(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409533
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】充電口機構
(51)【国際特許分類】
H01R 13/713 20060101AFI20181015BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20181015BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20181015BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
H01R13/713
H01R13/52 302C
B60L11/18 C
B60R16/02 660A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-243985(P2014-243985)
(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公開番号】特開2016-110700(P2016-110700A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167380
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100187827
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 雅則
(72)【発明者】
【氏名】仲儀 豊
【審査官】
山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−087759(JP,A)
【文献】
特開2012−034543(JP,A)
【文献】
特開2009−027851(JP,A)
【文献】
特開2014−217094(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0159317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/713
B60L 11/18
B60R 16/02
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体に形成された凹部と、
前記凹部内に形成された充電口と、
前記充電口を開閉自在に閉じる充電口キャップと、
前記凹部を開閉自在に閉じる充電口リッドと、
前記充電リッドを開閉駆動するアクチュエータと、
前記充電口キャップが開放状態のとき、前記充電口リッドが所定角度でロックされるよう前記アクチュエータを制御する制御手段と、
を備えた充電口機構。
【請求項2】
前記充電口キャップを前記充電口に対して開閉自在に回動させるキャップヒンジと、
前記充電口リッドを前記凹部に対して開閉自在に回動させるリッドヒンジと、
をさらに備え、前記キャップヒンジと前記リッドヒンジが、前記充電口に対し反対側の位置に設けられている請求項1に記載の充電口機構。
【請求項3】
前記制御手段は、前記充電コネクタが接続状態のときに、前記充電口リッドが全開の位置でロックされるように、前記アクチュエータを制御する請求項1又は2に記載の充電口機構。
【請求項4】
前記制御手段は、前記充電コネクタが非接続かつ充電口キャップが開放状態のときに、前記充電口リッドが、その全開の位置と、開放した状態の前記充電口キャップに当接する直前の位置との間のいずれかの位置でロックされるように、前記アクチュエータを制御する請求項1から3のいずれか1項に記載の充電口機構。
【請求項5】
前記充電口キャップの開閉角度を検出する角度センサをさらに備え、
前記制御手段は、前記角度センサによって検出された前記充電口キャップの開閉角度に基づいて、前記充電リッドがロックされる前記所定角度を決定する請求項1から4のいずれか1項に記載の充電口機構。
【請求項6】
前記充電リッドに対する外部からの荷重を検出する荷重センサと、
前記荷重センサによって検出された前記荷重が、予め決めた閾値を越えた場合に警告を発する警告装置と、
をさらに備えた請求項1から5のいずれか1項に記載の充電口機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気自動車等の車両のバッテリを充電する際に、外部電源の充電コネクタを接続する充電口の機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等のようにバッテリを搭載する車両は、外部電源の充電コネクタを接続して、このバッテリを直接充電するための充電口を備えていることが多い。この充電口は車体に形成された(一般的には車体の横側に形成された)凹部の内部に形成され、この充電口は充電口キャップで開閉自在に閉じられるとともに、前記凹部は充電口リッドで開閉自在に閉じられる。このように、充電口を充電口キャップで閉じることによって水密性を確保し、充電口の内部に雨水等の水分が浸入して、内部の導電端子が短絡する等のトラブルを防止している。さらに、凹部を充電口リッドで車体に対して面一の状態で閉じて、車両の外観の見栄えを確保している。
【0003】
このように、凹部の内部の充電口を充電口キャップで閉じつつ、凹部を充電口リッドで閉じる構成においては、充電口キャップが半開き状態であるにも関わらず、充電口リッドを普通に閉めることができるようになっているものがあり、この場合、充電口リッドが水密性を備えていないことが多いことから、凹部内に入り込んだ水分が半開き状態の充電口に浸入して、問題を生じる虞がある。
【0004】
そこで、例えば特許文献1においては、充電口を開閉自在に閉じる充電口キャップの充電口キャップ用ヒンジと、凹部を開閉自在に閉じるリッドのリッド用ヒンジの両ヒンジ軸を平行とするとともに、充電口に対し、両ヒンジを互いに反対側に配置した構成を採用している。このように両ヒンジを配置すると、充電口キャップが開いた状態においては、リッドを閉じようとした際にこのリッドが充電口キャップと当接して、最後まで閉めることができない。このため、使用者が、充電口キャップが閉まっていないことに気付いて、この充電口キャップを閉じる操作を確実に行うことができる。
【0005】
また、特許文献2においては、内蓋(充電口キャップに相当)を開状態としたときの回動角度が、外蓋(充電口リッドに相当)が回動操作される過程で、内蓋が外蓋に当接するように構成されている。このように両蓋と当接するようにすると、内蓋が開いた状態では外蓋を閉じることができず、上記特許文献1の構成と同様に、使用者が、内蓋が閉まっていないことに気付いて、この内蓋を閉じる操作を確実に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4967966号公報
【特許文献2】特許第4710885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2に記載の構成は、いずれも充電口キャップ(内蓋)とリッド(外蓋)が当接することによって、使用者が、充電口キャップが閉まっていないことを知ることができるようになっている。この場合、リッドを強い力で閉めたときに、その当接に伴って充電口キャップに過大な力が作用して、この充電口キャップやリッドを回動させるヒンジが歪む等の破損が生じることがある。この破損が生じると、充電口キャップをきちんと閉じることができなくなり、充電口の水密が不十分となる虞がある。
【0008】
そこで、この発明は、充電口キャップが開いた状態において、充電口リッドを閉めることができないようにして、充電口キャップ及び充電口リッドの破損を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、この発明においては、車両の車体に形成された凹部と、前記凹部内に形成された充電口と、前記充電口を開閉自在に閉じる充電口キャップと、前記凹部を開閉自在に閉じる充電口リッドと、前記充電リッドを開閉駆動するアクチュエータと、前記充電口キャップが開放状態のとき、前記充電口リッドが所定角度でロックされるよう前記アクチュエータを制御する制御手段と、を備えた充電口機構を構成した。
【0010】
このとき、前記充電口キャップを前記充電口に対して開閉自在に回動させるキャップヒンジと、前記充電口リッドを前記凹部に対して開閉自在に回動させるリッドヒンジと、をさらに備え、前記キャップヒンジと前記リッドヒンジが、前記充電口に対し反対側の位置に設けられた構成とするのが望ましい。
【0011】
また、前記制御手段は、前記充電コネクタが接続状態のときに、前記充電口リッドが全開の位置でロックされるように、前記充電コネクタが非接続かつ充電口キャップが開放状態のときに、前記充電口リッドが、その全開の位置と、開放した状態の前記充電口キャップに当接する直前の位置との間のいずれかの位置でロックされるように、前記アクチュエータを制御するのが望ましい。
【0012】
また、前記充電口キャップの開閉角度を検出する角度センサをさらに備え、前記制御手段は、前記角度センサによって検出された前記充電口キャップの開閉角度に基づいて、前記充電リッドがロックされる前記所定角度を決定する構成とするのが望ましい。
【0013】
さらに、前記充電リッドに対する外部からの荷重を検出する荷重センサと、前記荷重センサによって検出された前記荷重が、予め決めた閾値を越えた場合に警告を発する警告装置と、をさらに備えた構成とするのが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によると、充電口キャップが開いた状態で充電口リッドを閉じようとしても、アクチュエータの作用によって、充電口リッドの回動が阻止されたロック状態となる。このため、充電口リッドが、充電口に挿し込まれた充電コネクタや、充電口キャップに当接するのを防止することができ、充電口キャップ及び充電口リッドの破損を防止することができる。このように、充電口キャップ等の破損を防止することにより、充電口内外の水密を確保することができ、充電口に形成された端子類の保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明に係る充電口構造の実施形態における充電コネクタの接続状態を模式的に示す縦断面図
【
図2】この発明に係る充電口構造の実施形態における充電コネクタの非接続状態を模式的に示す縦断面図
【
図3】この発明に係る充電口構造の実施形態の変形例を模式的に示す縦断面図
【
図4】この発明に係る充電口構造の実施形態における充電口リッドのロック制御プロセスを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明に係る充電口構造の実施形態を図面に基づいて説明する。この充電口構造は、
図1に充電コネクタCの接続状態、
図2に充電コネクタCの非接続状態の模式図を示すように、車両の車体1に形成された凹部2の内部に設けられ、充電口3、充電口キャップ4、キャップヒンジ5、角度センサ6、充電口リッド7、リッドヒンジ8、アクチュエータ9、及び制御手段10を主な構成要素としている。
【0017】
充電口3には、充電用の端子(図示せず)が形成されており、この端子に、外部電源の充電コネクタCが接続される。充電口3に充電コネクタCが接続されて、車載バッテリ(図示せず)が充電中の状態においては、後述する制御手段10にその接続状態に関する情報が送られるようになっている(
図1等中の符号d1参照)。
【0018】
この充電口3は、充電口キャップ4によって開閉自在に閉じられている。充電口キャップ4の一端部にはキャップヒンジ5が設けられ、このキャップヒンジ5の軸周りの回動によって、充電口3に対し充電口キャップ4が開閉自在に回動するようになっている。なお、キャップヒンジ5の代わりに、充電口キャップ4を開閉自在に回動させる他の構成を採用することもできる。この充電口キャップ4は、閉じたときに充電口3に隙間なく嵌り込むようになっており、これにより充電口3内外の水密が確保されている。キャップヒンジ5には、充電口キャップ4の開閉角度を検出する角度センサ6が設けられている。この角度センサ6の検出結果は、制御手段10に送られるようになっている(
図1等中の符号d2参照)。
【0019】
凹部2には、この凹部2を開閉自在に閉じる充電口リッド7が設けられている。この充電口リッド7で凹部2を閉じると、充電口リッド7と車両の車体1との間でほぼ面一の状態となり、車両の外観の見栄えが確保される。充電口リッド7の一端部にはリッドヒンジ8が設けられ、このリッドヒンジ8の軸周りの回動によって、凹部2に対し充電口リッド7が開閉自在に回動するようになっている。なお、リッドヒンジ8の代わりに、充電口リッド7を開閉自在に回動させる他の構成を採用することもできる。充電口リッド7には、この充電口リッド7の回動とともにリッドヒンジ8の軸周りに回動する延設部11が形成されている。なお、この充電口リッド7は、充電口キャップ4と異なり、凹部2内外の水密を確保するように構成されていない。
【0020】
キャップヒンジ5とリッドヒンジ8は、充電口3に対し反対側の位置に設けられている。このため、充電口キャップ4及び充電口リッド7を開閉させるときの回動方向は、それぞれ逆向きとなる。
【0021】
アクチュエータ9は、機械式、油圧式等、種々のものを採用することができる。この実施形態においては、ソレノイドによってアクチュエータ9のハウジングから突出したロッド9aをロック又はロック解除状態として、このロッド9aの突出量を自在に制御し得る方式のものが採用されている。ハウジングから突出したロッド9aの先端は、充電口リッド7の延設部11に当接している。充電口リッド7を閉じるとき、延設部11はロッド9aを押し込むように回動する。なお、充電口リッド7に延設部11を形成せずに、充電口リッド7に直接、ロッド9aの先端を当接させる構成としてもよい。このアクチュエータ9には荷重センサ12が併設されており、充電口リッド7に作用する荷重を検出できるようになっている。この荷重センサ12の検出結果は、制御手段10に送られるようになっている(
図1等中の符号d3参照)。
【0022】
制御手段10には、充電コネクタCの接続状況、角度センサ6の検出結果、及び荷重センサ12の検出結果が集約される(
図1等中の符号d1〜d3参照)。そして、この接続状況及び検出結果に基づいて、アクチュエータ9に対して、ソレノイドによってロッド9aの動きをロックさせるソレノイド駆動信号(ロック信号)を発する(
図1等中の符号d4参照)。制御手段10からのソレノイド駆動信号に基づいて、このロッド9aの動きがロックされることにより、ロッド9aと延設部11が当接したときの充電口リッド7の開閉角度から、さらにこの充電口リッド7を閉じる方向に回動させることはできない。
【0023】
制御手段10がソレノイド駆動信号を発するときの充電口リッド7の所定角度は、充電口3に充電コネクタCが挿し込まれている場合と、挿し込まれていない場合で異ならせることができる。
【0024】
すなわち、充電口3に充電コネクタCが挿し込まれている場合、
図1に示すように、充電口リッド7が全開位置から少し閉まると、この充電口リッド7と充電コネクタCが当接するため、この当接によって、充電口リッド7及び充電コネクタCの双方が破損する虞がある。この場合は、充電口リッド7が全開の位置から閉まる方向に回動しないように、アクチュエータ9のロッド9aを延設部11に当接させるとともに、このロッド9aをロックして、充電口リッド7の回動を阻止する。
【0025】
その一方で、充電口3に充電コネクタCが挿し込まれておらず、かつ、充電口キャップ4が開いている場合、
図2に示すように、充電口リッド7を全開した位置から、この充電口リッド7が開放した状態の充電口キャップ4に当接する直前の位置までの間で開閉することが許容される。この場合は、充電口リッド7が全開した位置から、充電口キャップ4に当接する直前の位置までの間のいずれかの位置から、この充電口リッド7が閉まる方向に回動しないように、アクチュエータ9のロッド9aを延設部11に当接させて、その回動を阻止する。この場合、半開き状態の充電口リッド7が風に煽られて開いたり、周囲の人が誤って充電口リッド7に接触したりしないように、その開放角度をできるだけ小さくするように、回動阻止の位置決めをするのが望ましい。
【0026】
なお、制御手段10は、車両を制御する電子制御ユニットの中に組み込まれていてもよいし、電子制御ユニットとは別の独立した装置としてもよい。
【0027】
図3にこの発明に係る充電口構造の他例を示す。この充電口構造は、
図1及び
図2に示した充電口構造とほぼ同じ構成であるが、制御手段10に警告装置13が接続されている点において相違する。この警告装置13は、充電リッドに対する外部からの荷重が、予め決めた閾値を越えたことを荷重センサが検知した場合、すなわち、アクチュエータ9が制御手段10からのソレノイド駆動信号によってロッド9aの押し込みが不能とされ、充電口リッド7がロックされた状態であるにもかかわらず、無理に充電口リッド7を閉めようとして、ロッド9aに過大な荷重が作用した場合に、音声又は発光、あるいはそれらの両方によって使用者に対し警告を発する。使用者がこの警告に従って充電口リッド7を閉じる操作を止めることにより、充電口リッド7に大きな力が作用するのを防ぎ、この充電口リッド7が破損するのを防止することができる。
【0028】
警告装置13による警告手段として、車両に搭載されているクラクションを鳴らしたり、ハザードランプを点滅させたりしてもよい。このように、既に車両に搭載されている装備を用いれば、車両に別途装置を設ける必要がなく、コスト上昇の防止を図ることができる。
【0029】
上記各実施形態においては、荷重センサ12で充電口リッド7に作用する荷重を検出し、この検出結果を制御手段10に送り、この制御手段10からアクチュエータ9に対してソレノイド駆動信号を送ることによりロッド9aの動きをロックし得るようにしたが、荷重センサ12の代わりに、あるいは、荷重センサ12に加えてリッドヒンジ8に充電口リッド7の開閉角度を検出する角度センサをさらに設け、この角度センサの検出結果を利用して、制御手段10からアクチュエータ9に対してソレノイド駆動信号を送るようにすることもできる。
【0030】
また、上記各実施形態においては、充電口キャップ4及び充電口リッド7の各ヒンジ5、8が充電口3に対して反対側に設けられており、充電口キャップ4及び充電口リッド7を開閉させるときの回動方向が、それぞれ逆向きである構成について示したが、各ヒンジ5、8が充電口3の同じ側に設けられており、充電口キャップ4及び充電口リッド7の回動方向が同じ場合や、例えば、各ヒンジ5、8が充電口3の周りの相対角90度の位置に設けられており、充電口キャップ4及び充電口リッド7の回動角が直交する場合にも、この発明の構成を適用することができる。これらの場合においても、充電口キャップ4と充電口リッド7、又は充電コネクタCと充電口リッド7が当接して、これらが破損する虞があり、それを防止する必要があるためである。
【0031】
この発明に係る充電口機構における充電口リッド7のロック制御プロセスを
図4にフローチャートを示して説明する。まず、充電口リッド7が開いている状態において(S10)、充電口3に設けた充電口キャップ4が開いているかどうかが判断される(S11)。この判断は、キャップヒンジ5に設けた角度センサ6の検出結果に基づいて制御手段10が行なう。充電口キャップ4が開いていると判断された場合は(S11のYES)、制御手段10からソレノイド駆動信号を発することによってロッド9aをロックし、充電口リッド7の角度が所定値又は所定角度範囲に規制される(S12)。
【0032】
ロッド9aによってロックされた時の充電口リッド7の角度は、充電口3に充電コネクタCが挿し込まれているか否かによって異ならせることができる。すなわち、充電口3に充電コネクタCが挿し込まれている場合は、
図1に示したように、充電口リッド7が全開位置から少し閉まると、この充電口リッド7と充電コネクタCが当接する虞がある。このため、充電口リッド7の全開の位置において、ロッド9aによるロックがなされ、充電口リッド7は回動規制される。
【0033】
その一方で、充電口3に充電コネクタCが挿し込まれていない場合は、
図2に示したように、充電口リッド7を全開の位置から開放した状態の充電口キャップ4に当接する直前の位置までの間で開閉することができる。このため、充電口リッド7が全開した位置から、充電口キャップ4に当接する直前の位置までの間のいずれかの位置において、ロッド9aによるロックがなされ、充電口リッド7は回動規制される。
【0034】
充電口リッド7をロック状態とした後は、充電口キャップ4が開いているかどうかの判断ステップ(S11)に戻って、この充電口キャップ4の開閉状態の監視が継続される。
【0035】
その一方で、充電口キャップ4が閉じていると判断された場合は(S11のNO)、制御手段10から充電口リッド7のロック状態をOFFするようにソレノイド駆動信号が解除される(S13)。なお、当初からロックされていないときは、ロックをOFFとした状態が保たれる。充電口リッド7のロック状態をOFFとすることにより、充電口リッド7を閉めることができる(S14)。この一連のロック制御プロセスは、充電口リッド7を開いたときに開始され、バッテリの充電が完了して、最終的に充電口リッド7を閉じたときに終了する。
【0036】
上記の実施形態はあくまでも一例であって、充電口キャップ4が開いた状態において、充電口リッド7を閉めることができないようにして、充電口キャップ4及び充電口リッド7の破損を防止する、という本願発明の課題を解決し得る限りにおいて、充電口キャップ4及び充電口リッド7の開閉方向の関係、センサ類の追加、部材の形状や配置等について、種々の変更が許容される。
【符号の説明】
【0037】
1 車体
2 凹部
3 充電口
4 充電口キャップ
5 キャップヒンジ
6 角度センサ
7 充電口リッド
8 リッドヒンジ
9 アクチュエータ
9a ロッド
10 制御手段
11 延設部
12 荷重センサ
13 警告装置
C 充電コネクタ