(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
AMは、サブトラクティブ製造方法とは対照的に、一般にネット又はニアネット形状(NNS)の物体を製造するために、1以上の材料の堆積を含む。「積層造形法」は業界標準用語(ASTM F2792)であるが、AMは、自由造形、3D印刷、ラピッドプロトタイピング/ツーリングなどを含む、様々な名称で知られている様々な製造及びプロトタイピング技術を包含する。AM技術は、広範な材料から複雑な部品を製造することができる一般に、自立する物体は、コンピューター支援設計(CAD)モデルから製造することができる。特定のタイプのAM処理は、エネルギービーム、例えば電子ビーム又はレーザービームなどの電磁放射を用いて粉末材料を焼結又は溶融して、粉末材料の粒子が互いに結合した中実の3次元物体を製造する。種々の材料系、例えば、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性エラストマー、金属、セラミックなどが用いられる。レーザー焼結又は溶融は、機能プロトタイプ及び工具の迅速な製造のための注目すべきAM処理である。用途としては、複雑なワークピース、インベストメント鋳造用のパターン、射出成形及びダイカスト用の金型、並びに砂型鋳造用の鋳型及び中子の直接的な製造が含まれる。設計サイクル中のコンセプトのやり取り及び試験を強化するためのプロトタイプ物体の製造は、AM処理の他の一般的な使用である。
【0003】
選択的レーザー焼結、直接的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、及び直接的レーザー溶融は、レーザー光を用いて微細な粉末を焼結又は溶融させることにより3次元(3D)物体を製造することを指すために使用される一般的な業界用語である。例えば、米国特許第4863538号及び米国特許第5460758号には、従来のレーザー焼結技術が記載されている。より正確には、焼結は、粉末材料の融点以下の温度で粉末の溶融(凝集)粒子を含み、また溶融は、中実で均質な塊を形成するための粉末の完全に溶融した微粒子を含む。レーザー焼結又はレーザー溶融に関連する物理的プロセスは、粉末材料への熱伝達、及び粉末材料を焼結又は溶融させることを含む。レーザー焼結及び溶融プロセスは、広範な粉末材料に適用することができるが、製造ルートの科学的及び技術的態様、例えば焼結もしくは溶融速度、及び層の製造プロセス中の微細構造進化に及ぼす処理パラメータの影響は、よく理解されていない。この製造方法は、処理を非常に複雑にしている、熱、質量及び運動量の移動、並びに化学反応の複数のモードを伴っている。
【0004】
図1は、直接金属レーザー焼結(DMLS)又は直接金属レーザー溶融(DMLM)のための例示的な従来システム100の断面図を示す模式図である。装置100は、レーザー120などの光源によって生成されたエネルギービーム136を用いて、粉末材料(図示せず)を焼結又は溶融させて層ごとに物体、例えば、部品122を構築する。エネルギービームによって溶融される粉末は、リザーバ126により供給され、方向134に移動するリコータアーム116を用いて造形プレート114上に均等に分散し、粉末をレベル118に維持して、粉末レベル118の上方に延在する過剰の粉末材料を廃棄物容器128に取り除く。エネルギービーム136は、ガルボスキャナ132の制御の下で構築される物体の断面層を焼結又は溶融させる。造形プレート114が下降して、粉末の別の層が造形プレート及び構築される物体の上に分散され、続いてレーザー120によって粉末が連続して溶融/焼結される。溶融/焼結された粉末材料から方向138に部品122が完全に構築されるまで、処理が繰り返される。レーザー120は、プロセッサ及びメモリを含むコンピューターシステムによって制御することができる。コンピューターシステムは、層ごとに走査パターンを決定し、走査パターンに従って粉末材料に照射するようにレーザー120を制御することができる。部品122の製造が完了した後、様々な後処理手順が部品122に適用されてもよい。後処理手順は、例えば、ブロー又は真空引きにより過剰な粉末を除去することを含む。他の後処理手順は、応力解放処理を含む。さらに、熱的及び化学的後処理手順を、部品122を仕上げるために使用することができる。
【0005】
本発明者らは、上述した積層造形プロセスは、複雑な形状を有する物体について困難な点を示す場合があることを発見した。特に、内面の製造は、横方向の力(例えば、リコータ116によって生成される)による表面の損傷を防ぐための横方向支持体から利益を得ることができる。しかし、このような内面から支持体を除去することは困難である場合がある。
【0006】
上記に鑑みて、AM技術に関連する問題点、欠点又は不利な点があること、物体を支持する改良された方法及び支持構造体が利用可能であればそれが望ましいことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されたものであって、本明細書で説明される概念を実施することができる唯一の構成を提示するものではない。詳細な説明は、様々な概念の徹底的な理解を提供する目的で特定の詳細を含んでいる。しかし、これらの具体的な詳細がなくてもこれらの概念を実施することができることは、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、このような概念を不明瞭にしないために、周知の構成要素はブロック図の形で示す。
【0013】
図2は、物体200の内部を支持する例示的な支持構造体210を示す。
図3は、
図2の簡略化した垂直断面図を示す。
図4は、支持構造体210が第2の向きに回転した後の、
図2の簡略化した垂直断面図を示す。
図5は、
図2の底面図を示す。
図6は、支持構造体210が第2の向きに回転した後の、
図2の底面図を示す。支持構造体210及び物体200は、AM処理により製造することができる。例えば、
図1の装置100及び上述した方法を用いることができる。この種のAM処理では、物体200を形成する領域において粉末を選択的に焼結又は溶融させることによって、物体200を層ごとに構築する。支持構造体210は、支持構造体210の位置において粉末の追加領域を溶融又は焼結させることによって、物体200と同時に構築される。
【0014】
AM処理が完了すると、支持構造体210は、物体200から取り除かれる。一態様では、支持構造体210は、物体と共に造形プレートに取り付けられ、造形プレートから取り外して廃棄することができる。支持構造体210は、代替的に、粉末ベッド内の自立する物体として造形プレートに取り付けることなく形成することができる。さらに、支持構造体は、AM処理が完了すると容易に分離することができる物体200への取り付け点を含んでもよい。これは、分離構造、すなわち物体200及び支持構造体210を接合する金属の小さなタブを提供することによって達成することができる。分離構造はまた、物体200及び支持構造体210を接合する金属のいくつかの部分を有する穿孔に類似してもよい。
【0015】
物体200から支持構造体210を取り除くことは、粉末ベッドから物体が除去されるとすぐに、又はその間に行うことができる。或いは、支持構造体は、後処理工程のいずれかの後に除去されてもよい。例えば、物体200及び支持構造体210は、ポストアニール処理及び/又は化学的処理を行うことができ、その後に続いて物体200及び/又は造形プレートから除去することができる。
【0016】
本発明者らは、特定の物体は、物体の末広がりの表面に適合した1以上の突出部を含む、支持構造体210から利益を得ることができることを見出した。このような末広がりの表面は、物体が構築される際に横方向の支持から利益を得ることができる。しかし、支持構造体の突出部は、支持構造体を物体から直接除去することを妨げる場合がある。
【0017】
図2〜
図5に示す例示的な態様では、支持構造体210は、突出部212を備えた細長い形状を有している。物体200は、
図3に最も良く示すように、対応する凹部214を含む。
図2に示すように、物体200と共に支持構造体210を形成すると、突出部212が末広がりの表面230含む凹部214に適合される。換言すれば、突出部212は、凹部214の表面に対応する縁部を有する。一態様では、支持構造体210は、粉末の薄い層により物体200から分離された非接触支持体である。別の態様では、支持構造体210は、物体200に接触する1以上の接触面を有する。支持構造体210は、脚部216の間に延在する背部215をさらに含む。脚部216は、物体200の隣接する非凹部218である。
【0018】
別の態様では、物体200は、内側構造220及び外側構造222を含む。内側構造220は、凹部214及び非凹部218を含む。外側構造222は、内側構造220を囲み、例えば、この円筒の形態を有してもよい。外側構造222は、内側構造220から離間して配置され、出口224を有するキャビティ232を画成する。例えば、キャビティ232はほぼ円筒形である。
図5で最も良く分かるように、出口224は、内側構造220と外側構造222との間のリング状の開口部である。一態様では、物体200が構築される際に、支持構造体210は、キャビティの一部を充填して物体200を支持する。例えば、
図5で最も良く分かるように、支持構造体210は、リコータ方向134に平行な方向に長い寸法を有する第1の向きに形成され、物体200を横方向に支持する。
【0019】
図2に示すように、支持構造体210の脚部216は、出口224を通って延在する。しかし、支持構造体210の幾何学的形状及び物体200の幾何学的形状により、より具体的には凹部214内に延在する突出部212及び支持構造体210の背部215に隣接する外側構造222により、支持構造体210を図示する向きに開口部224を通って下方に除去することができない。例えば、支持構造体210を回転させずに開口部224を通って下方に引こうとすると、突出部212が凹部214の末広がりの表面230に接触して下方への移動を妨げるであろう。
図5に示すように、突出部212は、第1の向きに内側構造220によって遮断される。しかし、
図4及び
図6に示す向きに支持構造体210を操作することにより、背部215及び突出部212が出口224に位置合わせされる。例えば、支持構造体210を操作することは、支持構造体210を長手方向軸226の周りに約90度回転させることを含んでもよい。一態様では、開口部がリング状である場合には、回転の角度は支持構造体210の幅及びリングの直径に依存するが、回転の角度は一般的に90度より小さく、例えば、75度〜90度とすることができる。例えば、
図6に示すように、突出部212の長辺が外側構造222の内面上の2点間で翼弦を形成するように、支持構造体210を回転させることができる。さらに、支持構造体210を操作することは、それに加えて又はその代わりに、支持構造体を並進させる(例えば、除去前に支持構造体210を水平にスライドさせる)ことを含むことができる。このようにして、オペレータは、支持構造体210を第2の向きに操作した後に、出口224を通して支持構造体210を除去することができる。
【0020】
図7〜
図10は、物体700及び支持構造体710の別の実施形態を示し、支持構造体710を回転させた後にのみ、支持構造体710を取り外すことができる。
図7は、第1の向きにおける物体700及び支持構造体710の垂直断面図である。
図8は、第1の向きにおける物体700及び支持構造体710の底面図である。
図9は、第2の向きにおける物体700及び支持構造体710の垂直断面図である。
図10は、第2の向きにおける物体700及び支持構造体710の底面図である。
図7〜
図10では、リコータ方向134は右から左である。
図7及び
図9では、構築方向138は下から上であり、
図8及び
図10では、構築方向は紙面手前から奥である。
【0021】
物体700は、物体700の2つの部分の間のキャビティ706を含む。キャビティは、完成した物体700内の開空間であってもよい。物体700の製造中に、支持構造体710を使用せずに、キャビティ706を未溶融粉末で充填する。物体700は、キャビティ706への開口部704をさらに含む。一態様では、物体700はまた、末広がり部分702を含む。末広がり部分702は、開口部704から離れるように延在する。例えば、末広がり部分702は、開口部704の軸を横切る方向に延在する。
【0022】
支持構造体710は、突出部714とハンドル716との間に延在する背部712を含む。突出部714は、物体700の一部の幾何学的形状に対応した幾何学的形状を有する。具体的には、突出部714は、末広がり部分702の表面に対応する。製造中に、リコータ116(
図1)がリコータ方向134に移動する際に、突出部714は末広がり部分702を支持することができる。すなわち、突出部714は、粉末の薄い層のみによって分離された末広がり部分702に対して非接触支持を提供する。
図7に示すように、突出部714は、末広がり部分702の表面に対応するように、背部712及び開口部704から離れる方向に突出する。ハンドル716は、物体700の下面の下方に延在し、除去工程中にトルクを提供するためのハンドルとして使用することができる。
【0023】
図8及び
図10で最も良く分かるように、支持構造体710は、丸みのある縁部を含む。具体的には、背部712、突出部714、及びハンドル716の縁部は、長手方向軸746に直交する平面内で丸みを有している。丸みのある縁部は、長手方向軸746において中心を有してもよい。丸みのある縁部は、支持構造体710がキャビティ706内にある間に、軸746の周りで支持構造体710が回転することを容易にする。例えば、背部712の丸みのある縁部は、背部が物体700の表面に係合することなく回転することを可能にする。例えば、丸みのある縁部は、支持構造体710が回転する際に、物体700の表面に接触するが、表面を横切って摺動することができる。同様に、突出部714の丸みのある縁部は、突出部714が末広がり部分702の表面に係合することなく回転することを可能にする。
図2〜
図6について上述した例示的な支持構造体210もまた、丸みのある縁部を含んでもよい。
【0024】
支持構造体210と同様に、突出部714が開口部704を通って下方へ移動することを阻止するので、支持構造体710を第1の向きに物体700から除去することができない。例えば、
図7に示すように、突出部714は、末広がり部分702によって阻止されている。さらに、上方への移動もまた、物体700の頂部によって阻止されている。しかし、支持構造体710が長手方向軸746の周りで約90度回転すると、支持構造体710は開口部704を通過することができる。
【0025】
図9及び
図10は、第2の向きに長手方向軸746の周りで約90度回転した後の支持構造体710を示す。第2の向きでは、突出部714は、開口部704の長い方の寸法に位置合わせされている。回転すると、支持構造体710が開口部704を通過するまで、オペレータは支持構造体710を下方に移動させることができる。
【0026】
一態様では、本明細書に開示する支持構造体は、支持構造体を物体に直接連結する1以上の連結支持体又は接触面を含むことができる。このような連結支持体又は接触面は、支持構造体が回転する際には破壊される。それに加えて、粉末が物体と支持構造体との間に残っていて、回転に対する抵抗を大きくする場合があり得る。したがって、ハンドル716などの特徴は、支持構造体710を回転させるための付加的な、てこの作用又はトルクを提供するのに有用である。
【0027】
図2〜
図10は、支持構造体を回転させた後に支持体が物体の出口を通過することができる例示的な幾何学的形状を示しているが、支持構造体及び物体について任意の多様な幾何学的形状を選択することができる。一般的に、支持構造体及び物体は、対応する幾何学的形状を有する。例えば、支持構造体は、わずかな距離だけ物体の表面から分離されているが、その距離は製造中に粉末で充填される。支持構造体は、横方向の力に影響される粉末の体積を減少させることによって非接触支持を提供する。支持構造体が第2の向きに回転する前に、粉末を物体と支持構造体との間から除去することができる。一態様では、支持構造体は、末広がりの表面を有する物体を支持することができる。支持構造体は、構築される物体が4以上のアスペクト比(例えば幅に対する長さ/高さの比)を有する場合に特に有用である。支持構造体は、リコータ116の移動に起因する横方向の力に対する機械的支持を提供する。したがって、支持構造体は、比較的高い又は長い物体が横方向の力によって倒される又は折り曲げられるのを防止する。
【0028】
物体200/700から支持構造体210/710を取り除くことが必要になった時は、接触面が存在する場合には、オペレータが力を加えて支持構造体を取り外すことができる。支持構造体は、ねじり、破断、切断、研削、やすり掛け、又は研磨などの機械的処理によって除去することができる。さらに、熱的及び化学的後処理手順を、物体を仕上げるために使用することができる。接触面が存在せず、代わりに製造中の物体と支持構造体との間に粉末が配置されている場合には、例えば圧縮空気を用いてブローイングにより粉末を単純に除去することができる。物体200/700から支持構造体210/710を取り除くことは、粉末ベッドから物体が除去されるとすぐに、又はその間に行うことができる。或いは、支持構造体は、後処理工程のいずれかの後に除去されてもよい。例えば、物体200/700及び支持構造体210/710は、ポストアニール処理及び/又は化学的処理を行うことができ、その後に続いて物体200/700及び/又は造形プレートから除去することができる。
【0029】
支持構造体及び物体のいくつかの例が提示されているが、本開示に従って他の物体を構築することができることは明らかである。例えば、下方に面した凸面を有する任意の物体を、1以上の開示された支持構造体によって支持することができる。一態様では、開示された支持構造体は、航空機の部品を製造するのに使用される。例えば、米国特許第9188341号に開示されているものと同様の燃料ノズルを、本明細書に開示された支持構造体を用いて製造することができる。
【0030】
一態様では、上記の複数の支持体は、物体の製造を支持し、物体の移動を防止し、及び/又は物体の熱特性を制御するために組合せて用いてもよい。すなわち、積層造形法を用いて物体を製造することは、足場、固定用支持体、分離型支持体、横方向支持体、コンフォーマル支持体、連結支持体、周囲の支持体、キー溝支持体、破断可能な支持体、先端支持体、又は粉末除去ポートのうちの1以上の使用を含むことができる。以下の特許出願は、これらの支持体及びそれらの使用の方法の開示を含む。
【0031】
2016年2月11日出願の米国特許出願番号[ ]、代理人整理番号037216.00008の名称「METHOD AND CONFORMAL SUPPORTS FOR ADDITIVE MANUFACTURING」、
2016年2月11日出願の米国特許出願番号[ ]、代理人整理番号037216.00009の名称「METHOD AND CONNECTING SUPPORTS FOR ADDITIVE MANUFACTURING」、
2016年2月11日出願の米国特許出願番号[ ]、代理人整理番号037216.00010の名称「METHODS AND SURROUNDING SUPPORTS FOR ADDITIVE MANUFACTURING」、
2016年2月11日出願の米国特許出願番号[ ]、代理人整理番号037216.00012の名称「METHODS AND BREAKABLE SUPPORTS FOR ADDITIVE MANUFACTURING」、
2016年2月11日出願の米国特許出願番号[ ]、代理人整理番号037216.00014の名称「METHODS AND LEADING EDGE SUPPORTS FOR ADDITIVE MANUFACTURING」、及び、
2016年2月11日出願の米国特許出願番号[ ]、代理人整理番号037216.00015の名称「METHOD AND SUPPORTS WITH POWDER REMOVAL PORTS FOR ADDITIVE MANUFACTURING」。
【0032】
これらの出願の各々の開示内容は、他の物体を製造するために、本明細書に開示された支持構造体と併せて使用することができる追加の支持構造体をそれらが開示する程度に、全体として本明細書に組み込まれる。
【0033】
さらに、足場は、物体に垂直方向の支持を提供するための、物体の下に構築された支持体を含んでいる。足場は、例えば、ハニカムパターンの相互連結された支持体で形成することができる。一態様では、足場は、中実であるか、或いは中実部分を含むことができる。足場は、様々な場所で物体に接触して、足場上に構築される物体に耐荷重支持を提供する。支持構造体と物体との接触はまた、物体の横方向の移動を防止する。
【0034】
固定用支持体は、比較的薄い平坦な物体、又は物体の少なくとも第1の部分(例えば第1の層)が構築処理中に移動するのを防止する。比較的薄い物体は、反りや剥離が発生しやすい。例えば、薄い物体は、放熱によって冷却されると反りが生じる場合がある。別の例として、リコータによって物体に横方向の力が加えられることがあり、場合によっては、物体の縁部を持ち上げる。一態様では、固定用支持体は、物体をアンカー表面に固定するために、物体の下に構築される。例えば、固定用支持体は、プラットフォームなどのアンカー表面から物体まで垂直に延在することができる。固定用支持体は、物体の下の各層内の特定の位置で粉末を溶融させることにより構築される。固定用支持体は、プラットフォーム及び物体(例えば、物体の縁部)の両方に連結され、物体が反り又は剥離するのを防止する。固定用支持体は、ポスト処理手順において物体から除去することができる。
【0035】
分離型支持構造体は、支持構造体と物体との間の接触面積を減少させる。例えば、分離型支持構造体は、各々が空間で分離された、分離部分を含むことができる。空間は、分離型支持構造体の全体サイズ、及び分離型支持構造体を製造する際に消費される粉末の量を低減することができる。さらに、その部分の1以上は、物体との接触面積が低減され得る。例えば、支持構造体の一部は、後処理中に物体からより容易に除去される尖った接触面を有してもよい。例えば、尖った接触面を有する部分は、尖った接触面において物体から分離する。尖った接触面は、耐荷重支持を提供し、反り又は剥離を防止するために物体を固定する機能を提供する。
【0036】
横方向支持構造体は、垂直な物体を支持するために使用される。物体は、相対的に高い高さ対幅のアスペクト比(例えば、1超)を有することができる。すなわち、物体の高さは、その幅より何倍も大きい。横方向支持構造体は、物体の側面に配置される。例えば、物体及び横方向支持構造体は、物体の一部及び横方向支持構造体の一部を含む各層のスキャンパターンにより、同一層内に構築される。横方向支持構造体は、物体から分離され(例えば、各層の未溶融粉末の一部によって)、或いは分離型支持構造体によって連結されている。したがって、横方向支持構造体は、後処理中に物体から容易に除去することができる。一態様では、横方向支持構造体は、追加の粉末を適用する際にリコータによって加えられる力に対する支持を提供する。一般に、リコータによって加えられる力は、リコータが粉末の追加層を平らにする際のリコータの移動方向である。したがって、横方向支持構造体は、物体からリコータの移動方向に構築される。さらに、横方向支持構造体は、上部よりも底部の方を広くすることができる。より広い底部は、リコータによって生成される任意の力に抵抗するように、横方向支持構造体に安定性を提供する。
【0037】
さらにまた、物体を製造する方法は、上述した複数の支持体の部分を形成するために、連続して、並行して、又は交互に粉末を溶融させるステップを含むことができる。加えて、複数の支持体を用いて製造された物体について、後処理手順は、支持体の各々を除去するステップを含むことができる。一態様では、支持構造体は、本明細書に記載の種々のタイプの複数の支持体を含むことができる。複数の支持体は、直接に又は物体を介して互いに連結されてもよい。特定の物体のための支持体の選択は、本明細書で説明した要因(例えば、形状、アスペクト比、向き、熱的性質など)に基づくことができる。
【0038】
この明細書は、本発明を開示するために実施例を用いており、好ましい実施例を含んでいる。また、いかなる当業者も本発明を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイス又はシステムを製造し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本発明の特許され得る範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例が請求項の字義通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又は、それらが請求項の字義通りの文言と実質的な差異がない等価な構造要素を含む場合には、このような他の実施例は特許請求の範囲内であることを意図している。記載した様々な実施形態、並びにこのような各態様の他の公知の均等物は、本出願の原理に従ってさらなる実施形態及び技術を構築するように、当業者によって混合し適合することができる。
【0039】
一態様では、上記の複数の支持体は、物体の製造を支持し、物体の移動を防止し、及び/又は物体の熱特性を制御するために組合せて用いてもよい。すなわち、積層造形法を用いて物体を製造することは、足場、固定用支持体、分離型支持体、横方向支持体、コンフォーマル支持体、連結支持体、キー溝支持体、破断可能な支持体、先端支持体、又は粉末除去支持体のうちの1以上の使用を含むことができる。さらにまた、物体を製造する方法は、上述した複数の支持体の部分を形成するために、連続して、並行して、又は交互に粉末を溶融させるステップを含むことができる。加えて、複数の支持体を用いて製造された物体について、後処理手順は、支持体の各々を除去するステップを含むことができる。一態様では、支持構造体は、本明細書に記載の種々のタイプの複数の支持体を含むことができる。複数の支持体は、直接に又は物体を介して互いに連結されてもよい。特定の物体のための支持体の選択は、本明細書で説明した要因(例えば、形状、アスペクト比、向き、熱的性質など)に基づくことができる。
【0040】
この明細書は、本発明を開示するために実施例を用いており、好ましい実施例を含んでいる。また、いかなる当業者も本発明を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイス又はシステムを製造し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本発明の特許され得る範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例が請求項の字義通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又は、それらが請求項の字義通りの文言と実質的な差異がない等価な構造要素を含む場合には、このような他の実施例は特許請求の範囲内であることを意図している。記載した様々な実施形態、並びにこのような各態様の他の公知の均等物は、本出願の原理に従ってさらなる実施形態及び技術を構築するように、当業者によって混合し適合することができる。
[実施態様1]
物体(200,700)を製造するための方法であって、
(a)溶融領域を形成するために、粉末ベッド内の粉末の層に照射するステップと、
(b)粉末ベッドの第1の側から粉末ベッドの上にリコータアーム(116)を通過させることによって、粉末ベッドの上に粉末の次の層を提供するステップと、
(c)物体(200,700)及び1以上の支持構造体(210,710)が粉末ベッド内に形成されるまで、ステップ(a)及び(b)を繰り返すステップであって、1以上の支持構造体(210,710)及び物体(200,700)は第1の向きを有し、物体(200,700)は出口(224)を含む、ステップと、
(d)支持構造体(210,710)を第2の向きに回転させるステップと、
(e)支持構造体(210,710)を、物体(200,700)の出口(224)を通過させることにより、物体(200,700)から支持構造体(210,710)を除去するステップとを含む方法。
[実施態様2]
実施態様1に記載の方法であって、支持構造体(210,710)は、取り外し可能な支持構造体を第2の向きに回転させる前に、第1の向きで出口(224)を通過することができない、方法。
[実施態様3]
実施態様1に記載の方法であって、支持構造体(210,710)は、物体(200,700)の幾何学的形状の一部に対応する幾何学的形状を有する、方法。
[実施態様4]
実施態様1に記載の方法であって、支持構造体(210,710)は、物体(200,700)の凹部(214)内に延在する突出部(212)を含む、方法。
[実施態様5]
実施態様4に記載の方法であって、支持構造体(210,710)は、出口(224)の外へ突出部(212)から延在する脚部(216)を含む、方法。
[実施態様6]
実施態様4に記載の方法であって、突出部(212)は、第1の向きでは、物体(200,700)から第1の側への方向に延在する、方法。
[実施態様7]
実施態様1に記載の方法であって、支持構造体(210,710)は、物体(200,700)の末広がりの表面(230)に沿って延在する突出部(212)を含む、方法。
[実施態様8]
実施態様1に記載の方法であって、物体(200,700)は、4以上のアスペクト比を有する、方法。
[実施態様9]
実施態様1に記載の方法であって、支持構造体(210,710)を回転させるステップは、支持構造体(210,710)の長手方向軸(226,746)の周りに支持構造体(210,710)を回転させるステップを含む、方法。
[実施態様10]
実施態様9に記載の方法であって、支持構造体(210,710)は、長手方向軸(226,746)に直交する平面内の丸みのある縁部を含む、方法。
[実施態様11]
実施態様1に記載の方法であって、支持構造体(210,710)を回転させるステップは、支持構造体(210,710)を約90度回転させるステップを含む、方法。
[実施態様12]
実施態様1に記載の方法であって、物体(200,700)は、内側構造(220)及び外側構造(222)を含み、内側構造(220)及び外側構造(222)は、出口(224)を画成する、方法。
[実施態様13]
実施態様12に記載の方法であって、物体(200,700)の外側構造(222)は、円筒形状を含む、方法。
[実施態様14]
実施態様12に記載の方法であって、支持構造体(210,710)は、物体(200,700)の内側構造(220)と外側構造(222)との間に配置される、方法。