特許第6409529号(P6409529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409529
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】ロータおよびロータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/30 20060101AFI20181015BHJP
   H02K 1/28 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   H02K1/30 A
   H02K1/28 A
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-240177(P2014-240177)
(22)【出願日】2014年11月27日
(65)【公開番号】特開2016-103882(P2016-103882A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】永井 義人
(72)【発明者】
【氏名】牛田 英晴
【審査官】 島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2011/114414(JP,A1)
【文献】 実開昭62−004850(JP,U)
【文献】 特開2007−014129(JP,A)
【文献】 特開昭58−107035(JP,A)
【文献】 特開平10−257723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/30
H02K 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸線回りに回転されるとともに、複数の電磁鋼板が前記回転軸線の延びる方向である軸方向に積層されることにより形成され、回転中心に貫通孔を有するロータコアと、
前記ロータコアの前記貫通孔に取り付けられた回転伝達部材と、
前記ロータコアの軸方向の端部に設けられ、前記ロータコアの前記貫通孔の内周面と前記回転伝達部材の外周面とが互いに溶接されたコア伝達部材溶接部と、を備え、
前記ロータコアは、前記ロータコアの前記内周面に軸方向に延びるように設けられ、前記複数の電磁鋼板同士が軸方向に沿って溶接されたコア溶接部と、前記ロータコアの前記内周面において前記コア溶接部の軸方向の端部から前記ロータコアの軸方向のコア端面にわたって設けられ、前記コア溶接部よりも溶接が抑制された溶接抑制部とを含み、
前記コア伝達部材溶接部の前記コア端面からの軸方向の溶接深さは、前記溶接抑制部の前記コア端面からの軸方向の長さ以上である、ロータ。
【請求項2】
前記溶接抑制部は、軸方向に直交する面で切断した断面において、前記溶接抑制部の溶接断面積を前記コア溶接部の溶接断面積よりも小さくすることにより、溶接の抑制を行うように構成されている、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記溶接抑制部は、前記コア溶接部の軸方向の端部から前記コア端面に向かって溶接深さが徐々に減少された溶接スロープ部、または、前記コア溶接部の軸方向の端部側から前記コア端面にわたって設けられた溶接されていないコア未溶接部の少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載のロータ。
【請求項4】
前記溶接抑制部は、前記コア溶接部の軸方向の端部から前記コア端面に向かって溶接深さが徐々に減少された前記溶接スロープ部と、前記溶接スロープ部の軸方向の端部から前記コア端面にわたって設けられる溶接されていないコア未溶接部とを含み、
前記ロータコアの軸方向の端部において、前記コア伝達部材溶接部の前記コア端面からの軸方向の溶接深さは、前記溶接スロープ部と前記コア未溶接部とを含む前記溶接抑制部の前記コア端面からの軸方向の長さ以上である、請求項3に記載のロータ。
【請求項5】
前記コア伝達部材溶接部および前記溶接抑制部は、前記ロータコアの軸方向の両方の端部に設けられており、
前記ロータコアの軸方向の両方の端部において、前記コア伝達部材溶接部の前記コア端面からの軸方向の溶接深さは、前記溶接抑制部の前記コア端面からの軸方向の長さ以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項6】
前記コア溶接部は、前記ロータコアの前記内周面において周方向に所定の角度間隔を隔てた複数の箇所において軸方向に延びるように設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項7】
前記コア伝達部材溶接部は、前記ロータコアの軸方向の端部において、前記ロータコアの前記貫通孔の内周面に沿って周状に設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項8】
前記コア伝達部材溶接部の前記コア端面からの軸方向の溶接深さは、前記コア溶接部の前記ロータコアの半径方向の溶接深さよりも大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項9】
前記回転伝達部材は、回転軸、または、前記回転軸が取り付けられるハブ部材のいずれか一方を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のロータ。
【請求項10】
回転軸線回りに回転されるとともに、複数の電磁鋼板が回転軸線の延びる方向である軸方向に積層されることにより形成され、回転中心に貫通孔を有するロータコアと、
前記ロータコアの前記貫通孔に取り付けられた回転伝達部材とを備えたロータの製造方法であって、
前記ロータコアの内周面において、積層された前記複数の電磁鋼板同士を軸方向に沿って溶接することにより、軸方向に延びるコア溶接部を形成するとともに、前記ロータコアの前記内周面において前記コア溶接部の軸方向の端部から前記ロータコアの軸方向のコア端面にわたって、前記コア溶接部よりも溶接が抑制された溶接抑制部を形成する工程と、
その後、前記ロータコアの前記貫通孔に前記回転伝達部材を挿入する工程と、
前記ロータコアの軸方向の端部において、前記ロータコアの内周面と、前記貫通孔に挿入された前記回転伝達部材の外周面とを、前記溶接抑制部の前記コア端面からの軸方向の長さ以上の前記コア端面からの軸方向の溶接深さで互いに溶接することにより、コア伝達部材溶接部を形成する工程と、を備えた、ロータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータおよびロータの製造方法に関し、特に、複数の電磁鋼板同士が軸方向に沿って溶接されたコア溶接部を備えるロータおよびロータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電磁鋼板同士が軸方向に沿って溶接されたコア溶接部を備えるロータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ロータとステータとを備える回転電機が開示されている。このロータのロータコアは、複数の電磁鋼板により構成されている。また、ロータコアの中央部には、回転シャフトを挿入するための貫通孔が設けられている。そして、ロータコアの貫通孔の内周面を軸方向に沿って溶接することにより、複数の電磁鋼板同士が溶接されてコア溶接部が形成される。また、このコア溶接部は、ロータコアの貫通孔の内周面の軸方向の一方端から他方端にわたって略同じ溶接深さで溶接されている。
【0004】
ここで、上記特許文献1に記載のロータ(ロータコア)では、コア溶接部が軸方向の一方端から他方端にわたって略同じ溶接深さで溶接されているため、貫通孔の軸方向の端部では溶接の熱が外部に逃げにくいことに起因して、溶接時にロータコアの端部の温度が急激に上昇する。このため、ロータコアの端部においてスパッタ(溶融金属の飛散)が発生する場合や端部が破損する場合があるので、ロータコアの端部における溶接品質が不安定になるという不都合がある。
【0005】
また、従来では、上記のような不都合を解消するため、ロータコアの端部近傍において溶接熱源の出力を弱めるように溶接することが行なわれている。このようにロータコアの端部近傍において溶接熱源の出力を弱めることにより、ロータコアの端部の急激な温度上昇が抑制されるので、ロータコアの端部におけるスパッタの発生や端部の破損が抑制されて溶接品質の安定化を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−154436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように、ロータコアの端部近傍において溶接熱源の出力を弱めた場合には、ロータコアの端部における溶接品質の安定化を図ることが可能となる一方、ロータコアの端部近傍における溶接深さが小さくなるため、ロータコアの端部近傍の接合強度が低下するという問題点がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ロータコアの端部における溶接品質の安定化を図りながら、ロータコアの接合強度を確保することが可能なロータおよびロータの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるロータは、回転軸線回りに回転されるとともに、複数の電磁鋼板が回転軸線の延びる方向である軸方向に積層されることにより形成され、回転中心に貫通孔を有するロータコアと、ロータコアの貫通孔に取り付けられた回転伝達部材と、ロータコアの軸方向の端部に設けられ、ロータコアの貫通孔の内周面と回転伝達部材の外周面とが互いに溶接されたコア伝達部材溶接部と、を備え、ロータコアは、ロータコアの内周面に軸方向に延びるように設けられ、複数の電磁鋼板同士が軸方向に沿って溶接されたコア溶接部と、ロータコアの内周面においてコア溶接部の軸方向の端部からロータコアの軸方向のコア端面にわたって設けられ、コア溶接部よりも溶接が抑制された溶接抑制部とを含み、コア伝達部材溶接部のコア端面からの軸方向の溶接深さは、溶接抑制部のコア端面からの軸方向の長さ以上である。
【0010】
この発明の第1の局面によるロータでは、上記のように、コア溶接部の軸方向の端部からロータコアの軸方向のコア端面にわたって設けられ、コア溶接部よりも溶接が抑制された溶接抑制部を含むようにロータコアを構成する。これにより、ロータコアの軸方向の端部側に設けられる溶接抑制部において溶接が抑制されるので、溶接時に端部の温度が急激に上昇するのが抑制される。その結果、溶接時のロータコアの端部におけるスパッタの発生や破損を抑制することができるので、ロータコアの端部における溶接品質の安定化を図ることができる。また、コア伝達部材溶接部のコア端面からの軸方向の溶接深さを、溶接抑制部のコア端面からの軸方向の長さ以上にすることによって、溶接抑制部を設けたことに起因して低下したロータコアの接合強度を、コア伝達部材溶接部により補填することができる。これにより、ロータコアの接合強度の低下を抑制することができる。これらによって、本発明では、ロータコアの端部における溶接品質の安定化を図りながら、ロータコアの接合強度を確保することができる。
【0011】
この発明の第2の局面におけるロータの製造方法は、回転軸線回りに回転されるとともに、複数の電磁鋼板が回転軸線の延びる方向である軸方向に積層されることにより形成され、回転中心に貫通孔を有するロータコアと、ロータコアの貫通孔に取り付けられた回転伝達部材とを備えたロータの製造方法であって、ロータコアの内周面において、積層された複数の電磁鋼板同士を軸方向に沿って溶接することにより、軸方向に延びるコア溶接部を形成するとともに、ロータコアの内周面においてコア溶接部の軸方向の端部からロータコアの軸方向のコア端面にわたって、コア溶接部よりも溶接が抑制された溶接抑制部を形成する工程と、その後、ロータコアの貫通孔に回転伝達部材を挿入する工程と、ロータコアの軸方向の端部において、ロータコアの内周面と、貫通孔に挿入された回転伝達部材の外周面とを、溶接抑制部のコア端面からの軸方向の長さ以上のコア端面からの軸方向の溶接深さで互いに溶接することにより、コア伝達部材溶接部を形成する工程と、を備える。
【0012】
この発明の第2の局面によるロータの製造方法では、上記のように、コア溶接部の軸方向の端部からロータコアの軸方向のコア端面にわたって、コア溶接部よりも溶接が抑制された溶接抑制部を形成する工程を備える。これにより、ロータコアの軸方向の端部側に設けられる溶接抑制部において溶接が抑制されるので、溶接時に端部の温度が急激に上昇するのが抑制される。その結果、溶接時のロータコアの端部におけるスパッタの発生や破損を抑制することができるので、ロータコアの端部における溶接品質の安定化を図ることができる。また、ロータコアの軸方向の端部において、ロータコアの内周面と、貫通孔に挿入された回転伝達部材の外周面とを、溶接抑制部のコア端面からの軸方向の長さ以上のコア端面からの軸方向の溶接深さで互いに溶接することにより、コア伝達部材溶接部を形成する工程を備える。その結果、溶接抑制部を設けたことに起因して低下したロータコアの接合強度を、コア伝達部材溶接部により補填することができる。これにより、ロータコアの接合強度の低下を抑制することができる。これらによって、本発明では、ロータコアの端部における溶接品質の安定化を図りながら、ロータコアの接合強度を確保することが可能なロータの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上記のように、ロータコアの端部における溶接品質の安定化を図りながら、ロータコアの接合強度を確保することが可能なロータおよびロータの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態による回転電機の断面図である。
図2】本発明の第1実施形態によるロータの軸方向(Z1方向側)から見た正面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4図2の200−200線に沿った拡大断面図である。
図5】ロータコアの内周面にコア溶接部および溶接抑制部を形成する工程を説明するための断面図である。
図6】ロータコアの貫通孔にハブ部材を挿入する工程を説明するための断面図である。
図7】ハブ部材溶接部を形成する工程を説明するための断面図である。
図8】本発明の第2実施形態による回転電機のロータの断面図である。
図9参考例によるロータの断面図である。
図10】本発明の第1および第2実施形態の変形例による回転電機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(第1実施形態)
[回転電機(ロータ)の構造]
図1図4を参照して、まず、第1実施形態による回転電機100の構造について説明する。
【0017】
図1および図2に示すように、回転電機100は、ステータ10とロータ20とを備えている。
【0018】
ステータ10は、ステータコア11と、ステータコア11に巻回される巻線12とを備えている。
【0019】
ロータ20は、ロータコア21を備えている。ロータコア21は、回転軸線回りに回転されるとともに、複数の電磁鋼板22が回転軸線の延びる方向である軸方向(Z方向)に積層されることにより形成されている。また、ロータコア21には、回転中心に貫通孔21aが設けられている。また、ロータコア21の貫通孔21aには、ハブ部材23が取り付けられている。なお、ハブ部材23は、本発明の「回転伝達部材」の一例である。また、ハブ部材23には、回転軸24が取り付けられている。また、ステータコア11とロータコア21とは、互いに対向するように配置されている。
【0020】
また、図1図4に示すように、ロータコア21には、永久磁石30が挿入される挿入孔21bが設けられている。挿入孔21bは、周方向に沿って複数設けられている。また、挿入孔21bは、ロータコア21のZ1方向側のコア端面21cからZ2方向側のコア端面21dまで貫通して延びるように形成されている。
【0021】
ロータコア21の内周面21fには、軸方向から見て、ロータコア21の半径方向の外側に窪んだU字形状の溝部21eが設けられている。溝部21eは、軸方向に沿って、ロータコア21のZ1方向側のコア端面21cからZ2方向側のコア端面21dまで延びるように形成されている。また、溝部21eは、周方向に45度の等角度間隔で8箇所設けられている。
【0022】
また、図3および図4に示すように、ロータコア21の内周面21fには、コア溶接部25が設けられている。コア溶接部25は、ロータコア21の内周面21fのU字形状の溝部21eの底部に軸方向に延びるように設けられている。また、コア溶接部25は、複数の電磁鋼板22同士を軸方向(積層方向)に沿って溶接することにより形成されている。
【0023】
また、図4に示すように、コア溶接部25は、ロータコア21の半径方向(X方向)に溶接深さd1を有する。なお、コア溶接部25の溶接深さd1は、軸方向に沿って略一定で変化しない。また、コア溶接部25は、軸方向の長さL1を有する。
【0024】
また、第1実施形態では、図2および図3に示すように、コア溶接部25は、ロータコア21の内周面21fにおいて周方向に所定の角度間隔を隔てた複数の箇所において設けられている。具体的には、コア溶接部25は、周方向に互いに45度の等角度間隔で8箇所設けられた溝部21eの各々に設けられている。
【0025】
また、図4に示すように、ロータコア21には、溶接抑制部26が設けられている。溶接抑制部26は、コア溶接部25の軸方向の端部25a(25b)からロータコア21の軸方向のコア端面21c(21d)にわたって設けられている。すなわち、溶接抑制部26は、ロータコア21の軸方向の両方(Z1方向およびZ2方向)の端部に形成されている。溶接抑制部26は、コア溶接部25よりも溶接が抑制されることにより形成されている。なお、溶接の抑制は、溶接量を抑制することにより行われている。すなわち、溶接抑制部26は、軸方向に直交する面で切断した断面において、溶接抑制部26の溶接断面積をコア溶接部25の溶接断面積よりも小さくすることにより、溶接の抑制が行われている。また、溶接抑制部26は、周方向に互いに45度の等角度間隔で8箇所設けられた溝部21e(図2参照)の各々に設けられている。
【0026】
詳細には、溶接抑制部26は、溶接スロープ部27と溶接されていないコア未溶接部28とを含んでいる。溶接スロープ部27は、コア溶接部25の軸方向の端部25a(25b)からコア端面21c(21d)に向かって半径方向の溶接深さd2が徐々に減少されることにより形成されている。すなわち、溶接スロープ部27の溶接深さd2は、コア溶接部25の溶接深さd1と等しい溶接深さから徐々に小さくなり、最終的には0になる(0≦d2≦d1)。
【0027】
また、溶接されていないコア未溶接部28は、溶接スロープ部27の軸方向の外側の端部271(272)からコア端面21c(21d)にわたって設けられている。
【0028】
また、図4に示すように、ロータコア21の軸方向の両方(Z1方向およびZ2方向)の端部21gおよび21hには、ハブ部材溶接部29が設けられている。なお、ハブ部材溶接部29は、本発明の「コア伝達部材溶接部」の一例である。ハブ部材溶接部29は、ロータコア21の貫通孔21aの内周面21fとハブ部材23の外周面23aとを互いに溶接することにより形成されている。また、ハブ部材溶接部29は、コア端面21c(21d)から軸方向に溶接深さd3を有する。
【0029】
また、第1実施形態では、図2に示すように、ハブ部材溶接部29は、ロータコア21の軸方向の端部21g(21h)において、ロータコア21の貫通孔21aの内周面21fに沿って周状に設けられている。すなわち、ハブ部材溶接部29は、軸方向から見て、貫通孔21aの内周面21fの略全周と、ハブ部材23の外周面23aの略全周とを溶接している。なお、貫通孔21aの内周面21fのうち、溝部21eが設けられる部分は、図3に示すように、ハブ部材23と溶接されない。
【0030】
ここで、第1実施形態では、図4に示すように、ハブ部材溶接部29のコア端面21c(21d)からの軸方向の溶接深さd3は、溶接抑制部26のコア端面21c(21d)からの軸方向の長さL2よりも大きい(d3>L2)。すなわち、溶接深さd3は、溶接スロープ部27の軸方向の長さL3とコア未溶接部28の軸方向の長さL4との合計の長さL2よりも大きい(d3>L2=L3+L4)。
【0031】
また、第1実施形態では、ハブ部材溶接部29のコア端面21c(21d)からの軸方向の溶接深さd3は、コア溶接部25のロータコアの半径方向(X方向)の溶接深さd1よりも大きい(d3>d1)。
【0032】
[コア溶接部の溶接断面積]
次に、コア溶接部25の1箇所当たりの溶接断面積S(コア溶接部25を半径方向に切断した際の断面積)の設定方法について説明する。コア溶接部25の溶接断面積Sは、コア溶接部25にかかるせん断応力(=コア溶接部25にかかるせん断荷重/コア溶接部25の全体の接合面積)が、電磁鋼板22の降伏応力よりも小さくなるように設定される。ここで、コア溶接部25の全体の接合面積は、溶接断面積Sに接合箇所(ロータコア21の軸方向の両側分)の合計の数を乗算することにより求められる。また、降伏応力とは、電磁鋼板22に負荷を加えて変形させた場合において、弾性変形から塑性変形に変化する時の応力を意味する。
【0033】
[ハブ部材溶接部の溶接深さの最小値]
次に、ハブ部材溶接部29の溶接深さd3の最小値について説明する。ハブ部材溶接部29の溶接深さd3は、ハブ部材溶接部29にかかるせん断応力(=ハブ部材溶接部29にかかるせん断荷重/ハブ部材溶接部29の全体の接合面積)が、電磁鋼板22の降伏応力よりも小さくなるような大きさに設定される。この場合、ハブ部材溶接部29の全体の接合面積は、溶接深さd3に接合箇所の長さ(ロータコア21の軸方向の両側分)を乗算することにより求められる。つまり、ハブ部材溶接部29にかかるせん断応力は、溶接深さd3に反比例するので、ハブ部材溶接部29にかかるせん断応力を電磁鋼板22の降伏応力よりも小さくするためには溶接深さd3を所定の値(最小値)よりも大きくする必要がある。すなわち、第1実施形態では、ハブ部材溶接部29の溶接深さd3を、溶接抑制部26のコア端面21c(21d)からの軸方向の長さL2よりも大きく、かつ、ハブ部材溶接部29にかかるせん断応力が電磁鋼板22の降伏応力よりも小さくなるような大きさに設定する。
【0034】
[ロータの製造方法]
次に、図5図7を参照して、第1実施形態によるロータ20の製造方法について説明する。
【0035】
まず、図5および図6に示すように、複数の電磁鋼板22が軸方向に積層されることにより形成されたロータコア21の内周面21fに、コア未溶接部28およびコア溶接部25を形成する。この場合の溶接工法としては、たとえば、高エネルギービーム溶接(レーザ、電子ビームなど)や、TIG溶接(Tungsten Inert GasArc Welding)が望ましい。詳細には、まず、Z1方向側のコア未溶接部28を設けるために、溶接は、Z1方向側のコア端面21cからコア未溶接部28の軸方向の長さL4分、ロータコア21の軸方向の中心にずれた位置から開始される。これにより、Z1方向側のコア未溶接部28(図6参照)が設けられる。
【0036】
Z1方向側のコア未溶接部28を設けた後、溶接熱源の出力を徐々に大きくしながら軸方向の中心に向かって溶接を行うことにより、溶接深さが徐々に大きくなるように、Z1方向側の溶接スロープ部27が形成される。Z1方向側の溶接スロープ部27は、軸方向の長さL3を有するように形成される。その後、溶接熱源の出力を一定にした状態で、Z2方向側に向かって溶接を行うことにより、コア溶接部25が形成される。コア溶接部25は、軸方向の長さL1を有するように形成される。さらに、溶接熱源の出力を徐々に小さくしながらZ2方向側のコア端面21dに向かって溶接を行うことにより、Z2方向側の溶接スロープ部27が形成される。Z2方向側の溶接スロープ部27は、軸方向の長さL3を有するように形成される。その後、Z2方向側のコア端面21dからZ1方向側に向かって長さL4の位置において、溶接が終了される。これにより、Z2方向側のコア未溶接部28が設けられる。これらによって、コア溶接部25の軸方向の両方(Z1方向およびZ2方向)の端部25aおよび25b(図4参照)からロータコア21の軸方向のコア端面21cおよび21dにわたって、溶接抑制部26が形成される。
【0037】
次に、図6に示すように、ロータコア21の貫通孔21aにハブ部材23を挿入する。
【0038】
この後、図7に示すように、ロータコア21の軸方向の両方(Z1方向およびZ2方向)の端部21gおよび21hにおいて、ロータコア21の内周面21fと、貫通孔21aに挿入されたハブ部材23の外周面23aとを、高エネルギービーム(レーザ、電子ビームなど)などにより溶接する。これにより、ハブ部材溶接部29が形成される。なお、ロータコア21の内周面21fと、ハブ部材23の外周面23aとは、ハブ部材溶接部29のコア端面21c(21d)からの軸方向の溶接深さd3を、溶接抑制部26のコア端面21c(21d)からの軸方向の長さL2(図4参照)よりも大きく、かつ、ハブ部材溶接部29にかかるせん断応力が電磁鋼板22の降伏応力よりも小さくなるような大きさに設定して互いに溶接される。また、この溶接は、ロータコア21およびハブ部材23を軸回りに回転させながら行われ、ロータコア21の内周面21fとハブ部材23の外周面23aとの略全周が溶接される。これにより、ロータ20が完成する。
【0039】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0040】
第1実施形態では、上記のように、コア溶接部25の軸方向の端部25a(25b)からロータコア21の軸方向のコア端面21c(21d)にわたって設けられ、コア溶接部25よりも溶接が抑制された溶接抑制部26を含むようにロータコア21を構成する。これにより、ロータコア21の軸方向の端部21g(21h)側に設けられる溶接抑制部26において溶接が抑制されるので、溶接時に端部21g(21h)の温度が急激に上昇するのが抑制される。その結果、溶接時のロータコア21の端部21g(21h)におけるスパッタの発生や破損を抑制することができるので、ロータコア21の端部21g(21h)における溶接品質の安定化を図ることができる。また、ハブ部材溶接部29のコア端面21c(21d)からの軸方向の溶接深さd3を、溶接抑制部26のコア端面21c(21d)からの軸方向の長さL2よりも大きくすることによって、溶接抑制部26を設けたことに起因して低下したロータコア21の接合強度を、ハブ部材溶接部29により補填することができる。これにより、ロータコア21の接合強度の低下を抑制することができる。これらによって、第1実施形態では、ロータコア21の端部21g(21h)における溶接品質の安定化を図りながら、ロータコア21の接合強度を確保することができる。
【0041】
また、第1実施形態では、上記のように、溶接抑制部26は、軸方向に直交する面で切断した断面において、溶接抑制部26の溶接断面積をコア溶接部25の溶接断面積よりも小さくすることにより、溶接の抑制を行うように構成する。これにより、コア溶接部25に比べて溶接断面積の小さい溶接抑制部26におけるロータコア21への溶接の影響を小さくすることができるので、溶接時のスパッタの発生などを抑制することができる。
【0042】
また、第1実施形態では、上記のように、ハブ部材溶接部29および溶接抑制部26を、ロータコア21の軸方向の両方(Z1方向およびZ2方向)の端部21g(21h)に設けて、ロータコア21の軸方向の両方の端部21g(21h)において、ハブ部材溶接部29のコア端面21c(21d)からの軸方向の溶接深さd3を、溶接抑制部26のコア端面21c(21d)からの軸方向の長さL2よりも大きくする。これにより、ロータコア21の軸方向の両方の端部21g(21h)において、ロータコア21の溶接品質の安定化を図りながら、ロータコア21の接合強度を確保することができるので、ロータコア21の端部21g(21h)における溶接品質の安定化およびロータコア21の接合強度の確保をより十分に図ることができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、コア溶接部25を、ロータコア21の内周面21fにおいて周方向に45度の等角度間隔を隔てた複数の箇所(8箇所)において軸方向に延びるように設ける。これにより、単一のコア溶接部25を設ける場合と比べて、ロータコア21の接合強度をより高めることができる。また、コア溶接部25を、ロータコア21の内周面21fにおいて周方向に等角度間隔を隔てて設けることにより、コア溶接部25が周方向に沿ってバランスよく配置されるので、ロータコア21をバランスよく回転させることができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、ハブ部材溶接部29を、ロータコア21の軸方向の端部21g(21h)において、ロータコア21の貫通孔21aの内周面21fに沿って周状に設ける。これにより、ハブ部材溶接部29がロータコア21の貫通孔21aの内周面21fに局所的に設けられている場合と異なり、ロータコア21とハブ部材23との接合強度を高めることができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、コア溶接部25の軸方向の端部25a(25b)からコア端面21c(21d)に向かって溶接深さd2が徐々に減少された溶接スロープ部27と、溶接スロープ部27の軸方向の端部271(272)からコア端面21c(21d)にわたって設けられた溶接されていないコア未溶接部28とを含むように溶接抑制部26を構成する。これにより、溶接スロープ部27では溶接のためのレーザなどの照射が弱められ、コア未溶接部28では溶接のためのレーザなどの照射が停止されるので、ロータコア21の軸方向の端部21g(21h)において、溶接による温度上昇を抑制することができる。その結果、溶接時のロータコア21の端部21g(21h)におけるスパッタの発生や端部21g(21h)の破損を抑制することができる。また、コア未溶接部28では、溶接のためのレーザなどの照射が停止されるので、ロータコア21の外部にレーザなどが照射されるのを抑制することができる。また、コア端面21c(21d)側にコア未溶接部28が設けられることにより、ロータコア21の外部に溶接のためのレーザなどが照射されるのを抑制しながら、コア未溶接部28のコア端面21c(21d)とは反対側に溶接スロープ部27が設けられることにより、溶接抑制部26をコア未溶接部28のみにより構成する場合よりもロータコア21の接合強度を高めることができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、ハブ部材溶接部29のコア端面21c(21d)からの軸方向の溶接深さd3を、コア溶接部25のロータコア21の半径方向の溶接深さd1よりも大きくする。これにより、ハブ部材溶接部29の溶接深さd3が大きい分、溶接抑制部26において溶接が抑制されることに起因して低下しているロータコア21の接合強度を十分に補填することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、ロータコア21の貫通孔21aにハブ部材23を取り付ける。これにより、ハブ部材23の外周面23aとロータコア21の貫通孔21aの内周面21fとが直接溶接されるので、ロータコア21の回転を確実にハブ部材23に伝達することができる。
【0048】
(第2実施形態)
[回転電機のロータの構造]
次に、図8を参照して、第2実施形態による回転電機100aのロータ40の構造について説明する。第2実施形態では、上記溶接抑制部26(図4参照)にコア未溶接部28が設けられていた第1実施形態と異なり、溶接抑制部43にコア未溶接部が設けられていない。
【0049】
図8に示すように、ロータコア41の内周面41aのうちの溝部41bには、コア溶接部42が設けられている。コア溶接部42は、ロータコア41の内周面41aに軸方向に延びるように設けられている。また、コア溶接部42は、ロータコア41の半径方向(X方向)に溶接深さd4を有する。
【0050】
また、ロータコア41の内周面41aには、コア溶接部42の軸方向(Z1方向)の端部42aからロータコア41の軸方向のコア端面41cにわたって、Z1方向側の溶接抑制部43が設けられている。Z1方向側の溶接抑制部43は、溶接スロープ部のみから構成されており、コア溶接部42の軸方向の端部42aからコア端面41cまで溶接深さd5が徐々に減少されることにより形成されている。すなわち、溶接深さd5は、コア溶接部42のロータコア41の半径方向の溶接深さd4と等しい溶接深さから徐々に小さくなり、最終的には0になる(0≦d5≦d4)。また、溶接抑制部43は、コア端面41cから軸方向に長さL5を有する。また、ロータコア41の内周面41aには、コア溶接部42の軸方向(Z2方向)の端部42bからロータコア41の軸方向のコア端面41dにわたって、Z2方向側の溶接抑制部43が設けられている。そして、ロータコア41の軸方向の両方(Z1方向およびZ2方向)の端部41eおよび41fにおいて、ハブ部材溶接部44のコア端面41c(41d)からの軸方向の溶接深さd6は、溶接抑制部43のコア端面41c(41d)からの軸方向の長さL5よりも大きい(d6>L5)。なお、ハブ部材溶接部44は、本発明の「コア伝達部材溶接部」の一例である。
【0051】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0052】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、上記のように、溶接抑制部43にコア未溶接部を設けずに、溶接抑制部43を溶接スロープ部により構成することによって、複数の電磁鋼板22が軸方向の一方端から他方端まで溶接されるので、ロータコア41の接合強度をより高めることができる。
【0053】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0054】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0055】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ロータコアの軸方向の端部において、ハブ部材溶接部のコア端面からの軸方向の溶接深さが、溶接抑制部のコア端面からの軸方向の長さよりも大きい例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ハブ部材溶接部のコア端面からの軸方向の溶接深さが、溶接抑制部のコア端面からの軸方向の長さ以上(溶接深さと長さとが同じ場合も含む)であればよい。
【0056】
また、上記第1実施形態では、コア未溶接部および溶接スロープ部により溶接抑制部を構成し、第2実施形態では、溶接スロープ部のみにより溶接抑制部を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、溶接スロープ部を設けずにコア未溶接部のみにより溶接抑制部を構成してもよい。この場合、ハブ部材溶接部のコア端面からの軸方向の溶接深さは、コア未溶接部のコア端面からの軸方向の長さ以上に設定される。
【0057】
また、上記第1実施形態では、コア未溶接部および溶接スロープ部により構成された溶接抑制部がロータコアの軸方向の両方の端部に設けられ、第2実施形態では、溶接スロープ部のみにより構成された溶接抑制部がロータコアの軸方向の両方の端部に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータコアの軸方向の一方の端部の溶接抑制部をコア未溶接部および溶接スロープ部により構成し、他方の端部の溶接抑制部を溶接スロープ部のみにより構成してもよい。
【0058】
また、上記第1および第2実施形態では、溶接抑制部がロータコアの軸方向の両方の端部に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、溶接抑制部をロータコアの軸方向の一方の端部にのみ設けてもよい。
【0059】
また、上記第1および第2実施形態では、コア溶接部がロータコアの内周面において周方向に45度の等角度間隔を隔てて8箇所設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、コア溶接部をロータコアの内周面に8箇所以外の数の箇所に等角度間隔または等角度間隔以外の間隔で設けてもよい。
【0060】
また、上記第1および第2実施形態では、ハブ部材溶接部が、ロータコアの軸方向の端部において、ロータコアの貫通孔の内周面の略全周にわたって設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータコアの所望の接合強度が維持できるのであれば、ハブ部材溶接部を貫通孔の内周面に局所的に設けてもよい。
【0061】
また、上記第1および第2実施形態では、コア溶接部がロータコアの内周面に設けられている例を示した図9に示す参考例のロータ50では、コア溶接部52および溶接抑制部53ロータコア51の外周面51aに設けられている。なお、この場合も、図示しないハブ部材溶接部の溶接深さを溶接抑制部53の軸方向(Z方向)の長さ以上に設定する。
【0062】
また、上記第1および第2実施形態では、ロータコアの貫通孔にハブ部材が取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図10に示す変形例のロータ60に示すように、ロータコア61の貫通孔61aに回転軸62を取り付けてもよい。この場合、ロータコア61の内周面61bにコア溶接部63および溶接抑制部64が設けられるとともに、ロータコア61の内周面61bと回転軸62の外周面62aとが互いに溶接されて、回転軸溶接部65が形成される。なお、回転軸62は、本発明の「回転伝達部材」の一例である。また、回転軸溶接部65は、本発明の「コア伝達部材溶接部」の一例である。
【0063】
ここで、図10に示した変形例では、回転軸溶接部65のコア端面61c(61d)からの軸方向の溶接深さd7は、溶接抑制部64のコア端面61c(61d)からの軸方向(Z方向)の長さL6以上の大きさを有する(d7≧L6)。
【0064】
また、上記第1および第2実施形態では、ハブ部材溶接部およびコア溶接部の溶接工法として、高エネルギービーム溶接やTIG溶接を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、高エネルギービーム溶接やTIG溶接以外の溶接工法を用いてもよい。
【0065】
また、上記第1および第2実施形態では、溶接熱源の出力(ビームの出力)を小さくすることにより、溶接スロープ部を形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、溶接ビームの焦点をずらすことにより、溶接スロープ部を形成してもよい。
【符号の説明】
【0066】
11 ステータコア
20、40、60 ロータ
21、41、61 ロータコア
21a、61a 貫通孔
21c、21d、41c、41d、61c、61d コア端面
21f、41a、61b 内周面
21g、21h、41e、41f 端部
22 電磁鋼板
23 ハブ部材(回転伝達部材)
23a 外周面
25、42、63 コア溶接部
25a、25b、42a、42b 端部
26、43、64 溶接抑制部
27 溶接スロープ部
28 コア未溶接部
29、44 ハブ部材溶接部(コア伝達部材溶接部
2 回転軸(回転伝達部材)
62a 外周面
65 回転軸溶接部(コア伝達部材溶接部)
271、272 端部
d1、d4 (コア溶接部の)溶接深さ
d3、d6(ハブ部材溶接部の)溶接深さ
d7 (回転軸溶接部の)溶接深さ
L2、L5、L6 (溶接抑制部の)長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10