特許第6409156号(P6409156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6409156装着及び解体が容易で、軽量且つ衛生的なギプス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6409156
(24)【登録日】2018年9月28日
(45)【発行日】2018年10月17日
(54)【発明の名称】装着及び解体が容易で、軽量且つ衛生的なギプス
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/04 20060101AFI20181004BHJP
   A61F 5/01 20060101ALN20181004BHJP
【FI】
   A61F13/04 D
   A61F13/04 Z
   !A61F5/01 N
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-28461(P2018-28461)
(22)【出願日】2018年2月21日
【審査請求日】2018年3月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510095640
【氏名又は名称】河内 智之
(72)【発明者】
【氏名】河内智之
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−230510(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0160843(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0276256(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00 − 13/14
5/00 − 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明で一定の硬度が在る、樹脂素材を用いて形成して、空気或いはガスを用いて、ギプ
スを固定する為の、カフ(8)を内部に設けて、カフ(8)に対し、空気或いはガスを、
充填して封入する為に用いる、空気或いはガスを充填する為の注入(7)と、ギプス同士
を連結させる磁石(6)を設けた、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用い
る、筒状のギプス(2)と、軟質樹脂素材で形成された、厚さが5mm〜30mm程度に
成る、パッキン(3)及び、液状或いはゲル状の薬剤(9)を、充填或いは、排出する為
に用いる、薬剤の注入孔(13)並びに止水栓(4)、更には、空気或いはガスを、内部
に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス(2)に対し、確り連結する為に用いる磁
(6)を設けた、内部に薬剤を充填して用いる、筒状のギプス(5)を備え、其々に設
けられた磁石(6)同士で、内部に薬剤を充填して用いる、筒状のギプス(5)を、空気
或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス(2)で挟む様に連結
させて、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス(2)
設けられた、空気或いはガスを充填する為の注入孔(7)に対し、空気或いはガスを、流
入及び、封入を行う為に用いる部品(11)を経由して、筒状のギプス(2)内部に設け
たカフ(8)に対し、空気或いはガスを充填したら、空気或いはガスを、流入及び、封入
を行う為に用いる部品(11)の連結箇所を塞ぐ事で、空気或いはガスを、内部に充填し
て固定する為に用いる、筒状のギプス(2)と、内部に薬剤を充填して用いる、筒状のギ
プス(5)を連結して固定するギプス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石膏包帯或いは、ガラス繊維素材で固定したギプスと比較して、患部の固定
及び、ギプスの取り外しが容易な上に、大幅な軽量化を実現しつつ、患部を清潔に保つ事
が出来て、患部の治癒力を大幅に高めるギプスで在る。
【背景技術】
【0002】
従来に於ける、患部を固定する際に用いるギプスには、石膏包帯を用いた物が在る。
【0003】
或いは、ガラス繊維で作られた布地に、水硬性ポリウレタン樹脂を含浸させた、ガラス
繊維キャスティングテープが在る。
【0004】
本発明は、石膏包帯或いは、ガラス繊維キャスティングテープを用いたギプスが有して
いた、下記の問題を解決する事を目的とする。
1.患部周辺が長期間固定される事に依り、患部の周囲で皮膚病を発する事。
2.患部を長期間固定しつつ、患部の周囲を清潔に保つ事。
3.ギプスを解体する際に生じる、怪我や悪臭を無くす事。
4.患部の治癒力を高める事で、患者の身体的負担を軽減する事。
5.長期間ギプスを使用する事に依る、身体への負荷を軽減する事。
6.公共機関や観光地に於いて、応急処置を容易にする事。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に於いて、図1図3を用いて、本発明に関する説明をする。
【0006】
本発明は、上記目的を達成する為、透明且つ一定の硬度が在る、樹脂素材を用いて形成
し、空気或いはガスを用いて、ギプスを固定する為の、カフ8を内部に設けて、カフ8に
対し、空気或いはガスを、充填して封入する為に用いる、空気或いはガスを充填する為の
注入孔7及び、ギプス同士を連結させる為に用いる磁石6を設けた、空気或いはガスを、
内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2を用意する。
【0007】
次に、軟質樹脂素材で形成し、厚さが5mm〜30mm程度の、パッキン3及び、液状
或いはゲル状の薬剤9を、充填或いは排出する為に用いる、薬剤の注入孔13と、止水栓
4、更には、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2に
対し、確り連結する為に用いる、磁石6を設けた、内部に薬剤を充填して用いる、筒状の
ギプス5を用意する。磁石を用いる理由として、血液が連結箇所に付着した場合、ボタン
又は、螺子締め又は、フック又は、テープで固定を行った場合、血液が付着して乾燥した
際に、連結箇所が固まる事に依り、取り外しが困難に成るからで在る。
【0008】
空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2及び、内部に
薬剤を充填して用いる、筒状のギプス5を、患部1の形状や大きさに併せて、複数個用意
し、其々に設けられた磁石6同士で、内部に薬剤を充填して用いる、筒状のギプス5を、
空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2で挟む様に連結
する。
【0009】
空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2及び、内部に
薬剤を充填して用いる、筒状のギプス5を確りと連結したら、空気或いはガスを、内部に
充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2に設けられた、空気或いはガスを充填する
為の注入孔7に対し、ホース10及び、ホースからの空気或いはガスを、流入及び、封入
を行う為に用いる部品11を連結する。
【0010】
ホース10と、ホースからの空気或いはガスを、流入及び、封入を行う為に用いる部品
11を、空気或いはガスを充填する為の注入孔7に対して、確りと連結をしたら、送気球
又は、コンプレッサー又は、ガスボンベを用いて、カフ8内部に対し、ホース10及び、
ホースからの空気或いはガスを、流入及び、封入を行う為に用いる部品11を経由して、
内部のカフ8に対し、空気或いはガスを充填する。
【0011】
送気球又は、コンプレッサー又は、ガスボンベを用いる利点は、下記の通りで在る。
1.送気球の場合、一度にカフ8へ送り込む、空気の量は少ないが、取扱い及び、部品
の調達が容易な上に、電力が不要な為、電気が使えない場所に於ける、応急処置に適して
いる。
2.コンプレッサーの場合、電力が必要な為に、使える環境は限られるが、空気或いは
ガスを充填する時間が早く、加圧調節が容易な事から、電力が使える環境下では、誰でも
手早く、カフ8内部に対し、空気或いはガスの充填が出来る。
3.ガスボンベの場合、加圧調節に技術を要し、ガスボンベの取扱いにも、注意が必要
だが、電力を必要とせず、極めて短時間で、空気或いはガスの充填が出来る為、医療施設
を始めとする、ガスボンベの設置及び、使用が容易な環境下では、迅速に患部への処置が
出来る。
【0012】
空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2内部に設けた
カフ8に対し、空気或いはガスを充填したら、空気或いはガスが、漏出する事を防ぐ為、
流入及び、封入を行う為に用いる部品11を塞ぎ、ホース10を外す。更に、空気或いは
ガスを、流入及び、封入を行う為に用いる部品11に対して、ホース10を連結していた
箇所を塞ぐ。
【0013】
此れに依り、充填する箇所に連結する、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為
に用いる、筒状のギプス2に設けた、カフ8の内圧が上昇する事で、液状或いはゲル状の
薬剤9が、パッキン3の隙間から漏水する事を防ぎつつ、空気或いはガスを、内部に充填
して固定する為に用いる、筒状のギプス2の固定を強固にする事で、ギプスを形成する。
【0014】
図1を例に挙げると、患部1に対し、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に
用いる、筒状のギプス2を固定したら、内部に薬剤を充填して用いる、筒状のギプス5に
設けられた、止水栓4の片方を外し、液状或いはゲル状の薬剤9を、薬剤の注入孔13か
ら充填する。
【0015】
液状或いはゲル状の薬剤9を、内部に薬剤を充填して用いる、筒状のギプス5の内部に
充填したら、外した止水栓4を、薬剤の注入孔13に対し、改めて装着させる事に依り、
液状或いはゲル状の薬剤9を、確りと封入する結果、石膏包帯或いは、ガラス繊維キャス
ティングテープを用いたギプスが有していた、問題の解決を実現する。
【0016】
尚、患部1からの出血が在る場合は、患部1の出血量に応じて、内部に薬剤を充填して
用いる、筒状のギプス5に止血剤を充填するか、薬剤の注入孔13を、止水栓4を用いて
塞ぐだけにする事で、止血を容易に行う事が出来る。
【0017】
石膏包帯或いは、ガラス繊維キャスティングテープを用いたギプスと比較して、本発明
を用いる事で改善する点は、下記の通りで在る。
1.石膏包帯或いは、ガラス繊維キャスティングテープを用いたギプスと比較すると、
大幅な軽量化を実現する。
2.患部を直接、液状或いはゲル状の薬剤で固定する事に依り、患部の皮膚病或いは、
感染症を抑えつつ、患部の治癒力を、大幅に向上させる事が出来る。
3.患部を直接、液状或いはゲル状の薬剤及び、透明で一定の硬度が在る、筒状の樹脂
素材で固定する事に依り、ギプスを付けた状態で、患部並びに、患部周囲の洗浄或いは、
紫外線や放射線の照射に依る、殺菌や抗菌が可能と成る。又、此れに関連して、ギプスの
解体時に於ける、悪臭が無くなる。
4.石膏包帯或いは、ガラス繊維キャスティングテープを用いたギプスでは、屡々発生
した、ギプスを解体する際の怪我が無くなる。
5.筒状のギプスを、連結して固定する事で、公共施設や観光地でも、擦傷又は、創傷
又は、火傷又は、皮膚病又は、感染症又は、打撲又は、捻挫又は、骨折の応急処置が容易
に出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】提出案件に於ける、ギプスの構造及び、ギプスを用いる状態を示した図面
図2】患部周辺を、連結して固定する為に用いる、ギプスの構造を示した図面
図3】患部に薬剤を充填しつつ、固定する為に用いる、ギプスの構造を示した図面
図4】提出案件を用いた、足の長さが不均等な患者に対する、継続使用が容易な、身体の伸張ギプスを示した図面
図5】提出案件を用いた、欠損した脚部位に対し、義足を用いる患者が、継続して使用する事が容易な、義足と連結したギプスを示した図面
【産業上の利用可能性】
【0019】
以下に於いて、図4図5を用いて、産業上の利用可能性に関する説明をする。
【0020】
本案件に於ける、産業上の利用可能性としては、擦傷又は、創傷又は、火傷又は、皮膚
病又は、感染症又は、打撲又は、捻挫又は、骨折に於ける、患部を治療する用途の他に、
圧縮コイル発条と併用する事に依り、長期間の継続使用で、伸張が必要な身体の部位を、
伸張させる事が出来る。
【0021】
或いは、本案件を利用する事で、義手や義足を使用する際に、欠損部位に対して、直接
義手や義足を固定する事に依る、歩行時及び、身体に負荷が掛かる際に於ける、身体への
負担を大幅に軽減し、義手や義足が直接、欠損箇所に触れる事に依る、痛苦を無くす事が
出来る。
【0022】
更には、欠損部位を、確りと保護する事に依り、コンクリート又は、岩石の破片や粉末
の他に、蜂又は、壁蝨又は、蝨を始めとする害虫や、薬剤や油剤の付着を防げる事から、
欠損部位周辺を、衛生的で安全に、確りと保護する事が出来る。
【0023】
図4の例では、健常な脚部位15と比べると、伸張不全な脚部位16の長さを、健常な
脚部位15に併せる為に、長期的な伸張負荷が必要で在る。
【0024】
其処で、伸張不全な脚部位16に対し、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為
に用いる、筒状のギプス2を連結させた上で、圧縮コイル発条14を、伸張不全な脚部位
16に連結した、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス
2に連結させる。
【0025】
次に、圧縮コイル発条14に連結した、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為
に用いる、筒状のギプス2の片方に対し、空気或いはガスを充填した上で、確りと密封を
する。
【0026】
其の上で、圧縮コイル発条14を圧縮する様に、未だ固定をして無い、内部に充填して
固定する為に用いる、筒状のギプス2を動かした状態で、空気或いはガスを、内部に充填
して固定する為に用いる、筒状のギプス2へ充填して、確りと密封する。
【0027】
此の事に依り、伸張不全な脚部位16に対し、過剰な負荷が掛かる事は無く、長期的な
伸張負荷を、安全且つ、衛生的に行う事が出来る。
【0028】
図5の例では、健全な脚部位15と比較すると、膝下を欠損した事に依り、義足18の
使用が必要と成った、膝下を欠損した脚部位17が在る。
【0029】
膝下を欠損した脚部位17に対し、義足18を直接に装着した場合、接合部から激しい
痛みを伴うので、空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス
2を、膝下を欠損した脚部位17と、義足18の中間に使う。
【0030】
膝下を欠損した脚部位17及び、義足18の中間に対して、空気或いはガスを、内部に
充填して固定する為に用いる、筒状のギプス2を連結させる事で、膝下を欠損した脚部位
17が、義足18に直接触れ無く成る事に依り、膝下を欠損した脚部位17が、継続的に
痛む事を防ぐだけで無く、欠損した脚部位17を、確りと保護する役割を果たす。
【符号の説明】
【0031】
1 患部
2 空気或いはガスを、内部に充填して固定する為に用いる、筒状のギプス
3 パッキン
4 止水栓
5 内部に薬剤を充填して用いる、筒状のギプス
6 磁石
7 空気或いはガスを充填する為の注入孔
8 カフ
9 液状或いはゲル状の薬剤
10 ホース
11 ホースからの空気或いはガスを、流入及び、封入を行う為に用いる部品
12 薬剤の注入孔
13 圧縮コイル発条
14 健全な脚部位
15 伸張不全な脚部位
16 膝下を欠損した脚部位
17 義足
【要約】      (修正有)
【課題】患部周辺が長期間固定される事による皮膚病発症の抑制、清潔維持、ギプス解体による怪我や悪臭の防止、患部の治癒力向上と身体的負担の軽減、応急処置が容易になるギブスを提供する。
【解決手段】空気やガスを充填した樹脂素材で形成した筒状のギプスと、液状またはゲル状の薬剤を筒状の樹脂素材で固定した筒状のギプス、ギプス同士を連結させる磁石、ギプスに空気やガスを充填する為に用いる注入孔、薬剤注入のための注入孔、止水栓を設ける。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5