【実施例】
【0042】
実施例1
この実施例1は、コーティングABS-G2015、ABS-G020、およびABS G-2030の、マウスノロウイルスに対する抗微生物効力を評価する。マウスノロウイルス(MNV)とは、マウスに感染するノロウイルスの種である。ノロウイルスは、ヒトにおけるウイルス性胃腸炎の最も一般的な原因である。これは、全ての年齢のヒトに感染する。このウイルスは、とりわけ、このウイルスのエアロゾル化、およびその後の表面の汚染によって、伝達される。このウイスルは、毎年およそ2億6千7百万人の人々を冒し、そして200,000を超える死亡を引き起こしている。これらの死亡は通常、さほど発展していない国においてであり、そして非常に若いヒト、年老いたヒト、および免疫抑制されたヒトにおいてである。
【0043】
この実施例1の試験片を、本明細書中ですぐ下に記載される手順を使用して、準備した。
【0044】
手順
滅菌手袋を着用する。
【0045】
試験片を、最初にイソプロピルアルコールで拭き、そして乾燥させることによって、準備する。
【0046】
これらの試験片を、表面クリーナーを用いて、マイクロファイバー布を使用して、きれいにする。
【0047】
噴霧器を、きれいにされるべき表面から約8インチに保持する。
【0048】
スプレーして1〜3分間そのままにしておき、そしてそれを拭い去る。その領域が極度に汚い場合、クリーナーをより長時間作動させるか、または2回目のスプレーおよび拭き取りを行う。
【0049】
表面をきれいな湿ったスポンジまたは布で拭く。
【0050】
表面を完全に乾燥させる。
【0051】
手袋をはめた手で、コンシステンシーについて片を調べる。
【0052】
メタノール(MeOH)中の選択されたシランの、10体積パーセントの溶液(90mlのMeOH中10mlのシラン)を調製する。
【0053】
トリエタノールアミンを、MeOH中10体積パーセントの溶液として調製する。
【0054】
このトリエタノールアミン溶液とこのシラン溶液とを、1:1の比で、撹拌プレート上で、室温で合わせる(すなわち、100mlのトリエタノールアミン溶液を100mlのシラン溶液に加える)。
【0055】
シランの付与
[0041]からのシラン/トリエタノールアミン溶液をアプリケータ容器に加える。
【0056】
液体ホース/ボトルキャップアセンブリを容器にきつく固定する。
【0057】
圧縮機からの空気ホースをスプレーアプリケータの空気取付具に接続する。
【0058】
液体ホースをスプレーアプリケータの液体取付具に接続する。
【0059】
電源コードを適切なコンセントに差し込む。空気圧縮機の電源を入れる。
【0060】
最適なスプレー距離は、標的表面から少なくとも36〜48インチ離れた距離である。
【0061】
スプレーガンをこの標的表面に対して直角に保持し、そしてスプレーする。
【0062】
標的表面は、このスプレーでかろうじて光る程度にされるべきである。この表面を過剰に飽和させないこと。
【0063】
標的表面を乾燥させる。すなわち、メタノール液体キャリアの少なくとも90重量パーセントを蒸発させて、選択されたシランおよびトリエタノールアミンから本質的になる成膜を得る。この標的表面への成膜は、少なくとも33体積パーセントの選択されたシラン、少なくとも33体積パーセントのトリエタノールアミン、および約33体積パーセントまでの残留メタノールキャリア液体からなる。
【0064】
スプレーガンを蒸留水ですすぎ、その後、本発明者らのチタニル-オキシド部分を付与する(1つの生成物に対してそれぞれ1つずつの、2つの噴霧器を使用しない限り)。
【0065】
チタニル-オキシド部分の付与。
本発明者らのチタニル-オキシド部分の水性混合物を、アプリケータ容器に加える。
【0066】
液体ホース/ボトルキャップアセンブリを容器にきつく固定する。
【0067】
圧縮機からの空気ホースをスプレーアプリケータの空気取付具に接続する。
【0068】
液体ホースをスプレーアプリケータの液体取付具に接続する。
【0069】
電源コードを適切なコンセントに差し込む。空気圧縮機の電源を入れる。
【0070】
最適なスプレー距離は、標的表面から少なくとも36〜48インチ離れた距離である。
【0071】
スプレーガンをこの標的表面に対して直角に保持し、そしてスプレーする。
【0072】
標的表面は、このスプレーでかろうじて光る程度にされるべきである。この表面を過剰に飽和させないこと。
【0073】
標的表面を乾燥させる。すなわち、水液体キャリアの少なくとも90重量パーセントを蒸発させて、本発明者らのチタニル-オキシド部分から本質的になる成膜を得る。この標的表面上の成膜は、少なくとも66体積パーセントの本発明者らのチタニル-オキシド部分、および約33体積パーセントまでの残留水キャリア液体からなる。
【0074】
各使用日の後に、製造業者の仕様に従って、スプレーガンを蒸留水できれいにする。
【0075】
図4および
図5は、処理された試験片の接種の4時間後の抗微生物効力データを示す。
図4は、ABS-G2020およびABS-G2030で処理されたフォーマイカ片についてのデータを含む。
図5は、ABS-G2020およびABS G-2030で処理されたステンレス鋼片についてのデータを含む。
【0076】
RAW(マウスマクロファージ)宿主細胞を、96ウェルトレイ内に、試験において使用する24時間前に調製した。
【0077】
試験日に、試験ウイルスであるマウスノロウイルスのストックバイアルを、-80℃での貯蔵から取り出した(力価=1mlあたり5×10
8 TCID 50単位)。有機汚染物ロード(organic soil load)(熱不活性化ウシ胎仔血清)を、5%の最終濃度を得るように加えた。
【0078】
コントロール(コーティングされていないステンレス鋼およびフォーマイカ)ならびにコーティングされた試験キャリア[ABS-G2015(SS);ABS-G2020(Form);ABS-G2030(Form);ABS-P2015(SS)]を、滅菌ペトリ皿に(1つの皿に1つずつ)、予め滅菌した鉗子を使用して入れた。
【0079】
ウイルス接種材料(0.010ml)を、ピペットで、コントロールキャリアおよび試験キャリアの中心に置き、そして滅菌した曲がったピペットチップを使用して、約1in
2の表面積にわたって広げた。
【0080】
1セットのコントロールキャリア(表面材料の種類あたり)を即座に採取/中和して、3mlの中和溶液(0.001%のチオ硫酸Naおよび0.001%のチオグリコール酸Naを補充した仔ウシ血清)を含む滅菌ストマッカーバッグ(stomacher bag)に入れることによって、時間ゼロの計数を決定した。これらのバッグを高速で120秒間ストマック処理(stomach)して、これらのウイルスをキャリアから放出した。
【0081】
残りのコントロールキャリアおよび試験キャリアを、周囲条件下で、4時間および24時間の特定された研究接触時間のそれぞれの時間にわたって保持した[配置距離/構成:2個の全スペクトル電球の約68インチ(約1.7m)下方、接種した面を光に向けて上向き)]。全てのキャリアは、接種の10分以内で乾燥したことが観察された。
【0082】
それぞれの接触時間の終了時に、コントロールキャリアおよび試験キャリアを、先に記載したように、3mlの中和溶液を含む滅菌ストマッカーバッグに入れることにより中和し、その後、ストマック処理を行った。
【0083】
接触時間のそれぞれの開始時および終了時に、室温、相対湿度、および照度(lux)を測定し、そして記録した。
【0084】
コントロールキャリアおよび試験キャリアの溶離液を段階的に希釈し(1:10)、そして6つに複製して、適切なコンフルエンシーに調製したRAW宿主細胞にプレート培養した。
【0085】
これらのプレートを24時間から48時間ごとに観察して、ウイルスの細胞変性効果(CPE)および細胞傷害性を可視化した。
【0086】
9日間のアッセイインキュベーション期間の後に、これらのプレートを形式的に評点付けした。
【0087】
Log10減少およびパーセント減少を、試験コーティング配合物の各々について、時間を合わせたコントロールのウイルス計数(表面の種類あたり)に対して計算した。しかし、24時間の接触時間については、コントロールキャリアからの不十分なウイルス回収に起因して、減少を計算できなかった。
【0088】
中和の確認を、試験コーティング配合物の各々について(キャリアを欠くので、ABS-P2015以外)実施した。1つのコントロールキャリアと、各試験キャリアの種類のうちの1つとを、3mlの中和剤を含むストマッカーバッグに入れ、そして先に記載されたように処理した。その溶離液を段階的に希釈し、そして試験ウイルスの低い力価の接種材料(約3log10)を、コントロールキャリアおよび試験キャリアの懸濁物ごとに、希釈チューブの各々に添加した。次いで、これらの懸濁物のアリコート(0.1ml)を、中和された試験材料の細胞傷害性レベルを評価する目的で、プレート培養した。
【0089】
実施例2
この実施例2は、コーティング配合物、すなわち、ABS-G2015、ABS-G2020、およびABS-G2030において利用される3つのシランを利用するが、いずれのチタニル-オキシド含有化合物も用いない。シランの試験片上へのスプレー成膜に関する、実施例1の段落[0044]〜段落[0064]の方法を、この実施例2において利用した。チタニル-オキシド部分のスプレー成膜に関する、段落[0065]〜段落[0074](これらの段落を含む)の方法を、この実施例2において利用しなかった。
【0090】
図7は、3つのコーティング配合物の各々についてのCFU/mLデータを示し、各配合物は、1つまたはそれより多くの酸化チタン部分を含まなかった。
図8は、評価した3つの配合物についてのLog減少データを示し、各配合物は、1つまたはそれより多くの酸化チタン部分を含まなかった。
図9は、利用した3つの配合物についてのパーセント減少データを示し、各配合物は、1つまたはそれより多くの酸化チタン部分を含まなかった。
【0091】
実施例3
この実施例3は、完全な配合物ABS-G2015、AB-G2020、およびABS-G2030を利用する。ここでこれらのコーティング配合物を、実施例1の手順全体を使用して、ステンレス鋼試験片上に配置した。1セットの実験において、これらの配合物を、静電スプレーアセンブリを使用して、試験片上に配置した。別のセットの実験において、これらの配合物を、非静電スプレーアセンブリを使用して、試験片上に配置した。
【0092】
図10、
図11、および
図12は、静電スプレーの実施形態についての抗微生物効力データを示す。
図13、
図14、および
図15は、非静電スプレーの実施形態についての抗微生物効力データを示す。
【0093】
実施例4
研究を、Glendale,CAのGlendale Memorial Hospital and Health Centerで行った(「Glendale Memorial Hospital研究」)。このセンターには、24床の集中治療室(ICU)がある。この研究を、2013年の5月10日から9月30日まで行った。Glendale Memorial Hospital研究を、本明細書中で上記したコーティング組成物ABS-G2015の抗微生物効力を評価するように設計し、ここでこのコーティング組成物を、本明細書中の実施例1の完全な方法を使用して付与した。
【0094】
Glendale Memorial Hospital研究において、ICU全体を、本明細書中に記載される2段階スプレーレジメンに供して、各部屋の全ての表面(硬い表面(ベッド、トレイテーブル、ベッドの手すり、壁など)および軟らかい表面(生地、布およびビニールで覆われた椅子など)を含めて)を処理した。より具体的には、各表面に最初に、室温で、オクタデシルアミノジメチルトリヒドロキシシリルプロピルアンモニウムクロリド(「シリル化第四級アミン」)を水中約3.6重量パーセントで混合することによって形成した水性組成物を使用して、静電スプレーでコーティングした。
【0095】
この水性シリル化第四級アミンを使用しての静電スプレーコーティング後の約15分後、各表面を、室温で、本明細書中で上記したチタニル-オキシド部分を使用して静電コーティングした。
【0096】
処理された表面を、水性シリル化第四級アミンのスプレー成膜中、およびチタニル-オキシド部分のスプレー成膜中に、室温で維持した。処理された表面をいずれも、高温での加熱処理に供さなかった。この加熱処理において、処理された表面は、2工程のコーティングレジメンの完了後、およそ室温より高い温度まで加熱された。
【0097】
ICU内の95の特定の場所を、2工程のスプレーレジメン後1週目、2週目、4週目、8週目、および15週目のサンプリングを繰り返すために、選択した。これらの選択した場所は、ベッドの手すり、ベッドの制御装置、トレイテーブル、および流しの上の壁を含んだ。サンプルをまた、2つのICU看護ステーションおよび待合ロビー(カウンタートップ、電話機、コンピュータのキーボード、椅子のひじ掛けおよびエンドテーブルを含めて)から集めた。全ての可動物品に、この研究の経過中、目立たないようにタグおよび符号を付けて、同じ物体をサンプリングできるようにした。
【0098】
100cm
2の面積を、あらゆる残留消毒薬を中和するためにレーゼンブロス(3M,St.Paul,MN)を含むスポンジスティックを使用して、サンプリングした。採集後、これらのサンプルを即座に氷嚢に載せ、そして一晩で、Charles Gerba教授による分析のために、University of Arizonaに送った。
【0099】
本明細書の
図1は、Dignity Health/Glendale Memorial Hospital & Health CenterのInfection Preventionのマネージャーによって提供された第一のグラフの、正当な正確なコピーである。証拠1は、Glendale Memorial Hospital ICUにおける2012年1月から2014年2月までの院内感染したC-difficile感染の数をグラフで示す。
【0100】
図1は、2013年9月を除いて、2013年5月〜2013年11月の期間中にICUにおいて発生した、院内感染したC-difficile感染が存在しなかったことを示す。従って、
図1は、2013年5月〜2013年11月の6か月間の間にICUにおいて発生した、1回の院内感染したC-difficile感染が存在したことを示す。
【0101】
図1はさらに、2013年5月〜2013年11月の6か月間の期間以外に、2012年1月から2014年2月までの25か月の間に、院内感染したC-difficile感染がICUにおいて1回しか発生しなかった6か月の期間は他に存在しなかったことを示す。
【0102】
ICU内の全ての表面を、2013年5月の第一週の間に、Glendale Memorial Hospital研究の一部として、本明細書中で上記されたように処理した。本明細書の
図2は、Dignity Health/Glendale Memorial Hospital & Health CenterのInfection Preventionのマネージャーによって提供された第二のグラフの、正当な正確なコピーである。証拠2は、Glendale Memorial Hospital(ICU以外)における2012年1月から2014年2月までの院内感染したC-difficile感染の数をグラフで示す。
【0103】
図2は、2013年4月を除いて、病院領域の、ICUの外側で、25か月の期間中に、毎月1回〜8回の院内感染したC-difficile感染が存在したことを示す。2013年5月〜2013年11月の期間中に、
図2は、Glendale Memorial HospitalのICUの外側で発生した、合計20回の院内感染したC-difficile感染が存在したことを示す。
【0104】
図1および
図2は、2013年5月〜2013年11月の期間中に、1回の院内感染したC-difficile感染が、Glendale Memorial HospitalのICUにおいて発生したこと、および合計20回の院内感染したC-difficile感染が、Glendale Memorial HospitalのICUの外側で発生したことを示す。
【0105】
Clostridium difficile大腸炎または偽膜性腸炎は、Clostridium difficile(芽胞形成細菌の1種)の感染から生じる大腸炎(大腸の炎症)である。これは、C.difficile下痢と呼ばれる感染性の下痢を引き起こす。Clostridium difficile感染(CDI)の潜伏性の症状はしばしば、いくつかのインフルエンザに似た症状を模倣し、そして炎症性腸疾患に関連する大腸炎を有するヒトにおいて、疾患の再発を模倣し得る。C.difficileは、鼓張および下痢(腹痛を伴う)(これは、重篤になり得る)を引き起こし得る毒素を放出する。
【0106】
C.difficileは、ヒトからヒトへと、糞便-口腔経路によって伝達される。この生物は、アルコールベースのハンドクレンザーでも慣用的な表面クリーニングでも殺傷されない、熱抵抗性の芽胞を形成する。従って、これらの芽胞は、臨床環境において長期間にわたって生存する。このことに起因して、この細菌は、ほとんど全ての表面から培養され得る。
【0107】
Clostridium difficileの芽胞は、極めて丈夫であり、食物がない環境において長期間にわたって生存し得る。これらの芽胞は、乾燥および加熱に対して抵抗性であり、そしてまた、多くの形態の防腐クリーナーに対する抵抗性を有する。C.diffはまた、芽胞の形態で、5か月間もの長期にわたって生存し得る。C.diff.がこの抵抗性の形態で生存する能力は、病院に対して非常な難問を生む。
【0108】
C.diffは、アルコールベースのハンドクレンザーでも慣用的な表面クリーニングでも殺傷されない、熱抵抗性の芽胞を形成するので、
図1および
図2のデータは、Glendale Memorial Hospital ICUにおける硬い表面および軟らかい表面の、ABS-G2015での処理は、このICUにおけるC.diffの芽胞の発生を必然的に減少させたことを実証する。
図2のデータは、ABS-G2015コーティング組成物で処理されなかった、病院の他の部署が、ずっと高いレベルの院内感染したC.diff感染を経験したことを示し、これによって、ABS-G2015の付与から得られるコーティングの、C.diffの芽胞に対する抗微生物効力を確証する。
【0109】
コーティング配合物ABS G2015、G2020、およびG2030において、トリエタノールアミンとオルガノシランとの混合物の化学量論に依存して、1つまたはポリマーの種が、処理された表面上に形成される。特定の実施形態において、反応スキーム2に示されるように、トリエタノールアミン9とオルガノシラン1とが反応して、線状ポリマー10が形成され、ここでnは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しい。
反応スキーム2
【化8】
【0110】
他の実施形態において、スキーム3に示されるように、トリエタノールアミン9とオルガノシラン1とが反応して、分岐ポリマー11を形成する。
反応スキーム3
【化9】
ここで反応スキーム3において、xは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてyは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しい。
【0111】
他の実施形態において、スキーム4に示されるように、トリエタノールアミン9とオルガノシラン1とが反応して、架橋ポリマー12を形成する。
反応スキーム4
【化10】
ここで反応スキーム4において、xは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてyは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてzは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しい。
【0112】
特定の実施形態において、本発明者らのオルガノシランは、テトラエチルオルトシリケート13を含む。特定の実施形態において、反応スキーム5に示されるように、出発物質9と13との化学量論に依存して、本発明者らの架橋ポリマー材料14は、テトラエチルオルトシリケート13とトリエタノールアミン9との反応によって形成される。反応スキーム5は、4つの異なるポリマー鎖が延びている1個のSi原子を図示する。当業者は、本発明者らの架橋ポリマー材料14が、非常に高い架橋密度を有することを理解する。
反応スキーム5
【化11】
ここで反応スキーム5において、aは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてbは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてcは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてdは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しい。
【0113】
特定の実施形態において、反応スキーム6に示されるように、出発物質15と13との化学量論に依存して、本発明者らの架橋ポリマー材料16は、テトラエチルオルトシリケート13とジエタノールアミン13との反応によって形成される。反応スキーム6は、4つの異なるポリマー鎖が延びている1個のSi原子を図示する。当業者は、本発明者らの架橋ポリマー材料16が、非常に高い架橋密度を有することを理解する。
反応スキーム6
【化12】
ここで反応スキーム6において、aは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてbは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてcは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しく、そしてdは、1より大きいかまたは1に等しく、かつ約10より小さいかまたは約10に等しい。
【0114】
本発明の好ましい実施形態が詳細に説明されたが、これらの実施形態に対する改変および適合が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に想到し得ることは、明らかであるはずである。