(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
組織を拡張するためのデバイスであって、前記デバイスは、
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間の管腔とを備える少なくとも1つの流体送達管と、
前記少なくとも1つの流体送達管の管腔と流体連通している少なくとも1つの流体送達要素と
を備え、
前記デバイスは、管腔壁組織のほぼ完全な円周方向拡張を行うように構築および配置される、
デバイス。
(項目2)
前記ほぼ完全な円周方向拡張は、流体送達の単一のオペレータステップで行われる、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目3)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、2つまたはそれよりも多くの流体送達要素を備え、前記流体送達の単一のオペレータステップは、同時または連続的に、前記2つまたはそれよりも多くの流体送達要素からの流体送達を含む、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記デバイスは、管腔壁組織によって包囲されている管腔を狭くすること、組織の中へ所定の体積の流体を送達すること、または組織の中への流体の圧力制御された送達を提供することのうちの少なくとも1つを行うように構築および配置される、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目5)
前記管腔壁組織は、粘膜下組織を含む、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目6)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、同時および/または連続的に流体を送達するように構築および配置されている2つまたはそれよりも多くの流体送達要素を備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目7)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、比較的円周方向のアレイに位置付けられている少なくとも3つの流体送達要素を備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目8)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、少なくとも3つの流体送達要素を備え、前記少なくとも1つの流体送達管は、単一の流体送達管を備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目9)
第1の流体送達要素、第2の流体送達要素、および第3の流体送達要素に前記単一の流体送達管を動作可能に接続するように構築および配置されているマニホールドをさらに備える、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
少なくとも1つの出口ポートをさらに備え、前記少なくとも1つの流体送達要素は、前記少なくとも1つの出口ポートから外へ動作可能に前進させられるように構築および配置される、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目11)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、前進可能な流体送達要素を備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目12)
前記少なくとも1つの流体送達要素の前進を制限するように位置付けられている表面をさらに備える、項目11に記載のデバイス。
(項目13)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、固定距離を前進させられるように構築および配置される、項目11に記載のデバイス。
(項目14)
前記少なくとも1つの流体送達管を包囲し、かつ陥凹部分を備える細長いシャフトをさらに備え、前記少なくとも1つの流体送達要素は、前記細長いシャフトの陥凹部分の中へ前進するように構築および配置される、項目11に記載のデバイス。
(項目15)
ばね荷重式流体送達要素前進アセンブリをさらに備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目16)
前記ばね荷重式流体送達要素前進アセンブリは、複数の流体送達要素を前進させるように構築および配置される、項目15に記載のデバイス。
(項目17)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、前記管腔壁組織が拡張されると横方向に移動するように構築および配置される、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目18)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、針を備え、前記デバイスは、陥凹を備える細長いシャフトをさらに備え、前記針は、前記細長いシャフトの陥凹内で維持されるように構築および配置される、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目19)
前記少なくとも1つの流体送達要素を通して前記管腔壁組織に送達されるように構築および配置されている流体をさらに備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目20)
前記流体は、スクレロサント、抗炎症剤、抗微小管剤または他の分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アントラサイクリン、植物アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、抗増殖剤、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される生物活性機能等の生物活性機能を提供するように構築および配置されている流体を含む、項目19に記載のデバイス。
(項目21)
操作アセンブリをさらに備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目22)
前記操作アセンブリは、
組織、流体、または送達された流体のうちの1つまたはそれよりも多くの操作、
前記少なくとも1つの流体送達要素が組織の一部分の中へ貫入するときの組織の前記部分の運動の防止
のうちの少なくとも1つを行うように構築および配置される、項目21に記載のデバイス。
(項目23)
前記組織の拡張に先立って、その最中に、および/またはその後に圧力を監視するように構築および配置されている圧力監視アセンブリをさらに備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目24)
少なくとも1つの陥凹を備える拡張要素等の拡張要素をさらに備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目25)
前記デバイスは、少なくとも100cmの作業可能挿入長を備える、いずれかの前記デバイスの項目に記載のデバイス。
(項目26)
組織を拡張する方法であって、前記方法は、
組織拡張デバイスを提供することであって、前記組織拡張デバイスは、
近位端、遠位端、および前記近位端と前記遠位端との間の管腔を備える少なくとも1つの流体送達管と、
前記少なくとも1つの流体送達管の管腔と流体連通している少なくとも1つの流体送達要素と
を備える、ことと、
前記少なくとも1つの流体送達要素を通して第1の組織場所の中へ流体を送達することにより、管腔壁組織のほぼ完全な円周方向拡張を行うことと
を含む、方法。
(項目27)
前記第1の組織場所の中へ前記流体を送達することに先立って、前記第1の組織場所および/または前記第1の組織場所に近接する組織を操作することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記少なくとも1つの流体送達要素は、第1の流体送達要素と、第2の流体送達要素とを備え、前記流体は、前記第1の流体送達要素および前記第2の流体送達要素によって同時に送達される、項目26または項目27に記載の方法。
本発明の概念の一側面によると、組織を拡張するためのデバイスは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間の管腔とを備える、少なくとも1つの流体送達管と、少なくとも1つの流体送達管の管腔と流体連通している少なくとも1つの流体送達要素とを備え、本デバイスは、管腔壁組織のほぼ完全な円周方向拡張を行うため等に、1つ以上の組織層を拡張するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、管腔壁組織のほぼ完全な円周方向拡張を行うように構成される。ほぼ円周方向の拡張は、流体送達の単一のオペレータステップ(operator step)で行うことができ、例えば、少なくとも1つの流体送達要素は、2つまたはそれよりも多くの流体送達要素を備え、2つまたはそれよりも多くの流体送達要素からの流体送達は、同時または連続的に起こる。代替として、ほぼ円周方向の拡張は、流体送達の複数のオペレータステップで行うことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、管腔壁組織によって包囲されている管腔を狭くするように構成され、例えば、管腔壁組織拡張に先立って、直径の85%以下、または場合によっては75%以下の直径まで狭くされる。
【0008】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、管腔壁組織の内面、例えば、胃腸管の襞を平滑化するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、組織の中へ所定の体積の流体を送達するように構成される。送達される流体の容量は、2回から10回の間で送達することができる、約0.5mlから4.0mlに及ぶことができる。送達される流体の容量は、2回から10回の間で送達することができる、約1.0mlから3.0mlに及ぶことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、組織の中への流体の圧力制御された送達を提供するように構成される。本デバイスは、最大圧力に達するまで、または圧力が最小レベルを上回るまで、流体を送達することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、組織の第2の深層の拡張を回避しながら、組織の第1の層を拡張するように構成される。逆に、本デバイスは、組織の第2の薄層の拡張を回避しながら、組織の第1の層を拡張するように構成することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、最初に少なくとも1つの流体送達要素を胃腸管の襞に貫通させるように構成される。
【0013】
拡張される1つ以上の組織層は、管腔壁組織を含むことができる。拡張される1つ以上の組織層は、粘膜下組織、例えば、十二指腸粘膜下組織を含むことができる。本デバイスは、粘膜層組織、筋層組織、漿膜層組織、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、組織の拡張を回避するように構成することができる。本デバイスによって拡張することができる他の種類の組織は、胃腸組織層、十二指腸組織層、食道組織層、空腸組織層、回腸組織層、結腸組織層、胃組織層、膀胱組織層、口腔組織層、子宮組織層、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0014】
少なくとも1つの流体送達要素は、2つまたはそれよりも多くの流体送達要素、例えば、第1および第2の流体送達要素を備えることができる。第1および第2の流体送達要素は、類似または異種であり得る。第1の流体送達要素および第2の流体送達要素は、同時および/または連続的に流体を送達するように構成することができる。少なくとも1つの流体送達管は、単一の流体送達管を備えることができ、第1の流体送達要素および第2の流体送達要素は、単一の流体送達管に流体的に接続される。代替として、少なくとも1つの流体送達管は、少なくとも2つの流体送達管を備えることができ、第1の流体送達要素は、第1の流体送達管に流体的に接続され、第2の流体送達要素は、第2の流体送達管に流体的に接続される。
【0015】
少なくとも1つの流体送達要素は、比較的円周方向のアレイに位置付けられる、3つ以上の流体送達要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、本デバイスは、支持アセンブリを備え、3つ以上の流体送達要素は、支持アセンブリの上および/または中に位置付けられる。支持アセンブリは、少なくとも1つのバルーン、2つまたはそれよりも多くの支持アーム、半径方向に展開可能な構造、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、支持構造を備えることができる。支持アセンブリは、2つまたはそれよりも多くの支持アームを備えることができ、第1の流体送達要素は、第1の支持アームに近接して位置付けられ、第2の流体送達要素は、第2の支持アームに近接して位置付けられる。少なくとも1つの送達要素は、少なくとも4つの流体送達要素を備えることができ、支持アセンブリは、少なくとも4つの支持アームを備え、流体送達要素は、4つの支持アームのそれぞれに近接して位置付けられる。支持アセンブリは、格納式シャフトを介して拡張可能である、半径方向に拡張可能な支持アセンブリを備えることができる。支持アセンブリは、半径方向拡張状態で付勢されるように構成され、また、半径方向に圧縮されるようにも構成される、支持アセンブリを備えることができる。支持アセンブリは、2つまたはそれよりも多くの管を備えることができ、2つまたはそれよりも多くの管のそれぞれは、流体送達要素を包囲し、例えば、2つまたはそれよりも多くの管は、流体送達要素に摺動して係合する。2つまたはそれよりも多くの管のそれぞれは、それを通して流体送達要素を前進させることができる、出口ポートを備えることができる。2つまたはそれよりも多くの管のそれぞれは、張力を組織に印加するように構成される、真空ポートを備えることができる。2つまたはそれよりも多くの管のそれぞれは、組織が通過することを可能にするように構成される、進入ポートを備えることができる。支持アセンブリは、それを通して流体送達要素を前進させることができる、2つまたはそれよりも多くの出口ポートを備えることができ、真空を2つまたはそれよりも多くの出口ポートに印加することができる。支持アセンブリは、少なくとも1つの真空ポートを備えることができる。
【0016】
本デバイスはさらに、少なくとも1つの出口ポートを備えることができ、少なくとも1つの流体送達要素は、少なくとも1つの出口ポートから外へ動作可能に前進させられるように構成される。本デバイスは、真空を少なくとも1つの出口ポートに印加するように構成することができる。本デバイスはさらに、少なくとも1つの流体送達管を摺動可能に受容する、細長いシャフトを備えることができ、少なくとも1つの出口ポートは、細長いシャフトの側面部分に位置付けられ、本デバイスは、オペレータが、少なくとも1つの出口ポートから出る少なくとも1つの流体送達要素の軌道を調整することを可能にするように構成することができる。
【0017】
少なくとも1つの流体送達要素は、前進可能な流体送達要素を備えることができる。例えば、流体送達要素は、オペレータによって前進させることができる。本デバイスは、少なくとも1つの流体送達要素を前進させるように構成される制御装置を備えることができ、制御装置は、本デバイスのハンドルの上に位置付けることができる。制御装置は、オペレータが少なくとも1つの流体送達要素の前進を修正することを可能にするように構成することができる。本デバイスは、少なくとも1つの流体送達要素のための所定の軌道を引き起こす、および/または維持するように構成される、ガイド表面を備えることができる。本デバイスは、少なくとも1つの流体送達要素の前進を制限するため等に位置付けられている表面を備えることができる。少なくとも1つの流体送達要素は、固定距離、例えば、オペレータによって設定される距離を前進させることができる。距離は、約1mmから10mm、または約3mmから7mmに及ぶことができる。本デバイスは、少なくとも1つの流体送達管を包囲する陥凹部分を備える、細長いシャフトを備えることができ、少なくとも1つの流体送達要素は、陥凹部分の中へ前進するように構成される。本デバイスは、少なくとも1つの流体送達管を包囲する遠位端を伴う細長いシャフトを備えることができ、少なくとも1つの流体送達要素は、シャフト遠位端から外へ前進するように構成される。少なくとも1つの流体送達要素は、例えば、ばね要素を介して、後退状態で弾性的に付勢することができる。少なくとも1つの流体送達要素は、第1の流体送達要素と、第2の流体送達要素とを備えることができ、流体送達要素のそれぞれは、後退状態で付勢される。
【0018】
少なくとも1つの流体送達要素は、それぞれ前進可能な流体送達要素を備える、少なくとも2つの流体送達要素を備えることができる。例えば、第1の流体送達要素は、第2の流体送達要素から独立して前進可能であり得る。代替として、第1および第2の流体送達要素は、同時に前進させることができる。
【0019】
本デバイスはさらに、ばね荷重流体送達前進アセンブリを備えることができる。アセンブリは、オペレータによって起動されるように構成することができる。アセンブリは、複数の流体送達要素を前進させるように構成することができ、場合によっては、複数の流体送達要素は、相互から独立して前進させることができる。
【0020】
少なくとも1つの流体送達要素は、組織が拡張されると横方向に移動するように構成することができる。
【0021】
少なくとも1つの流体送達要素は、針、水ジェット、イオン導入要素、多孔性要素、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、少なくとも1つの要素を備えることができる。少なくとも1つの流体送達が針を備える実施形態では、本デバイスは、陥凹を伴う細長いシャフトを備えることができ、針は、細長いシャフトの陥凹内で維持されるように構築および配置される。針の直径は、約20から35ゲージ、例えば、約23から27ゲージに及ぶことができる。針は、少なくとも1つの側孔、多孔性区分、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、出口ポートを備える、固体先端針を備えることができる。針は、少なくとも1つの側孔を備えることができる。針は、粘膜組織を通って粘膜下組織の中へ貫通するが、筋層組織を貫通しないように構成することができる。針は、粘膜組織を通って粘膜下組織の中へ貫通するが、漿膜組織を貫通しないように構成することができる。針は、10mm以下の露出長、例えば、7mm以下の露出長を備えることができる。針は、拡張可能な支持体、例えば、バルーン、ケージ、1つ以上の半径方向拡張アーム、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、拡張可能な支持体から延在することができる。
【0022】
少なくとも1つの流体送達要素は、尖った遠位端を備えることができる。少なくとも1つの流体送達要素は、傾斜遠位端を備えることができ、例えば、傾斜角は、約30°の傾斜角等の10°から60°に及ぶ。
【0023】
少なくとも1つの流体送達要素は、水ジェットを備えることができ、水ジェットは、流体を1つ以上の組織層に浸透させるように構成されるノズルを備えることができる。
【0024】
本デバイスはさらに、少なくとも1つの流体送達要素を通して組織に送達されるように構成される流体を備えることができる。流体は、液体、ガス、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される流体であり得る。例えば、流体は、水、高張食塩水等の生理食塩水、空気、CO
2、1つ以上のヒドロゲル、エピネフリン、高張ブドウ糖液、ヒアルロン酸、グリセロール溶液、およびこれらの組み合わせから成る群から選択することができる。流体は、組織拡張の量に対応する視覚画像を提供するもの、例えば、メチレンブルー、染料、放射線不透過性流体、MR可視化可能流体、超音波で可視化可能な流体、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される流体であり得る。流体は、磁気流体を含むことができる。流体は、流体温度が変化すると色を変化させることができる。流体は、少なくとも2つの流体、例えば、第1の色反射率を伴う第1の流体、および第2の色反射率を伴う第2の流体を含むことができ、本デバイスは、第1の流体送達要素を通して第1の流体を、および第2の流体送達要素を通して第2の流体を送達するように構成される。流体は、組織の中への送達に先立って加熱される流体を含むことができる。流体は、組織の中への送達後に粘度を変化させるように構成される流体を含むことができ、例えば、流体は、組織の中への送達後に粘度を増加または減少させることができる。流体は、組織と類似するオスモル濃度の流体を含むことができる。流体は、絶縁体として構成される流体を含むことができる。流体は、グリセロールおよび生理食塩水、例えば、加熱されたグリセロールおよび生理食塩水を含むことができる。流体は、生物活性機能、例えば、スクレロサント(sclerosant)、抗炎症剤、抗微小管または他の分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アントラサイクリン、植物アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、抗増殖剤、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される機能を提供するように構成することができる。
【0025】
本デバイスはさらに、組織、流体、送達された流体、およびこれらの組み合わせのうちの1つ以上を操作するように構成される、操作アセンブリを備えることができる。操作アセンブリは、真空ポートを備えることができる。真空ポートは、2.0mm以下、または1.5mm以下、または1.0mm以下である幅を備えることができる。真空ポートは、5.0mm以下、または4.0mm以下、または3.0mm以下の長さを備えることができる。真空ポートは、約1.5mmの幅、および約4.0mmの長さを備えることができる。本デバイスはさらに、真空ポートと流体連通している管腔を備えることができる。本デバイスはさらに、真空ポートと流体連通している真空発生器を備えることができる。真空ポートは、少なくとも1つの流体送達要素に向かって組織を移動させるように構成することができる。本デバイスは、大気圧を下回る約5cmHgから45cmHgの真空を真空ポートに、例えば、大気圧を下回る約5cmHgから20cmHgの真空を真空ポートに印加するように構成することができる。本デバイスは、オペレータが真空ポートに印加される圧力を調整することを可能にするように構成することができる。操作アセンブリは、少なくとも1つの流体送達要素が組織の一部分の中へ貫入すると、組織のその部分の運動を防止するように構成することができる。操作アセンブリは、少なくとも1つの流体送達要素が組織の一部分の中へ流体を送達すると、組織のその部分の運動の防止を防止するように構成することができる。操作アセンブリは、例えば、真空を介して、および/または組織にわたる平行移動力の印加を介して、組織の中へ以前に送達された流体を移動させるように構成することができる。操作アセンブリは、組織の中へ送達されている流体の流動を指向するように構成することができる。操作アセンブリは、バルーン、拡張可能リング、真空ポート、一対の関節動作ジョー等の把持器、半径方向に拡張可能なケージ、半径方向に展開可能なアーム、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、1つ以上の構成要素を備えることができる。
【0026】
本デバイスはさらに、組織によって包囲される少なくとも1つの流体送達管の管腔を少なくとも部分的に閉塞するように構成される、管腔密閉要素を備えることができる。例えば、管腔密閉要素は、少なくとも1つの流体送達要素の近位または遠位に位置付けられるバルーンを備えることができる。
【0027】
本デバイスはさらに、組織の拡張に先立って、その間に、および/またはその後に圧力を監視するように構成される、圧力監視アセンブリを備えることができる。
【0028】
本デバイスはさらに、組織拡張の査定を行うように構成される診断アセンブリを備えることができる。例えば、診断アセンブリは、組織拡張の量、1つ以上の組織層の厚さ、組織の中への少なくとも1つの流体送達要素の貫通、およびこれらの組み合わせを査定することができる。診断アセンブリは、可視化アセンブリを備えることができる。可視化アセンブリは、組織の中へ送達される流体の色濃度を監視するように構成することができる。可視化アセンブリは、可視光カメラ、超音波撮像装置、OCTデバイス、OCDRデバイス、走査または構造化照射のいずれか一方を介した共焦点内視顕微鏡検査、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、構成要素を備えることができる。可視化アセンブリはさらに、組織の中への少なくとも1つの流体送達要素の貫通深度を監視するように構成される、発光源を備えることができる。診断アセンブリは、組織分析器、例えば、組織厚情報を提供するように構成される超音波組織分析器を備えることができる。診断アセンブリは、インピーダンス測定要素を備えることができる。診断アセンブリは、加熱および/または冷却された流体を送達するように、および測定された温度の変化に基づいて組織拡張を査定するように構成することができる。
【0029】
本デバイスはさらに、少なくとも1つのセンサを備えることができる。少なくとも1つのセンサは、温度センサ、インピーダンスセンサ、光学センサ、圧力センサ、歪みゲージ、力センサ、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、センサを備えることができる。センサは、組織拡張の量、(例えば、拡張前、中、および/または後の)現在の組織厚、組織層厚、流体送達要素の貫通距離、送達された流体の色濃度、組織のインピーダンス、針を介して加熱または冷却された流体を受容した組織の温度等の組織の温度、およびこれらの組み合わせのうちの1つ以上を定量化すること、または別様に査定することから成る群から選択される、機能を果たすように構成することができる。
【0030】
本デバイスはさらに、拡張要素を備えることができる。拡張要素は、組織に送達される流体の移動を最小限化するように構成することができる。例えば、拡張要素は、バルーンを備えることができる。拡張要素は、第1のバルーンと、第2のバルーンとを備えることができ、少なくとも1つの流体送達要素は、第1および第2のバルーンの間に位置付けられる。拡張要素は、先細外形を備えることができる。拡張要素は、犬用の骨の外形を備えることができる。拡張要素は、少なくとも1つの陥凹を備えることができる。少なくとも1つの流体送達要素は、少なくとも1つの陥凹の中に位置付けられ、および/または前進させられるように構成することができる。真空ポートを、少なくとも1つの陥凹の中に位置付けることができる。
【0031】
本デバイスはさらに、少なくとも1つの流体送達管を包囲する、細長いシャフトを備えることができる。
【0032】
少なくとも1つの流体送達要素は、第1の流体送達要素と、第2の流体送達要素とを備えることができ、少なくとも1つの流体送達管は、第1の流体送達管と流体連通している第1の流体送達管と、第2の流体送達管と流体連通している第2の流体送達管とを備える。本デバイスはさらに、第1の流体送達管および第2の流体送達管を包囲するシャフトを備えることができ、第1の流体送達管および第2の流体送達管は、隣り合った配置で位置付けられる。
【0033】
少なくとも1つの流体送達要素は、少なくとも3つの流体送達要素を備えることができる。少なくとも1つの流体送達管は、少なくとも3つの流体送達要素に1つずつ接続される、少なくとも3つの流体送達管を備えることができる。代替として、少なくとも1つの流体送達管は、単一の流体送達管を備えることができ、本デバイスはさらに、第1の流体送達要素、第2の流体送達要素、および第3の流体送達要素に単一の流体送達管を動作可能に接続するように構成される、マニホールドを備える。
【0034】
少なくとも1つの流体送達要素は、少なくとも4つの流体送達要素を備えることができる。少なくとも1つの流体送達管は、少なくとも4つの流体送達要素に1つずつ接続される、少なくとも4つの流体送達管を備えることができる。代替として、少なくとも1つの流体送達管は、単一の流体送達管を備えることができ、本デバイスはさらに、単一の流体送達管を第1の流体送達要素、第2の流体送達要素、第3の流体送達要素、および第4の流体送達要素に動作可能に接続するように構成される、マニホールドを備える。
【0035】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、内視鏡を通して挿入されるように構成される。いくつかの実施形態では、本デバイスは、13mm以下の管腔、または8mm以下の管腔、または6mm以下の管腔を通して挿入されるように構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、少なくとも25cm、または少なくとも35cm、または少なくとも100cm、または少なくとも140cmの作業可能挿入長を備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、胃腸管の中へのオーバーザワイヤ送達のために構成される。本デバイスは、ガイドワイヤを摺動可能に受容するように構成される管腔を備えることができる。加えて、または代替として、本デバイスは、ガイドワイヤを経由して送達を迅速交換するように構成される、サイドカーを備えることができる
【0038】
本デバイスはさらに、少なくとも1つの流体送達管を包囲する細長いシャフトを備えることができ、少なくとも1つの流体送達要素は、細長いシャフトから前進させられるように構成され、例えば、細長いシャフトは、内視鏡シャフトを備える。
【0039】
本デバイスはさらに、少なくとも1つの流体送達管を包囲し、遠位部分と、遠位部分の中に位置付けられる開口部とを備える、細長いシャフトを備えることができる。少なくとも1つの流体送達要素は、遠位部分の開口部の中に位置付けることができる。少なくとも1つの流体送達要素は、遠位部分の開口部の中へ前進可能であるように構成することができる。本デバイスは、真空を遠位部分の開口部に印加するように構成することができる。遠位部分の開口部は、細長いシャフトの遠位部分の中に陥凹を備えることができる。
【0040】
本発明の概念の別の側面によると、方法は、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間の管腔を備える少なくとも1つの流体送達管と、少なくとも1つの流体送達管の管腔と流体連通している少なくとも1つの流体送達要素とを備える、組織拡張デバイスを提供することと、少なくとも1つの流体送達要素を通して第1の組織場所の中へ流体を送達することにより組織の1つ以上の層を拡張することとを含む。
【0041】
組織の1つ以上の層を拡張するように、少なくとも1つの流体送達要素を通して第1の組織場所の中へ流体を送達するステップは、同時に少なくとも2つの流体送達要素を介して、流体を送達するステップを含むことができる。
【0042】
組織の1つ以上の層は、治療要素に向かった組織の内層を移動させるように拡張することができる。
【0043】
本方法はさらに、第2の容量の流体を送達するステップを含むことができる。第2の容量の流体は、第1の組織場所に、または第2の異なる組織場所に送達することができる。
【0044】
本方法はさらに、組織の中に存在する、送達された流体を移動するステップを含むことができる。流体が流体送達要素を通して送達されると、組織の中に存在する流体を移動させることができる。
【0045】
本方法はさらに、流体を送達することに先立って、および/またはその間に、力を組織に印加するステップを含むことができる。力は、2つの拡張可能要素、例えば、2つの拡張可能バルーンによって印加することができる。
【0046】
本方法はさらに、第1の組織場所の中へ流体を送達することに先立って、第1の組織場所および/または第1の組織場所に近接する組織を操作することを含むことができる。操作することは、真空を印加するステップを含むことができる。少なくとも1つの流体送達要素は、真空操作された組織の中へ前進させることができ、例えば、少なくとも1つの流体送達要素は、針を備えることができる。代替として、または加えて、操作することは、道具で組織を把持するステップを含むことができる。
【0047】
本方法はさらに、組織の拡張を監視するステップを含むことができる。例えば、監視するステップは、十分性について組織拡張を監視するステップを含むことができる。
【0048】
本方法はさらに、拡張した組織に近接する組織を切除するステップを含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0091】
ここで、本発明の概念の本実施形態を詳細に参照し、その実施例は、添付図面に図示されている。実用的であるときはいつでも、同一の参照番号が、図面の全体を通して、同一または類似部品を指すために使用されるであろう。
【0092】
患者の器官の組織または胃腸管の組織等の管状または固形組織の一部分の1つ以上の層等の組織の領域を安全かつ効果的に拡張するデバイス、システム、および方法を提供することが、本発明の概念の目的である。本発明の概念のデバイスおよびシステムは、1つ以上の流体を拡張される組織に送達するように構成される針または水ジェット等の1つ以上の流体送達要素を含む。針は、遠位端および/または側壁場所に1つ以上の開口部を伴う針等の中空または部分的に中空の針を備えてもよい。オペレータが組織拡張手技を可視化するか、または別様に査定することを可能にするため等に、1つ以上の可視化アセンブリが含まれてもよい。組織拡張を増進するか、または別様に修正する力を印加するため等に、1つ以上の組織操作アセンブリが含まれてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、組織を操作するために、および/または組織拡張デバイスまたはアセンブリの一部分と組織との間の近接性を維持するために、真空または他の陰圧が使用されてもよい。この真空または他の陰圧は、以降では「真空」または「真空圧力」と称される、患者の環境を下回る圧力等の別の圧力を下回る圧力を含むことができる。真空は、1人以上のオペレータによって調整可能な真空源を介する等、1つ以上の真空源によって提供されてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、組織拡張は、標的容量の組織の切除等の組織の治療に先立って行われる。本発明のデバイスおよびシステムはさらに、拡張した組織層の下方の1つ以上の組織層への損傷を防止するため等に、以前に拡張した組織層の上方の組織の層を治療するように構成される切除デバイス等の1つ以上の切除デバイスを含んでもよい。これらの実施形態では、拡張した組織層は、安全な容量の組織の役割を果たし、切除の特異性を低減させ、および/または下層の組織を損傷から保護する。
【0095】
ここで
図1を参照すると、本発明の概念と一致する、複数の流体送達要素を含む、組織を拡張するためのデバイスの側面図が図示されている。デバイス100は、中空管である、外側シース109、典型的には、1つ以上の生体適合性材料で作製された可撓性管に固定して取り付けられる、ハンドル110を含む。シース109は、同様に、典型的には、1つ以上の生体適合性材料で作製された可撓性管である、内側シャフト101を包囲し、摺動可能に受容する。内側シャフト101は、遠位端102を含む。いくつかの代替実施形態では、デバイス100は、シース109を含まず、内側シャフト101は、ハンドル110に固定して取り付けられる。シャフト101の遠位部分の上には、拡張可能アセンブリ130、典型的には、膨張可能バルーン、可撓性バスケットまたケージ、あるいは一連の半径方向に展開可能なアーム等の半径方向に拡張可能および/または半径方向に圧縮可能なアセンブリが取り付けられる。代替実施形態では、アセンブリ130は、以下の
図6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、および18を参照して説明されるように、拡張を伴って、または伴わずに、偏向、前進、または他の操作を通して、組織に指向するか、または別様に運ぶことができる。拡張可能アセンブリ130は、流体が組織に送達されることを可能にし、組織の1つ以上の層を拡張させるように、1つ以上の流体送達要素が、組織を貫通するため等に、組織に近接させられるか、または別様に位置付けられることを可能にするように構成される。拡張可能アセンブリ130は、示されるような開口部131aおよび131bから131n等の1つ以上の開口部131を含むことができる。アセンブリ130は、力を組織に印加するように構築および配置することができる。アセンブリ130は、管腔壁組織と比較的垂直に開口部131を位置付けるため等に、流体送達要素140および/または開口部131を配向するように構築および配置することができる。組織は、胃腸管の1つ以上の部分等の身体管腔を備える組織等の患者の身体内の1つ以上の場所を備えてもよい。典型的な組織場所は、以下の
図3A、3B、および3Cを参照して詳細に説明される。
【0096】
ハンドル110は、デバイス100の1つ以上のアセンブリまたは構成要素を前進させ、展開し、または別様に起動するように構成される、様々な数の制御装置および/または制御装置群を含むことができる。典型的な制御装置は、ノブ、レバー、スイッチ、ソレノイド、および同等物等の1つ以上の機械および/または電気制御装置を含む。制御装置は、電力をデバイス100のアセンブリまたは構成要素に送達するため等に、電線に接続されてもよい。制御装置が、前進可能および後退可能シャフトまたはケーブル、カム、および枢動部を含む、連鎖部等の1つ以上の機械連鎖部に接続されてもよい。制御装置は、油圧または空気圧供給部を起動するように構成することができる。
【0097】
ノブ114は、回転させられて、外側シース109内で内側シャフト101を前進および/または後退させるように構成される、制御装置である。
図1では、内側シャフト101は、拡張可能アセンブリ130がシース109から退出しているように、前進させられている。拡張可能アセンブリ130は、シース109から退出すると拡張する、示される半径方向拡張状態で付勢されたNitinolケージを備えるアセンブリ等の、示される半径方向拡張状態で弾性的に付勢されるアセンブリを備えてもよい。これらの実施形態では、シース109内で拡張可能アセンブリ130を引き込むように、シャフト101の後退を行うことができ、拡張可能アセンブリ130は、シース109へのその挿入中に半径方向に圧縮される。代替として、拡張可能アセンブリ130が、膨張させることができるバルーン、またはシャフトの後退によって展開することができる展開可能ケージまたはアームのアレイを備えるとき等に、拡張可能アセンブリ130は、シース109から退出した後に半径方向拡張状態まで展開可能であり得る。
【0098】
ハンドル110は、以下の
図19を参照して説明されるような1つ以上の流体弁を起動することによって等、流体の流動および/または真空の印加を起動するため等に、デバイス100の1つ以上の構成要素またはアセンブリを電気的および/または機械的に活性化するため等に、示されるような制御装置111aおよび111bから111n等の1つ以上の制御装置111を含むことができる。ハンドル110は、ノブ112aおよび112bから112n、ならびに受容スロット113aおよび113bから113n等のノブ112および受容スロット113のアレイを含むことができる。ノブ112aおよび112bから112nは、示されていないが、それぞれ、開口部131aおよび131bから131nを通って前進する流体送達要素140aおよび140bから140n等の1つ以上の流体送達要素140の前進および後退を個別または集合的に制御するように構成される、1つ以上の連結部に動作可能に接続される。代替として、または加えて、1つ以上の流体送達要素140は、以下で説明されるように、真空が開口部131に印加され、組織が開口部131の中へ引き込まれるとき等に、開口部131から退出することなく、開口部131の中へ進入することによって、組織を貫通するように構築および配置されてもよい。大気圧を下回る5〜20cmHgの間の真空等の大気圧を下回る5〜45cmHgの真空等の、多数の範囲の真空圧力レベルを印加することができる。流体送達要素140は、針、ノズルを備える水ジェット、イオン導入要素、多孔性要素、およびこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、流体を組織に送達するように構成される多数の形態であり得る。ノブ112は、1mmから10mmの間の距離、または3mmから7mmの間の距離等の距離の範囲を通して、流体送達要素140の軸方向進行を可能にするように構成することができる。いくつかの実施形態では、流体送達延長は、最大10mmまたは7mmに限定される。流体送達要素140は、軸方向および/または半径方向に前進させることができる。いくつかの実施形態では、流体送達要素140は、組織に近接する、および/または組織内にある(例えば、組織の中へ貫通する)ように半径方向に前進するため等に、軸方向または半径方向に前進させられる。代替として、流体送達要素140は、真空を介して陥凹の中へ引き込まれた組織の後等に、以下の
図5、5A、5B、5C、10、および11を参照して説明される開口部131等の保護陥凹の中へ前進させられてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、オペレータが、ノブ112の前進を示されるようなページの右側に限定することを可能にするように構成される、調整可能停止部118等の1つ以上の調整可能停止部が含まれてもよい。ハンドル110は、ノブ112の前進を通した流体送達要素140の進行に対応する、1つ以上の標示を含んでもよく、標示は示されていない。直線距離、ならびに中心軸からの半径方向変位の両方である、流体送達要素140の前進の規模は、第2の深部組織層の拡張を回避しながら、第1の組織層を拡張するように構成されてもよい。流体送達要素140は、第2の浅部組織層の拡張を回避しながら、第1の組織層を拡張するため等に、構築および配置され、位置付けられてもよい。流体送達要素140は、種々の性質および形状の組織を貫通するように(例えば、針の形態であるとき)、および/または流体を浸透させるように(例えば、水ジェットの形態であるとき)構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流体送達要素140は、胃腸管の襞を貫通するように構成される。
【0100】
流体送達要素140は、流体送達要素140aが針であり、流体送達要素140bが水ジェットである実施形態等で、類似または異種の種類であってもよい。複数の流体送達要素140は、同時および/または連続的に流体を送達するように構成されてもよい。複数の流体送達要素140が、流体送達管121aおよび121bから121n等の個々の流体の供給部に接続されてもよく、または1つ以上の流体送達要素140が、以下の
図13を参照して説明されるように、単一の流体の供給部に取り付けられてもよい。
【0101】
流体送達要素140は、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の流体送達要素140のアレイ等の流体送達要素の対称円周方向アレイを備えてもよい。いくつかの実施形態では、流体送達要素140は、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の流体送達要素140のアレイ等の流体送達要素の線形または軸方向アレイを備えることができる。いくつかの実施形態では、複数の流体送達要素140は、単一の円周に沿って、またはデバイス100に沿った様々な軸方向場所で、非対称パターンであり得る。流体送達要素140は、示されていないが、以下の
図4および5を参照して詳細に説明される支持アーム等の拡張可能アセンブリ130の2つまたはそれよりも多くの支持アーム上または内に1つずつ位置付けられてもよい。代替として、複数の流体送達要素を単一の支持アーム上または内に位置付けることができる。複数の流体送達要素140のアレイが、らせんパターンで配置されてもよく、類似し、または異なり得る、流体送達要素140の展開前および/または展開後らせんパターンを備えることができる。流体送達要素140のらせんパターンは、内視鏡等の身体アクセスデバイスの小型管腔の中へ挿入可能であるため等に、拡張可能アセンブリ130の効率的な圧縮を可能にするように位置付けることができる。複数の流体送達要素140のアレイは、同時または連続的に、流体を送達するように構成することができる。流体注入は、単一の場所での単一の注入、単一の場所での複数の注入(例えば、アセンブリ130を再配置することなく複数の注入)、または複数の場所での複数の注入を含んでもよい。注入の間のアセンブリ130の再配置は、軸方向前進または後退、ならびに回転を含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、示されるような接続341を介してハンドル110の1つ以上の内部構成要素に接続される真空源340を介する等、開口部131に流体的に取り付けられる真空ポンプまたは他の陰圧源を介して等、真空が開口部131に印加される。真空は、示されていないが、接続341の1つ以上の管腔に流体的に接続され、次いで、遠位に進行して1つ以上の開口部131に流体的に接続する管腔である、ハンドル110および/またはシャフト101の1つ以上の管腔に印加されることができる。組織との接触を維持するため、および/または組織を操作するために、開口部131、または拡張可能アセンブリ130の別の開口部、またはデバイス100の別の構成要素に印加される真空を使用することができる。いくつかの実施形態では、印加された真空は、以下の
図5および10を参照して説明されるように、組織を開口部131の中へ引き込ませるように構築および配置される。代替として、または加えて、真空源340は、流体送達期間の間で1本以上の針に断続的に印加される真空等の真空を1つ以上の流体送達要素140に印加することができる。真空源340は、固定真空を提供することができ、および/またはそれは、圧力または他の性能パラメータがオペレータによって調整可能である真空を提供してもよい。いくつかの実施形態では、制御装置111のうちの1つ以上は、真空源340を開口部131のうちの1つ以上に接続するように構成される制御装置を備えてもよい。特定の実施形態では、制御装置111のうちの1つ以上は、真空源340および1つ以上の開口部131を流体的に接続する管腔に流体的に接続される、穴または他の開口部を備える。この制御装置111の開口部は、任意の有意な真空圧力が、1つ以上の接続された開口部131に到達することを防止する。しかしながら、オペレータの指によって等、制御装置111の開口部を覆うことは、組織をこれらの1つ以上の開口部131の中へ引き込ませるため等に、1つ以上の関連開口部131において真空圧力を上昇させる。
【0103】
いくつかの実施形態では、アセンブリ130、1つ以上の流体送達要素140、および/またはデバイス100の別の構成要素は、1つ以上の組織層が拡張すると、1つ以上の流体送達要素140が自動的に半径方向に(すなわち、管腔の中心に向かって)平行移動することができるように、管腔の圧潰を伴わずに撓曲を可能にする、可撓性および半径方向支持を備える。代替として、または加えて、アセンブリ130、1つ以上の流体送達要素140、および/またはデバイス100の別の構成要素は、1つ以上の組織層が拡張すると、手動で平行移動させられ、および/または半径方向に圧縮されて、同様に半径方向に平行移動するように構成されてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、流体送達は、1つ以上の流体送達要素140の前進および/または後退中に行われる。代替として、または加えて、流体送達は、1つ以上の流体送達要素140が標的組織場所に位置付けられた後に行われる。流体送達要素140は、
図7、8、および9、ならびに以下で説明される他の図を参照して説明されるもの等の、針、水ジェット、イオン導入要素、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される構成要素を備えることができる。流体送達要素140は、
図1に後退状態で示されている。複数の流体送達要素140および関連開口部131は、シャフト101の比較的特異な軸方向場所に沿って均等に分布してもよい。例えば、2つの流体送達要素140が、180°分離されてもよく、3つの流体送達要素140が、120°分離されてもよく、4つの流体送達要素140が、90°分離されてもよく、5つの流体送達要素140が、72°分離されてもよい等である。代替実施形態では、1つ以上の流体送達要素140および関連開口部131は、異なる分離角度によって分離することができ、単一の軸方向位置(すなわち、単一の円周方向経路)に、または複数の軸方向場所に沿って位置付けることができる。
【0105】
ハンドル110は、示されるような貯留部125aおよび125bから125nを含む、貯留部125等の1つ以上の流体源を含んでもよく、またはそれに取り付けられてもよい。貯留部125は、液体充填チャンバ等の流体の供給部を備えてもよく、またはそれらは、流体充填シリンジ等の流体の供給部に取り付けるためのルアー等のポートを備えてもよい。流体送達要素140aおよび140bから140nは、各貯留部125から各関連流体送達管121を通して、それぞれの流体送達要素140へ、流体を送達することができるように、それぞれ、流体送達管121aおよび121bから121nに流体的に接続される。流体送達管121aおよび121bから121nは、ハンドル110の側面から退出して示されているが、ハンドル110の回転を容易にするため等に、ハンドル110の遠位端からの退出を含む、代替的な退出点を使用することができる。
【0106】
組織を拡張するように、流体送達要素140を通して、1つ以上の流体の多数の形態を送達することができる。流体は、液体、ガス、または1つ以上の液体およびガスの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、注入された流体は、水、高張食塩水等の生理食塩水、空気、CO
2、1つ以上のヒドロゲル、エピネフリン、高張ブドウ糖液、ヒアルロン酸、グリセロール溶液、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、注入された流体は、組織拡張を定量化するか、または別様に査定することができるように、着色剤を含むか、または別様に、内視鏡カメラまたは他の可視化デバイスを介する等して注入中に可視であるように構成される。可視化される典型的な流体は、メチレンブルー、染料、放射線不透過性流体、MR可視化可能流体、超音波で可視化可能な流体、およびこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。注射された流体は、磁気流体、ヒドロゲル、注入後に粘度を増加させるように構成される流体、注入後に粘度を減少させるように構成される流体、注入に先立って加熱されるグリセロールおよび生理食塩水の混合物等の注入に先立って加熱される流体、それが注入されている組織に類似するオスモル濃度を伴う流体、熱または電気絶縁体の役割を果たすように構成される流体、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、流体を含んでもよい。着色(例えば、非透明)流体、または色を変化させる流体が注入されてもよい。いくつかの実施形態では、液体は、組織拡張の存在または量を査定するため等に、流体の温度変化により色を変化させる。いくつかの実施形態では、同一または異なる流体送達要素を用いる等して、第1の色の流体が、第1の注入中に注入され、第2の色の流体が、第2の注入中に注入される。いくつかの実施形態では、注入された流体は、スクレロサント、抗炎症剤、抗微小管または他の分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アントラサイクリン、植物アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤、抗増殖剤、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される生物活性機能等の生物活性機能を提供する。
【0107】
ハンドル110は、真空源、油圧源、空気圧源、バッテリまたは高周波エネルギー発生器等の電気エネルギー源、超音波水晶または光ファイバ等の撮像要素を回転させるように構成される駆動機構等の回転駆動機構、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、機能的要素またはアセンブリを備える、示される機能的要素119等の機能的要素を含んでもよく、またはそれに取り付けられてもよい。機能的要素119は、流体送達要素140、拡張可能アセンブリ130、開口部131、および/またはデバイス100の別の構成要素への動作可能な接続等の、デバイス100の1つ以上の構成要素に流体的、電気的、または別様に動作可能に接続されてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、圧力センサ、力センサ、歪みゲージ、電極、インピーダンスセンサ、超音波水晶、光学可視光、OCT、またはOCDRファイバ等の可視化センサ、CCD等の光センサアレイ、生理学センサ、磁気センサ、光センサ、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、1つ以上のセンサ等の1つ以上のセンサ135を備える。いくつかの実施形態では、組織拡張の圧力を監視するため等に、圧力センサが含まれる。センサ135は、センサ135から受信される信号を分析し、診断出力を生じるように構成される、1つ以上の電子構成要素等のハンドル110と一体であるか、またはその外部にある1つ以上の構成要素と組み合わせて、診断アセンブリの中等で、診断を行うために使用されてもよい。センサ135は、組織拡張の量、(例えば、拡張前、中、および/または後の)現在の組織厚、組織層厚、流体送達要素の貫通距離、注入された流体の色濃度、組織のインピーダンス、
図4−4Bの針141等の針を介して加熱または冷却された流体を受容した組織の温度等の組織の温度、およびこれらの組み合わせのうちの1つ以上を定量化するか、または別様に査定するために使用されてもよい。代替として、または加えて、センサ135は、熱変換器、冷却変換器、LED等の光源、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される変換器等の変換器を備えてもよい。
【0109】
デバイス100は、デバイス100が内視鏡の「作業チャネル」としても知られている管腔を通して導入される、内視鏡等の別個の身体導入デバイスを通して前進させられるように構成されてもよい。これらの実施形態では、デバイス100は、外側シース109を含まなくてもよく、シャフト101は、ハンドル110に固定して取り付けられてもよい。拡張可能アセンブリ130は、それぞれ、内視鏡の遠位端から退出すると、または退出した後に、自動的に、または手動で拡張することができる。デバイス100は、流体送達要素140が、以下の
図3A、3B、および3Cを参照して説明される組織等の1つ以上の組織層に近接しているように、導入される。最大直径を伴うか、または別様に6mm以下の直径を伴う管腔の中へ挿入されるように構成されるシャフト等のシャフト101は、限定サイズの管腔を通して挿入するために構成される直径を備えてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト101が約8mm以下の比較的連続的な直径を有するとき等に、シャフト101は、内視鏡の側面に沿って身体の生体構造に挿入される。他の実施形態では、シャフト101が約13mm以下の比較的連続的な直径を有するとき等に、シャフト101は、内視鏡の患者生体構造の空洞に挿入される。
【0110】
シャフト101は、1つ以上の胃腸の身体場所等の1つ以上の身体場所へのアクセスを提供するように構成される、挿入可能または「作業」長を備えてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス100は、食道の中の組織を拡張するように構成され、シャフト101は、口を通して挿入され、約25cm以上の作業長を有するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス100は、胃の中の組織を拡張するように構成され、シャフト101は、口を通して挿入され、約35cm以上の作業長を有するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス100は、十二指腸の中の組織を拡張するように構成され、シャフト101は、口を通して挿入され、約100cm以上の作業長を有するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス100は、空腸の中の組織を拡張するように構成され、シャフト101は、口を通して挿入され、約140cm以上の作業長を有するように構成される。いくつかの実施形態では、デバイス100は、回腸の中の組織を拡張するように構成され、シャフト101は、口を通して挿入され、約300cm以下の作業長を有するように構成される。デバイス100は、(以下の
図4を参照して説明されるように)シャフト101の長さの大部分に沿った管腔を介して、または以下の
図10を参照して説明されるように迅速交換ガイドワイヤ送達のために構成されるサイドカー管腔を介して等、ガイドワイヤを経由した送達のために構成されてもよい。デバイス100は、示されていないが、典型的には、放射線不透過性マーカー、電磁マーカー、超音波可視マーカー、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される1つ以上のマーカーを備える、1つ以上のマーカーを含むことができる。
【0111】
ここで
図1Aを参照すると、ノブ112は、それぞれ、流体送達要素140aおよび140bから140nを開口部131aおよび131bから131nから個別に退出させるため等に、示されるようなページの右側までそれぞれ前進させられている。代替実施形態では、1つ以上のノブ112は、2つまたはそれよりも多くの流体送達要素140を前進させるように構成される。各流体送達要素140の延長の量は、組織の中への流体送達要素140の貫通深度を制御するため等に、ノブ112の前進の量によって、手動で、および/または自動的に制御されてもよい。ハンドル110は、示されていないが、各流体送達要素140の軸方向前進および/または半径方向変位を示すように線引きされた、1つ以上の標示を含むことができる。各流体送達要素140の正確な前進を確保するように、示されていないが、以下の
図10を参照して説明されるもの等の針停止部である、1つ以上の針停止部を含むことができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、シース109、シャフト101、拡張可能アセンブリ130、および/またはデバイス100の別の構成要素は、十二指腸の管腔等の管腔の中心に向かった半径方向変位等の、組織が拡張されると変位させられるように構築および配置される。代替として、または加えて、拡張可能アセンブリ130および/またはデバイス100の別の構成要素は、組織が拡張されると半径方向に圧縮するように構築および配置されてもよい。
【0113】
ここで
図2を参照すると、本発明の概念と一致する、組織拡張のための方法のフローチャーが図示されている。ステップ200では、本発明の概念の組織拡張デバイスが、胃腸診断または治療手技を受ける患者等の患者に挿入される。組織拡張デバイスは、内視鏡等の身体アクセスデバイスの管腔を通して挿入されてもよい。代替として、または加えて、組織拡張デバイスは、本デバイスの管腔を通るガイドワイヤ、または組織拡張デバイスの遠位端付近の迅速交換区画等のガイドワイヤを経由して挿入されてもよい。
【0114】
ステップ210では、組織拡張デバイスの1つ以上の流体送達要素が、拡張される組織に近接して位置付けられる。この位置付けは、内視鏡と一体であるか、または内視鏡を通して挿入される撮像デバイス、組織拡張デバイスと一体である撮像アセンブリ、フルオロスコープ、CTスキャナ、MRスキャナ等の患者の外部の撮像デバイス、超音波撮像装置、視覚カメラおよび/または超音波プローブあるいはカテーテル等の患者に挿入される撮像デバイス、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される可視化装置等の可視化装置を使用して、行われてもよい。
【0115】
ステップ220では、1つ以上の流体送達要素が組織と接触し、および/または組織の外層を貫通する前進等の、組織拡張デバイスの1つ以上の流体送達要素が前進させられる、随意的なステップが行われる。いくつかの実施形態では、1つ以上の流体送達要素は、胃腸管の粘膜層を貫通し、十二指腸の一部の中等の粘膜下層に進入する。いくつかの実施形態では、十二指腸の管腔壁組織等の管腔壁組織に接触するため等に、典型的には、ステップ220の実施中に、またはそれに先立って、1つ以上の流体送達要素を含む拡張可能アセンブリが、拡張されてもよい。1つ以上の流体送達要素および取り付けられた流体送達管を支持する、弾性的に付勢されたバスケットまたはケージ等の拡張可能アセンブリを、半径方向拡張状態で弾性的に付勢することができる。代替として、または加えて、ステップ220は、流体送達要素に向かった、および/または開口部の中への移動等の、組織が移動させられる組織操作ステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、以下の
図10、10A、および10Bを参照して説明されるように、開口部の中へ組織を引き込むため等に、真空がポートまたは他の開口部に印加される。いったん開口部の中に位置付けられると、流体送達要素を前進させることができ、および/または流体を捕捉された組織に送達することができる。印加された真空および開口部サイズは、1つ以上の深層が開口部の中へ移動させられることを回避しながら、開口部の中へ組織の1つ以上の内層を優先的に移動させるため等に、開口部の中へある組織を優先的に移動させるように構築および配置することができる。いくつかの実施形態では、粘膜および粘膜下組織層が、開口部の中へ引き込まれる一方で、筋層は、開口部の外側にとどまるか、または別様に流体送達要素によって拡張されることを回避するように位置付けられる。真空の印加後に、組織拡張デバイスおよび/または本デバイスの構成要素の前進、後退、および/または回転を介して等、(例えば、組織を「広げる」ように)1つ以上の他の組織操作が行われてもよい。
【0116】
ステップ230では、組織の1つ以上の層を拡張させるように、1つ以上の流体が、1つ以上の流体送達要素によって組織の中へ送達される。いくつかの実施形態では、1つ以上の流体送達要素は、ステップ230の流体送達中に移動(例えば、前進または後退)させられる。流体は、組織拡張デバイスの1つ以上の流体送達管を通して、1つ以上の流体送達要素に送達される。1つ以上の流体送達管は、1つ以上のシリンジ、ポンプアセンブリ、および/または流体の貯留部等の1つ以上の流体源に取り付けることができる。
【0117】
ステップ240では、組織拡張を査定する随意的なステップが行われる。組織拡張査定は、流体注入が開始または停止した10、20、または30秒後等の流体注入後の時間に行われる、可視化手技で使用されるデバイス等の上記で説明されている1つ以上の可視化デバイスを使用して、行うことができる。場合によっては、流体注入が開始または停止した15、30、または45分後等の切除手技の実施の直前の時間に、可視化手技が行われてもよい。不十分な拡張が達成された場合、1つ以上の流体送達要素が後退させられ、組織拡張デバイスの1つ以上の部分が再配置される、随意的なステップ245が行われてもよい。ステップ245は、流体送達デバイスのシャフトおよび/または1つ以上の流体送達要素を含有する支持構造を回転させること、軸方向および/または半径方向に1つ以上の流体送達要素を前進させること、軸方向におよび/または半径方向に1つ以上の流体送達要素を後退させること、およびこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、種々の再配置術を含んでもよい。ステップ245はさらに、1つ以上の流体送達要素がステップ245中に以前に後退させられたとき等に、上記のステップ220を参照して説明される前進等の、流体送達要素を前進させることを含んでもよい。組織の1つ以上の層の拡張を引き起こすように、1つ以上の流体が組織に注入される、ステップ230は、ステップ245の後退および/または再配置を伴い、または伴わずに、後に繰り返される。ステップ240の随意的なステップは、組織拡張の十分性を査定して、後に繰り返すことができる。
【0118】
ステップ250が、ステップ240で行われる査定および/またはステップ245で行われる再配置を伴って、または伴わずに、ステップ230での組織の中への流体の注入後に行われる。ステップ250では、図示されるようにステップ210に戻ってステップ210から250を繰り返すことによって等、流体送達デバイスを除去し、以降での後続の組織拡張のために定位置にとどまり、または新しい組織拡張場所まで比較的即時に前進させることができる。
【0119】
本発明の概念の組織拡張方法は、1つ以上の流体送達要素から等、流体を注入する単一のステップを含むことができる。代替として、組織拡張は、異なる場所での第2の注入が続く、第1の場所での第1の注入等の複数の流体注入ステップを用いて行われてもよい。組織拡張デバイスおよびそれらのアセンブリは、典型的には、管腔壁組織の比較的一様な円周に沿った複数の組織場所で注入するため等に、回転させられるように構成される。流体は、同時および/または連続的に、複数の流体送達要素によって注入されてもよい。
【0120】
組織拡張を引き起こすように注入される流体は、1回の注入あたりの所定の容量および/または単一の部位に送達される複数の注入の累積容量(例えば、針の1回の注入、または水ジェットのノズルによって単一の場所に送達される流体の量)等の所定の容量であってもよい。いくつかの実施形態では、1回の注入および/または1つの部位あたりのこの流体の所定の容量は、0.5mlから4.0ml、または1.0mlから3.0mlの容量を含む。これらの所定の容量は、管腔壁組織の相対円周に沿った2個から10個の間の部位等の異なる部位で注入されてもよい。完全組織拡張は、同時および/または連続的に行われる、1つ以上の軸方向および/または円周方向注入を含むことができる。注入は、同時および/または連続的に流体を送達する、2つまたはそれよりも多くの流体送達要素等の1つ以上の流体送達要素によって行われてもよい。注入の間に、組織拡張デバイスは、軸方向に前進および/または後退させることができ、かつ回転させることができる。いくつかの実施形態では、流体は、第1の場所で送達され、第1の拡張場所で組織拡張を引き起こす。第1の拡張場所の縁に近接する等、第1の拡張場所に近接して、第2の注入を行うことができる。注入を容易にするとともに、穿孔または組織拡張の失敗の可能性を低減させるために、以前に拡張した場所に近接する反復注入を使用することができる。
【0121】
ここで
図3A、3B、および3Cを参照すると、本発明の概念と一致する、それぞれ、完全円周方向組織拡張に先立った、その間の、またはその後の管腔壁組織の一部の断面側面および端面図が図示されている。
図3Aでは、管腔壁組織の一部の側面および端面断面図は、本発明の概念の組織拡張デバイスによる任意の拡張に先立って、内層L1と、中間層L2と、外層L3とを含む。
図3Bでは、組織拡張が、組織層L2内で、示されるようなページの最上部に向かった単一の場所で起こっている。
図3Cでは、組織拡張が、層L2の全360°区画に起こっている。いくつかの実施形態では、完全またはほぼ完全な円周方向拡張(例えば、約300°を上回る組織拡張、約320°を上回る組織拡張、または約330°を上回る組織拡張)が、複数の流体送達要素から等、比較的単一のステップで行われる。他の実施形態では、完全またはほぼ完全な円周方向拡張が、第1のステップで流体を注入し、1つ以上の後続のステップで回転させられるように構成される、1つ以上の流体送達要素から等、複数のステップで行われ、各回転の後には、組織の中への流体の注入が続く。
【0122】
図3Aから3Cの層L2等の組織層の拡張は、拡張前断面積の85%までの縮小(例えば、30mm管腔まで縮小される35mm管腔)、または拡張前断面積の75%までの縮小等の管腔の断面積の縮小を引き起こすように行われてもよい。いくつかの身体管腔は、襞として知られている1つ以上のしわを含む、十二指腸または空腸の裏層等の非平滑表面を含む、内層を備える。いくつかの実施形態では、組織拡張は、襞等のしわを平滑化させ、および/または広げさせる。この修正は、1つ以上の切除手技の結果を向上させるため等に、管腔の内壁の後続の治療で有用であり得る。
【0123】
患者組織の種々の形態および場所は、本発明の概念のデバイス、システム、および方法によって拡張することができる。いくつかの実施形態では、拡張される組織は、十二指腸の粘膜下組織等の粘膜下組織を含む。本発明の概念のデバイス、システム、および方法は、十二指腸の筋層または漿膜層が拡張されることを防止されるとき等に、組織の1つ以上の層を拡張することを回避するように構築および配置されてもよい。適用可能な組織は、管腔壁組織または他の組織層を含んでもよい。拡張される適用可能な組織場所は、胃腸組織層、十二指腸組織層、食道組織層、空腸組織層、回腸組織層、結腸組織層、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、管腔壁組織を含むことができる。代替として、または加えて、拡張される組織は、胃組織層、膀胱組織層、口腔組織層、子宮組織層、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、組織を含んでもよい。
【0124】
ここで
図4を参照すると、本発明の概念と一致する、手動で展開可能な拡張可能アセンブリを含む、組織拡張デバイスの遠位部分の側面図が図示されている。
図1のデバイス100に類似する組織拡張デバイス等の組織拡張デバイスは、展開前(例えば、半径方向拡張に先立った)状態で拡張可能アセンブリ130を含む。拡張可能アセンブリ130は、シース109の近位端上に搭載されたハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シース109から退出するように軸方向に前進させられていることが示されている。いくつかの実施形態では、拡張可能アセンブリ130が内視鏡の作業チャネルを通して前進させられたとき等に、シース109は、内視鏡を備える。拡張可能アセンブリ130は、少なくとも2つの支持アーム、すなわち、アーム132aおよび132b、典型的には、金属管またはプラスチック管等の中空または部分的に中空の管を備える。アーム132aおよび132bは、それぞれ、開口部131aおよび131bを含む。アーム132aおよび132bの遠位端は、
図1のハンドル110を参照して説明され、ケーブル103を前進または後退させるように構成されるもの等の、近位に進行し、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置に付着する、制御ケーブルである、ケーブル103、典型的には、金属または非金属ケーブルに取り付けられる。ケーブル103は、拡張可能アセンブリ130およびシース109のオーバーザワイヤ送達を可能にするように構成される、ガイドワイヤ管腔105を含むケーブル等の中空管を備えることができる。
【0125】
2つの流体送達要素、すなわち、針141aおよび141bが、それぞれ、アーム132aおよび132b内に位置付けられて示されている。針141aおよび141bは、典型的には、20から35ゲージの間、または23から27ゲージの間のゲージを伴う針等の金属針を備える。針141aおよび/または141bは、約30°の傾斜角等の10°から60°の間の傾斜角を伴う端部等の傾斜端を備えてもよい。針141aおよび141bは、流体送達管を介して、1つ以上の流体を針141aおよび141bに送達することができるように、
図1を参照して説明される流体送達管121等の1つ以上の流体送達管に流体的に取り付けられる。針141aおよび/または141bは、筋層または漿膜層等の組織の深層の貫通を回避または最小限化しながら、好ましくは、粘膜下層等の組織の1つの形態を貫通するため等に、特定の鋭さまたは他の貫通特性を備えてもよい。針141aおよび/または141bは、7mm未満等の10mm未満の露出長まで前進させられるように構築および配置されてもよい。針141aおよび141bは、以下の
図5および10を参照して説明されるように、それぞれ、開口部131aおよび131b内にとどまるように構築および配置されてもよい。開口部131aおよび131bに向かって、および/またはその中へ組織を引き込むため等に、真空を開口部131aおよび131bに印加することができる。代替として、または加えて、針141aおよび141bは、以下の
図4Bを参照して説明されるように、それぞれ、開口部131aおよび131bから外へ前進するように構築および配置されてもよい。
【0126】
ここで
図4Aを参照すると、アーム132aおよび132bの中間部分がシース109の軸から半径方向に延在するように、ケーブル103が後退させられている。開口部131aおよび131bは、対応して、示されるように半径方向に延在する。針141aおよび141bは、示される展開前位置にとどまる。
【0127】
図4Bを参照すると、拡張可能アセンブリ130が管腔壁組織等の組織に対して位置付けられるときに、針141aおよび141bが1つ以上の組織層の中へ貫通するように、針141aおよび141bは、開口部131aおよび131bから退出するように前進させられている。針141aおよび141bの前進は、示されていないが、
図1のハンドル110を参照して説明されるように、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、組み合わせて、または独立して行われてもよい。代替実施形態では、針141aおよび141bは、以下の
図5および10の組織拡張デバイスを参照して説明されるように、前進中に、それぞれ、開口部131aおよび131bから退出しない。これらの実施形態では、開口部131aおよび131bの中へ組織を引き込むように、真空が印加され、針141aおよび141bは、前進させられたときに捕捉組織を貫通する。
【0128】
ここで
図5を参照すると、本発明の概念と一致する、自己拡張アセンブリを含む、組織拡張デバイスの遠位部分の側面および端面図が図示されている。
図1のデバイス100に類似する組織拡張デバイス等の組織拡張デバイスは、展開(例えば、半径方向拡張)状態で拡張可能アセンブリ130を含む。拡張可能アセンブリ130は、シース109の近位端上に搭載されたハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シース109から退出するように軸方向に前進させられている、シャフト101の遠位端に取り付けられる。いくつかの実施形態では、拡張可能アセンブリ130が内視鏡の作業チャネルを通して前進させられたとき等に、シース109は、内視鏡を備える。拡張可能アセンブリ130は、それぞれ、近位区画133a、133b、および133cと、取り付けられた遠位区画134a、134b、および134cとを備える、3つの支持アーム等の少なくとも3つの支持アームを備える。近位区画133a、133b、および133cは、典型的には、金属管またはプラスチック管等の中空または部分的に中空の管であり、流体送達要素を摺動可能に受容し、それぞれ、開口部131a、131b、および131cを含むように構成される。遠位区画134a、134b、および134cは、典型的には、シース109等の圧縮管によって包囲されていないときに、拡張可能アセンブリ130を半径方向拡張状態にさせるため等に、
図5に示される配向で弾性的に付勢される。拡張可能アセンブリは、拡張または収縮幾何学形状で弾性的に付勢されるステンレス鋼および/またはNitinol等の弾性的に付勢された金属から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、アセンブリ130は、シース109および/または内視鏡の作業チャネル等の管の管腔内に挿入されたとき等に、半径方向圧縮状態に移行するように構成される。遠位区画134a、134b、および134cは、湾曲配向で形成されるNitinolまたはステンレス鋼等の弾性の生体適合性材料を含むことができる。遠位区画134a、134b、および134cは、平板材料または丸い管を備えてもよい。遠位区画134a、134b、および134cの遠位端は、区画134a、134b、および134cの遠位端の位置を包囲して維持する、先端139に取り付けられる。代替実施形態では、遠位区画134a、134b、および134cは、単一のシートで加工され、または別様に、先端139を伴って、または伴わずに、それらの遠位端が接続されるように加工されてもよい。先端139は、シリコーンまたは他の生体適合性ポリマー等の非外傷性材料によって覆われてもよい。
【0129】
各近位区画133a、133b、および133cは、それぞれ、単一の流体送達要素、すなわち、針141a、141b、および141cを含有する。針141a、141b、および141cは、それぞれ、単一の流体送達管121a、121b、および121cにそれぞれ取り付けられる。いくつかの実施形態では、各流体送達管は、
図1を参照してそれぞれ説明される、貯留部125a、125b、および125c等の組織に注入するための流体の個々の供給部に取り付けられるため等に、ハンドルまで近位に進行する。他の実施形態では、流体送達管121a、121b、および/または121cのうちの1つ以上は、流体が流体送達管121a、121b、および/または121cのうちの1つ以上を通して同時に注入されるように、流体源に付着するため等に、相互に流体的に付着する。いくつかの実施形態では、以下の
図5Aおよび5Cを参照して説明されるように、真空送達管を通して等、それぞれ、針141a、141b、および141cの周囲で、開口部131a、131b、および131cのうちの1つ以上に印加される真空等の真空が、近位ハンドルポートを介する等して印加される。印加された真空は、針141a、141b、および/または141cによる組織の貫通中に組織位置を維持するように、および/または後続の針の前進のために開口部131a、131b、および131cの中へ組織を操作するように、構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の開口部が、支持アーム133a、133b、および/または133cのうちの1つまたはそれよりも多くの上に提供され、開口部は、示されていないが、真空源に流体的に取り付けられるように、および1つ以上の力を組織に印加するように構成される。
【0130】
ここで
図5Aを参照すると、本発明の概念と一致する、組織拡張デバイスの支持アームの一部の側面断面図が図示されている。流体送達要素は、前進位置で示されており、支持部材は、流体送達要素を包囲する。
図5の近位支持アーム133a、133b、および/または133cの一部等の支持アーム133の一部が示されている。支持アーム133は、2つの管腔、すなわち、管腔107および管腔108を備え、ステンレス鋼またはNitinol等の金属材料、あるいは50Dから80Dの間のデュロメータを伴うPebax(R)等のプラスチック材料等の剛性または可撓性材料で構築されてもよい。管腔108
は、針141を摺動可能に受容する。流体送達管121の遠位端は、密閉結合および/または摩擦係合界面(例えば、針141の近位外径部分と管121の遠位内径部分との間の界面)を介して等、針141の近位端に流体的および機械的に取り付けられる。この取付は、流体密閉を提供するが、それでもなお流体が針141の中へ流体送達管121を通過することを可能にする。針141は、示される前進位置まで等、開口部131である、支持アーム133の中の陥凹の中へ前進させられるように構築および配置される。針141は、傾斜先端を伴う27ゲージステンレス鋼針等の25から30ゲージの間の針を備えることができる。流体送達管121は、ステンレス鋼編組を含むポリイミドシャフト等の、編組を含む、プラスチック材料を備えるシャフト等の可撓性シャフトを備えることができる。
【0131】
その近位端の上で、管腔107は、示されていないが、
図1の真空源340等のオペレータによって起動可能な真空の供給部に流体的に取り付けられる。管腔107は、その遠位端上で開口部131に流体的に取り付けられる。開口部131は、開口部131の中へ引き込まれた組織に、組織に付与された張力ベクトルの好ましい形状および/または好ましいアレイを持たせるため等に、傾斜側壁231を備えることができる。使用時、針141は、後退状態にあり(例えば、開口部131に進入していない)、真空を開口部131に印加することができる。組織が開口部131の中へ引き込まれた後、針141は、
図5Aに示される位置まで(ページの右側に)前進させられ、組織を貫通し、開口部131の中へ組織を引き込んで1つ以上の組織層を拡張するように、流体が流体送達管121を通して送達されるために準備ができている。
【0132】
組織を貫通すると支持を針141に提供するように、支持および/または誘導要素である、フェルール149が含まれてもよい。フェルール149は、針141が組織の中へ前進させられるとき等に、針141への望ましくない回転、屈曲、および/または捻転を防止するように構成することができる。フェルール149は、針141の遠位部分に結合されるか、または摩擦係合する、丸い管を備えることができる。フェルール149が、0.020インチから0.036インチの間の外径(例えば、0.028インチに近似する直径)を備え、管腔108が0.027インチから0.043インチの直径(例えば、0.035インチに近似する直径)を備えるとき等に、フェルール149は、管腔108の内径に近似する外径を備えることができる。フェルール149は、2.0mmに近似する長さ等の1.5mmから2.5mmの間の長さを伴う管状構築物を備えることができる。フェルール149は、ステンレス鋼等の金属等の剛性材料を含むことができる。針141の遠位端が
図5Aに示される位置まで軸方向に進行すると、フェルール149の大部分が管腔108内にとどまるように、フェルール149を針141の上で軸方向に位置付けることができる。
【0133】
ここで
図5Bを参照すると、発明の概念と一致する、前進位置に流体送達要素を伴う、組織拡張デバイスの支持アームの開口部の上面図が図示されている。
図5の近位支持アーム133a、133b、および/または133cの一部、および/または
図5Aの支持アーム133の一部等の支持アーム133の一部が示されている。支持アーム133は、流体送達管121および針141を摺動可能に受容する。針141は、示される前進位置まで等、開口部131である、支持アーム133の中の陥凹の中へ前進させられるように構築および配置される。開口部131は、開口部131の中へ引き込まれた組織に、組織に付与された張力ベクトルの好ましい形状および/または好ましいアレイを持たせるため等に、傾斜壁231を備えることができる。針141および支持シャフト133は、針141が開口部131の中へ引き込まれた組織を通して前進させられたとき等に、(例えば、支持アーム133および/または開口部131の中心軸に整合させられる)
図5Bに示される比較的整合した位置を維持するように構築および配置することができる。整合は、
図5Aのフェルール149等の針支持および/または整合構成要素を通して達成することができる。いくつかの実施形態では、針141および支持アーム133のうちの1つ以上等の組織拡張デバイスの1つ以上の構成要素は、針141が完全に前進させられたときに、針141の遠位端の中の開口部が、
図5Bに示されるように開口部131の中心にあるように、構築および配置される。この位置付けの制御は、以下の
図10を参照して説明されるように針停止部の使用を通して、および/または上記の
図1を参照して説明されるハンドル110および関連制御装置等のハンドルと一体である1つ以上の制御装置を介して達成することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、開口部131は、約4mmの軸方向長を備え、針141は、針141が完全に前進させられ、針141の端部の中の開口部が示されるように開口部131を中心とするときに、3mmの長さが開口部131の中に存在するように構築および配置される。いくつかの実施形態では、開口部131は、最大5mmの軸方向長を備える。いくつかの実施形態では、開口部131は、最大2mmの幅を備える。
【0135】
ここで
図5Cを参照すると、本発明の概念と一致する、支持アームの代替的な開口部の斜視図が図示されている。
図5の近位支持アーム133a、133b、および/または133cの一部等の支持アーム133の一部が示されている。支持アーム133は、流体送達管および針等の流体送達要素を摺動可能に受容するように構成される、管腔108を含み、流体送達管および流体送達要素は、図示を明確にするために除去されている。支持アーム133は、0.090インチに近似する直径等の0.070インチから0.100インチの間の直径を備えることができる。支持アーム133は、ステンレス鋼またはNitinol等の金属材料、あるいはPebax(R)材料等のプラスチック材料等の剛性また
は可撓性材料で構築されてもよい。管腔108は、0.020インチから0.040インチの間、または約0.035インチの直径を伴う円形断面等の
図5Cに示される円形断面を備えることができる。支持アーム133はさらに、
図1の真空源340等のオペレータによって調整可能な真空源によって供給される真空圧力等の真空圧力の供給部に流体的に取り付けられるように構成される、管腔107を含む。管腔107は、組織を開口部131’の中へ引き込ませるため等に、真空を開口部131’等の支持アーム133の中の陥凹または開口部に流体的に印加する。管腔107は、
図5Cに示されるように、三日月形の断面を備えてもよい。開口部131’はさらに、針等の流体送達要素を受容するように構築および配置される。
【0136】
開口部131’は、真空が管腔107を介して開口部131’に印加されたときに、開口部131’の中へ引き込まれる組織の量を制限するように構成される突起等の開口部131’の側壁に沿った突起232を備える。いくつかの実施形態では、突起232は、筋層または漿膜層等の深層の拡張を回避しながら、針等の流体送達要素によって組織の中へ送達される1つ以上の流体が、胃腸組織の粘膜下層で組織拡張を発生させるように、十分な組織が開口部131’の中へ引き込まれることを可能にするように構築および配置される。加えて、開口部131’は、開口部131’の中へ引き込まれた組織に、組織に付与された張力ベクトルの好ましい形状および/または好ましいアレイを持たせるため等に、傾斜壁231を備える。
【0137】
ここで
図6を参照すると、本発明の概念と一致する、貫通装置と、非外傷性周辺管とを備える、流体送達要素の側面断面図が図示されている。流体送達要素141は、十二指腸の管腔または他の胃腸管腔等の組織の管腔の中に位置付けられている。組織は、最内層L1、深層L2、およびさらなる深層L3等の複数の層を備える。いくつかの実施形態では、L1は、粘膜層を備え、L2は、粘膜下層を備え、L3は、上を覆う漿膜層を伴う、または伴わない筋肉層を備える。流体送達要素141は、尖った管である貫通装置143、典型的には、尖った遠位端を伴う金属ハイポチューブ等の中空または中実管を摺動可能に受容する、丸みを帯びた、または別様に非外傷性の遠位端145を含む中空管144を備える。管144は、端部145に比較的近接して位置付けられる、開口部142である穴をその壁に含む。管144および貫通装置143は、示されていないが、上記の
図1を参照して説明されるように、近位に進行し、注射用流体の供給部に流体的に接続される、1つ以上の流体送達管を介して等、管144と貫通装置143との間の空間の中で流体を送達することができるように定寸される。管144の遠位端が、深部組織の低膨張性層によって等、閉塞されたときに、管144の遠位端から外に、および/または開口部142を介して、流体を組織に送達することができる。
【0138】
流体送達要素141は、貫通装置143による組織の中への初期貫通を可能にするように構成され、その後に、以下の
図6Aおよび6Bを参照して図示および説明されるように、管144を組織の中へ前進させることができる。
図6では、貫通装置143は、組織層L1を通して組織層L2の中へ前進させられている。(
図6のように)貫通装置143も前進させられている間に、管144の前進中に流体の注入を行うことができ、流体がポート142を通って優先的に退出し、前進中に層L2の組織拡張を引き起こす。
【0139】
ここで
図6Aを参照すると、管144は、貫通装置143を経由し、組織層L1を通して組織層L2の中へ前進させられている。貫通装置143は、組織層L3の中等の組織の深部の中への流体送達要素141のさらなる前進を防止するため等に、貫通装置143の遠位端が管144内に含有されるように、管144の前進および/または貫通装置143の後退を介して等、位置付けられる。
【0140】
ここで
図6Bを参照すると、流体は、管144の遠位端145から、および/または開口部142を通って退出し、組織層L2を拡張させるため等に、貫通装置143と管144との間の空間の中に注入されている。
【0141】
ここで
図7を参照すると、本発明の概念と一致する、内部管腔を伴う針を備える、流体送達要素の側面断面図が図示されている。流体送達要素140’は、十二指腸の管腔または他の胃腸管腔等の組織の管腔の中に位置付けられている。組織は、最内層L1、深層L2、およびさらなる深層L3等の複数の層を備える。流体送達要素140’は、管腔147を含む、針141を備える。針141は、典型的には、傾斜端部を備える、尖った遠位先端146を備え、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シャフト101から動作可能に前進可能であるように構成されてもよい。針141は、完全またはほぼ完全な円周方向組織拡張を生成するため等に、組織の円周の周囲で複数の流体送達事象を行うため等に、(例えば、後退させられたときに)回転させられるように構築および配置することができる。管腔147は、示されていないが、近位に進行し、注射用流体の供給部に流体的に接続される、1つ以上の流体送達管に流体的に接続される。流体は、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上または近位ハンドルに接続されるデバイス上の1つ以上の制御装置を介して等、針141の遠位端146から外へ組織に送達することができる。
【0142】
ここで
図8を参照すると、本発明の概念と一致する、ノズルおよび内部管腔を含む、水ジェットを備える、流体送達要素の側面断面図が図示されている。流体送達要素140’’は、十二指腸の管腔または他の胃腸管腔等の組織の管腔の中に位置付けられている。組織は、最内層L1、深層L2、およびさらなる深層L3等の複数の層を備える。流体送達要素140’’は、管腔147に流体的に接続されるノズル148を備える。Erbe Elektromedizin GmbH(Tuebingen, Germany)によって製造されているErbejet 2で使用されるような水ノズル等のノズル148は、組織を組織の深層に送達するため等に、1つ以上の組織表面を貫通するように十分な圧力を含む、平行流で示される注入液150である、流体の高圧送達を可能にするように構成することができる。ノズル148は、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シャフト101から動作可能に前進可能であるように構成することができる。ノズル148は、完全またはほぼ完全な円周方向組織拡張を生成するため等に、組織の円周の周囲で複数の流体送達事象を行うため等に、回転させられるように構築および配置することができる。ノズル148は、シャフト101の軸に沿った配向で示されているが、ノズル148は、1°から179°の間、典型的には、10°から170°の間の角度等で、軸外に配向することができる。ノズル148は、単一のノズルとして示されているが、複数のノズルを採用することができる。管腔147は、示されていないが、近位に進行し、注射用流体の供給部に流体的に接続される、1つ以上の流体送達管に流体的に接続される。上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上または近位ハンドルに接続されるデバイス上の1つ以上の制御装置を介して等、流体をノズル148から組織に送達することができる。
【0143】
ここで
図9を参照すると、本発明の概念と一致する、イオン導入流体送達アセンブリを備える、流体送達要素の側面断面図が図示されている。流体送達要素140’’’は、十二指腸の管腔または他の胃腸管腔等の組織の管腔の中に位置付けられている。組織は、最内層L1、深層L2、およびさらなる深層L3等の複数の層を備える。流体送達要素140’’’は、貯留部151と、電極152とを備える、イオン導入送達要素とを備える。貯留部151は、管腔147に流体的に接続される。貯留部151および電極152は、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シャフト101から動作可能に前進可能であるように構成することができる。貯留部151は、完全またはほぼ完全な円周方向組織拡張を生成するため等に、組織の円周の周囲で複数の流体送達事象を行うため等に、回転させられるように構築および配置することができる。管腔147は、示されていないが、近位に進行し、注射用流体の供給部に流体的に接続される、1つ以上の流体送達管に流体的に接続される。電極152は、示されていないが、貯留部151の中および/または周囲で電極152に電場を印加させるように構成される制御ユニットまで近位に進行する、1本以上のワイヤに接続される。電極152は、単一の電極として示されているが、複数の電極が採用されてもよい。注入液150は、当業者に周知であるイオン導入送達を介して等、電極152によって生成される電場によって、少なくとも組織層L1およびL2の中へ駆動されることが可能なイオン流体を含む。電極152の起動は、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上または近位ハンドルに接続されるデバイス上の1つ以上の制御装置を介して等、達成することができる。
【0144】
ここで
図10を参照すると、本発明の概念と一致する、側面陥凹部分と、保護された針出口ポートとを備える、組織拡張デバイスの遠位部分の側面断面図が図示されている。デバイス100は、シャフト101の遠位端102に、またはその付近に位置付けられる、一体型サイドカー106を伴うシャフト101を含む。サイドカー106は、当業者に公知であるように、シャフト101を前進させ、および/または迅速交換送達を介してガイドワイヤを経由して交換することができるように、ガイドワイヤ管腔106’を備える。シャフト101はさらに、2つの管腔、すなわち、針141である流体送達要素を摺動可能に受容することができる第1の管腔108と、真空を運搬するように構成される第2の管腔107とを備える。シャフト101は、シャフト101の遠位端102に比較的近接して位置付けられる、陥凹155である陥凹をその側壁に含む。陥凹155は、十二指腸の粘膜下層等の組織の1つ以上の層を拡張するため等に、十二指腸の管腔または他の胃腸管腔等の組織の管腔の中に位置付けることができる。以下の
図10Aおよび10Bを参照して説明されるように、示されるような陥凹155の中へ組織を引き込むため等に、管腔107を介して、印加された真空を陥凹155に導入することができるように、開口部158が管腔107と陥凹155との間に位置付けられる。
【0145】
針141は、示されていないが、上記の
図1のデバイス100を参照して説明されるように、流体の供給部と流体連通している1つ以上の流体送達管等の1つ以上の流体送達管に流体的に接続される、管腔147を含む。針141は、その遠位端を管腔108から退出させて陥凹155に進入させるため等に、同様に
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シャフト101および管腔108の軸に沿って動作可能に前進可能であるように構成される。機械的停止部157が、108の管腔内に位置付けられる。カラー156が機械的停止部157と接触するときに、針141の前進が制限されるように、カラー156が針141に取り付けられる。いくつかの実施形態では、針141の可能にされた進行を調整するため等に、近位ハンドル上に位置付けられる1つ以上の制御装置を介して等、カラー156および/または停止部157の位置を調整することができる。いくつかの実施形態では、針141が着脱された場合に、針141がデバイス100から退出することを防止するため等に、陥凹155の軸方向長より長いように、針141の長さが選択される。
【0146】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、ケーブル166に接続される可視化要素165である、撮像構成要素を含む。撮像構成要素165は、示されていないが、ケーブル166に接続され、デバイス100の1人以上のオペレータの視界内に位置付けられる、1つ以上の視覚ディスプレイを介して等、画像をオペレータに提供するように構成される。撮像構成要素165は、超音波撮像装置、光コヒーレンス領域反射率測定(OCDR)撮像装置、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像装置、走査または構造化照射のいずれか一方を介した共焦点内視顕微鏡検査、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、撮像要素を備えてもよい。ケーブル166は、電力を提供するか、または別様に撮像構成要素165が画像を提供することを可能にするため等に、電線、光ファイバ、および/または1つ以上の回転シャフトを備えてもよい。十分性を判定するか、または別様に針141を介して流体を1つ以上の組織層に送達することによって引き起こされる組織拡張を査定するために、撮像構成要素165によって提供される画像を使用することができる。
【0147】
ここで
図10Aを参照すると、シャフト101の遠位部分および陥凹155は、胃腸組織等の組織に近接して位置付けられており、近位ハンドル内にある、および/またはそれに取り付けられた真空源を介して等、真空がポート158および管腔107を介して陥凹155に印加されている。真空が印加されると、陥凹155に近接する組織は、
図10Aで図示されるように、陥凹155の中へ引き込まれる。いくつかの実施形態では、陥凹155は、腸の幾何学形状の特定の層の組織拡張を正確に引き起こす幾何学形状およびサイズを備える。例えば、陥凹155は、筋層を含むことなく、粘膜層(厚さ<1mm)を陥凹部分155に進入させる幾何学形状およびサイズを備えてもよい。これらの実施形態では、組織が陥凹部分155の中へ引き込まれると、海綿状粘膜下層が伸張して拡大し、針141の挿入のためのより大きい標的を生成する。管腔107を通して印加される真空によって陥凹155の中へ組織の全層を引き込むことを防止するために、陥凹155の幅の最小限化を使用することができる。いくつかの実施形態では、陥凹155は、1.5mm未満または1.0mm未満の幅等の2.0mm未満の幅を備える。陥凹155の遠位端が、針141の組織貫通に応答して垂直力を提供するとき等に、陥凹155の中へ引き込まれた組織の中への針141の貫通を向上させるために、陥凹155の軸方向長の最小限化を使用することができる。いくつかの実施形態では、陥凹155の長さは、4.0mm未満または3.0mm未満の長さ等の5.0mm未満である。いくつかの実施形態では、陥凹155は、1.5mmに近似する幅と、4.0mmに近似する長さとを備える。いくつかの実施形態では、管腔107および針141はそれぞれ、上記の
図5Cを参照して説明される二重管腔の管等の単一の管の中に含有される。
【0148】
ここで
図10Bを参照すると、管腔107の中で真空を維持しながら、針141は、図示されるように組織の中へ軸方向に前進させられている。針141の前進は、
図1のハンドル110を参照して説明されるようなハンドルと一体である制御装置等の、シャフト101の近位端上の1つ以上の制御装置によって達成することができる。シャフト101の近位端上の1つ以上の流体源まで近位に進行する流体送達管を介して等、陥凹部分155内に含有される組織の中への針141の挿入後である。いくつかの実施形態では、陥凹155は、針141の先端が陥凹155に進入する場所と、針141が最初に組織を貫通する場所との間の偏位距離を制限するように、定寸および構成される。この距離を最小限化することにより、組織の集群または伸張を防止するか、または別様に、陥凹155内に捕捉された組織の中への針141の貫通を向上させることができる。
【0149】
図10、10A、および10Bのシャフト101および陥凹部分155は、回転させられるように構築および配置することができる。これらの実施形態では、真空を介して陥凹155の中へ一連の組織切片を引き込むため等に、組織の円周の周囲で複数の流体送達事象を行うことができ、完全またはほぼ完全な円周方向組織拡張を生成するため等に、その後に、針141の複数の前進および流体の送達が続く。
【0150】
ここで
図11を参照すると、本発明の概念と一致する、端陥凹部分と、保護された針出口ポートとを備える、組織拡張デバイスの遠位部分の側面断面図が図示されている。シャフト101’および陥凹部分155’は、陥凹部分155’がシャフト101’の遠位端102に位置付けられることを除いて、
図10のシャフト101および陥凹155に類似する。
【0151】
シャフト101’はさらに、流体送達管121、および針141である流体送達要素を摺動可能に受容する、第1の管腔108を備える。シャフト101’はさらに、真空を運搬するように構成される、第2の管腔107を備える。陥凹部分155’および管腔107は、陥凹部分155’の中へ組織を引き込み、張力をこの組織に印加して、針141による組織の貫通中に遭遇する力に抵抗するように、構築および配置される。
【0152】
陥凹155’は、十二指腸の粘膜下層等の組織の1つ以上の層を拡張するため等に、十二指腸の管腔または他の胃腸管腔等の組織の管腔の中に位置付けることができる。上記の
図10Aおよび10Bを参照して説明されるように、示されるような陥凹155’の中へ組織を引き込むため等に、管腔107を介して、印加された真空を陥凹155’に導入することができるように、開口部158’が管腔107と陥凹155’との間に位置付けられる。
【0153】
針141は、上記の
図1のデバイス100を参照して説明されるように、その近位端で1つ以上の流体の供給部に取り付けられる、流体送達管121に流体的に接続される、管腔147を含む。針141は、管腔108から退出して陥凹155’に進入するため等に、同様に上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シャフト101’および管腔108の軸に沿って動作可能に前進可能であるように構成される。典型的な使用では、シャフト101の遠位端102が組織に近接して位置付けられ、真空が開口部158’を介して印加され、その後、針141が捕捉組織の中へ前進させられ、1つ以上の流体が、管腔108および流体送達管121を介して組織に注入され、1つ以上の組織層を拡張させる。
【0154】
ここで
図12を参照すると、本発明の概念と一致する、内視鏡と、前進可能な針とを備える、組織拡張デバイスの遠位部分の側面断面図が図示されている。内視鏡170は、十二指腸の中の場所まで等、胃腸管を通して等、管腔組織を通して前進させられている。組織は、最内層L1、深層L2、およびさらなる深層L3等の複数の層を備える。漿膜等の深層を貫通することを回避しながら、胃腸管の粘膜および粘膜下層を貫通するため等に、層L3の貫通を回避しながら、組織の層L1およびL2を貫通するように針141を軸方向に前進させることができるように、内視鏡170は、内視鏡デバイスに共通する1つ以上の操縦制御装置を介して、その遠位端を偏向させている。
【0155】
管腔147を含む針141は、1つ以上の制御装置を介して等、内視鏡170の作業チャネル172から動作可能に前進可能であるように構成されてもよい。内視鏡170は、完全またはほぼ完全な円周方向組織拡張を生成するため等に、組織の円周の周囲で複数の流体送達事象を行うため等に、(例えば、針141が後退させられたときに)回転させられるように構築および配置することができる。針141および管腔147は、接合継手122を介して流体送達管121(例えば、ハイポチューブ)に流体的に接続される。管腔147は、流体送達管121の管腔147’に流体的に取り付けられる。いくつかの実施形態では、管腔147’は、流体送達管121を通して流体を送達するために必要とされる圧力を低減させるため等に、
図12に示されるような管腔147より大きい直径である。流体送達管121は、近位に進行し、シリンジまたはポンプアセンブリ等の注射用流体の供給部に流体的に接続される。流体は、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上または近位ハンドルに接続されるデバイス上の1つ以上の制御装置を介して等、針141の遠位端から外へ組織に送達することができる。
【0156】
いくつかの実施形態では、針141および/または流体送達管121は、組織層L2が拡張すると、針141が管腔の中心に向かって平行移動することができるように、管腔圧潰を伴わずに撓曲を可能にする、可撓性および半径方向支持を備える。
【0157】
内視鏡170は、オペレータが、組織の中への針141の貫通、ならびに示される層L2等の1つ以上の組織層の拡張を可視化することを可能にするように位置付けられる、カメラ171を含む。いくつかの実施形態では、注入された流体は、組織拡張の量を定量化するか、または別様に査定するために使用することができる、染料または他の可視化可能な着色剤を含む(例えば、ある場所で可視化される色が深いほど、その場所での拡張が厚い)。代替として、または加えて、内視鏡170は、超音波撮像装置、光コヒーレンス領域反射率測定(OCDR)撮像装置、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像装置、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるデバイス等の別の可視化デバイスを備えてもよい。内視鏡170はさらに、可視光および/または赤外光を送達するため等に、LED173等の光源を備えることができる。内視鏡170はさらに、以下の
図18を参照して説明される組織操作デバイス等の組織操作デバイスを摺動可能に受容するように定寸される、作業チャネル等の第2の作業チャネル174を備えることができる。
【0158】
ここで
図13を参照すると、本発明の概念と一致する、複数の針と、流体分散マニホールドとを備える、組織拡張デバイスの遠位部分の側面図が図示されている。拡張可能アセンブリ130は、シャフト101の遠位端102より遠位に示されている。拡張可能アセンブリ130は、示される支持アーム132a、132b、および132c等の少なくとも3つの支持アームを備える。支持アーム132a、132b、および132cは、
図13に示される半径方向拡張状態で弾性的に付勢することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能アセンブリ130は、シャフト101の中への拡張可能アセンブリ130の後退が、拡張可能アセンブリ130を半径方向に圧縮させるように、シャフト101によって摺動可能に受容される。他の実施形態では、拡張可能アセンブリ130は、作業チャネルが拡張可能アセンブリを半径方向に圧縮する内視鏡を通して、拡張可能アセンブリ130が挿入されるときに、シャフト101に対して固定されてもよい。先端139は、支持アーム132a、132b、および132cの遠位端を接続および/または包囲することができ、先端139は、エラストマーまたは他の比較的軟質の材料等の非外傷性カバーを含んでもよい。代替実施形態では、拡張可能アセンブリ130は、相互から180°に位置付けられる2つの支持アーム132aおよび132b等の2つの支持アームを備える。
【0159】
支持アーム132a、132b、および132cは、それぞれ、開口部131a、131b、および132cである、半径方向外向きに対面する開口部をそれぞれ備えてもよい。針141a、141b、および141c等の流体送達要素は、それぞれ、アーム132a、132b、および132cによって摺動可能に受容される。針141a、141b、および141cは、上記で詳細に説明されているように、それぞれ、開口部131a、131b、および131cから外へ動作可能に前進させられるように構築および配置される。
【0160】
針141a、141b、および141cは、それぞれ、流体送達管121a、121b、および121cである、流体送達管にそれぞれ取り付けられる。流体送達管121a、121b、および121cは、弁アセンブリ160である流体分散マニホールドに流体的に取り付けられ、それは順に、管腔108である単一の流体送達管に流体的に取り付けられる。管腔108は、上記で詳細に説明されているように、近位に進行し、1つ以上の注射用流体源に流体的に接続される。
【0161】
ここで
図13Aを参照すると、本発明の概念と一致する、
図13の弁アセンブリ160の拡大断面図が図示されている。弁アセンブリ160は、その近位端で管腔108に接続される。弁アセンブリ160は、それぞれ、ピストン162a、162b、および162cを前進および後退させる、ソレノイド161a、161b、および161cを含む、3組のソレノイドおよびピストンを備える。ピストン162a、162b、および162cは、各管と管腔108との間の流路を開放または閉鎖させるため等に、流体送達管121a、121b、および121cの中に位置付けられる。ワイヤ163のケーブルが、その遠位端上でソレノイド161a、161b、および161cに取り付けられる。ワイヤ163は、ハンドルに含まれ、オペレータが、独立して流体を流体送達管121a、121b、および121cのうちのいずれかまたは全てに流動させることを可能にするように構成される、制御回路等まで、近位に進行する。
【0162】
ここで
図13Bを参照すると、本発明の概念と一致する、
図13の支持アームの拡大断面図が図示されている。支持アーム132aは、針141aである流体送達要素を摺動可能に受容するように構成される、近位区画133aを備え、開口部131aを含む。針141aおよび取り付けられた流体送達管121aは、オペレータが針141aを前進させることを可能にするように構成される、
図1のハンドル110等の近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、前進させられている。いくつかの実施形態では、針141aが前進させられると、開口部131aに近接して位置付けられる斜面136a、および典型的には、胃腸組織の1つ以上の層等の組織の1つ以上の層を貫通するため等に、所定の軌道で針141aを指向するように構成される硬質表面と接触する。
【0163】
ここで
図14を参照すると、本発明の概念と一致する、ばね荷重針注入器を備える、組織拡張デバイスの遠位部分の側面断面図が図示されている。シャフト101は、遠位端102を含み、針141等の流体送達要素を包囲する。注入アセンブリ190が含まれ、オペレータが、組織の中への所定の距離および/または所定の力の自動前進等の針141のばね力駆動前進を引き起こすことを可能にするように構成される。シャフト101の内壁に取り付けられる突起197である、随意的な機械的停止部が含まれてもよい。
【0164】
注入アセンブリ190は、一方の端部上で針141に、その他方の端部上でシャフト101の内壁に取り付けられる、ばね191を含む。ばね191は、針141が
図14に示される後退状態にあるときに、前進力を針141に(すなわち、示されるようなページの左側に)及ぼすように位置付けられる。注入アセンブリ190はさらに、付勢ばね192の一方の端部に取り付けられる制御ロッド194を備える、ラッチアセンブリ193を含む。付勢ばね192の他方の端部は、示されるようなページの左側に向かってロッド194への付勢力を生成するため等に、シャフト101の内壁に取り付けられる。制御ロッド194は、近位に進行し、典型的には、上記の
図1を参照して詳細に説明されているように、シャフト101の近位端上のハンドル上の前進および後退制御装置に取り付けられる。制御ロッド194は、突起196である、針141の半径方向に延在する部分に解放可能に係合する、枢動ラッチ195を動作可能に係合する。
図14に示されるように位置付けられたとき、枢動ラッチ195は、ばね191がシャフト101の遠位端102から外へ針141を前進させることを防止する、突起196を介して、力を針141に印加する。
【0165】
ここで
図14Aを参照すると、枢動ラッチ194を枢動させ、突起196との係合を解放させて、制御ロッド194が後退させられている。ばね191によって印加される力は、針141を示されるようなページの左側に前進させる。いくつかの実施形態では、標的組織層および/または標的組織深度まで等、針141を最大距離で前進させる、突起197である、機械的停止部が含まれる。前進後、上記で詳細に説明されているように、1つ以上の流体を1つ以上の組織層に送達することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、それぞれ示されていないが、突起197の位置のオペレータによる調整を可能にするように構成される、スロットおよび固着機構によって摺動可能に受容されるとき等に、シャフト101の軸に沿って突起197を移動させることができる。上記で詳細に説明されているような近位ハンドル上の1つ以上の制御装置による等の、針141の後続の後退は、流体送達を介した組織拡張を支援するように、注入アセンブリ190およびラッチアセンブリ193を、本デバイスの再配置、および組織の中への針141の付加的なばね荷重前進に準備ができている、
図14に示される状態にリセットさせるであろう。注入アセンブリ190は、自動流体送達前進、例えば、針141の前進を可能にするため、および/または組織貫通の制御された力および/または制御可能な前進距離を可能にするため等に、本明細書で説明される組織拡張デバイスのうちの1つ以上に含まれてもよい。
【0167】
ここで
図15を参照すると、本発明の概念と一致する、後退状態で付勢された針を備える、組織拡張デバイスの遠位部分の側面断面図が図示されている。シャフト101は、遠位端102を含み、針141等の流体送達要素を包囲する。付勢アセンブリ198は、一方の端部上で針141に、その他方の端部上でシャフト101の内壁に接続される、ばね199を含む。ばね199は、
図15に示される後退状態等の後退状態に針141を向ける付勢力を提供するように取り付けられ、配向される。
【0168】
ここで
図15Aを参照すると、針141は、上記で詳細に説明されているように、近位ハンドルに含まれる1つ以上の制御装置を介して等、(示されるようなページの左側に)前進させられている。ばね199は、針141を後退させる傾向がある付勢力を課して、延長させられる。付勢アセンブリ198は、オペレータが、針141等の流体送達要素を前進位置に不慮に残すことを防止するため等に、本明細書で説明される組織拡張デバイスのうちの1つ以上に含まれてもよい。
【0169】
ここで
図16を参照すると、本発明の概念と一致する、管腔閉塞アセンブリ、および針を備える流体送達要素の側面断面図が図示されている。針141である、流体送達要素は、十二指腸の管腔または他の胃腸管腔等の組織の管腔の中に位置付けられている。組織は、最内層L1、深層L2、およびさらなる深層L3等の複数の層を備える。管腔147に流体的に取り付けられる開口部142である、側面出口ポートを含む、針141は、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上の1つ以上の制御装置を介して等、シャフト101から動作可能に前進可能であるように構成することができる。シャフト101は、完全またはほぼ完全な円周方向組織拡張を生成するため等に、組織の円周の周囲で複数の流体送達事象を行うため等に、(例えば、針141が後退させられたときに)回転させられるように構築および配置することができる。管腔147は、示されていないが、近位に進行し、注射用流体の供給部に流体的に接続される、1つ以上の流体送達管に流体的に接続される。流体は、上記の
図1を参照して説明されるように、近位ハンドル上または近位ハンドルに接続されるデバイス上の1つ以上の制御装置を介して等、針141の遠位端から外へ組織に送達することができる。
【0170】
管腔を完全または部分的に閉塞するためのアセンブリである、閉塞アセンブリ180が、層L1によって包囲されている管腔の中の1つ以上の流体(例えば、吹送流体)の流動を閉塞するため、および/または組織層L1、L2、および/またはL3のうちの1つ以上内の流体(例えば、針141によって注入される流体、血液、および/または層L1、L2、および/またはL3内の他の流体)の流動を閉塞するため等に、針141に比較的近接して位置付けられる。閉塞アセンブリ180は、膨張管181を介したバルーン182の中への空気、CO
2、および/または生理食塩水等の1つ以上の流体の送達を介して等、動作可能に拡張することができるバルーン182等の拡張可能デバイスを含む。膨張管181は、上記で説明されているように、近位に進行し、ハンドル上等で膨張ポートまたは他の流体の供給部に接続する。
図16では、バルーン182は、まだ拡張されておらず、針141は、まだ組織層L1を貫通していない。代替実施形態では、閉塞アセンブリ180は、力を組織の1つ以上の層に印加するように構成される拡張可能ケージまたはバスケット等の別の拡張可能要素を備えてもよい。
【0171】
ここで
図16Aを参照すると、バルーン182は、完全または部分円周方向接触を伴って等、組織層L1に接触するように膨張させられる。膨張のレベルは、示されるようなL1、L2、および/またはL3等の1つ以上の組織層を圧縮するように選択されてもよい。
【0172】
ここで
図16Bを参照すると、針141は、組織層L2の中に開口部142を位置付けて、組織層L1を通して組織層L2の中へ前進させられている。バルーン182は、その膨張状態で維持されている。
【0173】
ここで
図16Cを参照すると、流体は、示されるように組織層L2を拡張させて、開口部142を通して組織層L2の中へ前進させられている。膨張状態でのバルーン182の維持は、円周方向に、および/またはページ上で示されるようなバルーン182の右側への方向に、組織の拡張を指向するため等に、バルーン182の位置を越えた流体の移動を低減および/または防止する。
【0174】
バルーン182は、組織の中への針141の貫通部位より遠位に位置付けられて示されているが、代替的な方法では、バルーン182を針141より近位に配置することができる。閉塞アセンブリ180は、単一のバルーン182を有して図示されているが、代替実施形態では、針141の貫通部位より遠位および/または近位に位置付けられるために、複数のバルーンまたは他の膨張可能要素が含まれてもよい。これらの複数のバルーンの実施形態では、針141等の流体送達要素は、第1のバルーンと第2のバルーンとの間に展開されるように構成されてもよい。
【0175】
ここで
図17を参照すると、本発明の概念と一致する、オペレータによって調整可能な針軌道ガイドを伴う流体送達要素を含む、組織拡張デバイスの遠位部分が図示されている。シャフト101は、遠位端102と、遠位端102に近接する開口部131とを含む。シャフト101は、流体送達を支援して1つ以上の組織層を拡張するよう、1つ以上の組織層の中へ前進させられるように構成される針141である、流体送達要素を包囲する。針141は、針ガイドアセンブリ115を通過する。針ガイドアセンブリ115は、針ガイド117、典型的には、針141を摺動可能に受容し、組織の中へ針141の遠位部分を指向するように構成される、金属または他の剛性材料を含む。針ガイドアセンブリ115はさらに、ガイド117によって摺動可能に受容され、その周囲で針ガイド117が枢動することができる、ピン116である、枢動点を備える。針ガイド117は、示されていないが、ケーブル104を前進および/または後退させるように構成されるハンドル上のオペレータ制御装置である、制御装置まで近位に進行する、ケーブル104に取り付けられる。ケーブル104は、針141がシャフト101の開口部131から退出する軌道を変化させるため等に、針ガイド117を枢動させるように、前進および/または後退させることができる。
図17では、ケーブル104および針ガイド117は、針141が約90°でシャフト101から退出するように位置付けられる。
【0176】
ここで
図17Aを参照すると、針141によって取られる軌道をシャフト101の遠位端102に向かわせて、ケーブル104が回転させられている。
【0177】
ここで
図17Bを参照すると、針141によって取られる軌道をシャフト101の遠位端102から離して向かわせて(例えば、シャフト101の近位端に向かって)、ケーブル104が回転させられている。
【0178】
ここで
図18を参照すると、本発明の概念と一致する、側孔を伴う針を備える、流体送達要素の側面断面図が図示されている。針は、身体管腔の第2の層の中へ貫通するように前進させられている。流体送達要素は、示されるように、中実先端と、管腔147と、開口部142である側孔とを含む、針141を備える。管腔147は、示されていないが、本明細書で説明される流体送達アセンブリ330等の流体送達アセンブリに接続するように近位に進行する、1つ以上の流体送達管に流体的に接続される。流体送達アセンブリ330は、上記で説明されているように、1つ以上の流体を送達するように構成される。シャフト101は、それを通して針141が摺動可能に前進させられる、管腔108を含む。いくつかの実施形態では、管腔108および/またはシャフト101の別の管腔は、本明細書で説明される真空源340等の真空源に流体的に取り付けられる。真空源340は、所定の真空圧力に設定されてもよく、および/またはオペレータによって調整可能であり得る。
図18では、針141およびシャフト101は、いずれも示されていないが、本明細書の他の実施形態を参照して説明される、内視鏡または他の身体アクセスデバイスの作業チャネルを通して、またはガイドワイヤを経由して等、層L1、L2、およびL3を含む身体管腔に挿入されている。針141は、組織層L2の中へ前進させられている。針141が組織の中へ前進させられると、真空が真空源340によって管腔108に印加されていてもよい。
【0179】
ここで
図18Aを参照すると、組織層L2の拡張を引き起こすように、流体が、流体送達アセンブリから管腔147および開口部142を通して注入されている。注入中に、真空が、真空源340を介して管腔108に印加されていてもよい。
【0180】
ここで
図18Bを参照すると、組織操作アセンブリ175が、針141の組織貫通部位に近接する部位に導入されている。組織操作アセンブリ175は、開口部178を含む、その遠位端が、組織と接触するように、それを通してプローブ177が前進させられているシャフト176である、細長い管を備える。真空が、真空源340によって、管腔179を通して開口部178に印加される。真空が、シャフト101の管腔108に同時に印加されていてもよい。
【0181】
ここで
図18Cを参照すると、組織操作アセンブリ175が再配置されている一方で、力を接触した組織に印加させて、真空が管腔179および開口部178を介して印加されたままである。印加された力は、拡張した組織の幾何学形状および/または拡張した組織内に含有される流体を、オペレータによって調整させる。いくつかの実施形態では、組織操作は、組織内の流体の流動を指向するため等に、針141を介した組織の中への流体の注入中に行われる。印加された力は、拡張した組織面積を調整するため、および/または針141による貫通のためのより大きい標的を作成するため等に、組織を「広げさせる」ように使用することができる。
【0182】
いくつかの実施形態では、拡張した組織の幾何学形状を調整するために、上記の
図10を参照して説明される可視化要素等の、内視鏡と一体であるか、または内視鏡を通して挿入されるカメラ等の可視化デバイスが使用される。いくつかの実施形態では、種々の力が組織操作アセンブリ175によって組織に印加されると、流体が連続的または断続的に注入される。いくつかの実施形態では、第2の組織操作プローブを提供するように、真空がシャフト101の管腔108に印加される。
【0183】
図18Bおよび18Cの組織操作アセンブリ175は、真空支援アセンブリを備えるが、力を組織に印加することができるデバイスの多数の形態および構成が、本発明の概念の精神および範囲内と見なされるものである。いくつかの実施形態では、組織マニュピレータは、バルーン、拡張可能リング、真空ポート、一対の関節動作ジョー等の把持器、半径方向に拡張可能なケージ、半径方向に展開可能なアーム、およびこれらの組み合わせのうちの1つ以上を備える。
【0184】
ここで
図19を参照すると、本発明の概念と一致する、組織を拡張するため、ならびに標的組織を切除するか、または別様に治療するためのシステムが図示されている。システム300は、1つ以上の組織部分を含む、標的組織10を治療するように構築および配置される。システム300は、その内容が、それらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる、2012年1月18日に出願の「Devices and Methods for the Treatment of Tissue」と題された国際PCT出願第PCT/US2012/01739号、および2013年2月27日出願の「Heat Ablation Systems, Devices and Methods
for the Treatment of Tissue」と題された国際PCT出願第PCT/US2013/28082号で説明されているもの等の1つ以上の切除デバイスまたは切除要素を含んでもよい。
図19の実施形態では、システム300は、シャフト311aおよび311bを備える、複数のフィラメント伸長デバイス301を含む。いくつかの実施形態では、デバイス301は、最大300cmの長さ、あるいは十二指腸、空腸、および/または回腸を含む胃腸組織の治療を可能にするように構成される他の長さ等の、6mm未満の直径および100cm以上の長さを伴う可撓性部分を備える。シャフト311aは、遠位端312を有する。シャフト311aおよび311bは、シャフト311aが、シャフト311bによって摺動可能に受容されるように、定寸および構成される。シャフト311aおよび311bは、内視鏡350の管腔351である作業チャネル(例えば、6mm作業チャネル)を通して挿入されている。シャフト311aおよび311bは、遠位端312から退出して示されている、ガイドワイヤ371等のガイドワイヤを経由して挿入されてもよい。
【0185】
デバイス301は、上記で説明されているように、1つ以上の流体送達要素を備える、拡張可能または他の流体送達アセンブリを備え得る、流体送達アセンブリ130を含む。流体送達アセンブリ130は、流体を送達して組織の1つ以上の層を拡張するように構築および配置される針141である、少なくとも1つの流体送達要素を含む。代替として、または加えて、流体送達アセンブリ130は、上記で説明される水ジェットまたは他の流体送達要素等の付加的または代替的な流体送達要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、針141は、上記の
図4Bを参照して説明されているように、開口部131から退出して組織を貫通することによって、流体を組織に送達するように構築および配置される。他の実施形態では、上記の
図5および10を参照して説明されるように、開口部131から退出することなく針141が組織を貫通することを可能にして、開口部131の中へ組織を引き込むため等に、真空を開口部131に印加することができる。システム300は、真空源340によって開口部131に印加される真空等の、流体送達アセンブリ130の開口部または陥凹に流体的に取り付けることができる真空源340等の真空源を含むことができる。
【0186】
流体送達アセンブリ130は、上記で説明される
図4、5、および13の組織拡張デバイスに含まれる種々の支持アーム等の1つ以上の支持アームを含むことができる。流体送達アセンブリ130は、内視鏡の管腔を通して挿入されるため等に、弾性的に付勢されたケージ、または半径方向に圧縮可能に半径方向拡張状態で付勢された他のアセンブリを備えることができる。代替として、流体送達アセンブリ130は、半径方向圧縮状態から半径方向拡張状態まで拡張可能であり得る。流体送達アセンブリ130は、拡張される組織に近接して1つ以上の流体送達要素を位置付けるために使用されるバルーン等の拡張可能バルーンを含むことができる。
【0187】
デバイス301はさらに、拡張可能組織治療要素、すなわち、シャフト311bに搭載される、拡張可能治療要素322bを含む。治療要素322bは、高温または低温流体を含有するように構成されるバルーン、RFエネルギーを送達するように構成される電極のアレイ、または他の治療形態等の治療要素形態のうちの1つ以上等で、標的組織を治療するように、種々の形態で構成されてもよい。一実施形態では、要素322bは、柔軟バルーン、非柔軟バルーン、圧力閾値を伴うバルーン、柔軟および非柔軟部分を伴うバルーン、流体進入ポートを伴うバルーン、流体出口ポートを伴うバルーン、およびこれらの組み合わせのうちの1つ以上等の拡張可能バルーンを備える。別の実施形態では、治療要素322bは、組織を切除するために構成される切除要素、およびRFエネルギーを送達するように構成されるエネルギー送達要素等のエネルギー送達要素のうちの1つ以上を備える。シャフト311aおよび311bは、それを通して通過する1つ以上の管腔を含んでもよく、データおよび/またはエネルギーの転送のためのワイヤまたは光ファイバを備えてもよい。シャフト311bは、高温流体エネルギーまたは他の熱用量のボーラスを送達するため等に、治療送達要素322bを通して高温流体を送達および/または再循環するように構成される、1つ以上の同心シャフト等の1つ以上のシャフトを備えてもよい。デバイス301は、類似および/または異種形態のエネルギーあるいは他の治療を送達するように構成される、2つまたはそれよりも多くの治療要素等の複数の治療要素を備えてもよい。代替実施形態では、流体送達アセンブリ130は、拡張可能ではなく、単純に、組織の1つ以上の層を拡張するように流体を送達することが可能な流体送達要素を備える。
【0188】
内視鏡350は、標準的胃腸内視鏡等の標準的内視鏡、または本発明の概念の組織治療に関連する情報を提供するように構成されるセンサ353を含む内視鏡等のカスタマイズされた内視鏡であってもよい。システム300のセンサ353および他のセンサは、熱電対等の熱センサ、組織インピーダンスセンサ等のインピーダンスセンサ、圧力センサ、血液センサ、光センサ等の光学センサ、超音波センサ等の音センサ、電磁場センサ等の電磁センサ、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、センサであってもよい。センサ353は、標的組織10の治療を監視するため、および/または閉ループ方式で標的組織10を治療するため等に、システム300の1つ以上の構成要素に情報を提供するように構成されてもよい。エネルギー送達は、1つ以上のセンサ示度値によって修正されてもよい。一実施形態では、アルゴリズムは、送達されるエネルギーの量、送達されるエネルギーの出力、および/またはエネルギー送達の温度を修正するように、1つ以上のセンサ信号を処理する。
【0189】
治療要素322b、流体送達アセンブリ130、および/または針141の適正な並置を確認するため等に、化学検出センサ等のセンサが含まれてもよい。この構成では、二酸化炭素センサ等の化学センサを、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130の遠位に配置することができ、二酸化炭素ガス等の流体が、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130の近位に導入される。導入された流体の検出は、標的組織へのエネルギーの不十分な伝達を防止するため、および/または不十分な組織拡張を防止するため等に、治療要素322b、流体送達アセンブリ130、および/または針141の不十分な並置を示し得る。
【0190】
内視鏡350は、内視鏡350および/またはシャフト311aおよび311bの挿入または除去中等の、標的組織10の治療に先立って、その間、またはその後に、システム300のオペレータによって使用される、可視光、超音波、および/または他の可視化デバイス等のカメラ352を含んでもよい。カメラ352は、胃腸管の内部器官等の内部身体空間および組織の直接可視化を提供してもよい。内視鏡350は、空腸内への内視鏡350の挿入を可能にするため等に、ガイドワイヤと連結されるか、または別様にそれを含んでもよい。
【0191】
システム300は、身体管腔の吹送を実施するように構成されてもよい。身体管腔は、1つ以上の標準的吹送技法を使用することによって等、加圧されてもよい。吹送流体は、内視鏡350の管腔354を通して導入することができる。管腔354は、近位に進行し、示されていないが、典型的には、空気、CO
2、および/または水源である、吹送液体またはガス源に接続する。代替として、または加えて、吹送流体は、シャフト311aおよび/または311bを通して、あるいは治療要素322aおよび/または322b内のポートを通して等、デバイス301によって送達されてもよく、ポートは、示されていないが、同様に示されていない吹送液体またはガス源に流動的に取り付けられる。代替として、または加えて、内視鏡350を通して挿入されるように、または内視鏡350に沿って位置付けられるように構成される、別個のデバイスは、吹送流体を送達するように構成される1つ以上の管腔を有してもよい。システム300は、拡張可能治療要素322b、流体送達アセンブリ130、または示されていないが、経時的に吹送圧力を達成および/または維持することができるように(例えば、吹送流体の望ましくない移動を低減または防止する)、身体管腔を完全または部分的に閉塞するため等に半径方向に拡張するように構成される別の拡張可能デバイス等の、1つ以上の閉塞性要素またはデバイスを含んでもよい。1つ以上の閉塞性要素またはデバイスは、吹送される管腔区画より近位および/または遠位に位置付けられてもよい。
【0192】
それぞれ、
図19の治療要素322bおよび流体送達アセンブリ130等の本発明の概念の治療要素および流体送達アセンブリは、固定直径を有してもよく、またはそれらは、拡張可能であり得る。拡張可能要素は、膨張可能バルーン、拡張可能ケージ、半径方向に展開可能なアーム、および同等物を備えてもよい。治療要素は、高温流体からの熱エネルギーの送達のためのバルーンローブのアレイ等のエネルギー送達要素または要素のアレイを含んでもよい。エネルギー送達要素は、1つ以上の異なる形態のエネルギーを送達するように構成されてもよい。エネルギーは、一定または可変規模あるいは他のエネルギーレベルで送達されてもよい。エネルギーは、連続またはパルス状であってもよく、閉ループ方式で送達されてもよい。エネルギー送達は、第2の治療場所が、第1の治療場所より薄いときに、第1の治療場所から第2の治療場所へのエネルギーの減少等、第1の組織場所から第2の場所まで変化させられ得る。代替として、または加えて、エネルギー送達は、送達されるエネルギーの量を調整することによって等、または上記で詳細に説明されているようにエネルギー送達要素を収縮させることによって等、エネルギー送達要素の一部を移動させることによって、単一組織場所への単一印加中に変化させられ得る。
【0193】
治療要素322bは、十二指腸粘膜の完全または部分的破壊等の標的組織の完全または部分的破壊を生じさせるように構成されてもよい。治療要素322bは、以前に治療されたおよび/または未治療組織を除去するように構成されてもよい。治療要素322b内に維持される圧力は、治療の深度を調整する、機械的研削デバイスによって印加される力を調整する、(例えば、組織接触を変化させることによって)熱エネルギー送達中に印加されるエネルギーの量を調整する、およびこれらの組み合わせ等、実施されている治療を調整するように設定し、および/または変化させることができる。
【0194】
治療要素322bは、1つ以上のセンサ316bを含んでもよい。センサ316bは、上記で説明されるような1つ以上のセンサであってもよい。センサ316bは、粘膜および粘膜下組織を区別するため等に、治療要素322bに近接する組織型を区別するように構成される治療要素322bに搭載される可視化センサ等の、治療要素322bによって実施される組織治療に関連する情報を提供するように構成されるセンサであってもよい。代替として、または加えて、センサ316bは、治療要素322bに搭載され、治療要素322bおよび/または治療要素322bに近接する組織の温度を監視するように構成される温度センサ等の、治療要素322bによって実施される組織治療に関連する情報を提供するように構成されるセンサであってもよい。
【0195】
エネルギー送達および流体輸送ユニット(EDU)330は、治療要素322bから1つ以上の流体を送達および抽出するとともに、1つ以上の形態のエネルギーを標的組織に送達するように構成されてもよい。一実施形態では、EDU330は、温水または生理食塩水等の高温流体の1つ以上の供給をバルーン治療要素に送達するように構成される。これらの実施形態では、EDU330は、典型的には、1つ以上の蠕動、変位、または他の流体ポンプ等の1つ以上の流体ポンプ、ならびにデバイス301の内部または外部の1つ以上の熱交換器または他の流体加熱要素を含む。EDU330は、1つ以上の流体輸送手段を用いて、治療要素322bへ、および/またはそこから、流体を急速に送達し、および/または引き出すように構築および配置されてもよい。流体輸送手段は、少なくとも50ml/分の流速で流体を送達するように構成されるポンプ、および/または少なくとも50ml/分の流速で流体を除去するように構成されるポンプまたは真空源を含んでもよい。ポンプまたは真空源は、高温流体を連続的に交換するように、および/または陰圧プライミング事象を行ってデバイス301の1つ以上の流体経路から流体を除去するように構成されてもよい。EDU330および/またはデバイス301は、治療要素322bと流体連通している流体送達および/または流体引き出し経路の中に1つ以上の弁を含んでもよい。弁は、領域の中への流体の進入を制御するように、および/または領域内の流体の圧力を維持するように構成されてもよい。弁は、約12秒にわたって治療要素の中で維持される90℃の流体等の加熱流体から、約30から60秒にわたって治療要素の中で維持される4℃から10℃の間の流体等の冷却流体へ移行するために使用されてもよい。典型的な弁は、ダックビル弁、スリット弁、電子的起動弁、圧力緩和弁、およびこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。EDU330は、治療要素322bを急速に膨張および/または収縮させるように構成されてもよい。EDU330は、デバイス301から低温または高温流体を除去するため、および/またはデバイス301から気泡を除去するため等に、空気等のガスでデバイス301の流体経路をパージするように構成されてもよい。
【0196】
別の実施形態では、EDU330は、少なくとも高周波(RF)エネルギーを送達するように構成され、システム300は、RFエネルギーが、単極送達モードで送達され得るように、患者(例えば、患者の背中)に取り付けられるように構成される、接地パッド332を含む。代替として、または加えて、治療要素322bが、RFエネルギーを送達するように構成され、および/またはシステム300が、図示されないが、典型的には、1つ以上の電極または電気伝導性表面を含む、第2のエネルギー送達要素を含むとき等に、EDU330は、双極RFモードでエネルギーを送達するように構成されてもよい。
【0197】
代替として、または加えて、EDU330は、胃腸管の粘膜下層の1つ以上の層等の1つ以上の組織層の拡張を引き起こすように、針141等の1つ以上の流体送達要素に送達される流体等の流体を組織に送達するように構築および配置されてもよい。流体は、同時および/または連続的に、複数の流体送達要素に送達することができる。EDUは、制御された圧力または流速等の制御された様式で、または1回の注入あたりの所定の容量等の所定の容量で流体を提供してもよい。
【0198】
システム300は、典型的には、示されていないが、システム300の1人以上のオペレータが、1つ以上のシステム入力パラメータの入力、ならびに1つ以上のシステム出力パラメータの可視化および/または記録等の1つ以上の機能を果たすことを可能にするように構成される、グラフィカルユーザインターフェースを含む、コントローラ360を含んでもよい。典型的なシステム入力パラメータは、バルーン等の治療要素に送達されるべき流体の温度、送達される冷却流体の温度、送達される高温流体の流速、送達される高温流体の容量、RFエネルギー、熱エネルギー、および/または機械的エネルギー等の送達されるエネルギーのタイプ、送達されるエネルギーの累積ジュール数または送達されるエネルギーのピーク量等の送達されるべきエネルギーの量、送達されるエネルギーの組み合わせのタイプおよびレベル、エネルギー送達持続時間、送達されるエネルギーのパルス幅変調率、研磨デバイスが横断する往復運動の回数、標的温度または最大温度等の治療要素のための温度、吹送圧力、吹送持続時間、組織拡張のための流体流速、組織拡張のための流体容量、
図10の陥凹155等の陥凹の中へ捕捉するための真空持続時間、
図10の陥凹155等の陥凹に印加される真空レベル等の真空圧力レベル、およびこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。システム入力パラメータは、粘膜密度および/または厚さ、粘膜下層注入後の粘膜下層の粘膜「剥離」、GI管内の標的組織の縦方向場所、針141等の流体送達要素による拡張前、拡張中、および/または拡張後の層の厚さ等の組織層厚、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、手技前または手技中パラメータ等の患者生体構造または状態に基づく情報を含んでもよい。典型的システム出力パラメータは、組織および/または治療要素温度情報等の温度情報、バルーン圧力情報または吹送圧力情報等の圧力情報、組織に印加される力のレベルの情報等の力情報、1つ以上のセンサによって記録される患者の生理学的情報等の患者情報、およびこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0199】
コントローラ360および/またはシステム300の1つ以上の他の構成要素は、プロセッサ、メモリ、ソフトウェア、および同等物を含む、電子機器モジュール等の電子機器モジュールを含んでもよい。コントローラ360は、典型的には、オペレータが、エネルギー送達ユニット330および/または真空源340によって等、システム300の種々の構成要素によって、組織の治療を開始、修正、および中止することを可能にするように構成される。コントローラ360は、拡張可能治療要素322bおよび/または針141等の1つ以上の流体送達要素に送達される流体の温度、流速、および/または圧力を調整するように構成されてもよい。コントローラ360は、吹送を開始し、および/または吹送圧力を調整するように構成されてもよい。コントローラ360は、システム300の1つ以上のセンサからの信号に基づいて、1つ以上の組織治療パラメータを修正することによって等、エネルギー(例えば、EDU330から)または他の組織治療を閉ループ方式で送達するように構成されてもよい。コントローラ360は、オペレータが今後の使用のために所定のシステム設定を記憶することを可能にするため等に、プログラム可能であり得る。システム300、EDU330、および/またはコントローラ360は、送達された流体の1つ以上の測定された性質、治療要素の1つ以上の測定された性質、流体送達要素の1つ以上の性質、治療される組織の1つ以上の測定された性質、拡張される組織の1つ以上の測定された性質、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるパラメータに基づいて、1つ以上の治療要素および/または1つ以上の流体送達要素に送達される流体の温度、流速、および/または圧力を修正するように構築および配置されてもよい。
【0200】
コントローラ360およびEDU330は、一定、可変、連続、および断続エネルギー送達プロファイルにおいて、エネルギーを送達するように構成されてもよい。パルス幅変調および/または時分割多重化(TDM)が、非標的組織を無傷のまま残しながら、標的組織の切除を確保するため等に、エネルギー送達の精度を達成するように組み込まれてもよい。
【0201】
システム300は、運動伝達要素335等の、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130に運動を印加するように構成される機構を含んでもよい。運動伝達要素335は、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130が、それぞれ、回転および/または平行移動させられるように、シャフト311aおよび/または311bを回転および/または軸方向に平行移動させるように構成されてもよい。運動伝達要素335は、独立して、または一斉に、治療要素322bおよび流体送達アセンブリ130を回転させるように構成されてもよい。運動伝達要素335は、回転モータ、磁気および他の線形アクチュエータ、ならびにシャフト311aおよび/または311bに動作可能に接続される同等物を含むもの等の、1つ以上の回転または線形駆動アセンブリを含んでもよい。シャフト311aおよび/または311bは、関連組織治療および/または組織拡張中に、それぞれ、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130を十分に回転および/または平行移動させるために、十分な柱強度および/またはトルク伝達特性を伴って構築される。運動伝達要素335は、運動伝達要素335、したがって、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130の運動を起動、調整、および/または別様に制御するため等に、コントローラ360と通信してもよい。運動伝達要素335は、手動で駆動され、および/または自動的に(例えば、モータ)駆動されてもよい。代替として、または加えて、運動伝達要素335は、標的組織の第1の部分を治療または拡張する第1の位置から、標的組織の第2の部分を治療または拡張する第2の位置まで、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130を前進または後退させるために使用されてもよい。本実施形態では、治療要素322bおよび/または流体送達アセンブリ130の再配置は、重複治療および/または組織拡張を提供するように構成されてもよい。
【0202】
コントローラ360は、治療要素322bへのエネルギー送達の制御等の、エネルギー送達を制御するように構成されてもよい。例えば、治療要素322bが、RF電極アレイであり、EDU330が、RF発生器を備える場合、コントローラ360は、規定された周期にわたって特定量のRFエネルギーを提供するようにプログラムされてもよい。別の実施例では、治療要素322bが、加熱された生理食塩水バルーンである場合、コントローラ360は、所望の温度で所望の周期にわたって、図示されないエネルギー伝達管を通して等、加熱された生理食塩水を治療要素322bに提供し、引き出すように構成することができる。コントローラ360は、オペレータが、最初に、エネルギー送達を開始し、次いで、治療要素322bが、ある周期にわたって組織を切除することを可能にし、その後、オペレータが、エネルギー送達を終了させるように、手動制御のために構成されてもよい。
【0203】
システム300はさらに、撮像デバイス370等の1つ以上の撮像デバイスを含んでもよい。撮像デバイス370は、患者内に挿入されるように構成されてもよく、シャフト311aおよび/または311bと一体型である、それに取り付けられる、その中に含有される、および/またはそれに近接するとき等に、視覚的光カメラ、超音波撮像機、光コヒーレンス領域リフレクトメトリ(OCDR)撮像機、および/または光干渉断層(OCT)撮像機を備えてもよい。撮像デバイス370は、内視鏡350の別個の作業チャネルを通して挿入されてもよいが、管腔は、図示されない。一実施形態では、撮像デバイス370は、図示されないが、シャフト311aによって囲繞され、典型的には、撮像デバイス370を囲繞する面積の多次元画像を作成するように回転および/または平行移動される、シャフトに接続された超音波変換器である。代替として、または加えて、X線、フルオロスコープ、超音波画像、MRI、PETスキャナ、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される、撮像デバイス等の撮像デバイス370は、患者の外部にあり得る。
【0204】
システム300はさらに、組織に近接して位置付けられ、エネルギー送達または他の組織治療事象中に、ある組織への損傷を防止するように構成される、保護キャップ380を含んでもよい。保護キャップ380は、それを覆ってキャップ380を留置し、次いで、ファーター膨大部を保護するよう位置付けることができるように、内視鏡350または別の伸長デバイスを用いて送達されてもよい。典型的実施形態では、保護キャップ380は、標的組織の治療後、手技中に除去されることによって等、留置から24時間以内に除去される。
【0205】
流体送達アセンブリ130に加えて、またはその代替案として、システム300はさらに、
図1の1つ以上の組織拡張デバイス100、または
図2から18を参照して本明細書で説明される別の組織拡張デバイス等の粘膜下組織拡張デバイス等の標的組織面積を拡張するように構成される、組織拡張デバイス390を含んでもよい。組織拡張デバイス390は、内視鏡350を通して、および/または内視鏡350とともに挿入されてもよい。組織拡張は、標的組織の増加したサイズ(例えば、増加した深度)と、治療が有意な有害事象を生じさせない、組織の関連安全域(例えば、粘膜層切除に先立った、拡張された粘膜下層)とにより、エネルギー送達の精度等の治療の精度の必要性を大幅に緩和させることができる。
【0206】
システム300はさらに、患者への全身および/または局所送達のために構成される薬剤等の1つ以上の医薬品または他の薬剤500を含んでもよい。これらの薬剤は、手技前、手技中、および/または手技後、送達されてもよい。抗生物質、ステロイド、スクラルフェート等の粘膜細胞保護剤、プロトンポンプ阻害薬または他の酸遮断薬、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される薬剤等の薬剤は、治癒を改善するように構成されてもよい。これらの薬剤の代替として、または加えて、手技前および/または手技後食事療法が、採用されてもよい。手技前食事療法は、低糖質および/または低カロリーの食物摂取を含んでもよい。手技後食事療法は、低カロリーおよび/または低糖質の全流動食または食事を備える、食物摂取を含んでもよい。いくつかの実施形態では、組織拡張手技の完了後に送達される利尿薬等の利尿薬または他の流体還元剤が、患者に送達されてもよい。
【0207】
典型的実施形態では、システム300は、慢性的に埋め込まれた構成要素またはデバイスを含まず、挿入から8時間以内に、挿入から24時間以内に、および/または挿入から1週間以内に除去されるデバイス等の、臨床手技の終了時またはその後すぐに除去される、身体挿入デバイスのみである。代替実施形態では、埋込装置510が、含まれてもよい。埋込装置510は、ステント、外筒、およびコーティングされたステント、コーティングされた外筒、および/または埋め込まれたポンプ等の薬物送達デバイスのうちの1つ以上を備えてもよい。インプラント510等のインプラントを含む実施形態では、胃腸管の管腔壁等へのインプラントの係留を増進するように、粘膜下組織拡張等の組織拡張を行うことができる。
【0208】
システム300の構成要素はそれぞれ、別の構成要素、特に、コントローラ360、エネルギー送達ユニット330、真空源340、運動伝達要素335、接地パッド332、ならびに内視鏡350およびデバイス301に可撤性に取り付けられてもよい。
【0209】
デバイスおよび方法の好ましい実施形態が、それらが開発された環境を参照して説明されているが、それらは、単に、本発明の原理の例証である。本発明を実行するための前述のアセンブリ、他の実施形態、構成、および方法の修正または組み合わせ、ならびに当業者に明白である、本発明の概念の側面の変形例は、請求項の範囲内であると意図される。加えて、本願は、方法または手技のステップを特異的順序で列挙しているが、いくつかのステップが実施される順序を変更することが可能であって、ある状況では、好都合でさえあり得、以下に記載の方法または手技請求項の特定のステップは、そのような順序の特異性が、請求項に明示的に記載されない限り、順序が特異的であると解釈されないことが意図される。