(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.実施形態
1−1.画像表示システムの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る画像表示システム9の全体構成を示す図である。
図1に示すように、画像表示システム9は、画像処理装置1と、表示装置2a,2b,2c(以下、これらを区別しない場合には「表示装置2」という)とを有している。これらの装置は通信回線3により接続されている。通信回線3は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、電話回線など、コンピュータ装置がデータ通信を行う通信回線であり、複数のコンピュータ装置が接続される。画像処理装置1の数は1つに限らず2つ以上であってもよい。また、通信回線3は複数であってもよいし、表示装置2は1つであってもよい。
【0009】
1−2.画像処理装置の構成
図2は、画像処理装置1の構成を示す図である。制御部11は、画像処理装置1の各部の動作を制御する手段である。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置を備え、これら記憶装置に記憶されたプログラムを実行する。
【0010】
通信部13は、通信回線3で用いられる通信プロトコルに準拠した通信インターフェイスであり、通信回線3を介して表示装置2と情報を遣り取りする。
【0011】
記憶部12はハードディスクなどの大容量の記憶手段であり、制御部11に読み込まれるプログラムを記憶する。なお、記憶部12は、いわゆるリムーバブルディスク、すなわち着脱可能な記録媒体を含んでもよい。
また、記憶部12は、画像データベース(以下、図において「データベース」を「DB」と表記する)121、分割情報データベース122、解像度データベース123、および変換規則データベース124を有する。
【0012】
図3は、画像データベース121の一例を示す図である。画像データベース121では、複数の画像をそれぞれ示す画像データがその画像の識別情報、すなわち画像IDと対応付けられている。各画像IDに対応付けられた画像データは、サイズと解像度とが定められたラスタ画像である。ラスタ画像とは、格子状に並んだ画素の集合で表される画像である。画像データのサイズとは、その画像データが表す画像の実際の大きさを表すもので、縦・横の実寸で示される。画像データの解像度は、その画像データが表す画像の単位寸法あたりに含まれる画素数を示しており、単位は例えば、dpi(dots per inch:1インチあたりの画素の数)である。以下の説明では、画像には正方形の画素が用いられているとし、一例として画像データベース121に記憶されている画像データは、縦が8インチ(203.2ミリメートル)、横が6インチ(152.4ミリメートル)で、解像度が600dpiの画像を表す。この場合、この画像は縦に4800行、横に3600列の格子状に画素が並び、その数は1728万である。
【0013】
図4は、分割情報データベース122の一例を示す図である。分割情報データベース122は、各画像データによって表される画像を複数の分割領域に分割するための情報を記憶する。分割情報データベース122は、画像IDごとに、その画像を複数に分割した各領域の識別情報、すなわち領域IDと、その領域の位置および大きさをそれぞれ対応付ける。
図5は、分割領域の一例を示す図である。
図5に示す例では、画像は領域Ra〜Riの9つの領域に分割されている。
【0014】
図6は、解像度データベース123の一例を示す図である。解像度データベース123は、複数の画像をそれぞれ示す画像データに対し、分割領域ごとにそれぞれ解像度を設定する。例えば、画像IDが001の画像を示す画像データのうち、分割領域Raに含まれる画像は解像度150(dpi)に変換される。分割領域の解像度は、上述した画像データの解像度を上回ることがないように設定される。
【0015】
図7は、変換規則データベース124の一例を示す図である。変換規則データベース124は、ユーザの指やスタイラスペンなどの指示体によって行われる操作の速度と、解像度データベース123で設定された解像度に対して加算する数値(加算値)とを対応付ける。
【0016】
例えば、
図7に示す変換規則データベース124において、操作の速度vが検知されると、基準となる基準速度v0として、その速度vが(v0+1)以上であって、(v0+2)よりも小さい場合、解像度の加算値は20(dpi)である。なお、ここで記述されている加算値は正の値であるが、負の値(すなわち、減算値)であってもよい。
【0017】
1−3.表示装置の構成
図8は、表示装置2の構成を示す図である。制御部21は、表示装置2の各部の動作を制御する手段である。制御部21は、CPUなどの演算処理装置や、ROM、RAMなどの記憶装置を備え、これら記憶装置に記憶されたプログラムを実行する。
【0018】
記憶部22はフラッシュメモリなどの大容量の記憶手段であり、制御部21に読み込まれるプログラムを記憶する。なお、記憶部22は、いわゆるリムーバブルディスク、すなわち着脱可能な記録媒体を含んでもよい。
通信部23は、通信回線3を介して画像処理装置1などと情報を遣り取りするインターフェイスである。
【0019】
表示部25は、液晶などを使用したディスプレイ装置であり、制御部21からの指示に応じて画像を表示する画面を有する。
操作部24は各種の指示をするためのタッチパネルやボタンなどの操作子を有しており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部21に供給する。
【0020】
図9は、表示装置2を操作する様子を示す概略図である。
図9に示すように、操作部24のタッチパネルは、表示部25において画像が表示される面に重ねられている。このタッチパネルは、例えば静電容量方式のタッチパネルであり、操作部24は、複数の位置を並行して指示することが可能なように構成されている。
【0021】
図10は、ユーザの指による操作の例を示す図である。
図10(a)に示す操作はピンチインと呼ばれ、例えばユーザが親指と人差し指とにより表示部25の画面上の位置をそれぞれ指示し、それらの指を互いに近づけるものである。
図10(b)に示す操作はピンチアウトと呼ばれ、例えばユーザが親指と人差し指とにより表示部25の画面上の位置をそれぞれ指示し、それらの指を互いに遠ざけるものである。
【0022】
図11は、ピンチアウトの操作を説明するための図である。ユーザの右手の親指が表示部25の画面における点P1に、人差し指が点P2に触れ、互いを遠ざけるようにそれぞれ画面上を触れたまま移動し、親指が点P1から距離d1離れた点P3で画面から離れ、人差し指が点P2から距離d2離れた点P4で画面から離れると、表示装置2の操作部24はこの操作を検知して、これら指示された各点の画面上における位置と、これらの指示が行われた時刻とをそれぞれ示す操作情報を画像処理装置1に送信する。
【0023】
画像処理装置1の制御部11は、点P1と点P2とを結ぶ線分を、距離d3および距離d4で内分する点P0を算出し、ユーザの操作が、算出したこの点P0を中心として画像を拡大させる操作であると解釈する。具体的に、制御部11は、このユーザの操作を、点P0を中心として拡大率が(1+(D2/D4))となるようにこの画像を拡大させる操作であると解釈する。ただし、距離d3および距離d4は、距離d1および距離d2との関係で、d1:d2=d3:d4を満たすように定められる。
【0024】
そして制御部11は、この点P0、すなわち拡大された部分を含む分割領域の解像度をこの操作に応じて決定する。例えば、画像処理装置1は、点P0を含む分割領域の解像度が上昇する演算を行う。そして、画像処理装置1は、決定された解像度に変換された分割領域の画像を表す変換後画像データを生成し、生成したこの変換後画像データを表示装置2に送信する。
【0025】
1−4.画像処理装置の機能的構成
図12は、画像処理装置1の機能的構成を示す図である。
図12(a)に示すように、画像処理装置1の制御部11は、記憶部12に記憶された上述のプログラムを読み込み、実行することにより、取得部111、決定部112、分割部113、生成部114、および送信部115として機能する。
【0026】
分割部113は、画像データによって表される画像を複数の分割領域に分割する。すなわち分割部113は、記憶部12の分割情報データベース122から、画像を複数の分割領域に分割するための情報を読み出し、この情報に基づいて画像を複数の分割領域に分割する。
【0027】
生成部114は、分割された各分割領域の画像をその分割領域単位で決定された解像度にそれぞれ変換し、変換された各画像をまとめた画像を表す変換後画像データを生成する。生成部114は、記憶部12の解像度データベース123から、分割領域単位で決定された解像度を読み出し、分割された画像の各分割領域を、この解像度にそれぞれ変換して変換後画像データを生成する。
【0028】
分割部113および生成部114は、例えば
図12(b)に示すように機能する。
図12(b)に示す分割部113は、画像データベース121から1つの画像データを読み出してこれを分割領域ごとに分割し、複数の分割データを生成する。
図12(b)に示す生成部114は、各分割データに定められた解像度を
図12(a)に示す解像度データベース123に基づいて特定し、特定された解像度でそれぞれの分割データから変換後分割データを生成する。そして、生成部114は、これら変換後分割データを1つにまとめて変換後画像データとし、RAMなどに記憶する。
【0029】
送信部115は、生成部114により生成された変換後画像データを表示装置2に送信する。
ユーザの表示装置2は、送信部115によって送信された変換後画像データを受信し、この変換後画像データによって表される画像を表示部25に表示する。ユーザは、操作部24を操作して、表示された画像に対して、その画像の表示される範囲を変えるための操作を行うと、表示装置2は、この操作を示す操作情報を画像処理装置1に送信する。
「画像の表示される範囲を変えるための操作」とは、表示部25で表示される画像を拡大、縮小したり、移動させたりする操作であり、上述したピンチイン・ピンチアウトの操作のほか、スワイプ、ドラッグ、タップ、フリックなどと呼ばれる各種の操作が含まれる。
【0030】
これらの操作によって画像が拡大される場合、表示部25において表示される範囲は、画像全体に対して小さくなり、その範囲に対して要求される解像度は上昇する。一方、これらの操作によって画像が縮小される場合、表示部25において表示される範囲は、画像全体に対して大きくなり、その範囲に対して要求される解像度は低下する。また、これらの操作によって画像が移動する場合、表示部25において表示される範囲は画像の移動方向の反対側に移動し、新たに表示された範囲に対して要求される解像度が上昇する。
【0031】
取得部111は、上述した操作情報を表示装置2から取得する。すなわち、取得部111は、送信部115によって送信された変換後画像データが表す画像が表示された表示装置2においてその画像に対して行われた、表示される範囲を変えるための操作を示す操作情報を、その表示装置2から取得する。
【0032】
決定部112は、取得部111が取得した操作情報に応じて、それぞれの分割領域の解像度を決定する。その後、生成部114は、決定部112により分割領域単位で決定された解像度を用いて変換後画像データを生成する。つまり、生成部114は、決定部112により分割領域の解像度が決定された場合に、その分割領域の画像をその解像度に変換する。
【0033】
1−5.画像処理装置の動作
図13は、画像処理装置1が解像度を決定するまでの動作の流れを示すフローチャートである。画像処理装置1の制御部11は、表示装置2から操作情報を取得し、表示装置2において、操作部24による検知結果によって表示部25の画面が複数の点で指などの指示体に接触されたか否かを判断する(ステップS101)。表示部25の画面が複数の点で接触されていないと判断する間(ステップS101;NO)、制御部11は、この判断を続ける。表示部25の画面が複数の点で接触されたと判断すると(ステップS101;YES)、制御部11は、接触の時刻と、その接触により指示された画面上の位置とをRAMなどに記憶する(ステップS102)。
【0034】
次に、制御部11は、表示装置2において表示部25の画面に接触していた指示体が画面から離れたか否か判断する(ステップS103)。指示体が画面から離れていないと判断する間(ステップS103;NO)、制御部11は、この判断を続ける。指示体が画面から離れたと判断すると(ステップS103;YES)、制御部11は、指示体が画面から離れた時刻と、その離れる直前まで指示体が接触していた画面上の位置とをRAMなどに記憶する(ステップS104)。
【0035】
制御部11は、ステップS102で記憶した(すなわち操作における始点の)時刻・位置と、ステップS104で記憶した(すなわち操作における終点の)時刻・位置とに基づいて、ユーザが注目している領域(注目領域)を特定するとともに(ステップS105)、操作において指示体が指示した位置が画面上を移動した速度を算出する(ステップS106)そして、制御部11は、変換規則データベース124を参照して、算出したその速度に対応する加算値を特定し(ステップS107)、特定したその加算値を解像度データベース123に記憶されている解像度に加算して、新たな解像度を決定する(ステップS108)。
【0036】
図14は、画像処理装置1が変更された解像度の変換後画像データを表示装置2に送信するまでの動作の流れを示すフローチャートである。制御部11は、解像度データベース123に記憶されている解像度に変更があるか否か判断する(ステップS201)、この解像度に変更がないと判断する場合(ステップS201;NO)、制御部11は処理を終了する。この解像度に変更があると判断する場合(ステップS201;YES)、制御部11は、解像度データベース123から分割領域ごとの解像度を読みだしてそれぞれを特定し(ステップS202)、特定した各解像度に応じて変換後画像データを生成する(ステップS203)。そして、生成した変換後画像データを記憶部12に記憶し(ステップS204)、表示装置2に送信する(ステップS205)。
【0037】
以上、説明したとおり、画像処理装置1は、ユーザが表示装置2において画像の表示される範囲を変えるための操作を行った場合に、その操作内容に応じて、表示装置2に送信する変換後画像データの解像度を調節する。
【0038】
例えば、表示装置2の表示部25が、縦が4インチ(101.6ミリメートル)、横が3インチ(76.2ミリメートル)で、解像度が200dpiの画面を有している場合、この表示部25の画面が表示可能な画素数は48万である。表示部25は、画面に48万を超える画素数の画像を表示する場合には画素を間引き、48万を下回る画素数の画像を表示する場合には画素を補間する処理を行う。
この表示装置2に、画像データベース121に記憶されている画像データをそのまま送ると、上述したように1728万画素の画像データが送られることになるが、ユーザが48万画素の画面で、画像の全領域を詳細に見なければならない場合は比較的少ないから、送信する画像データは元の画像データよりも解像度が低いものでよい場合が多い。
しかし、その画像の中には詳細に見なければならない領域も含まれていることがあり、一律に解像度を下げると、拡大してもその領域が視認できないことがある。
【0039】
例えばユーザは、送られた画像のうち重要と判断した部分を表示部25の画面で見て内容が確認可能な大きさに拡大する操作を行う。画像処理装置1は、ユーザの上述した操作を示す操作情報を取得して、その操作の速度に応じて次に送信する変換後画像データの解像度を分割領域単位で決定するので、ユーザが詳細に見る必要がある領域については、元の画像データの解像度に比較的近い解像度に変換され、ユーザが詳細に見る必要がない領域については、元の画像データの解像度よりも下げられた解像度に変換される。そして、操作が積み重ねられるほど、変換後画像データは、ユーザが注目する傾向に沿った中間データに調節される。すなわち、ユーザの過去の操作が表示装置2に送信される変換後画像データの分割領域ごとの解像度にフィードバックされるので、ユーザが操作するほど、ユーザが要求することの多い解像度の画像が得られる場合が多くなる。
【0040】
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
【0041】
2−1.変形例1
上述した実施形態において、制御部11は、操作情報が示す操作において、指示体が指示した位置が画面上を移動した速度を算出し、変換規則データベース124を参照して、算出したその速度に対応する加算値を特定して、その加算値を用いて新たな解像度を決定していたが、新たな解像度をするために操作情報から算出される値は速度に限られない。たとえば、指示体の移動距離に応じて解像度が決定されてもよい。例えば、指示体の移動距離が長いほど、ユーザは表示される範囲を大きく変えようとしていると解釈して、解像度の加算値や減算値を大きくしてもよい。すなわち、制御部11により実現される決定部112は、操作情報により示される位置が移動する距離に応じて、解像度を決定してもよい。
【0042】
2−2.変形例2
また、決定部112は、操作情報により示される操作によって表示部25の画面に表示される領域の表示時間に応じて、解像度を決定してもよい。
【0043】
図15は、この変形例における変換規則データベース124aの一例を示す図である。変換規則データベース124aは、ユーザの指やスタイラスペンなどの指示体によって行われる操作によって、画像が画面に表示される時間(表示時間)と、解像度データベース123で設定された解像度に対して減算する数値(減算値)とを対応付ける。
【0044】
例えば、
図15に示す変換規則データベース124aにおいて、表示装置2の表示部25に表示された画像の表示時間が1s(秒)である場合、これに対応付けられた減算値は10(dpi)である。したがって、ある分割領域の画像について表示時間が1秒であると判断されると、制御部11は、この分割領域の解像度から10(dpi)を減算する。
【0045】
図16は、この変形例におけるユーザの指による操作の例を示す図である。この変形例において、例えばユーザは、指示体である指先を表示部25の画面に触れた状態で、
図16(a)に示す位置から、
図16(b)に示す位置に滑らせる。この操作はいわゆる「スワイプ」と呼ばれる操作である。
図16において示される画像G1は、表示装置2で表示される画像の全体を仮想的に示したものであり、上述したスワイプ操作によって、この画像G1は、
図16(a)に示す位置から、
図16(b)に示す位置に移動する。この変化により、画像G1に含まれる画像G2は、表示部25に表示され続ける。一方、画像G1に含まれる画像G3(
図16(b)において斜線によるハッチングをした部分)は、表示部25に表示されなくなる。
【0046】
図17は、この変形例における画像処理装置1が解像度を決定するまでの動作の流れを示すフローチャートである。画像処理装置1の制御部11は、表示装置2から操作情報を取得し、表示装置2において、指などの指示体が表示部25の画面に接触したか否かを判断する(ステップS301)。指示体が接触されていないと判断する間(ステップS301;NO)、制御部11は、この判断を続ける。指示体が接触されたと判断すると(ステップS301;YES)、制御部11は、接触の時刻と、その接触により指示された画面上の位置とをRAMなどに記憶する(ステップS302)。
【0047】
次に、制御部11は、表示装置2において表示部25の画面に接触していた指示体が画面から離れたか否か判断する(ステップS303)。指示体が画面から離れていないと判断する間(ステップS303;NO)、制御部11は、この判断を続ける。指示体が画面から離れたと判断すると(ステップS303;YES)、制御部11は、指示体が画面から離れた時刻と、その離れる直前まで指示体が接触していた画面上の位置とをRAMなどに記憶する(ステップS304)。
【0048】
制御部11は、ステップS302で記憶した時刻・位置と、ステップS304で記憶した時刻・位置とに基づいて、表示部25に表示されている表示領域を特定するとともに(ステップS305)、表示部25に表示されなくなった非表示領域を特定する(ステップS306)。そして、制御部11は、各領域の表示時間を計測し(ステップS307)、変換規則データベース124aを参照して、その各表示時間に応じた減算値をそれぞれ特定して(ステップS308)、特定したその減算値を解像度データベース123に記憶されている解像度から減算して、新たな解像度を決定する(ステップS309)。
【0049】
これにより、表示時間が少ない領域については、表示の必要がないものとして解像度が下げられ、表示時間が多い領域については、表示が必要なものとして解像度が上げられる処理が画像処理装置1において行われる。したがって、ユーザによってあまり見られない分割領域ほど解像度が下げられた変換後画像データが画像処理装置1において用意され、通信負荷が抑制される。
【0050】
2−3.変形例3
上述した実施形態において、画像処理装置1は、操作の開始および終了のときにそれぞれ指示された位置とその時間とに応じて操作の速度を算出し、その速度に応じて加算値を特定する処理を行ったが、操作中の距離と操作直後の距離との比較に応じて、処理の内容を変化させてもよい。
図18は、この変形例におけるピンチアウトの操作を説明するための図である。ユーザの右手の親指が表示部25の画面における点P1に、人差し指が点P2に触れ、互いを遠ざけるようにそれぞれ画面上を触れたまま移動し、親指が点P3でそれまで移動した方向とは逆の方向に移動して点P5で画面から離れ、人差し指が点P4でそれまで移動した方向とは逆の方向に移動して点P6で画面から離れると、表示装置2の操作部24はこの操作を検知して、これら指示された各点の画面上における位置と、これらの指示が行われた時刻とをそれぞれ示す操作情報を画像処理装置1に送信する。
【0051】
この場合、点P3→点P5の移動、および点P4→点P6の移動は、ピンチアウトによって指示した拡大率を微調整するためのジェスチャーを意味する。すなわち、ユーザは操作に応じて拡大される画像を見ながら操作を続けるので、求めている拡大率を超える拡大率で画像が拡大されたときには、それまでと逆の方向に指などを動かして最終的な拡大率を決定する。したがって、この場合、ユーザは最後に指などの指示体を話したときの拡大率で画像を見ることを要求していることが多い。
【0052】
図19は、この変形例における画像処理装置1が解像度を決定するまでの動作の流れを示すフローチャートである。画像処理装置1の制御部11は、表示装置2から操作情報を取得し、表示装置2において、指などの指示体が複数の点で表示部25の画面に接触したか否かを判断する(ステップS401)。指示体が接触されていないと判断する間(ステップS401;NO)、制御部11は、この判断を続ける。指示体が接触されたと判断すると(ステップS401;YES)、制御部11は、接触の時刻と、その接触により指示された画面上の位置とをRAMなどに記憶する(ステップS402)。
【0053】
次に、制御部11は、表示装置2において表示部25の画面に接触していた指示体が画面から離れたか否か判断する(ステップS403)。指示体が画面から離れていないと判断する間(ステップS403;NO)、制御部11は、ステップS402に戻り、周期的に指示体の位置を記憶して、この判断を続ける。指示体が画面から離れたと判断すると(ステップS403;YES)、制御部11は、指示体が画面から離れた時刻と、その離れる直前まで指示体が接触していた画面上の位置とをRAMなどに記憶する(ステップS404)。
【0054】
制御部11は、ステップS402で記憶した時刻・位置と、ステップS404で記憶した時刻・位置とに基づいて、操作中に指示体が指示した複数の点の距離が最大となったときの距離(最大距離)と、操作が終了したときの複数の点の距離(終了時距離)とを特定する(ステップS405)。そして、制御部11は、最大距離が終了時距離よりも大きいか否か判断し(ステップS406)、最大距離が終了時距離よりも大きいと判断しない場合、つまり最大距離が終了時距離と等しいと判断した場合には(ステップS406;NO)、操作の速度を算出して(ステップS407)、変換規則データベース124を参照してその速度に応じた加算値を特定して(ステップS408)、解像度を決定する(ステップS409)。
【0055】
一方、最大距離が終了時距離よりも大きいと判断した場合(ステップS406;YES)、制御部11は、ステップS409に進み、解像度を加算することなく解像度を決定する。これにより、上述したユーザのジェスチャーは、要求する拡大率を微調整するものとして解釈される。
【0056】
2−4.変形例4
画像処理装置1の制御部11は、例えばユーザが指などの指示体を一定の時間にわたって動かさないまま操作部24に接触させ続けた場合に、その指示体が示す位置を含む分割領域の解像度を操作前よりも低い解像度に決定してもよい。一定の時間にわたって指などを触れたまま動かさないでいる場合、その指が触れている位置はユーザの目には隠れているため、表示させる必要が低い場合が多い。この変形例によれば、ユーザの指などに隠れた領域の解像度が下げられるので、次に変換後画像データを送信する際の通信負荷が抑制される。
【0057】
2−5.変形例5
画像処理装置1の制御部11は、操作情報が示す操作が決められたパターンであるときに、処理の内容を変化させてもよい。例えば、ピンチアウトをした直後にスワイプをした場合、ピンチアウトで焦点となった点(
図11に示す点P0など)は、拡大された後、すぎに画面外に移動させられるため非表示になる。この場合、ユーザはピンチアウトで、注目領域ではなく拡大率を指示しているのであり、注目領域は、スワイプによって指示している。
【0058】
画像処理装置1の制御部11は、ピンチアウトとスワイプとのそれぞれの操作時刻の間隔をパターンとして特定し、予め決められたパターンと比較する。そして、制御部11は、その比較結果に応じて加算値を特定する分割領域を決めればよい。ピンチアウトのすぐ後(例えば0.5秒後以内)にスワイプが行われるパターンが検出された場合には、制御部11は、スワイプによって示される注目領域を含む分割領域に対して、ピンチアウトによって示される速度と拡大率に応じて決められた加算値を特定し、その分割領域の新たな解像度を決定すればよい。
【0059】
2−6.変形例6
上述した実施形態において、分割情報データベース122は、各画像データによって表される画像を複数の分割領域に分割するための情報を記憶していたが、この情報は表示装置2における操作に応じて変化してもよい。つまり、分割部113は、取得部111が取得した操作情報に応じて、画像を複数の分割領域に分割してもよい。
【0060】
2−7.変形例7
画像処理装置1は、複数の表示装置2から取得した操作情報に基づいて、画像の分割領域ごとの解像度を決定してもよい。例えば、画像処理装置1の制御部11は、操作情報を複数の表示装置からそれぞれ取得し、取得した複数の操作情報の統計結果に応じて、解像度を決定すればよい。これにより、複数のユーザに共通する操作に沿って変換後画像データが調節される。
【0061】
2−8.変形例8
画像処理装置1の制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどの通信回線を経由してダウンロードさせることも可能である。なお、上記の制御部11によって例示した制御手段としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサなどが用いられる。