(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記位置取得手段により取得された前記共用車両の現在位置の情報及び前記利用可否検出手段により検出された前記各ステーションの利用可否の情報に基づき、前記ユーザに対して、前記共用車両の現在位置周辺に存在するステーションの利用可否の情報を通知する請求項1〜3の何れか1項に記載の共用車両管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明に係る共用車両管理装置の実施形態について説明する。本実施形態では、本発明の共用車両管理装置を、複数のユーザが複数のステーションに配置された複数の共用車両を共用するカーシェアリングシステムを管理運営する共用車両管理システムに適用した例を用いて説明する。本実施形態のカーシェアリングシステムは、一のステーションから借り出した共用車両を、他のステーションへ返却することが許される、いわゆる乗り捨て型のワンウェイ・カーシェアリングシステムである。
【0010】
ここで、
図1Aは、本実施形態の共用車両管理装置100を備えた共用車両管理システム1000において、ユーザが共用車両を利用する方法の一例を示す概要図である。本実施形態の共用車両管理システム1000においては、ユーザは、ユーザ端末装置400Xを操作することで、共用車両管理装置100が管理する複数のステーションの中から、任意のステーションを、共用車両を借りるためのステーション(出発ステーション)として設定するとともに、該出発ステーションに停車している共用車両の利用予約をし、併せて、共用車両を利用後に返却するためのステーション(帰着ステーション)を設定する。これにより、ユーザは、出発ステーションから、予約した共用車両に乗車して共用車両を利用できるようになり、その後、利用した共用車両を、予め設定した帰着ステーションに返却することで、乗り捨て型のワンウェイ・カーシェアリングシステムを利用できるようになっている。
【0011】
本実施形態の共用車両管理システム1000について、
図1Aに示す場面を例に説明する。なお、
図1Aは、共用車両管理装置100が管理するステーションとしてステーションST1〜ST3が存在し、これらのステーションST1〜ST3のうち、ステーションST1には共用車両V1が、ステーションST2には共用車両V2がそれぞれ停車しており、これら共用車両V1、V2がユーザにより利用可能な状態にある場面を示している。
【0012】
たとえば、
図1Aに示す場面においては、ユーザは、ユーザ端末装置400Xを操作することで、ステーションST1を出発ステーションとして設定するとともに、ステーションST1に停車している共用車両V1の利用予約をし、併せて、ステーションST2を帰着ステーションとして設定することができる。この際においては、ユーザは、共用車両V1に乗車して、ステーションST1からステーションST2へと移動し、ステーションST2に共用車両V1を返却することで、共用車両V1の利用が終了する。この場合、共用車両管理装置100が、ユーザが所持するユーザ端末装置400X、及び共用車両V1に備えられている車載装置とそれぞれ通信を行うことで、ユーザによる共用車両V1の利用を管理する。
【0013】
図1Bは、このような共用車両管理システム1000を示す構成図である。
図1Bに示すように、本実施形態の共用車両管理システム1000は、共用車両管理装置100と、複数のユーザに利用される複数の共用車両V1〜Vn(以下、共用車両Vnと総称することもある)がそれぞれ備える車載装置200V1〜200Vn(以下、車載装置200Vnと総称することもある)と、複数のユーザがそれぞれ所持するユーザ端末装置400X〜400Y(以下、ユーザ端末装置400Xと総称することもある)と、を有する。本実施形態の共用車両管理システム1000を構成する、車載装置200V1〜200Vn、ユーザ端末装置400X〜400Yの台数は限定されない。
【0014】
共用車両管理装置100、車載装置200V1〜200Vn、及びユーザ端末装置400X〜400Yは、それぞれ通信装置(20、220、420)を備え、インターネット300などの電気通信回線網を介して相互に情報の授受が可能である。通信経路は有線であっても無線であってもよい。
【0015】
本実施形態のユーザ端末装置400Xは、本発明の本実施形態に係るユーザ端末装置400Xに適用されるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、各機能を実行させる動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えるコンピュータである。本実施形態のユーザ端末装置400Xは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はPDA(Personal Digital Assistant)その他の可搬型の端末装置であってもよい。
【0016】
本実施形態のユーザ端末装置400Xは、各ユーザによる共用車両Vnの利用を求める利用要求などの入力情報を受け付ける入力装置410と、共用車両管理装置100などの外部装置と通信を行う通信装置420と、各ユーザに情報を通知するための表示装置430と、を備える。
【0017】
ユーザ端末装置400Xの入力装置410としては、たとえば、ユーザの手操作による入力が可能なディスプレイ画面上に配置されるタッチパネルまたはジョイスティックや、ユーザの音声による入力が可能なマイクなどの装置を用いることができる。表示装置430としては、ディスプレイなどが挙げられ、タッチパネル・ディスプレイを用いる場合には、入力装置410と兼用することができる。
【0018】
本実施形態においては、ユーザ端末装置400Xは、各ユーザから入力された共用車両Vnの利用を求める利用要求などの入力情報を、通信装置420を介して、共用車両管理装置100に送信する。このような共用車両Vnの利用を求める利用要求には、ユーザのID情報、ユーザが共用車両Vnを利用開始するステーションとして設定する出発ステーションの情報、ユーザが利用しようとする共用車両VnのID情報、ユーザが共用車両Vnを利用後に返却するためのステーションとして設定する帰着ステーションの情報などが含まれる。
【0019】
なお、本実施形態においては、ユーザは、ユーザ端末装置400Xを操作することで共用車両管理装置100と通信可能となっており、共用車両管理装置100から、各共用車両Vnの情報及び各ステーションの情報を得て、所望の共用車両Vnを利用するための利用要求を入力できるようになっている。たとえば、ユーザは、ユーザ端末装置400Xを介して、共用車両管理装置100から、利用可能な共用車両Vnの情報、出発ステーションとして設定可能なステーションの情報、及び帰着ステーションとして設定可能なステーションの情報を得ることができ、得られた情報に基づいて、共用車両Vnを借り出す出発ステーションと、出発ステーションに配置された共用車両Vnのうち利用する共用車両Vnと、利用後の共用車両Vnを返却するための帰着ステーションとを設定することで、利用要求を入力する。
【0020】
加えて、本実施形態においては、ユーザ端末装置400Xは、ユーザに対して共用車両Vnの走行経路を案内するためのナビゲーション装置として機能するものであってもよい。この場合には、ユーザ端末装置400Xは、たとえば、予めユーザ端末装置400Xに備えられたROMなどに地図情報を記憶させておき、表示装置430に、地図情報とともに、ユーザが現在利用している共用車両Vnの現在位置、及びユーザが設定した帰着ステーションの位置を表示し、共用車両Vnの現在位置から帰着ステーションまでの走行経路を案内するように構成することができる。
【0021】
本実施形態の車載装置200Vnは、各共用車両Vnの現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)210を備え、GPS210により取得した共用車両Vnの現在位置の情報などを、通信装置220を介して共用車両管理装置100に送信する。
【0022】
本実施形態の共用車両管理装置100は、ユーザ端末装置400Xを介して入力された利用要求に基づき、一のステーションから利用可能な共用車両Vnをユーザに貸し出し、他のステーションでユーザから共用車両Vnの返却を受け付ける。
【0023】
本実施形態の共用車両管理装置100は、共用車両管理システム1000のサーバとして機能し、カーシェアリングシステムを管理運営するための制御処理を実行する制御装置10と、通信装置20と、データベース30とを備える。
【0024】
ここで、
図1Cは、共用車両管理装置100に備えらえた制御装置10の各機能を示す図である。本実施形態においては、制御装置10は、各ユーザ端末装置400X及び各共用車両Vnから、通信装置20を介して受信した情報を、適宜データベース30に記憶させる。そして、制御装置10は、後述する各機能により、通信装置20が受信した情報、及びデータベース30に記憶させた情報に基づいて、ユーザによる共用車両Vnの利用及び返却の管理を行う。
【0025】
たとえば、本実施形態においては、
図2に示すように、地図上の所定の利用領域(
図2に破線で示す領域)内にて、丸印で示すステーションが複数設けられ、ユーザがステーションST1で借りた共用車両Vnを利用し、その後共用車両VnをステーションST2に返却するような場面において、共用車両管理装置100は、ユーザによる共用車両Vnの利用及び返却の管理を行うことができる。なお、
図2に示す例では、隣り合うステーション間の距離が等しくなるように、各ステーションが配置されているが、配置の態様はこれに限定されるものではない。
【0026】
図1Bに戻り、本実施形態の共用車両管理装置100のデータベース30は、共用車両情報31と、ステーション情報32と、ユーザから受け付けた利用要求33と、地図情報34とを記憶する。
【0027】
データベース30が記憶する利用要求33は、上述したように、各ユーザがユーザ端末装置400Xを用いて入力した共用車両Vnの利用を求める入力情報であり、利用要求33には、ユーザのID情報、ユーザが利用しようとする共用車両VnのID情報、ユーザが共用車両Vnの利用を開始するための出発ステーションの情報、ユーザが共用車両Vnを利用後に返却するための帰着ステーションの情報などが含まれる。
【0028】
本実施形態においては、共用車両管理装置100が、ユーザからこのような利用要求33を受信すると、受信した情報に基づき、データベース30には、たとえば、
図3に示すように、ユーザID、車両ID(共用車両VnのID)、予約時刻(ユーザから利用要求を受信した時刻)、出発ステーション、及び帰着ステーションの情報が記憶される。なお、
図3に示す例においては、データベース30には、これらの情報に加えて、さらに、利用状況の情報、すなわち、各共用車両Vnの返却が完了したか否か(
図3においては、返却が完了したものを「finished」と示した。)の情報を、利用要求33ごとに記憶している。
【0029】
本実施形態の共用車両管理装置100の制御装置10は、
図1Bに示すように、カーシェアリングシステムを管理運営する処理を実行するためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、共用車両管理装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13とを備える。
【0030】
共用車両管理装置100の制御装置10は、
図1Cに示すように、利用受付機能と、位置監視機能と、返却受付機能と、帰着ステーション変更提案機能と、通知機能とを実現する。本実施形態に係る共用車両管理装置100の制御装置10は、上記機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実現するコンピュータである。
【0031】
以下において、共用車両管理装置100の制御装置10が実現する各機能についてそれぞれ説明する。
【0032】
まず、本実施形態の制御装置10が実行する利用受付機能について説明する。制御装置10は、利用受付機能により、ユーザから、ユーザ端末装置400Xを介して、一の共用車両Vnの利用を要求する利用要求を取得し、取得した利用要求の情報を、利用要求を受信した時刻(予約時刻)の情報と共に、データベース30に記憶させる。
【0033】
たとえば、
図1Aに示す場面を例に説明すると、まず、ユーザが、ユーザ端末装置400Xの通信装置420を起動させ、共用車両管理装置100にアクセスし、共用車両管理装置100のデータベース30に記憶されたステーション情報32の中から、希望の出発ステーションとしてステーションST1を特定し、出発ステーションとして特定したステーションST1に配置された共用車両Vnのうち利用可能な共用車両V1を予約車両として特定し、さらに、データベース30に記憶されたステーション情報32の中から、希望の帰着ステーションとして、ステーションST2を特定する。そして、ユーザが、ユーザ端末装置400Xを用いて、このように特定した出発ステーション(ステーションST1)、予約車両のID(共用車両V1のID)、及び帰着ステーション(ステーションST2)の情報を、利用要求として共用車両管理装置100に送信することで、制御装置10が、利用要求を取得することができる。そして、制御装置10は、ユーザ端末装置400Xから取得した利用要求の情報を、利用要求を受信した時刻(予約時刻)の情報と共に、
図3に示すように、データベース30に記憶させる。
【0034】
なお、制御装置10が取得する利用要求としては、ユーザが申込み直後に共用車両Vnの利用を開始できる即時利用の申込みでもよいし、ユーザが指定する日時から共用車両Vnの利用を開始できる利用予約の申込みでもよい。さらに、制御装置10が取得する利用要求には、ユーザが共用車両Vnを帰着ステーションに返却する予定時刻の情報を含んでいてもよい。
【0035】
次に、本実施形態の制御装置10が実行する位置監視機能について説明する。制御装置10は、位置監視機能により、ユーザが利用している共用車両Vnの現在位置の情報を取得する。たとえば、共用車両Vnが、車載装置200VnのGPS210により取得した現在位置の情報を、車載装置200Vnの通信装置220から、共用車両管理装置100に送信することで、制御装置10は、ユーザが利用している共用車両Vnの現在位置の情報を取得することができる。
【0036】
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する返却受付機能について説明する。まず、制御装置10は、返却受付機能により、ユーザが共用車両Vnを帰着ステーションに返却しようとする際に送信する返却要求を取得する。たとえば、ユーザが、利用した共用車両Vnを帰着ステーションに停車した後に、ユーザ端末装置400Xを操作して、共用車両Vnを帰着ステーションに返却する旨の返却要求を、ユーザ端末装置400Xを介して、共用車両管理装置100に送信した場合に、制御装置10は、この返却要求を取得する。なお、返却要求には、ユーザが利用した共用車両VnのID情報及び現在位置情報が含まれる。そして、制御装置10は、通信装置20を介して返却要求を受信し、共用車両Vnの返却処理を実行する。すなわち、制御装置10は、受信した返却要求に含まれる共用車両VnのID情報に基づき、データベース30に記憶された利用要求33の中から、該共用車両Vnの利用要求の情報を読み出し、該共用車両Vnが利用要求の帰着ステーションに位置しているか否かを判定し、共用車両Vnが帰着ステーションに位置していると判定された場合には、共用車両Vnが正しく返却されたものとして処理する。
【0037】
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する帰着ステーション変更提案機能について説明する。本実施形態においては、ユーザが、利用した共用車両Vnを予め設定した帰着ステーション以外の他のステーション内又はその周辺に停車した場合において、該他のステーションが利用可能である場合には、制御装置10は、帰着ステーション変更提案機能により、共用車両Vnの帰着ステーションを、該他のステーションに変更することをユーザに提案する。
【0038】
たとえば、
図1Aに示すように、ユーザが、出発ステーションとしてステーションST1を設定し、帰着ステーションとしてステーションST2を設定した場面においては、ユーザが出発ステーション(ステーションST1)にある共用車両V1に乗車し、共用車両V1を、利用後に、帰着ステーション(ステーションST2)以外のステーションであるステーションST3内又はその周辺に停車した場合には、制御装置10は、帰着ステーション変更提案機能により、共用車両V1の帰着ステーションをステーションST3に変更することを、ユーザ端末装置400Xを介してユーザに提案する。この際においては、ユーザは、ユーザ端末装置400Xを操作して、共用車両V1の帰着ステーションをステーションST3に変更する旨の指令を共用車両管理装置100に送信することにより、帰着ステーションをステーションST3に変更することができる。なお、帰着ステーションの変更は、具体的には、制御装置10が、データベース30に記憶された共用車両V1についての利用要求33中の帰着ステーション(ステーションST2)の情報を、ステーションST3の情報に書き換えることで行うことができる。
【0039】
なお、この際において、ユーザが共用車両V1をステーションST3内又はその周辺に停車した時点では、ステーションST3には、他の共用車両が駐車しており、共用車両V1を駐車する空きがない場合には、制御装置10は、データベース30に記憶された情報の中から、ステーションST3に現在駐車している共用車両についての利用要求33を読み出し、読み出した利用要求33の情報を、後述する通知機能により、ユーザ端末装置400Xを介して、ユーザに通知してもよい。これにより、ユーザは、ステーションST3に現在駐車している共用車両の予約状況を知ることができるため、ステーションST3に現在駐車している共用車両が、他のユーザによって比較的早期(たとえば、5分後や10分後等)に利用開始され、ステーションST3に空きができる見込みがあるのか、あるいは、ステーションST3に現在駐車している共用車両には利用要求がされておらず、ステーションST3はしばらく空く見込みがない等の情報を得ることができる。そのため、ユーザは、このような情報に基づき、ステーションST3に空きができる見込みがない場合には、待機することなく別のステーションを探すことができ、一方、ステーションST3に空きができるまで待つことができる場合には、帰着ステーションをステーションST3に変更することで、柔軟かつ簡便に帰着ステーションの変更を行うことができるようになる。
【0040】
続いて、本実施形態の制御装置10が実行する通知機能について説明する。制御装置10は、通知機能により、ユーザ端末装置400Xと通信して、ユーザ端末装置400Xに供えられた表示装置430に所定の情報を表示することで、ユーザに必要な情報を通知する。所定の情報としては、たとえば、制御装置10が利用受付機能によりユーザから利用要求を受け付けた旨の情報、制御装置10が返却受付機能によりユーザによる共用車両Vnの返却要求を受け付けた旨の情報、制御装置10が帰着ステーション変更提案機能により帰着ステーションを変更させた旨の情報などが挙げられる。
【0041】
また、本実施形態においては、制御装置10は、通知機能により、上述したように、ユーザが共用車両Vnを帰着ステーション以外の他のステーション内又はその周辺に停車した際において、該他のステーションに現在駐車している共用車両についての利用要求33の情報を、ユーザに通知することもできる。
【0042】
さらに、本実施形態においては、制御装置10は、通知機能により、
図4に示すような態様で、帰着ステーション以外の他のステーションの利用可否の情報をユーザに通知してもよい。ここで、
図4は、ユーザが共用車両V1を利用しており、共用車両V1の帰着ステーションとしてステーションST2が設定されている場面において、制御装置10が、ユーザに対し、ユーザ端末装置400Xの表示装置430を介して、各ステーションの利用可否の情報を通知する方法の一例を示す図である。
【0043】
たとえば、本実施形態においては、制御装置10は、
図4に示すように、ユーザ端末装置400Xの表示装置430を介して、地図上に、ユーザが乗車している共用車両V1の現在位置、及び共用車両V1の帰着ステーションST2の位置を表示するとともに、帰着ステーションST2周辺に存在するステーション(
図4に示すステーションST10、ST11)の位置及び利用可否の情報を表示することができる。
【0044】
なお、ステーションの利用可否の情報としては、特に限定されず、ステーションの現在の利用可否の情報(たとえば、現在空きがあるか否かの情報)に加えて、将来的な利用可能性の情報などが含まれていてもよい。将来的な利用可能性の情報としては、あるステーションについて、現在は空きがなく利用不可であるが、他のユーザによる共用車両の利用要求が受け付けられており、該他のユーザが共用車両を利用開始することで、将来的に空きが発生する見込みである等の情報が挙げられる。あるいは、将来的な利用可能性の情報としては、あるステーションについて、現在は空きがあるものの、他のユーザにより帰着ステーションとして設定されているため、将来的に空きが埋まってしまう等の情報なども挙げられる。
【0045】
このようなステーションの利用可否の情報をユーザに通知する例としては、たとえば、
図4に示すように、ユーザ端末装置400Xの表示装置430に、帰着ステーションST2周辺に存在するステーションST10、ST11のうち、ステーションST10には、吹き出しで「5分後に1台空く予定」と表示し、ステーションST11には、吹き出しで「1台空き有り」と表示する方法を用いることができる。
【0046】
本実施形態によれば、
図4に示すように、帰着ステーションST2周辺に存在するステーションST10、ST11の位置及び利用可否の情報を表示することにより、ユーザは、帰着ステーション周辺のステーションの利用可否の情報を得ることができるため、上述した制御装置10の帰着ステーション変更提案機能により、ユーザが共用車両Vnを帰着ステーション以外のステーションに停車して帰着ステーションの変更を行う際において、利便性が向上する。
【0047】
特に、本実施形態によれば、
図4に示すような態様でユーザに各ステーションの利用可否の情報を表示することにより、次のような場面においてユーザにとって利便性が向上する。すなわち、ユーザが共用車両Vnを利用するために利用要求を送信する際に、共用車両Vnの帰着ステーションを設定する時点では、所望のステーション(たとえば、ユーザの目的地に最も近いステーション)が、すでに他のユーザにより帰着ステーションとして設定されている等の理由により利用できず、ユーザが、仕方なく、所望のステーションの周辺にある別のステーションを帰着ステーションとして設定するような場面がある。このような場面においては、ユーザが、共用車両Vnを利用した後、共用車両Vnを帰着ステーションに返却するときに、
図4に示すように、帰着ステーション周辺のステーションの利用可否の情報を得ることができれば、ユーザは、制御装置10の帰着ステーション変更提案機能を用いて、共用車両Vnの帰着ステーションを、上述した所望のステーションに変更することができる。
【0048】
あるいは、本実施形態においては、制御装置10の通知機能により、
図5に示すように、ユーザ端末装置400Xの表示装置430を介して、地図上に、ユーザが乗車している共用車両V1の現在位置、及び共用車両V1の走行経路を表示するとともに、共用車両V1の周辺に存在するステーション(
図5に示すステーションST12〜ST14)の位置及び利用可否の情報を表示するようにしてもよい。
【0049】
たとえば、
図5に示す例においては、ユーザ端末装置400Xの表示装置430に、共用車両V1周辺に存在するステーションST12〜ST14のうち、ステーションST12には、吹き出しで「1台空き有り」と表示し、ステーションST13には、吹き出しで「5分後に1台空く予定」と表示し、ステーションST14は、現在利用不可であり、かつ、しばらく空く見込みがないため、白丸で表示することで、利用不可である旨を示している。
【0050】
本実施形態によれば、
図5に示すように、共用車両V1周辺に存在するステーションの位置及び利用可否の情報を表示することにより、ユーザは、共用車両V1周辺のステーションの利用可否の情報を得ることができるため、上述した制御装置10の帰着ステーション変更提案機能により、ユーザが共用車両Vnを帰着ステーション以外のステーションに停車して帰着ステーションの変更を行う際において、利便性が向上する。
【0051】
特に、本実施形態によれば、
図5に示すような態様でユーザに各ステーションの情報を表示することにより、ユーザが急遽目的地を変更して、利用している共用車両Vnを、予め設定した帰着ステーションとは別のステーションに返却したいと考えた場合に、
図5に示すように、共用車両Vn周辺のステーションの利用可否の情報を得ることができれば、制御装置10の帰着ステーション変更提案機能を用いて、共用車両Vnの帰着ステーションを柔軟かつ簡便に変更することができるため、ユーザにとって利便性がより向上する。
【0052】
本実施形態においては、以上のようにして、共用車両管理装置100の制御装置10が実現する各機能により、カーシェアリングシステムの管理運営が行われる。
【0053】
次いで、本実施形態の動作例を説明する。
図6は、本実施形態の共用車両管理装置100によるカーシェアリングシステムの制御手順を示すフローチャートである。なお、
図6に示すフローチャートは、一のユーザが、一の共用車両V1を利用するために、出発ステーションとしてステーションST1を設定し、帰着ステーションとしてステーションST2を設定することで利用要求を送信した後、共用車両V1を利用後に返却するまでの制御手順を示すものである。
【0054】
まず、ステップS1では、共用車両管理装置100の制御装置10は、ユーザから、ユーザ端末装置400Xを介して利用要求が送信されたか否かを判定する。なお、利用要求には、ユーザのID情報、ユーザが利用しようとする共用車両V1のID、ユーザにより設定された出発ステーション(ステーションST1)及び帰着ステーション(ステーションST2)の情報が含まれる。そして、ステップS1において、利用要求が送信されたと判定された場合には、ステップS2へ進む。一方、ステップS1において、利用要求が送信されていないと判定された場合には、ステップS1で待機する。
【0055】
ステップS2では、制御装置10は、利用受付機能により、ユーザのユーザ端末装置400Xから送信された利用要求を受信し、利用要求を、受信した時刻(予約時刻)の情報と共に、
図3に示すように、データベース30に記憶させる。
【0056】
ステップS3では、制御装置10は、利用要求を送信したユーザが、利用要求により利用予約した共用車両V1に乗車したか否かを判定する。具体的には、制御装置10は、位置監視機能により、ユーザが利用要求により利用予約した共用車両V1の位置を監視し、位置が移動した場合には、ユーザが共用車両V1に乗車したと判定する。そして、ステップS3において、ユーザが共用車両V1に乗車したと判定された場合には、ステップS4へ進む。一方、ステップS3において、ユーザが共用車両V1に乗車していないと判定された場合には、ステップS3で待機する。
【0057】
ステップS4では、制御装置10は、帰着ステーション変更提案処理により、必要に応じて帰着ステーションの変更を行う。ここで、
図7は帰着ステーション変更提案処理の一例を示すフローチャートである。以下、
図7を参照して、帰着ステーション変更提案処理を説明する。
【0058】
まず、
図7に示すステップS401では、制御装置10は、共用車両V1に備えられた通信装置220から、共用車両V1の現在位置の情報を取得する。
【0059】
ステップS402では、制御装置10は、ステップS401で取得した共用車両V1の現在位置の情報に基づいて、共用車両V1が、帰着ステーション以外の他のステーションに停車しているか否かを判定する。そして、ステップS402において、共用車両V1が、帰着ステーション以外の他のステーションに停車していると判定された場合には、ステップS403へ進む。一方、ステップS402において、共用車両V1が、帰着ステーション以外の他のステーションに停車していないと判定された場合には、帰着ステーション変更提案処理を終了させる。なお、本実施形態においては、共用車両V1が、帰着ステーション以外の他のステーション内に収まっていなくても、該他のステーションから所定距離以内に位置していれば、該他のステーションに停車していると判定してもよい。
【0060】
ステップS403では、制御装置10は、ステップS401で取得した共用車両V1の現在位置の情報に基づいて、共用車両V1が現在停車しているステーションを特定する。たとえば、共用車両V1がステーションST3に停車している場合には、ステーションST3を特定する。
【0061】
ステップS404では、制御装置10は、ステップS403で特定されたステーションに現在空きがあるか、すなわち、共用車両V1を停車するスペースが空いているか否かを判定する。そして、ステップS404において、特定されたステーションに現在空きがあると判定された場合には、ステップS405へ進む。一方、ステップS404において、特定されたステーションに現在空きがないと判定された場合には、帰着ステーション変更提案処理を終了させる。
【0062】
ステップS405では、制御装置10は、ステップS403で特定されたステーションが、他のユーザにより帰着ステーションとして設定されていないかを判定する。たとえば、ステップS403で特定されたステーションが、ステーションST3である場合には、ステーションST3が、他のユーザにより帰着ステーションとして設定されていないかを判定する。そして、ステップS405において、特定されたステーションが、他のユーザにより帰着ステーションとして設定されていないと判定された場合には、ステップS406へ進む。一方、ステップS405において、特定されたステーションが、他のユーザにより帰着ステーションとして設定されていると判定された場合には、帰着ステーション変更提案処理を終了させる。
【0063】
ステップS406では、制御装置10は、帰着ステーション変更提案機能により、ユーザに対して、現在設定されている帰着ステーションを、ステップS403で特定されたステーションに変更するかを提案する。たとえば、ステップS403で特定されたステーションが、ステーションST3である場合には、ユーザに対し、帰着ステーションを、予め設定されていたステーションST2から、ステーションST3に変更するかを提案する。提案の方法としては、特に限定されないが、制御装置10が、ユーザが所有するユーザ端末装置400Xと通信し、ユーザ端末装置400Xの表示装置430に、帰着ステーションを変更するか否かを問い合わせる旨を表示をする方法が挙げられる。
【0064】
ステップS407では、制御装置10は、ユーザから、ユーザ端末装置400Xを介して、帰着ステーションを変更する旨の指令が送信されたか否かを判定する。すなわち、ステップS406において、制御装置10から、帰着ステーション変更の提案を受けたユーザが、ユーザ端末装置400Xを用いて、帰着ステーションを変更する旨の返事を送信したか否かを判定する。そして、ステップS407において、帰着ステーションを変更する旨の指令が送信されたと判定された場合には、ステップS408へ進む。一方、ステップS407において、帰着ステーションを変更する旨の指令が送信されていないと判定された場合には、帰着ステーション変更提案処理を終了させる。
【0065】
ステップS408では、制御装置10は、共用車両V1の帰着ステーションを、ステップS403で特定されたステーションに変更し、帰着ステーション変更提案処理を終了させる。
【0066】
帰着ステーション変更提案処理を終了すると
図6に戻り、
図6に示すステップS5では、制御装置10は、ユーザから、共用車両V1を帰着ステーションに返却しようとする返却要求が送信されたか否かを判定する。なお、ユーザにより送信される返却要求には、ユーザのID情報、並びにユーザが利用した共用車両V1のID情報及び位置情報が含まれる。そして、ステップS5において、返却要求が送信されたと判定された場合には、ステップS6へ進む。一方、ステップS5において、返却要求が送信されていないと判定された場合には、ステップS4に戻り、再びステップS4の帰着ステーション変更提案処理を実行する。本実施形態においては、ステップS5においてユーザから返却要求が送信されたと判定されるまでは、所定時間ごとに、ステップS4、S5を繰返し実行する。
【0067】
ステップS5において、返却要求が送信されたと判定された場合には、ステップS6へ進み、ステップS6では、制御装置10は、ステップS5でユーザから送信された返却要求を受信する。
【0068】
ステップS7では、制御装置10は、ユーザにより返却されようとしている共用車両V1が、共用車両V1に対して設定された帰着ステーションに位置しているか否かを確認する。たとえば、上述したステップS4の帰着ステーション変更提案処理により、帰着ステーションがステーションST2からステーションST3に変更された場合には、制御装置10は、共用車両V1に備えられた通信装置220から、共用車両V1の現在位置の情報を取得し、共用車両V1が、帰着ステーションであるステーションST3に位置しているか否かを確認する。
【0069】
ステップS8では、制御装置10は、ステップS6で受信した返却要求、及びデータベース30に記憶された利用要求33の情報に基づいて、ユーザにより返却されようとしている共用車両V1のID情報と、該ユーザにより送信された利用要求に含まれる共用車両V1のID情報とが一致するか否かを確認する。
【0070】
ステップS9では、制御装置10は、ユーザにより返却されようとしている共用車両V1について、返却処理を完了することができるか否かを判定する。具体的には、制御装置10は、ステップS7及びステップS8で確認した情報に基づいて、ユーザにより返却されようとしている共用車両V1について、現在位置が、共用車両V1に対して設定された帰着ステーションの位置と一致しており、かつ、ID情報が、該ユーザにより送信された利用要求に含まれる共用車両V1のID情報と一致していると判断した場合には、共用車両V1の返却処理を完了することができると判定する。そして、ステップS9において、共用車両V1の返却処理を完了することができると判定された場合には、ステップS10へ進む。一方、ステップS9において、共用車両V1の返却処理を完了することができないと判定された場合には、ステップS11へ進む。
【0071】
ステップS9において、共用車両V1の返却処理を完了することができると判定された場合には、ステップS10へ進み、ステップS10では、制御装置10は、共用車両V1の返却処理を完了させ、ユーザに対して、共用車両V1の利用料金を、たとえばクレジットカードの引き落とし等の方法により課金する。
【0072】
一方、ステップS9において、共用車両V1の返却処理を完了することができないと判定された場合には、ステップS11へ進み、ステップS11では、制御装置10は、共用車両V1の返却処理を中断し、ステップS4に戻り、再びステップS4の帰着ステーション変更提案処理を実行する。
【0073】
以上のとおり、本実施形態においては、制御装置10は、ユーザによる利用要求を受信することで、ユーザが利用しようとしている共用車両の情報、及びユーザにより設定された帰着ステーションの情報を取得し、ユーザが共用車両を利用している間に、ユーザが設定した帰着ステーション以外の他のステーションに共用車両を停車した際に、ユーザに対して、帰着ステーションを該他のステーションに変更することを提案する。これにより、本実施形態においては、たとえば、ユーザが、帰着ステーションを見つけることができずに、たまたま発見した別のステーションに共有車両を返却したい場合や、ユーザが、急遽、帰着ステーション以外の他のステーションに共有車両を返却したいと考えた場合に、帰着ステーションを柔軟かつ簡便に変更することができるため、複数のユーザが共用車両を共用するカーシェアリングシステムにおいて、利便性を向上させることができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0075】
たとえば、上述したステップS4における帰着ステーション変更提案処理は、
図7に示す方法に限定されず、
図8に示す方法にしたがい実行してもよい。以下、
図8に示すフローチャートを参照して、帰着ステーション変更提案処理の別の例を説明する。なお、
図8に示す帰着ステーション変更提案処理は、上述した
図7に示す帰着ステーション変更提案処理と比較して、ステップS401〜S408の手順は同じである。このため、
図8に
図7と同じステップ符号を付して、その説明に関する記載を本例に援用する。
【0076】
まず、
図8に示すステップS401〜S403では、上述した
図7と同様に、制御装置10は、共用車両V1の現在位置の情報を取得し、共用車両V1が、帰着ステーション以外の他のステーションに停車していると判定された場合には、共用車両V1が現在停車しているステーションを特定する。
【0077】
図8に示すステップS404では、制御装置10は、ステップS403で特定されたステーションに現在空きがあるか、すなわち、共用車両V1を駐車するスペースが空いているか否かを判定する。たとえば、ステップS403で特定されたステーションがステーションST3である場合には、ステーションST3に現在空きがあるか否かを判定する。そして、ステップS404において、特定されたステーションに現在空きがあると判定された場合には、ステップS405へ進み、上述した
図7と同様にして、ステップS405〜S408の処理を実行する。一方、ステップS404において、特定されたステーションに現在空きがないと判定された場合には、ステップS409へ進む。
【0078】
ステップS404において、特定されたステーションに現在空きがないと判定された場合には、ステップS409へ進み、ステップS409では、制御装置10は、ステップS403で特定されたステーションに駐車している共用車両についての利用要求の情報を、データベース30に記憶された利用要求33の中から抽出する。
【0079】
ステップS410では、ステップS409で抽出した情報、すなわち、ステップS403で特定されたステーションに駐車している共用車両についての利用要求の情報を、ユーザ端末装置400Xを介して、ユーザに通知する。これにより、たとえば、ステップS403で特定されたステーションがステーションST3である場合には、ユーザは、ステーションST3に現在駐車している共用車両の予約状況を知ることができるため、ステーションST3に現在駐車している共用車両が、他のユーザによって比較的早期(たとえば、5分後や10分後等)に利用開始され、ステーションST3に空きができるか否かの情報を得ることができる。そのため、ユーザは、このような情報を参照しながら、続くステップS407において、帰着ステーションをステーションST3に変更するか否かを判断することができるため、より適切に帰着ステーションの変更を行うことができるようになる。
【0080】
次いで、ステップS407において、制御装置10は、ユーザから、ユーザ端末装置400Xを介して、帰着ステーションを変更する旨の指令が送信されたか否かを判定し、帰着ステーションを変更する旨の指令が送信されたと判定された場合には、ステップS408にて、共用車両V1の帰着ステーションを、ステップS403で特定されたステーションに変更する。
【0081】
以上のようにして、
図8に示す帰着ステーション変更提案処理を終了する。
【0082】
また、本実施形態においては、上述した
図6〜8に示すカーシェアリングシステムの制御手順が実行されている間に、共用車両管理装置100の制御装置10は、通知機能により、
図4に示すような態様で、ユーザに対して、帰着ステーション以外の他のステーションの利用可否の情報を通知してもよい。
【0083】
ここで、
図9に示すフローチャートを参照して、帰着ステーション以外の他のステーションの利用可否の情報をユーザに通知する通知処理の一例を説明する。なお、
図9に示すフローチャートは、一のユーザが、一の共用車両V1を利用している場面を例示するものである。
【0084】
まず、
図9に示すステップS21では、共用車両管理装置100の制御装置10は、共用車両V1に備えられた通信装置220から、共用車両V1の現在位置の情報を取得する。
【0085】
ステップS22では、制御装置10は、共用車両V1が、共用車両V1の帰着ステーションから所定距離以内にあるか否かを判定する。具体的には、制御装置10は、データベース30に記憶された利用要求33に基づいて、共用車両V1に対して設定された帰着ステーションの情報を読み出し、ステップS21で取得した共用車両V1の現在位置の情報を参照して、共用車両V1が、共用車両V1の帰着ステーションから所定距離以内(たとえば、4km以内)にあるか否かを判定する。そして、ステップS22において、共用車両V1が帰着ステーションから所定距離以内にあると判定された場合には、ステップS23へ進む。一方、ステップS22において、共用車両V1が帰着ステーションから所定距離以内にないと判定された場合には、ステップS21に戻る。
【0086】
ステップS22において、共用車両V1が帰着ステーションから所定距離以内にあると判定された場合には、ステップS23へ進み、ステップS23では、制御装置10は、共用車両V1の帰着ステーション周辺のステーションを特定する。たとえば、制御装置10は、共用車両V1の帰着ステーションから2km以内に存在するステーションを特定する。
【0087】
ステップS24では、制御装置10は、ステップS23で特定したステーションの空き状況の情報を取得する。たとえば、制御装置10は、各共用車両Vnに備えられた通信装置220から、各共用車両Vnの現在位置の情報を取得し、取得した情報に基づいて、共用車両Vnが、ステップS23で特定したステーションに駐車しているか否かを判定し、これにより該ステーションの空き情報を取得する。
【0088】
ステップS25では、制御装置10は、ステップS23で特定したステーションに、いずれかの共用車両Vnが駐車している場合には、駐車している共用車両Vnについての利用要求の情報を、データベース30に記憶された情報の中から取得する。
【0089】
ステップS26では、制御装置10は、ステップS24、S25で取得した情報に基づいて、ステップS23で特定したステーションのうち、利用可能なステーションがあるか否かを判定する。たとえば、制御装置10は、ステップS24、S25で取得した情報に基づき、現在空きがあるステーションや、現在いずれかの共用車両Vnが駐車しているものの、駐車している共用車両Vnに対して他のユーザによって比較的早期に利用開始されるような利用要求がなされているステーションなどを、利用可能なステーションと判断し、このような利用可能なステーションがあるか否かを判定する。そして、ステップS26において、利用可能なステーションがあると判定された場合には、ステップS27へ進む。一方、ステップS26において、利用可能なステーションがないと判定された場合には、本通知処理を終了する。
【0090】
ステップS26において、利用可能なステーションがあると判定された場合には、ステップS27へ進み、ステップS27では、制御装置10は、通知機能により、上述した
図4に示すような態様で、帰着ステーション周辺に存在するステーションの位置及び利用可否の情報をユーザに通知する。
【0091】
以上のようにして、
図9に示す通知処理を終了する。
【0092】
あるいは、本実施形態においては、上述した
図6〜8に示すカーシェアリングシステムの制御手順が実行されている間に、共用車両管理装置100の制御装置10は、通知機能により、
図5に示すような態様で、
図10に示すような手順にて、ユーザに対して、帰着ステーション以外の他のステーションの利用可否の情報を通知してもよい。
【0093】
ここで、
図10は、帰着ステーション以外の他のステーションの利用可否の情報をユーザに通知する通知処理の別の例を示すフローチャートである。なお、
図10に示すフローチャートは、一のユーザが、一の共用車両V1を利用している場面を例示するものである。
【0094】
まず、
図10に示すステップS31では、共用車両管理装置100の制御装置10は、共用車両V1に備えられた通信装置220から、共用車両V1の現在位置の情報を取得する。
【0095】
ステップS32では、制御装置10は、共用車両V1周辺のステーションを特定する。たとえば、制御装置10は、共用車両V1から2km以内に存在するステーションを特定する。
【0096】
ステップS33、S34では、制御装置10は、上述した
図9に示すステップS24、S25と同様に、ステップS32で特定したステーションについて、空き状況の情報と、駐車している共用車両Vnの利用要求の情報とを取得する。
【0097】
ステップS35では、制御装置10は、上述した
図9に示すステップS26と同様に、ステップS33、S34で取得した情報に基づいて、ステップS32で特定したステーションのうち、利用可能なステーションがあるか否かを判定する。そして、ステップS35において、利用可能なステーションがあると判定された場合には、ステップS36へ進む。一方、ステップS35において、利用可能なステーションがないと判定された場合には、ステップS31に戻る。
【0098】
ステップS35において、利用可能なステーションがあると判定された場合には、ステップS36へ進み、ステップS36では、制御装置10は、通知機能により、上述した
図5に示すような態様で、共用車両V1周辺に存在するステーションの位置及び利用可否の情報をユーザに通知する。
【0099】
ステップS37では、制御装置10は、共用車両V1が、共用車両V1に対して設定された帰着ステーションに到達したか否かを判定する。そして、ステップS37において、共用車両V1が帰着ステーションに到達したと判定された場合には、本通知処理を終了する。一方、ステップS37において、共用車両V1が帰着ステーションに到達していないと判定された場合には、ステップS31に戻り、本通知処理を繰り返し実行する。
【0100】
以上のようにして、
図10に示す通知処理を終了する。
【0101】
なお、上述した実施形態において、共用車両管理装置100の制御装置10は本発明の利用受付手段、位置取得手段、利用可否検出手段、判定手段、及び制御手段に、共用車両管理装置100のデータベース30は本発明の記憶手段に、それぞれ相当する。