特許第6409454号(P6409454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409454
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20181015BHJP
   G09F 1/10 20060101ALI20181015BHJP
   G09F 1/08 20060101ALN20181015BHJP
【FI】
   B65D5/52 A
   B65D5/52 H
   G09F1/10 X
   G09F1/10 U
   !G09F1/08 K
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-197004(P2014-197004)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-68955(P2016-68955A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山川 昌
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 忠志
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3092916(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3181553(JP,U)
【文献】 実開平06−065219(JP,U)
【文献】 特開2005−212868(JP,A)
【文献】 特開2011−011772(JP,A)
【文献】 米国特許第02027645(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00 − 5/76
G09F 1/10
G09F 1/08
B42D 5/04
B42F 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略板状とした箱本体が、背面板と、この背面板の両側辺に側面板を介して連接されて背面板の前方側に折り曲げられている対の内面板と、前記背面板の下辺に底面板を介して連接されて背面板の前方側に折り曲げられ、前記内面板に重ね合わせている正面板と、からなり、前記箱本体は前記背面板と正面板と底面板と側面板とで囲まれて上面に開口する出し入れ口を配した収納部を有
前記正面板の上辺の折り返し片を箱本体の内方にして斜め下方への折り曲げにより、前記正面板を前記内面板に係止し、前記折り返し片の先端部分が前記背面板に付勢状態で当接することにより、前記収納部内の収納物を前記折り返し片と前記背面板とで挟み込んで保持することができ、
箱本体における前記背面板の上辺には、折り部を介して前記収納部を吊支するための掛け止め用開口部を備えた吊支用フック板が収納部上下方向に回動可能にして連接されているとともに、前記背面板には、折り起こし可能なフック板倒し込み手段が切り込み形成さ
前記収納部の後方に向けて折り起こししたときの前記フック板倒し込み手段を、背面板の上辺から収納部後方に向けて倒した前記吊支用フック板に係脱可能に係止し、後方に傾倒する収納部を、該収納部後方への倒れ状態がフック倒し込み手段の前記係止により保持されている前記吊支用フック板が支持して、収納部下部と吊支用フック板との接地により収納部の自立状態が維持され、前記フック板倒し込み手段に対し非係止状態にして前記収納部の出し入れ口の上方に位置する吊支用フック板を、ドアノブなどの被掛け止め対象物に掛け止めしたときに、出し入れ口を上方に向けた前記収納部が吊支用フック板を介して前記被掛け止め対象物に吊支状態になる構成としたことを特徴とする収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来から小物商品を包装の形態で店頭陳列販売する際や、チラシなどの複数の枚葉物を簡易なケースなどに入れ、それを目立ち易い場所に配置して取り出しができるようにしたい場合などでは、容器やケースの上に孔やフックとなる形状部分を一体に設けた用具が利用される。さらに簡易的な構造とするために板紙を利用して構成されている用具も提案されている。例えば特許文献1に示されたホルダーがあって、このホルダーでは、対のスリットを板紙に入れてそこにポケットティシュやチラシを差し入れるようにするとともに、上部には係止孔やC字状のフックを設けており、ドアノブなどに吊り下げできるようにしたホルダーである。
【0002】
また、薄手の物品やチラシ、パンフレットなどの枚葉物を収容して縦置き状態で据え置くことができるようにしたホルダー形式の卓上用品も多く提案されており、背部に脚を添えて後方に傾倒した状態で自立する樹脂ケースに月ごとの枚葉紙をセットした卓上カレンダーなどがある。そして、収納部の部分を板紙で構成される用具としては、特許文献2に示されているように上面開放の収納部を板紙の組み起こしにより設けるとともに、背面板の一部を折り起こした脚にて後方に傾倒した状態で自立できるようにした紙葉類立てがあり、吊り下げをも行えるようにした工夫も合わせて示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−126279号公報
【特許文献2】実用新案登録第3181553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において示されている小物商品や枚葉物を吊り下げるホルダーは、ドアノブなどに掛け止めるフックを有するものであるので、ホルダーの全体形状が特徴的なものとなる。そのため吊り下げ使用時の視認性が良好であり、収納物へのアイキャッチ効果が良好であり、注意喚起を促す効果も十分に備えた用具である。また一方、このようなホルダーに収容する小物商品、チラシ、パンフレットなどに関しては収納物を利用する側や配布者側の要望によって卓上にて据え置くこともあるので、フックを備える収納用具に対して、上述した特許文献2において示されているような傾倒可能とする脚を備える構成とすることが、両方の利用形態に対応できる収納用の用具となると考えられる。
【0005】
しかしながら、両方の利用形態に対応できるようにフックと脚とする部材とを単に備えるようにしたものでは、これを卓上に据え置いて利用するときにフック部分が無用な部分であり、無駄な部分を備える用具となってしまい、さらに卓上用としてはその外観が奇異なものとなるという問題が生じる。そのため、一般的な構造では、吊り下げから卓上などへの据え置きタイプとして使用形態を変更する場合にフックの部分を切り取って使用するものがあるが、このような場合には、フックを切り取る手間を要するとともに、切り取り箇所が目に留まって美観を損ね易くなってしまうという不具合がある。
【0006】
そこで本発明は上記事情に鑑み、板紙の組み起こしによって得られる簡易な構造であって、上述したフックと脚とを単に備えた用具での不具合が生じない用具を開発することを課題とし、吊り下げおよび据え置きのいずれの使用形態でも利用できる収納箱を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、略板状とした箱本体が、背面板と、この背面板の両側辺に側面板を介して連接されて背面板の前方側に折り曲げられている対の内面板と、前記背面板の下辺に底面板を介して連接されて背面板の前方側に折り曲げられ、前記内面板に重ね合わせている正面板と、からなり、前記箱本体は前記背面板と正面板と底面板と側面板とで囲まれて上面に開口する出し入れ口を配した収納部を有
前記正面板の上辺の折り返し片を箱本体の内方にして斜め下方への折り曲げにより、前記正面板を前記内面板に係止し、前記折り返し片の先端部分が前記背面板に付勢状態で当接することにより、前記収納部内の収納物を前記折り返し片と前記背面板とで挟み込んで保持することができ、
箱本体における前記背面板の上辺には、折り部を介して前記収納部を吊支するための掛け止め用開口部を備えた吊支用フック板が収納部上下方向に回動可能にして連接されているとともに、前記背面板には、折り起こし可能なフック板倒し込み手段が切り込み形成さ
前記収納部の後方に向けて折り起こししたときの前記フック板倒し込み手段を、背面板の上辺から収納部後方に向けて倒した前記吊支用フック板に係脱可能に係止し、後方に傾倒する収納部を、該収納部後方への倒れ状態がフック倒し込み手段の前記係止により保持されている前記吊支用フック板が支持して、収納部下部と吊支用フック板との接地により収納部の自立状態が維持され、前記フック板倒し込み手段に対し非係止状態にして前記収納部の出し入れ口の上方に位置する吊支用フック板を、ドアノブなどの被掛け止め対象物に掛け止めしたときに、出し入れ口を上方に向けた前記収納部が吊支用フック板を介して前記被掛け止め対象物に吊支状態になる構成としたことを特徴とする収納箱を提供して、上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収納箱を吊り状態で使用する場合には、収納部の上に配した吊支用フック板を用いてこれをドアノブなどに掛ければよい。また、テーブル上などに据え置いて使用する場合には、吊支用フック板を収納部の後方に倒してこの吊支用フック板自体で後方から収納部を支える構成となるものとしており、収納部の上方に吊支用フック板が存在していないので、据え置き使用時のデザインが大きく損なわれることがないという効果を奏する。
【0009】
そして、吊り下げの使用形態から据え置きの使用形態に変更するに際して吊支用フック板を切り取らないので、上述した切り取りの手間がなく、また、切り取り部分が生じないので、収納箱を据え置きして使用しているときの美観が損なわれない。勿論、フック板倒し込み手段から吊支用フック板を外して起こすことで吊り下げして使用する形態に簡単に戻すこともでき、吊り下げ用と据え置き用との形態の変更を繰り返すことが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施の一例において吊支用フック板が起立した状態を斜視で示す説明図である。
図2】一例のブランクを示す説明図である。
図3】一例の吊支用フック板が起立した状態を図1A−A線での断面で示す説明図である。
図4】一例の吊支用フック板が起立した状態を上方からの平面で示す説明図である。
図5】一例の吊支用フック板を倒し込んだ状態を背部斜め上からの斜視で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図中1は吊り下げと据え置きとの何れの利用形態にも僅かな操作で変形して対応できる紙製の収納箱で、図1に示されているように収納箱1は外観形状を略板状とされている箱本体2と吊支用フック板3とが一体となっているものであり、一枚のブランク4を組み起こして形成されている箱である。
【0012】
(箱本体)
箱本体2は、背面板5と、この背面板5の両側辺に側面板6を介して連接されて背面板5の前方側に折り曲げられている一対の内面板7と、前記背面板5の下辺に底面板8を介して連接されて背面板5の前方側に折り曲げられて、前記内面板7に重ね合わされている正面板9とからなり、正面板9の上辺に折り部10を介して連接している折り返し片11を前記内面板7の上辺部分に掛け止めるようにして箱内方に折り込んでいる。図3参照
【0013】
(折り返し片)
折り返し片11を折り込むことで正面板9を内面板7それぞれに係止固定していて、これによって箱本体2では、図1図3に示すように背面板5と正面板9と底面板8と側面板6とで囲まれて上面に開口する出し入れ口12を配した収納部13が構成されている。折り返し片11自体は背面板5の内面に接するように斜め下方に傾斜しており、折り部10の位置で生じる折れに対する復元力によりその背面板5の内面に付勢状態で当接する。
【0014】
図2のブランク4で示すように背面板5と正面板9とを略正方形状である広面の部分とし、側面板6と底面板8とを狭面の部分としていて、箱本体2は薄い立板状の形状となり、背面板5の上辺と側面板6の上辺と正面板9の上辺との位置を開口縁高さとする出し入れ口12を通して上記収納部13へ、例えば薄い物品や複数枚のチラシなどである枚葉の収納物14を収納できるようにしている。そして、上記折り返し片11が背面板5側に付勢されているので、収納部13に入れた収納物14を折り返し片11と背面板5とで挟み込んで保持するようになり、抜き差しに際してや収納状態時に収納物14がガタつかないように図られている。図3図4参照(図2においては背面板5の外面が見える側のブランクが示されている)
【0015】
(中間折り部)
折り返し片11はブランク4で示されているように外縁を円弧状としているとともに、この折り返し片11には上記折り部10に直交する方向での長さのほぼ中央となる位置を通って前記折り部10と平行な中間折り部15がある。その中間折り部15の位置は背面板5側であって折り部10の高さ位置より十分に下位となる箇所に設定されている。そして折り返し片11は中間折り部15で下方に向けて(底面板8に向けて)折曲しており、中間折り部15から折り曲げられた自由端側の部分を板片状の下垂部16として有している。このように折り返し片11は前記中間折り部15にて折曲されているものであることから、箱本体2を組み起こす際に自由端側を背面板5に沿わせて先入れさせることができ、折り込み片11の出し入れ口12となる部分への差し込みがスムーズになる。
【0016】
さらに上記下垂部16は面として背面板5の内面に付勢状態で離接可能にして相対するものであり、この下垂部16が面として背面板5の内面側に、また収納部13に入れられている収納物14に面として摺接可能に相対する板片ともなる部分であるので、この点からも組み起こしに際して折り込み片11の出し入れ口12となる部分への差し込みがスムーズになり、そして以下に示すように収納物14の取り出しもスムーズになる。
【0017】
仮に折り返し片11が上記下垂部16を有しておらず、折り返し片11の端縁が直接的に収納物14に対して付勢状態で当接している場合には、収納物14を取り出すときにその収納物14に対し引っ掛かりを生じさせ、折り返し片11が引き起こされて出し入れ口12の上方へと抜け出る可能性がある。本実施の形態では、折り返し片11は、背面板5や収納物14に摺接する下垂部16を有していることから、収納部13で収納物14を出し入れするときもスムーズになる。従って、収納物14を取り出すときに折り返し片11が引き上げられることがなく、折り返し片11自体の背面板5側への付勢状態も安定するという効果がある。
【0018】
(吊支用フック板)
薄い略立板状の箱本体2における背面板5の上辺に折り部17を介して上記吊支用フック板3が連接されていて、本実施の形態における吊支用フック板3では、掛け止め用開口部18をこの吊支用フック板3における折り部17側とは反対側に位置させることで、収納部13の上方位置となるようにフック部19を上端部側に形成したものである。
【0019】
(吊り下げ)
このように本収納箱1では収納部13となる箱本体2とフックとする吊支用フック板3とが一体にして設けられているので、図1に示すごとく箱本体2を吊支用フック板3の下側にすることで、吊支用フック板3をドアノブなどの被掛け止め対象物に掛け止めて収納部13をその吊支用フック板3を介して吊支状態となるようにすることができる。
【0020】
(フック板倒し込み)
箱本体2における背面板5には板片状のフック板倒し込み手段20が切り込み形成されていて、底面板8側に位置する折り部21から収納部13の後方に向けて折り起こし可能に設けられている。そして、前記フック板倒し込み手段20は、収納箱1自体を卓上などの据え置き形態で使用するときに上記吊支用フック板3が収納部13の上方に突出することで収納箱1の外観を損なう不具合を解消するための働きを果たすものである。具体的には前記吊支用フック板3を背面板5の上辺位置の折り部17から収納部13後方に倒し、この収納部13後方に倒れた吊支用フック板3の倒れ状態を保持する。図5参照
【0021】
フック板倒し込み手段20の形状は図2のブランク4に示されているように基部である折り部18側から収納部高さ方向上方に向けてテーパー状に開く幅広の板片とされ、このフック板倒し込み手段20の上辺側の両端部それぞれには係止用の切り込み22が設けられている。
【0022】
吊支用フック板3の吊り機能を使用せずに、即ち吊り下げ状態とはせずに収納部13にチラシなどを出し入れできるようにした使い方をする場合には、上述したように収納部13の上方に飛び出る吊支用フック板3が収納箱1の外観を損ね易いので、この吊支用フック板3を折り部17から収納部13後方に折り倒すようにするとともに、上記フック板倒し込み手段20を背面板5から後方に向けて折り起こして、このフック板倒し込み手段20の上辺側を吊支用フック板3の掛け止め用開口部18に差し入れ、掛け止め用開口部18の開口縁をフック板倒し込み手段20の切り込み22に係止させる。
【0023】
切り込み22と被掛け止め対象物(ドアノブなど)を通す掛け止め用開口部18の開口縁との係止関係は、切り込み22に掛け止め用開口部18の開口縁を差し入れるという簡易なものであり、切り込み22は掛け止め用開口部18に係脱可能に係止するものである。
【0024】
収納部13の後方に倒し込まれた吊支用フック板3にフック板倒し込み手段20を係止させて吊支用フック板3の後方への倒れ状態が保持されることで、この収納箱1を正面板9側から見たときに吊支用フック板3を後方に隠れることとなり、収納箱1の外観が整ったものとなる。そして、収納部13は後方に傾倒する状態としているが、吊支用フック板3の収納部13後方への倒れ状態がフック板倒し込み手段20にて保持されており、後倒状態の収納部13を吊支用フック板3が支持して、収納部下部と吊支用フック板との接地により収納部の自立状態を維持できるようにしている。図3参照
【0025】
なお、吊支用フック板3をフック板倒し込み手段20から外してこのフック板倒し込み手段20に対し非係止状態にし、収納部13の出し入れ口12の上方に位置するように吊支用フック板3を戻すようにすれば、この吊支用フック板3を被掛け止め対象物に掛け止めることができる。
【0026】
符号23は正面板9に設けられた開口を示すもので、この開口23を通して収納部13の内外が連通しており、収納部13に収納した収納物14を目視できる。この開口23を介した内外の連通が妨げないようにするため、内面板7それぞれの開口23に対応する箇所が切り欠かれた形状としている。
【0027】
(正面板開口、上面開口、背面板開放口)
収納箱1では、収納部13に入れる収納物が、香気成分や消臭成分などを放つ芳香剤商品に代表される製品であっても、勿論構わないものである。そして、本収納箱1の折り返し片11では上述したように外縁を円弧状にしていて、出し入れ口12に折り込むことで折り返し片11の基部両端部側と側面板6との間に上面開口24が形成されて、この上面開口24を介しても内外が常時連通するように設けられている。
【0028】
このように収納部13は吊り下げの使用形態や吊支用フック板を倒し込んだ使用形態のいずれにおいても、出し入れ口12に閉鎖されることのない上面開口24が形成されているとともに、収納部13での正面板9に開口23も備えているので、収納部13に上記芳香剤製品からなる収納物14を入れることで、収納部13の上面(上面開口24)と正面板9(開口23)とから、香気成分や消臭成分を含む気体が良好に放出させることができる。
【0029】
さらに上記吊支用フック板3を収納部13の後方に倒し込むとともにフック板倒し込み手段17を背面板5から折り起こして、そのフック板倒し込み手段17で吊支用フック板3の倒し込みを維持する上記据え置きの使用形態では、背面板5にフック板倒し込み手段17の折り起こしによって開放口25が形成される。この開放口25は比較的面積の大きな開口部となって上記芳香剤製品などからなる収納物が開放口25を通して外部に晒されることとなるが、開放口25が収納部13の背部に位置していて前記収納物が目視し難くいとともに、背部側から収納箱1を手で支え持つなどの操作をしても、その背部側では吊支用フック板3が開放口25の手前に位置しているので、吊支用フック板3がガードとなって収納物に直接手が触れることがないという利点がある。
【符号の説明】
【0030】
1…収納箱
2…箱本体
3…吊支用フック板
5…背面板
9…正面板
10…正面板の上辺の折り部
11…折り返し片
13…収納部
17…背面板の上辺の折り部
18…掛け止め用開口部
19…フック部
20…フック板倒し込み手段
図1
図2
図3
図4
図5