(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ダンパーハウジング(256)は、前記本体(264)と共に密閉シールを形成する両側の端壁(274、276)を更に備え、前記端壁(274、276)が前記抵抗流路(268)を少なくとも部分的に画定する請求項1記載のダンパーアセンブリ(248)。
前記ダンパーハウジング(256)を密閉シールする前記ステップは、前記抵抗流路(268)が前記プランジャ(260)と少なくとも1つの端壁(274、276)との間に少なくとも部分的に画定されるように端壁(274、276)を前記ダンパーハウジング(256)の前記本体(264)に取り付けるステップを備える請求項17記載の方法。
プランジャ(260)をキャビティ(266)内に用意する前記ステップは、前記プランジャ(260)を前記ダンパーアセンブリ(248)の前記本体(264)内に一体形成するステップを備える請求項16記載の方法。
前記キャビティ(266)及び前記抵抗流路(268)を粘性流体(258)で満たす前記ステップは、前記キャビティ(266)及び前記抵抗流路(268)を金属流体及び油性流体のうちの少なくとも一方で満たすステップを備える請求項16記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
別段に示唆されなければ、ここで与えられる図面は、開示の実施形態の特徴を示すように意図される。これらの特徴は、開示の1つ以上の実施形態を備える多種多様なシステムで適用できると考えられる。したがって、図面は、本明細書中に開示される実施形態の実施のために必要とされるべき当業者により知られる全ての従来の特徴を含むように意図されない。
【0014】
以下の明細書及び特許請求の範囲においては、多くの用語について言及されるが、これらの用語は以下の意味を有するように規定されるものとする。
【0015】
文脈が別段に明確に述べなければ、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」は、複数の参照を含む。
【0016】
明細書及び特許請求の範囲の全体にわたってここで使用される近似する言語は、それが関連する基本的な機能の変化をもたらすことなく許容範囲で変化し得る任意の定量的表現を修飾するために適用されてもよい。したがって、「約」及び「ほぼ」などの1つ又は複数の用語により修飾される値は、明記される正確な値に限定されない。少なくとも幾つかの場合、近似する言語は、値を測定するための機器の精度に対応してもよい。ここでは、及び、明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって、範囲限定が組み合わされ及び/又は置き換えられてもよく、そのような範囲は、特定されるとともに、文脈又は言語が別段に示唆しなければ、そのような範囲内に含まれる部分範囲の全てを含む。
【0017】
また、本明細書中に記載される主題の1つの「実施」又は1つの「実施形態」への言及は、挙げられた特徴も組み入れる更なる実施の存在を排除するように解釈されるべく意図されない。
【0018】
本明細書中に記載されるシステム及び方法は、フルスケールの油以外で潤滑されるターボ機械で用いるのに適したジャーナル軸受アセンブリを提供する。本明細書中に記載される実施形態は、油以外で潤滑されるターボ機械におけるロータアセンブリを支持するために使用されるジャーナル軸受アセンブリの回転抵抗を減らすことを容易にし、それにより、そのようなジャーナル軸受アセンブリの耐摩耗性を高めて、そのようなジャーナル軸受アセンブリの制振能力を高めるとともに、そのようなジャーナル軸受アセンブリの静荷重容量を高める。より具体的には、本明細書中に記載されるシステム及び方法は、多孔質軸受パッドとガス供給穴の配列が画定されて成る軸受パッドとを、軸方向に位置合わせされたダンパーアセンブリ及びスプリングアセンブリと組み合わせて利用する。したがって、本明細書中に記載されるジャーナル軸受アセンブリは、ターボ機械のロータアセンブリを支持するために剛性が高いガス膜を使用するとともに、ターボ機械の動作中に軸受アセンブリにより受けられる動荷重に耐えるために柔軟に取り付けられる軸受パッドを使用する。また、本明細書中に記載されるシステム及び方法は、油以外で潤滑される軸受アセンブリ及びターボ機械で用いる、並びに、油を使用しない動作環境で用いるのに適したダンパーアセンブリを提供する。本明細書中に記載される実施形態は、流体ベースの制振アセンブリを油を使用しない環境に組み入れることを容易にするとともに、油性のスクイーズ膜ダンパーの制振能力に近づくレベルまでそのような制振アセンブリの制振能力を高めることを容易にする。より具体的には、本明細書中に記載されるシステム及び方法は、閉じられた流れ回路を有する密閉シールされた流体充填ダンパーハウジングを、一体形成されたスプリングと組み合わせて利用する。したがって、本明細書中に記載されるダンパーアセンブリは、フルスケールのターボ機械で用いるのに適した制振能力を有するが、複雑な流れ回路又はシールアセンブリを要しない。
【0019】
図1は、回転機械、すなわち、ターボ機械100、より具体的には、油以外で潤滑されるタービンエンジンの概略図である。例示的な実施形態では、タービンエンジンがガスタービンエンジンである。或いは、ターボ機械100は、蒸気タービンエンジン、遠心圧縮機、及び、ターボチャージャーを制限なく含む任意の他のタービンエンジン及び/又はターボ機械である。例示的な実施形態において、ターボ機械100は、空気取り入れセクション102と、取り入れセクションよりも下流側に結合されて取り入れセクションと流体連通する圧縮機セクション104とを含む。圧縮機セクション104は、圧縮機チャンバ108を画定する圧縮機ケーシング106内に収容される。燃焼器セクション110が圧縮機セクション104よりも下流側に結合されて圧縮機セクション104と流体連通し、また、タービンセクション112が燃焼器セクション110よりも下流側に結合されて燃焼器セクション110と流体連通する。タービンセクション112は、タービンチャンバ116を画定するタービンケーシング114内に収容される。排気セクション118がタービンセクション112よりも下流側に設けられる。また、例示的な実施形態において、タービンセクション112は、駆動シャフト122を含むロータアセンブリ120を介して圧縮機セクション104に結合される。駆動シャフト122は、圧縮機ケーシング106内及びタービンケーシング114内に位置されるジャーナル軸受アセンブリ200によって回転可能に支持される。
【0020】
例示的な実施形態において、燃焼器セクション110は、複数の燃焼器アセンブリ、すなわち、それぞれが圧縮機セクション104と流体連通状態で結合される燃焼器124を含む。また、例示的な実施形態において、タービンセクション112及び圧縮機セクション104は、駆動シャフト122を介して負荷126に回転可能に結合される。例えば、負荷126は、発電機及び/又は機械的な駆動アプリケーション、例えばポンプを制限なく含んでもよい。或いは、ターボ機械100が航空機エンジンであってもよい。
【0021】
また、例示的な実施形態において、圧縮機セクション104は、少なくとも1つの圧縮機ブレードアセンブリ128と、少なくとも1つの隣接する固定ベーンアセンブリ130とを含む。圧縮機ブレードアセンブリ128と隣接する固定ベーンアセンブリ130とのそれぞれの組み合わせは、圧縮機ステージ132を画定する。また、各圧縮機ブレードアセンブリ128は複数の圧縮機ブレード(
図1には示されない)を含み、また、各固定ベーンアセンブリ130は複数の圧縮機ベーン(
図1には示されない)を含む。更に、各圧縮機ブレードアセンブリ128は駆動シャフト122に対して取り外し可能に結合され、また、各固定ベーンアセンブリ130は、圧縮機ケーシング106に取り外し可能に結合されるとともに、圧縮機ケーシング106によって支持される。
【0022】
更に、例示的な実施形態において、タービンセクション112は、少なくとも1つのタービンブレードアセンブリ134と、少なくとも1つの隣接する固定ノズルアセンブリ136とを含む。タービンブレードアセンブリ134と隣接する固定ノズルアセンブリ136とのそれぞれの組み合わせは、タービンステージ138を画定する。また、各タービンブレードアセンブリ134は駆動シャフト122に対して取り外し可能に結合され、また、各固定ノズルアセンブリ136は、タービンケーシング114に取り外し可能に結合されるとともに、タービンケーシング114によって支持される。
【0023】
動作時、空気取り入れセクション102が空気150を圧縮機セクション104へと導く。圧縮機セクション104は、流入空気150をより高い圧力及び温度まで圧縮し、その後、圧縮空気152を燃焼器セクション110へ向けて排出する。圧縮空気152は、燃料ノズルアセンブリ(図示せず)へ導かれて、燃料(図示せず)と混合されるとともに、各燃焼器124内で燃焼されて、タービンセクション112へ向けて下流側に導かれる燃焼ガス154を発生させる。燃焼器124内で発生される燃焼ガス154は、タービンセクション112へ向けて下流側に導かれる。タービンブレードアセンブリ134に衝突した後、熱エネルギーは、ロータアセンブリ120を駆動させるために使用される機械的な回転エネルギーへと変換される。タービンセクション112は、駆動シャフト122を介して圧縮機セクション104及び/又は負荷126を駆動させ、また、排ガス156が排気セクション118を介して環境大気へと排出される。ジャーナル軸受アセンブリ200は、ロータアセンブリ120の回転を容易にするとともに、ターボ機械100の動作中に軸受アセンブリ200へ与えられる振動エネルギーを抑制する。軸受アセンブリ200が圧縮機ケーシング106内及びタービンケーシング114内に位置されるように記載されて図示されるが、軸受アセンブリ200はシャフト122に沿う任意の所望の場所に位置されてもよく、そのような場所としては、シャフト122の中心領域又は中間範囲領域、或いは、従来の油以外で潤滑される軸受アセンブリの使用がかなりの設計課題を与えるシャフト122に沿う他の場所が挙げられるが、これらに限定されない。また、軸受アセンブリ200は、従来の油潤滑される軸受アセンブリと組み合わせて使用されてもよい。例えば、1つの実施形態では、従来の油潤滑される軸受アセンブリがシャフト122の端部に位置されてもよく、また、1つ以上の軸受アセンブリ200がシャフト122の中心領域又は中間範囲領域に位置されてもよい。
【0024】
図2は、
図1のターボ機械で用いるのに適した例示的なジャーナル軸受アセンブリの部分分解図である。ジャーナル軸受アセンブリ200は、軸受ハウジング202、複数の軸受パッドアセンブリ204、及び、複数の軸受パッド支持アセンブリ206を含む。軸受パッドアセンブリ204は、ジャーナル軸受アセンブリ200の中心線208の周りに対称的に配置されるとともに、回転可能なシャフト122(
図1に示される)を支持するように構成される環状の内側軸受面210を画定する。軸受パッド支持アセンブリ206も同様に中心線208の周りに対称的に配置され、これらの軸受パッド支持アセンブリ206は、対応する軸受パッドアセンブリ204よりも径方向外側に配置される。以下で説明するように、軸受パッド支持アセンブリ206は、軸受アセンブリ200がフルスケールのターボ機械の動作中に発生される振動エネルギーを適切に抑制するのに十分な制振能力を依然として有しつつ比較的大きな静荷重(例えば、フルスケールのターボ機械で使用されるロータアセンブリなど)を支持できるように軸受パッドアセンブリ204のための柔軟な装着支持を行なう。例えば、ジャーナル軸受アセンブリ200は、ロータアセンブリ、例えば少なくとも約50ポンド、更には少なくとも約100ポンドの質量を有するロータアセンブリ120などと共に使用するのに適している。また、軸受アセンブリ200は、油以外で潤滑される軸受アセンブリであるとともに、以下で更に詳しく説明されるダンパーアセンブリ248を除いて油を使用ない軸受アセンブリである。
【0025】
図3は軸受ハウジング202の斜視図であり、また、
図4は軸受ハウジング202の軸方向図である。
図2−
図4を参照すると、軸受ハウジング202は、略環状の形状を有するとともに、径方向内側壁212及び径方向外側壁214を含む。径方向内側壁212は内部キャビティ216を画定し、ターボ機械100が組み立て形態にあるときに内部キャビティ216内にシャフト122が受けられる。軸受パッドアセンブリ204は、ターボ機械100が組み立て形態にあるときにシャフト122が軸受パッドアセンブリ204によって支持されるように径方向内側壁212に隣接して軸受ハウジング202内に固定される。軸受パッド支持アセンブリ206は径方向内側壁212と径方向外側壁214との間に介挿され、特に、各軸受パッド支持アセンブリ206は、シャフト122と軸受アセンブリ200との間の制振を高めるために軸受パッドアセンブリ204と径方向で位置合わせされる。軸受パッドアセンブリ204及び軸受パッド支持アセンブリ206の構成及び形態(以下で更に詳しく説明する)は、大きな静荷重(例えば、フルスケールのターボ機械で使用されるシャフトの重量など)を支持するのに適した剛性を与えるとともに、フルスケールのターボ機械で用いるのに適した制振をもたらすが、軸受アセンブリ200とシャフト122との間で油以外の潤滑を行なう。
【0026】
軸受ハウジング202は、軸受パッドアセンブリ204及び軸受パッド支持アセンブリ206を収容するように構成される。より具体的には、軸受ハウジング202は、軸受パッドアセンブリ204を軸受ハウジング202内に固定するように構成される軸受パッドレール218と、それぞれが軸受パッド支持アセンブリ206の少なくとも一部を受けるようになっている複数のキャビティ220とを含む。
【0027】
図5は、
図4に示される線“5−5”に沿ってとられた軸受ハウジング202の部分断面図である。軸受ハウジング202は、径方向外側壁214に画定されるガス入口224から径方向内側壁212に画定されるガス出口226まで延びる複数のガス供給ポート222(広義に、貫通穴)を含む。ガス供給ポート222は、加圧ガス228(
図2に示される)を内部キャビティ216へ、特に軸受パッドアセンブリ204へ供給するための加圧ガス源と流体連通している。例示的な実施形態において、ガス供給ポート222は、圧縮機チャンバ108及びタービンチャンバ116(広義に、処理チャンバ)のうちの少なくとも一方と流体連通するとともに、シャフト122と軸受アセンブリ200との間で潤滑を行なうべく処理チャンバ108、116のうちの少なくとも一方からプロセスガスを受けてこのガスを軸受パッドアセンブリ204へ供給するようになっている。軸受パッドアセンブリ204へ供給されるプロセスガス228は、圧縮空気152及び燃焼ガス154を含んでもよいが、これらに限定されない。別の実施形態において、ガス供給ポート222は、プロセスガス以外のガスを軸受パッドアセンブリ204へ供給するための補助ガス供給源(図示せず)と流体連通状態で結合されてもよい。
【0028】
例示的な実施形態では、軸受ハウジング202がステンレス鋼から作製されるが、軸受ハウジング202は、軸受アセンブリ200が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した材料、例えばインコネル(登録商標)及びチタン系合金などから作製されてもよい。
【0029】
図6は、
図2に示される軸受パッドアセンブリ204の斜視図である。軸受パッドアセンブリ204は、シャフト122を支持する及び/又は潤滑するための均一に分配された圧力場を与えるためにガス入口224からガス228を受けてガス228を軸受パッドアセンブリ204全体にわたって分散させる及び/又は拡散させるようになっている。例示的な実施形態において、軸受パッドアセンブリ204は、軸受パッドリテーナ232に取り外し可能に接続される軸受パッド230を含むモジュールアセンブリである。
【0030】
軸受パッド230は、シャフト122の円形断面及び/又は軸受ハウジング202の環状の形状にほぼ対応する弓形の形状を有する。軸受パッド230は、多孔質媒体から作製され、したがって、ガス入口224から受けられるガス228を内部キャビティ216へ伝えて拡散させるようになっている。軸受パッド230を作製することができる適した多孔質媒体としては、カーボングラファイトなどの多孔質カーボン、焼結多孔質セラミック、及び、インコネル(登録商標)やステンレス鋼などの焼結多孔質金属が挙げられる。軸受パッド230は、ターボ機械100の動作中にシャフト122を支持する及び/又は潤滑するべくガス供給ポート222を通じて受けられるガス228が内部キャビティ216内に十分な圧力をもたらすことができるようにするために十分に高いガス透過性を有する。また、軸受パッド230は、ターボ機械100の動作中に軸受パッド230とシャフト122との間に生成される薄いガス膜における不安定性を防ぐべく十分に低い多孔性を有する。例示的な実施形態において、軸受パッド230は、多孔質カーボングラファイトから作製され、したがって、軸受パッド230を作製できる他の公知の材料と比べて優れた耐摩耗性及び潤滑特性を有する。
【0031】
例示的な実施形態において、軸受パッド230は、軸受パッド230の径方向内側面236から軸受パッド230の径方向外側面238まで延びる別個のミクロサイズのガス供給穴234の配列も含む。穴234は、ガス供給ポート222と流体連通するとともに、軸受パッド230の径方向内側面236全体にわたってガス228を更に拡散させる及び/又は分散させて、ターボ機械100の動作中にシャフト122を支持する及び/又は潤滑するべく均一な圧力場を与えるように構成される。穴234は径方向内側面236から径方向外側面238まで略径方向に延びるが、別の実施形態では、穴234が略径方向以外の方向に延びてもよい。例示型的な実施形態において、穴234は、約2ミル(約50マイクロメートル)〜約100ミル(約2540マイクロメートル)、より具体的には約5ミル(約127マイクロメートル)〜約20ミル(約508マイクロメートル)の範囲内の直径を有する。しかしながら、穴234は、軸受アセンブリ200が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した直径を有してもよい。また、例示的な実施形態では、穴234が正方形の配列を成して配置されるが、穴234は、軸受アセンブリ200が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した配列、パターン、又は、形態で配置されてもよい。
【0032】
軸受パッドリテーナ232は、軸受パッド230を軸受パッドアセンブリ204内で受けて取り外し可能に固定するためのキャビティ240と、キャビティ240から軸受パッドリテーナ232の径方向外側壁242まで延びるガス供給ポート(図示せず)とを含む。軸受パッドリテーナ232のガス供給ポートは、軸受ハウジング202の径方向外側壁214から軸受パッド230までのガス228のための流通をもたらすために対応するガス供給ポート222と位置合わせされる。また、軸受パッドリテーナ232におけるガス供給ポートは、軸受パッドリテーナ232におけるキャビティ240とほぼ同じサイズ或いはキャビティ240よりも小さいサイズであってもよい。また、軸受パッドリテーナ232は、軸受パッドレール218(
図2−
図4に示される)によってスライド可能に受けられ、それにより、軸受パッドアセンブリ204を軸受アセンブリ200内に固定するようになっているリップ244も含む。軸受パッドリテーナ232は、軸受パッド230を他の軸受パッドと交換できるようにし、それにより、特定の動作条件及び/又は特定のターボ機械に基づいて異なる特性(制限なく、ガス透過性及び多孔性)を有する軸受パッドが選択されてもよい。
【0033】
図7は、軸受アセンブリ200(
図2に示される)と共に用いるのに適した別の軸受パッドアセンブリ700の斜視図である。軸受パッドアセンブリ700は、軸受パッドレール218により直接に受けられるようになっている軸受パッド702を含む。より具体的には、軸受パッド702は、軸受パッドレール218によりスライド可能に受けられるようになっているリップ704を含む。したがって、軸受パッドリテーナ232(
図6に示される)は軸受パッドアセンブリ700から省かれる。例示的な実施形態において、軸受パッド702は、多孔質媒体から作製されるとともに、穴234(
図6に示される)を含まない。更なる別の実施形態において、軸受パッド230、702は、穴234を含んでもよく、また、穴234が軸受パッド230、702を通じて内部キャビティ216へとガス228を伝達して拡散する実質的に唯一の供給源となるように非多孔質媒体から作製されてもよい。
【0034】
軸受パッド230、702は、軸受アセンブリ200が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した方法により作製されてもよい。1つの特定の実施形態において、軸受パッド230、702は、選択的レーザ焼結(SLS)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム溶融(EBM)、又は、選択的加熱焼結(SHS)などの付加製造プロセス(急速プロトタイピング、急速製造、及び、3D印刷としても知られる)を使用して作製される。付加製造プロセスを使用する軸受パッド230、702の作製は、軸受パッド230、702の多孔性及びガス透過性、並びに、穴234のサイズの正確な制御を可能にする。
【0035】
また、別の実施形態において、軸受パッド230、702は、例えば付加製造プロセス又は放電機械加工(EDM)プロセスを使用して軸受ハウジング202内に一体形成されてもよい。
【0036】
図2を再び参照すると、例示的な実施形態は、中心線208の周りに対称的に位置される4つの軸受パッドアセンブリ204を含む。なお、別の実施形態は、軸受アセンブリが本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した数の軸受パッドアセンブリ204を含んでもよい。
【0037】
図8は、組み立て形態における
図2に示される軸受アセンブリ200の軸方向図である。例示的な実施形態は、4つの軸受パッドアセンブリ204に対応する4つの軸受パッド支持アセンブリ206を含む。或いは、ジャーナル軸受アセンブリ200は、軸受アセンブリ200が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した数の軸受パッド支持アセンブリ206を含んでもよい。
【0038】
各軸受パッド支持アセンブリ206は、シャフト122により軸受パッドアセンブリ204に対して与えられる荷重が対応する軸受パッド支持アセンブリ206へ伝えられるように軸受パッドアセンブリ204と径方向で位置合わせされる。各軸受パッド支持アセンブリ206は、スプリングアセンブリ246と、スプリングアセンブリ246と軸方向で位置合わせされるダンパーアセンブリ248とを含む。スプリングアセンブリ246は、大きな静荷重(例えば、フルサイズのターボ機械で使用されるシャフトの重量など)を支持するのに十分な剛性を与えるように構成され、一方、ダンパーアセンブリ248は、ターボ機械100の動作中にシャフト122により軸受アセンブリ200へ伝えられる振動荷重を抑制するのに十分な制振を行なうように構成される。
【0039】
図9は、
図8に示される軸受アセンブリ200の概略図である。
図9は、スプリングアセンブリ246及びダンパーアセンブリ248によりそれぞれ与えられる剛性要素及び制振要素を示す。
【0040】
図10は、明確にするためにダンパーアセンブリ248(
図2及び
図8に示される)が省かれた
図8に示される軸受アセンブリ200の断面図である。
図10に示されるように、各スプリングアセンブリ246は、シャフト122により軸受アセンブリ200に伝えられる荷重に対して直線的な弾性応答を与えるようになっている「S」形状断面を有する一対のスプリング250、252を含む。それにより、スプリング250、252は、軸受パッド支持アセンブリ206に対して剛性要素を与える。例示的な実施形態では、スプリング250、252が放電機械加工(EDM)プロセスを使用して軸受ハウジング202内に一体形成されるが、スプリング250、252は、軸受アセンブリ200が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適したプロセスを使用して形成されてもよい。
【0041】
スプリング250、252は、軸受パッドアセンブリ204に対して与えられる荷重がスプリング250、252に伝えられるように、径方向外側壁214と径方向内側壁212との間で延びるとともに、径方向内側壁212に対して直接的に或いは間接的に結合される。スプリング250、252は、スプリング250、252間で径方向内側壁212の周方向にわたって延びるブリッジ254によって互いに接続される。ブリッジ254は、シャフト122により軸受パッドアセンブリ204に対して与えられる荷重をスプリング250、252間で分配するように構成される。
【0042】
例示的な実施形態では、各スプリングアセンブリ246が2つのスプリング250、252を含むが、スプリングアセンブリ246は、スプリングアセンブリ246が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した数のスプリングを含んでもよい。また、例示的な実施形態では、スプリングアセンブリ246が軸受ハウジング202内に一体形成されるが、スプリングアセンブリ246は、軸受ハウジング202とは別個に作製されて、軸受ハウジング202内に受けられるようになっていてもよい。
【0043】
図8を再び参照すると、各軸受パッド支持アセンブリ206は、対応するスプリングアセンブリ246の両側で軸方向に位置合わせされる2つのダンパーアセンブリ248を含む。2つの軸方向に位置合わせされるダンパーアセンブリのうちの一方だけが
図8に見える。各ダンパーアセンブリ248は、略弓形に形成されるとともに、キャビティ220(
図2−
図4に示される)内に受けられるようになっている。ダンパーアセンブリ248は、径方向内側壁212と径方向外側壁214との間に径方向で介挿されるとともに、軸受パッドアセンブリ204に対して与えられる荷重が対応するダンパーアセンブリ248に伝えられるように径方向内側壁212に結合される。
【0044】
図11は、
図2及び
図8に示される軸受アセンブリ200と共に使用するのに適したダンパーアセンブリ248の分解図である。例示的な実施形態では、ダンパーアセンブリ248が密閉シールされた流体充填ダンパーである。より具体的には、各ダンパーアセンブリ248は、非圧縮性の粘性流体258が内部に配置される密閉ダンパーハウジング256と、プランジャ260と、軸受パッドアセンブリ204に対して与えられる荷重をダンパーアセンブリ248に、特にプランジャ260に伝えるように構成されるロッド262(広義に、荷重伝達部材)とを含む。
【0045】
ダンパーハウジング256は、キャビティ266が内部に画定されるとともに抵抗流路268(
図12及び
図13に最も良く見える)が内部に少なくとも部分的に画定されて成る本体264と、本体264と共に密閉シールを形成するべく本体264の両側の端壁274、276に固定されるようになっているシール壁270、272とを含む。プランジャ260は、キャビティ266内に配置されるとともに、キャビティ266を第1の制御容積278と第2の制御容積280とに分離し(
図12及び
図13に最も良く見える)、プランジャ260に荷重が加えられ且つプランジャ260の荷重が除去されるときに第1及び第2の制御容積間で流体258が伝えられる。例示的な実施形態では、プランジャ260が本体264内に一体形成される。プランジャ260は、ダンパーハウジング256から外側に突出するとともに対応する軸受パッドアセンブリ204へ向けて径方向内側に突出するロッド262の第1の端部282に結合される。キャビティ266及び抵抗流路268の占められていない容積は流体258でほぼ満たされ、それにより、プランジャ260に荷重が加えられ且つプランジャ260の荷重が除去されるときに、流体258が抵抗流路268を通じて押し進められ、それにより、ダンパーアセンブリ248に対して与えられる振動エネルギーが、その後に伝導及び/又は対流により散逸される熱へと変換される。
【0046】
図12は、組み立て形態における
図11に示されるダンパーアセンブリ248の断面図である。プランジャ260は、2つの一体形成されるダンパースプリング284、286(広義に、復元力部材)によってダンパーハウジング256に結合され、各ダンパースプリングは「S」形状の断面を有する。ダンパースプリング284、286は、ダンパースプリング284、286が矢印288により示される第1の方向又は径方向で比較的低い剛性を有するとともに径方向288に対して垂直な矢印290(
図11に示される)により示される第2の方向又は軸方向で比較的高い剛性を有するように構成される。それにより、ダンパースプリング284、286は、径方向288でプランジャ260の移動を許容するが、軸方向290でプランジャの移動に抵抗する。
【0047】
図13は、
図12に示される線“13−13”に沿ってとられたダンパーアセンブリ248の断面図である。抵抗流路268は、シール壁270、272とプランジャ260との間で部分的に画定される。したがって、抵抗流路268は、プランジャ260の周りに連続ループを形成する。ダンパースプリング284、286は、キャビティ266内でのプランジャ260の位置合わせを維持すること、より具体的にはシール壁270、272とプランジャ260との間の距離を維持することを容易にする。結果として、抵抗流路268は、プランジャ260とシール壁270、272との間に比較的小さい断面積を有することができ、それにより、ダンパーアセンブリ248の制振効果が高められる。また、ダンパースプリング284、286は、プランジャ260に荷重が加えられ且つプランジャ260の荷重が除去されるときに復元力をプランジャ260に与えることによってプランジャ260が所定位置でロックされるようになることを防止する。また、ダンパースプリング284、286がダンパーハウジング256と一体に形成されるため、ダンパースプリング284、286は、少なくとも部分的に抵抗流路268を画定し、それにより、ダンパーアセンブリ248のコンパクトな構成を容易にする。
【0048】
本体264は、第1の壁又は径方向外側壁292と、第1の壁292とは反対側の第2の壁又は径方向内側壁294とを含む。プランジャ260は、第1の壁292と略平行な第1の面又は径方向外側面296と、第2の壁294と略平行な第2の面又は径方向内側面298とを含む。第1の制御容積278は、第1の壁292と第1の面296との間の横方向距離として測定される有効高さ300を有する。第2の制御容積280も同様に、第2の壁294と第2の面298との間の横方向距離として測定される有効高さ302を有する。例示的な実施形態において、第1及び第2の制御容積278、280の有効高さ300、302は、プランジャ260の荷重付加及び荷重除去が流体258、第1の壁292、第1の面296、第2の壁294、及び、第2の面298の間にスクイーズ膜効果を生成するように寸法付けられ、それにより、ダンパーアセンブリ248の制振効果が高められる。より具体的には、例示的な実施形態において、第1の制御容積278及び第2の制御容積280はそれぞれ、約2ミル(0.002インチ又は約50マイクロメートル)〜約150ミル(0.150インチ又は約3810マイクロメートル)、より具体的には約15ミル(0.015インチ又は約381マイクロメートル)〜約30ミル(0.030インチ又は約762マイクロメートル)の範囲内の有効高さを有する。
【0049】
例示的な実施形態では、流体258が油性流体である。しかしながら、軸受アセンブリ200及び/又はダンパーアセンブリ248が使用される用途及び動作環境に応じて任意の適した非圧縮性流体が流体258として使用されてもよい。例えば、高温用途において、流体258は、ガリウム、インジウム、又は、ガリウム系合金及び/又はインジウム系合金などの液体金属(広義に、金属流体)であってもよい。
【0050】
例示的な実施形態において、シール壁270、272は、締結具(図示せず)を使用して本体264に固定されるプレートである。或いは、シール壁270、272は、ダンパーアセンブリ248が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した形態を有する。例えば、シール壁270、272が本体264と一体に形成されてもよく、或いは、シール壁270、272は、シール壁270、272と本体264との間に密閉シールを形成するために任意の適した溶接技術を使用して本体264に溶接されてもよい。
【0051】
図12を再び参照すると、ロッド262は、軸受パッドアセンブリ204に対して与えられる荷重をプランジャ260に伝えるように構成される。より具体的には、第1の端部282とは反対側のロッド262の第2の端部304がダンパー支柱306に結合される。軸受アセンブリ200が組み立て形態(
図3に示される)にあるときには、ダンパー支柱306がダンパーアセンブリ248と軸受パッドアセンブリ204との間に介挿され、それにより、軸受パッドアセンブリ204に対して与えられる荷重がダンパー支柱306に伝えられ、ダンパー支柱306がその荷重をロッド262を介してプランジャ260に伝える。ダンパー支柱306は、軸受パッドアセンブリ204に対して相補的に形成され、したがって、弓形に形成される。ダンパー支柱306は、軸受ハウジング202の径方向内側壁212から径方向外側に突出するダンパーアセンブリレール308(
図2及び
図4に示される)内にスライド可能に受けられるようになっている。
【0052】
ダンパーアセンブリ248は、ロッド262を取り囲んで柔軟なシールをダンパーハウジング256に形成する環状ダイヤフラム310を更に含む。ダイヤフラム310は、ダンパーハウジング256で密閉シールを維持しつつロッド262の径方向288の移動を許容するように構成される。ダイヤフラム310は、環状フランジ312によって本体264に固定される。例示的な実施形態において、ダイヤフラム310は、ロッド262に一体形成されるとともに、チタンから作製される。別の実施形態において、ダイヤフラムは、ダンパーアセンブリ248が本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適した材料から形成されてもよい。1つの別の実施形態において、ダイヤフラム310は、ゴムから作製されるとともに、加硫によってロッド262に取り付けられる。
【0053】
本開示のダンパーアセンブリは、ターボ機械で用いる軸受アセンブリに関連して説明されるが、本開示のダンパーアセンブリは、軸受アセンブリ及びターボ機械以外の様々な用途での使用に適している。したがって、本開示のダンパーアセンブリは、ダンパーアセンブリが本明細書中に記載されるように機能できるようにする任意の適したサイズ、形状、及び、形態を有してもよい。
【0054】
例えば、
図14は、別のダンパーアセンブリ1400の斜視図であり、また、
図15は、例示のために一部1402が切り取られた
図14に示されるダンパーアセンブリ1400の断面図である。ダンパーアセンブリ1400は、ダンパーアセンブリ1400が略長方形の形状を有するとともに、ダンパーアセンブリ248のダンパースプリング1404、1406がダンパーアセンブリ248のダンパースプリング284、286とは異なる形態を有することを除いてダンパーアセンブリ248と同様である。
【0055】
図16は、軸受アセンブリ200(
図2に示される)などの軸受アセンブリを組み立てる例示的な方法1600のフローチャートである。
図17は
図16の続きである。
【0056】
例示的な方法では、径方向内側壁と径方向外側壁とを含む軸受ハウジング202(
図2に示される)が用意される(1602)。ガスを透過できる多孔質媒体及びガス供給穴の配列のうちの少なくとも一方を含む複数の軸受パッド230及び/又は702(
図6及び
図7に示される)が用意される(1604)。幾つかの実施形態では、カーボングラファイトから作製される軸受パッドが軸受パッド230及び/又は702のうちの一方として用意されてもよい(1606)。複数の軸受パッド230及び/又は702が軸受ハウジング202の径方向内側壁に沿って結合される(1608)。幾つかの実施形態では、軸受パッド230及び/又は702が加圧ガス源と流体連通状態で結合されてもよい(1610)。複数の軸受パッド支持アセンブリ206(
図2に示される)が用意される(1612)。各軸受パッド支持アセンブリ206はスプリングアセンブリ246及びダンパーアセンブリ248(
図8に示される)を含む。幾つかの実施形態では、軸受ハウジング202と一体形成される2つのスプリング250、252(
図10に示される)がスプリングアセンブリ246の一部として用意されてもよい(1614)。スプリング250、252が「S」形状断面を有してもよい。ダンパーアセンブリ248が軸受ハウジング202内に結合される(1616)。幾つかの実施形態では、密閉シールされた流体充填ダンパー248が軸受パッド支持アセンブリ206の一部として用意されてもよい(1618)。密閉シールされた流体充填ダンパー248は、軸受パッド230及び/又は702に対して与えられる機械的な荷重が密閉シールされた流体充填ダンパー248に伝えられるように軸受パッド230及び/又は702に結合されてもよい(1620)。
【0057】
図18は、ダンパーアセンブリ248(
図11及び
図12に示される)などの密閉シールされたダンパーアセンブリを組み立てる例示的な方法1800のフローチャートである。
図19は
図18の続きである。
【0058】
例示的な方法では、キャビティ266及び抵抗流路268(
図13に示される)が内部に画定されて成る本体264を含むダンパーハウジング256(
図11に示される)が用意される(1802)。本体264は、それに一体形成される複数のスプリング284、286(
図12に示される)を含む。プランジャ260がキャビティ266を第1の制御容積278及び第2の制御容積280(
図13に示される)に分離するとともに抵抗流路268が第1の制御容積278と第2の制御容積280との間に流体連通をもたらすようにプランジャ260(
図11に示される)がキャビティ266内に用意される(1804)。プランジャ260は、スプリング284、286が復元力をプランジャ260に与えるようにスプリング284、286に取り付けられる。幾つかの実施形態において、プランジャ260をキャビティ266内に用意することは、プランジャ260をダンパーハウジング256の本体264内に一体形成する(1806)ことを含んでもよい。キャビティ266及び抵抗流路268は粘性流体258で満たされる(1808)。幾つかの実施形態において、キャビティ266及び抵抗流路268を粘性流体258で満たすことは、キャビティ266及び抵抗流路268を金属流体及び油性流体のうちの少なくとも一方で満たす(1810)ことを含んでもよい。荷重伝達部材262が機械的な荷重をプランジャ260に伝えるべく構成されるように、荷重伝達部材262(
図11に示される)がプランジャ260に結合される(1812)。方法1800は、ダンパーハウジング256を密閉シールする(1814)ことを更に含む。幾つかの実施形態において、ダンパーハウジング256を密閉シールする(1814)ことは、抵抗流路268がプランジャ260と端壁270との間に少なくとも部分的に画定されるように端壁270(
図11に示される)をダンパーハウジング256の本体に取り付ける(1816)ことを含んでもよい。
【0059】
前述のシステム及び方法は、フルスケールの油以外で潤滑されるターボ機械で用いるのに適したジャーナル軸受アセンブリを提供する。本明細書中に記載される実施形態は、油以外で潤滑されるターボ機械内のロータアセンブリを支持するために使用されるジャーナル軸受アセンブリの回転抵抗を減らすことを容易にし、それにより、そのようなジャーナル軸受アセンブリの耐摩耗性を高めて、そのようなジャーナル軸受アセンブリの制振能力を高めるとともに、そのようなジャーナル軸受アセンブリの静荷重容量を高める。より具体的には、本明細書中に記載されるシステム及び方法は、多孔質軸受パッドとガス供給穴の配列が画定されて成る軸受パッドとを、軸方向に位置合わせされたダンパーアセンブリ及びスプリングアセンブリと組み合わせて利用する。したがって、本明細書中に記載されるジャーナル軸受アセンブリは、ターボ機械のロータアセンブリを支持するために剛性が高いガス膜を使用するとともに、ターボ機械の動作中に軸受アセンブリにより受けられる動荷重に耐えるために柔軟に取り付けられる軸受パッドを使用する。また、本明細書中に記載されるシステム及び方法は、油以外で潤滑される軸受アセンブリ及びターボ機械で用いる、並びに、油を使用しない他の動作環境で用いるのに適したダンパーアセンブリを提供する。本明細書中に記載される実施形態は、流体ベースの制振アセンブリを油を使用しない環境に組み入れることを容易にするとともに、油性のスクイーズ膜ダンパーの制振能力に近づくレベルまでそのような制振アセンブリの制振能力を高めることを容易にする。より具体的には、本明細書中に記載されるシステム及び方法は、閉じられた流れ回路を有する密閉シールされた流体充填ダンパーハウジングを、一体形成されたスプリングと組み合わせて利用する。したがって、本明細書中に記載されるダンパーアセンブリは、フルスケールのターボ機械で用いるのに適した制振能力を有するが、複雑な流れ回路又はシールアセンブリを要しない。
【0060】
本明細書中に記載されるシステム及び方法の例示的な技術的効果は、(a)油以外で潤滑されるターボ機械内のロータアセンブリを支持するために使用されるジャーナル軸受アセンブリの回転抵抗を減らす、(b)そのようなジャーナル軸受アセンブリの耐摩耗性を高める、(c)そのようなジャーナル軸受アセンブリの制振能力を高める、(d)そのようなジャーナル軸受アセンブリの静荷重容量を高める、(e)油を使用しない環境で用いるのに適したダンパーアセンブリの制振能力を高める、のうちの少なくとも1つを含む。
【0061】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴が幾つかの図面に示されて他の特徴が図面に示されないが、これは単に便宜のためにすぎない。本発明の原理にしたがって、図面の任意の特徴が、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照され及び/又は特許請求の範囲に記載されてもよい。
【0062】
この書かれた説明は、実施例を使用して、最良の態様を含む発明を開示するとともに、任意の装置又はシステムを形成して使用すること、及び、任意の組み入れられた方法を実行することを含めて、任意の当業者が発明を実施できるようにする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、また、当業者が想起する他の実施例を含んでもよい。そのような他の実施例は、それらが特許請求項の文字通りの言葉とは異ならない構造的要素を有する場合には、或いは、それらが特許請求項の文字通りの言葉と実質的に異ならない等価な構造的要素を含む場合には、特許請求の範囲内に入るべく意図される。