(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409252
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】ソーラーパネル清掃装置
(51)【国際特許分類】
B08B 1/04 20060101AFI20181015BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20181015BHJP
B08B 7/04 20060101ALI20181015BHJP
H02S 40/10 20140101ALI20181015BHJP
【FI】
B08B1/04
B08B3/02 F
B08B7/04 A
H02S40/10
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-123628(P2013-123628)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2014-240054(P2014-240054A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2016年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】竹内 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】西小野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】池田 宏史
(72)【発明者】
【氏名】荒木 信洋
(72)【発明者】
【氏名】武藤 昌三
【審査官】
一ノ瀬 薫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−139792(JP,A)
【文献】
特開2006−313455(JP,A)
【文献】
特開2006−230954(JP,A)
【文献】
特開2010−186819(JP,A)
【文献】
特開2002−273351(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/196480(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/04
B08B 3/02
B08B 7/04
H02S 40/10
G05D 1/02
A47L 9/28
A47L 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネルの受光面上に配置される本体と、
前記本体を前記受光面上で自走させる自走手段と、
前記本体に搭載され、前記受光面を清掃する清掃手段とを備え、
前記本体を所定の清掃ラインに沿って走行させるソーラーパネル清掃装置において、
前記本体の走行方向の前記清掃ラインからのずれを検出する方向ずれ検出手段と、
前記本体の走行距離を検出する距離検出手段と、
前記本体の走行方向を操舵する操舵手段とを設け、
前記受光面が一方向に傾斜するものであり、
前記清掃ラインが、前記受光面の傾斜方向と直交方向に沿って、且つ、前記傾斜方向に間隔を空けて複数設定されており、
前記複数の清掃ラインを前記傾斜方向の上側から下側に順番に走行しながら、前記受光面を清掃し、
前記方向ずれ検出手段で刻々検出される走行方向のずれ角と、このずれ角が検出されるときに前記距離検出手段で検出される刻々の走行距離との積である刻々のずれ量を積算した全ずれ量に該当する制御パラメータを演算し、この制御パラメータをゼロとするように前記操舵手段を制御することを特徴とするソーラーパネル清掃装置。
【請求項2】
前記本体の絶対位置を検出する絶対位置検出手段を設け、この絶対位置検出手段の出力に基づいて、前記本体を所定の位置に移動させるようにした請求項1に記載のソーラーパネル清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーパネルの受光面を清掃するソーラーパネル清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、再生可能エネルギを利用する発電システムの1つとして、太陽光エネルギを利用するソーラーシステムの普及が進んでいる。ソーラーシステムはソーラーパネルの受光面を太陽に向けて屋外に設置するものであり、工場、ビル、一般家屋等の屋根や屋上を有効活用して、ソーラーパネルを設置できる利点もある。ソーラーパネルは太陽の照る方向(日本では南方)へ受光面を傾斜させて設置されることが多い。
【0003】
ソーラーパネルは、光起電力効果によって太陽光を即時に電力に変換する太陽電池を組み込んだ複数のセルをパネル状に組み立てたものであり、一般的なソーラーシステムでは複数のパネルユニットを縦横に並べて接続したアレイとして用いられる。大規模なメガソーラーシステムでは、パネルユニットを接続したアレイの全長が数100mに達するものもある。
【0004】
これらのソーラーパネルは屋外に設置されるので、大気や雨水に含まれる塵埃や、鳥の糞、枯葉等の異物が受光面に付着する。このため、これらの受光面に付着した塵埃や異物によって太陽光が遮断され、発電効率が低下することが、ソーラーシステムの大きな問題となっている。この発電効率の低下を防止するためには、ソーラーパネルの受光面を適宜清掃して、付着した塵埃や異物を除去すればよいが、ソーラーパネルは屋根や屋上等の高所に設置されることが多いので、安全性等の面から人手による清掃は困難である。また、広大な受光面を有するメガソーラーシステムでは、人手による清掃は多大な手間を必要とする。
【0005】
このようなソーラーパネルの清掃の問題に対して、ソーラーパネルの受光面上に、ブラシ等の清掃手段を搭載した本体を配置し、この本体を受光面上で所定の清掃ラインに沿って移動させながら清掃手段で受光面を清掃するソーラーパネル清掃装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0006】
特許文献1に記載されたソーラーパネル清掃装置では、受光面が傾斜するソーラーパネルの上端と下端で水平方向の長手方向に延びる載架レールと、受光面の傾斜方向の上下縦軸方向に延びる上下移動用レールとを設け、清掃手段を搭載した本体を上下移動用レールで傾斜方向の清掃ラインに沿って移動させながら清掃し、上下端の載架レールで傾斜方向と直交方向に次の清掃ラインの位置へ移動させて、ソーラーパネルの受光面全域を清掃するようにしている。
【0007】
特許文献2に記載されたソーラーパネル清掃装置では、清掃手段を搭載した本体に、ソーラーパネルの受光面上で自走する自走手段と、ソーラーパネルの大きさや形状を認識する認識手段と、自走手段等を駆動する電源装置とを設け、認識手段の出力に基づいて本体が受光面を所定の清掃ラインに沿って順次移動するように制御するようにしている。認識手段としては超音波センサを用いている。
【0008】
特許文献1、2に記載されたものでは、いずれも本体が移動または自走しながら清掃する清掃ラインを受光面の傾斜方向に設定し、傾斜方向と直交方向に本体を横移動させて、平行な次の清掃ラインの位置へ移動させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−273351号公報
【特許文献2】特開2010−186819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載されたソーラーパネル清掃装置は、本体を載架レールと上下移動用レールで案内するので、本体を所定の清掃ラインに沿って移動させ、受光面全域を残さず清掃することができるが、載架レールや上下移動用レールを敷設するために設置費用が高価になるとともに、屋根等に必要以上の重量が加わる問題がある。
【0011】
一方、特許文献2に記載されたソーラーパネル清掃装置は、本体を自走させるので案内用のレールを設置する必要はないが、本体の自走方向が所定の清掃ラインからずれることがあり、未清掃の領域が残りやすい問題がある。特に、清掃ラインを受光面の傾斜方向と直交方向に設定した場合は、重力加速度によって本体の自走方向が清掃ラインから傾斜方向の下方側へずれやすくなる。
【0012】
また、特許文献1、2に記載されたものは、いずれも清掃ラインを受光面の傾斜方向に設定しているので、傾斜方向への本体の移動距離が長くなる。このため、本体が傾斜方向へ昇るときに負荷が大きくなるとともに、傾斜方向へ下るときはブレーキかける負荷を必要とし、本体を移動させる消費エネルギが増大する問題もある。
【0013】
そこで、本発明の課題は、受光面を自走する本体を所定の清掃ラインからずれないように走行させることと、本体を移動させる消費エネルギを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は、ソーラーパネルの受光面上に配置される本体と、前記本体を前記受光面上で自走させる自走手段と、前記本体に搭載され、前記受光面を清掃する清掃手段とを備え、前記本体を所定の清掃ラインに沿って走行させるソーラーパネル清掃装置において、前記本体の走行方向の前記清掃ラインからのずれを検出する方向ずれ検出手段と、前記本体の走行距離を検出する距離検出手段と、前記本体の走行方向を操舵する操舵手段とを設け、前記方向ずれ検出手段で検出される走行方向のずれ角と、このずれ角が検出されるときに前記距離検出手段で検出される走行距離との積に該当する制御パラメータを演算し、この制御パラメータをゼロとするように前記操舵手段を制御する構成を採用した。
【0015】
すなわち、本体の走行方向の清掃ラインからのずれを検出する方向ずれ検出手段と、本体の走行距離を検出する距離検出手段と、本体の走行方向を操舵する操舵手段とを設け、方向ずれ検出手段で検出される走行方向のずれ角と、このずれ角が検出されるときに距離検出手段で検出される走行距離との積に該当する制御パラメータを演算し、この制御パラメータをゼロとするように操舵手段を制御することにより、自走する本体が所定の清掃ラインからずれたときに清掃ラインに戻すように操舵手段を制御して、所定の清掃ラインからずれないように走行させることができるようにした。
【0016】
図5に示すように、方向ずれ検出手段で検出される清掃ライン24からの走行方向のずれ角をΔθ、このずれ角Δθが検出されるときに距離検出手段で検出される走行距離をΔSとすると、このときの本体の清掃ライン24からのずれ量ΔYは(1)式で表される。
ΔY=ΔS・sinΔθ (1)
したがって、ずれ角Δθと走行距離をΔSとの積に該当する制御パラメータをゼロとするように操舵手段を制御することにより、清掃ライン24からのずれ量ΔYをなくして本体を清掃ラインに戻すことができる。なお、通常ずれ角Δθは小さく、sinΔθはほぼΔθに等しいので、制御パラメータをΔS・Δθとしてもよい。また、制御パラメータにゲインa(≦1)を乗じてもよい。
【0017】
前記操舵手段としては、例えば、自走手段をクローラ走行のものとする場合は、左右のクローラに速度差を付与する方法を採用することができ、自走手段をタイヤ走行のものとする場合は、タイヤの向きを変える方法を採用することができる。
【0018】
前記方向ずれ検出手段としては、電子的なセンサによって地磁気を検知して本体が向く方位を検出するデジタルコンパス、ジャイロ効果により本体の走行方向からの角速度を検出するジャイロスコープ等を用いることができる。また、距離検出手段としては、自走手段の回転量を検出するエンコーダ等を用いることができる。
【0019】
前記受光面が一方向に傾斜するものである場合は、前記清掃ラインを前記受光面の傾斜方向と直交方向に設定することにより、清掃ラインを昇り下りのない略水平方向に向けて、本体を自走させる消費エネルギを低減することができる。
【0020】
また、前記受光面が一方向に傾斜するものである場合は、前記方向ずれ検出手段として、本体の3軸方向(直交するX、Y、Z方向)の傾きを検出する傾斜センサを用いることもできる。傾斜センサとしては、例えば重力方向を検知してセンサの3軸方向の傾きを検出する3Gセンサが挙げられる。
【0021】
前記受光面に同一直線上にない複数の清掃ラインが設定されている場合は、前記本体を別の前記清掃ラインに移動させるときに、前記方向ずれ検出手段の検出出力に基づいて前記操舵手段を制御し、前記本体の走行方向の向きを変えて前記別の清掃ラインに移動させることができる。
【0022】
前記本体の絶対位置を検出する絶対位置検出手段を設け、この絶対位置検出手段の出力に基づいて、前記本体を所定の位置に移動させることにより、清掃手段等のメンテナンスやバッテリ充電等を行うステーション位置や待機位置に本体を効率よく移動させることができる。絶対位置検出手段としては、GPS(Global Positioning System)等を用いることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るソーラーパネル清掃装置は、本体の走行方向の清掃ラインからのずれを検出する方向ずれ検出手段と、本体の走行距離を検出する距離検出手段と、本体の走行方向を操舵する操舵手段とを設け、方向ずれ検出手段で検出される走行方向のずれ角と、このずれ角が検出されるときに距離検出手段で検出される走行距離との積に該当する制御パラメータを演算し、この制御パラメータをゼロとするように操舵手段を制御するようにしたので、本体を所定の清掃ラインからずれないように走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】(a)は本発明に係るソーラーパネル清掃装置の本体を示す外観斜視図、(b)は(a)の側面図
【
図3】(a)、(b)は、それぞれ清掃ラインの変形例を示す平面図
【
図4】
図2の清掃ラインを清掃するときの制御方法を示すフローチャート
【
図5】本体のずれ角Δθおよび走行距離ΔSと清掃ラインからのずれ量ΔYとの関係を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。
図1(a)、(b)は、本発明に係るソーラーパネル清掃装置の本体1を示す。この本体1は、後述するソーラーパネルの受光面21を自走する自走手段として左右一対のクローラ2を備え、清掃手段として、洗浄液タンク3aの洗浄液を受光面21に噴射する洗浄液ノズル3b、洗浄液が噴射された受光面21をブラッシングする回転ブラシ4、およびブラッシングされた受光面21をワイピングするワイパ5を備え、これらの自走手段と清掃手段を駆動するバッテリ6を搭載している。
【0026】
前記本体1には、方向ずれ検出手段としてのデジタルコンパス7と、絶対位置検出手段としてのGPS8が搭載され、クローラ2の1つの転輪2aの回転軸には距離検出手段としてのエンコーダ9が取り付けられている。本体1の受光面21からの転落を防止するために、前方の受光面21の境界21aを検出する光センサ10も取り付けられている。また、後述するように自走手段の作動および操舵と清掃手段の作動を制御するコントローラ11も組み込まれている。
【0027】
図2は、ソーラーパネルの受光面21の例を示す。この受光面21は一方向に傾斜しており、多数のパネルユニット22を縦横に並べて配列したメガソーラシステムのものである。この受光面21の傾斜方向と直交方向でのパネル全長は数100mに達する。また、受光面21の傾斜下端側の中間部には、回転ブラシ4の交換、洗浄液タンク3aへの洗浄液の補給、バッテリ6の充電等を行うステーション23が設けられている。
【0028】
前記受光面21での本体1のスタート地点は傾斜上端側の左端とされ、本体1が自走しながら清掃する複数の清掃ライン24が受光面21の傾斜方向と直交方向に設定されている。本体1はスタート地点から右方へ最初の清掃ライン24を自走した後、受光面21の右側の境界21aの直前で傾斜方向を下る方向へ直角に向きを変え、下側の次の清掃ライン24の位置まで移動し、さらに左方向へ直角に向きを変えて、次の清掃ライン24を左方へ自走する。本体1の向きを変える際には、左右のクローラ2を逆駆動または片側駆動させる。このような本体1の方向転換を受光面21の左右両側の境界21aで行い、順次下側の清掃ライン24を自走して、受光面21の全域を清掃する。
【0029】
図3(a)、(b)は、それぞれ前記清掃ライン24の変形例を示す。
図3(a)は、清掃ライン24を受光面21の傾斜方向に設定し、受光面21の上下の境界21aで、同様に直角に2回ずつ方向転換させるようにしたもの、
図3(b)は、清掃ライン24を角形の渦巻き状に設定し、受光面21の各コーナ部で直角に方向転換させて、外周側から内周側へ清掃するようにしたものである。
【0030】
上述した受光面21の清掃ライン24を自走する本体1は、受光面21の傾斜に起因する重力加速度等によって、走行方向が所定の清掃ライン24からずれることがある。以下に、この走行方向のずれを制御する方法を説明する。
【0031】
図4は、
図2の各清掃ライン24を清掃するときのコントローラ11による制御方法を示すフローチャートである。まず、本体1を各清掃ライン24の清掃開始位置で清掃ライン24に沿う方向に向けてセットする。この状態で、デジタルコンパス7により検出される本体1の向きθ
0を初期値(例えば0°)として記憶する。
【0032】
こののち、前記自走手段と清掃手段を作動して、清掃ライン24に沿った清掃を開始する。本体1が清掃ライン24を自走し始めると、デジタルコンパス7で刻々検出される本体1の向きθと初期値θ
0との差、すなわちずれ角Δθ(またはsinΔθ)と、そのときにエンコーダ9で検出される本体1の刻々の走行距離ΔSとの積が刻々の清掃ライン24からのずれ量ΔYとして演算され、この刻々のずれ量ΔYが積算されて全ずれ量Yが求められる。なお、ずれ角Δθは正負の号を有し、清掃ライン24に戻る方向のずれ角Δθが検出されたときは、積算される全ずれ量Yが減少する。
【0033】
前記コントローラ11は全ずれ量Yを制御パラメータとして、制御パラメータYをゼロとするように操舵手段として左右のクローラ2に速度差を付与する制御を繰り返す。なお、制御パラメータSがゼロの場合は、操舵手段の制御量もゼロとなり、本体1はそのまま自走を継続する。このように操舵手段の制御を繰り返すことにより、本体1の走行方向が清掃ライン24の方向に向けられるように修正され、本体1が清掃ライン24に戻される。本体1を清掃ライン24に緩やかに戻すように、制御パラメータYにゲインa(≦1)を乗じてもよい。この実施形態では、ずれ量ΔYの演算周期と操舵手段の制御周期を1秒程度としているが、演算周期と制御周期は必ずしも一致させる必要はなく、これらの周期も1秒に限定されることはない。
【0034】
前記清掃ライン24上を自走する本体1が受光面21の境界21aに近づき、光センサ10で境界21aが検出されると、コントローラ11は境界21aの直前で自走手段と清掃手段の作動を停止させ、1本の清掃ライン24の清掃が終了する。したがって、自走する本体1が境界21aから転落する恐れはない。
【0035】
このように1本の清掃ライン24の清掃が終了すると、
図2に示したように、左右のクローラ2を逆駆動または片側駆動させて、本体1の向きを受光面21の傾斜方向を下る方向へ直角に方向転換したのち、下側の次の清掃ライン24の位置まで移動させ、さらに直角に方向転換して、次の清掃ライン24の清掃開始位置にセットする。このように各清掃ライン24を順次清掃することにより、受光面21の全域の清掃が完了する。
【0036】
前記回転ブラシ4の交換、洗浄液タンク3aへの洗浄液の補給、バッテリ6の充電等のメンテナンスが途中で必要となったときは、コントローラ11は、GPS8で検出される本体1の絶対位置に基づいて、本体1を
図2に示したステーション23の位置までの最適な移動経路を求め、この移動経路に沿って本体1を自走させる。また、受光面21の清掃が完了したときも、GPS8の検出出力に基づいて、同様に本体1を所定の待機位置(図示省略)まで自走させる。
【0037】
なお、前記コントローラ11と無線LAN等で通信可能なソーラーパネル管理用のサーバを別途に設け、メンテナンス用の情報やステーション位置、待機位置等のデータをサーバに入力するとともに、サーバでステーション23や待機位置等への移動経路を求めるようにしてもよい。このようなサーバの設置は、複数のソーラーパネルを管理する場合に好適である。
【0038】
上述した実施形態では、方向ずれ検出手段としてデジタルコンパスを用いたが、方向ずれ検出手段としては、ジャイロスコープや3Gセンサ等の傾斜センサを用いることもできる。
【0039】
上述した実施形態では、ソーラーパネルの受光面が一方向に傾斜したものとし、清掃ラインを受光面の傾斜方向と直交方向に設定したが、受光面は傾斜のないものであってもよく、清掃ラインも任意の方向に設定することができる。
【0040】
上述した実施形態では、本体の自走手段をクローラ走行のものとし、受光面の境界で左右のクローラを逆駆動または片側駆動して本体の向きを変え、次の清掃ラインに移動させるようにしたが、自走手段はクローラ走行のものに限定されることはなく、タイヤ走行やロボット歩行等のものとすることもできる。また、受光面の境界での方向転換は、別途の横移動手段を設けて行うようにしてもよい。この場合は、本体を後方へも自走可能とする必要がある。
【符号の説明】
【0041】
1 本体
2 クローラ
2a 転輪
3a 洗浄液タンク
3b 洗浄液ノズル
4 回転ブラシ
5 ワイパ
6 バッテリ
7 デジタルコンパス
8 GPS
9 エンコーダ
10 光センサ
11 コントローラ
21 受光面
21a 境界
22 パネルユニット
23 ステーション
24 清掃ライン