(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
方形状のベルマーク(登録商標)表示部を有するシート片を載置可能な載置面及びこの載置面に対向する天面を有するシート片挿入溝が形成され、上記載置面及び天面に上記ベルマーク表示部の外縁に対応する一対の開口が形成されたケーシングと、
上記載置面及び天面の対向方向に揺動するよう上記ケーシングに枢設され、一端側が上記ケーシング内に配置され、この一端側が上記シート片挿入溝と離間するよう付勢される手動レバーと、
上記手動レバーの上記一端側に連結され、上記手動レバーの他端側を付勢方向と反対方向に押圧した第1押圧状態で上記一対の開口を貫通する第1切抜き刃を有する第1切断ユニットと、
上記手動レバーの押圧解除状態で上記一対の開口を上記第1切抜き刃の貫通方向とは反対側から貫通可能な第2切抜き刃を有する第2切断ユニットと
を備え、
上記第1切抜き刃が、少なくとも上記ベルマーク表示部の1辺に対応し、
上記第2切抜き刃が、上記ベルマーク表示部の残りの辺に対応するベルマーク型抜き装置。
上記第1切抜き刃による上記シート片の切断領域と上記第2切抜き刃による上記シート片の切断領域とが少なくとも2点で交叉する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のベルマーク型抜き装置。
上記ケーシングが、上記載置面の下方に、型抜き後の上記ベルマーク表示部を含むシート片を収容するシート片収容部を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のベルマーク型抜き装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記公報にも記載されているように、通常収納袋に形成されるミシン目及びスリットは、内部に収容される物品を取り出すために設けられるものである。そのため、上記ミシン目及びスリットを切断することで得られる切断片は、ベルマーク表示部よりもサイズが大きい。また、ベルマーク表示部をハサミで切り取る場合、人によってはベルマーク表示部に沿ってきれいに切断しない場合がある。
【0006】
そのため、学校等でベルマークを収集した担当者は、収集後に各切断片をベルマーク表示部に沿ってハサミで切り直しているのが現状であり、各担当者の負担が大きくなっている。
【0007】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、ベルマーク表示部に沿って容易かつ確実に型抜きを行うことができるベルマーク型抜き装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るベルマーク型抜き装置は、方形状のベルマーク表示部を有するシート片を載置可能な載置面及びこの載置面に対向する天面を有するシート片挿入溝が形成され、上記載置面及び天面に上記ベルマーク表示部の外縁に対応する一対の開口が形成されたケーシングと、上記載置面及び天面の対向方向に揺動するよう上記ケーシングに枢設され、一端側が上記ケーシング内に配置され、この一端側が上記シート片挿入溝と離間するよう付勢される手動レバーと、上記手動レバーの上記一端側に連結され、上記手動レバーの他端側を付勢方向と反対方向に押圧した第1押圧状態で上記一対の開口を貫通する第1切抜き刃を有する第1切断ユニットと、上記手動レバーの押圧解除状態で上記一対の開口を上記第1切抜き刃の貫通方向とは反対側から貫通可能な第2切抜き刃を有する第2切断ユニットとを備え、上記第1切抜き刃が、少なくとも上記ベルマーク表示部の1辺に対応し、上記第2切抜き刃が、上記ベルマーク表示部の残りの辺に対応する。
【0009】
当該ベルマーク型抜き装置は、ケーシング内に配置され、手動レバーの一端側に連結される第1切断ユニットを備えている。また、この第1切断ユニットは、少なくともベルマーク表示部の1辺に対応する第1切抜き刃を有しており、この第1切抜き刃が上記手動レバーの他端側の押圧によってシート片挿入溝の一対の開口を貫通する。そのため、当該ベルマーク型抜き装置は、上記シート片挿入溝の載置面にベルマーク表示部を有するシート片を載置した状態で上記手動レバーの他端側を押圧することで、上記ベルマーク表示部を1又は複数の辺に沿って切断することができる。また、当該ベルマーク型抜き装置は、上記ベルマーク表示部の残りの辺に対応し、上記手動レバーの押圧解除状態で上記第1切抜き刃の貫通方向とは反対側から上記一対の開口を貫通可能な第2切抜き刃を有する第2切断ユニットを備えている。そのため、当該ベルマーク型抜き装置は、上記ベルマーク表示部の残りの辺を切断することができる。従って、当該ベルマーク型抜き装置は、上記シート片が上記載置面に載置された状態で、上記第1切抜き刃及び第2切抜き刃を上記一対の開口に順次貫通させることで、ベルマーク表示部の型抜きを容易かつ確実に行うことができる。
【0010】
上記第1切抜き刃が、平面視L字状の第1カッター及び第2カッターによって全体としてコ字状に形成され、上記第2切抜き刃が平面視直線状であり、上記第1カッターと第2カッターとの間隔、及び上記第1切抜き刃と第2切抜き刃との間隔の少なくとも一方を調節可能な調節機構をさらに備えるとよい。このように、上記第1切抜き刃が、平面視L字状の第1カッター及び第2カッターによって全体としてコ字状に形成され、上記第2切抜き刃が平面視直線状であることによって、上記第1切抜き刃によって上記ベルマーク表示部の3辺を切断し、上記第2切抜き刃によって上記ベルマーク表示部の残りの1辺を切断することができる。また、上記第1カッターと第2カッターとの間隔、及び上記第1切抜き刃と第2切抜き刃との間隔の少なくとも一方を調節可能な調節機構を備えることで、複数のサイズのベルマーク表示部に対応することができる。そのため、上記ベルマーク表示部の型抜きをより容易かつ適切に行うことができる。
【0011】
上記シート片の型抜き前において、上記手動レバーを上記第1押圧状態及び押圧解除状態の間の第2押圧状態に保持する保持機構と、上記手動レバーの上記第1押圧状態から押圧解除状態への押圧解除操作に連動して上記第2切抜き刃が上記一対の開口を貫通するよう上記第2切断ユニットを移動制御する制御機構とをさらに備え、上記第2押圧状態で上記第1切抜き刃及び第2切抜き刃が上記シート片挿入溝内に突出しないとよい。この構成によると、上記手動レバーが上記第2押圧状態に保持された状態で上記載置面に上記シート片を載置し、上記手動レバーの他端側を押圧することで第1押圧状態とし、さらにこの第1押圧状態から押圧を解除することで上記ベルマーク表示部の型抜きを行うことができる。つまり、上記構成によると、上記第2押圧状態から第1押圧状態に押圧する1つの動作で上記ベルマーク表示部の型抜きを行うことができる。そのため、上記ベルマーク表示部の型抜きをさらに容易に行うことができる。
【0012】
上記第1切抜き刃による上記シート片の切断領域と上記第2切抜き刃による上記シート片の切断領域とが少なくとも2点で交叉するとよい。このように、上記第1切抜き刃による上記シート片の切断領域と上記第2切抜き刃による上記シート片の切断領域とが少なくとも2点で交叉することによって、上記ベルマーク表示部を外縁に沿って確実に切断することができる。
【0013】
上記ケーシングが、上記載置面の下方に、型抜き後の上記ベルマーク表示部を含むシート片を収容するシート片収容部を有するとよい。このように、上記ケーシングが、上記載置面の下方に、型抜き後の上記ベルマーク表示部を含むシート片を収容するシート片収容部を有することによって、型抜き後のシート片の収集作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のベルマーク型抜き装置は、シート片をベルマーク表示部に沿って容易かつ確実に型抜きすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0017】
[第一実施形態]
<ベルマーク型抜き装置>
図1のベルマーク型抜き装置は、方形状のベルマーク表示部を有するシート片を載置可能な載置面11a及びこの載置面11aに対向する天面11bを有するシート片挿入溝11が形成され、載置面11a及び天面11bに上記ベルマーク表示部の外縁に対応する一対の開口11c,11dが形成されたケーシング1と、載置面11a及び天面11bの対向方向に揺動するようケーシング1に枢設され、一端側がケーシング1内に配置され、この一端側がシート片挿入溝11と離間するよう付勢される手動レバー2とを備える。また、当該ベルマーク型抜き装置は、
図2に示すように、手動レバー2の上記一端側に連結され、手動レバー2の他端側を付勢方向と反対方向に押圧した第1押圧状態で一対の開口11c,11dを貫通する第1切抜き刃13aを有する第1切断ユニット3と、手動レバー2の押圧解除状態で一対の開口11c,11dを第1切抜き刃13aの貫通方向とは反対側から貫通可能な第2切抜き刃14aを有する第2切断ユニット4とを備える。第1切抜き刃13aは、少なくとも上記ベルマーク表示部の1辺に対応し、第2切抜き刃14aは、上記ベルマーク表示部の残りの辺に対応している。なお、「第1押圧状態」とは、手動レバー2の他端側を付勢方向と反対側に押圧しきった状態(つまり、手動レバー2の他端側をそれ以上押圧できない状態)をいう。
【0018】
(ケーシング)
ケーシング1は、合成樹脂等を主成分とする剛性部材である。ケーシング1は、対向する一対の側壁1aと、一対の側壁1aの前側の端縁同士を接続する前壁1bと、一対の側壁1aの上側の端縁同士を接続する上壁1cと、一対の側壁1aの後側の端縁同士を接続する後壁1dと、一対の側壁1aの下側の端縁同士を接続する底壁1eとを有する。ケーシング1は、例えば2つの樹脂成形体を結合することで形成される中空部材である。ケーシング1の前側には、厚さ方向(一対の側壁1aが対向する方向)を貫通するシート片挿入溝11が形成されている。シート片挿入溝11は、水平方向に配設される載置面11aと、この載置面11aと対向する天面11bと、載置面11a及び天面11bの後側の端縁同士を接続する後面11eとを有する。一対の側壁1aのシート片挿入溝11の下側には、上下方向に延びる第1スリット1fが形成され、一対の側壁1aのシート片挿入溝11の上側には、上下方向に延びる第2スリット1gが形成されている。また、ケーシング1の上壁1cには、手動レバー2が揺動可能に挿入される開口1hが形成されている。さらに、ケーシング1には、型抜き後のシート片を排出可能な排出用開口(不図示)が形成されていてもよい。なお、本明細書において、「前」とは、使用状態においてシート片が配置される側をいい、「後」とは、その反対側をいう。「上」とは、使用状態における上側を意味し、「下」とはその反対側を意味する。また、「水平方向」とは、使用状態における水平方向をいう。
【0019】
ケーシング1は、不透明であってもよいが、少なくとも部分的に透明であることが好ましい。具体的には、上壁1cのシート片挿入溝11の上側部分、及び底壁1eのシート片挿入溝11の下側部分の少なくとも一方が透明であることが好ましい。このように、上壁1cのシート片挿入溝11の上側部分、及び底壁1eのシート片挿入溝11の下側部分の少なくとも一方が透明であることによって、上記シート片の切断時に、第1切抜き刃13a及び第2切抜き刃14aの切断領域をベルマーク表示部の外縁に合せやすい。
【0020】
シート片挿入溝11の深さD1の下限としては、2.5cmが好ましく、3.0cmがより好ましい。一方、上記深さD1の上限としては、7.0cmが好ましく、5.0cmがより好ましい。上記深さD1が上記下限に満たないと、ベルマーク表示部の外縁を切断するための十分なスペースを形成することができないおそれがある。逆に、上記深さD1が上記上限を超えると、当該ベルマーク型抜き装置が不必要に大きくなり、使用性が低下するおそれがある。
【0021】
載置面11a及び天面11bの間隔D2の上限としては、2.0mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。上記間隔D2が上記上限を超えると、シート片挿入溝11への挿入状態で上記シート片が厚さ方向に撓みやすくなり、上記シート片をベルマーク表示部の外縁に沿って確実に切断し難くなるおそれがある。一方、上記間隔D2の下限としては、シート片挿入溝11に上記シート片を挿入できる限り特に限定されるものではないが、上記シート片の挿入容易化を図る観点から、例えば0.5mmとすることができる。
【0022】
載置面11a及び天面11bの対向位置には、第1切抜き刃13a及び第2切抜き刃14aが貫通可能な開口11c,11dが形成されている。一対の開口11c,11dは、第1切抜き刃13a及び第2切抜き刃14aによって上記ベルマーク表示部の外縁を切断できるよう、上記ベルマーク表示部の外縁に対応して設けられている。
【0023】
一対の開口11c,11dは、例えば上記ベルマーク表示部の外縁を含む方形領域を除去して形成されたものであってもよく、上記ベルマーク表示部の外縁に対応する枠状領域を除去して形成されたものであってもよい。当該ベルマーク型抜き装置は、例えば載置面11aに形成される開口11cが上記枠状領域を除去して形成されたものである場合、第1切抜き刃13a及び第2切抜き刃14aによる切断後のシート片を載置面11a上に残しやすい。そのため、載置面11a上に残った型抜き後のシート片を収集しやすい。
【0024】
(手動レバー)
手動レバー2は、例えば合成樹脂を主成分とする剛性部材である。手動レバー2は、一端側がケーシング1内に配置され、かつ他端側が開口1hを貫通してケーシング外に配置されている。手動レバー2の上記他端側には、手動レバー2を付勢方向と反対方向に押圧するための押圧部2aが形成されている。手動レバー2は、厚さ方向(一対の側壁1aが対向する方向)を貫通する貫通孔2bを有している。この貫通孔2bには、ケーシング1の一対の側壁1aの内面間に架け渡される支軸15が貫通している。これにより、手動レバー2は、支軸15を中心として回動可能に構成されている。また、手動レバー2は、貫通孔2bの周りにバネ部材(不図示)が巻き付けられている。このバネ部材は、一端が手動レバー2に固定され、他端が手動レバー2の押圧部2aを上方に付勢するよう側壁1aの内面に固定されている。なお、当該ベルマーク型抜き装置は、手動レバー2の一端側と他端側とで付勢方向が上下反対になるよう構成されている。
【0025】
手動レバー2の一端側には、厚さ方向に2又に分かれた上下各一対の連結部(下側連結部2c及び上側連結部2d)が形成されている。下側連結部2cは、シート片挿入溝11の下側に延び、上側連結部2dは、シート片挿入溝11の上側に延びている。下側連結部2cは、後述の第1切断ユニット3と連結される切欠き(不図示)を有している。また、上側連結部2dは、後述の第2切断ユニット4と連結される切欠き(不図示)を有している。当該ベルマーク型抜き装置は、手動レバー2の一端側に第1切断ユニット3及び第2切断ユニット4が連結されることで、手動レバー2の1回の押圧操作によって上記ベルマーク表示部の型抜きを行うことができる。
【0026】
(第1切断ユニット)
第1切断ユニット3は、
図3に示すように、直方体状の基台13bと、基台13bの上面から上方に突出する第1切抜き刃13aとを有する。基台13bの両側面には、下側連結部2cの切欠きに連結される円盤状の係合部13cと、係合部13cの表面から突出する直方体状のスライド用突起13dとが設けられている。下側連結部2cは、上記切欠きの深さ方向に適度な遊びを持った状態で係合部13cに連結される。スライド用突起13dは、長辺が上下方向に延びるように設けられ、側壁1aの第1スリット1fにスライド可能に挿入される。これにより、第1切断ユニット3は、押圧部2aの押圧に対応して第1スリット1fに沿って上昇し、かつ押圧部2aの押圧解除に対応して第1スリット1fに沿って下降する。
【0027】
第1切抜き刃13aは、上記ベルマーク表示部の3辺に対応するよう平面視コ字状に形成されている。第1切抜き刃13aの先端縁は、手動レバー2の押圧解除状態(押圧部2aを押圧していない状態)では載置面11aよりも下方に位置している。第1切抜き刃13aは、押圧部2aを押圧するにつれて上方に移動する。第1切抜き刃13aは、押圧部2aを押圧するにつれて載置面11aに形成される開口11cを貫通する。さらに、第1切抜き刃13aの先端縁は、上記第1押圧状態に至ると天面11bに形成される開口11dを貫通する。
【0028】
第1切抜き刃13aは、例えば
図3に示すように突出長さが均一で先端が先細りした形状とすることができる。また、第1切抜き刃13aの形状としては、
図4Aに示すように先端縁が波状に蛇行した形状や、
図4Bに示すように先端縁が角部を頂点として傾斜した形状とすることも可能である。当該ベルマーク型抜き装置は、上述のように第1切抜き刃13aの突出長さを変化させることで、上記シート片をより容易に切断することができる。
【0029】
(第2切断ユニット)
第2切断ユニット4は、
図5に示すように、直方体状の基台14bと、基台14bの下面から下方に突出する第2切抜き刃14aとを有する。基台14bの両側面には、上側連結部2dの切欠きに連結される円盤状の係合部14cと、係合部14cの表面から突出する直方体状のスライド用突起14dとが設けられている。上側連結部2dは、上記切欠きの深さ方向に適度な遊びを持った状態で係合部14cに連結される。スライド用突起14dは、長辺が上下方向に延びるように設けられ、側壁1aの第2スリット1gにスライド可能に挿入される。これにより、第2切断ユニット4は、押圧部2aの押圧に対応して第2スリット1gに沿って上昇し、かつ押圧部2aの押圧解除に対応して第2スリット1gに沿って下降する。第2切断ユニット4の第2切抜き刃14aは、第1押圧状態から手動レバー2の押圧を解除することで、一対の開口11c,11dを貫通する。
【0030】
第2切抜き刃14aは、上記ベルマーク表示部のうち第1切抜き刃13aが対応する3辺以外の1辺に対応するよう平面視直線状に形成されている。第1切抜き刃13aの最先端と第2切抜き刃14aの最先端との上下方向の間隔は、載置面11a及び天面11bの間隔D2以上であることが好ましい。第2切抜き刃14aの先端縁は、手動レバー2の押圧解除状態では載置面11aに形成される開口11cを貫通している。第2切抜き刃14aは、押圧部2aを押圧するにつれて、先端縁が天面11bよりも上方に位置するよう上方に移動する。
【0031】
第2切抜き刃14aは、例えば
図5に示すように突出長さが均一で先端が先細りした平板状とすることができる。また、第2切抜き刃14aの形状としては、
図6Aに示すように先端縁が一端から他端に亘って波状に蛇行した形状や、
図6Bに示すように先端縁が一端から他端に亘って傾斜した形状とすることも可能である。当該ベルマーク型抜き装置は、上述のように第2切抜き刃14aの突出長さを変化させることで、上記シート片をより容易に切断することができる。
【0032】
(切断手順)
当該ベルマーク型抜き装置による上記シート片の切断手順について説明する。まず、手動レバー2の押圧部2aを適度に押圧し、第1切抜き刃13a及び第2切抜き刃14aがいずれもシート片挿入溝11内に突出しない第2押圧状態に保持する。次に、この第2押圧状態で、上記ベルマーク表示部を有するシート片をシート片挿入溝11に挿入し、ベルマーク表示部の外縁と第1切抜き刃13a及び第2切抜き刃14aの切断領域とを位置合わせする。続いて、押圧部2aを上記第2押圧状態から上記第1押圧状態まで押圧し、
図7Aに示すように、第1切抜き刃13aによってベルマーク表示部Xの3辺を切断する。さらに、押圧部2aの押圧を解除することで、
図7Bに示すように、第2切抜き刃14aによって上記ベルマーク表示部Xの残りの1辺を切断する。なお、型抜き後のシート片は、例えばケーシング1に設けられた上述の排出用開口から取り出すことができる。また、載置面11aに形成される開口11cが上記ベルマーク表示部の外縁に対応する枠状領域を除去して形成されたものである場合、型抜き後のシート片はシート片挿入溝11から直接取り出すことが可能である。
【0033】
図7A,7Bに示すように、第1切抜き刃13によるシート片の切断領域Pと第2切抜き刃14aによるシート片の切断領域Qとは少なくとも2点で交叉することが好ましい。この構成によると、ベルマーク表示部Xの外縁に非切断領域が生じることを防止し、ベルマーク表示部Xを外縁に沿って確実に切断することができる。
【0034】
<利点>
当該ベルマーク型抜き装置は、ケーシング1内に配置され、手動レバー2の一端側に連結される第1切断ユニット3を備えている。また、この第1切断ユニット3は、少なくともベルマーク表示部Xの1辺に対応する第1切抜き刃13aを有しており、この第1切抜き刃13aが手動レバー2の他端側の押圧によってシート片挿入溝11の一対の開口11c,11dを貫通する。そのため、当該ベルマーク型抜き装置は、シート片挿入溝11の載置面11aにベルマーク表示部Xを有するシート片を載置した状態で手動レバー2の他端側を押圧することで、ベルマーク表示部Xを1又は複数の辺に沿って切断することができる。また、当該ベルマーク型抜き装置は、ベルマーク表示部Xの残りの辺に対応し、手動レバー2の押圧解除状態で第1切抜き刃13aの貫通方向とは反対側から一対の開口11c,11dを貫通可能な第2切抜き刃14aを有する第2切断ユニット4を備えている。そのため、当該ベルマーク型抜き装置は、ベルマーク表示部Xの残りの辺を切断することができる。従って、当該ベルマーク型抜き装置は、上記シート片が載置面11aに載置された状態で、第1切抜き刃13a及び第2切抜き刃14aを一対の開口11c,11dに順次貫通させることで、ベルマーク表示部Xの型抜きを容易かつ確実に行うことができる。
【0035】
[第二実施形態]
図8を参照して、本発明の第二実施形態に係るベルマーク型抜き装置について説明する。当該ベルマーク型抜き装置は、
図1のベルマーク型抜き装置と同様、方形状のベルマーク表示部を有するシート片を載置可能な載置面11a及びこの載置面11aに対向する天面11bを有するシート片挿入溝11が形成され、載置面11a及び天面11bに上記ベルマーク表示部の外縁に対応する一対の開口11c,11dが形成されたケーシング1と、載置面11a及び天面11bの対向方向に揺動するようケーシング1に枢設され、一端側がケーシング1内に配置され、この一端側がシート片挿入溝11と離間するよう付勢される手動レバー2とを備える。また、当該ベルマーク型抜き装置は、手動レバー2の上記一端側に連結され、手動レバー2の他端側を付勢方向と反対方向に押圧した第1押圧状態で一対の開口11c,11dを貫通する第1切抜き刃23aを有する
図8の第1切断ユニット23と、手動レバー2の押圧解除状態で一対の開口11c,11dを第1切抜き刃23aの貫通方向とは反対側から貫通可能な第2切抜き刃14aを有する
図3の第2切断ユニット4とを備える。第2切抜き刃14aは平面視直線状である。当該ベルマーク型抜き装置は、第1切断ユニット23以外、
図1のベルマーク型抜き装置と概略同様の構成とすることができる。そのため、以下では、第1切断ユニット23についてのみ詳説する。
【0036】
(第1切断ユニット)
第1切断ユニット23は、平面視L字状の一対の基台23e,23fと、一方の基台23eの上面から上方に突出する平面視L字状の第1カッター23bと、他方の基台23fの上面から上方に突出する平面視L字状の第2カッター23cとを有する。当該ベルマーク型抜き装置は、第1切抜き刃23aが、平面視L字状の第1カッター23b及び第2カッター23cによって全体としてコ字状に形成されている。一対の基台23e,23fの側面(ケーシング1の側壁1aの内面に対向する面)には、下側連結部2cの切欠きに連結される円盤状の係合部23gが設けられている。下側連結部2cは、上記切欠きの深さ方向に適度な遊びを持った状態で係合部23gに連結される。一方の基台23e及びこの基台23eから突出する第1カッター23bと、他方の基台23f及びこの基台23fから突出する第2カッター23cとは、ケーシング1の厚さ方向にスライドできるよう、前後方向にずれた位置に配設されている。
【0037】
当該ベルマーク型抜き装置は、第1カッター23bと第2カッター23cとの間隔を調節可能な調節機構を備える。具体的には、当該ベルマーク型抜き装置は、第1切断ユニット23が、上記調節機構として、一対の係合部23gの表面から突出するネジ部材23hと、このネジ部材23hに螺合される円筒状の固定部材23iとを有する。固定部材23iは、外面の周方向に係合溝23jを有しており、この係合溝23jが側壁1aの第1スリット1fに係合可能に構成されている。当該ベルマーク型抜き装置は、固定部材23iをネジ部材23hの軸方向に移動することで、第1カッター23b及び第2カッター23cの間隔を調節可能に構成されている。なお、当該ベルマーク型抜き装置は、第1切断ユニット23が上下移動時に前後方向に傾かないよう、ケーシング1の内部に一対の基台23e,23fの前面を支持する支持板(不図示)が設けられていてもよい。第1切抜き刃23aの全体形状としては、例えば第一実施形態と同様、突出長さが均一な形状や、先端縁が波状に蛇行した形状や、先端縁が角部を頂点として傾斜した形状とすることができる。
【0038】
<利点>
当該ベルマーク型抜き装置は、第1切抜き刃23aが、平面視L字状の第1カッター23b及び第2カッター23cによって全体としてコ字状に形成され、第2切抜き刃14aが平面視直線状であることによって、第1切抜き刃23aによって上記ベルマーク表示部の3辺を切断し、第2切抜き刃14aによって上記ベルマーク表示部の残りの1辺を切断することができる。また、当該ベルマーク型抜き装置は、第1カッター23bと第2カッター23cとの間隔を調節可能な調節機構を備えることで、複数のサイズのベルマーク表示部に対応することができる。そのため、当該ベルマーク型抜き装置は、上記ベルマーク表示部の型抜きをより容易かつ適切に行うことができる。
【0039】
[第三実施形態]
図9A,9Bを参照して、本発明の第三実施形態に係るベルマーク型抜き装置について説明する。当該ベルマーク型抜き装置は、
図1のベルマーク型抜き装置と同様、方形状のベルマーク表示部を有するシート片を載置可能な載置面及びこの載置面に対向する天面を有するシート片挿入溝が形成され、上記載置面及び天面に上記ベルマーク表示部の外縁に対応する一対の開口が形成されたケーシングと、上記載置面及び天面の対向方向に揺動するよう上記ケーシングに枢設され、一端側が上記ケーシング内に配置され、この一端側が上記シート片挿入溝と離間するよう付勢される手動レバーとを備える。また、当該ベルマーク型抜き装置は、上記手動レバーの上記一端側に連結され、上記手動レバーの他端側を付勢方向と反対方向に押圧した第1押圧状態で上記一対の開口を貫通する第1切抜き刃を有する第1切断ユニットと、上記手動レバーの押圧解除状態で上記一対の開口を第1切抜き刃の貫通方向とは反対側から貫通可能な第2切抜き刃を有する第2切断ユニットとを備える。上記第1切抜き刃は、少なくとも上記ベルマーク表示部の1辺に対応し、上記第2切抜き刃は、上記ベルマーク表示部の残りの辺に対応している。当該ベルマーク型抜き装置は、
図9A,9Bに示すように、上記第1切断ユニットのスライド用突起32が長手方向の中央部を中心に回転可能に構成されている。
【0040】
当該ベルマーク型抜き装置は、上記シート片の型抜き前において、上記手動レバーを、上記第1押圧状態及び押圧解除状態の間の上記第1切抜き刃及び第2切抜き刃がいずれも上記シート片挿入構内に突出しない第2押圧状態に保持する保持機構を有する。また、当該ベルマーク型抜き装置は、上記手動レバーの上記第1押圧状態から押圧解除状態への押圧解除操作に連動して上記第2切抜き刃が上記一対の開口を貫通するよう上記第2切断ユニットを移動制御する制御機構を備える。当該ベルマーク型抜き装置は、上記保持機構及び制御機構を備える以外、
図1のベルマーク型抜き装置と同様の構成とすることができる。そのため、以下では、上記保持機構及び制御機構についてのみ説明する。
【0041】
(保持機構)
当該ベルマーク型抜き装置は、
図9Aに示すように、上記保持機構として、ケーシング31の第1スリット31aが、スライド用突起32を長手方向が水平方向に向くよう回転させ、かつスライド用突起32をこの回転状態で保持可能な切欠き31bを有する。当該ベルマーク型抜き装置は、スライド用突起32を長手方向が水平方向に向くよう切欠き31bに係止することで、上記第1切抜き刃及び第2切抜き刃がいずれも上記シート片挿入構内に突出しない第2押圧状態に保持可能に構成されている。
【0042】
(制御機構)
上記切欠き31bは、上記制御機構を兼ねている。詳しく説明すると、当該ベルマーク型抜き装置は、
図9Bに示すように、上記第2押圧状態からスライド用突起32を長手方向が鉛直方向を向くよう回転したうえ、上記手動レバーをさらに押圧することで上記第1押圧状態に至る。この第1押圧状態から上記手動レバーの押圧を解除すると、上記第1切断ユニットは下方に移動するが、この際切欠き31bはスライド用突起32の下降を遮らない。そのため、当該ベルマーク型抜き装置によると、上記手動レバーを第2押圧状態から第1押圧状態に押圧することで、上記第1切抜き刃が上記一対の開口を貫通し、さらに第1押圧状態から上記手動レバーの押圧を解除することで上記第2切抜き刃が上記一対の開口を貫通する。
【0043】
<利点>
当該ベルマーク型抜き装置は、上記第2押圧状態に保持された状態で上記載置面に上記シート片を載置し、上記手動レバーの他端側を押圧することで第1押圧状態とし、さらにこの第1押圧状態から押圧を解除することで上記ベルマーク表示部の型抜きを行うことができる。つまり、当該ベルマーク型抜き装置は、上記第2押圧状態から第1押圧状態に押圧する1つの動作で上記ベルマーク表示部の型抜きを行うことができる。そのため、当該ベルマーク型抜き装置は、上記ベルマーク表示部の型抜きをさらに容易に行うことができる。
【0044】
[第四実施形態]
図10を参照して、本発明の第四実施形態に係るベルマーク型抜き装置について説明する。当該ベルマーク型抜き装置は、ケーシング41が、載置面51aの下方に、型抜き後のベルマーク表示部を含むシート片を収容するシート片収容部42を備える。当該ベルマーク型抜き装置は、シート片収容部42を備える以外、
図1のベルマーク型抜き装置と同様の構成とすることができる。
【0045】
(シート片収容部)
シート片収容部42は、底壁42aと、底壁42aの側縁から立設される周壁42bとを有するトレイ状である。底壁42aには、第1切断ユニット3の第1切抜き刃13aが貫通可能な開口42cが形成されている。ケーシング41は、シート片挿入溝51の下側にシート片収容部42を挿入及び引き出しするためのシート片挿入用開口を有している。シート片収容部42は、このシート片挿入用開口からケーシング41内に挿入され、載置面51aに形成される開口52aの下側で保持される。
【0046】
<利点>
当該ベルマーク型抜き装置は、ケーシング41が、載置面51aの下方に、型抜き後のベルマーク表示部を含むシート片を収容するシート片収容部42を備えるので、型抜き後のシート片の収集作業を容易に行うことができる。
【0047】
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0048】
例えば上記第一実施形態乃至第四実施形態に記載の構成は任意に組み合わせて用いることが可能である。
【0049】
上記各実施形態では、第1切断ユニット及び第2切断ユニットがいずれも手動レバーの押圧に連動して移動する構成について説明したが、例えば上記第2切断ユニットは手動レバーの押圧とは独立して移動可能に構成されてもよい。また、上記各実施形態では、第1切抜き刃がベルマーク表示部の3辺に対応し、第2切抜き刃がベルマーク表示部の残りの1辺に対応する構成について説明したが、当該ベルマーク型抜き装置は、第1切抜き刃及び第2切抜き刃が全体としてベルマーク表示部の4辺に対応する限り、例えば第1切抜き刃及び第2切抜き刃がそれぞれベルマーク表示部の2辺に対応してもよく、第1切抜き刃がベルマーク表示部の1辺に対応し、第2切抜き刃がベルマーク表示部の3辺に対応してもよい。第1切抜き刃がベルマーク表示部の1辺に対応し、第2切抜き刃がベルマーク表示部の3辺に対応する場合、第1切抜き刃による切断後にシート片のベルマーク表示部を含む領域が折れ曲がるのを抑制でき、ベルマーク表示部の外縁を型抜きしやすい。
【0050】
上記第二実施形態では、第1カッター及び第2カッターの間隔を調節可能な調節機構を備える構成について説明したが、上記調節機構は、第1切抜き刃及び第2切抜き刃の間隔を調節可能に構成されていてもよく、第1カッター及び第2カッターの間隔と第1切抜き刃及び第2切抜き刃の間隔とをいずれも調節可能に構成されてもよい。
【0051】
上述の保持機構及び制御機構の具体的構成は上記第三実施形態で記載した構成に限定されるものではない。例えば当該ベルマーク型抜き装置は、上記保持機構として、第1スリットの前後方向からこの第1スリットの中央側に付勢される一対のバネ部材を有していてもよい。この構成によると、バネ部材によって第1切断ユニットのスライド用突起の下側を支持することで、手動レバーを第2押圧状態で保持することができる。
【0052】
当該ベルマーク型抜き装置は、手動レバーが押圧解除状態から第1押圧状態に移動する途中に自動的に一旦第2押圧状態で保持されるよう構成されていてもよい。
【0053】
当該ベルマーク型抜き装置は、第1切抜き刃によるシート片の切断領域と第2切抜き刃によるシート片の切断領域とが少なくとも2点で交叉することが好ましいが、シート片をベルマーク表示部の外縁に沿って型抜きできる限り、第1切抜き刃によるシート片の切断領域と第2切抜き刃によるシート片の切断領域とは必ずしも2点で交叉しなくてもよい。
【0054】
当該ベルマーク型抜き装置は、ケーシングが上述のシート片収容部を有する場合、このシート片収容部の具体的構成は上記第四実施形態で記載した構成に限定されるものではない。上記シート片収容部は、例えば上述の載置面を含んで構成されていてもよい。また、上記シート片収容部は、第1切断ユニットの基台に形成されていてもよい。
【解決手段】本発明のベルマーク型抜き装置は、ベルマーク表示部を有するシート片を載置可能な載置面及びこの載置面に対向する天面を有するシート片挿入溝が形成され、載置面及び天面にベルマーク表示部の外縁に対応する一対の開口が形成されたケーシングと、一端側がシート片挿入溝と離間するよう付勢される手動レバーと、手動レバーの一端側に連結され、手動レバーの他端側を付勢方向と反対方向に押圧した第1押圧状態で一対の開口を貫通する第1切抜き刃を有する第1切断ユニットと、手動レバーの押圧解除状態で一対の開口を第1切抜き刃の貫通方向とは反対側から貫通可能な第2切抜き刃を有する第2切断ユニットとを備え、第1切抜き刃及び第2切抜き刃が全体としてベルマーク表示部の4辺に対応する。