(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1において、PMOSトランジスタ3のソース及びバックゲートは、電源1が接続されるVDD端子に接続され、PMOSトランジスタ3のドレインとバックゲート(ソース)との間にはPN接合が存在する。そのため、例えば電源1とは別の電源6が負荷7を介してOUT端子等の出力ノード部に接続される場合、出力ノード部の電位がVDD端子等の高電源電位部よりも高くなると、出力ノード部から上記のPN接合を経由して高電源電位部に流れる逆流電流が発生する。
【0005】
そこで、出力ノード部から高電源電位部に流れる逆流電流を低減できる逆流防止回路を備えたセンサ出力検出回路
の提供を目的とする。
【0006】
なお、逆流電流を防止する技術として、例えば上掲の特許文献1が知られている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、一態様によれば、
センサ出力の検出結果を出力するセンサ出力検出回路であって、
前記センサ出力を増幅する増幅部と、
前記増幅部の出力が所定値以上であることを検出する第1のコンパレータと、
前記第1のコンパレータの出力先に第1の出力部と第2の出力部のいずれか一方を選択する選択部と、
前記第1の出力部の出力が入力されるインバータ回路と、
前記インバータ回路の出力がゲートに入力され、ソースが高電源電位部に接続されたPMOSトランジスタと、
前記第2の出力部の出力がゲートに入力され、ソースが低電源電位部に接続されたNMOSトランジスタと、
前記PMOSトランジスタのドレインと前記NMOSトランジスタのドレインとが接続され、前記検出結果を出力する出力ノード部と、
前記出力ノード部から前記高電源電位部に流れる逆流電流を防止する逆流防止回路とを備え、
前記逆流防止回路は、
前記第2の出力部が前記第1のコンパレータの出力先に選択された場合、前記高電源電位部の電源電圧と前記出力ノード部の出力電圧とを比較する第2のコンパレータと、
前記電源電圧が前記出力電圧よりも高いとき、前記PMOSトランジスタのバックゲートを前記高電源電位部に接続する第1のスイッチと、
前記出力電圧が前記電源電圧よりも高いとき、前記PMOSトランジスタのバックゲートを前記出力ノード部に接続する第2のスイッチと、
前記出力電圧が前記電源電圧よりも高いことが前記第2のコンパレータにより検出されたとき、前記PMOSトランジスタのゲート−ドレイン間をオンする第3のスイッチと、
前記出力電圧が前記電源電圧よりも高いことが前記第2のコンパレータにより検出されたとき、前記インバータ回路と前記高電源電位部との間を遮断する第4のスイッチとを有する、ことを特徴とする、センサ出力検出回路が提供される。
【発明の効果】
【0009】
一態様によれば、出力ノード部から高電源電位部に流れる逆流電流を低減できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2は、一実施形態のセンサ出力検出回路100の構成を示した図である。センサ出力検出回路100は、MRセンサ11のセンサ出力の検出結果を出力する半導体集積回路である。
【0012】
MRセンサ11は、例えば、磁界の大きさを検出し、その大きさに応じた検出電圧S1を出力する磁気センサである。MRセンサ11は、例えば、一定の基準電圧VREG2が電源電圧として供給されることにより動作する。
【0013】
センサ出力検出回路100は、アンプ14と、コンパレータ15と、セレクタ16と、インバータ回路19と、出力段23と、VDD電位部28と、OUT電位部27と、逆流防止回路40とを備えている。
【0014】
アンプ14は、MRセンサ11のセンサ出力である検出電圧S1を増幅し、検出電圧S1を増幅した増幅電圧S2を出力する増幅部である。アンプ14は、例えば、検出電圧S1が入力される非反転入力部と、一定の基準電圧VREG2が抵抗12及び抵抗13によって分圧された電圧が入力される反転入力部とを有している。アンプ14は、例えば、一定の基準電圧VREG1が電源電圧として供給されることにより動作する。
【0015】
コンパレータ15は、アンプ14の出力である増幅電圧S2が、予め設定された所定値Vth以上であることを検出し、その検出結果を出力する検出部である。コンパレータ15は、例えば、増幅電圧S2と所定値Vthとを比較し、増幅電圧S2が所定値Vthよりも小さいとき、ローレベルの検出信号S3を出力し、増幅電圧S2が所定値Vth以上であるとき、ハイレベルの検出信号S3を出力する。コンパレータ15は、例えば、VDD電圧が電源電圧として供給されることにより動作する。したがって、コンパレータ15は、検出電圧S1が所定の閾値以上であるか否かを容易に検出できる。
【0016】
セレクタ16は、コンパレータ15の出力先に第1の出力部17と第2の出力部18のいずれか一方を選択する選択部である。セレクタ16は、例えば、コンパレータ15から出力される検出信号S3の出力先を第1の出力部17と第2の出力部18のいずれか一方に切り替える切り替え回路である。セレクタ16は、例えば、一定の基準電圧VREG1が電源電圧として供給されることにより動作する。セレクタ16は、供給されるセレクト信号に従って、コンパレータ15の出力先を選択する。
【0017】
セレクト信号は、出力段23の使用形態に応じて変化する制御信号である。セレクタ16は、例えば、出力段23の使用形態をPMOS出力で使用する流し出し形式に設定するためのセレクト信号が供給された場合、検出信号S3の出力先を第1の出力部17に切り替える。一方、セレクタ16は、例えば、出力段23の使用形態をNMOS出力で使用する吸い込み形式に設定するためのセレクト信号が供給された場合、検出信号S3の出力先を第2の出力部18に切り替える。
【0018】
セレクト信号は、例えば、センサ出力検出回路100に構成されるEEPROM等の記憶装置に予め記憶された記憶情報に応じて生成された信号である。記憶情報は、出力段23の使用形態を決める要求仕様情報である。
【0019】
セレクタ16は、コンパレータ15の検出信号S3の出力先に第1の出力部17を選択した場合、検出信号S3を第1の出力部17から出力信号S4として出力し、且つ、NMOSトランジスタ25をオフ状態に固定するローレベルの出力信号S5を第2の出力部18から出力する。これにより、NMOSトランジスタ25をオフに固定した状態でPMOSトランジスタ24を出力信号S4によりオンオフさせるPMOS出力形態で出力段23を動作させる場合に、NMOSトランジスタ25が誤ってオンすることを防止できる。
【0020】
一方、セレクタ16は、コンパレータ15の検出信号S3の出力先に第2の出力部18を選択した場合、検出信号S3を第2の出力部18から出力信号S5として出力し、且つ、PMOSトランジスタ24をオフ状態に固定するローレベルの出力信号S4を第1の出力部17から出力する。これにより、PMOSトランジスタ24をオフ固定した状態でNMOSトランジスタ25を出力信号S5によりオンオフさせるNMOS出力形態で出力段23を動作させる場合に、PMOSトランジスタ24が誤ってオンすることを防止できる。
【0021】
インバータ回路19は、セレクタ16の第1の出力部17から出力される出力信号S4が入力される信号反転回路であり、例えば、PMOSトランジスタ20とNMOSトランジスタ21とを有するCMOSインバータである。インバータ回路19は、例えば、PMOSトランジスタ20及びNMOSトランジスタ21のゲートに供給される出力信号S4の電圧レベルを反転させた出力信号S6を接続点22から出力する。インバータ回路19は、出力信号S6を接続点22から出力段23のPMOSトランジスタ24のゲートに出力する。接続点22は、PMOSトランジスタ20のドレインとNMOSトランジスタ21のドレインとが接続される中間ノードである。
【0022】
PMOSトランジスタ20は、第1の出力部17に接続されたゲートと、スイッチ35を介してVDD電位部28に接続されたソース及びバックゲートと、NMOSトランジスタ21のドレインに接続されたドレインとを有する半導体スイッチング素子である。
【0023】
NMOSトランジスタ21は、第1の出力部17に接続されたゲートと、グランド(GND)に接続されたソース及びバックゲートと、PMOSトランジスタ20のドレインに接続されたドレインとを有する半導体スイッチング素子である。
【0024】
出力段23は、MRセンサ11の検出電圧S1の検出結果に応じた信号を出力する接続点26を有する出力回路である。出力段23は、PMOSトランジスタ24とNMOSトランジスタ25とを有し、例えば、接続点26からOUT電位部27を介してOUT端子にデジタル信号(すなわち、ハイレベル又はローレベルの2値のOUT信号)を出力する。接続点26は、PMOSトランジスタ24のドレインとNMOSトランジスタ25のドレインとが接続される中間ノードである。
【0025】
PMOSトランジスタ24は、インバータ回路19から供給される出力信号S6が入力されるゲートを有する半導体スイッチング素子であり、VDD電位部28とOUT電位部27との間に接続されている。PMOSトランジスタ24は、インバータ回路19の接続点22に接続されたゲートと、VDD電位部28に接続されたソースと、NMOSトランジスタ25のドレインに接続されたドレインとを有している。PMOSトランジスタ24のバックゲートは、接続点36に接続されている。
【0026】
NMOSトランジスタ25は、セレクタ16の第2の出力部18から出力される出力信号S5が入力されるゲートを有する半導体スイッチング素子であり、グランドとOUT電位部27との間に接続されている。NMOSトランジスタ25は、第2の出力部18に接続されたゲートと、グランド(GND)に接続されたソース及びバックゲートと、PMOSトランジスタ24のドレインに接続されたドレインとを有している。
【0027】
VDD電位部28は、VDD端子に接続される電流経路であり、OUT電位部27は、接続点26に接続され、接続点26とOUT端子とを結ぶ電流経路である。VDD電位部28は、例えば、VDD端子に接続された導電パターン部であり、OUT電位部27は、例えば、OUT端子に接続された導電パターン部である。VDD端子及びOUT端子は、いずれも、センサ出力検出回路100が実装される半導体チップに設けられた外部端子である。例えば、VDD端子は、所定の電源に接続され、OUT端子は、VDD端子に接続される電源とは別の電源に抵抗負荷を介して接続される。
【0028】
OUT電位部27、接続点26又はOUT端子は、出力ノード部の一例である。VDD電位部28又はVDD端子は、高電源電位部の一例である。グランド(GND)は、低電源電位部の一例である。高電源電位部の電位は、低電源電位部の電位よりも高い。
【0029】
逆流防止回路40は、OUT電位部27からVDD電位部28に流れる逆流電流Iを防止する回路である。逆流防止回路40が逆流電流Iを防止することの許否が、セレクタ16の第1の出力部17と第2の出力部18のどちらがコンパレータ15の検出信号S3の出力先に選択されるかによって決定される。
【0030】
逆流防止回路40が逆流電流Iを防止することは、第2の出力部18がコンパレータ15の検出信号S3の出力先に選択された場合に許可される。このように許可されることによって、OUT電圧がVDD電圧以上になれば、逆流防止回路40の逆流防止機能を正しく働かせることができる。
【0031】
一方、逆流防止回路40が逆流電流Iを防止することは、第1の出力部17がコンパレータ15の検出信号S3の出力先に選択された場合に禁止される。このように禁止されることによって、逆流防止回路40の逆流防止機能が働くことにより、PMOSトランジスタ24のオンオフ動作が妨げられることを防止できる。
【0032】
逆流防止回路40は、コンパレータ29と、インバータ30と、インバータ31と、スイッチ32と、スイッチ33と、スイッチ34と、スイッチ35とを有している。
【0033】
コンパレータ29は、セレクタ16の出力(例えば、コンパレータ15の出力先の選択結果)に基づいて、VDD電位部28のVDD電圧とOUT電圧とを比較し、その比較結果を表す論理信号S7を出力する。VDD電圧は、VDD電位部28の電源電圧であり、VDD電位部28とグランドとの間の電位差である。OUT電圧は、OUT電位部27の出力電圧であり、OUT電位部27とグランドとの間の電位差である。
【0034】
コンパレータ29は、VDD電圧よりも小さなOUT電圧が検出されたとき、ローレベルの論理信号S7を出力し、VDD電圧以上のOUT電圧が検出されたとき、ハイレベルの論理信号S7を出力する。
【0035】
ただし、コンパレータ29は、第1の出力部17がコンパレータ15の検出信号S3の出力先に選択され、且つ、
ハイレベルの出力信号S4がコンパレータ29に入力されているとき、VDD電圧とOUT電圧との大小関係にかかわらず、ローレベルの論理信号S7を出力する。一方、コンパレータ29は、第2の出力部18がコンパレータ15の検出信号S3の出力先に選択され
、且つ、ローレベルの出力信号S4がコンパレータ29に入力されているとき、VDD電圧とOUT電圧との比較動作を行い、ロー又はハイレベルの論理信号S7を出力する。
【0036】
例えば、コンパレータ29は、
ハイレベルの出力信号S4がコンパレータ29に備えられたNMOSトランジスタのゲートに入力されているとき、VDD電圧とOUT電圧との比較動作を停止し、ローレベルの論理信号S7を出力する。論理信号S7がローレベルになることにより、逆流防止回路40が逆流電流Iを防止することが禁止されるため、逆流防止回路40の逆流防止機能が働くことによってPMOSトランジスタ24のオンオフ動作が妨げられることを防止できる。
【0037】
なお、コンパレータ29の論理信号S7は、出力信号S5がローレベルで固定されているとき、第1の出力部17がコンパレータ15の検出信号S3の出力先に選択されている。そのため、コンパレータ29は、例えば、ローレベルに固定された出力信号S5がコンパレータ29に入力されているとき、VDD電圧とOUT電圧との大小関係にかかわらず、ローレベルに固定された論理信号S7を出力する構成を有するものでもよい。例えば、コンパレータ29は、ローレベルに固定された出力信号S5がコンパレータ29に備えられたPMOSトランジスタのゲートに入力されているとき、VDD電圧とOUT電圧との比較動作を停止し、ローレベルに固定された論理信号S7を出力する。論理信号S7がローレベルに固定されることにより、逆流防止回路40が逆流電流Iを防止することが禁止されるため、逆流防止回路40の逆流防止機能が働くことによってPMOSトランジスタ24のオンオフ動作が妨げられることを防止できる。
【0038】
インバータ30は、論理信号S7の論理レベルを反転させた反転信号S8を出力する信号反転回路であり、VDD電圧が電源電圧としてVDD電位部28から供給されることにより動作する。インバータ31は、反転信号S8の論理レベルを反転させた非反転信号S9(つまり、論理信号S7に対して非反転)を出力する信号反転回路であり、OUT電圧が電源電圧としてOUT電位部27から供給されることにより動作する。
【0039】
スイッチ32,33は、コンパレータ29の論理信号S7に基づいて、PMOSトランジスタ24のバックゲートをOUT電位部27とVDD電位部28のうち高い電圧の方に接続するスイッチである。スイッチ32とスイッチ33との接続点36が、PMOSトランジスタ24のバックゲートに接続されている。
【0040】
スイッチ32は、例えば、接続点36(PMOSトランジスタ24のバックゲート)とVDD電位部28との間の導通/遮断を切り替える回路である。スイッチ32は、例えば、論理信号S7と同じ論理になる非反転信号S9に応じてオンオフする半導体スイッチング素子であり、非反転信号S9がローレベルのときにオンし、非反転信号S9がハイレベルのときにオフする。スイッチ32は、例えば、インバータ31の出力部に接続されたゲートと、VDD電位部28に接続されたソースと、接続点36に接続されたドレインと、PMOSトランジスタ24のバックゲートに接続されたバックゲートとを有するPMOSトランジスタである。
【0041】
スイッチ33は、例えば、接続点36(PMOSトランジスタ24のバックゲート)とOUT電位部27との間の導通/遮断を切り替える回路である。スイッチ33は、例えば、論理信号S7に対して反転論理になる反転信号S8に応じてオンオフする半導体スイッチング素子であり、反転信号S8がローレベルのときにオンし、反転信号S8がハイレベルのときにオフする。スイッチ33は、例えば、インバータ30の出力部に接続されたゲートと、OUT電位部27に接続されたソースと、接続点36に接続されたドレインと、PMOSトランジスタ24のバックゲートに接続されたバックゲートとを有するPMOSトランジスタである。
【0042】
スイッチ34は、コンパレータ29の論理信号S7に基づいて、PMOSトランジスタ24のゲート−ドレイン間をオンオフするスイッチである。スイッチ34は、例えば、論理信号S7に対して反転論理になる反転信号S8に応じてオンオフする半導体スイッチング素子であり、反転信号S8がローレベルのときにオンし、反転信号S8がハイレベルのときにオフする。スイッチ34は、例えば、インバータ30の出力部に接続されたゲートを有するPMOSトランジスタであり、スイッチ34のドレイン−ソースがPMOSトランジスタ24のゲート−ドレイン間に接続される。スイッチ34のバックゲートは、PMOSトランジスタ24のバックゲートに接続されている。
【0043】
スイッチ35は、コンパレータ29の論理信号S7に基づいて、インバータ回路19とVDD電位部28との間の導通/遮断を切り替えるスイッチである。スイッチ35は、例えば、論理信号S7と同論理になる非反転信号S9に応じてオンオフする半導体スイッチング素子であり、非反転信号S9がローレベルのときにオンし、非反転信号S9がハイレベルのときにオフする。
【0044】
スイッチ35は、インバータ31の出力部に接続されたゲートと、VDD電位部28に接続されたドレインと、インバータ回路19に接続されたソース及びバックゲートとを有するPMOSトランジスタである。スイッチ35のソース及びバックゲートは、例えば、インバータ回路19のハイサイドに設けられたPMOSトランジスタ20のドレインに接続されている。
【0045】
このように、逆流防止回路40は、OUT電圧がVDD電圧よりも大きくなったときに、逆流電流Iの経路となるPMOSトランジスタ24のバックゲート電位を制御するスイッチ32,33を有している。スイッチ32,33は、PMOSトランジスタ24のバックゲートをVDD電位部28とOUT電位部27のうち電位の高い方に遷移させる。コンパレータ29の反転入力部にはVDD電位部28が接続され、コンパレータ29の非反転入力部にはOUT電位部27が接続されている。
【0046】
逆流防止回路40は、OUT電圧がVDD電圧未満であるとき、スイッチ32のオン及びスイッチ33のオフにより、PMOSトランジスタ24のバックゲートをVDD電圧に制御する。この場合、逆流防止回路40は機能せず、出力段23は通常動作する。一方、逆流防止回路40は、OUT電圧がVDD電圧以上であるとき、スイッチ32のオフ及びスイッチ33のオンにより、PMOSトランジスタ24のバックゲートをOUT電圧に制御する。これにより、PMOSトランジスタ24のドレイン−バックゲート間のPN接合を経由して逆流電流Iが流れることを防止できる。また、スイッチ32のソース−バックゲート間のPN接合によって、逆流電流IがVDD電位部28に流れることを防止できる。
【0047】
コンパレータ29が逆流電流Iを検出したと判定するための閾値電圧(逆流検出電圧)は、VDD電圧と等しい電圧に設定されることが好ましい。逆流検出電圧をVDD電圧よりも少し高い電圧に設定されると、OUT電圧の電圧値がVDD電圧からコンパレータ29の動作が開始する逆流検出電圧までの間にあるときに、逆流電流Iが発生する。しかしながら、コンパレータ29に設定された逆流検出電圧がVDD電圧と等しい電圧であれば、逆流電流Iの発生を防ぐことができる。
【0048】
スイッチ34は、OUT電圧がVDD電圧以上であることがコンパレータ29により検出された場合に、PMOSトランジスタ24のゲートとOUT電位部27とをショートする。これにより、PMOSトランジスタ24のゲートをOUT電位部27の電位に遷移させることができるため、バックゲートがスイッチ33によりOUT電位部27に接続されたPMOSトランジスタ24を確実にオフさせることができる。
【0049】
スイッチ35は、OUT電圧がVDD電圧以上であることがコンパレータ29により検出された場合に、VDD電位部28とインバータ回路19との間の電流経路を遮断する。この場合、スイッチ34はオンしている。したがって、このようにスイッチ35がオフすることにより、逆流電流が、OUT電位部27から、インバータ回路19のPMOSトランジスタ20のドレインとバックゲートとの間のPN接合を経由して、VDD電位部28に流れることを防止できる。
【0050】
図3は、出力段23をNMOS出力に設定した場合のタイミングチャートである。
【0051】
コンパレータ15から出力される検出信号S3の論理レベルは、アンプ14から出力される増幅電圧S2が所定値Vth未満であるとき、ローレベルである。ローレベルの検出信号S3は、第2の出力部18から出力信号S5としてNMOSトランジスタ25のゲートに対して出力されるため、NMOSトランジスタ25はオフしている。
【0052】
NMOSトランジスタ25がオフであり、且つ、OUT電圧がVDD電圧未満であるときには、コンパレータ29の論理信号S7はローレベルであり、PMOSトランジスタ24のバックゲートの電位はスイッチ32のオンによりVDD電位部28の電位に等しい。このとき、OUT電圧がVDD電圧未満であるため、OUT電位部27からVDD電位部28に流れる逆流電流Iは発生しない。
【0053】
時刻t1で、NMOSトランジスタ25がオフであり、且つ、OUT電圧がVDD電圧以上になると、論理信号S7のレベルはローからハイに遷移し、PMOSトランジスタ24のバックゲート電位はスイッチ33のオンによりOUT電位部27の電位に遷移する。このとき、スイッチ33はオンしていてもスイッチ32はオフしているため、PMOSトランジスタ24のバックゲートを経由して流れる逆流電流Iは発生しない。また、スイッチ34がオンしているため、PMOSトランジスタ24は完全にオフしているため、PMOSトランジスタ24のドレイン−ソース間を経由して流れる逆流電流も発生しない。さらに、スイッチ35がオフしているため、スイッチ34がオンしていても、PMOSトランジスタ20のドレイン−バックゲート間のPN接合を経由して流れる逆流電流も発生しない。
【0054】
一方、コンパレータ15から出力される検出信号S3の論理レベルは、アンプ14から出力される増幅電圧S2が所定値Vth以上になると、ハイレベルになる(時刻t3)。ハイレベルの検出信号S3は、第2の出力部18から出力信号S5としてNMOSトランジスタ25のゲートに対して出力されるため、NMOSトランジスタ25はオンする。これにより、OUT電位部27の電位はグランドレベルに低下するため、OUT電位部27からVDD電位部28に流れる逆流電流は発生せず、OUT端子からNMOSトランジスタ25のオン抵抗を介してグランドに電流が流れる。
【0055】
このように、出力段23の設定がNMOS出力に選択されているとき、逆流防止回路40は、OUT電位部27からVDD電位部28に流れる逆流電流を低減できる。
【0056】
なお、出力段23の設定がPMOS出力に選択されている場合、OUT電圧がVDD電圧未満のときもOUT電圧がVDD電圧以上のときも、セレクタ16のハイレベルの出力信号S4によって、コンパレータ29の論理信号S7はローレベルに固定されている。論理信号S7がローレベルであると、スイッチ32がオンし且つスイッチ33がオフすることにより、PMOSトランジスタ24のバックゲートはVDD電位部28の電位に固定される。したがって、出力段23の設定がPMOS出力に選択されている場合、OUT電圧がVDD電圧以上になると、逆流防止回路40の機能が停止しているため、逆流電流Iが発生する。しかしながら、出力段23の設定がPMOS出力に選択される使用形態は、OUT端子に電源を接続するアプリケーションへの適用が無いため、実際にはOUT電圧がVDD電圧以上にはならず、逆流電流は発生しない。
【0057】
したがって、逆流防止回路40を備えることにより、ショットキーバリアダイオードなどの外付け部品をVDD電位部28に直列に挿入しなくても、OUT電位部27からVDD電位部28に流れる逆流電流を防止できる。
【0058】
また、逆流検出電圧をVDD電圧に設定しても、出力段23の設定がPMOS出力に選択されている場合には逆流防止回路40の機能を停止させているため、出力段23の動作が逆流防止回路40の動作によって影響を受けることを防止できる。
【0059】
また、OUT電位部27からVDD電位部28に流れる逆流電流が発生しないため、出力段23に構成されるPMOSトランジスタ24とNMOSトランジスタ25とを異なるチップに分ける必要が無くなり、1チップ化が可能となる。
【0060】
また、逆流電流が発生しないため、VDD電位部28に接続される外部回路の設計工数を削減でき、そのような外部回路の素子数を減らせるため、回路面積やコストを削減できる。
【0061】
また、端子の接続間違えや電圧の印加間違えによって、VDD電位部28とOUT電位部27との間の電位関係の逆転が起こっても、不要な逆流電流が流れない。その結果、例えば、過電流による集積回路や周辺回路の破壊を防ぐことができるので、信頼性が向上する。
【0062】
以上、センサ出力検出回路及び逆流防止方法を実施形態例により説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではない。他の実施形態例の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
【0063】
例えば、センサ出力検出回路によって検出される対象は、MRセンサとは異なるセンサからのセンサ出力であってもよい。