(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409232
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】滅菌用オートクレーブ
(51)【国際特許分類】
A61L 2/07 20060101AFI20181015BHJP
C02F 1/28 20060101ALI20181015BHJP
C02F 1/70 20060101ALI20181015BHJP
C02F 1/72 20060101ALI20181015BHJP
C02F 1/42 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
A61L2/07
C02F1/28 F
C02F1/70 Z
C02F1/72 Z
C02F1/42 A
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-562481(P2015-562481)
(86)(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公表番号】特表2016-510618(P2016-510618A)
(43)【公表日】2016年4月11日
(86)【国際出願番号】IB2014059626
(87)【国際公開番号】WO2014141063
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年2月24日
(31)【優先権主張番号】MI2013A000374
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】000150327
【氏名又は名称】株式会社ナカニシ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】オンガロ,ダニエレ ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】ギラルディ,マリア ピア
【審査官】
小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−501118(JP,A)
【文献】
国際公開第1999/062612(WO,A1)
【文献】
独国特許出願公開第19860290(DE,A1)
【文献】
中国実用新案第2642310(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00− 2/28
A61L 11/00− 12/14
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌室(2)、水槽(3)、前記水槽(3)を前記滅菌室(2)に流体貫通接続において接続するのに適した接続手段(4)、前記水槽(3)内の水を加熱および加圧し、前記滅菌室(2)に供給して滅菌サイクルを実施する加熱手段(2a)を備える滅菌用オートクレーブ(1)であって、
前記水槽(3)はフィルタ(30)を含み、前記水槽(3)は高位部分(3a)および低位部分(3b)に分割され、前記部分は互いに前記フィルタ(30)を通じて流体貫通接続し、前記フィルタは複数の濾過層(31)を備え、前記濾過層(31)は、前記濾過層(31)の全面積に沿った水の分配を遅らせ、改良することに適した分配層(34)、および前記水の浄化機能を実施するのに適した活性層(33)を含むことを特徴とする、オートクレーブ。
【請求項2】
請求項1に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記高位部分(3a)および前記低位部分(3b)の位置は重力によって実現される、オートクレーブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記接続手段(4)は、前記低位部分(3b)を前記滅菌室(2)に接続するのに適した第1の接続(40)、前記滅菌室(2)を前記高位部分(3a)に接続するのに適した第2の接続(43)を備える、オートクレーブ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記接続手段(4)は、前記低位部分(3b)を前記高位部分(3a)に接続するのに適した第3の接続(46)、水の再循環を実現するために、流体を前記低位部分(3b)から前記高位部分(3a)に移動する移動手段を備える、オートクレーブ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記滅菌室(2)は冷却手段(2c)を備え、前記冷却手段(2c)は、前記水槽(3)を通過する通路によって、前記水の冷却を可能にするために適切である、オートクレーブ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記フィルタ(30)は分配層(34)および活性層(33)を実質的に交互に備える、オートクレーブ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記フィルタ(30)は複数の活性炭素の活性層(33)を備える、オートクレーブ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記フィルタ(30)は、酸化還元化合物からなる少なくとも1つの活性層(33)を備える、オートクレーブ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記フィルタ(30)は、紙の層(34b)で構成される複数の分配層(34)を備える、オートクレーブ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の滅菌用オートクレーブ(1)であって、前記フィルタ(30)は、有孔ディスクから構成される少なくとも1つの分配層(34)を備える、オートクレーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の請求項前提部に記載される種類の滅菌用オートクレーブに関する。
【背景技術】
【0002】
医療・歯科で使用する種類のオートクレーブは現在既知である。
【0003】
オートクレーブには脱塩した滅菌水が供給され、この脱塩滅菌水はオートクレーブによって、高温および高圧にされる。次に、蒸気状態の水は絶縁室に導かれる。絶縁室では、滅菌される様々な品物、具体的には医療器具または医療・歯科器具が配置される。
【0004】
蒸気によって、一定の温度および圧力で、または変動する温度および圧力を用いて、所定の時間にわたって滅菌サイクルが実施される。蒸気はその後、場合によっては冷却されてから周囲に排出される。
【0005】
前述の従来の技術には、複数の大きな欠点がある。
【0006】
特に、オートクレーブのユーザにとって脱塩滅菌水の供給は高価であり、困難である。
【0007】
さらに、滅菌サイクル後に水を周囲に散布することは、環境に有害である。
【0008】
さらに別の欠点は、脱塩滅菌水を製造するエネルギーコストが高いことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願第2008/0302714号
【特許文献2】米国特許第5635063号
【特許文献3】米国特許第6572769号
【特許文献4】米国特許第7276161号
【特許文献5】米国特許第7413663号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この状況において、本発明の技術的目的は、前述の欠点を実質的に克服可能な滅菌用オートクレーブを考案することである。
【0011】
本技術的目的の範囲内において、本発明の1つの重要な目的は、滅菌用の水を簡潔および経済的に供給可能な滅菌用オートクレーブを考案することである。
【0012】
本発明の別の技術的課題は、維持管理が簡潔かつ安全である滅菌用オートクレーブを得ることである。
【0013】
さらに、同様に重要な本発明の目的は、脱塩滅菌水の製造において省エネが可能な滅菌用オートクレーブを得ることである。
【0014】
技術的目的および特定の目的は、添付請求項1で請求される滅菌用オートクレーブによって実現される。
【0015】
好ましい実施形態を独立請求項に記載する。
【0016】
本発明の特徴および有利点は、添付図を参照して、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明から明白である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明による滅菌用オートクレーブの概略図を示す。
【
図2】本発明による滅菌用オートクレーブの一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
前述の図を参照すると、符号1は全体的に本発明による滅菌用オートクレーブを示す。
【0019】
オートクレーブは、要するに、滅菌室2および水槽3を備える。水槽3は、滅菌室と流体貫通接続する浄化フィルタ30を含む。
【0020】
フィルタ30は浄化するために適切である。浄化するという用語は、本出願において、水を濾過層に単に通過させることによって、水を滅菌および/または脱塩することを意味する。水の通過は、水槽3の様々な部分間の勾配圧力によって、単に引力により適切に実現される。
【0021】
したがって、フィルタ30は水槽3内に、勾配圧力方向に対して中間位置に配置される。それによって、水槽3は、好ましくは上部に配置される高位部分3aに非浄水を含有可能であり、好ましくは下部に配置される低位部分3bに、フィルタ30を通過した浄水を含有可能である。2つの部分3aおよび3bは、フィルタ30および提供される可能性のある下記の接続を除いて、互いに分離されている。
【0022】
水槽3は、さらに、濾過水の品質のためのセンサ5を備えていてもよい。センサ5は、好ましくは低位部分3bに配置され、たとえば水の伝導性および混濁度センサなどからなる。このようなセンサ5は、さらに好ましくは、簡潔かつ取り付けやすい取付具によって水槽3に対して挿入および取り出し可能である。
【0023】
フィルタ30は、好ましくは取り付けやすい連結器によって水槽に接続され、複数の濾過層31を含む。
【0024】
構造的に詳しく見ると、フィルタ30(
図2)は、フィルタ30の一部である筐体32に含有され、好ましくは円筒形または柱形である。筐体32は、好ましくは、フィルタ30を構成する円筒形の底面の全面積よりも面積が小さい入口32aおよび出口32bを備える。入口32aおよび出口32は、好ましくは円形であり、フィルタ30を構成する円筒形の上面および底面の中心に位置する。
【0025】
入口32aおよび出口32bは水が必ず通る通路を構成する。水は、適切に重力によって、高位部分3aから低位部分3bに向かって通過する。
【0026】
筐体32は、さらに複数の互いに個別の部分に細かく分割されてもよい。このような事例では、筐体32は、既知の溝などの接続手段によって互いに接続される中間底面32cを備える。さらに、筐体32は、入口32aおよび出口32bに類似した種類の中間開口32dを備える。中間開口32dは、3a部分と3b部分との間を水が通れるようにするために適切である。このような中間開口によって、中間開口32dが筐体32の直径よりも小さい直径の円錐部分を画定する場合、さらに、水流が遅くなり、フィルタ30の維持管理が容易になり、または小さい直径の濾過層31を挿入する可能性が高くなる(
図2)。
【0027】
濾過層31は、円筒形の筐体32の主軸に対して垂直な断面を完全に覆うために適切である。さらに、使用時に、筐体32の主軸を好ましくは3a部分および3b部分の間の位置勾配方向に平行にすることによって、したがって好ましくは垂直に用いることによって、濾過層は平行面に配置される。
【0028】
機能面の詳細では、濾過層31は、活性層33および水の分配層34の主に2つの種類に分けられる。
【0029】
活性層33はそれぞれ、水の浄化または脱塩機能を実施するために適切である。好ましくは7から13の様々な数の活性層33が提供されてもよい。
【0030】
具体的には、少なくとも1つの活性炭層33が提供され、好ましくは、4から8の活性炭層と、銀を添着した少なくとも1つの活性炭層が提供される。各活性炭層は、好ましくは1ミリメートルから数センチメートルまでの厚さである。このような層の主な機能は、塩素および塩化メチルを排除し、微生物を排除してその増殖を防止し、ヨウ素および他の物質を除去することである。さらに、活性炭層33は、好ましくは、フィルタ30の上部およびフィルタ30の下部の両方に配置される。実際に、活性炭層33は、最初から水に存在しているほとんどの不純物を排除するために適切である。また、活性炭層33は、別の活性層が形成する可能性のある粒子および不純物を排除するために適切である。このような層は野菜炭素、触媒炭素または野菜触媒炭素であってもよい。
【0031】
活性層33は、酸化還元化合物をさらに備える。酸化還元化合物は無機汚染物質を水から除去し、pHを中和する。このような種類の層も同様に、好ましくは下部および上部の両方に1層から3層存在する。酸化還元化合物によって、実質的に陽電子または正電荷が利用可能となる。この電子交換のおかげで、多くの汚染物質は、処理の必要がない無害な成分に変換される。別の種類の汚染物質は水流から除去され、活性層33に固定される。別の活性層33はヨウ素粒子で構成されてもよい。ヨウ素粒子は樹脂に添着されてもよく、可能性のある微生物を排除するために適切である。このような粒子は、好ましくは、奇数の電荷数を有する。好ましくはこの種類の活性層33は1層のみ提供される。
【0032】
別の種類の活性層33は、好ましくは陰イオン樹脂の層に存在し、ヨウ素およびヨウ化物を水から排除するために適切であり、したがって、好ましくはヨウ素粒子を含む層の下部に配置される。
【0033】
さらに別の種類の活性層33は、好ましくはイオン交換のために樹脂の層に存在し、陰イオンと陽イオン樹脂の混合物から構成され、無機および放射性樹脂を除去するために適切である。このような活性層33は、好ましくはフィルタ30の底部近くに配置される。
【0034】
ここで、分配層34は円筒形の垂直な断面の部分に沿って分配を遅らせ、または改良するために適切である。
【0035】
具体的には、第1の種類の分配層34は有孔ディスク34aから構成される。有孔ディスク34aは、つまり、高分子ディスクであり、複数の穴を全面に沿って有する。有孔ディスク34aはフィルタ30の上部に、入口32aまたは中間開口32dから近距離に配置される。このような層33は水を入口および出口により良く分配するために適切である。
【0036】
第2の種類の分配層34は紙の層34bからなる。
【0037】
紙の層34bは他の層よりもはるかに薄い。紙の層34bによって、筐体32の垂直な断面の部分に沿って、水流を最適に分配することができ、したがって、活性フィルタ33の性能を最適化できる。紙の層34bはさらに大きな不純物を保持するため、部分的に活性フィルタとしても機能する。フェルト紙、ナイロンフィルタ紙などの任意の種類の紙を用いることができる。好ましくは、2つの紙の層34は、好ましくは直接接触しないように、それぞれ活性層33を囲む。ただし、その下部では再分配を当然ながら必要としないフィルタ30底部の最後の活性フィルタを除く。
【0038】
活性層33および分配層34は、このように、フィルタ30の長さに沿って実質的に交互に配置される。ただし、上部では、有孔ディスク34aおよび紙の層34bが連続している。
【0039】
類似のフィルタ30は以下の特許出願等に記載されている。Zero Technologies社による特許文献1、特に
図4および7、および段落[0039]から[0108]、および特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5。ただし、このようなフィルタは90年代から存在しているが、国内での使用に向けられていた。性能および濾過力に関して、当業者はこのようなフィルタがオートクレーブに適応されるとは想定していなかった。ただし、本出願者は、長く驚くべき一連の分析の後に、前述のフィルタがオートクレーブ部門に適応可能であることを賢明にも発見した。
【0040】
滅菌室2自体は既知であり、対象物、特に医療器具または医療・歯科器具を含有するために適切である。滅菌室2は、高圧および高い内部温度に耐えるためにも適切である。
【0041】
滅菌室2は水の加熱手段2aに結合される。水の加熱手段自体もまた既知であり、水槽3からの浄水、具体的には低位部分3bからの浄水を加熱および加圧するために適切である。
【0042】
滅菌室2はさらに、具体的には、蒸気の一部を周囲に排出するための冷却器、フィルタなど、高温の蒸気の排出手段2bに結合されてもよい。具体的には、ペルチエセルなどの冷却器、熱交換器などが存在していてもよく、それらは部分3bに含有される液体に直接接続されてもよく、または管46に直列に接続されてもよい。このような排出手段は、好ましくは室2から下記の第2の弁45によって分離されていてもよい。放出手段は、その後、適切に室2の底の特別なポンプおよび浸漬管によって、室2に存在する蒸気および室2の底部に存在する凝縮液体をも排出するために適切である。
【0043】
オートクレーブは冷却手段2cを備えていてもよい。冷却手段2cは、流体が水槽3、具体的には低位部分3bに入る通路によって、高温の流体を冷却できるようにするために適切である。このような解決法は、大きな寸法の水槽を備えることで可能となり、室2内部の専用の弁によって入口および出口に接続される管によって、かつ好ましくはコイル2dによって、水槽3内部の低位部分3bを通過する管によって実現される。冷却手段2cは、水の脱気からなる別の有利点を提供する。冷却手段2cはまた、好ましくは、第2の弁45によって室2から独立している。コイル2dの代わりに、適切な放出手段を備える小型の貯蔵水槽も存在していてもよい。貯蔵水槽は真空ポンプ用の液体/蒸気分離器として機能してもよい。
【0044】
室2および水槽3は、接続手段4により、流体貫通接続によって互いに接続する。接続手段4は、好ましくは一連の管などからなる。このような接続手段4は、水槽3、具体的には低位部分3bを室2に接続するために適切な第1の接続40を備える。水槽3から室2まで流体を移動する第1の移動手段41も、第1の接続に沿って提供される。第1の移動手段41は、好ましくは、ポンプまたは移動のために重力勾配を利用可能な要素の適切な配置から構成される。第1の接続40は第1の弁42をさらに備える。第1の弁42は、第1の接続40を命令によって遮断または復元するために適切である。
【0045】
接続手段4は第2の接続43をさらに備える。第2の接続43は、室2を水槽3に、具体的には高位部分3aに接続するために適切である。流体を室2から水槽3に移動する第2の移動手段44も第2の接続に沿って提供され、好ましくはポンプから構成される。第2の接続43は、前述した第2の弁45をさらに備える。第2の弁45は、第2の接続43を命令によって遮断または復元するために適切である。
【0046】
第2の接続43は排出手段2bと接合してもよく、または接続されてもよい。
【0047】
代替的に、排出手段2bは水槽3を再び通過せずに、したがって、第2の接続43を備えるオートクレーブ1を用いずに、直接水を処分してもよい。
【0048】
最後に、接続手段4はまた、好ましくは第3の接続46を備えていてもよい。第3の接続46は、水槽3の低位部分3bを水槽3の高位部分3aに接続するために適切である。水槽3の低位部分3bから高位部分3aに流体を移動するための第3の移動手段は第3の接続に沿って提供され、好ましくはポンプを備える。第3の接続43は第3の弁をさらに備える。第3の弁は、第3の接続40を命令によって遮断または復元するために適切である。第3の弁は、好ましくは第1の弁42と構造的に一体化されている。この事例では第1の弁42は三方弁であり、少なくとも水槽3の低位部分3bを代替的に室2または水槽3の高位部分3aに接続するために適切である。第3の接続46はまた、
図1に例示するように、部分的に第1の接続40と一致してもよく、第3の移動手段も第1の移動手段40と一致してもよい。
【0049】
第3の接続46は水を再循環させるため、および停滞水の化学生物的劣化を防ぐために適切である。
【0050】
構造的用語において前述した構造的オートクレーブ1の機能は、以下の通りである。
【0051】
水は、好ましくは水道水の流水などから直接水槽3の高位部分3aに導入される。
【0052】
水は様々な膜を備えるフィルタ30を好ましくは落下によって通過することによって浄化される。つまり、脱塩および滅菌される。
【0053】
純水は水槽3の低位部分3bに落下し、そこで貯蔵される。水はその後第1の接続40を通過し、第1の移動手段41によって第1の三方弁42を通り滅菌室2に運ばれる。
【0054】
室2がそれ以上水を必要としない場合は、第1の三方弁42は水槽3の低位部分3bを水槽3の高位部分3aに接続し、有利点である水の再循環を開始する。第1の移動手段はさらに指定時刻に作動し、それによって、フィルタ30がどんな場合であろうと過負荷とならないように、連続して循環しないようにする。
【0055】
滅菌室2に到達する前に、水は加熱手段2bによって妨害される。加熱手段2bは、水を加熱および加圧し、水を室2に導入して、その内部の器具に対して滅菌サイクルを実現する。
【0056】
滅菌の最後に、蒸気は室2から排出され、排出手段2bを通過し、40°C未満の温度に冷却され、第2の接続43を通って第2の移動手段44および第2の弁45によって水槽3の高位部分3aに再導入される。
【0057】
この段階において、蒸気も冷却手段2cによって冷却されてもよい。冷却手段2cは他の冷却器および/または様々な管と直列であっても、または並列であってもよい。
【0058】
センサ5が、純水が規定のパラメータを超える混濁度または伝導性を持つことを示す場合は、機械はフィルタの洗浄または迅速な交換が必要であることを示す。
【0059】
滅菌用オートクレーブ1は重要な有利点を実現する。
【0060】
具体的には、水は直接流水から供給され、オートクレーブ1を考慮すると、連続した再循環はほとんどされない。この連続して再循環しないという有利点によって、さらに本発明の環境への影響が削減され、脱塩水の費用も不要になる。
【0061】
フィルタ30を含有する水槽3はさらに、医療歯科の行為においてすでに市場で入手可能なオートクレーブと共に用いられてもよい。それによって、非常に簡潔な改良が得られる。