示している(即ち、加熱接続部は加熱素子を始動させ、ヒュージブルリンクを機能しなくさせるに十分な条件の電流に予め直面している)。
【0096】
上述の構成は、一致しないカートリッジ(例えば、エアロゾル前駆体が使い果たされて補充されたカートリッジ、及び/又は、異なるエンティティによって製造されたカートリッジ)と制御部品が機能することを防止するに有益である。したがって、制御部品は、制御部品が機能しなくなったヒュージブルリンク及び/又はヒュージブルリンクを含まないカートリッジの証拠として測定された抵抗を解釈する場合、作動されるべきヒーターを動かすに十分な電流フローを許可しない命令を開始するよう適応される。それにより、ユーザーは、カートリッジと制御本体の係合前にカートリッジが使用された場合、及び/又は、本願で考えられるようにカートリッジ内にヒュージブルリンクを提供しない別のエンティティによってカートリッジが製造された場合に、喫煙具が使用することが防止される。
【0097】
本願に記載されるように、特定の実施形態では、ヒュージブルリンク(ヒューズとも称される)は、定義された十分な条件の電流が作動されて、ヒュージブルリンクを含む回路を流されると、機能しなくなる(又はヒューズが飛ぶ)ことに適応される構成要素として定められる。例えば、ヒュージブルリンクの実施形態は、加熱素子による加熱を開始するに十分な電気条件下で機能しなくなるよう適応される。幾つかの実施形態では、ヒュージブルリンクは、電流が印可された場合に抵抗を与えるよう適応される構成要素でもよい。ヒュージブルリンクは、加熱素子の電気抵抗よりも著しく低い電気抵抗を発揮することが好ましい。例えば、ヒュージブルリンクの抵抗に対するヒーター素子の抵抗の比は、1.1以上、1.25以上、1.5以上、又は、2以上でもよい。抵抗の差は、電流感知抵抗器と変換回路による最小の測定可能な分解能、材料特性、及び、仕事条件に基づいて変化し得る。抵抗比により、低電力パルスの単位時間は、ヒュージブルリンクをヒューズするに低電力パルスが不十分であることを確実にするよう変化され得る。本願に記載する電気条件は、本開示の範囲内で材料需要や仕事条件を満たすよう調節され得る。
【0098】
一般的に、ヒュージブルリンクは、電気回路の残りを接続している回路導体(例えば、配線)と比較して小さい断面を有する金属片又は糸ヒューズ素子を有し得る。ヒュージブルリンクは、一対の電気端子間に搭載され得、様々な実施形態では、不燃性の筐体によって囲まれている。ヒュージブルリンクは、例えば、ヒュージブルリンクの限界を超える条件の電流を受けた場合に、直接溶けるよう適応される。他の実施形態では、ヒュージブルリンク内のはんだ接合は、必要な条件下になると溶けるよう適応され得る。ヒューズは、特定の電流を運び、定められた条件の電流が印可されると迅速に溶けるよう適応される。
【0099】
特定の実施形態では、ヒュージブルリンクは、電気的ヒュージブルリンクである。模範的な実施形態では、電気的ヒュージブルリンクは、保護されている回路のワイヤよりも少なくとも二つ、少なくとも三つ、又は、少なくとも四つの電線規格サイズ分小さい短い導線として定義され得る。幾つかの実施形態では、ヒュージブルリンクは、特定の温度で溶けるよう設計された可融合金で一緒にはんだ付けされる二片の金属よりなり、それにより二つの金属片を分離することができる。本願で使用する「可融合金」といった用語は、比較的低い温度(例えば、加熱素子を所望の仕事温度まで加熱させるに十分な条件の電流を受けることによるヒュージブルリンクの加熱によって生ずる温度)で簡単に溶けることができる金属合金を指している。更なる実施形態では、ヒュージブルリンクは、加熱素子の加熱を可能にするに十分な電流フローの条件下で機械的に非係合されるコネクタピン又は更なる機構等の機械的素子でもよい。
【0100】
様々サイズとスタイルのヒュージブルリンクが、カートリッジ検出システムの実施形態で使用され得る。幾つかの実施形態では、ヒュージブルリンクは、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、金属合金、又は、その組み合わせよりなる。ヒューズが飛ぶ速度は、どれだけの電流が流れ、又は、ヒューズが何の材料から形成されているかに依存する。ヒューズ本体(又は筐体)は、セラミック、ガラス、プラスチック、繊維ガラス、成形マイカラミネート、成形圧縮繊維、又は、技術において公知の他の非導電性材料よりなる。本開示による有用なヒュージブルリンクは、所望の特性を提供し得る特定の形状、サイズ、材料等によって定められる。
【0101】
様々な実施形態では、加熱接続部は、加熱接続部にわたる電流の流れを測定するよう適応される構成要素と電気接続されている。電流は、電圧表示に変換され、閾値と比較される、デジタル化される、さもなければ電流感知回路によって処理される。非制限的な例として、回路は、電流を電圧表示に変換するために変流器、ホール効果センサ、又は、磁気抵抗センサを使用することができる。様々な実施形態では、電流感知抵抗器が、その簡単さと比較的低いコストのため使用されている。このような抵抗器は、典型的には低抵抗値を有し、典型的には、例えば、50ミリオーム(0.050オーム)未満を有する。電流感知センサは、電力消費を最小化するよう低抵抗のために設計され得る。校正された抵抗は、電圧降下の形態で電流感知抵抗器を流れる電流を感知するために利用され、該電圧降下は制御回路によって検出され監視される。続いて、電流感知抵抗器上の電圧は、増幅され、要望通りに電流値に変換される。特定の実施形態では、例えば、制御部品と関連して動作する電流感知抵抗器が、加熱接続部にわたる電流を測定するために使用され得る。電源から加熱接続部に電流が流れるため、電流感知抵抗器は、電源と加熱接続部の両方から来る電流の量を継続的に受信し、監視することができる。加熱接続部は、並列配置で電気的に接続されているヒュージブルリンクと加熱素子とを有する。このように、ヒュージブルリンクと加熱素子の合計抵抗は、制御部品によって決定され評価され、ヒュージブルリンクが手つかずのままかが決定される。
【0102】
喫煙具10の模範的な実施形態は、図2に示され、カートリッジ本体90と、制御本体80とを有する。例示する実施形態では、制御本体80は、電源40(例えば、バッテリー)、制御部品20、及び、電流感知抵抗器170を有する。図2では、電流感知抵抗器170は制御本体80に位置しているが、変形例では、電流感知抵抗器170はカートリッジ本体90に位置している。電流感知抵抗器170の正確な場所は、本発明に制限されない。適当な電気配線がバッテリー40、制御部品20、及び、電流感知抵抗器170を相互接続している。電源40と制御部品20との間の電気接続により、制御部品は、電気電源から喫煙具の他の構成要素までの電流フローを選択的に動作するよう構成されることができる。カートリッジ90は、加熱素子50及びヒュージブルリング160を含む加熱接続部165を有する。ヒュージブルリンク160は、加熱素子50と並列配置で電気的に整列されている。制御本体80とカートリッジ90が互いと係合している場合、加熱接続部165が電源40、制御部品20、及び、電流感知抵抗器170と電気接続されるように閉回路が形成される。係合されたカートリッジと制御本体は、本願とは別の方法で動作し、喫煙具の個々の構成要素は本願とは別なふうに定義されている。
【0103】
使用の際、喫煙具におけるヒュージブルリンクは、制御部品と関連して動作するよう適応され得、任意には、電流感知抵抗器(又は同様の構成要素)と関連して動作してカートリッジの状態を検出することができる。より特定的には、検出可能な状態は、カートリッジが新しいか(即ち、以前に使用されていないか)、又は、加熱素子の加熱が生ずるようにカートリッジが以前に作動されたかを含む。喫煙具の制御部品は、カートリッジ状態を処理することで、カートリッジの使用が許可されているかを決定する。認証されたカートリッジは、エアロゾル形成のために係合された制御本体と通常通り使用され得る。制御部品は、許可されていないカートリッジと係合されると制御本体の動作を一時的に停止させるが、認証されたカートリッジと係合されると通常使用を再開させる。
【0104】
本開示のある実施形態によるカートリッジの状態を検出する方法の例を図3に示す。ここから分かるように、このような方法は、動作400において制御部品、電源、及び、任意の電流感知抵抗器を有する制御本体を提供し、動作405において加熱素子、ヒュージブルリンク、及び、任意の電流感知抵抗器を含む加熱接続部を有するカートリッジを提供することを含む。電流感知抵抗器が制御本体及びカートリッジのいずれか一方に存在することは理解されるであろう。電流感知抵抗器は、ヒュージブルリンク状態の表示を識別するよう適応される。具体的には、電流感知抵抗器は、ヒュージブルリンク上の第1の抵抗、及び、加熱素子上の第2の抵抗を感知し、このような情報を制御部品に中継するよう適応される。
【0105】
次に、検出方法は、動作410において、電源、制御部品、加熱接続部、及び、電流感知抵抗器を含む閉回路を確立するようカートリッジを制御本体と着脱可能に係合することを含む。方法は更に、動作415において閉回路を流れる低電力パルスを制御部品により動作させることを含む。特定の実施形態では、該低電力パルスは、加熱素子による加熱を開始させるには不十分でヒュージルリンクをヒューズさせるにも不十分な電気条件(例えば、電圧及び単位時間)によって定義される。例えば、不十分な電気条件は、本願に記載するように十分に短い単位時間にわたって印可される使用電圧を有する。閉回路の戻り区間では、電流の低電力パルスは電流感知抵抗器を流れる。検出方法は、更に、動作420において加熱接続部から流れる電流を電流感知抵抗器によって測定することを含む。動作425において、方法は、ヒュージブルリンクの状態に基づいてカートリッジの使用が許可される又は許可されない論理の流れを通じて電流感知抵抗器からの測定を処理することを含む。例えば、マイクロコントローラは、測定された抵抗に基づいてヒューズが手つかずかを決定するよう低電力パルス中に加熱接続部にわたる抵抗を解釈するよう適応され得る。第1の抵抗の感知は、手つかずのヒュージブルリンクを表してもよい。第2の抵抗の感知は既にヒューズされたヒュージブルリンクを表してもよい。カートリッジにおける手つかずのヒュージブルリンクの認識は、カートリッジを未使用のカートリッジとして識別する。任意には、図3に示す方法は、動作430において、係合されたカートリッジと制御本体が機能することを許可する又は異なるカートリッジが係合されるまで制御本体の動作を一時的に停止する命令を開始することを含む。許可命令は、加熱素子を加熱するに十分な電流が流れることを可能にし、それによりエアロゾルが形成される。
【0106】
加熱素子を加熱するに十分な電流が流れることは、ヒュージブルリンクを機能しなくさせるにも十分である。本願に記載するように、低電力パルスを利用する機能しなくなったヒューズのその後のサンプルは、使用済みカートリッジを示すよう測定され処理される。
【0107】
図4には、カートリッジ状態を識別するために制御部品によって利用される決定経路500の模範となる論理的フローチャートが示される。ステップAでは、カートリッジ本体部分と制御本体部分は、電源、制御部品、加熱接続部、及び、電流感知抵抗器を含む閉回路を確立するよう着脱可能に係合され得る。係合の際、動作510において、制御部品は、閉回路上で低電力パルスを開始し得る。動作520では、制御部品は、検出されたカートリッジ状態の結果を受信する。結果を受信した後、制御部品は二つ以上の命令のうちの一つを開始することができる。例えば、ヒュージブルリンクが手つかずの場合(即ち、カートリッジが未使用の場合)、動作530において、制御部品はカートリッジの正常な使用を許可し得る。ヒュージブルリンクが機能しなくなるか不在の場合(即ち、カートリッジが使用された場合)、動作540において、制御部品は制御本体の動作を一時的に停止させる。ステップBにおいて、経路動作530におけるカートリッジの完全な正常使用の後、又は、経路540における制御本体の一時的な動作停止の後に、カートリッジ本体部分と制御本体部分は互いと非係合される。非係合された後、動作550において、検出ルーチンがリセットされる。ここで、カートリッジ本体部分は、カートリッジと係合される状態にあり、論理的フロールーチンが再び行われ得る。したがって、制御本体部分と係合された全ての新しいカートリッジ本体部分は、点Aでサブルーチンを制御部品に行わせる。上述したように、様々な実施形態では、制御部品は、カートリッジが制御本体と非係合され電気回路が中断された場合にリセットされるよう構成される。これにより、制御本体は、上述の方法ステップにより使用する許可が得られた新しいカートリッジと再利用することができる。
【0108】
幾つかの実施形態では、同様の論理的フローは、装置でのふかしの間に制御本体によってカートリッジのサンプリングのために利用され得る。例えば、カートリッジが認証された後、低電力パルスは、ヒーター素子の仕事条件を確認するように装置でのふかしの間に動作され得る。カートリッジが係合された後の動作550における検出ルーチンのリセットは、このような実施形態にもまだ適用され得る。
【0109】
本願記載の様々な図面は、仕事関係にある制御本体とカートリッジを例示しているが、制御本体とカートリッジが個別の装置として存在してもよいことは理解されるであろう。それに応じて、組み合わされる構成要素に関連して本願において別に提供される全ての他の説明も、個別の分離した構成要素として制御本体とカートリッジにも適用されることは理解されるであろう。
【0110】
別の態様では、本発明は、本願記載の様々な構成要素を提供するキットに関わる。例えば、キットは一つ以上のカートリッジを含む制御本体を有し得る。キットは、更に、一つ以上の充電構成要素を含む制御本体を有し得る。キットは、更に、一つ以上のバッテリーを含む制御本体を有し得る。キットは、更に、一つ以上のカートリッジ、一つ以上の充電構成要素、及び/又は、一つ以上のバッテリーを含む制御本体を有し得る。更なる実施形態では、キットは、複数のカートリッジを有してもよい。キットは、更に、複数のカートリッジ、一つ以上のバッテリー、及び/又は、一つ以上の充電構成要素を有してもよい。本発明のキットは、更なるキット構成要素を一つ以上収容するケース(又は、他のパッケージング、運搬、又は、保管構成要素)を更に、含んでもよい。ケースは、再利用可能な硬質の又は軟質の容器でもよい。更に、ケースは、単に、箱又は他のパッケージング構造でもよい。
【0111】
前述の説明及び関連する図面において提示される教授の恩恵を受ける、本発明が関係する技術の当業者には、本発明の多数の変更態様及び他の実施形態が考えられ得るであろう。したがって、本発明は本願記載の特定の実施形態に制限されず、変更態様及び他の実施態様が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることは理解されるであろう。特定の用語が本願では使用されているが、これらの用語は総称的且つ記述的な感覚でだけ使用され、制限する目的で使用されていない。
図1
図2
図3
図4