特許第6409054号(P6409054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6409054骨採取用のサージカルガイドを製造するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409054
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】骨採取用のサージカルガイドを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20181004BHJP
   A61B 6/14 20060101ALI20181004BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20181004BHJP
   A61B 17/15 20060101ALI20181004BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20181004BHJP
【FI】
   A61B6/03 360J
   A61B6/03 360G
   A61B6/14 300
   A61B17/56
   A61B17/15
   A61B17/17
【請求項の数】17
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-514520(P2016-514520)
(86)(22)【出願日】2014年5月22日
(65)【公表番号】特表2016-524493(P2016-524493A)
(43)【公表日】2016年8月18日
(86)【国際出願番号】IB2014061624
(87)【国際公開番号】WO2014188369
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2017年4月28日
(31)【優先権主張番号】MI2013A000831
(32)【優先日】2013年5月22日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506260386
【氏名又は名称】ノベル バイオケア サーヴィシィズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】デ・スタヴォラ・ルカ
(72)【発明者】
【氏名】フィンカト・アンドレア
【審査官】 亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0123423(US,A1)
【文献】 特表2012−502740(JP,A)
【文献】 特表2011−505922(JP,A)
【文献】 特表2010−531187(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0106197(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0015603(US,A1)
【文献】 特開2004−298259(JP,A)
【文献】 特開平11−178837(JP,A)
【文献】 米国特許第04750481(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
A61B 17/00 −17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨(O)を採取するためのサージカルガイド(1)を設計するための方法であって、
・前記採取が行われる患者(Pa)の骨の少なくとも一部の3次元画像(20)を提供する工程であり、前記骨が外表面(4)を画定することと、
・前記3次元画像(20)において、前記骨採取に関与してはならない1つ以上の傷つきやすい解剖学的構造(21)を特定する工程と、
・前記3次元画像(20)において、前記骨採取において除去されるのに適した骨の体積領域(30)を特定する工程であり、前記体積領域が前記傷つきやすい解剖学的構造を除き、前記体積領域が周囲(31)を画定する前記骨の前記外表面(4)の一部(6)及び前記骨の内側の前記周囲から延在するマント部(38)によって区切られ、前記マント部が、前記周囲の各点について、外表面の前記一部と所定角度(a,b)を形成するセグメントを含み、前記角度が前記3次元画像において特定された前記骨の内側の切断方向(L1,L2,L3,L4)に対応することと、
・前記サージカルガイド(1)のパラメータを確立する工程と、
を備え、
このサージカルガイド(1)のパラメータを確立する工程では、
・前記骨の前記外表面(4)に面するのに適し且つガイド壁(5a,5b,5c,5d)によって区切られた作業領域(2)を含むガイド面(8)を画定することと、
・前記ガイド面が、骨の外表面の前記一部(6)に面する場合、前記ガイド面に対して前記壁(5a,5b,5c,5d)の少なくとも1つを角度づけて、前記壁が一つまたは複数の面(7a,7b,7c,7d)を、前記骨体積領域(30)の前記マント部(38)の一部からの幾何学的拡張部を構成するように含むようにし、それにより、前記一つまたは複数の面(7a,7b,7c,7d)は、作業領域の前記周囲の各点について、前記ガイド面に対して所定角度を形成するセグメントを含むこと、
とを備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、
前記ガイド(1)の前記パラメータを含むコンピュータ読み取り可能なファイルを生成することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、前記ガイドの設計パラメータを確立する工程が、
・上側ガイド壁(5a)を画定し、採取される骨の前記体積領域(30)の表面(6)の前記一部を上部に区切ることと、
・下側ガイド壁(5b)を画定し、採取される骨の前記体積領域(30)の表面(6)の前記一部を下部に区切ることと、
・右側ガイド壁(5c)を画定し、採取される骨の前記体積領域(30)の表面(6)の前記一部を右側に区切ることと、
・左側ガイド壁(5d)を画定し、採取される骨の前記体積領域(30)の表面(6)の前記一部を左側に区切ることと、
・前記作業領域(2)を画定する前記ガイド壁(5a,5b,5c,5d)をともに接続することと、
・前記マント部の拡張部として、前記上部ガイド壁及び/又は前記下部ガイド壁及び/又は前記右側ガイド壁及び/又は前記左側ガイド壁の内面(7a,7b,7c,7d)を前記ガイド面(8)に対して角度づけることとを含む、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、
・前記3次元画像(20)において、前記3次元画像において特定された前記傷つきやすい解剖学的構造(21)と採取される骨(30)の体積領域との間の最小安全距離(D)を決定する工程と、
・前記3次元画像(20)において特定された前記傷つきやすい解剖学的構造(21)と採取される骨(30)の前記体積領域との間の距離を、前記最小距離(D)以上の値に維持するように、前記マント部(38)の表面(6)の前記一部の寸法及び骨(30)の前記体積領域の位置を決定する工程とを含む、方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、3次元画像(20)を提供する工程が、
患者(Pa)の骨(O)の前記一部のX線写真及び/又は核磁気共鳴及び/又はX線体軸断層撮影及び/又はエコーグラフのコピーを得ることを含む、方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、
・前記ガイド面(8)に対して1つ以上の所定角度だけ前記ガイド壁(5a,5b,5c,5d)の全てを角度づけ、第2のマント部を形成することを含み、
前記第2のマント部は、前記骨体積領域(30)のマント部(38)の幾何学的拡張部であり、前記作業領域(2)の前記周囲(31)から延在しており、
それにより、各ガイド壁(5a,5b,5c,5d)について、前記3次元画像(20)において特定された除去される前記骨体積領域(30)の内側の1つ以上の切断方向に対応するように、1つ以上の切断方向(L1,L2,L3,L4)を決定することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、ガイド面(8)に対して30°から160°を含む角度で前記面(7a,7b,7c,7d)を角度づける工程を含む、方法。
【請求項8】
請求項6に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、
・前記切断方向(L1,L2,L3,L4)の交点又は線の前記骨(O)における深さによって与えられる第1の作業深さ(P)を画定することを含む、方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、
・第2の作業深さを画定するように前記ガイド面に対して所定厚さ(S)で前記ガイドの1つ以上の壁(5a,5b,5c,5d)を形成することを含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、
前記ガイドの壁において、段差付き当接要素(23)を形成するように前記面(7a,7b,7c,7d)と角度を形成する外面(11a,11c)を形成することを含む、方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、前記ガイドのパラメータを確立する工程が、窓部(2)が形成されるガイド本体(80)を提供する工程を含み、前記本体が前記ガイド面を含む底面を含み、前記窓部が前記作業領域を含む、方法。
【請求項12】
請求項1から10のうちいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、前記ガイドのパラメータを確立する工程が、底面及び1つ以上の側壁を含むガイド本体(80)を提供する工程を含み、前記底面が前記作業領域(2)を含み、前記側壁が前記ガイド壁(5a,5b,5c,5d)を含む、方法。
【請求項13】
請求項1から10のうちいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、前記ガイドのパラメータを確立する工程が、ガイド本体(80)を提供する工程を含み、
前記ガイド本体が、底面を含むとともに、外側本体(93)及び内側本体(92)に前記本体を分割するそれ自体で閉じたチャネル(91)を含み、
前記底面が前記作業領域(2)を含み、
前記チャネル(91)が前記内側及び外側本体にそれぞれ属する対向する内壁(95)及び外壁(7a,7b,7c,7d)を含み、
前記外壁が前記ガイド壁を含む、方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載のサージカルガイド(1)を設計するための方法において、前記ガイドのパラメータを確立する工程が、
・前記骨表面(4)から所定距離をなしてガイドを搭載するように前記ガイドについてのサポート(70)を設計することを含む、方法。
【請求項15】
請求項1から14のうちいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されたソフトウェアコードを含むコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを含むコンピュータ読み取り可能なメモリサポート。
【請求項17】
コンピュータ(100)と、
コンピュータ(100)によって読み取ることができ且つコンピュータによって実行されたときにコンピュータが請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の方法を実行することを保証する命令を含むサポートとを含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨採取処置に使用されるために骨切開を行うためのサージカルガイドを製造するための方法に関する。サージカルガイドは、ガイドが配置される静止骨表面に関する加工パラメータ(working parameters)を外科医や医療専門家に正確に提供し、その構成は、3次元測定によって再構成された患者の特定の解剖学的構造の評価に依存し、それゆえに、傷つきやすい解剖学的構造(例えば、神経血管及び歯の構造)に配慮しながら全ての骨の切開が行われるのを可能とする。
【背景技術】
【0002】
本発明は、手術分野、特に骨欠損を再構築(reconstructing)するための自己移植骨採取の分野に関する。好ましくは、排他的ではないが、本発明は、口腔外科の分野に適用される。
【0003】
歯要素が(外傷や病理によって)失われた後、歯槽堤は、一般に、再構築しても、常に元の体積の減少に終わる。そのような減少は、非常に多くの場合、歯科インプラントの正確な3次元挿入のための十分な骨構造の欠如を決定付ける。萎縮した歯槽堤の様々な再構成技術がある。そのような手術のための「代表的な存在」と考えられる材料は、自己移植、骨であり、すなわち、萎縮性領域において自己移植されることができるように患者自身からの骨要素を採取する。
【0004】
下顎の本体は、外面、内面、下縁又は底部及び背面を有する。外面は、中間において顎癒合部を有している。癒合部は、骨の2つの別個の原始的な輪郭の結合の中間点であり、且つオトガイ隆起によって底部で終端する。この同じ面において、第2小臼歯のレベルにおいて、横オトガイ孔、下顎のチャネルの開口があり;第2及び第3大臼歯のレベルにおいて、斜線稜(oblique ridge)、同側で配置されている頬筋の溝(buccinator groove)があることがわかる。頬筋の溝の上端は、下顎体(body)と下顎枝(ramus)との間の境界を決めている。溝の側縁(side lip of the groove)は、より頑丈になり、下顎の外側の斜線を表す。
【0005】
口腔内採取のために一般に好ましい位置は、外側斜線及び顎結合である。そのような処置の制限及びリスクは、文献に記載されており、
−下歯槽神経の損傷のリスク
−同側のオトガイ孔に近いオトガイ神経の損傷のリスク
−歯科神経血管組織の損傷のリスク
−下顎骨骨折のリスク
−歯根の損傷のリスク
−治療すべき骨欠損に関する体積制限、すなわち、採取することが可能である骨の量及び大きさの制限
を含む。
【0006】
そのようなリスクは、患者の解剖学的構造の3次元再構成を可能とするX線写真検査は、TAC又はその他から取得した詳細情報を臨床的に変換するのが不可能であるという事実によって決定される。換言すれば、患者の解剖学的構造の詳細な分析が3次元撮像技術によって行われた場合であっても、目に見える外部解剖学的構造と内部解剖学的構造との間の現実の基準点が欠如するため、患者の「生体」の解剖学的構造の実際の構造に対応する解剖学的構造の3次元再構成において分析されたものを形成することが非常に複雑である。
【0007】
外側斜線の解剖学的領域において、リスク領域は以下のとおりである。
−歯槽チャネル(下歯槽神経)の外形及び深さを「裸眼で」決定するのが非常に複雑である下顎枝の領域との解剖学的境界に対する後方の境界部
−存在する歯の根及び/又は舌側骨卵胞膜の外形を「裸眼で」決定するのが非常に複雑である中間または内側の境界部
−オトガイ孔に近い歯槽神経の外形を「裸眼で」決定するのが非常に複雑である前方の制限
−より一般には、ロータリや圧電ツールである骨切削ツールの作業軸の正確な制御を「裸眼で」決定するのは非常に複雑である。
【0008】
顎結合の領域において、リスク領域は以下のとおりである。
−下顎骨の下縁(最上位の取り付けが配慮されなければならないオトガイ筋肉の存在)を「裸眼で」正確に決定するのが非常に複雑である下側の境界部
−前歯の根の外形を「裸眼で」決定するのが非常に複雑である上側の境界部
−下歯槽神経及び切歯のループ(loop)の外形を「裸眼で」決定するのが非常に複雑である後方の境界部
−より一般には、この場合においても、ロータリや圧電ツールである骨切削ツールの作業軸の正確な制御を「裸眼で」決定するのは非常に複雑である。
【0009】
正確で確実に動作することができないという事実は、外科手術を行う際の概略化、採取した骨体積の減少及び手術のリスクの増加を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US2012/123423
【発明の概要】
【0011】
本発明は、従来技術によって遭遇する全ての問題を解決するのに適したサージカルガイドを製造する方法に関する。具体的には、ガイドは、最大限の安全性及び所望の結果で骨切り術を行うための正確な基準点を術者に与えるのに適している。
【0012】
骨切り術が行われている間、特に自己移植のために骨切り術が行われている間、採取される骨量の寸法は最適に制御されることが望ましく、これらの寸法は、損傷した骨の部分を再構築するために必要な骨の量に依存することが知られている。しかしながら、これと同時に、採取は、患者の傷つきやすい解剖学的構造を損なうことなく、最大限安全に行わなければならない。換言すれば、採取において、患者に属する神経、血管、筋肉、腱、歯根などは、損傷を受けてはならない。本発明の方法にしたがって製造されたガイドは、公知の且つ指定された寸法の骨切り術を向上させると同時に患者の解剖学的構造に対して可能な限り保護するのに適しているという主目的を有する。そのような骨切り術は、患者の骨格の任意点(好ましくは下顎領域)で行うことができる。
【0013】
本発明の方法にしたがって製造されたガイドはまた、患者の解剖学的構造に完全に依存する。すなわち、それは特定の患者について形成され、他の患者にとって実質的に使用することができない。
【0014】
1つの態様によれば、本発明は、骨採取を行うためのサージカルガイドを設計するための方法において、
・前記採取が行われる患者の骨の少なくとも一部の3次元画像を提供する工程、
ここで、前記骨が外表面を画定し、
・前記3次元画像において、前記骨採取に関与してはならない1つ以上の傷つきやすい解剖学的構造を特定する工程、
・前記3次元画像において、前記骨採取において除去されるのに適した骨の体積領域(a volume of bone)を特定する工程、
ここで、前記体積領域は、前記傷つきやすい解剖学的構造(sensitive anatomic structures)を除くものであり、且つ前記体積領域は、周囲を画定する前記骨の外表面の一部及び前記周囲から前記骨の内側へ延在するマント部(mantle)によって区切られており、
前記マント部は、前記周囲の各点について、外表面の前記一部と所定角度を形成するセグメントを含み、
前記角度は、前記3次元画像において特定された前記骨の内側の切断方向に対応している、および
・前記サージカルガイドのパラメータを確立する工程を含み、
前記パラメータの確立工程が、
・前記骨の前記外表面に面するのに適しているガイド面であって、ガイド壁によって区切られた作業領域を含むガイド面を画定すること、および
・前記ガイド面に対して前記壁の少なくとも1つを角度づけて(angling)、前記壁が前記骨の体積領域の前記マント部の一部の幾何学的拡張を構成する面を含むようにし、前記ガイドが前記骨の前記外表面部分に面するとき、前記幾何学的拡張を構成する面は、前記ガイド面に対して所定角度を形成するセグメントを含んでいること、
を含む方法に関する。
【0015】
したがって、本発明の方法により、サージカルガイドは、採取が行われなければならない患者の骨の一部の3次元画像に基づいて製造される。
【0016】
3次元画像は、同一の術者によって得ることができる。この場合、3次元画像の提供は、3次元画像を生成又は形成することを含む。または、3次元画像はメモリサポートからインポートされる。または、3次元画像は、公知の方法でオンラインダウンロードにより得ることができる。ガイドを製造することは、純粋に仮想的に行うことができる。すなわち、ガイドの設計は、ガイド自体を製造するための物理的なパラメータを含むファイルを作成することを含むことができる。ガイドは、所定の周囲を有する作業領域を含むように製造され、前記周囲は、適切な切削ツールが使用される場合、切削ツールがガイド壁に載置されて作業領域の周囲に沿って案内されるように形成され、それにより、切削ツールが、切断される骨表面の周囲において骨を切断し且つ除去される骨の体積領域のマント部において骨内側を貫通するように実質的に案内される。換言すれば、切削ツールは、骨の外表面と除去される骨の体積領域の外側マント部とによって形成された角度に対応する角度で骨に入るようにガイド壁によって案内される。
【0017】
例えば、ガイドが骨の外表面に載置された場合には、作業領域の周囲は、骨採取において切断される骨表面の周囲に対応する。
【0018】
換言すれば、除去される骨の体積領域は、骨の外表面の一部及びマント部によって区切られる。ガイドは、骨の外表面に関連付けられている、すなわち面している。換言すれば、ガイドは、骨自体に接触して載置されてもよいし、骨に対して上方に位置していてもよい。たとえば、ガイドは例えば歯若しくは他の支持要素に固定されてもよい。除去される骨の体積領域において、骨の内側方向は、骨の外表面の一部の周囲から骨の内側に延在するマント部によって画定される。マント部は、幾何学的に「線織面(ruled surface)」と称されるものを含む。換言すれば、それは複数の直線から形成された表面の一部を含む。実際に、骨の内側に向かって除去される骨の外表面部分の周囲から延在するマント部は、好ましくは、そのような周囲の各点について、周囲の点から始まって骨の内側に向かって延在するセグメントを含み、骨表面に対して一定の角度を形成する。この角度は、傷つきやすい解剖学的構造を回避するためだけでなく十分な厚さの骨体積領域を得るように、本発明の方法にしたがって外科医又は術者によって確立される。
【0019】
マント部及びマント部が延在する骨の外表面の一部に加え、骨体積領域は、底面の一部を含むことができる。すなわち、マント部は、骨の内外表面の2つの異なる部分を接続することができる。あるいは、マント部は、その発生部線がベースとして骨の外表面の一部と円錐形を形成するように単一の点や線に収束した場合には、それ自体で閉じることができる。
【0020】
マント部の角度づけ、すなわち、骨表面に対してマント部を形成する各セグメントの角度づけは、ガイドの設計に設定される。すなわち、ガイドの壁の1つに配置された面の角度づけにより、切削ツールが骨の切断中にそのような面上に載置されることから、その外表面からの骨内側の切断方向が決定される。
【0021】
換言すれば、除去される骨の体積領域の形状は、ガイド内に設定される。ガイドは、作業ツールが除去される骨の外表面の周囲を一周するのを可能とする拡張部を有する作業領域を有するように設計される。
【0022】
ガイドの作業領域は、ガイドが骨に載置されている場合、除去される骨の体積領域の骨の表面部の周囲に対応しており、又はガイドの作業領域は、ガイドの面の角度づけに依存してこれよりも小さいか大きい周囲を有する。
【0023】
好ましい例において、骨の表面の一部の周囲及び作業領域の周囲は一致する。すなわち、それらは並置されている。この状況は、ガイドが骨の外表面に載置されたときに発生する。さらに好ましい例において、作業領域の周囲は、面の角度づけにしたがって除去される骨の体積領域の外表面部分の周囲よりも大きくてもよく、小さくてもよい。この状況は、ガイドが外側骨表面から離れている場合に発生する。作業領域及び骨の外表面は、除去される骨の体積領域のマント部を画定する直線によって生成される固体の2つの部分である。すなわち、それらは、その一部が除去される骨表面のマント部である同じ線織面の2つの異なる平面内の2つの部分を表す。
【0024】
ガイドはまた、ガイドが骨切り術を行うために患者の骨上に位置決めされたときに外側骨表面に面するガイドの面である作業領域を含むガイド面を含んでいる。例えばそれは、骨の表面上に載置されることができる。
【0025】
3次元画像の内部に画定されるような骨体積領域のマント部は、傷つきやすい解剖学的構造の全てが回避されるように、且つ、最適な骨体積領域が、形状、大きさ及び厚さの点で得られるように形成される。したがって、本発明の目的は、手術中に骨の内部構造を見ることができない外科医に、骨の切断中に3次元画像において画定されたマント部に正確に追随する能力を与えることである。
【0026】
この目的のために、ガイドは、作業領域を画定する複数の壁を含むように設計されており、そのような壁は非常に正確に角度づけられている。換言すれば、壁の少なくとも1つは、マント部の一部の幾何学的拡張部(geometrical extension)となるように傾斜面を有する。すなわち、それはまた、それを生成するセグメントが骨体積領域のマント部のセグメントと同じ角度を形成する幾何学的拡張部である第2のマント部の一部である。
【0027】
「前記ガイド面に対して前記壁の少なくとも1つを角度づけること」という意味は、ガイド面に実質的に垂直な面内でガイドの切開を行うことにより、視認でき且つ除去される骨の体積領域のマント部を表すセグメント(すなわち、除去される骨の体積領域のアウトライン)及び適切に角度づけられたガイド壁の面によって画定されるセグメントが互いに幾何学的に連続であること、すなわち、それらは同一直線上に配置されていることを意味する。マント部及びガイド壁の2つのセグメントは、ガイドが骨の外表面上に載置された場合に近接または接触する(contiguous)ことができ、又は、ガイドと外側骨表面との間に間隙が存在する場合に間隙が2つの間に存在することができる。ガイド面とガイド壁の面に属するセグメントとの間に形成される角度は、切断角度、すなわち、提供される3次元画像において区切られたマント部に沿って骨の体積領域を切り離すように適切なツールが骨の体積領域に導入される角度を画定する。
【0028】
したがって、面が前記マント部の一部の幾何学的拡張部を構成するという場合、以下の二つの場合が含まれる。第一は、ガイドが骨の体積領域を抽出するための動作位置にあるとき、すなわち、ガイドが骨表面上に載置されたときに、面が連続してマント部に取り付けられる場合であり、第二は、ガイドと骨表面との間に間隔又は間隙がある場合である。この第二の場合において、面は、所定の間隙を有して幾何学的拡張部を構成する。
【0029】
この方法において、例えば、適切な外科用器具を介して、骨内側の切断方向は、ガイドの壁によって以下のように「設定」される:切削ツールが傾斜した壁に載置されている場合、すなわち、それが所定角度で傾斜面に当接する場合、切断方向は、単純な幾何学的構成によって採取されるように骨体積領域のマント部の周りのもののみとすることができる。
【0030】
好ましくは、骨切り術のためのガイドの設計は、コンピュータにインストールされたソフトウェアを介して行われる。患者の解剖学的構造に関連する3次元画像は、ソフトウェアによって処理され、その結果、ガイドのパラメータが決定される。3次元画像は、例えば、X線撮像技術、TAC、PETなどの任意の方法で得ることができる。そして、ガイドは、ソフトウェアによって決定されたパラメータ(且つ例えばファイルに保存されたパラメータ)に基づいて、例えば3−Dプリントなどの任意の公知の技術によって製造することができる。
【0031】
したがって、本発明のソフトウェアは、公知の認識アルゴリズムにより及び/又は好ましくは医療又は歯科従事者の監督を介して、傷つきやすい解剖学的要素が特定された患者の解剖学的構造、すなわち、傷つきやすい解剖学的構造の3次元画像を処理する。したがって、ソフトウェアは、所定の寸法を有する除去される骨の体積領域の可能な位置、又は、2つ以上が調査される骨において可能である場合に可能な複数の位置を決定する。寸法は、例えば、術者によって挿入される。換言すれば、本発明のソフトウェアは、除去される骨体積領域の値(大きさ)に基づいて骨体積領域を除去するための且つそのような体積領域が傷つきやすい解剖学的構造に過度に接近せずに利用可能である最良の位置を決定する。骨採取に複数の体積領域が利用可能である場合、術者は、好ましくは、患者の特定の解剖学的構造、介入の痛みなどの他の事実を考慮して最も適切な領域を選択する。
【0032】
したがって、ガイドは、作業領域が前記骨体積領域の前記マント部の一部の幾何学的拡張部を構成する面に囲まれて画定されるように形成される。
【0033】
換言すれば、ガイドを画定するパラメータは、ガイドが、選択された骨の体積領域によって画定されたマント部の幾何学的な連続をその壁によって表す作業領域を含むようなものである。すなわち、ガイドが除去される骨体積領域の一部を形成する外側骨表面部に面する骨体積領域を除去するように動作位置において使用されるとき、骨体積領域のマント部及び作業領域を囲むガイドの壁は、互いの幾何学的連続性を表し、それらは、双方とも、同じ母線ラインによって生成される。すなわち、それらは同じ線織面に属する。
【0034】
第2の態様によれば、本発明は、1つ以上のコンピュータによって実行されるときに1つ以上のコンピュータが本発明の第1の態様にかかる方法を実行することを保証する命令行(lines of code)を含むプロセッサのためのプログラムを含むコンピュータのメモリのサポートに関する。
【0035】
第3の態様によれば、本発明は、以下を含むシステムに関する。
・コンピュータ
・コンピュータによって読み取られることができ且つコンピュータによって実行されたときにコンピュータが本発明の第1の態様の方法を実行することを保証する命令を含むサポート
【0036】
上記の態様のいずれか1つにおいて、本発明は、好ましくは、組み合わせて又は代わりに、以下の特徴のうちの1つ以上を含む。
【0037】
有利には、サージカルガイドを設計するための方法は、
・前記ガイドの前記設計パラメータを含むコンピュータが読み取り可能なファイルを生成することを含む。
【0038】
このように、本発明の方法の結果は、ガイドを製造するための詳細、上記概説された方法の工程にしたがって得られた詳細が含まれているファイルを含む。このファイルは、オープン又は独自の任意の形式で記述することができる。
【0039】
有利には、前記作業領域は、前記3次元画像において特定された前記骨の前記表面部分の周囲に対応する周囲を有する。
【0040】
サージカルガイドが前記骨の外表面上に直接載置された場合、作業領域の周囲は、骨切り術のために特定された骨の表面部分のものと一致する。
【0041】
あるいは、ガイドが作業領域に対応する部分の骨上に載置されない場合、作業領域は、ガイドの壁の角度づけにしたがって骨の外表面の部分よりも大きいか小さい周囲を有することができる。
【0042】
より好ましくは、前記ガイドは、前記外側骨表面に載置されるのに適している。
【0043】
あるいは、サージカルガイドを設計するための方法において、前記ガイドのパラメータを確立する工程は、
・前記骨表面から所定距離をなしてガイドを搭載するように前記ガイドのサポートを設計することを含む。
【0044】
この場合、ガイドは、歯表面から上方に位置する。距離又は間隙が歯表面とガイドとの間において予測されるかどうかは、動作条件及び患者の解剖学的構造に依存する。
【0045】
好ましい例によれば、本発明の方法において、前記ガイドのパラメータを確立する工程は、
・上部ガイド壁を画定し、採取される骨の前記体積領域の表面の前記一部を上部に区切ることと、
・下部ガイド壁を画定し、採取される骨の前記体積領域の表面の前記一部を下部に区切ることと、
・右側のガイド壁を画定し、採取される骨の体積領域の表面の前記一部の右側を区切ることと、
・左側のガイド壁を画定し、採取される骨の前記体積領域の表面の前記一部の左側を区切ることと、
・前記作業領域を画定する前記ガイド壁をともに接続することと、
・前記マント部の拡張部として、前記上部ガイド壁及び/又は前記下部ガイド壁及び/又は前記右側ガイド壁及び/又は前記左側ガイド壁の面を前記ガイド面に対して角度づけることとを含む。
【0046】
ガイドの壁をともに接続することにより、長円形、円形、楕円形の周囲などを有する作業領域を得ることができ、又は、2つ以上の辺を有する多角形を形成することができる。側面もまた湾曲させることができる。接続された壁及びその壁形成された面は、いかなる不連続も有しない単一の表面を形成することができ、それゆえに、好ましくは第2のマント部である、採取される骨の体積領域のマント部の幾何学的な連続性を形成する。
【0047】
したがって、ガイドは、形成された3次元画像において切断される下顎骨の面を区切る壁を含む。作業領域によって区切られた、切断される外表面の一部の輪郭又は境界を考えると、各ガイド壁は、一方側においてそのような周囲を区切る。切断される外表面の周囲及び作業領域の周囲は、ガイドが外側骨表面に接触して配置されているかどうかに応じて一致又は異なることができる。1つ以上の前記壁は、作業方向、換言すれば骨の内側の切断方向を設定するように所定角度で角度づけられた面を含む。面は、複数の異なる所定角度、それゆえに作業方向を設定することができ、実際には、作業領域の周囲の各点について、異なるセグメントが延在し、ガイド面と前記セグメントによって形成された角度は、それに隣接するセグメントによって形成される角度と等しいか又は異なることができる。そのような切断方向は、3次元画像において特定された骨の体積領域の形状によって画定され、体積領域は、傷つきやすい領域を避けて設定され、したがって、マント部は、骨の表面に対して複数の異なる角度を有することができる。角度は、傷つきやすい構造を画定するために及び最大切削深さを画定するために使用される。
【0048】
好ましくは、本方法は、
・前記3次元画像において、前記3次元画像において特定された前記傷つきやすい解剖学的構造と採取される骨の体積領域との間の最小安全距離(a minimum safety distance)を決定する工程と、
・前記最小距離以上の値に前記3次元画像において特定された前記傷つきやすい解剖学的構造と採取される骨の前記体積領域との間の距離を維持するように、前記マント部および表面の前記一部の寸法と、骨の前記体積領域の位置とを決定する工程とを含む。
【0049】
このように、画定された安全距離は、傷つきやすい解剖学的構造が損傷するリスクを最小限に抑える。解剖学的構造と体積領域との間の安全距離は、解剖学的構造自体に応じて及び患者に応じて変化することができる。
【0050】
有利には、3次元画像を提供する工程は、
・患者の骨の前記一部のX線写真及び/又は核磁気共鳴及び/又はX線体軸断層撮影及び/又はエコーグラフのコピーを得ることを含む。
【0051】
3次元画像は、全てのデータが適切なソフトウェアを介して3次元画像を形成するために得られるのを可能とする標準的な体積領域の医療調査によって形成されることができる。多くの異なる研究が単一の3次元画像を形成するためにともに使用されることができる。
【0052】
例示的な実施形態において、本発明の方法は、
・前記ガイド面に対して1つ以上の所定角度だけ前記ガイド壁の全てを角度づけ、第2のマント部を形成することを含み、
前記第2のマント部は、前記骨体積領域のマント部の幾何学的拡張部であり、前記作業領域の前記周囲から延在しており、
それにより、各ガイド壁について、前記3次元画像において特定された除去される前記骨体積領域の内側の1つ以上の切断方向に対応するように、1つ以上の作業方向を決定することを含む。
【0053】
除去される骨の体積領域のマント部をガイドにおいて「再現」すること、すなわち、ガイドが第1のマント部の幾何学的な連続性の第2のマント部を含むようにガイドを設計したことにより、第2のマント部の各セグメントが、除去される骨体積領域を区切るマント部に属する対応するセグメントと、骨表面の一部との間に同じ所定角度を有するようになることにより、3次元画像において特定された骨の体積領域の3次元構造は、また、ガイドを介して再生される。切断するための開始面が作業領域を介して区切られているので、骨の内部の深さ方向に貫通する方向は、作業領域の周囲の各点について第2のマント部を介して決定される。このようにして、3次元画像において除去される骨の体積領域の深さが展開して確立される。
【0054】
幾何学的な連続性は、継続することができる。すなわち、第2のマント部は、ガイドがその壁により外側骨表面上に載置されている場合には第1のマント部と連続的であることができ、又は、ガイドがその壁により骨の外表面から離れている場合には第1のマント部との間に間隙を有することができる。後者の場合において、第2のマント部は、第1のマント部に対して離れているが、双方とも、第1のマント部の母線ラインによって形成された同じ線織面に属する。
【0055】
好ましくは、本方法は、ガイド面に対して30°から160°に含まれる角度で前記面を角度づける工程を含む。
【0056】
上述したように、面の角度づけは、一定ではなく、面は、除去される骨の体積領域のマント部の拡張部に追従することから、異なる角度を有することができる。したがって、面とガイド面との間の角度づけは、それも一定にすることができるのと同様に、同一面内で可変とすることができる。
【0057】
より好ましくは、複数の角度が画定される場合、本方法は、点又は線によって与えられる第1の作業深さ、前記マント部に属するセグメントの交点を画定する工程と、複数の切削方向を画定する工程とを含む。換言すれば、マント部は、除去される骨の体積領域の最大深さを画定するように、それが形成されたセグメントの角度づけに起因してそれ自体を閉じることができる。
【0058】
様々な切削方向間の交差は、骨の内側の最大深さの点又はセグメントを画定する。したがって、全ての面を壁面あたり1つ以上角度づけることにより、第1の作業深さと称される自動最大切削深さが得られる。
【0059】
好ましくは、本方法は、所定厚さで前記ガイドの1つ以上の壁を形成する工程を含む。すなわち、ガイド面と、ガイドの壁に属しつつ、最も遠いガイド面に対して垂直に沿った点との間の距離は、第2の作業深さを画定するように所定の予め設定された値に等しい。
【0060】
壁の厚さは、壁の内面に載置することによって動作する切削ツールのための「当接要素」として動作することができる。切削ツールは、壁に載置しているガイド上で作用し、ガイドの壁の端部に当接する切削ツールにおいて停止要素がある場合、換言すれば、切削ツールの先端から所定距離に当接要素がある場合、所定の切削深さに達したとき、停止要素は、骨内への切削ツールのさらに深い導入を阻止するガイドの壁の1つ以上に当接する。このように、切削ツールは、所定点を越えて、すなわち、停止要素が壁自体の上面に当接したときに骨の内部に貫通することができない。
【0061】
好ましい例によれば、前記ガイドを設計する工程は、窓部が形成されたガイド本体を提供する工程を含み、前記本体は前記ガイド面を含む底面を含み、前記窓部は前記作業領域を含む。
【0062】
したがって、実施形態において、ガイドは本体を備え、前記本体は、ガイドが骨に面する底面を含む。すなわち、それは、ガイド面を含み、本体内において窓部、換言すれば、切断しなければならない骨表面の一部が視認可能である本体内部における開口が形成される。
【0063】
異なる好ましい例によれば、前記ガイドを設計する工程は、底面及び1つ以上の側壁を含むガイド本体を提供する工程を含み、前記底面は前記作業領域を含み、前記側壁は前記ガイド壁を含む。
【0064】
この例示的な実施形態において、除去される骨の外表面の一部は、ガイドの本体によって覆われ、表面の周囲は、本体の周囲のガイド壁によって画定される周囲にしたがって切断される。
【0065】
さらに好ましい例によれば、前記ガイドを設計する工程は、ガイド本体を提供する工程を含み、
前記ガイド本体が、底面を含むとともに、外側本体及び内側本体に前記本体を分割するそれ自体で閉じたチャネル(a channel closed on itself)を含み、
前記底面が前記作業領域を含み、
前記チャネルが前記内側及び外側本体にそれぞれ属する対向する内壁及び外壁を含み、
前記外壁が前記ガイド壁を含む。
【0066】
このさらなる例において、本体は、作業領域を画定するチャネルを有する。チャネルはまた、チャネル自体によって区切られた周囲に沿って骨を切断するためにその内部に挿入された切削ツールを案内するために使用される。この例示的な実施形態において、切削ツールは、チャネルの対向する壁によって作業領域の周囲に沿った摺動以外のさらなる動きを実質的に阻止される。
【0067】
さらなる態様によれば、本発明は、前述の態様に関連して説明した方法にしたがって製造されるサージカルガイドに関する。
【0068】
好ましくは、ガイドは、前記壁の厚さが1mmから20mmの間に含まれているようなものである。
【0069】
この範囲の厚さにより、骨採取に通常使用される全ての深さに達し、多くの場合に動作することが可能である。
【0070】
好ましくは、前記作業領域の前記周囲は、四辺形を含む。
【0071】
作業領域の周囲は、大きく変化することができるが、さらに湾曲側面を有する四辺形が好ましい。
【0072】
さらなる態様によれば、本発明は、
・第2の態様にかかるサージカルガイドと、
・前記ガイドと協働して骨の一部を切断するための切削ツールと
を含む外科用キットに関する。
【0073】
好ましくは、キットの前記ガイドは、段差付き要素を含み、前記切削ツールは、前記段差に当接するのに適した停止要素を含む。
【0074】
ガイド及び切削ツールは、例えば、各停止要素を有する切削ツールが到達する最大深さになるように段差付き要素が配置される採取のための所望の1つである各ガイドがその種類のガイド用にパーソナライズされた切削ツールに関連付けることができるようにキットを形成する。
【0075】
あるいは、同じガイドは、異なる点に配置された停止要素と関連付けられた多くの切削ツールを有することができる。それにより、骨切り術の設計に応じて異なる深さに到達することもできるし、又は切断が行われる周囲における点に応じて異なる深さに到達することもできる。
【0076】
本発明の利点は、目的を制限することなく、添付図面を参照することによってその詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】1a、1b、1cは、本発明にかかる方法の第1の工程に関連する下顎の一部の3次元画像の、それぞれ異なる角度からの斜視図を表す。
図2】2a、2b、2cは、本発明にかかる方法の第2の工程に関連する下顎の一部の3次元画像の、それぞれ異なる角度からの斜視図を表す。
図3】3a、3b、3cは、本発明にかかる方法の第3の工程に関連する下顎の一部の3次元画像の、それぞれ角度からの斜視図を表す。
図4図4は、本発明の方法にしたがって製造されたサージカルガイドの横断面における概略図を表す。
図5図5は、本発明の方法にしたがって製造されたサージカルガイドの横断面におけるさらなる概略図を表す。
図6図6は、本発明にかかる方法の一部を実施するための装置の概略図を表す。
図7図7は、本発明の方法にしたがって製造されたさらなる好ましい例にかかるサージカルガイドの横断面における概略図を表す。
図8図8は、本発明の方法にしたがって製造されたさらなる好ましい例にかかるサージカルガイドの横断面における概略図を表す。
図9】9aおよび9bは、本発明にかかる方法の工程の横断面における概略図を表す。
図10】10aおよび10bは、本発明の方法にしたがって製造されたさらなる好ましい例にかかるサージカルガイドの横断面における概略図を表す。
図11】11aおよび11bは、本発明の方法にしたがって製造されたさらなる好ましい例にかかるサージカルガイドの横断面における概略図を表す。
図12】12aおよび12bは、本発明にかかる方法の工程の横断面における概略図を表す。
図13】13aおよび13bは、本発明の方法にしたがって製造されたサージカルガイドの斜視図を表す。
図14図14は、本発明の方法にしたがって製造されたさらなる好ましい例にかかるサージカルガイドの横断面における概略図を表す。
図15図15は、本発明の方法にしたがって製造されたさらなる好ましい例にかかるサージカルガイドの横断面における概略図を表す。
図16図16は、本発明の方法の工程の概略図を表す。
図17図17は、本発明の方法のさらなる工程の概略図を表す。
図18-1】18a、18b、18cは、本発明の方法の工程の一部を表す。
図18-2】18d、18eは、18a、18b、18cに続く本発明の方法の工程を表す。
図19】19a、19b、19cは、本発明の方法の第1の適用形態を表す。
図20】20a、20b、20cは、本発明の方法のさらなる適用形態を表す。
図21】21a、21b、21cは、本発明の方法のさらなる適用形態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0078】
最初に、図4図5図7から図11b、図14及び図15を参照すると、下顎骨の採取を行うためのサージカルガイド1が全体的に示されている。
【0079】
ガイド1は、骨Oの上、特に骨切り術が実施される下顎の一部に載置して描かれている。ガイドが載置されている骨Oの表面4は、骨の外表面である。図面は、骨として下顎を表しているが、本発明の教示は、任意の他の骨にも適用することができる。
【0080】
用語外表面4とは、骨の接近可能な表面(accessible surface of the bone)を意味する。
【0081】
サージカルガイド1は、患者の解剖学的構造及び下顎骨採取の寸法に依存する構成を有する。骨採取は、骨の欠点(bone deficit)に基づいて、その患者に依存して行われる。本発明の方法にしたがって「患者に依存する」ガイドを製造することが、ガイドの構造の説明に続いて明記される。
【0082】
ガイド1は、外周囲3によって区切られた作業領域2を含む底面を含む本体80を含む。作業領域2の外周囲3の面内の構成は、円形、楕円形、長円形など、大幅に変化させることができ、好ましくは、N辺を有する多角形を含むが、多角形の辺は必ずしも直線状ではなく、曲線状部分が存在することができる。
【0083】
作業領域2の寸法は、患者において行われる骨採取の寸法に依存する。実際に、作業領域2は、使用時にガイド1が面する骨Oにおける外表面4の領域6を区切る。作業領域2は、領域6より大きく、より小さく、又は同じとすることができる。
【0084】
さらに、底面は、ガイドが患者の口内に配置されたときに骨Oに面した面(以下ではガイド面8と称する)を含む。好ましい例では底面は、骨Oと接触する。ガイド面8は、作業領域2を含む。好ましくは、ガイド1が骨Oの表面4に接触している場合、そのようなガイド面8は、下顎骨の表面4におけるガイド1の載置が可能な限り安定するように形成される。すなわち、好ましくは、ガイド面8は、それが載置された骨Oの外表面4の形状に実質的に一致する。異なる好ましい例において、例えば、実際に載置が可能でなかった場合又は困難な場合、ガイド1は、間隙がガイド面8と外側骨表面4との間に存在するように骨表面4に対して上方に位置し、ガイド1は、以下に例示するように、例えば、1つ以上の歯に固定される。
【0085】
ガイド面8は、(図4及び図5においては説明の簡略化のために平面で近似されていても)必ずしも平坦ではない。幾何学的に完全な平面に対応していない骨の表面4の解剖学的構造に依存することため、ガイド面8は湾曲して不規則であってもよい。図7図8図9aから図11b、図14及び図15において、ガイド面8及び骨Oの表面4のより現実的な表現が提供される。
【0086】
ガイド1はまた、本体80において、作業領域2を区切り且つガイド面8から立ち上がる1つ以上の壁5a,5b,5c,5dを含む。壁の数は周囲3の構成に依存し、例えば、四角形の場合には4つの壁がある。壁はまた、連続性を達成するため単一の壁を幾何学的に形成することができる。図4図5図7から図11b、図14及び図15において、対向する壁5a及び5cのみが視認可能である。
【0087】
ガイド1の少なくとも1つの壁5a,5b,5c,5d[好ましくは例えば図4図5図7から図11b、図14及び図15においてみることができる壁5a及び5c、より好ましくは残りの壁5b及び5d(及びガイド1に含まれるいかなる数の壁)も含む各ガイド壁]は、ガイド面8と所定角度を形成する作業領域2に向かって面する内面7a,7b,7c,7dを含む。任意数Nの壁を含むガイドの場合、それらの少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは全ての壁は、所定角度を形成する実質的に平坦な内面を含む。壁5a,5b,5c,5dはまた、1つ以上の面を含むことができる。壁に属する内面とガイド面との間に形成される角度、及び、他の又は同じ壁の他面とガイド面との間に形成される角度は、一致しても異なっていてもよい。しかしながら、全ての壁がそのような面を含む必要はない。
【0088】
なお、面7a−7dは、全体の壁自体を拡張して、周囲3から延在する必要はなく、その一部だけの延在でよいことを理解すべきである。他の接合面が存在することができる。
【0089】
各面7a,7b,7c,7dは、線織面(換言すれば、そのそれぞれが作業領域2の周囲3から延在する複数のセグメントから形成された面)を含む。したがって、周囲3の各点について、セグメントはそれから延在し、作業領域の面又はガイド面と所定角度を形成する。このことから、各面が複数の角度をガイド面8と形成することができることは明らかである。すなわち、異なる各セグメントに対してそれぞれ一つの角度が形成される。
【0090】
好ましい例において、ガイドの壁5a,5b,5c,5dの全ては、各内面7a,7b,7c,7dを含み、作業領域2は、そのような面によって周囲3の周りにおいて全て区切られる。この場合、面は、作業領域2の周囲に連続表面を含む連続するマント部を形成する。マント部自体は、それぞれがガイド面と画定された角度を形成する複数のセグメントから形成された線織面である。
【0091】
以下、図面において視認可能な壁5a,5cの構造をちょうど参照するが、そのような説明はまた、本発明のガイド1に含まれる他のN個の壁にも適用される。
【0092】
ガイド面8と内面7a,7cを形成するセグメントとの間の所定角度は、好ましくは、30°から160°に含まれる。各面は、例えば図4及び図5に示すように、他の面とガイド面8との間に存在する角度に対して異なる角度だけ角度づけられることができ、壁5aの面7aとガイド面8との間の角度aは、壁5cの面7cとガイド面8との間の角度bよりも小さい。
【0093】
壁5a−5dの内面に属するセグメントによって形成される角度の値は、体積領域が採取されなければならない骨の解剖学的構造に依存する。図7及び図8において、様々な角度が示されている。図7において、壁5aのセグメントは、ガイド面と90°未満の角度を形成するのに対して、対向する壁5cのセグメントは、ガイド面8と90°よりも大きい角度を形成する。図8の他の例において、表示された双方の角度は、90°を超えている。
【0094】
各面7a,7cにおける周囲3の各点について、面に属する各セグメントの拡張部を画定することが可能であり、拡張部は、骨Oの内側に延在している。特に、このセグメントの拡張部は、面7a,7cとガイド面8との間に画定されたのと同様の角度だけガイド面8に対して傾斜したままである。そのような所定角度a,bによって画定される方向に沿った骨Oの内側のこのセグメントの拡張部は、以下においてより明確に説明するように、骨の内側の作業方向を画定する。
【0095】
複数の内面7a,7cが存在する場合において、壁5a,5bあたりに少なくとも1つは、それぞれがセグメント及びガイド面8と所定角度で角度づけられたそれらの拡張部(extensions)を含み、同様にして、複数の作業方向が画定され、下顎の内側に交差することができる。図4及び図5において、内面7a及び7cから延在する2つのセグメントによって形成されるそのような作業方向は、それぞれ、L1及びL2で示されており、第1の作業方向は、内面7aのセグメントによって画定される作業方向であり、角度aを形成し、第2の作業方向は、内面7cのセグメントによって画定され、角度bを形成する。図4及び図5においてみることができるように、2つの作業方向L1及びL2は、下顎Oの内側の点で交差する。
【0096】
面7a−7dが連続壁を形成する場合、すなわち、マント部が線織面を含む場合、それは作業領域2を囲む。
【0097】
ガイド面3、作業領域2及び壁5a−5dに加えて、ガイドは、例えば、下顎骨切り術の場合には、例えば図8及び図10aにおいて視認可能である歯固定要素70のようなさらなる要素を含むことができる。
【0098】
さらにまた、ガイド面8に対して実質的に垂直な方向において、ガイド壁5a,5cは、厚さS(図5において視認可能)を有し、厚さとはガイド8の面からガイド8の面に対して実質的に垂直な方向に対する最大距離を意味し、好ましくは1mmから20mmの間で構成される。各壁は、壁5aが壁5cよりも厚い図5の例のように、他の壁のものに対して異なる厚さを有することができる。
【0099】
例示的な実施形態において、ガイド面8の反対側の各壁の端部は、以下に詳述するように、下顎の切断及び除去動作を実行するのに適した装置(以下に詳述する)についての停止位置を画定する。特に、好ましくは1つ以上の壁5a,5cは、切断装置が載置され且つその摺動を阻止するために実質的に壁自体の上部に段差付き要素又は形成23を含む。
【0100】
図4及び図5において、ガイドの第1の好ましい実施形態が示されている。ガイド1の本体80は、作業領域2に対応する窓部(window)を含む。実質的に、本体80は、「穿孔(perforated)」されており、平面の孔の表面は作業領域2を構成する。ガイド面8に形成された窓部2は、壁5a−5dに囲まれている。したがって、壁は窓部を囲み、内面7a−7dは窓部に向かって面する。窓部は、除去される骨の表面の一部6と一致する。作業領域の周囲3は、窓部2の周囲である。したがって、示された作業方向L1及びL2は、窓部を介して骨Oにおいて延在する面7a及び7cのセグメントの拡張部に対応する。
【0101】
図14に示される好ましい例において、作業領域2及びその周囲3は、骨Oの外表面4に載置されていないが、ガイド1は載置されてある。換言すれば、ガイド1は、周囲3によって区切られた窓部(作業領域)2を常に含むが、そのような周囲は、骨の外表面4の一部の周囲6と一致せず及び/又はガイドはその上に載置されない。実際に、外表面6と作業領域2の周囲3との間には間隙がある。換言すれば、ガイド1は、作業領域2を区切り且つ作業領域と外側骨表面4との間に配置された壁及び面に加えて他の壁及び他の面を含むことができる。図14の例のように、これらのさらなる壁は、骨Oの表面におけるガイド1の載置を単純化して助けることができる。ガイドの壁の面7a,7b,7c,7dは、骨の体積領域のマント部とガイドの壁の面によって画定されたさらなるマント部との間に間隙があるどうかにかかわらず、除去される骨の体積領域のマント部の幾何学的な連続性である壁と画定されたままである。しかしながら、この幾何学的な連続性が存在するために、2つのマント部は、同じ母線ライン(generatrix lines)によって生成されなければならない。
【0102】
図15において、ガイド1は、いかなる方法でも骨Oに載置されておらず、そこから上方に位置する。すなわち、骨表面4と作業領域2との間に所定距離がある。ガイド1がなおも骨Oの外表面6に面するがそこから上方に位置するのを可能とする取り付けの種類は、例えば歯科固定部70を介している。
【0103】
図14及び図15の好ましい例において、作業領域2の周囲及び骨Oの外表面の一部6の周囲は一致していない。面7a−7dの角度に応じて、そのような作業領域2の周囲3は、除去される骨表面の部分の周囲よりも大きく又は小さくすることができる。詳細には、作業面と面との間の角度が鈍角である場合に大きく、鋭角である場合に小さい。
【0104】
いずれの場合においても、これらの図14及び図15の好ましい例において、骨体積領域30のマント部38の母線と面7a−7d自体との間の幾何学的な連続性がある。換言すれば、体積領域30のマント部及び面7a,7b,7c,7dは、マント部と面との間に隙間があっても、同一の母線ラインによって生成される。
【0105】
骨Oの外表面上の作業領域2の周囲3の突起は、マント部の母線に続く突起を考慮して一部6の周囲と一致する。好ましくは、母線によって形成された3次元表面、体積30のマント部を画定して含む面及びガイド1の面7a−7dを考慮し、一部6の周囲及び作業領域の周囲は、体積30のマント部及び面7a,7b,7c,7dの母線ラインによって形成された線織面と2つの別個の平面の交差によって与えられた2つの周囲である。
【0106】
図11a及び図11bにおいて、ガイド1の異なる好ましい例が示されている。本体80は、孔を有していないが、この場合、本体のベース自体、すなわち、底壁は、作業領域2、骨の外表面に載置されるベースに対応する。底壁の周囲は、ガイド領域の周囲3に対応する。本体80はまた、作業領域2を区切るガイド壁5a,5b,5c,5dに対応する1つ以上の側壁を含む。また、この場合、壁の数は、周囲3の構成及び本体80の形状に依存する。
【0107】
ガイド壁の少なくとも1つは、それぞれがガイド面8と所定角度を形成する複数のセグメントを含む内面7a,7cを含む。この場合、面は、除去されない骨表面に向かって面している。図4及び図5の好ましい例とは異なり、この実施形態において、除去される骨の表面6は、作業領域2によって「覆われて」いる。
【0108】
前の例と同様に、各面は、線織面を含む。換言すれば、それはそれぞれが作業領域2の周囲3から延在する複数のセグメントから形成される。したがって、周囲の各点について、セグメントはそれから延在し、ガイド面と所定角度を形成する。壁がマント部を形成する場合、マント部自体は、それぞれがガイド面と画定された角度を形成する複数のセグメントから形成された線織面である。マント部は、この場合、本体80の側壁の表面の合計によって与えられる。作業方向L1及びL2はまた、図11a及び図11bにおいて表示される。
【0109】
図11a及び図11bの例において、ガイド面及び作業領域は、実質的に重複し、図の例ではそれらは一致する。しかしながら、図8の場合と同様に、ガイド面は、作業領域2に対してさらに延在することができる。この場合、例えば、歯固定要素70(この場合には示されていない)の存在に起因して、さらに延在することができる。あるいは、ガイド又は単に作業領域は、骨表面4から所定距離に配置することができ、したがって、作業領域の周囲は、この距離又は間隙に及び面の角度に依存する。そのような場合、切削ツールがガイドの面に載置されているとき、切削ツールが周囲31において骨を切断する。
【0110】
図10a及び図10bにおいて、ガイド1の第3の好ましい例が示されている。この例において、本体80は、その全体の厚さにわたり本体80を通る閉じた経路を形成するチャネル91を含む。したがって、リングのような形状のチャネル91は、内側本体92及び外側本体93に本体80を分割する。チャネル91はまた、互いに対向する外側本体93に属する1つ以上の外壁5a,5b,5c,5d及び内側本体92に属する1つ以上の内壁95を含む。外壁は、ガイド壁に対応し、チャネル91の外壁を介して区切られたガイド面の一部は、作業領域2に対応する。換言すれば、作業領域は、骨上に載置する内側本体91の底壁及びチャネル91の厚さによって区切られた領域から形成されている。周囲3は、外壁5a−5dの周囲によって与えられる。
【0111】
外壁において、1つ以上の面7a−7dは、それゆえに、線織面を形成するセグメントがガイド面と所定角度で角度づけられた線織面を含んで形成される。チャネルの外壁が連続性の解決策によって単一面を形成する場合、チャネル91は、互いに面する外側マント部及び内側マント部を含む。
【0112】
この場合にも、あるいは、ガイド又は単に作業領域は、骨表面4から所定距離に配置することができ、作業領域の周囲、すなわち、チャネル91の位置は、この距離又は間隙及び面の角度に依存する。そのような場合、切削ツールがガイドの面に載置されているとき、切削ツールは周囲31において骨を切断する。
【0113】
図13a及び図13bにおいて、ガイド1について2つの全体の斜視図が示されている。ガイド1は、この場合には窓部2を含む本体80を含む。傾斜した面7a,7b,7c,7dが視認可能であり、単一のマント部を形成する。
【0114】
記載されたガイド1は、本発明の方法にしたがって形成される。
【0115】
体積領域調査は、再建手術を必要とする患者Paに対して行われる。そのような体積領域調査は、例えば、複数のX線写真、TAC、NMR、エコーグラフなどを含む。これらの技術はいずれも、可能な限り完全であるデータの量を得るように、同様に患者及び治療介入の種類に応じて組み合わせることができる。
【0116】
手術の種類に応じて、関与する骨の全体又はその一部のみに関するそのような調査を行うことができる。以下、単なる例として、関与する骨は患者の下顎である。
【0117】
そのような調査の結果は、模式的に図6に示された電子プロセッサ100のメモリ又はメモリサポート(図示しない)に保存される。
【0118】
例として、そのような調査結果は、複数ファイルのDICOMデータセットとして又は単一ファイルのDICOMデータセットのようなDICOM形式(.dcm)の体積領域画像として保存されることができる。
【0119】
例えば、Free for Modelling(登録商標)、Simplant(登録商標)などの市販されているソフトウェアなどの適切なソフトウェアを使用して、保存された画像のデータが処理され、関心のある下顎の一部(又は全ての)の3次元画像20が作成される。3次元画像は、下顎(又は上述したようにその一部)、並びに、血管、神経、歯根及び好ましくは筋肉組織などの他の解剖学的構造を示している。好ましくは、少なくとも歯根並びに血管及び神経が延在する骨の内部空洞の骨輪郭が画像に表示される。
【0120】
3D画像、すなわち、軸(X,Y,Z)に沿った画像は、骨表面及び必要な骨の深さの双方を特定することができることから、骨切り術を行うために術者が正確に骨の部分を特定するのを可能とする。
【0121】
好ましい最初の工程によれば、まず、自己骨移植を行うために採取される自己移植骨の体積領域の大きさが3次元画像において特定される。実際に、「失われた」領域の拡張部によれば、その後に歯科用インプラントを実行できるように許容可能な構成に骨を復元できるようにするために、どのくらい多くの骨が採取される必要があるかが確立される。したがって、拡張部、より正確には患者から除去される必要がある骨の体積領域30が損傷の程度に応じて確立される。
【0122】
第2の工程において、術者により、上記画定された寸法によって必要な骨の体積領域の採取を行うための骨の領域は、下顎の場合、特に好ましくは外側斜線又は顎結合の場合、患者の下顎(又は一般には骨の)の一部の3次元画像20において特定される。したがって、術者は、実行される採取の寸法を考えて、どの領域がそのような採取のために最も適しているかを評価する。
【0123】
最善の方法でそのような評価を行うために、採取される骨体積領域の寸法のみが考慮されるべきでない。図1a−図1cに示されるように、採取する必要があると上述したように確立された寸法を有する骨の体積領域30を考え、術者は、体積領域調査からコンピュータによって得られた3次元画像20において、神経、血管、筋肉、歯構造などを含むことができる患者Paの傷つきやすい解剖学的構造21を特定する。図1a−図1cにおいて、管状要素として特定されて示された傷つきやすい解剖学的構造21は、血管又は繊維束を含む。歯根21はまた、同じ画像において他の傷つきやすい構造が特定される。好ましくは特定された傷つきやすい構造の全ては、骨の採取中に除去又は損傷されてはならない。この目的のために、好ましくは、術者は、実質的に傷つきやすい構造21の周囲に安全領域を画定する、傷つきやすい構造21に対する最小近傍制限を確立する。好ましくは、各傷つきやすい構造21と採取される骨の体積領域30との間の最小距離Dは0.5mm以上である。そのような距離はまた、傷つきやすい構造に応じて、すなわち、構造21の種類に応じて異なることができ、最小距離は、大きいか又は小さくすることができる。さらにまた、そのような距離は、患者の完全な臨床的背景に応じて変えることができる。そのような距離Dの表現は、例えば傷つきやすい構造21と採取される骨の体積領域30との間の最小距離が示されている図4によって与えられる。
【0124】
3次元画像20において、骨の一部がその後に求められ、傷つきやすい構造21に触れることなく、そのような体積領域30が「画像内に配置されている」(したがって患者において除去される)ことができる。すなわち、下顎の位置には、特定された全ての傷つきやすい解剖学的構造21から最小安全距離である骨の体積領域30がある。
【0125】
除去される骨の体積領域30は、周囲31を有する外側下顎骨表面の一部6によって区切られ、一定であってもなくてもよい所定深さにわたり骨Oの内側に延在している。除去される体積領域は、図1a−図1c及び図3a−図3cにおいて30で示されており、灰色の体積領域として描かれている。下顎骨表面の一部6の外側周囲31から、マント部38は、骨体積領域30の側面を区切って延在している。必要に応じて、体積領域は、以下に詳述するように、最終的に底面39によって区切られる。
【0126】
マント部38は線織面である。
【0127】
まず、骨の表面4が除去される表面の一部6を含むことができる領域が3次元画像において強調表示される。そのような除去される表面の一部は、3次元画像において強調表示される。
【0128】
面の一部6は、結果的に、骨切り術の周囲、すなわち、体積領域30に属する除去される下顎骨の表面6を囲む周囲31を画定する。そのような周囲31は、好ましくは以下を含む幾何学図形である。
・後方又は右側の制限32
・前方又は左側の制限33
・下側の制限34
・上側の制限35
【0129】
周囲は、任意の構成を有することができ、平面図において、円形、楕円形、長円形とすることができ、又は、曲線状にもすることができるN個の辺を有する多角形を含むことができる。
【0130】
上述したように、周囲31は、単一平面内に配置されなくてもよい。
【0131】
さらに、マント部38は、周囲31から延在している。マント部は、所望の厚さの骨体積領域を得るために外科医によって又は術者によって画定されるが、同時に骨Oに含まれる傷つきやすい解剖学的構造21の全てを回避する。したがって、マント部は、線織面として、すなわち、複数のセグメントの集合として形成される。各セグメントは、骨Oの内側の周囲31の点から延在している。セグメントと除去される骨の表面の一部6との間の角度は、周囲の一部について一定とすることができるか又は周囲の各点について変更することができる。
【0132】
マント部38は、記載された周囲31の構成を考えると、多くの壁に分割されると考えることができる。各壁についてセグメントが全て同じ角度を形成する場合には平面L1,L2,L3及びL4によって図2において特定されるように、各壁についての作業方向を定義することが可能である。図2では、平面L1,L2,L3及びL4は、後方又は右側32において、前方又は左側33において、下側34において及び上側35において周囲の一部からマント部38の形状を区切るために骨の内側に延在する。
【0133】
マント部38の一部を形成する様々なセグメントによって画定された角度に応じて、マント部自体閉じるか又は開くことができる。閉じたマント部38の場合、様々なセグメントは、角度及び/又は幾何学的形状に応じて点又は1つ以上の部分で互いに交差することができる。様々なセグメント間の点又は交差線は、骨内の体積領域30の深さPを決定する。例えば、図4及び図5において、骨の体積領域30は、骨表面の一部6及びマント部38を含み、方向L1及びL2に沿ったセグメントは、点で互いに交差して表示される。交点と面4との間の距離は、体積領域30の深さPを決定する。
【0134】
あるいは、マント部のセグメントが互いに交差せず、したがって、「開いた」マント部が存在する場合又は交点があるが交点で得られた体積領域の深さが過剰である場合、体積領域30は、骨の外表面の一部6とは反対側においてマント部38を閉じる追加の底壁39を含む。外表面の一部6と底壁39との間の距離は、この場合、体積領域30の深さを決定する。この場合は、図12a及び図12bに示されており、深さはP2と称される。深さは、体積領域の内側において変化することができ、表示されているものは、最大深さとする。
【0135】
好ましくは、体積領域30の底壁39は、最も抵抗がない各骨Oに存在する線や自然の輪郭、すなわち、強制されたときに骨が最も容易に切り離す傾向がある「骨面」にしたがうことによって形成される。
【0136】
体積領域30の上記画定されたこれらの幾何学的な制限のそれぞれは、本発明の方法の好ましい例によれば、ガイド1における対応する1つを有する。
【0137】
特に、本方法は、ガイド1を設計し、除去される体積領域30の外表面の一部6に連結された作業領域2を含むようにそのパラメータを定義する工程を予測する。ガイドが骨の外表面上に載置された場合には、作業面の領域及び周囲は、除去される表面部分の領域及び周囲と一致する。そうでない場合、作業領域2のそのような周囲及び領域は、ガイドの壁の面7a,7b,7c,7dに与えられる角度に応じて、除去される骨の外表面4の一部6の領域及び周囲よりも大きいか又は小さい。ガイドが配置される骨の外表面4からの距離及び面の角度を知ることにより、作業領域の周囲は、容易に算出されることができる。さらに、ガイド1は、作業領域2を囲み且つガイドが除去される表面に載置又は面しているときに除去される体積領域30の表面の一部6の周囲31を区切る1つ以上の壁5a,5b,5c,5dを含む。実質的に、壁は、このように設計されたガイドが除去される下顎骨表面の一部6の上に配置されたとき、体積領域30の周囲31に一致するか又は対応する内側周囲3を有する作業領域2を囲む。図2a−図2cに示されるように、好ましい例示的な実施形態において、4つの別個の壁5a−5dは、それぞれ、体積領域30に属する面6の右側の制限32、左側の制限33、下側の制限34、上側の制限35に形成される。
【0138】
上述したように、骨の体積領域30は、除去され、且つ3次元画像20において特定される。そして、骨の体積領域30は、下顎の表面の一部6に対して実質的に垂直な平面に沿って可変とすることができる深さを有する。そのような深さを得るために、ガイド1は、ガイドの少なくとも1つの壁5a,5b,5c,5dが記載された方法で構成された面7a,7b,7c,7dを含むように設計されなければならない。
【0139】
所望の深さに到達するためだけではなく、骨の内側の所定方向にしたがってこの深さに到達することがまた望まれるが、例えば、同じ深さについて、除去される骨体積領域30の全く異なる構成を有することが可能である。
【0140】
ガイド1の壁、したがって、面7a,7b,7c,7dの構成は、骨体積領域30のマント部38の構成によって決定される。
【0141】
体積領域30は、骨の表面6の外に実質的に「延在」された方向に沿って下顎骨の内側に延在しており、そのような方向は、切削ツールが実際にガイドによって設定された方向にしたがって下顎から体積領域30のみを除去することができるように、ガイド面に属するセグメントによって「設定」されている。
【0142】
したがって、ガイドは、ガイドが骨表面4から離れた場合にマント部38の少なくとも一部の間隙を含む拡張部とすることができる幾何学的な拡張部を面7a,7b,7c,7dが形成するように形成される。より好ましくは、ガイド1は、マント部38全体の幾何学的な拡張部を形成する1つ以上の面を含む1つ以上の壁を含む。これらの面は、図2a−図2cに示されている。間隙によって、おそらく分離されているが、幾何学的な拡張部は、ガイドの壁の厚さSを形成するための所望の部分のための骨表面4の外側のマント部38の各セグメントについて連続性を有している。周囲32−35の各制限について、図2a−2cにおいて、周囲を横断し且つマント部38の境界にしたがう平面は、部分的に骨の外側及び部分的に骨の内側であり、強調表示され、この例において、平面L1−L4の骨の内側の平面の一部は、体積領域30のマント部38を画定する一方で、骨Oの外側の平面の一部は、ガイドの面7a−7dによって形成されたマント部を決定する。
【0143】
この好ましい例において、第2のマント部は、したがって、様々な面7a,7b,7c,7dの表面の集合によって与えられるガイド1内に形成される。
【0144】
ガイド1が骨Oの上に載置又は面するときに面7a,7b,7c,7dが骨表面4と形成する角度は、切削ツール(例えば圧電ツール)が前に画定された各制限32、33、34、35について骨表面の一部6に係合しなければならない角度に対応する。換言すれば、体積領域30の各制限は、面の一部6の周囲31の一部を区切るのみならず、切削ツールがその除去において骨の内部をどの方法で、すなわちどの方向で貫通するかを画定する壁の存在のようなガイド1の設計において考慮される。これは、X面−Y面−Z面において非常に正確な作業を可能とする。
【0145】
ガイド1の設計において、深さ制限はまた、必要に応じて切削ツールの作業面上、すなわち、骨の内側の表面6からのツールの貫通の最大深さで画定される。好ましくは、最大深さは、0.5mmから20mmからなり、外側骨表面4に対して実質的に垂直な方向における骨内側の最大距離として最大深さを画定する。最大深さは、好ましくは、ガイド1の壁の厚さ自体Sによって決定される。作業深さの変動は、領域の特定の解剖学的構造、作業面の交点、傷つきやすい構造に対して外科医によって選択された安全制限、及び、処置平面(欠陥/骨ブロックの大きさ)のニーズに依存する。この最大深さは、ガイド面8と実質的に対向する位置において、ガイド1の1つ以上の壁に段差付き構成23を形成することによって決定される。
【0146】
ガイド1の壁の厚さは、様々な壁の間で且つ壁自体内で可変とすることができる。すなわち、単一壁の厚さは一定でなくてもよい。この種の実施形態の例は、図12a及び図12bに示されている。図12aに示すように、異なる厚さは、体積領域30の骨表面の一部6の幾何学的構成に起因して骨内部において同一の深さをもたらすことができる。換言すれば、底壁39は、ガイド1の壁の厚さが可変であったとしても実質的に平坦である。あるいは、図12bにみることができるように、深さは変えることができ、体積領域30の底壁39はまた、非平坦とすることもできる。
【0147】
さらに、深さ制限はまた、様々な作業面の交点が存在する深さよりも小さくすることができる。この深さ制限は、以下において詳述する。
【0148】
プロセッサ又はコンピュータ100内に常駐するソフトウェアを介して、サージカルガイド1は、これまでに定義されたパラメータの全てを尊重して仮想的に生成される。サージカルガイド1は、
・ガイド面8に対して可変厚さを有する1つ以上の壁5a,5b,5c,5dと(好ましくは周囲31を画定する制限32−35に対応するようにガイド面8に対して1mmから20mmの可変厚さを有する1つ以上の壁5a,5b,5c,5dと)、
・作業領域2を区切り且つ(その特定の切断面について開発された設計に応じて)存在する場合に他の面に対して可変傾斜を有する前記壁において画定された1つ以上の内面7a,7b,7c,7dと、
・(その特定の切断面における作業深さについて開発された設計に応じて)好ましくは1mmから20mmの窓部2の周囲3からの長さを有するガイドの各面とを備える。面の長さは、それを区切る周囲3上の2点間の長さとして定義される。
【0149】
図3a−図3cにおいて、上述した工程にしたがってソフトウェアを介し「仮想的に」形成されたガイド1が採取される骨の体積領域30の周囲に表現されている。図からわかるように、ガイドにおける作業領域2の周囲3は、採取される下顎骨の表面の周囲31と一致している。本発明を介して形成されるガイドは、例えば、コンピュータ100におけるモニタを介して、仮想的に形成されて描かれて表示され、又は好ましくはレンダリングされる。
【0150】
好ましい実施形態によれば、段差要素23が、ガイド1の外面11a,11cを含み、好ましくは1mmから5mmに含まれる長さを有し、内面7a,7cに対して実質的に垂直に配置されている。この段差要素23は、またガイドの壁に設計される。したがって、段差要素は、作業領域2を区切る7a,7b,7c,7dの反対側にさらなる外面を含み、以下に詳述するように、切削ツールに形成された停止要素についての当接要素として作用するのに適している。窓部2に面していない壁の残りの部分は、外面11a,11cに加えて、ガイド面8との接合面12a,12cを含む。そのような接合面は、任意の構成を有する。好ましくは、接合面は、作業面ではない、すなわち、除去される骨の体積領域の特性及び寸法を画定するのに使用されていない。
【0151】
さらにまた、ガイド1は、好ましくは、適切な固定手段が下顎の表面4に対してガイドをロックするために挿入することができる図13bにおいて視認可能な一つの開口66(又は多数の開口)を含む。例えば、ガイドは、(専用キットによって挿入される)骨面においてガイドを安定化させるための骨接合用ネジのための一つの孔/複数の孔を含む。
【0152】
またみられるように、患者の下顎に対するガイドの締結を向上させるために歯に載置するためのガイド1における歯科固定要素70を形成することが可能である。
【0153】
概説された方法から、ガイドは、患者の解剖学的構造及び行われる骨採取の寸法に排他的に依存し、したがって、サージカルガイドは、対象の患者にとって固有で特異的である(実質的にカスタマイズされた)ことは明らかである。新たな患者Paについては、新たなガイドを設計する必要がある。
【0154】
上述したように、ソフトウェアは、下顎の表面の一部6によって及びマント部39によって区切られた骨体積領域30を画定するのを可能とするガイドを設計する。そして、3次元画像20上に設計されるものは、採取される現実の体積領域30に対応する。
【0155】
上述した3D画像を処理するそのようなソフトウェアの例は、ここで図16図17及び図18を参照しながら説明される。
【0156】
3D画像20(例えば、図16に表示されるような患者の下顎のTACのファイル)は、それが保存されていた適切なメモリサポートからプロセッサ100の内部にインポートされる。そのようなメモリは、例えば、患者Paの医療CDを含むことができる。あるいは、そのような画像20は、インターネット又はイントラネットからダウンロードすることができる。
【0157】
必要に応じて、自己骨移植を行うことが望まれる欠陥が測定される。すなわち、その寸法(例えば、線形及び体積領域サイズの双方)が決定される。これらの測定値は、代替的に、本発明のソフトウェアによって画像20の測定値から検出することなく、医師によって提供されることができるか又は患者において直接測定されることができる。欠陥の測定値は、採取される骨Oの体積領域30及び/又は採取される骨表面4の一部6の周囲31の測定値に実質的に対応する。
【0158】
画像20において、再度コンピュータ100内のソフトウェアを介して、特定される傷つきやすい構造21は、例えば、術者によって常にみられるように画像20のファイルにおいて直接強調表示される。そのような傷つきやすい構造21は、下顎チャンネル、オトガイ孔、歯根などとすることができる。もちろん、そのような構造の種類は、それが移植のための骨の体積領域を採取するように望まれる骨格の領域に応じて変化する。傷つきやすい構造21は、前の図においては視認可能であるが、図16図18には示されていない。
【0159】
傷つきやすい構造21は、本発明のソフトウェアによって示されて強調表示される。その強調表示は、好ましくは例えば外科医や歯科医などの術者との共同の下で行われる。例えば、術者は、どのような骨密度が「歯」として考えられなければならないかを3次元画像内に示し、それから、ソフトウェアが「歯」の全ての領域を強調表示する。同様に、神経が術者により断面で特定された後にソフトウェアによって連続性のために設定される。
【0160】
いずれの場合においても、術者の関与の有無にかかわらず、画像20から傷つきやすい領域21を特定することができる任意のルーチンが本発明の方法のこの工程において使用されることができる。
【0161】
そして、ドナー部位、すなわち、測定された欠陥を修復するために必要な骨の体積領域30を除去するための部位が選択される。ドナー部位の面積は、特定される傷つきやすい構造21を介さずに同時に欠陥を修復するのに必要な線状及び/又は体積寸法を有する骨の体積領域を採取することが可能であるものの評価に基づいて決定される。
【0162】
本発明のソフトウェアは、必要される骨の体積領域30を採取することができる骨O内の1つ以上の位置を提案することができる。前記体積領域30は、所望の寸法を有するとともに、傷つきやすい構造からの所望の距離を有する。様々な提案のうち、術者は、患者の解剖学的構造、介入の痛み、その困難性などのさらなるパラメータを考慮して最も適切な領域を決定する。
【0163】
好ましくは、安全マージン、すなわち、傷つきやすい構造21(図16及び図17には示されていない)と除去される体積領域30との間に存在していなければならない最小距離Dがまた、術者によって設定されるか、又は、既にデフォルトとして設定される。おそらく、術者及び/又はソフトウェアが傷つきやすい構造21に近すぎて除去される体積領域30を配置しようとする場合に、ソフトウェアが警報信号(例えば可聴な警報信号など)を生成することが、本発明によって予測される。距離Dは、例えば、0.5mm又は1mmなどに等しい。距離Dは、プログラミング可能であり、また、傷つきやすい構造の種類に応じて(すなわち、神経、腱などの傷つきやすい構造のカテゴリに応じて)変化することができ、本発明のソフトウェアにおいて異なる最小安全距離を確立することが可能である。
【0164】
適切な部位、すなわち、そこから所望の体積領域を抽出することができるように十分な厚さを有する骨の領域において十分な拡張部を有する骨の外表面を特定すると、体積領域30は、骨の外表面の一部6によってのみならず、骨の内側のマント部38によって区切られなければならない。
【0165】
このマント部の区切り及び画定のために、骨表面の一部6の位置を決定することにより、複数の2次元画像が好ましくは選択され、そのような画像は、3次元画像の断面であり、断面は、好ましくは、採取のために特定される外側骨表面の一部6に対して実質的に垂直な平面を通って得られる。図16及び図17において、破線は、特定された一部6においてそのような断面を示す骨表面4に対して実質的に垂直な複数の平面Sを示すために使用される。これらの平面Sは、互いに平行であってもなくてもよい。図17は、図18a−18eを参照しながら拡大されて示され且つ以下に詳述されるそのような断面を表す複数のインサートを含む。
【0166】
それゆえに、術者によって又はソフトウェアにおいて直接設定されることによって様々な断面間の間隔、すなわち、図16及び図17の様々な平面S間の距離が確立される。換言すれば、骨体積領域30のマント部38は、骨の外表面の一部6が特定されると、一部6に対して実質的に垂直な平面Sにおいて設定された間隔でその拡張部を画定することによって区切られる。
【0167】
これらの断面Sは、ドナー表面に沿って垂直に描かれている例であり、図17の画像において、それらは、下顎の外側斜枝/線に連続して沿う曲線に対して実質的に垂直な破線として表されている。
【0168】
これらの断面の1つの平面と他との間の間隔は、例えば、0.5mm毎−1mm毎−1.5mm毎などである。
【0169】
各断面、例えば、図17のインサートに示された断面において、体積領域30のマント部の輪郭を表す切断線L1及びL2が選択される。図2a−図2cを参照して、ここで選択される切断線L1及びL2は、それゆえにここで表されるガイド1の面34、35を決定する切断線の部分である。切断線は、好ましくは「二重」である。換言すれば、それらは、(各線について選択された)切削ツールの厚さだけ厚くされる。体積領域30の区切りにおいて、ソフトウェアは、骨体積領域30を除去するために使用される切削ツールが無視できない厚さを有することを考慮し、したがって、骨切り線を表す骨ブロック30の外側の面を画定する外側線L1ext及びL2ext(図示しない)、並びに、骨切り術のネットにおける体積領域の実際の制限、すなわち、体積領域30の実際のマント部38を画定する体積領域における内側線L1int及びL2int(図示しない)が決定される。しかしながら、図面においては、単一の切断面L又はLが明確化のために示されている。
【0170】
切断線又は面、したがってマント部38の画定は、各断面Sにおいて行われる。ソフトウェアにより、マント部38の最も適切な切断線L1及びL2が断面において、好ましくは切断線が画定された後の断面において定義されると、既存の切断線、すなわち前の断面において選択された(同じ角度を有する)切断線との一致する切断線が自動的に提案される。これらの「自動的に提案された」切断線L1及びL2は、術者によって確認又は変更することができる。
【0171】
一例が図18a−図18eによって表示される。この例は、図17のインサートを表す拡大図である。したがって、各図18a−図18eは、アウトラインされて強調表示された平面Sに沿った図17の断面を表す。
【0172】
図18a−図18eにおいて、下顎神経21は、除去される骨の体積領域30に関与しない傷つきやすい解剖学的構造として特定される。
【0173】
図18a−図18eに表される平面Sにおける各断面について、切断線L1及びL2が特定される。好ましくは、第1の断面(図18a)についての切断線L1及びL2のみが術者によって確立され、図18b−図18eの次の断面についての他の切断線がソフトウェアによって自動的に決定される。しかしながら、全ての断面において、術者は、切断線の位置及び/又は角度を変えることによって切断線L1及びL2を変更することができる。
【0174】
切断線のセットは、1つ以上の切断面を含む体積領域30のマント部38を表す。換言すれば、本発明にかかるソフトウェアは、平面又は曲面を介して、線L1の結合面(union surface)及び線L2の結合面を形成するように互いに線L1の全て及び線L2の全てを補間する。「セグメント」が画定される(切断線L1及びL2)単一の断面Sからの体積領域30のマント部38の3次元構造は、連続的な表面を介して線L1を一体に且つ線L2を一体に接合するプログラムによって自動的に生成される。そのような表面、線L1についてのもの及び線L2についてのものは、線L1及びL2に対して実質的に局部的に垂直に延在しており、(2つの断面の2つの平面間の距離に等しい距離である)前の断面及び次の断面の線L1と断面Sにおいて確立された線L1を接合する。また、同様に、線L2についても、前の断面及び次の断面の線L2と、断面について確立された線L2を接合する。そして、すべての面についてそれを行い、最初と最後の断面間の距離に等しい長さを有する線L1の全てを接続する面及び線L2の全てを接続する面を生成する。
【0175】
断面Sの数に応じて、それらは、好ましくは上述したように所定ピッチで離間していることから、除去される骨の体積領域30のマント部38に対応する切断線L1及びL2が特定され、採取する骨の体積領域の−図17の場合には前から後ろへの−長さが決定される。
【0176】
有利には、骨の体積領域30のマント部を区切るため断面を次々に徐々に進めることにより、窓部又はポップアップ又は他のディスプレイが設定時間まで線L1,L2の包絡線を示すコンピュータ100の画面に表示され、それゆえに、骨の体積領域30の全体の大きさとともにそれらの線サイズを制御することが常に可能である。
【0177】
この図示された場合において、互いに平行であり且つ骨の表面4に対して実質的に垂直な平面によって得られた断面Sにおいて動作するように確立されたことから、切断線を介して、2つの表面は、互いに実質的に面する骨の体積領域30を区切って画定される。しかしながら、体積領域の閉じた面、すなわち、Sを形成した最後及び最初の断面において断面に対して実質的に平行な面内で骨の体積領域30のマント部38を区切る面はない。ソフトウェアは、好ましくは、自動的に2つの端面を生成し、様々な断面において画定された切断線L1及びL2を連続的に接合することによって画定された面を閉じる。例えば、これらの2つのさらなる面は、実質的に断面平面S自体において、それぞれ、最初及び最後の断面の切断線L1及びL2をともに接続する面である。しかしながら、異なる構造が予測されることができる。すなわち、マント部38の2つの末端において切断面を確立するために、新たな断面が今までに生成されたものに対して垂直に形成されることができる。
【0178】
このように、連続面であるマント部38が算出される。この連続面は、骨表面4の外側に仮想的に延在された複数のセグメント又は母線ラインによって形成される。換言すれば、マント部38を生成するセグメントは、骨の外側に「伸長」される。
【0179】
ガイドの面は、そのような拡張されたマント部の断面によって与えられる。骨の外側の幾何学的表面は、骨の表面から所定距離で又は骨の表面に接触して区分けされ、この表面はガイドの面を表す。
【0180】
ソフトウェアは、これらのパラメータから一定の高さ及び一定の厚さのガイドを生成する。高さ及び厚さは変更することができる。
【0181】
ガイドは、切断面の骨表面外側の突起であり、換言すれば、ガイドのパラメータは、骨の外側に切断線を拡張して上述したものと同様の方法で得られた新たなマント部を生成することによって決定される。外側に拡張されたそのような複数の切断線はともに接続され、骨の内部に対して上述したように、ガイド1の面7a−7dを形成する。また、複数の切断線はともに接続され、最終ガイドがその上に載置される場合に骨表面6に直ちに接触する位置にマント部を形成するか、又はガイドが配置される外側骨表面4からの距離に応じて、表面から設定距離にマント部を形成する。
【0182】
本発明の方法の任意の工程において、深さ制御、すなわち、ツールがガイドにおいて動作することによって骨の内部に挿入されることができる最大深さの制御が関連する場合、ガイドの高さ(すなわち、骨の表面4からの各点についてのその距離又は換言すれば各面の長さ)は、除去される骨の体積領域30の深さ及びそれゆえに切削ツールを骨自体に導入することができる最大深さを考慮して決定される。
【0183】
このように、ガイド1の壁の面によって画定されなければならない第2のマント部を決定することにより、骨表面4に面するか又は載置されなければならないガイド面8が画定される。そのようなガイド面8は、採取される骨表面の一部を区切る骨構造を考慮して構成されている。
【0184】
代替的に又は追加的に、安定的に固定するためにガイドを患者の歯に固定する必要がある場合に、歯科用支持要素又は表面70を画定することが可能である。この場合にも、患者の解剖学的構造は、採取される骨の一部及び体積領域の周囲において評価される。
【0185】
さらにまた、取付ネジ、すなわち、患者の骨Oにガイドを固定するためのネジ用の孔の位置が好ましくは確立される。
【0186】
ガイドが完了すると、好ましくは、術者は、患者の特定の解剖学的構造に対する完全な適合性のために微細な変更を加えることによって全体としてガイドを評価する。
【0187】
このように、修正生成及び/又はガイドを表示するための全てのデータを含む電子ファイル、すなわち、上述したようにガイド1を製造するための全てのパラメータを含むファイルは、最も適切な形式で生成される。
【0188】
このように設計されたガイドは、したがって、好ましくは、目的に適した任意の公知のプロセスを介して形成される。例えば、ガイド1は、レーザ焼結を介して又は3Dレーザ印刷を介して3次元設計から形成されることができる。ガイドが形成される材料は、例えば、ポリアミド、チタンなどとすることができる。
【0189】
使用時において、患者の歯肉(又は関与する骨が位置している患者の皮膚)が切断され、骨O、すなわち、骨切り術が行われる下顎の外表面が露出される。そして、ガイド1は、除去されなければならない骨の一部を術者にとって視認可能にするように、骨の表面4にガイド面8を介して載置される。あるいは、それは懸架され、除去される骨表面の反対側に面する。実際に、ガイド1なしでは、患者の口を表示することによって患者の解剖学的構造の3次元再構成をもたらす調査によって強調表示された下層の解剖学的構造を再構成することは術者にとって非常に困難である。
【0190】
そして、ガイド1は、骨Oの表面上に載置されるか又は面する。好ましくは、上述したように適切なネジを介してその上にネジ止めされる。代替的に又は追加的に、歯科固定要素70は、患者の骨に対するガイドの変位を最小化するために使用される。適切な切削ツール50(図5図9b、図12a及び図12bに概略的に表示されている)は、例えば圧電切削ツールなどであり、ガイド1の各面7a,7b,7c,7dの上に載置される。切削ツール50は、一般に、細長本体51と、停止要素52とを備える。停止要素52は、段差がある場合には壁5a,5b,5c,5dの1つの段差付き構成23に当接するのに適しており、または段差がない場合には壁自体の端部に当接するのに適している。細長本体51の端部において、骨Oを切断するのに適したフライスカッター、ブレード又はレーザなどの切断手段54が存在する。好ましくは、停止要素と切断手段54が存在する端部との間の距離は、2mmから30mmからなる。
【0191】
好ましくは、停止要素52は、細長本体51の端部に対して調整可能な距離を有し、又は、それぞれが停止要素と切断手段との間の異なる距離を有する複数の切削ツール50が利用可能である。
【0192】
ツール50は、細長本体51がガイド1の面に横方向に当接して、且つ切削手段54を有する端部が骨O上に載置して配置されている。そして、切削ツールは、切断手段が存在するのとは反対側の端部によって与えられた圧力で細長本体が当接する面7a,7b,7c,7dの位置によって与えられた方向に骨を切断する。換言すれば、切削手段54は、体積領域30のマント部38の骨の外側の幾何学的拡張部としての面に属するセグメントによって決定された切断方向に沿って表面6に貫通する。
【0193】
切削深さ、すなわち、ツールがガイドの面に対して細長本体によって単純に当接可能な深さは停止要素52に依存し、停止要素がガイド1の壁に形成された段差23に当接し且つ細長本体51が面7a,7b,7c,7dに沿ってもはや平行移動することができないことから、所定の深さ以上に骨内部を貫通することはできない。
【0194】
あるいは、切断方向が互いに交差する場合には、骨Oから分離される前に骨の体積領域30が切り離されることから、最大切削深さに達しない。
【0195】
好ましくは、ツール50は、骨Oの表面の一部6が全周31に沿って切断されるまで、ガイドの各壁の各面に載置される。
【0196】
上述したように、採取の最大深さは、停止要素52の位置決めによって且つ切断方向L1,L2,L3,L4の相互の角度付けの双方によって与えられる。様々な面によって且つ上述したようにガイド面8との角度付けによって与えられた切断方向が互いに交差する場合、採取の最大深さは、(切断方向の交差によって与えられ且つガイドの壁の1つとの停止要素の交差によって与えられる)2つの深さのどちらが小さいかに応じて方向の交点によって与えられることができる。
【0197】
方向L1,L2,L3,L4が交差しない場合又は停止要素によって与えられる距離が平面の交差によって決定される深さ未満である場合、骨体積領域は、底面39に沿って切り離される。上述したように底壁が骨の自然破壊線にしたがうことから、この方向における骨は、容易に切り離されることができる。この状況の例は、図9a及び図9bに示されている。図9a及び図9bにおいて、切断方向L1及びL2は、実際に骨Oの外側で交差する。したがって、患者に損傷を与えることなく、そのような厚さの骨を採取することは可能ではない。したがって、体積領域30は、底壁39によって区切られる。切削ツール50により、骨は、ガイド1の壁の厚さの相互協働によって及び停止素子52によって許容される最大深さに到達するまで切断される。ガイド1及び切断要素50は、「ストロークの終わり」において、すなわち、停止要素がガイドの壁5a,5b,5c,5dの1つの段差付き要素23に当接しているときに底壁39に到達するように形成される。
【0198】
どこにおいても、底壁39に一旦到達すると、すなわち、除去される表面の一部6の周囲31の各点について到達すると、骨の体積領域は、示されていない適切なツールを使用して切り離され、それは残りの骨30から容易に分離される。
【0199】
同じプロセスは、チャネル91を有するガイド1が使用される図12a及び図12bを参照しながら行われる。切削ツール50は、閉じたチャネル91内に挿入され、その全体の拡張部を横断し、それゆえに全周囲31を横断する。そして、骨体積領域30は、最大深さが切断方向の交点若しくは線によって又は停止要素によって与えられるものであるかどうかに応じて、上述したように切り離される。この構成において、チャネル91の存在は、切削ツール50の動きの可能性を制限し、したがって、所望の周囲経路31からの偶発的運動の可能性のリスクを最小限に抑える。
【0200】
同様に、ガイドが骨表面の一部6を覆う本体80を有する場合(図10a及び図10bを参照)、切削ツール50はまた、この場合にも、この場合には本体80の側壁であるガイド壁5a,5b,5c,5dに載置される。切削ツール50は、本体80の側壁に対して常に載置されたままである表面の一部6の全周囲31を横断する。
【0201】
したがって、特定の患者の解剖学的構造及び保存される骨体積領域の大きさに応じて特定の患者のために形成されたガイド1が術者に「ガイドされた経路」を課すことから、患者の3次元画像において特定された傷つきやすい解剖学的構造21の全ては、保護されたままである。実際に、骨において切断される表面の拡張部(領域2のもの)並びに追随される骨内部の深さ及び方向の双方がガイドによって決定される。深さは、ツールにおいて停止要素によって又は作業平面の交差のいずれかによって与えられるのに対して、深さ方向は、ガイドの壁の様々な面とガイド面8との間の所定角度又は複数の角度によって与えられる。
【0202】
図19a−図19cにおいて、ガイド1の最初の使用が示されている。この例において、図19aにおいて強調表示されているように、ガイドは、図19aが一例を示している実質的に全ての断面Sについて一定である2つの切断面L1及びL2を画定することによって形成される。換言すれば、好ましくは、線L1の全てともに接続する表面、さらにより好ましくは、同様に線L2の全てをともに接続する表面は平面である。作業領域の周囲3が除去される骨表面の一部6の周囲31と実質的に一致するように、使用中においてガイド1は、外側骨表面4に直接載置される。
【0203】
ガイドは、表面7a,7b,7c,7dを含む壁のみならず、ガイド1自体を良好に固定するための歯科固定要素70を含む。
【0204】
この場合、ガイド1は、顎の骨の体積領域30を除去するように形成される。
【0205】
図20a−図20cにおいて、図19a−図19cのガイド1を介した骨の体積領域30の除去が示されている。図からわかるように、周囲31において且つ切断線L1,L2に沿って骨の体積領域30を切断するように、ガイド1の壁の面上に載置された適切なツール50が使用される。
【0206】
図21a−図21cにおいて、ガイド1の異なる構成が示されており、また、骨Oの表面4に直接載置されている。そのようなガイド1は、横下顎骨における骨の一部を除去するように割り当てられる。図21aは、切断面L1及びL2を区切るための断面Sの1つを示しているのに対して、図21b及び図21cは、除去される骨の一部6を区切るために骨の表面4に載置されるようにレンダリング中におけるガイドをその全体において示している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図18-1】
図18-2】
図19
図20
図21