(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不純物のうち少なくとも1つの不純物はスクラップ金属に由来し、前記少なくとも1つの不純物は0.05%以下であり、すべての不純物の合計は最大0.15%までである、請求項1記載の多層金属シート。
ろう付け後に測定された、(標準カロメル電極(SCE)に対して)660〜670mV以下の前記コアでの腐食電位を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の多層金属シート。
前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層は、6から13%までのSiと、最大0.4%までのFeと、最大0.1%までのCuと、最大0.1%までのMnと、最大0.20%までのMgと、最大0.05%までのCrと、2.5から4.0%までのZnと、最大0.05%までのTiと、最大0.02%までのSrと、合計が最大0.15%までの不純物と、を含み、残部がAlである前記合金で作られている、請求項11に記載の多層金属シート。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、従来の合金と比較して、より高い強度、耐腐食性を示し、代替の金属の投入を許容可能な新しいアルミニウム合金組成物を提供する。本合金はろう付けシートのコア合金として特に有用である。ろう付けスクラップを金属材料として許容することにより、本合金はいっそう環境上好ましく、費用効果が高い。本合金はダイレクトチル(DC)鋳造によって作られた。
【0006】
米国特許第6,019,939号明細書で開示されたLLコア合金とは対照的に、本発明のコア合金はいくつかの実施形態において、以下の元素をすべて重量%で含有する:0.03〜0.5%のSi、0.5〜1.1%のCu、0.001〜0.20%のTi、0.15〜0.55%のFe、0〜0.35%のMg、1.3〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のアルミニウム。
【0007】
もう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.04〜0.4%のSi、0.5〜1.0%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.50%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0008】
まだもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.05〜0.34%のSi、0.5〜0.95%のCu、0.01〜0.15%のTi、0.25〜0.45%のFe、0〜0.27%のMg、1.45〜1.65%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0009】
もう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.5%のSi、0.5〜1.1%のCu、0.001〜0.20%のTi、0.15〜0.55%のFe、0〜0.35%のMg、1.3〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のアルミニウムを含む。
【0010】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.4%のSi、0.5〜1.0%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.50%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0011】
まだもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.4%のSi、0.5〜1.0%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.40%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0012】
もう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.34%のSi、0.5〜0.95%のCu、0.01〜0.15%のTi、0.25〜0.45%のFe、0〜0.27%のMg、1.45〜1.65%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0013】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.2〜0.5%のSi、0.52〜0.80%のCu、0.11〜0.20%のTi、0.25〜0.55%のFe、0〜0.2%のMg、1.51〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0014】
まだもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.2〜0.5%のSi、0.52〜0.75%のCu、0.11〜0.20%のTi、0.25〜0.55%のFe、0〜0.2%のMg、1.51〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0015】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.2〜0.4%のSi、0.52〜0.7%のCu、0.11〜0.18%のTi、0.25〜0.55%のFe、0〜0.2%のMg、1.51〜1.75%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0016】
もう1つの実施形態において、コア合金は、最大0.25%までのSi、0.15〜0.55%のFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.06〜0.14%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のアルミニウムを含む。
【0017】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、0.16〜0.25%のSi、0.15〜0.55%のFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.06〜0.3%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のアルミニウムを含む。
【0018】
まだもう1つの実施形態において、コア合金は、0.16〜0.25%のSi、0.15〜0.55%のFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.0〜0.3%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のアルミニウムを含む。
【0019】
上に示されたこれらすべての実施形態において、スクラップのための投入される金属に見いだされる不純物を期待して、意図的に添加されたZr、VまたはCrは何もない。このような不純物は、すべての不純物の合計が0.15%より多くなければ、0%または0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、または0.02%未満とすることができる。
【0020】
合金の元素について範囲が規定されるときはいつでも、その元素の量は範囲の上限もしくは下限、または範囲の上限もしくは下限の間の任意の量とし得ることは、理解されるべきである。
【0021】
LLコア合金と比較して、本発明のコア合金はSi(0.5%)、Fe(0.55%)およびTi(0.20%)のより高い上限を有する。
【0022】
本発明の合金は、ろう付け後の状態で魅力的な特性を有する。具体的には、より広範囲の投入される金属を許容できる、いっそう環境上好ましい合金を提供すると同時に、より高い強度および改善された大気側耐腐食性がろう付け後の状態で得られた。米国特許第6,019,939号明細書に記載されたように、0.15%以下のより低いSi、および0.4%以下のFe含有量を含有するLLコア合金と比較して、およそ10%のろう付け後降伏強度の増加が観察された。加えるに、新たに開発された材料はSWAAT試験で破損無く4週間耐えた一方で、ベースラインサンプルLLコア合金は3週間後に穿孔と破損が発生するという改善された大気側耐腐食性が観察された。この合金は熱交換器に改善を提供し、具体的にはラジエータチューブストック性能を改善する。
【0023】
この結果は、本合金のより高いSi含有量がマトリックスの分散質強化をもたらすAlMnSi分散質の形成につながることを明示する。また、この結果は、Siの存在が、最大0.4%までの高いSi含有量においても、改善されたろう付け後の耐腐食性につながる、ろう付け中の効果的な高密度析出帯(以下DPBと記す)の形成につながることを示す。DPBは、高%のSiでは目に見えない場合があるが、SWAAT大気側腐食試験における耐腐食性を介してその存在の証拠は明らかである。コアに異なったSiレベルを含有するサンプル(合金H、I、J、およびK)に対して、DPB領域におけるSi濃度プロファイルの変化を調べるために、グロー放電発光分析法(以下GD−OESと記す)が使用された。コアにさまざまな割合のSiを含有するサンプルに対して類似のSiレベルが示され、コアにさまざまなSiレベルを持つすべての調査サンプルに対してDPB領域の存在が示唆された。
【0024】
以下に制限されることを望まないが、高いFe含有量の存在はより高いろう付け後強度につながると考えられる。最終的に、より高いFe含有量は有害な腐食挙動につながる場合があるが、この影響は、Tiを添加することにより、ろう付け後の状態で腐食挙動を改善するTiリッチ帯を作り出し軽減された。
【0025】
本明細書に記載された合金は改善されたろう付け後強度および大気側耐腐食性を見せる。たとえ目に見えないとしても、DPBは、最大0.4%までのSiのコア組成において、ろう付け後に存在する。これはSWAAT大気側腐食試験中に明示され、そこではコア材料を保護するように犠牲的に機能するDPB帯の存在が示される腐食パターンが観察された。本特許出願に記載されたコア合金は、より広い範囲の金属材料から作ることが可能であり、意図的に添加されたV、Cr、またはZrは何も含まない。もしコア合金の中にV、Cr、またはZrが存在するならば、それはただスクラップ金属材料由来の不純物として存在しているだけである。コア合金における不純物の合計は最大0.15%までである。V、Cr、またはZrなどの個々の不純物は、すべての不純物の合計が0.15%より多くなければ、0%または0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、または0.02%未満とすることができる。
【0026】
本発明は、コア金属として上述したアルミニウム合金組成物を包含する多層金属シートをさらに提供する。多層金属シートは、上記のような、第1の側および第2の側を有するコア層、ならびに任意選択で第1のクラッド層および第2のクラッド層を備える。いくつかの実施形態において、コア層は1つの側のみ被覆されている。他の実施形態において、コア層は両側を被覆されている。第1のクラッド層および第2のクラッド層は同じ化学組成または異なった化学組成とすることができる。もう1つの実施形態において、コア層はコア層の1つの側で被覆され、コア層の他方の側に水サイドライナーが配置される。第1のクラッド層および第2のクラッド層はそれぞれ0%〜4%のZn、1%〜4%のZnまたは2.5%〜4.0%のZnを含むことができる。多層シートでは、コア層の第1の側は第1の界面を形成するように第1のクラッド層に隣接し、コア層の第2の側は第2の界面を形成するように第2のクラッド層に隣接する。
【0027】
これらの多層金属シートは耐腐食性があり、管材の製造で使用するためのろう付けパッケージを提供する。いくつかの実施形態において、多層金属シートは、0.1%〜0.2%のTiを含むアルミニウム含有合金のコア層であって、第1の側と第2の側を有するコア層と、0%〜4%のZn、1%〜4%のZnまたは2.5%〜4.0%のZnを含む第1のクラッド層と、0%〜4%のZn、1%〜4%のZnまたは2.5%〜4.0%のZnを含む第2のクラッド層とを備える。多層金属シートでは、コア層の第1の側は第1の界面を形成するように第1のクラッド層に隣接し、コア層の第2の側は第2の界面を形成するように第2のクラッド層に隣接する。
【0028】
任意選択で、いくつかの実施形態において、コア層は、最大0.25%までのSi、最大0.25%までのFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.06〜0.14%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のアルミニウムを含む合金で作られている。任意選択で、第1のクラッド層および第2のクラッド層は、6〜13%のSi、最大0.4%までのFe、最大0.1%までのCu、最大0.1%までのMn、最大0.15%までのMg、最大0.05%までのCr、2.5〜4.0%のZn、最大0.05%までのTi、最大0.02%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のアルミニウムを含む合金で作られている。もう1つの実施形態において、第1のクラッド層および第2のクラッド層は、6〜13%のSi、最大0.4%までのFe、最大0.1%までのCu、最大0.1%までのMn、最大0.15%までのMg、最大0.05%までのCr、1.0〜4.0%のZn、最大0.05%までのTi、最大0.02%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のアルミニウムを含む合金で作られている。もう1つの実施形態において、第1のクラッド層および第2のクラッド層は、6〜13%のSi、最大0.4%までのFe、最大0.1%までのCu、最大0.1%までのMn、最大0.15%までのMg、最大0.05%までのCr、最大4.0%までのZn、最大0.05%までのTi、最大0.02%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のアルミニウムを含む合金で作られている。
【0029】
本明細書に記載されるシートはさらにフィンを備える。フィンは亜鉛含有フィンまたはアルミニウム含有フィンとすることができる。任意選択で、亜鉛含有フィンは1.5%以上の量の亜鉛を含有することができる。もう1つの実施形態において、亜鉛含有フィンは3.0%以上の量の亜鉛を含有することができる。
【0030】
コアは、任意の適切な商業的鋳造プロセス、好ましくはダイレクトチル(以下DCと記す)鋳造法によって鋳造される。インゴットはその後面削することができる。DC鋳造が用いられた本発明の1つの実施形態において、DC鋳造インゴットはその後12時間で520度(セ氏)に加熱された。この工程の後、製造された最初のインゴットに対して5時間および最後のインゴットに対して6時間近くの間、520度(セ氏)で均熱が続いた。次に、インゴットは厚さ19mmのゲージに熱延された。クラッド材はそれからコアに溶接された。クラッド材料は、主な合金元素としてSiを含有するアルミニウムベースのろう付け合金であった。AA4343アルミニウム合金(公称または平均7.2%のSi含有率で、最少量はおよそ6.7%)がクラッド材として使用され、試験されるさまざまなコア合金組成物に圧延接合された。その後、パッケージは、45〜60分間450度(セ氏)で溶接後に再び加熱された。この後に、厚さ3〜4mmゲージにパッケージを熱間圧延することが続いた。パッケージはその後厚さ1〜2mmゲージに冷延された。それから、それは必要とされる最終的なゲージの厚さ(およそ300μm)にさらに冷延された。目的のクラッドの厚さは、およそ300μmであるろう付けシート全体の厚さのおよそ7.5%であったことは留意すべきである。引き続いた部分的な焼鈍処理は、合金がH24調質条件にあることを保証するために、3時間、305度(セ氏)で適用された。
【0031】
ろう付け合金シートは、炉で加熱され、3〜5分間、605〜610度(セ氏)に保たれ、続いて空冷されることによって、シミュレートされたろう付けサイクルにさらされた。このプロセスの間に、ろう付け合金に隣接するコア合金の表面に高密度析出帯(DPB)が形成された。
【0032】
コア合金およびろう付け合金のシートは、さまざまな用途、例えば、ラジエータ、凝縮器、蒸発器、油冷却器、中間冷却器、給気冷却器およびヒーターコアなどの熱交換器で使用することができる。コア合金およびろう付け合金のシートは、特に、高性能で、軽量な、自動車の熱交換器に有用であるが、冷凍ならびに暖房、換気および空調を包含するがこれらに限定されない、他のろう付けされた用途に使用できる。本発明の他の目的および利点は、以下の本発明の実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0034】
定義
用語「まで」は0%を含む。特定の数「まで」という用語はその数を含む。任意の元素に対する範囲における2つの数の間のハイフン(−)は、例えば6−13は6から13までを示し、範囲は6、13および6と13との間の任意の量を含む。出願書全体を通して、元素は合金の重量パーセント(重量%)または%で示される。
【0035】
本発明は、高い強度、耐腐食性を示し、従来の合金と比較してより高い量のろう付けスクラップを金属材料として許容可能な、新しいアルミニウム合金組成物を提供する。本合金はろう付けシートのコア合金として特に有用である。スクラップを金属材料として許容することにより、本合金はいっそう環境上好ましく費用効果が高い。本合金はダイレクトチル(DC)鋳造によって作られた。合金は、例えば熱交換器など、さまざまな用途に使用することができる。
【0036】
本発明は管材の製造で使用するための耐腐食性のあるろう付けシートパッケージを提供する。ろう付けシートパッケージは第1の側と第2の側を有するアルミニウム含有合金のコア層を包含する。コア層の第1の側は第1の界面を形成するように第1のクラッド層に隣接する。コア層の第2の側は第2の界面を形成するように第2のクラッド層に隣接する。当業者に理解されるように、コア層は通常、その主要な目的がシート製品全体のバルク機械的特性に影響を与えることである層に与えられる用語である。クラッド層は表面特性(例えば、耐腐食性)を規定する層を意味する。本明細書に記載された合金のいくつかは、その全体が本明細書に参照により援用される、2009年2月改訂、The Aluminum Association発行の「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」で規定される番号識別システムを使用して識別される。
【0037】
コア合金組成物
コア層はアルミニウム含有合金である。いくつかの実施形態において、「X900シリーズ」合金として識別された合金がコア層としての使用に適している。任意選択で、コア層としての使用に適した合金には、組成で合金X901に類似しているが、より高い割合のTiを含有する合金が含まれる。付加的なTiは、合金X912として識別された合金をもたらすように0.1〜0.2%のTiの総量となるように加えることができる。合金X912の元素組成は表1で提供される。
【表1】
【0038】
もう1つの実施形態において、コア合金は、最大0.25%までのSi、最大0.25%までのFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.06〜0.14%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のAlを含む。
【0039】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、0.16〜0.25%のSi、0.15〜0.55%のFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.06〜0.14%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のAlを含む。
【0040】
1つの実施形態において、コア合金は、0.03〜0.5%のSi、0.5〜1.1%のCu、0.001〜0.20%のTi、0.15〜0.55%のFe、0〜0.35%のMg、1.3〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0041】
もう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.04〜0.4%のSi、0.5〜1.0%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.50%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0042】
まだもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.05〜0.34%のSi、0.5〜0.95%のCu、0.01〜0.15%のTi、0.25〜0.45%のFe、0〜0.27%のMg、1.45〜1.65%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0043】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.05〜0.34%のSi、0.5〜0.80%のCu、0.01〜0.15%のTi、0.25〜0.45%のFe、0〜0.27%のMg、1.45〜1.65%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0044】
もう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.5%のSi、0.5〜1.1%のCu、0.001〜0.20%のTi、0.15〜0.55%のFe、0〜0.35%のMg、1.3〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0045】
まだもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.4%のSi、0.5〜1.0%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.50%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0046】
まだもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.4%のSi、0.5〜0.95%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.50%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0047】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.4%のSi、0.5〜0.80%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.50%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0048】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.4%のSi、0.5〜1.0%のCu、0.005〜0.15%のTi、0.20〜0.40%のFe、0〜0.29%のMg、1.4〜1.70%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0049】
もう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.16〜0.34%のSi、0.5〜0.95%のCu、0.01〜0.15%のTi、0.25〜0.45%のFe、0〜0.27%のMg、1.45〜1.65%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0050】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.2〜0.5%のSi、0.52〜0.80%のCu、0.11〜0.20%のTi、0.25〜0.55%のFe、0〜0.2%のMg、1.51〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0051】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.2〜0.5%のSi、0.52〜0.75%のCu、0.11〜0.20%のTi、0.25〜0.55%のFe、0〜0.2%のMg、1.51〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0052】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、およそ0.2〜0.4%のSi、0.52〜0.7%のCu、0.11〜0.18%のTi、0.25〜0.55%のFe、0〜0.2%のMg、1.51〜1.75%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0053】
もう1つの実施形態において、コア合金は、最大0.25%までのSi、0.15〜0.55%のFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.06〜0.14%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のAlを含む。
【0054】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、0.16〜0.25%のSi、0.15〜0.55%のFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.06〜0.3%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のAlを含む。
【0055】
さらにもう1つの実施形態において、コア合金は、0.16〜0.25%のSi、0.15〜0.55%のFe、0.5〜0.6%のCu、1.4〜1.6%のMn、0.0〜0.3%のMg、最大0.05%までのCr、最大0.04%までのZn、0.1〜0.2%のTi、最大0.05%までのSr、最大0.15%までの不純物、および残余のAlを含む。
【0056】
もう1つの実施形態において、合金は、およそ0.2〜0.5%のSi、0.52〜0.80%のCu、0.11〜0.20%のTi、0.25〜0.55%のFe、0〜0.2%のMg、1.51〜1.80%のMn、最大0.15%までの不純物、残部のAlを含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、コア層は最大0.25%までのケイ素(Si)を含む。例えば、コア層は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、または0.25%のSiを含むことができる。いくつかの実施形態において、コア層は最大0.25%までの鉄(Fe)を含むことができる。いくつかの実施形態において、コア層は、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、0.2%、0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、または0.25%のFeを含むことができる。いくつかの実施形態において、コア層は、0.5%〜0.65%の量の銅(Cu)をさらに含むことができる。例えば、コア層は、0.5%、0.51%、0.52%、0.53%、0.54%、0.55%、0.56%、0.57%、0.58%、0.59%、0.6%、0.61%、0.62%、0.63%、0.64%、または0.65%のCuを含むことができる。
【0058】
いくつかの実施形態において、コア層は、1.4%から1.6%まで(例えば、1.4%、1.5%、または1.6%)の量のマンガン(Mn)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、マグネシウム(Mg)は、0.06%から0.14%までの量でコア層に含めることができる。例えば、Mgは、0.06%から、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、または0.14%の量でコア層に含めることができる。他の実施形態において、Mgは、0.0%から0.35%までの量でコア層に含めることができる。いくつかの実施形態において、Mgは、0.0%から0.05%までの量でコア層に含めることができる。例えば、Mgは、0.0%、0.01%、0.015%、0.02%、0.025%、0.03%、0.035%、0.04%、0.045%、または0.05%の量でコア層に含めることができる。いくつかの実施形態において、チタン(Ti)は、0.1%から0.2%まで(例えば、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、または0.2%)の量でコア層に含めることができる。いくつかの成分の中で特に、コア層でのTiの存在は、耐腐食性特性を持ったコア層をもたらす。任意選択で、コア層はそれぞれ最大0.05%までのクロム(Cr)および/またはストロンチウム(Sr)をさらに含むことができる。例えば、コア層は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、または0.05%のCrを含むことができる。コア層は、0.001%、0.005%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、または0.05%のSrを含むことができる。任意選択で、コア層は最大0.2%までの亜鉛(Zn)を含むことができる。例えば、コア層は最大0.2%まで、最大0.1%まで、および最大0.04%までのZnを含むことができる。いくつかの実施形態において、コア層は、Cr、Zn、およびSrのうちの1つまたは複数を微量に含む。本明細書において、微量とは元素が0.001%より少ない(例えば、0.005%より少ない、0.0005%より少ない、または0.0001%より少ない)量で存在することを意味する。
【0059】
コア層に存在する不純物の総量は最大0.15%までとすることができる。任意選択で、それぞれの不純物はコア層の最大0.05%までの量で存在することができる。コア層の残りの割合はアルミニウムである。
【0060】
上述のコア合金組成物は、0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、0.02%未満または0.01%未満で、時々スクラップ金属入力中の不純物と呼ばれる、他の微量元素を含有してもよいことは理解されるべきである。これらのスクラップ金属中の不純物はV、ZrおよびCrまたはそれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されない。したがって、V、ZrまたはCrはコア合金に0.05%、0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、0.02%未満または0.01%未満の量で存在することができる。一般に不純物レベルはCrに対して0.05%未満でありZrに対して0.01%未満である。例えば投入される金属としてのスクラップ金属由来の不純物が存在しているとき、すべての不純物の合計が0.15%を超えないならば、それらはそれぞれ最大0.05%で存在している。
【0061】
コア層の厚さは100ミクロンから4000ミクロンとすることができる。例えば、コア層の厚さは、150ミクロンから3500ミクロンまで、200ミクロンから3000ミクロンまで、250ミクロンから2500ミクロンまで、300ミクロンから2000ミクロンまで、350ミクロンから1500ミクロンまで、400ミクロンから1000ミクロンまで、450ミクロンから900ミクロンまで、500ミクロンから800ミクロンまで、または550ミクロンから700ミクロンまでとすることができる。
【0062】
コア層としての使用のための上述の合金は腐食に対して耐性があり、良好な機械的特性を有する。合金は、第1および第2の界面(すなわち、コア合金と第1および第2のクラッド層との間)に高密度析出物の犠牲帯を生成するように調製される。本明細書において、犠牲とは、高密度析出帯領域がコア層に優先して腐食することを意味する。高密度析出帯領域は、ろう付けサイクルの間に形成され得る。その全体が本明細書に参照により援用される、米国特許第5,041,343号明細書、米国特許第5,037,707号明細書、米国特許第6,019,939号明細書および国際特許公開第WO94/22633号明細書に記載のように、この帯は外部からのチューブの穿孔を防ぎ、コア層の耐腐食性を強化する。高密度析出物の帯は一般におよそ20〜50μm(例えば、およそ25〜40μm)の厚さを持つ。
【0063】
クラッド層
本発明は、コア金属として上述したアルミニウム合金組成物を包含する多層金属シートをさらに提供する。多層金属シートは、上記のような、第1の側および第2の側を有するコア層、ならびに任意選択で第1のクラッド層および第2のクラッド層を備える。いくつかの実施形態において、コア層は1つの側のみ被覆されている。他の実施形態において、コア層は両側を被覆されている。第1のクラッド層および第2のクラッド層は同じ化学組成または異なった化学組成とすることができる。もう1つの実施形態において、コア層はコア層の1つの側で被覆され、コア層の他方の側に水サイドライナーが配置される。いくつかの実施形態において、第1のクラッド層および第2のクラッド層はそれぞれ0%〜4%のZn、1%〜4%のZnまたは2.5%〜4.0%のZnを含むことができる。多層シートで、コア層の第1の側は第1の界面を形成するように第1のクラッド層に隣接し、コア層の第2の側は第2の界面を形成するように第2のクラッド層に隣接する。
【0064】
これらの多層金属シートは耐腐食性があり、管材の製造で使用するろう付けパッケージを提供する。いくつかの実施形態において、多層金属シートは、0.1%〜0.2%のTiを含むアルミニウム含有合金のコア層であって、第1の側と第2の側を有するコア層と、0%〜4%のZn、1%〜4%のZnまたは2.5%〜4.0%のZnを含む第1のクラッド層と、0%〜4%のZn、1%〜4%のZnまたは2.5%〜4.0%のZnを含む第2のクラッド層とを備える。多層金属シートで、コア層の第1の側は第1の界面を形成するように第1のクラッド層に隣接し、コア層の第2の側は第2の界面を形成するように第2のクラッド層に隣接する。
【0065】
上述のように、いくつかの実施形態において、ろう付けシートパッケージは第1のクラッド層および第2のクラッド層をさらに包含する。第1のクラッド層は、第1の界面を形成するようにコア層の第1の側に隣接し接触する(すなわち、第1のクラッド層とコア層の第1の側との間に層が介在しない)。第2のクラッド層は、第2の界面を形成するようにコア層の第2の側に隣接し接触する(すなわち、第2のクラッド層とコア層の第2の側との間に層が介在しない)。第1および第2のクラッド層は亜鉛を含む。いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は「AA4000シリーズ」合金である。任意選択で、第1および第2のクラッド層としての使用に適した合金は、組成で合金AA4343に類似しているが、より高い割合のZnを含有する合金を含む。付加的なZnは、第1および第2のクラッド層のそれぞれに基づいて、およそ2.1%からおよそ3.8%まで、およそ2.5%からおよそ3.5%まで、およそ2.7%からおよそ3.3%までのZnの総量をもたらすように加えることができる。このような変更された合金AA4000の元素組成は、6〜13%のSi、最大0.7%までのFe、最大0.1%までのCu、最大0.1%までのMn、最大0.15%までのMg、最大0.05%までのCr、最大4%までのZnまたは2.5〜4.0%のZn、最大0.05%までのTi、0から0.02%までのSr、最大0.15%までの合計の不純物、および残部のAlを含む。
【0066】
任意選択で、いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層としての使用に適した合金には、組成で合金X403に類似しているが、より高い割合のZnを含有する合金が含まれる。付加的なZnは、合金X477として識別された合金をもたらすように、第1および第2のクラッド層のそれぞれに基づいて、2.7%から3.3%までのZnの総量となるように加えることができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は6.0〜13.0%のSi(例えば、7.0〜8.0%のSi)を含む。例えば、第1および第2のクラッド層は、6.0%、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%、6.6%、6.7%、6.8%、6.9%、7.0%、7.1%、7.2%、7.3%、7.4%、7.5%、7.6%、7.7%、7.8%、7.9%、8.0%、8.1%、8.2%、8.3%、8.4%、8.5%、8.6%、8.7%、8.8%、8.9%、9.0%、9.1%、9.2%、9.3%、9.4%、9.5%、9.6%、9.7%、9.8%、9.9%、10.0%、10.1%、10.2%、10.3%、10.4%、10.5%、10.6%、10.7%、10.8%、10.9%、11.0%、11.1%、11.2%、11.3%、11.4%、11.5%、11.6%、11.7%、11.8%、11.9%、12.0%、12.1%、12.2%、12.3%、12.4%、12.5%、12.6%、12.7%、12.8%、12.9%、または13.0%のSiを含むことができる。また、いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は最大0.4%までのFeを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、または0.4%のFeを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は最大0.1%までの量でCuおよび/またはMnをさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は、CuおよびMnのうちの1つまたは複数を微量に含むことができる。
【0068】
任意選択で、いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は最大0.20%までのMgをさらに含むことができる。例えば、第1および第2のクラッド層は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、または0.20%のMgを含むことができる。任意選択で、第1および第2のクラッド層はそれぞれ最大0.05%までのCrおよびTiをさらに含むことができる。第1および第2のクラッド層は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、または0.05%のCrを含むことができる。第1および第2のクラッド層は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、または0.05%のTiを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は、Mg、CrおよびTiのうちの1つまたは複数を微量に含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は2.5%から4.0%までのZnをさらに含むことができる。例えば、第1および第2のクラッド層は、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、または4%のZnを含むことができる。Znはろう付けサイクルの間にコア層の中に拡散することができ、それによりコアの中に耐腐食性材となるZn拡散層を生み出す。いくつかの実施形態において、第1および第2のクラッド層は最大0.02%まで(すなわち、0%から0.02%まで)の量のSrを同様に含むことができる。例えば、Srは、0.001%、0.002%、0.003%、0.004重量%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.011%、0.012%、0.013%、0.014%、0.015%、0.016%、0.017%、0.018%、0.019%、または0.02%の量で第1および第2のクラッド層に含めることができる。
【0070】
第1および第2のクラッド層に存在する不純物の総量は最大0.15%までとすることができる。任意選択で、それぞれの不純物は第1および第2のクラッド層の最大0.05%までの量で存在してもよい。第1および第2のクラッド層の残りの割合はアルミニウムである。
【0071】
いくつかの実施形態において、第1のクラッド層および第2のクラッド層は組成が同一である。他の実施形態において、第1のクラッド層および第2のクラッド層は組成が異なる。
【0072】
第1のクラッド層および第2のクラッド層のそれぞれの厚さは、コア層の厚さの最大18%までとすることができる。例えば、第1および第2のクラッド層は、コア層の厚さの17.5%、17%、16.5%、16%、15.5%、15%、14.5%、14%、13.5%、13%、12.5%、12%、11.5%、11%、10.5%、10%、9.5%、9%、8.5%、8%、7.5%、7%、6.5%、または6%とすることができる。
【0073】
ろう付けシートパッケージ
クラッド金属シートは、当業者に公知の任意の従来の方法を使用して、コア層、第1のクラッド層、および第2のクラッド層から作ることができる。例えば、クラッドシートは、クラッドとコアを接着する熱間金属圧延などによって作ることができる。任意選択で、その全体が本明細書に参照により援用される、米国特許出願公開第2005/0011630号明細書に記載のように、クラッドシートは複合鋳造インゴットを熱間圧延および冷間圧延することにより作られる。結果として得られるクラッドシートは腐食に対して良好な耐性を提供する。
【0074】
クラッドシートは、いったん形成されると、当業者に公知の任意のチューブ形成方法によってチューブ形に変形することができる。例えば、クラッドシートは、折り畳みまたは溶接によりチューブ形に変形することができる。結果として得られるチューブは、例えば熱交換器で使用することができる。
【0075】
任意選択で、フィンをシートまたはチューブに取り付けることができる。いくつかの実施形態において、フィンは亜鉛含有フィンとすることができる。本明細書で説明したパッケージでの使用に適したフィンは3913、X373合金または亜鉛が添加された31420、X334合金を含む。フィンの亜鉛含有量は、ろう付けサイクル後のチューブ形のクラッドシートの表面での亜鉛含有量に等しいかそれより高くすることができる。例えば、フィンは、1.5%以上(例えば、1.6%以上、1.7%以上、1.8%以上、1.9%以上、2%以上、2.1%以上、2.2%以上、2.3%以上、2.4%以上、または2.5%以上)の量の亜鉛を含有することができる。チューブ内の亜鉛拡散帯域が枯渇する場合、フィンはコアを保護することができる。いくつかの実施形態において、フィンはむき出しのAl合金とすることができる。
【0076】
合金組成物およびろう付けシートパッケージの作成方法
次の実験的なセクションで使用されるコア合金の組成は、残部をアルミニウムとして、表2に提示される。次の製造手順が使用された。表2のコア合金組成物は、アルミニウムシート産業全体でよく使われるダイレクトチル(DC)プロセスによって作られ、当該プロセスによりおよそ76mm×152mm×229mmの小さいDCインゴットを鋳造した。小さいDCインゴットは両側からおよそ6.5mmで面削された。機械にかけられたインゴットはその後12時間で520度(セ氏)に加熱された。この工程の後、製造された最初のインゴットに対して5時間および最後のインゴットに対して6時間近くの間、520度(セ氏)で均熱が続いた。次に、インゴットは19mm厚ゲージに熱延された。これは、AA4343ろう付け合金の厚さ4mmの板で片側を被覆された。この組成物は、45〜60分間、450度(セ氏)に加熱された。この後に、3〜4mm厚ゲージにパッケージを熱間圧延することが続いた。パッケージは続いて1〜2mm厚ゲージに冷延された。そして、それは必要とされる最終ゲージ厚さ(およそ300μm)にさらに冷延された。目標のクラッドの厚さは、およそ300μmであるろう付けシート全体の厚さのおよそ7.5%であったことは留意すべきである。部分的な焼鈍では、合金がH24調質条件にあることを保証するために、毎時30度(セ氏)で温度を変化させた後、305度(セ氏)で3時間均熱した。
【0077】
ろう付け合金シートは、炉で加熱され、3分間605〜610度(セ氏)に保たれ、空冷が続くことによって、シミュレートされたろう付けサイクルにさらされた。このプロセスの間に、ろう付け合金に隣接するコア合金の表面に、ブラウンバンドとしても知られる、高密度析出帯が形成された。高密度析出帯はろう付けの間に完全に発達する。比較合金Hは、米国特許第6,019,939号明細書に開示された組成の範囲内となるように鋳造された合金である。
【表2】
【0078】
合金組成物の特性
冶金学的変化を検査するだけでなく、材料の機械的挙動および腐食挙動を決定するために、次の試験が適用された。サンプルはASTM B557規格に従って製造された。各合金変種から3つのサンプルが試験され、ろう付け前およびろう付け後の両方の条件で平均値が報告された。一貫した結果を得るために、サンプルは0.5Raのエッジ粗さに製造された。分散質および金属間化合物の大きさおよび分布、ならびにろう付け前後の粒子構造を調査するために微細構造の特性評価が遂行された。微細構造は、サンプルを60秒間2.5%HBF
4でエッチングし、それに続いてHNO
3でスマット除去することにより、検査された。粒子構造を明らかにするためにバーカーエッチングが使用された。
【0079】
開回路電位腐食値は、ASTM G69規格を使用して測定された。高密度析出帯(DPB)とコアとの間の腐食電位の差が測定された(DPB測定は、露出した表面がDPB領域の中にあるように研削および研磨することによって遂行された)。
【0080】
大気側腐食性(SWAAT)はASTM G85 Annex3に従って遂行された。2.80〜3.0pHに酸性化させられた合成海水(42g/lの合成海塩+10ml/lの氷酢酸)が使用された。サンプルはその後、1時間、50%硝酸で洗浄され、4つの異なる場所で切り分けられ、腐食を検出するために検査された。サンプルがSWAAT試験にさらされた後、腐食の重大度を査定するために質的なスケールが使用され、腐食は、問題なし、中等度、中等度/重度、重度および極めて重度として特徴付けられた。腐食の重大度は、(i)DPB領域以内での腐食発生に対して、問題なし、(ii)ちょうどDPB領域を使い尽くした腐食発生に対して、中等度、(iii)コアの厚さの最大4分の1から3分の1までを使い尽くした腐食発生に対して、中等度/重度、(iv)穿孔を伴わないコアの厚さの半分以上を使い尽くした腐食発生に対して、重度、および(v)穿孔につながる腐食発生に対して、極めて重度、として特徴付けられた。
【0081】
比較合金Hに加えて12の新しいDC合金組成物が作られた(2〜7および9〜14と番号付けられた合金、表2参照のこと)。これらの新しい合金の組成の範囲は以下の範囲内であった。0〜0.5%のSi、0.2〜0.5%のFe、0.5〜1.1%のCu、1.4〜1.6%のMn、0〜0.35%のMg、0.01〜0.17%のTiおよび残部のアルミニウム。これらの合金は部分的焼鈍処理の後、およそ170MPaの最小降伏引張強度を有した。比較合金(H)では、およそ63MPaの最小ろう付け後降伏強度およびおよそ172MPaの最大引張強度が得られた。表4の合金は、概して比較合金(H)より高いろう付け後の降伏強度および最大引張強度を示した。例えば、合金W(#14)はおよそ72MPaのろう付け後降伏強度およびおよそ187Mpaの最大引張強度を示した(表4)。
【0082】
比較合金Hの−671mVから合金Rの−659mVまでの(標準カロメル電極(SCE)に対する)開回路電位腐食値が記録された。DPBはコアを保護するために犠牲的に機能するべきであるから、腐食電位の低下はDPBがコア材料を保護するのに有効な犠牲層として機能しないことを示す一方、両方の間のより高い腐食電位の差は効果的な保護を示す。DPBとコアとの間の(標準カロメル電極(SCE)に対する)腐食電位の差は、これらの合金に要求される仕様の範囲内である、30から40mVまでの間であった。大気側(SWAAT)腐食試験が適用され、当該試験では比較合金Hが21日未満で破損したのと対照的に、新たに開発された合金の範囲、特に合金I、J、K、L、P、TおよびUについて、材料がろう付け後の状態で破損無くSWAATキャビネットで28日耐えることができた。これらの調査結果は、商業的ろう付けプロセスの温度時間プロファイルをシミュレートするために、サンプルが605度(セ氏)の温度まで加熱され、およそ570度(セ氏)までの炉冷およびその後の室温までの空冷が続く、シミュレートされたろう付けサイクルを適用した後に得られた。製造された合金材料は290〜310μmの間でゲージがさまざまであった。
【0083】
次の実施例は、同時に、しかしながら、本発明のいかなる制限も構成することなく、本発明をさらに例示するのに役立つであろう。逆に、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の精神を逸脱しない範囲で当業者にそれら自身を示唆し得る、さまざまな実施形態、修正およびその等価物に特許請求がなされ得ることは、明確に理解されるべきである。
【0084】
実施例1
ろう付け後の試験片は4週間の曝露のSWAAT(ASTM G85)腐食試験にさらされ、2、3および4週間後に腐食挙動を特徴付けるために検査された。腐食の重大度は(i)DPB領域以内での腐食発生に対して、問題なし、(ii)ちょうどDPB領域を使い尽くした腐食発生に対して、中等度、(iii)コアの厚さの最大4分の1から3分の1までを使い尽くした腐食発生に対して、中等度/重度、(iv)穿孔を伴わないコアの厚さの半分以上を使い尽くした腐食発生に対して、重度、(v)穿孔につながる腐食発生に対して、極めて重度、として特徴付けられた。結果は表3に提示される。試験された合金組成物は表2に示される。
【表3】
【0085】
この表から、それぞれ0.31および0.40%のSi含有量での、合金J(#3)およびK(#4)に基づいたろう付け後試験片は、比較合金Hに基づいたろう付け後試験片より良好な耐腐食性を有したことが結論付けられる。同様に、より広範囲のスクラップのために投入されるを許容できるいっそう環境上好ましい合金である、高いTi(0.16%)の存在下でより高い割合のSi(0.31%)およびFe(0.35%)を含有する合金U(#12)は、比較合金Hに対してより良い耐腐食性を有した。表3の腐食データは、高いFe含有量を持つ一定の合金が低下した大気側腐食性能を見せることを示す。これらのデータに基づき、いくつかの実施形態においてFeの上限は0.55%以下が好ましい。
【0086】
実施例2
ろう付けされたシートサンプルは、機械的試験にさらされた。結果は表4に提示される。比較のために、比較コア合金Hを使用して得られた結果が含まれる。試験された合金組成物は表2に提示される。
【表4】
【0087】
これらの結果から、すべての開発された合金の耐力は比較合金(H)より良好であった。同様に、#7を除き、すべての開発された合金の最大引張強度(UTS)は、比較合金(H)より良好であった。
【0088】
実施例3
開発された合金のコア、高密度析出帯形成、および耐腐食性に対するSi含有量の変化の影響を調べるために、SWAAT試験されたサンプルの金属組織学的診断が、より高い%のSiを含む合金2、3、および4、ならびに比較合金に対して遂行された。結果は
図14に要約される。試験された合金組成物(2、3、4、およびH)は表2に提示される。
図14は、Si含有量を増加させることが、0.32および0.40%のSiにおいて腐食の大部分がDPB帯内で発生する、改善された腐食性能につながることを示す。これは、Si含有量を増加させることが、より効果的なDPBおよび改善された大気側腐食をもたらすことを示唆する。DPBはエッチング後により高い%のSi含有量において目に見えない場合があるが、観察された腐食パターンは改善された大気側腐食性能でその存在および効果を示す。
【0089】
実施例4
クラッド金属シートは実験室規模で準備され、最終的なゲージに加工され、シミュレートされたろう付けサイクルにさらされた。ろう付けサイクルに対して、シートは520度(セ氏)の温度に到達するまで毎分25度(セ氏)の速度で、炉で加熱された。シートはそれから605度(セ氏)の温度に到達するまで毎分13度(セ氏)の速度で加熱され、605度(セ氏)で3分間の均熱加熱がそれに続いた。シートはそれから6分間で570度(セ氏)に冷却され、室温で冷却するために炉から取り出された。サンプルは次にそれらの腐食への耐性を査定するために酸浸漬試験にさらされた。
【0090】
サンプルの準備
ろう付けシートパッケージは、クラッドとコアを接着するように構成要素を熱間圧延することによって準備された。スラブは次に、ゲージに熱延および冷延された。冷延材料はそれからサイズが合うように細長く切られ、次に窒素の下で部分的に焼鈍された。
【0091】
サンプルは3.8×7.5cmサイズのろう付けされた試験片として準備された。表5に示すように、合金X900はサンプルAB996に対してコアとして使用され、合金X912はサンプルAB916およびサンプルAに対してコアとして使用された。合金X912は0.15%のTiを含有し、合金X900は0.1%未満のTiを含有する。AA4343はサンプルAB916およびサンプルAB996に対してクラッドとして使用された。X477はサンプルAに対してクラッドとして使用された。合金X477は3%のZnを含有し、合金AA4343は0.2%のZnを含有する。合金X900、X912、AA4343、およびX477の元素組成を表6に示す。
【表5】
【表6】
【0092】
酸浸漬試験
試験片は、168時間の期間、室温で0.1MのHCl(pH=1)溶液に浸された。24時間、48時間、72時間、120時間、144時間、および168時間の時点での腐食のレベルが金属組織学的診断により査定された(サンプルAB916は
図1、サンプルAB996は
図2、サンプルAは
図3、および3つのサンプルの比較は
図4を参照のこと)。結果に示されるように、サンプルAは試験した3つのパッケージの中で最も少ない量の腐食を示した。理論に束縛されないように、X477クラッドを提供するAA4343クラッドへの3%のZn添加は、アルファアルミニウムを通した高密度析出帯への粒間腐食を抑制した。周囲腐食の形態が局所的から全般的に変わった。また、Zn添加は腐食の速度を遅らせる効果があった。
【0093】
実施例5
X900シリーズからの5つのコア合金変種は、残余はアルミニウムで、次の元素組成を含有して準備された。
【表7】
【0094】
それぞれのコア合金は、合計10個のパッケージを準備するように、AA4343クラッドに、および同様に、1%の亜鉛を含有するAA4045クラッドに接着された。パッケージはおよそ300μmに実験室で加工された。全体的な微細構造および高密度析出帯を示している、パッケージの光学顕微鏡画像は
図5および6で提供される。10個のパッケージそれぞれのゲージおよびクラッド厚さの測定値は下記表8に示される。
【表8】
【0095】
10個のパッケージはそれぞれ、部分的に焼鈍されて、次に、実施例4で説明したように、シミュレートされたろう付けサイクルにさらされた。高密度析出帯(DPB)の平均厚さはろう付けサイクルの後に残っているクラッド厚さとともに測定された。測定値は表9にリストされる。
【表9】
【0096】
パッケージのそれぞれの伸張特性は、パッケージが圧延されたとき、パッケージが部分的に焼鈍された後、およびシミュレートされたろう付けプロセスの後に計測された。測定された伸張特性は降伏強度、パーセント伸び率、および最大引張強度を含んだ。
図7は圧延パッケージの伸張特性を提供する。
図8は部分的に焼鈍されたパッケージの伸張特性を提供し、
図9はろう付け後パッケージの伸張特性を提供する。
【0097】
パッケージは加速された大気側腐食試験にさらされた。具体的には、ASTM G85:A3に基づいた、酸性化された人工海水試験(SWAAT試験)が使用された。2週間、4週間、および6週間、SWAAT試験を行った後のパッケージを含むPDT、PDU、およびPDVの写真が
図10(4343クラッド)および11(4045+1%Znクラッド)に示される。
【0098】
図12は、コア合金に対するクラッド中の亜鉛の影響を明示する。
図12に示されるように、非亜鉛含有クラッドで、2週間以内に穿孔が発生した。しかしながら、1%亜鉛含有クラッドを含むパッケージでは6週間後に穿孔が無かった。
【0099】
図13は、コア合金中の増加されたチタンおよびケイ素の影響を明示する。
図13に示されるように、PDT合金と非亜鉛含有クラッドとを含むパッケージで、2週間以内に穿孔が発生した。しかしながら、PDT合金と比較してより高い量のチタンおよびケイ素を含有する、PDV合金と非亜鉛含有クラッドとを含むパッケージでは、6週間後に穿孔が無かった。
【0100】
パッケージそれぞれの腐食電位はASTM G69に記述された手順に従って試験された。各パッケージの開回路電位は表10にリストされる。表10に示されるように、コア合金中のケイ素および/またはチタンを増加させることは、コア合金の自由腐食電位に無視できる影響を与えた。
【表10】
【0101】
実施例6
コアに異なったSiレベルを含有するサンプル(合金H、I、J、およびK)に対して、DPB領域におけるSi−濃度プロファイルの変化を調べるためにグロー放電発光分析法(GD−OES)が使用された。結果は
図15に要約される。Si濃度プロファイルは、検査されたサンプルの間で、DPB領域に際立った違いはない。%Siにおける報告された変化はGD−OES実験誤差の範囲内である。これは、コアにおけるより高い%Si濃度でDPB領域の存在が一様なことを証明する。
【0102】
すべての特許、特許出願書、出版物、および上に引用された要約は、その全体が本明細書に参照により援用される。本発明のさまざまな実施形態は本発明のさまざまな目的の実現において説明された。これらの実施形態はただ本発明の原則を例証するに過ぎないことは、理解されるべきである。多数の修正およびその適用は、添付の特許請求の範囲で限定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者には容易に明らかであろう。
本明細書の開示内容は、以下の態様を含む。
態様1:
およそ0.16〜0.5%のSiと、0.5〜1.1%のCuと、0.001〜0.20%のTiと、0.15〜0.55%のFeと、0〜0.35%のMgと、1.3〜1.80%のMnと、を含み、不純物は最大0.15%までであり、残部をAlとする、アルミニウム合金。
態様2:
およそ0.16〜0.4%のSiと、0.5〜1.0%のCuと、0.005〜0.15%のTiと、0.20〜0.50%のFeと、0〜0.29%のMgと、1.4〜1.70%のMnと、を含み、不純物は最大0.15%までであり、残部をAlとする、態様1に記載のアルミニウム合金。
態様3:
およそ0.16〜0.34%のSiと、0.5〜0.95%のCuと、0.01〜0.15%のTiと、0.25〜0.45%のFeと、0〜0.27%のMgと、1.45〜1.65%のMnと、を含み、不純物は最大0.15%までであり、残部をAlとする、態様1に記載のアルミニウム合金。
態様4:
およそ0.2〜0.5%のSiと、0.52〜0.80%のCuと、0.11〜0.20%のTiと、0.25〜0.55%のFeと、0〜0.2%のMgと、1.51〜1.80%のMnと、を含み、不純物は最大0.15%までであり、残部はAlである、態様1に記載のアルミニウム合金。
態様5:
前記不純物のうち少なくとも1つの不純物はスクラップ金属に由来し、前記少なくとも1つの不純物は0.05%、0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、または0.02%未満であり、すべての不純物の合計は最大0.15%までである、態様1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金。
態様6:
前記少なくとも1つの不純物は、Cr、ZrまたはVである、態様5に記載のアルミニウム合金。
態様7:
前記合金は、コア合金に最大0.5%までのSi含有量を含有し、ろう付けの間に高密度析出帯の形成を示す、態様1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金。
態様8:
前記合金は、熱間圧延および冷間圧延が後に続く、ダイレクトチル鋳造によって製造される、態様1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金。
態様9:
ろう付け後に測定された、およそ71MPaの最小降伏強度およびおよそ182Mpaの最大引張強度を有する、態様1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金。
態様10:
ろう付け後に測定された、660〜670mV以下の前記コアでの腐食電位を有する、態様1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金。
態様11:
(標準カロメル電極(SCE)に対して)前記高密度析出帯とコアとの間の前記腐食電位の差は30から40mVまでの間である、態様1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金。
態様12:
前記合金は、ろう付け後の大気側腐食試験の間、穿孔無く少なくとも28日間耐える、態様1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金。
態様13:
態様1〜6のいずれかに記載の前記アルミニウム合金を備えるコア層であって、前記コア層は第1の側および第2の側を有する、コア層と、前記第1の側または前記第2の側上の少なくとも1つのクラッド層と、を備える多層金属シート。
態様14:
前記コア層上に第2のクラッド層をさらに備える、態様13に記載の多層金属シート。
態様15:
前記少なくとも1つのクラッド層は、0%から4%までのZn、1%から4%までのZnまたは2.5%から4.0%までのZnを含む、態様13に記載の多層金属シート。
態様16:
前記コア層の前記第1の側は第1の界面を形成するように前記第1のクラッド層に隣接し、前記コア層の前記第2の側は第2の界面を形成するように第2のクラッド層に隣接する、態様14に記載の多層金属シート。
態様17:
0.1%から0.2%までのチタンを含むアルミニウム含有合金のコア層であって、前記コア層は第1の側と第2の側を有する、コア層と、
2.5%から4.0%までの亜鉛を含む第1のクラッド層と、
2.5%から4.0%までの亜鉛を含む第2のクラッド層と、
を備える多層金属シートであって、
前記コア層の前記第1の側は第1の界面を形成するように前記第1のクラッド層に隣接し、前記コア層の前記第2の側は第2の界面を形成するように第2のクラッド層に隣接する、
多層金属シート。
態様18:
前記コア層は、最大0.25%までのSiと、最大0.25%までのFeと、0.5から0.6%までのCuと、1.4から1.6%までのMnと、0.06から0.14%までのMgと、最大0.05%までのCrと、最大0.04%までのZnと、0.1から0.2%までのTiと、最大0.05%までのSrと、最大0.15%までの不純物と、残部のAlと、を含む合金で作られている、態様17に記載の多層金属シート。
態様19:
前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層は、6から13%までのSiと、最大0.4%までのFeと、最大0.1%までのCuと、最大0.1%までのMnと、最大0.20%までのMgと、最大0.05%までのCrと、2.5から4.0%までのZnと、最大0.05%までのTiと、最大0.02%までのSrと、最大0.15%までの不純物と、残部のAlと、を含む合金で作られている、態様17に記載の多層金属シート。
態様20:
態様13〜19のいずれかに記載の多層金属シートを備える、耐腐食性ろう付けシート。
態様21:
態様1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金を備える熱交換器。
態様22:
前記熱交換器は、自動車の熱交換器である、態様21に記載の熱交換器。
態様23:
前記熱交換器は、ラジエータ、凝縮器、蒸発器、油冷却器、中間冷却器、給気冷却器またはヒーターコアである、態様21に記載の熱交換器。
態様24:
態様13〜19のいずれかに記載の多層金属シートから作られている、チューブ。