(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を検出し、検出した前記他端末を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行い、前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能と判断した場合は少なくとも前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信を行い、前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能でないと判断した場合は前記第1帯域において前記他端末と直接無線通信を行う端末と、
前記端末が接続する基地局であって、前記第1検出用信号および前記第2検出用信号の送信を制御する基地局と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を検出し、検出した前記他端末を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行う検出部と、
前記検出部によって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能と判断された場合は少なくとも前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信を行い、前記検出部によって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能でないと判断された場合は前記第1帯域において前記他端末と直接無線通信を行う通信部と、
を備えることを特徴とする端末。
第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を互いに検出する複数の端末であって、前記複数の端末のうちの前記第1検出用信号によって検出された端末のそれぞれが、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行い、前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能と判断した場合は少なくとも前記第2帯域において互いに直接無線通信を行い、前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能でないと判断した場合は前記第1帯域において互いに直接無線通信を行う複数の端末と、
前記複数の端末が無線接続する基地局であって、前記第1検出用信号および前記第2検出用信号の送信を制御する基地局と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
前記基地局は、前記第2検出用信号を送信する前記第2帯域の無線リソースを予約する予約信号を前記第1帯域および前記第2帯域で送信することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一つに記載の無線通信システム。
自端末とは異なる端末とともに、第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において直接無線通信が可能な他端末を互いに検出し、前記第1検出用信号によって自端末が検出された場合に、前記第1検出用信号によって検出された他の端末とともに、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行う検出部と、
前記検出部によって前記第2帯域において互いに前記直接無線通信が可能と判断された場合は少なくとも前記第2帯域において互いに前記直接無線通信を行い、前記検出部によって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能でないと判断された場合は前記第1帯域において互いに前記直接無線通信を行う通信部と、
を備えることを特徴とする端末。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、本発明にかかる無線通信システム、端末、基地局および処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1Aは、実施の形態1にかかる無線通信システムの一例を示す図である。
図1Bは、
図1Aに示した無線通信システムにおける信号の流れの一例を示す図である。
図1A,
図1Bに示すように、実施の形態1にかかる無線通信システム100は、端末110,120と、基地局130と、を備える。基地局130は、端末110,120のうちの少なくとも端末110が無線接続する基地局である。
【0014】
端末110,120は、たとえば互いに接近している場合に、第1帯域および第2帯域の少なくともいずれかを用いて互いに直接無線通信が可能なデバイスである。第2帯域は、第1帯域と異なる周波数帯域である。
【0015】
端末110は、検出部111と、通信部112と、を備える。検出部111は、第1帯域の第1検出用信号を用いて、第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を検出する。たとえば、端末110は、周辺の端末から送信される第1帯域の第1検出用信号を受信することによって、周辺の端末のうちの、自端末と直接無線通信が可能な他端末を検出することができる。この検出は、たとえばパッシブスキャンである。
図1Aに示す例では、検出部111は、自端末と直接無線通信が可能な他端末として端末120を検出したとする。
【0016】
検出部111は、検出した端末120を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって、第2帯域において自端末が端末120と直接無線通信が可能か否かを判断する。たとえば、検出部111は、検出した端末120を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信する。そして、検出部111は、送信した第2検出用信号に対する端末120からの応答信号を受信することにより、第2帯域において自端末が端末120と直接無線通信が可能か否かを判断することができる。この処理は、たとえばアクティブスキャンである。検出部111は、判断結果を通信部112へ出力する。
【0017】
通信部112は、検出部111から出力された判断結果に基づいて、第1帯域および第2帯域の少なくともいずれかにおいて端末120と直接無線通信を行う。たとえば、第2帯域において自端末が端末120と直接無線通信が可能であると検出部111によって判断された場合は、通信部112は、第2帯域において端末120と直接無線通信を行う。
【0018】
また、第2帯域において自端末が端末120と直接無線通信が可能でないと検出部111によって判断された場合は、通信部112は、第1帯域において端末120と直接無線通信を行う。また、第2帯域において自端末が端末120と直接無線通信が可能であると検出部111によって判断された場合に、通信部112は、第1帯域および第2帯域の両方において端末120と直接無線通信を行ってもよい。
【0019】
このように、実施の形態1によれば、端末が、第1帯域での検出の後に、検出した他端末を宛先とする第2検出用信号を送信することによって第2帯域での検出を行うことができる。これにより、第1帯域と第2帯域の周波数が離れていても第2帯域での直接無線通信が可能になる。また、第1帯域と第2帯域の周波数が離れていても、直接無線通信が可能な他端末を効率よく検出することができる。
【0020】
第1検出用信号および第2検出用信号の送信は、たとえば基地局130が備える制御部131によって制御される。たとえば、制御部131は、端末120が第1帯域の第1検出用信号を送信するように端末120を制御する。また、制御部131は、端末110の検出部111が第2帯域の第2検出用信号を送信するように端末110を制御する。たとえば、制御部131は、端末110,120との間で制御信号を無線送信することによって端末110,120を制御する。
【0021】
<基地局による制御>
たとえば、基地局130は、自局に接続している端末(たとえば端末120)に対して第1検出用信号の送信を指示する信号を送信する。そして、第1検出用信号を用いた端末120の検出の結果を端末110から受信し、受信結果に基づいて、端末110に対して第2検出用信号の送信を指示する信号を送信する。これにより、第1検出用信号および第2検出用信号の送信を基地局130において制御することができる。
【0022】
<第2検出用信号のための無線リソースの割り当て>
たとえば、基地局130は、端末110が第2検出用信号を送信するための第2帯域の無線リソースを端末110に割り当てる。これに対して、端末110は、基地局130によって割り当てられた無線リソースによって第2検出用信号を送信する。これにより、第2検出用信号と、基地局130に接続する他の端末の送信と、の衝突を抑制することができる。
【0023】
<第1帯域と第2帯域について>
第1帯域は、たとえば、無線通信システム100(自システム)の専用の帯域とすることができる。また、第2帯域は、無線通信システム100と他の無線通信システムとの共用の帯域とすることができる。他の無線通信システムは、たとえば、無線通信システム100と通信方式が異なる無線通信システムである。
【0024】
(実施の形態1にかかる変形例)
端末110,120を含む複数の帯域が上述した第1帯域での検出を行った場合に、検出された端末のそれぞれが、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって、第2帯域において他端末と直接無線通信が可能か否かを判断するようにしてもよい。
【0025】
たとえば、少なくとも端末110,120がともに第1帯域の第1検出用信号を送受信することによって互いを検出したとする。この場合は、検出された端末110のそれぞれが、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって、第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かを判断する。この処理は、たとえばパッシブスキャンである。
【0026】
また、端末110,120の他にも、互いを検出した各端末があった場合は、その各端末も、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって、第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かを判断する(パッシブスキャン)。
【0027】
このように、実施の形態1において、第1帯域での検出の後に、検出された各端末に限定して、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって第2帯域での検出を行ってもよい。この場合も、第1帯域と第2帯域の周波数が離れていても第2帯域での直接無線通信が可能になる。また、第1帯域と第2帯域の周波数が離れていても、直接無線通信が可能な他端末を効率よく検出することができる。
【0028】
<基地局による制御>
たとえば、基地局130は、自局に接続している端末(たとえば端末120)に対して第1検出用信号の送信を指示する信号を送信する。そして、第1検出用信号を用いた端末120の検出の結果を端末110から受信し、受信結果に基づいて、端末110,120に対して第2検出用信号の送信を指示する信号を送信する。これにより、第1検出用信号および第2検出用信号の送信を基地局130において制御することができる。
【0029】
<第2検出用信号のための無線リソースの割り当て>
たとえば、基地局130は、端末110が第2検出用信号を送信するための第2帯域の無線リソースを端末110に割り当てる。これに対して、端末110は、基地局130によって割り当てられた無線リソースによって第2検出用信号を送信する。これにより、第2検出用信号と、基地局130に接続する他の端末の送信と、の衝突を抑制することができる。
【0030】
<第2検出用信号のための無線リソースの予約>
基地局130は、第2検出用信号を送信するための第2帯域の無線リソースを予約する予約信号を第2帯域で送信する。この場合に、端末110,120のそれぞれは、予約信号によって予約された無線リソースによって第2検出用信号を互いに送信する。これにより、第2検出用信号と、第2帯域の他の信号と、の衝突を抑制することができる。
【0031】
また、基地局130は、第2検出用信号を送信するための第2帯域の無線リソースを予約する予約信号を第1帯域でも送信してもよい。これにより、第2検出用信号と、第1帯域および第2帯域の他の信号と、の衝突を抑制することができる。
【0032】
<第1帯域と第2帯域について>
第1帯域は、たとえば、無線通信システム100(自システム)の専用の帯域とすることができる。また、第2帯域は、無線通信システム100と他の無線通信システムとの共用の帯域とすることができる。他の無線通信システムは、たとえば、無線通信システム100と通信方式が異なる無線通信システムである。
【0033】
(実施の形態2)
(実施の形態2にかかる無線通信システム)
図2は、実施の形態2にかかる無線通信システムの一例を示す図である。
図2に示すように、実施の形態2にかかる無線通信システム200は、eNB211〜213と、UE231〜239と、を含む。
【0034】
eNB211〜213(evolved Node B)は、それぞれマクロセル221〜223を形成するマクロ基地局である。UE231〜233(User Equipment:ユーザ端末)は、マクロセル221に在圏しており、eNB211との間で無線通信が可能である。UE234〜236は、マクロセル222に在圏しており、eNB212との間で無線通信が可能である。UE237〜239は、マクロセル223に在圏しており、eNB213との間で無線通信が可能である。
【0035】
図2に示す例では、マクロセル221において、UE231はeNB211との間で無線通信を行っている。また、マクロセル221において、UE232,233は、たとえばeNB211の制御により、互いにD2D通信を行っている。
【0036】
図1A,
図1Bに示した無線通信システム100は、たとえばeNB211およびUE231〜233により実現することができる。この場合に、たとえば、
図1A,
図1Bに示した端末110,120は、UE231〜239に適用することができる。また、
図1A,
図1Bに示した基地局130は、eNB211〜213に適用することができる。
【0037】
以下、eNB211およびマクロセル221における各UE(たとえばUE232,233)に無線通信システム100を適用する場合について説明する。
【0038】
(実施の形態2にかかるeNB)
図3Aは、実施の形態2にかかるeNBの一例を示す図である。
図3Bは、
図3Aに示したeNBにおける信号の流れの一例を示す図である。
図2に示したeNB211は、たとえば
図3A,
図3Bに示すeNB300により実現することができる。eNB300は、アンテナ301と、無線処理部302と、FFT処理部303と、復調部304と、復号部305と、MAC・RLC処理部306と、無線リソース制御部307と、MAC制御部308と、パケット生成部309と、を備える。また、eNB300は、MACスケジューリング部310と、符号化部311と、変調部312と、多重部313と、IFFT処理部314と、無線処理部315と、アンテナ316と、を備える。
【0039】
アンテナ301は、他の無線通信装置から無線送信された信号を受信する。そして、アンテナ301は、受信した信号を無線処理部302へ出力する。無線処理部302は、アンテナ301から出力された信号の無線処理を行う。無線処理部302の無線処理には、たとえば高周波帯からベースバンド帯への周波数変換が含まれる。無線処理部302は、無線処理を行った信号をFFT処理部303へ出力する。
【0040】
FFT処理部303は、無線処理部302から出力された信号のFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を行う。これにより、信号が時間領域から周波数領域に変換される。FFT処理部303は、FFT処理を行った信号を復調部304へ出力する。
【0041】
復調部304は、FFT処理部303から出力された信号を復調する。そして、復調部304は、復調により得られた信号を復号部305へ出力する。復号部305は、復調部304から出力された信号を復号する。そして、復号部305は、復号により得られたデータをMAC・RLC処理部306へ出力する。
【0042】
MAC・RLC処理部306は、復号部305から出力されたデータに基づくMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)層およびRLC(Radio Link Control:無線リンク制御)層の各処理を行う。MAC・RLC処理部306は、各層の処理によって得られたデータを出力する。MAC・RLC処理部306から出力された信号は、たとえばeNB300の上位層の処理部へ入力される。また、MAC・RLC処理部306は、各層の処理によって得られたデータに含まれるフィードバック情報などの制御情報を無線リソース制御部307へ出力する。
【0043】
無線リソース制御部307は、MAC・RLC処理部306から出力された制御情報に基づく無線リソース制御を行う。この無線リソース制御はRRC層の処理である。無線リソース制御部307は、無線リソース制御に基づく制御情報をMAC制御部308へ出力する。また、無線リソース制御部307は、無線リソース制御に基づくD2D用リソース情報をパケット生成部309へ出力する。
【0044】
MAC制御部308は、無線リソース制御部307から出力された制御情報に基づくMAC層の制御を行う。そして、MAC制御部308は、MAC層の制御に基づくUEへの個別制御情報を多重部313へ出力する。個別制御情報は、たとえばPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)である。また、MAC制御部308は、MAC層の制御に基づく制御情報をMACスケジューリング部310へ出力する。
【0045】
パケット生成部309は、eNB300の上位層から出力されたユーザデータと、MAC制御部308から出力されたD2D用リソース情報と、を含む各パケットを生成する。そして、パケット生成部309は、生成したパケットをMACスケジューリング部310へ出力する。
【0046】
MACスケジューリング部310は、MAC制御部308から出力された制御情報に基づいて、パケット生成部309から出力されたパケットのMAC層のスケジューリングを行う。そして、MACスケジューリング部310は、スケジューリングの結果に基づいてパケットを符号化部311へ出力する。
【0047】
符号化部311は、MACスケジューリング部310から出力されたパケットを符号化する。そして、符号化部311は、符号化したパケットを変調部312へ出力する。変調部312は、符号化部311から出力されたパケットに基づく変調を行う。そして、変調部312は、変調により得られた信号を多重部313へ出力する。
【0048】
多重部313は、MAC制御部308から出力された個別制御情報と、変調部312から出力された信号と、を多重化する。そして、多重部313は、多重化により得られた信号をIFFT処理部314へ出力する。
【0049】
IFFT処理部314は、多重部313から出力された信号のIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理を行う。これにより、信号が周波数領域から時間領域に変換される。IFFT処理部314は、IFFT処理を行った信号を無線処理部315へ出力する。
【0050】
無線処理部315は、IFFT処理部314から出力された信号の無線処理を行う。無線処理部315の無線処理には、たとえばベースバンド帯から高周波帯への周波数変換が含まれる。無線処理部315は、無線処理を行った信号をアンテナ316へ出力する。アンテナ316は、無線処理部315から出力された信号を他の無線通信装置へ無線送信する。
【0051】
図1A,
図1Bに示した制御部131は、たとえば、
図3A,
図3Bに示した各構成のうちのMAC制御部308を除く構成により実現することができる。または、
図1A,
図1Bに示した制御部131は、たとえば、
図3A,
図3Bに示した各構成(MAC制御部308を含む)によって実現してもよい。
【0052】
(eNBのハードウェア構成)
図3Cは、eNBのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3Dは、
図3Cに示したハードウェア構成における信号の流れの一例を示す図である。eNB300は、たとえば
図3C,
図3Dに示す無線通信装置350により実現することができる。
【0053】
無線通信装置350は、たとえば、送受信アンテナ351と、アンプ352と、乗算部353と、アナログデジタル変換器354と、プロセッサ355と、メモリ356と、を備える。また、無線通信装置350は、デジタルアナログ変換器357と、乗算部358と、アンプ359と、発振器360と、を備える。また、無線通信装置350は、外部の通信装置との間で有線通信を行うインタフェースを備えていてもよい。
【0054】
送受信アンテナ351は、自装置の周辺から無線送信された信号を受信し、受信した信号をアンプ352へ出力する。また、送受信アンテナ351は、アンプ359から出力された信号を自装置の周辺へ無線送信する。
【0055】
アンプ352は、送受信アンテナ351から出力された信号を増幅する。そして、アンプ352は、増幅した信号を乗算部353へ出力する。乗算部353は、アンプ352から出力された信号を、発振器360から出力されたクロック信号と乗算することにより、高周波帯からベースバンド帯へ周波数変換する。そして、乗算部353は、周波数変換した信号をアナログデジタル変換器354へ出力する。
【0056】
アナログデジタル変換器354(A/D)は、乗算部353から出力された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するADC(Analog/Digital Converter:アナログ/デジタル変換器)である。アナログデジタル変換器354は、デジタル信号に変換した信号をプロセッサ355へ出力する。
【0057】
プロセッサ355は、無線通信装置350の全体の制御を司る。プロセッサ355は、たとえばCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)やDSP(Digital Signal Processor)などにより実現することができる。プロセッサ355は、アナログデジタル変換器354から出力された信号の受信処理を行う。また、プロセッサ355は、自装置が送信する信号を生成し、生成した信号をデジタルアナログ変換器357へ出力する送信処理を行う。
【0058】
メモリ356には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、プロセッサ355のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスクやフラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、プロセッサ355を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてプロセッサ355によって実行される。また、補助メモリには、たとえば、予め定められた各種の閾値などが記憶される。
【0059】
デジタルアナログ変換器357は、プロセッサ355から出力された信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するDAC(Digital/Analog Converter:デジタル/アナログ変換器)である。デジタルアナログ変換器357は、アナログ信号に変換した信号を乗算部358へ出力する。
【0060】
乗算部358は、デジタルアナログ変換器357から出力された信号を、発振器360から出力されたクロック信号と乗算することにより、ベースバンド帯から高周波帯へ周波数変換する。そして、乗算部358は、周波数変換した信号をアンプ359へ出力する。アンプ359はデジタルアナログ変換器357から出力された信号を増幅する。そして、アンプ359は、増幅した信号を送受信アンテナ351へ出力する。
【0061】
発振器360は、所定周波数のクロック信号(連続波の交流信号)を発振する。そして、発振器360は、発振したクロック信号を乗算部353,358へ出力する。
【0062】
図3A,
図3Bに示したアンテナ301,316は、たとえば送受信アンテナ351により実現することができる。
図3A,
図3Bに示した無線処理部302および無線処理部315は、たとえばアンプ352、乗算部353、アナログデジタル変換器354、デジタルアナログ変換器357、乗算部358、アンプ359および発振器360により実現することができる。
図3A,
図3Bに示したその他の構成は、たとえばプロセッサ355およびメモリ356により実現することができる。
【0063】
(実施の形態2にかかるUE)
図4Aは、実施の形態2にかかるUEの一例を示す図である。
図4Bは、
図4Aに示したUEにおける信号の流れの一例を示す図である。
図2に示したUE231〜233のそれぞれは、たとえば
図4A,
図4Bに示すUE400により実現することができる。
【0064】
UE400は、アンテナ401と、無線処理部402と、FFT処理部403と、等化処理部404と、IFFT処理部405と、復調部406と、復号部407と、応答信号検出部408と、を備える。また、UE400は、ディスカバリ信号検出部409と、キャリアセンス部410と、制御情報処理部411と、ディスカバリ信号生成部412と、を備える。また、UE400は、データ処理部413と、多重部414と、シンボルマッピング部415と、多重部416と、FFT処理部417と、周波数マッピング部418と、IFFT処理部419と、無線処理部420と、を備える。
【0065】
アンテナ401は、他の無線通信装置から無線送信された信号を受信する。そして、アンテナ401は、受信した信号を無線処理部402へ出力する。また、アンテナ401は、無線処理部420から出力された信号を他の無線通信装置へ無線送信する。
【0066】
無線処理部402は、アンテナ401から出力された信号の無線処理を行う。無線処理部402の無線処理には、たとえば高周波帯からベースバンド帯への周波数変換が含まれる。無線処理部402は、無線処理を行った信号をFFT処理部403、ディスカバリ信号検出部409およびキャリアセンス部410へ出力する。
【0067】
FFT処理部403は、無線処理部402から出力された信号のFFT処理を行う。これにより、信号が時間領域から周波数領域に変換される。FFT処理部403は、FFT処理を行った信号を等化処理部404へ出力する。
【0068】
等化処理部404は、FFT処理部403から出力された信号の等化処理を行う。そして、等化処理部404は、等化処理を行った信号をIFFT処理部405へ出力する。IFFT処理部405は、等化処理部404から出力された信号のIFFT処理を行う。これにより、信号が周波数領域から時間領域に変換される。IFFT処理部405は、IFFT処理を行った信号を復調部406へ出力する。
【0069】
復調部406は、IFFT処理部405から出力された信号を復調する。そして、復調部406は、復調により得られた信号を復号部407へ出力する。復号部407は、復調部406から出力された信号を復号する。そして、復号部407は、復号により得られたデータを出力する。復号部407から出力されたデータは、たとえばUE400の上位層の処理部および応答信号検出部408へ入力される。復号部407から出力されたデータには、たとえばユーザデータが含まれる。
【0070】
応答信号検出部408は、復号部407から出力されたデータに含まれる、他の無線通信装置から送信された応答信号を検出する。そして、応答信号検出部408は、応答信号の検出結果を示す検出情報を制御情報処理部411へ出力する。
【0071】
ディスカバリ信号検出部409は、無線処理部402から出力された信号に含まれる、他の無線通信装置から送信されたディスカバリ信号を検出する。ディスカバリ信号には、たとえばアクティブスキャン信号やパッシブスキャン信号などが含まれる。ディスカバリ信号検出部409は、ディスカバリ信号の検出結果を示す検出情報を制御情報処理部411へ出力する。
【0072】
キャリアセンス部410は、無線処理部402から出力された信号に基づくキャリアセンスを行う。そして、キャリアセンス部410は、キャリアセンスの結果を示すキャリアセンス結果情報を制御情報処理部411へ出力する。
【0073】
制御情報処理部411は、たとえばMAC層やRRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)層の各制御情報の処理を行う。たとえば、制御情報処理部411は、応答信号検出部408から出力された検出情報に基づいて、UE400から送信したアクティブスキャン信号に対する応答があったか否かを判断する。
【0074】
また、制御情報処理部411は、ディスカバリ信号検出部409から出力された検出情報に基づいて、他のUEから送信されたアクティブスキャン信号に対する応答信号の送信や、他のUEから送信されたパッシブスキャン信号の受信などの制御を行う。また、制御情報処理部411は、キャリアセンス部410から出力されたキャリアセンス結果情報に基づいて、UE400が通信を行う無線リソースの空きを確認する。
【0075】
また、制御情報処理部411は、基地局から受信した各制御信号に基づいて、ディスカバリ信号の送信を指示するディスカバリ信号送信指示をディスカバリ信号生成部412へ出力する。また、制御情報処理部411は、各処理結果に基づいて、応答信号や無線リソース割り当て情報などの制御情報を多重部414へ出力する。
【0076】
ディスカバリ信号生成部412は、制御情報処理部411から出力されたディスカバリ信号送信指示に基づいて、ディスカバリ信号を生成する。そして、ディスカバリ信号生成部412は、生成したディスカバリ信号を多重部416へ出力する。
【0077】
データ処理部413は、各種のデータ処理を行い、データ処理の結果に基づく送信データを多重部414へ出力する。多重部414は、制御情報処理部411から出力された制御情報と、データ処理部413から出力された送信データと、を多重化し、多重化により得られた送信信号をシンボルマッピング部415へ出力する。
【0078】
シンボルマッピング部415は、多重部414から出力された送信信号のシンボルマッピングを行う。そして、シンボルマッピング部415は、シンボルマッピングを行った送信信号を多重部416へ出力する。
【0079】
多重部416は、ディスカバリ信号生成部412から出力されたディスカバリ信号と、シンボルマッピング部415から出力された送信信号と、UE400からのパイロット信号や同期信号と、を多重化する。そして、多重部416は、多重化により得られた信号をFFT処理部417へ出力する。
【0080】
FFT処理部417は、多重部416から出力された信号のFFT処理を行う。これにより、信号が時間領域から周波数領域に変換される。FFT処理部417は、FFT処理を行った信号を周波数マッピング部418へ出力する。周波数マッピング部418は、FFT処理部417から出力された信号の周波数マッピングを行う。そして、周波数マッピング部418は、周波数マッピングを行った信号をIFFT処理部419へ出力する。
【0081】
IFFT処理部419は、周波数マッピング部418から出力された信号のIFFT処理を行う。これにより、信号が周波数領域から時間領域に変換される。IFFT処理部419は、IFFT処理を行った信号を無線処理部420へ出力する。
【0082】
無線処理部420は、IFFT処理部419から出力された信号の無線処理を行う。無線処理部420の無線処理には、たとえばベースバンド帯から高周波帯への周波数変換が含まれる。無線処理部420は、無線処理を行った信号をアンテナ401へ出力する。
【0083】
図4A,
図4Bに示す例では、無線送信と無線受信に同一のアンテナ401を用いる場合について説明したが、無線送信用のアンテナと無線受信用のアンテナをUE400に設けてもよい。
図1A,
図1Bに示した検出部111は、たとえばアンテナ401、無線処理部402、FFT処理部403、等化処理部404、IFFT処理部405、復調部406、復号部407、応答信号検出部408、ディスカバリ信号検出部409、キャリアセンス部410、制御情報処理部411、ディスカバリ信号生成部412、多重部416、FFT処理部417、周波数マッピング部418、IFFT処理部419および無線処理部420により実現することができる。
【0084】
図1A,
図1Bに示した通信部112は、たとえばアンテナ401、無線処理部402、FFT処理部403、等化処理部404、IFFT処理部405、復調部406、復号部407、応答信号検出部408、制御情報処理部411、ディスカバリ信号生成部412、データ処理部413、多重部414、シンボルマッピング部415、多重部416、FFT処理部417、周波数マッピング部418、IFFT処理部419および無線処理部420により実現することができる。
【0085】
(UEのハードウェア構成)
UE400は、たとえば
図3C,
図3Dに示した無線通信装置350により実現することができる。この場合に、無線通信装置350は、外部の通信装置との間で有線通信を行うインタフェースを備えていなくてもよい。
【0086】
図4A,
図4Bに示したアンテナ401は、たとえば送受信アンテナ351により実現することができる。
図4A,
図4Bに示した無線処理部402および無線処理部420は、たとえばアンプ352、乗算部353、アナログデジタル変換器354、デジタルアナログ変換器357、乗算部358、アンプ359および発振器360により実現することができる。
図4A,
図4Bに示したその他の構成は、たとえばプロセッサ355およびメモリ356により実現することができる。
【0087】
(実施の形態2にかかるeNBによるD2D通信の開始制御処理)
図5は、実施の形態2にかかるeNBによるD2D通信の開始制御処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるeNB300は、D2D通信の開始制御処理として、たとえば
図5に示す各ステップを実行する。
【0088】
まず、eNB300は、PCCディスカバリ開始指示を各UEに対して送信する(ステップS501)。PCCディスカバリ開始指示は、PCCにおけるディスカバリの開始を指示する信号である。ステップS501の送信は、たとえばeNB300に接続しているUEからの要求などの各種のタイミングで行うことができる。
【0089】
つぎに、eNB300は、ステップS501によって送信したPCCディスカバリ開始指示に対する各ディスカバリ結果の報告を各UEから受信したか否かを判断し(ステップS502)、報告を受信するまで待つ(ステップS502:Noのループ)。各ディスカバリ結果の報告には、たとえば各UEが決定したD2D通信相手を示す情報が含まれる。
【0090】
ステップS502において、報告を受信すると(ステップS502:Yes)、eNB300は、ステップS503へ移行する。すなわち、eNB300は、ステップS502において受信した報告が示すD2D通信相手に基づいて、D2D通信を行う各UEに対して、アクティブスキャン指示を個別に送信する(ステップS503)。アクティブスキャン指示は、SCCにおけるアクティブスキャンを指示する信号である。
【0091】
つぎに、eNB300は、ステップS503によって送信したアクティブスキャン指示に対するアクティブスキャン結果の報告を受信したか否かを判断し(ステップS504)、報告を受信するまで待つ(ステップS504:Noのループ)。アクティブスキャン結果の報告には、たとえば、D2D通信を行う各UEが、SCCにおいてD2D通信が可能であるか否かを示す情報が含まれる。
【0092】
ステップS504において、報告を受信すると(ステップS504:Yes)、eNB300は、ステップS505へ移行する。すなわち、eNB300は、ステップS504において受信したアクティブスキャン結果の報告に基づいて、D2D通信を行う各UEについて、SCCにおけるD2D通信が可能か否かを判断する(ステップS505)。
【0093】
ステップS505において、SCCにおけるD2D通信が可能である場合(ステップS505:Yes)は、eNB300は、SCCにおけるD2D通信用の無線リソースを決定し(ステップS506)、ステップS508へ移行する。無線リソースは、たとえば周波数リソースや時間リソースなどである。SCCにおけるD2D通信が可能でない場合(ステップS505:No)は、eNB300は、PCCにおけるD2D通信用の無線リソースを決定する(ステップS507)。
【0094】
つぎに、eNB300は、ステップS506,S507のいずれかで決定した無線リソースを示すD2D用リソース情報を各UEへ送信し(ステップS508)、一連のD2D通信の開始制御処理を終了する。これにより、各UEが、ステップS508によって送信されたD2D用リソース情報が示す無線リソース(PCCまたはSCC)を用いてD2D通信を開始する。
【0095】
(実施の形態2にかかるUEによるD2D通信の開始処理)
図6は、実施の形態2にかかるUEによるD2D通信の開始処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかるUE400は、D2D通信の開始処理として、たとえば
図6に示す各ステップを実行する。
【0096】
まず、UE400は、eNB300からPCCディスカバリ開始指示を受信したか否かを判断し(ステップS601)、PCCディスカバリ開始指示を受信するまで待つ(ステップS601:Noのループ)。PCCディスカバリ開始指示は、PCCにおける各ディスカバリの開始を指示する信号である。PCCディスカバリ開始指示を受信すると(ステップS601:Yes)、UE400は、PCCにおけるデバイス・サービスディスカバリを行う(ステップS602)。
【0097】
デバイス・サービスディスカバリは、たとえば、自装置の周辺における他のUEを検出するデバイスディスカバリ(近接度検知機能)と、検出したUEが提供するサービスやアプリケーションを検出するサービスディスカバリと、を含む。デバイス・サービスディスカバリは、パッシブスキャン信号を送受信することにより行われる。このデバイス・サービスディスカバリには、たとえばLTE(Long Term Evolution)のリリース12において規定されるデバイス・サービスディスカバリを適用することができる。
【0098】
つぎに、UE400は、ステップS602の各ディスカバリの結果に基づいてD2D通信相手を決定する(ステップS603)。たとえば、UE400は、UE400の周辺に位置し、UE400との間で所定のD2D通信サービスが可能なUEの中からD2D通信相手を決定する。
【0099】
つぎに、UE400は、ステップS602の各ディスカバリ結果の報告をeNB300へ送信する(ステップS604)。ステップS604によって送信される報告は、たとえば、ステップS602によって検出した端末の情報(端末の識別番号、ディスカバリ信号の受信レベル、サービス情報、等)や、ステップS603で決定したD2D通信相手を示す情報を含む信号である。
【0100】
つぎに、UE400は、アクティブスキャン指示を受信したか否かを判断し(ステップS605)、アクティブスキャン指示を受信するまで待つ(ステップS605:Noのループ)。アクティブスキャン指示は、アクティブスキャンを指示する信号である。アクティブスキャン指示を受信すると(ステップS605:Yes)、UE400は、SCCのアクティブスキャン信号を送受信することによってSCCにおけるアクティブスキャンを行う(ステップS606)。
【0101】
つぎに、UE400は、ステップS606のアクティブスキャン結果の報告をeNB300へ送信する(ステップS607)。ステップS607によって送信される報告は、たとえば、ステップS603によって決定されたD2D通信相手との間でSCCにおけるD2D通信が可能であるか否かを示す信号である。
【0102】
つぎに、UE400は、eNB300からD2D用リソース情報を受信したか否かを判断し(ステップS608)、D2D用リソース情報を受信するまで待つ(ステップS608:Noのループ)。D2D用リソース情報は、D2D通信用の無線リソースを示す情報である。D2D用リソース情報を受信すると(ステップS608:Yes)、UE400は、受信したD2D用リソース情報に基づくD2D通信を開始し(ステップS609)、一連のD2D通信の開始処理を終了する。
【0103】
(実施の形態2にかかる無線通信システムの動作例1)
図7Aは、実施の形態2にかかる無線通信システムの動作例1を示す図である。実施の形態2にかかる無線通信システム200は、たとえば
図7Aに示す各ステップのように動作する。まず、eNB211が、PCCにおける各ディスカバリの開始を指示するPCCディスカバリ開始指示を送信する(ステップS701)。
図7Aに示す例では、ステップS701によって送信されたPCCディスカバリ開始指示がUE232,233によって受信されたとする。
【0104】
つぎに、UE232が、ステップS701のPCCディスカバリ開始指示に基づいて、PCCにおけるデバイス・サービスディスカバリを実行する(ステップS702)。また、UE233が、ステップS701のPCCディスカバリ開始指示に基づいて、PCCにおけるデバイス・サービスディスカバリを実行する(ステップS703)。
【0105】
つぎに、UE232が、ステップS702による各ディスカバリの結果に基づいて、D2D通信相手を決定する(ステップS704)。ここでは、UE232は、UE232の周辺に位置し、UE232との間でD2D通信サービスが可能なUEとしてUE233を検出し、UE233をD2D通信相手に決定したとする。
【0106】
また、UE233が、ステップS703による各ディスカバリの結果に基づいて、D2D通信相手を決定する(ステップS705)。ここでは、UE233は、UE233の周辺に位置し、UE233との間でD2D通信サービスが可能なUEとしてUE232を検出し、UE232をD2D通信相手に決定したとする。
【0107】
つぎに、UE232が、ステップS702によるデバイス・サービスディスカバリ結果をeNB211へ報告する(ステップS706)。たとえば、UE232は、PCCにおけるD2D通信が可能である旨の報告(通信可)であって、ステップS704によって決定したD2D通信相手(UE233)を示す情報を含む報告をeNB211へ送信する。
【0108】
また、UE233が、ステップS703によるデバイス・サービスディスカバリ結果をeNB211へ報告する(ステップS707)。たとえば、UE233は、PCCにおけるD2D通信が可能である旨の報告(通信可)であって、ステップS705によって決定したD2D通信相手(UE232)を示す情報を含む報告をeNB211へ送信する。
【0109】
つぎに、eNB211が、ステップS706,S707によるUE232,233からの報告に基づいて、アクティブスキャンを指示する個別のアクティブスキャン指示をUE232,233のそれぞれへ送信する(ステップS708)。このとき、eNB211は、UE232,233がアクティブスキャン信号を送信するための無線リソースをUE232,233に割り当て、割り当てた無線リソースをアクティブスキャン指示によって通知してもよい。
【0110】
つぎに、UE232,233が、互いにSCCにおけるアクティブスキャンを実行する(ステップS709)。たとえば、UE232,233は、互いにアクティブスキャン信号を送受信することによってアクティブスキャンを行う。ただし、ステップS702,S703におけるサービスディスカバリによってUE232,233がそれぞれ所定のD2D通信サービスに対応していることは確認済みであるため、ステップS709では、SCCにおいて互いに通信が可能かどうかを確認すればよい。このため、ステップS709では、デバイスディスカバリを行えばよく、サービスディスカバリは行わなくてもよい。
【0111】
つぎに、UE232が、ステップS709におけるアクティブスキャン結果をeNB211へ報告する(ステップS710)。
図7Aに示す例では、UE232は、SCCにおけるD2D通信が可能である旨の報告(通信可)をeNB211へ送信する。また、UE233が、ステップS709におけるアクティブスキャン結果をeNB211へ報告する(ステップS711)。
図7Aに示す例では、UE233は、SCCにおけるD2D通信が可能である旨の報告(通信可)をeNB211へ送信する。
【0112】
つぎに、eNB211が、ステップS710,S711におけるUE232,233からの報告に基づいて、SCCにおけるUE232,233によるD2D通信用の無線リソースを決定する(ステップS712)。
【0113】
つぎに、eNB211が、ステップS712によって決定したSCCの無線リソースを示すD2D用リソース情報をUE232,233のそれぞれへ送信する(ステップS713)。つぎに、UE232,233が、ステップS713によって送信されたD2D用リソース情報が示すSCCにおける無線リソースを用いて、互いにSCCにおけるD2D通信を開始する(ステップS714)。
【0114】
(実施の形態2にかかる無線通信システムの動作例2)
図7Bは、実施の形態2にかかる無線通信システムの動作例2を示す図である。実施の形態2にかかる無線通信システム200は、たとえば
図7Bに示す各ステップのように動作する場合もある。
図7Bに示すステップS721〜S731は、
図7Aに示したステップS701〜S711と同様である。ただし、
図7Bに示す例では、ステップS729におけるアクティブスキャンにおいて、UE232,233は、互いにSCCにおけるD2D通信は不可であると判断したとする。
【0115】
この場合は、ステップS730において、UE232は、SCCにおけるD2D通信が不可である旨の報告(通信不可)をeNB211へ送信する。また、ステップS731において、UE233は、SCCにおけるD2D通信が不可である旨の報告(通信不可)をeNB211へ送信する。
【0116】
つぎに、eNB211が、ステップS730,S731におけるUE232,233からの報告に基づいて、PCCにおけるUE232,233によるD2D通信用の無線リソースを決定する(ステップS732)。
【0117】
つぎに、eNB211が、ステップS732によって決定したPCCの通信キャリアを示すD2D用リソース情報をUE232,233のそれぞれへ送信する(ステップS733)。つぎに、UE232,233が、ステップS733によって送信されたD2D用リソース情報が示すPCCにおける無線リソースを用いて、互いにPCCにおけるD2D通信を開始する(ステップS734)。
【0118】
このように、実施の形態2によれば、PCCでのディスカバリの後にSCCでのアクティブスキャン(Probing)が行われる。たとえば、PCCでは、比較的大きなサイズのディスカバリ信号を用いるデバイス・サービスディスカバリ(パッシブスキャン)が行われる。また、SCCでは、アクティブスキャン(特定相手先との間の疎通確認)が行われる。
【0119】
アクティブスキャンにおいては、サービスディスカバリが不要であるため、ディスカバリ信号のサイズを比較的小さくすることができる。したがって、SCCではアクティブスキャンを行うようにすることで、SCCにおけるディスカバリのためのトラフィックを低減し、SCCの輻輳低減を図ることができる。このため、たとえばSCCが他の通信システムとの共用チャネルとなるアンライセンスドバンドである場合であっても、他の通信システムへの影響を抑えつつ効率よく通信を行うことができる。
【0120】
また、SCCにおけるアクティブスキャンの結果、SCCでのD2D通信が不可であった場合であっても、PCCでのD2D通信が可能であることは確認済みであるため、たとえば再度のディスカバリを行わなくてもPCCでのD2D通信を行うことができる。
【0121】
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態2と異なる部分について説明する。
【0122】
(実施の形態3にかかるeNBによるD2D通信の開始制御処理)
図8は、実施の形態3にかかるeNBによるD2D通信の開始制御処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるeNB300は、D2D通信の開始制御処理として、たとえば
図8に示す各ステップを実行する。
図8に示すステップS801,S802は、
図5に示したステップS501,S502と同様である。
【0123】
ステップS802のつぎに、eNB300は、ステップS802によって受信した各ディスカバリ結果の報告が示すD2D通信相手に基づいて、UEサブセットの決定と、ディスカバリ用の無線リソースの割り当てと、を行う(ステップS803)。
【0124】
UEサブセットは、D2D通信が可能であることをeNB300へ報告したUEの集合である。つまり、UEサブセットは、ステップS801のPCCディスカバリ開始指示に基づいてD2Dリンクのペアリングが完了したUEの組の和集合である。ディスカバリ用の無線リソースは、SCCにおけるデバイスディスカバリのための無線リソースである。
【0125】
つぎに、eNB300は、PCCおよびSCCでRTS(Request To Send:送信要求)信号を送信する(ステップS804)。ステップS804によって送信されるRTS信号は、ステップS803によってディスカバリ用の無線リソースとして割り当てられた無線リソースの予約を要求するRTS信号である。
【0126】
つぎに、eNB300は、ステップS803によって決定したUEサブセットの各UEに対するSCCディスカバリ開始指示を送信する(ステップS805)。SCCディスカバリ開始指示は、SCCにおけるパッシブスキャンによるデバイスディスカバリを指示する信号である。
【0127】
つぎに、eNB300は、ステップS805によって送信したSCCディスカバリ開始指示に対するデバイスディスカバリ結果の報告を受信したか否かを判断し(ステップS806)、デバイスディスカバリ結果の報告を受信するまで待つ(ステップS806:Noのループ)。デバイスディスカバリ結果の報告には、たとえば、各UEが決定したD2D通信相手を示す情報が含まれる。デバイスディスカバリ結果の報告を受信すると(ステップS806:Yes)、ステップS807へ移行する。
【0128】
図8に示すステップS807〜S810は、
図5に示したステップS505〜S508と同様である。ただし、eNB300は、UEサブセットのうちのSCCでのD2D通信が可能と報告したUEの組ごとに、SCCにおけるD2D通信用の無線リソースを割り当てる。また、eNB300は、UEサブセットのうちのSCCでのD2D通信が不可と報告したUEの組ごとに、PCCにおけるD2D通信用の無線リソースを割り当てる。これにより、各UEが、eNB300によって割り当てられたD2D通信用の無線リソース(PCC上またはSCC上)を用いてD2D通信を開始する。
【0129】
(実施の形態3にかかるUEによるD2D通信の開始処理)
図9は、実施の形態3にかかるUEによるD2D通信の開始処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかるUE400は、D2D通信の開始処理として、たとえば
図9に示す各ステップを実行する。
図9に示すステップS901〜S904は、
図6に示したステップS601〜S604と同様である。
【0130】
ステップS904のつぎに、UE400は、SCCディスカバリ開始指示を受信したか否かを判断し(ステップS905)、SCCディスカバリ開始指示を受信するまで待つ(ステップS905:Noのループ)。SCCディスカバリ開始指示を受信すると(ステップS905:Yes)、UE400は、SCCにおけるデバイスディスカバリを行う(ステップS906)。ステップS906によるデバイスディスカバリは、たとえばパッシブスキャン信号を送受信するパッシブスキャンによって行うことができる。
【0131】
つぎに、ステップS906のデバイスディスカバリ結果の報告をeNB300へ送信する(ステップS907)。ステップS907によって送信される各ディスカバリ結果の報告には、たとえばステップS903によって決定されたD2D通信相手との間でSCCにおけるD2D通信が可能か否かを示す情報が含まれる。ステップS908,S909は、
図6に示したステップS608,S609と同様である。
【0132】
(実施の形態3にかかる無線通信システムの動作例1)
図10Aは、実施の形態3にかかる無線通信システムの動作例1を示す図である。実施の形態3にかかる無線通信システム200は、たとえば
図10Aに示す各ステップのように動作する。
図10Aに示すステップS1001〜S1007は、
図7Aに示したステップS701〜S707と同様である。
【0133】
ただし、
図10Aに示す例では、UE232,233だけでなく、複数組のUEが、デバイス・サービスディスカバリの結果、互いにD2D通信であることをeNB211へ報告したとする。これに対して、eNB211は、各UEからの報告に基づいて、UEサブセットの決定と、ディスカバリ用の無線リソースの割り当てと、を行う(ステップS1008)。
【0134】
つぎに、eNB300は、PCCおよびSCCで、ステップS1008によってディスカバリ用の無線リソースとして割り当てた無線リソースの予約を要求するRTS信号を送信する(ステップS1009)。
【0135】
つぎに、eNB300は、ステップS1008によって決定したUEサブセットに含まれる各UEに対するSCCディスカバリ開始指示を送信する(ステップS1010)。
【0136】
つぎに、UEサブセットに含まれる各UE(UE232,233を含む)が、互いにSCCにおけるデバイスディスカバリを実行する(ステップS1011)。ステップS1011においては、たとえば、各UEが、互いにパッシブスキャン信号を送受信することによってパッシブスキャンを行う。
【0137】
ただし、ステップS1002,S1003におけるサービスディスカバリによって各UEが所定のD2D通信サービスに対応していることは確認済みであるため、ステップS1011では、SCCにおいて互いに通信が可能かどうかを確認すればよい。このため、ステップS1011では、デバイスディスカバリを行えばよく、サービスディスカバリは行わなくてもよい。
【0138】
つぎに、UE232が、ステップS1011におけるデバイスディスカバリの結果をeNB211へ報告する(ステップS1012)。
図10Aに示す例では、UE232は、SCCにおけるD2D通信が可能である旨の報告(通信可)であって、ステップS1004によって決定したD2D通信相手(UE233)を示す情報を含む報告をeNB211へ送信する。
【0139】
また、UE233が、ステップS1011におけるアクティブスキャンの結果をeNB211へ報告する(ステップS1013)。
図10Aに示す例では、UE233は、SCCにおけるD2D通信が可能である旨の報告(通信可)であって、ステップS1005によって決定したD2D通信相手(UE232)を示す情報を含む報告をeNB211へ送信する。
【0140】
これにより、eNB211は、UE232,233がSCCにおいてD2D通信可能であると判断することができる。また、UEサブセットに含まれる各UEのうちのUE232,233と異なるUEも、UE232,233と同様にeNB211へ報告を行う。
図10Aに示すステップS1014〜S1016は、
図7Aに示したステップS712〜S714と同様である。
【0141】
ただし、eNB211は、UEサブセットに含まれる各UEのうちの、UE232,233と異なる、SCCにおけるD2D通信が可能であることを報告した各UEについても同様に、SCCにおけるD2D通信用の無線リソースを割り当てる。これにより、UEサブセットに含まれる各UEが、SCCにおけるD2D通信が可能である場合に、SCCの無線リソースを割り当てられ、SCCにおけるD2D通信を開始することができる。
【0142】
(実施の形態3にかかる無線通信システムの動作例2)
図10Bは、実施の形態3にかかる無線通信システムの動作例2を示す図である。
図10Bに示すステップS1021〜S1033は、
図10Aに示したステップS1001〜S1013と同様である。ただし、
図10Bに示す例では、ステップS1031におけるデバイスディスカバリにおいて、UE232,233は、互いにSCCにおけるD2D通信は不可であると判断したとする。
【0143】
この場合は、ステップS1032において、UE232は、SCCにおけるD2D通信が不可である旨の報告(通信不可)をeNB211へ送信する。また、ステップS1033において、UE233は、SCCにおけるD2D通信が不可である旨の報告(通信不可)をeNB211へ送信する。
【0144】
つぎに、eNB211が、ステップS1032,S1033におけるUE232,233からの報告に基づいて、PCCにおけるUE232,233によるD2D通信用の無線リソースを決定する(ステップS1034)。
【0145】
つぎに、eNB211が、ステップS1034によって決定したPCCの無線リソースを示すD2D用リソース情報をUE232,233のそれぞれへ送信する(ステップS1035)。つぎに、UE232,233が、ステップS1035によって送信されたD2D用リソース情報が示すPCCにおける無線リソースを用いて、互いにPCCにおけるD2D通信を開始する(ステップS1036)。
【0146】
(SCCにおけるディスカバリ信号の送信)
図11は、SCCにおけるディスカバリ信号の送信の一例を示す図である。
図11において、横軸は時間リソース(t)を示し、縦軸は周波数リソース(f)を示している。縦軸のPCCは、ライセンスド(Licensed)バンドであるPCCの帯域を示している。縦軸のSCCは、アンライセンスド(Unlicensed)バンドであるSCCの帯域を示している。
【0147】
図11に示す例では、たとえば
図10AのステップS1008でeNB211が決定したUEサブセットには、UE#1〜#8の8つのUEが含まれているとする。一例としては、UE#1とUE#5が互いにPCCでD2D通信が可能と判断した組であるとする。同様に、UE#2とUE#6、UE#3とUE#7、UE#4とUE#8がそれぞれ互いにD2D通信相手であるとする。
【0148】
リソース予約期間1101は、たとえば
図10AのステップS1008においてeNB211が割り当てたディスカバリ用の無線リソースの期間である。
【0149】
たとえば
図10AのステップS1009において、eNB211は、PCCのRTS信号1102を送信する。また、eNB211は、キャリアセンス1103の後に、SCCのRTS信号1104を送信する。RTS信号1102,1104のそれぞれは、リソース予約期間1101におけるSCCの予約を要求するRTS信号である。
【0150】
UEサブセット以外のUEは、たとえばSCCのRTS信号1104を受信すると、RTS信号1104が示すリソース予約期間1101におけるSCCでの無線送信を行わないようにする。これにより、RTS信号1104において、UEサブセットの各UEがチャネルを占有することができる。
【0151】
UE#1〜#8は、たとえば
図10AのステップS1011において、RTS信号1102,1104が示すディスカバリ用のSCCの無線リソースによって、SCCにおけるデバイスディスカバリ1105を実施する。このとき、UE#1〜#8は、リソース予約期間1101におけるSCCのうちの任意の無線リソースによってデバイスディスカバリ1105を実施することができる。
【0152】
たとえば、PCCで互いにD2D通信可能と判断したUE#1,#5(たとえばUE232,233)は、リソース予約期間1101のSCCにおいて異なる時刻でパッシブスキャン信号を送受信することにより、SCCでも互いにD2D通信可能であるか否かを判断する。UEは信号を送信している期間では、同じキャリア周波数の信号を通常は受信することができない。したがって、UE#1,#5は、UE#2〜#4,#6〜#8が送信するパッシブスキャン信号は受信できない。
【0153】
UE#1,#5は、SCCでも互いにD2D通信可能であると判断すると、たとえば
図10AのステップS1012,S1013においてその旨を報告する。これにより、eNB211によってUE#1,#5にD2D用のSCCの無線リソースが割り当てられ、UE#1,#5がSCCにおけるD2D通信を開始することができる。
【0154】
また、UE#1,#5は、SCCでは互いにD2D通信不可であると判断すると、たとえば
図10BのステップS1032,S1033においてその旨を報告する。これにより、eNB211によってUE#1,#5にD2D用のPCCの無線リソースが割り当てられ、UE#1,#5がPCCにおけるD2D通信を開始することができる。
【0155】
たとえばSCCが無線LAN(Local Area Network:構内通信網)と同じアンライセンスドバンドである場合は、RTS信号1104を無線LANで規定されているRTS信号としてもよい。これにより、無線LANからのデバイスディスカバリ1105への干渉を抑制することができる。
【0156】
この場合に、たとえばLTE端末はRTS信号1104を認識することができない。これに対しては、LTE端末が認識可能なPCCのRTS信号1102も送信することで、LTE端末からのデバイスディスカバリ1105への干渉を抑制することができる。
【0157】
このように、LTE端末が認識可能なRTS信号1102をPCCで送信し、無線LANで規定されているRTS信号1104をSCCで送信することで、LTE端末および無線LANの双方からのデバイスディスカバリ1105への干渉を抑制することができる。
【0158】
このように、実施の形態3によれば、PCCでのディスカバリの後にSCCでUEを限定したパッシブスキャンが行われる。たとえば、eNB211は、PCCでのディスカバリ結果に基づいてSCCで相互スキャンさせるUEサブセットを決定し、UEサブセットへのディスカバリ用の無線リソースを割り当てる。これにより、UEサブセットに含まれる各UEが、eNB211によって割り当てられたディスカバリ用の無線リソースによってSCCでパッシブスキャンを実行することができる。
【0159】
したがって、D2D通信を行わないUEによるディスカバリ信号の送受信を抑制できるため、SCCにおけるディスカバリのためのトラフィックを低減し、SCCの輻輳低減を図ることができる。また、ディスカバリ信号を送受信するUEが少なくなるため、たとえば共用チャネルであるSCCでディスカバリを行う場合の課題であるディスカバリに要する時間の増大を低減できる。
【0160】
また、たとえばSCCでのディスカバリにアクティブスキャンを用いる場合に比べて、SCCでのディスカバリを行う各UEに対して個別のアクティブスキャン指示を送信しなくてもよい。このため、SCCにおけるディスカバリのためのトラフィックを低減し、SCCの輻輳低減を図ることができる。
【0161】
このため、たとえばSCCが他の通信システムとの共用チャネルとなるアンライセンスドバンドである場合であっても、他の通信システムへの影響を抑えつつ効率よく通信を行うことができる。
【0162】
また、SCCにおけるパッシブスキャンの結果、SCCでのD2D通信が不可であった場合であっても、PCCでのD2D通信が可能であることは確認済みであるため、たとえば再度のディスカバリを行わなくてもPCCでのD2D通信を行うことができる。
【0163】
図12Aおよび
図12Bは、ディスカバリメッセージの一例を示す図である。LTE−Advancedでは、端末間の直接無線通信を実現するための仕組みが検討されている。たとえば、各端末がディスカバリ信号の送信を行い、近傍の端末がこれを検出することにより、直接通信可能なデバイスおよびそのデバイスが提供するサービスに関する情報を取得する方法が検討されている。
【0164】
この場合のディスカバリ信号としてはたとえば
図12Aに示すディスカバリメッセージ1210や
図12Bに示すディスカバリメッセージ1220を各端末が送信することが検討されている。ディスカバリメッセージ1210は、Non−public safety open discovery use caseにおける192ビットのディスカバリメッセージである。ディスカバリメッセージ1220は、Public safety use caseにおけるディスカバリメッセージである。
【0165】
上述したパッシブスキャン信号には、たとえば、デバイスが提供するサービスに関する情報を含むディスカバリメッセージ1210やディスカバリメッセージ1220を用いることができる。一方、上述したアクティブスキャンメッセージは、デバイスが提供するサービスに関する情報を含まないディスカバリメッセージとすることができる。
【0166】
以上説明したように、無線通信システム、端末、基地局および処理方法によれば、PCCとSCCの周波数が離れていてもSCCでのD2D通信を可能にすることができる。
【0167】
たとえば、従来、現状のLTE仕様へのインパクトを考慮して、ライセンスドバンドを用いたLTEにおける付加的キャリアとしてアンライセンスドバンドを利用する方法が検討されている。この方法において、制御情報の伝送については、たとえばライセンスドバンドのキャリアを用いることが検討されている。
【0168】
この方法において、たとえばアンライセンスドバンドにおける無線LANとの共存方法などが検討されている。そして、このアンライセンスドバンドを、eNBとUE間の通信だけでなく、D2D通信にも利用するシナリオも検討されている。
【0169】
たとえば、PCC(ライセンスドバンド)とSCC(アンライセンスドバンド)でディスカバリを行う場合に、PCCとSCC間の周波数が離れていると(たとえばPCCが2[GHz]、SCCが5.8[GHz]など)、ミスマッチが起きる。すなわち、たとえばPCCでは検出されたデバイスが、SCCでは伝搬特性が異なるために通信できない場合などが考えられる。
【0170】
これに対して、PCCで行っているディスカバリの手順をそのままSCCで行う方法が考えられるが、以下の問題がある。すなわち、SCCは共用チャネルであるため、チャネルのアクセス制御にはCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス/衝突回避)などを用いることになる。このため、基地局側で正確なスケジューリングができず、またサブバンド単位のアクセス制御ができないため、ディスカバリの効率がPCCに比べて低くなる場合がある。
【0171】
これに対して、上述した各実施の形態によれば、PCC上では、比較的大きなサイズのディスカバリ信号を用いるデバイスおよびサービスディスカバリ(パッシブスキャン)を行うことができる。そして、SCC上ではディスカバリ信号のサイズを小さくできるアクティブスキャン、または端末を限定したパッシブスキャンを行うことができる。
【0172】
これにより、デバイス間通信におけるディスカバリにおいて、PCCとSCC間の周波数が離れている場合におけるディスカバリのミスマッチを回避できる。また、SCCにおけるディスカバリのためのトラフィックを低減することができる。このため、周波数が離れたPCCとSCCでD2D通信を行う場合のSCCのディスカバリの効率の向上を図ることができる。
【0173】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0174】
(付記1)第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を検出し、検出した前記他端末を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行い、前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記他端末と直接無線通信を行う端末と、
前記端末が接続する基地局であって、前記第1検出用信号および前記第2検出用信号の送信を制御する基地局と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
【0175】
(付記2)前記端末は、
周辺の端末から送信される前記第1検出用信号を受信することによって前記周辺の端末の中から前記他端末を検出し、
前記他端末を宛先とする前記第2検出用信号を送信し、送信した前記第2検出用信号に対する前記他端末からの応答信号を受信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行う、
ことを特徴とする付記1に記載の無線通信システム。
【0176】
(付記3)前記基地局は、
自局に接続している端末に対して前記第1検出用信号の送信を指示する信号を送信し、
前記第1検出用信号を用いた前記他端末の検出の結果を前記端末から受信し、
前記端末に対して前記第2検出用信号の送信を指示する信号を送信する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の無線通信システム。
【0177】
(付記4)前記基地局は、前記第2検出用信号を送信するための前記第2帯域の無線リソースを前記端末に割り当て、
前記端末は、前記基地局によって割り当てられた無線リソースによって前記第2検出用信号を送信する、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の無線通信システム。
【0178】
(付記5)前記第1帯域は、自システムの専用の帯域であり、
前記第2帯域は、前記自システムと他の無線通信システムとの共用の帯域である、
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の無線通信システム。
【0179】
(付記6)前記端末は、
前記第1検出用信号を用いたパッシブスキャンによって前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を検出し、
前記第2検出用信号を送信するアクティブスキャンによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行う、
ことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の無線通信システム。
【0180】
(付記7)第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を検出し、検出した前記他端末を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行う検出部と、
前記検出部による前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記他端末と直接無線通信を行う通信部と、
を備えることを特徴とする端末。
【0181】
(付記8)自局に接続する端末に対して、
第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において前記端末と直接無線通信が可能な他端末を検出させ、
前記端末が検出した前記他端末を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行わせ、
前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記他端末と直接無線通信を行わせる、
制御を行う制御部を備えることを特徴とする基地局。
【0182】
(付記9)端末における処理方法であって、
第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において前記端末と直接無線通信が可能な他端末を検出し、
検出した前記他端末を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行い、
前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記他端末と直接無線通信を行う、
ことを特徴とする処理方法。
【0183】
(付記10)端末が接続する基地局における処理方法であって、
前記端末に対して、
第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において前記端末と直接無線通信が可能な他端末を検出させ、
前記端末が検出した前記他端末を宛先とする第2帯域の第2検出用信号を送信することによって前記第2帯域において前記他端末と直接無線通信が可能か否かの判断を行わせ、
前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記他端末と直接無線通信を行わせる、
制御を行うことを特徴とする処理方法。
【0184】
(付記11)第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を互いに検出する複数の端末であって、前記複数の端末のうちの前記第1検出用信号によって検出された端末のそれぞれが、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行い、前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記直接無線通信を行う複数の端末と、
前記複数の端末が無線接続する基地局であって、前記第1検出用信号および前記第2検出用信号の送信を制御する基地局と、
を含むことを特徴とする無線通信システム。
【0185】
(付記12)前記複数の端末のそれぞれは、周辺の端末から送信される前記第1検出用信号を受信することによって前記周辺の端末の中から前記他端末を検出し、
前記検出された端末のそれぞれは、前記検出された端末のうちの他の端末から送信された前記第2検出用信号に基づいて前記第2帯域において自端末と直接無線通信が可能な端末を検出することにより前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行う、
ことを特徴とする付記11に記載の無線通信システム。
【0186】
(付記13)前記基地局は、
自局に接続している端末に対して前記第1検出用信号の送信を指示する信号を送信し、
前記第1検出用信号を用いた前記他端末の検出の結果を前記端末から受信し、
受信した前記結果に基づいて、前記検出された端末に対して前記第2検出用信号の送信を指示する信号を送信する、
ことを特徴とする付記11または12に記載の無線通信システム。
【0187】
(付記14)前記基地局は、前記検出された端末が前記第2検出用信号を送信するための前記第2帯域の無線リソースを割り当て、
前記検出された端末のそれぞれは、前記基地局によって割り当てられた無線リソースによって前記第2検出用信号を互いに送信する、
ことを特徴とする付記13に記載の無線通信システム。
【0188】
(付記15)前記基地局は、前記第2検出用信号を送信するための前記第2帯域の無線リソースを予約する予約信号を前記第2帯域で送信し、
前記検出された端末のそれぞれは、前記予約信号によって予約された無線リソースによって前記第2検出用信号を互いに送信する、
ことを特徴とする付記11〜14のいずれか一つに記載の無線通信システム。
【0189】
(付記16)前記基地局は、前記第2検出用信号を送信する前記第2帯域の無線リソースを予約する予約信号を前記第1帯域および前記第2帯域で送信することを特徴とする付記11〜15のいずれか一つに記載の無線通信システム。
【0190】
(付記17)自端末とは異なる端末とともに、第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において直接無線通信が可能な他端末を互いに検出し、前記第1検出用信号によって自端末が検出された場合に、前記第1検出用信号によって検出された他の端末とともに、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行う検出部と、
前記検出部による前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記直接無線通信を行う通信部と、
を備えることを特徴とする端末。
【0191】
(付記18)自局に接続する複数の端末に対して、第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を互いに検出させ、
前記複数の端末のうちの前記第1検出用信号によって検出された端末のそれぞれに対して、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行わせ、前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記直接無線通信を行わせる、
制御を行う制御部を備えることを特徴とする基地局。
【0192】
(付記19)端末における処理方法であって、
自端末とは異なる端末とともに、第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において直接無線通信が可能な他端末を互いに検出し、
前記第1検出用信号によって自端末が検出された場合に、前記第1検出用信号によって検出された他の端末とともに、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行い、
前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記直接無線通信を行う、
ことを特徴とする処理方法。
【0193】
(付記20)複数の端末が接続する基地局における処理方法であって、
自局に接続する複数の端末に対して、第1帯域の第1検出用信号を用いて前記第1帯域において自端末と直接無線通信が可能な他端末を互いに検出させ、
前記複数の端末のうちの前記第1検出用信号によって検出された端末のそれぞれに対して、第2帯域の第2検出用信号を互いに送信することによって前記第2帯域において互いに直接無線通信が可能か否かの判断を行わせ、
前記判断の結果に基づいて前記第1帯域および前記第2帯域の少なくともいずれかにおいて前記直接無線通信を行わせる、
制御を行うことを特徴とする処理方法。