特許第6409451号(P6409451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409451
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】送液設備及び送液方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 7/02 20060101AFI20181015BHJP
   B65D 90/48 20060101ALI20181015BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   F17C7/02
   B65D90/48 Z
   H02J3/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-196408(P2014-196408)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-70286(P2016-70286A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】安武 寛幸
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−061248(JP,A)
【文献】 特開平08−194525(JP,A)
【文献】 特開昭62−166735(JP,A)
【文献】 特開平03−194300(JP,A)
【文献】 特開2014−064352(JP,A)
【文献】 特開2013−162711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 7/02
B65D 90/48
H02J 3/00
F17C 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源母線と当該電源母線に接続された複数の送液ポンプとを有する電源系統グループを複数備え、異なる電源系統グループに属する前記送液ポンプを同時に運転させることにより送液を行う送液設備であって、
前記送液ポンプを当該送液ポンプが属する前記電源系統グループの電源母線を介することなく他の前記電源系統グループに属する前記電源母線と接続する非常送電線と、
当該非常送電線の途中部位に設けられる開閉器と、
前記送液ポンプが属する電源系統グループの非常時に、前記開閉器を制御して当該送液ポンプに他の前記電源系統グループに属する前記電源母線から通電する制御部と
を備えることを特徴とする送液設備。
【請求項2】
前記非常送電線は、送液時に常に運転される送液ポンプと接続されていることを特徴とする請求項1記載の送液設備。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源母線の電圧が異常値を示す場合に前記電源系統グループが非常状態であると判定することを特徴とする請求項1または2記載の送液設備。
【請求項4】
電源母線と当該電源母線に接続された複数の送液ポンプとを有する電源系統グループを複数備え、異なる電源系統グループに属する前記送液ポンプを同時に運転させることにより送液を行う送液方法であって、
いずれかの前記電源系統グループの非常時に、当該電源系統グループに属する前記送液ポンプに対して当該電源系統グループに属する電源母線を介することなく他の前記電源系統グループに属する前記電源母線から通電することを特徴とする送液方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送液設備及び送液方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LNG(Liquefied Natural Gas)基地では、複数の貯蔵タンクに貯蔵されたLNGを気化器で気化させてから発電所等に送り出している。このようなLNG基地には、特許文献1に示すように、各貯蔵タンクから汲み上げられたLNGを圧送する昇圧ポンプが設けられており、昇圧ポンプによって圧送されるLNGを気化器で気化させている。このように気化器でLNGが気化されることで生成された天然ガスは、母管を通じて発電所等に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−194300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなLNG基地では、常に安定的に天然ガスを送り出す必要がある。このため、電源系統に何らかの異常があった場合であっても、確実に天然ガスを送り出すことができるように設計されている。具体的には、複数の電源母線を設置すると共に、各電源母線に対して複数の昇圧ポンプを設置し、いずれかの電源母線に異常が発生した場合であっても、他の電源母線に接続された昇圧ポンプが運転できるように設計されている。このように、電源母線を複数設置することによって、全ての昇圧ポンプが停止することを防止し、天然ガスの供給が停止することを防止することができる。
【0005】
ところが、いずれかの電源母線に異常が発生した場合には、その電源母線に接続された昇圧ポンプは停止する。一般的には、発電所等の需要先が要求する必要流量を確保するためには、多数の昇圧ポンプを同時に運転する必要があることから、電源母線の異常により運転中の昇圧ポンプが停止した場合には、送ガス量が不足することになる。このため、この不足分を補うため、異常を生じていない電源母線に接続された停止中の昇圧ポンプを追起動する必要がある。
【0006】
しかしながら、停止中の昇圧ポンプを追起動させるためには、キャビテーション等を防止するために昇圧ポンプを通る循環流路でLNGを循環させながら徐々に流量を増加させる必要があり、一定の時間を要する。近年は、LNG基地に隣接して発電所等が設けられるような場合もあり、母管が短く、母管の容積が減少していることから、停止中の昇圧ポンプの起動完了するまでに母管内の天然ガスが急激に減少し、天然ガスの供給が不安定になる恐れがある。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、LNG基地等での送液設備においていずれかの電源母線に異常が生じた場合であっても、極めて短時間で送ガス量を回復させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0009】
第1の発明は、電源母線と当該電源母線に接続された複数の送液ポンプとを有する電源系統グループを複数備え、異なる電源系統グループに属する上記送液ポンプを同時に運転させることにより送液を行う送液設備であって、上記送液ポンプを他の上記電源系統グループに属する上記電源母線と接続する非常送電線と、当該非常送電線の途中部位に設けられる開閉器と、上記送液ポンプが属する電源系統グループの非常時に、上記開閉器を制御して当該送液ポンプに他の上記電源系統グループに属する上記電源母線から通電する制御部とを備えるという構成を採用する。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記非常送電線が、送液時に常に運転される送液ポンプと接続されているという構成を採用する。
【0011】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記制御部が、上記電源母線の電圧が異常値を示す場合に上記電源系統グループが非常状態であると判定するという構成を採用する。
【0012】
第4の発明は、電源母線と当該電源母線に接続された複数の送液ポンプとを有する電源系統グループを複数備え、異なる電源系統グループに属する上記送液ポンプを同時に運転させることにより送液を行う送液方法であって、いずれかの上記電源系統グループの非常時に、当該電源系統グループに属する上記送液ポンプに対して他の上記電源系統グループに属する上記電源母線から通電するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、運転中の送液ポンプが接続された特定の電源母線に不具合が生じた場合に、開閉器を閉じることで、非常送電線を通じて他の電源母線から運転中であった送液ポンプに対して通電することができる。つまり、本発明によれば、特定の電源母線に不具合が生じた場合であっても、この特定の電源母線に接続された送液ポンプに対して、他の電源母線から通電を行うことで、特定の電源母線の復旧を待つことなく、送液ポンプを再起動することができる。さらに、運転中であった送液ポンプは、慣性力によって直ぐには停止しない。このため、完全に停止する前に当該送液ポンプに対して再び給電を行うことによって、停止中の送液ポンプを追起動する場合と比較して、素早く流量を回復することができる。したがって、本発明によれば、いずれかの電源母線に異常が生じた場合であっても、極めて短時間で送ガス量を回復させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)が本発明の一実施形態の送液設備を採用するLNG基地1の概略構成を模式的に示すフロー図であり、(b)が本発明の一実施形態の送液設備が有するセカンダリポンプの周辺を拡大した模式図である。
図2】本発明の一実施形態の送液設備の電源系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る送液設備及び送液方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0016】
図1(a)は、本実施形態の送液設備を採用するLNG基地1の概略構成を模式的に示すフロー図である。この図に示すように、LNG基地1は、複数の貯蔵タンク2と、送液設備3と、気化器4と、母管5とを備えており、母管5を通じて発電所Pと接続されている。
【0017】
貯蔵タンク2は、LNGを貯蔵するタンクであり、LNG基地1に対して複数備えられている。図1に示すLNG基地1では8つの貯蔵タンクが設けられている。ただし、貯蔵タンク2の数はこれに限られるものではない。本実施形態の送液設備3は、上記貯蔵タンク2から気化器にLNGを送液するものである。この本実施形態の送液設備3については、後に詳説する。気化器4は、送液設備3から供給されたLNGを海水等と熱交換することによって気化させる設備である。このようなLNG基地1では、気化器4においてLNGが気化されることによって生成された天然ガスを発電所P等の需要先に対して供給する。
【0018】
続いて、本実施形態の送液設備3について説明する。本実施形態の送液設備3は、図1(a)に示すように、プライマリポンプ3aと、セカンダリポンプ3b(送液ポンプ)と、送液管3cとを備えている。また、本実施形態の送液設備3は、流量弁3d、返流管3eと、ミニフロー弁3fと、流量計3gとを備えている(図1(b)参照)。また、本実施形態の送液設備3は、セカンダリポンプ3bを含む第1電源系統グループ30及び第2電源系統グループ40と、制御部50と、非常送電線3hと、予備遮断器3i(開閉器)と、非常送電線3jと、予備遮断器3k(開閉器)とを有している(図2参照)。これらの第1電源系統グループ30、第2電源系統グループ40、制御部50、非常送電線3h、予備遮断器3i、非常送電線3j及び予備遮断器3kについては、後に図2を用いて説明する。
【0019】
プライマリポンプ3aは、貯蔵タンク2からLNGを汲み上げるためのポンプであり、各貯蔵タンク2の内部に設けられている。セカンダリポンプ3bは、プライマリポンプ3aと接続されており、プライマリポンプ3aによって汲み上げられたLNGを気化器4に向けて圧送する。このようなセカンダリポンプ3bは、複数(本実施形態においては2つ)のプライマリポンプ3aごとに設けられている。本実施形態においては4つ設けられている。ただし、セカンダリポンプ3bの数はこれに限られるものではない。送液管3cは、プライマリポンプ3aとセカンダリポンプ3bとを接続し、またセカンダリポンプ3bと気化器4とを接続する配管であり、LNGを案内する。
【0020】
図1(b)は、セカンダリポンプ3bの周辺を拡大した模式図である。流量弁3dは、セカンダリポンプ3bの下流側において送液管3cに設けられた制御弁である。この流量弁3dは、気化器4へ向かうLNGの流量を規定する。返流管3eは、上流端がセカンダリポンプ3bと流量弁3dとの間において送液管3cと接続され、下流端が貯蔵タンク2と接続されている。この返流管3eは、セカンダリポンプ3bから吐出されたLNGの一部あるいは全部をセカンダリポンプ3bの上流側である貯蔵タンク2に返流させるための流路を形成する。
【0021】
ミニフロー弁3fは、返流管3eの途中部位に設置される制御弁であり、返流管3eを流れるLNGの流量を規定する。流量計3gは、セカンダリポンプ3bと返流管3eの上流端との間において送液管3cと接続されており、セカンダリポンプ3bから吐出されたLNGの流量を測定し、その測定結果を出力する。
【0022】
例えば、停止しているセカンダリポンプ3bを起動して、気化器4に対して所望の流量のLNGを圧送するためには、まず流量弁3dを閉鎖あるいは微開の状態としてセカンダリポンプ3bを低速回転させる。このとき、ミニフロー弁3fをセカンダリポンプ3bの吐出量に応じて開放する。これによって、セカンダリポンプ3bから吐出されたLNGのほぼ全部が返流管3eを通じてセカンダリポンプ3bの上流側に返流される。その後、キャビテーションが発生しない範囲でセカンダリポンプ3bの回転数を徐々に増加させていき、セカンダリポンプ3bの吐出量が必要最低流量を超えてから流量弁3dを徐々に開放すると共にミニフロー弁3fの徐々に閉鎖していく。これによって、最終的にミニフロー弁3fが閉鎖した状態でも、流量弁3dを通過するLNGの流量が必要最低流量を超える。さらにセカンダリポンプ3bの回転数を上昇させることによって、気化器4に対して所望の流量のLNGを圧送することができる。
【0023】
このように、停止しているセカンダリポンプ3bを起動して、気化器4に対して所望の流量のLNGを圧送するためには、返流管3eとミニフロー弁3fとを用いて徐々にセカンダリポンプ3bの回転数を上昇させる必要があり、一定の時間を要する。一般的には、このような時間として30秒程度が必要となる。
【0024】
図2は、本実施形態の送液設備3の電源系統図である。この図に示すように、第1電源系統グループ30は、第1電源母線31(電源母線)と、接続線32と、遮断器33と、電圧計34と、上述のセカンダリポンプ3bとを有する。第1電源母線31は、複数のセカンダリポンプ3bに対して電力を供給するための電源線であり、トランスを介して不図示の電源(例えば商用電源)と接続されている。接続線32は、第1電源母線31と、セカンダリポンプ3bとを接続しており、第1電源母線31からセカンダリポンプ3bに通電を行う。本実施形態においては、図2に示すように、第1電源母線31に対して2つのセカンダリポンプ3bが接続されるため、接続線32は2つ設けられている。遮断器33は、各接続線32の途中部位に設置されている。これらの遮断器33は、接続線32の開閉を行う開閉器であり、閉鎖状態において接続線32を通電可能とする。電圧計34は、第1電源母線31と接続されており、第1電源母線31の電圧を測定し、その結果を出力する。
【0025】
第2電源系統グループ40は、第2電源母線41(電源母線)と、接続線42と、遮断器43と、電圧計44と、上述のセカンダリポンプ3bとを有する。第2電源母線41は、複数のセカンダリポンプ3bに対して電力を供給するための電源線であり、トランスを介して不図示の電源(例えば商用電源)と接続されている。接続線42は、第2電源母線41と、セカンダリポンプ3bとを接続しており、第2電源母線41からセカンダリポンプ3bに通電を行う。本実施形態においては、第2電源母線41に対して2つのセカンダリポンプ3bが接続されるため、接続線42は2つ設けられている。遮断器43は、各接続線42の途中部位に設置されている。これらの遮断器43は、接続線42の開閉を行う開閉器であり、閉鎖状態において接続線42を通電可能とする。電圧計44は、第2電源母線41と接続されており、第2電源母線41の電圧を測定し、その結果を出力する。
【0026】
非常送電線3hは、第1電源系統グループ30に属する第1電源母線31と、第2電源系統グループ40に属するセカンダリポンプ3bとを接続する電線である。つまり、非常送電線3hは、第2電源系統グループ40に属するセカンダリポンプ3bを、他の電源系統グループである第1電源系統グループ30に属する第1電源母線31と接続する。予備遮断器3iは、非常送電線3hの途中部位に設置されている開閉器であり、閉鎖状態において非常送電線3hを通電可能とする。この予備遮断器3iは、手動による開閉が可能とされていると共に、制御部50と接続されており、非常時には制御部50の制御の下に開放状態から閉鎖状態とすることも可能とされている。
【0027】
非常送電線3jは、第2電源系統グループ40に属する第2電源母線41と、第1電源系統グループ30に属するセカンダリポンプ3bとを接続する電線である。つまり、非常送電線3jは、第1電源系統グループ30に属するセカンダリポンプ3bを、他の電源系統グループである第2電源系統グループ40に属する第2電源母線41と接続する。予備遮断器3kは、非常送電線3jの途中部位に設置されている開閉器であり、閉鎖状態において非常送電線3jを通電可能とする。この予備遮断器3kは、手動による開閉が可能とされていると共に、制御部50と接続されており、非常時には制御部50の制御の下に開放状態から閉鎖状態とすることも可能とされている。
【0028】
なお、図2に示すように、本実施形態においては、第1電源系統グループ30に属する2つのセカンダリポンプ3bのうち、1つに対して非常送電線3jが接続されている。以下、この非常送電線3jが接続されたセカンダリポンプ3bをセカンダリポンプ10と称する。また、第2電源系統グループ40に属する2つのセカンダリポンプ3bのうち、1つに対して非常送電線3hが接続されている。以下、この非常送電線3hが接続されたセカンダリポンプ3bをセカンダリポンプ20と称する。
【0029】
制御部50は、本実施形態の送液設備3の全体を制御するものであり、電圧計34と、電圧計44と、予備遮断器3iと、予備遮断器3kと接続されている。なお、図2には図示していないが、制御部50は、プライマリポンプ3aやセカンダリポンプ3b等に接続されており、接続された機器を制御する。
【0030】
例えば、発電所Pが要求する送ガス量を確保するために、3台のセカンダリポンプ3bを同時に用いてLNGを気化器4に供給する必要があるとする。この場合、制御部50は、平時においては、第1電源系統グループ30のセカンダリポンプ10と、第2電源系統グループ40のセカンダリポンプ20とを常に運転させる。つまり、本実施形態においては、非常送電線(非常送電線3hあるいは非常送電線3j)が接続されたセカンダリポンプ3bを平時において常に運転させておく。
【0031】
制御部50は、電圧計34の測定結果に基づいて、第1電源母線31の状態を監視する。制御部50は、第1電源母線31の電圧が異常値を示す場合に第1電源系統グループ30が異常(例えば地絡)であると判定する。また、制御部50は、電圧計44の測定結果に基づいて、第2電源母線41の状態を監視する。制御部50は、第2電源母線41の電圧が異常値を示す場合に第2電源系統グループ40が異常(例えば地絡)であると判定する。
【0032】
ここで、何らかの原因によって、第1電源母線31あるいは第2電源母線41が異常であると判定される場合に、制御部50は、予備遮断器(予備遮断器3iあるいは予備遮断器3k)を閉じて、セカンダリポンプ3b(セカンダリポンプ10あるいはセカンダリポンプ20)に対して、異なる電源系統グループから給電を行う。
【0033】
例えば、第1電源母線31が地絡した場合に、制御部50は、予備遮断器3kを閉じ、非常送電線3jを通じて、第2電源母線41からセカンダリポンプ10に給電を行う。セカンダリポンプ10は、第1電源母線31が地絡した時点においては、第1電源母線31からの給電が停止されるが、給電が停止されても、一定の時間は慣性力によって回転を維持している。このため、第1電源母線31の地絡を検知後、第2電源母線41から、慣性力によって回転を維持しているセカンダリポンプ10に給電を行うことで、セカンダリポンプ10を早期に復帰して第1電源母線31の異常による送液量の減少を最小限に抑えることができる。
【0034】
また、第2電源母線41が地絡した場合に、制御部50は、予備遮断器3iを閉じ、非常送電線3hを通じて、第1電源母線31からセカンダリポンプ20に給電を行う。この場合も同様に、慣性力によって回転を維持しているセカンダリポンプ20に給電を行うことで、セカンダリポンプ20を早期に復帰して第2電源母線41の異常による送液量の減少を最小限に抑えることができる。
【0035】
以上のような本実施形態の送液設備3によれば、運転中のセカンダリポンプ3bが接続された第1電源母線31あるいは第2電源母線41に不具合が生じた場合に、予備遮断器3iあるいは予備遮断器3kを閉じることで、非常送電線3hあるいは非常送電線3jを通じて他の電源母線からセカンダリポンプ10あるいはセカンダリポンプ20に対して通電することができる。このため、本実施形態の送液設備3によれば、第1電源母線31あるいは第2電源母線41に不具合が生じた場合であっても、不具合が生じた第1電源母線31あるいは第2電源母線41に接続されたセカンダリポンプ3bに対して、他の電源母線から通電を行うことで、不具合が生じた第1電源母線31あるいは第2電源母線41の電源母線の復旧を待つことなく、セカンダリポンプ10あるいはセカンダリポンプ20を再起動することができる。さらに、運転中であったセカンダリポンプ10あるいはセカンダリポンプ20は、慣性力によって直ぐには停止しない。このため、完全に停止する前に当該セカンダリポンプ10あるいはセカンダリポンプ20に対して再び給電を行うことによって、停止中のセカンダリポンプ3bを追起動する場合と比較して、素早く流量を回復することができる。したがって、本実施形態の送液設備3によれば、いずれかの電源母線に異常が生じた場合であっても、極めて短時間で気化器4からの送ガス量を回復させることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態の送液設備3においては、非常送電線(非常送電線3h及び非常送電線3j)は、送液時に常に運転されるセカンダリポンプ3b(セカンダリポンプ10あるいはセカンダリポンプ20)と接続されている。このため、第1電源母線31あるいは第2電源母線41に不具合が生じた場合に、非常送電線が接続されたセカンダリポンプ3bが慣性力によって回転している状態となるため、常に素早く流量を回復することができる。
【0037】
また、本実施形態の送液設備3においては、制御部50は、第1電源母線31あるいは第2電源母線41の電圧が異常値を示す場合に電源系統グループが非常状態であると判定する。このため、容易に電源系統グループが非常状態であることを検知することが可能となる。
【0038】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0039】
上記実施形態においては、2つの電源母線を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上の電源母線(すなわち3つ以上の電源系統グループ)を備える構成を採用することも可能である。
【0040】
また、上記実施形態においては、本発明の送液ポンプがセカンダリポンプである構成について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、他の送液ポンプ(例えば、プライマリポンプ)とすることも可能である。
【0041】
また、上記実施形態においては、1つの電源系統グループが備える複数のセカンダリポンプ3bのうち、1つに対して非常送電線が接続された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの電源系統グループが備える複数のセカンダリポンプ3bのうち複数に対して非常送電線が接続された構成を採用することも可能である。
【0042】
また、上記実施形態においては、本発明の送液設備をLNG基地に適用した例について説明した。しかしながら、本発明の送液設備は、他のプラント等に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1……LNG基地、2……貯蔵タンク、3……送液設備、3a……プライマリポンプ、3b……セカンダリポンプ、3c……送液管、3d……流量弁、3e……返流管、3f……ミニフロー弁、3g……流量計、3h……非常送電線、3i……予備遮断器、3j……非常送電線、3k……予備遮断器、4……気化器、5……母管、10……セカンダリポンプ、20……セカンダリポンプ、30……第1電源系統グループ、31……第1電源母線、32……接続線、33……遮断器、34……電圧計、40……第2電源系統グループ、41……第2電源母線、42……接続線、43……遮断器、44……電圧計、50……制御部、P……発電所
図1
図2