(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記可動接点片の両側の一方に前記操作舌片を配置した第1可動接触片と、前記第1可動接触片との間を仕切る仮想面を中心として鏡像関係となるように形成した第2可動接触片とを、前記ハウジング内でかつ前記可動接触片の両側に対称となるようにそれぞれ配置し、一対の前記プランジャで、前記第1可動接触片の前記操作舌片と前記第2可動接触片の前記操作舌片とをそれぞれ操作することにより、前記第1可動接触片の第1可動接点と前記第2可動接触片の第2可動接点とが、第1固定接点および第2固定接点にそれぞれ接離されることを特徴とする請求項1に記載の押しボタンスイッチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、冷凍冷蔵庫は、その大容量化と小型化とを両立するだけでなく、省エネの見地から断熱材の設置面積を確保できることが求められている。このため、冷凍冷蔵庫用ドアの開閉検知に使用されるドアスイッチにも小型化が求められている。
また、一般に、前記冷凍冷蔵庫用ドアではゴムパッキンが用いられているが、前記ゴムパッキンの経年劣化を考慮すると、ドア開閉の検出位置から押し込み位置に達するまでに長い操作ストロークが必要とされている。
特に、中級,高級機種の冷凍冷蔵庫で採用されている観音開きのドアに使用されるドアスイッチには、両方のドアが閉められた時のみに可動接点が固定接点にONとなるものがある(例えば、実開平04−095288号公報)。このような冷凍冷蔵庫用スイッチでは、可動接点を固定接点に所定の接点圧で接触させるために、プランジャを押し込み位置まで押し込もうとすると、前記可動接点を駆動するプランジャに長い操作ストロークを必要とし、ドアスイッチを小型化できないという問題点がある。
本発明に係る課題は、前記問題点に鑑み、小型で操作ストロークの長い押しボタンスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る押しボタンスイッチは、前記課題を解決すべく、ベースとカバーとからなるハウジングと、前記カバーに押し下げ可能に取り付けられ、かつ、内向面から側方に突き出した操作腕部の先端に操作体を有する少なくとも1つのプランジャと、前記プランジャの押し下げ操作で駆動する可動接触片と、前記可動接触片に設けた可動接点と、前記可動接点に接離可能に配置された固定接点と、からなる押しボタンスイッチであって、前記可動接触片が、前記可動接点を設けた可動接点片と、前記可動接点片の少なくとも片側に配置され、かつ、前記可動接点片と一体に回動するように連結された操作舌片とを有し、前記プランジャの前記操作体で前記操作舌片を操作することにより、前記可動接点が固定接点に接離される構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、可動接触片に、可動接点片と操作舌片とを一体に回動するように形成してあるので、数少ない部品点数で操作できる。このため、ハウジング内における内部構成部品の占有スペースを減らすことができ、押しボタンスイッチを小型化できる。
また、プランジャの内向面から側方に突き出した操作腕部で可動接触片の前記操作舌片を操作し、接点を開閉できる。このため、押しボタンスイッチを大型化することなく、長い操作ストロークを確保しつつ、前記操作腕部で前記可動接触片を操作できる。
【0007】
本発明の実施形態としては、前記可動接触片が、前記可動接点を設けた前記可動接点片と、前記可動接点片の両側にそれぞれ配置され、かつ、一体に回動するように連結された前記操作舌片と、を有し、一対の前記プランジャで一対の前記操作舌片をそれぞれ操作することにより、前記可動接点が前記固定接点に接離される構成としてもよい。
本実施形態によれば、前述の効果に加え、小型形状を維持したままで、2つの検出物を1つの可動接点で検出できる押しボタンスイッチが得られる。
【0008】
本発明の他の実施形態としては、前記可動接点片の両側の一方に前記操作舌片を配置した第1可動接触片と、前記第1可動接触片との間を仕切る仮想面を中心として鏡像関係となるように形成した第2可動接触片とを、前記ハウジング内に対称となるように配置し、一対の前記プランジャで、前記第1可動接触片の前記操作舌片と前記第2可動接触片の前記操作舌片とをそれぞれ操作することにより、前記第1可動接触片の第1可動接点と前記第2可動接触片の第2可動接点とが、第1固定接点および第2固定接点にそれぞれ接離される構成としてもよい。
本実施形態によれば、前述の効果に加え、小型形状を維持したままで、2つの検出物を個々に検出できる押しボタンスイッチが得られる。
【0009】
本発明の別の実施形態としては、前述の第3可動接触片の両側に、前述の第1,第2可動接触片をそれぞれ配置してもよい。
本実施形態によれば、小型形状を維持したままで、より多くの多種多様な検出パターンを備えた押しボタンスイッチが得られる。
【0010】
本発明の新たな実施形態としては、前記操作体が、前記操作舌片の表面上を円滑に摺動する操作面を有していてもよい。
本実施形態によれば、操作体を備えたプランジャによる操作が円滑になり、操作感触が向上する。
【0011】
本発明の異なる実施形態としては、前記可動接触片を略U字形状に屈曲しておいてもよい。
本実施形態によれば、前記可動接触片の支点間距離が長くなるので、応力に対する疲労が少なくなり、耐久性が向上する。
【0012】
本発明の他の実施形態としては、前記操作舌片を、前記プランジャに向けて迫り出すように屈曲しておいてもよい。
本実施形態によれば、前記プランジャの摺動操作が円滑になり、スムーズなスイッチ操作が可能になる。
【0013】
本発明の別の実施形態としては、前記プランジャの押圧部が、前記ハウジングの表面と面一であってもよい。
本実施形態によれば、前記プランジャの押圧部が外部からの衝撃力で破損するおそれが低減するとともに、デザイン性が向上する。
【0014】
本発明の異なる実施形態としては、一対の前記プランジャを、両者を仕切る仮想面を中心として鏡像関係となるように形成しておいてもよい。
本実施形態によれば、設計が容易になるとともに、多種多様の操作が可能な押しボタンスイッチが得られる。
【0015】
本発明の新たな実施形態としては、一対の前記可動接触片を、両者を仕切る仮想面を中心として鏡像関係となるように形成しておいてもよい。
本実施形態によれば、設計が容易になるとともに、多種多様の操作が可能な押しボタンスイッチが得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る押しボタンスイッチの第1実施形態を示す全体斜視図である。
【
図2】
図1で示した押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【
図3】
図1で示した押しボタンスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である。
【
図4】
図1で示した押しボタンスイッチの側面断面図である。
【
図5】
図4から第1,第2プランジャを消去した側面断面図である。
【
図6】
図5から共通固定接点端子を消去した側面断面図である。
【
図7】
図1で示した押しボタンスイッチの水平断面図である。
【
図8】
図7と異なる位置で切断した押しボタンスイッチの水平断面図である。
【
図9】
図1で示した押しボタンスイッチからカバーを消去した平面図である。
【
図11】
図1で示した押しボタンスイッチの正面断面図である。
【
図13】
図1で示した押しボタンスイッチの動作途中を示す全体斜視図である。
【
図15】
図1で示した押しボタンスイッチの動作後を示す全体斜視図である。
【
図17】
図1で示した押しボタンスイッチの異なる動作後を示す全体斜視図である。
【
図19】
図1で示した押しボタンスイッチの別の動作後を示す全体斜視図である。
【
図23】
図1で示した押しボタンスイッチの取付状態を示す斜視図である。
【
図26】本発明に係る押しボタンスイッチの第2実施形態を示す全体斜視図である。
【
図27】
図26で示した押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【
図28】
図26で示した押しボタンスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である。
【
図29】
図26で示した押しボタンスイッチからカバーを消去した平面図である。
【
図31】本発明に係る押しボタンスイッチの第3実施形態を示す全体斜視図である。
【
図32】
図31で示した押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【
図33】
図31で示した押しボタンスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である
【
図34】
図31で示した押しボタンスイッチからカバーを消去した平面図である。
【
図36】前記第1,第2,第3実施形態に係る電磁継電器の開閉動作を示すタイムチャートである。
【
図37】発明に係る押しボタンスイッチの第4実施形態を示す全体斜視図である
【
図39】
図37で示した押しボタンスイッチの動作途中を示す全体斜視図である。
【
図41】
図37で示した押しボタンスイッチの動作後を示す全体斜視図である。
【
図43】
図37で示した押しボタンスイッチの分解斜視図である。
【
図44】
図37で示した押しボタンスイッチを異なる角度から視た分解斜視図である。
【
図45】
図37で示した押しボタンスイッチからカバーを消去した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る押しボタンスイッチの実施形態を
図1ないし
図46に基づいて説明する。
第1実施形態は、
図1ないし
図25に示すように、例えば、観音開きのドアを有する冷凍冷蔵庫に取り付けられる押しボタンスイッチである。前記押しボタンスイッチは、左ドアだけを閉じた状態、右ドアだけを閉じた状態、左右のドアを同時に閉じた状態、および、左右のドアを同時に開いた状態という4種類の開閉状態を検出できる。
【0018】
前記押しボタンスイッチは、
図2および
図3に示すように、大略、ベース10と、共通固定接点端子30と、第1,第2可動接点端子40,50と、第3可動接点端子60と、第1,第2復帰バネ70,71と、第1,第2プランジャ80,90と、カバー100と、で構成されている。
【0019】
ベース10は、平面長方形の箱形状であり、その底面に突設した2つの仕切り壁11,12で3つの第1,第2,第3凹所13,14,15(
図4)に仕切ってある。そして、前記仕切り壁11,12には、隣り合う前記第1,第2,第3凹所13,14,15を連通させるガイド溝11a,12a(
図2)がそれぞれ設けられている。
【0020】
前記第1凹所13には、その底面中央に後述する第1復帰バネ70を支持するための支持突部16を向けて突設してある。また、前記第1凹所13は、その内周面に位置決めリブ17を設けてある。前記位置決めリブ17は、後述する第1プランジャ80が摺動した際の摩擦抵抗を小さくするとともに、ガタツキの発生を防止するために設けられている。
前記第2凹所14にも、前記第1凹所13と同様、支持突部18および位置決めリブ17を設けてある。
【0021】
前記第3凹所15は、その底面の対向する隅部のうち、奥側の隅部に設けた一段高い段部20(
図11)に4つの端子孔21a,21b,21c,21d(
図10)を並設し、コネクタ部22を形成してある。また、前記第3凹所15は、前記段部20に対向する内周面に沿って迫り出し部23を形成するとともに、位置決めリブ23aを上下方向に沿うように設けてある。
【0022】
また、前記ベース10は、その開口部の外周縁部に沿って嵌合用段部24を設けてあるとともに、前記嵌合用段部24に係合爪部25を設けてある。また、前記ベース10は、短辺側の外側面に弾性爪部26,26をそれぞれ設けてある。
【0023】
共通固定接点端子30は、その上辺縁部に沿って固定接点片31,32,33を所定のピッチで並設し、前記固定接点片31,32,33の内向面に固定接点31a,32a,33a(
図10)をそれぞれ設けてある。そして、前記共通固定接点端子30の端子部34を、前記ベース10の端子孔21cに圧入して固定される。
【0024】
第1可動接点端子40は、略U字形状に屈曲した可動接触片41を有し、その自由端部に可動接点片42および操作舌片43を並設し、かつ、一体に回動するように連結してある。また、前記可動接点片42には可動接点42aが設けられている。そして、第1可動接点端子40は、その端子部44を前記ベース10に設けた端子孔21aに圧入して固定される。
【0025】
第2可動接点端子50は、前記可動接点端子40との間を仕切る仮想面を中心として鏡像の関係となるように形成されている。すなわち、両者は右手と左手のように互いに重ね合わすことができない立体形状を有している。このため、第2可動接点端子50は、前記可動接点端子40と同様に、略U字形状に屈曲した可動接触片51を有し、その自由端部に可動接点片52および操作舌片53を並設し、かつ、一体に回動するように連結してある。そして、前記可動接点片52には可動接点52aが設けられている。ついで、第2可動接点端子50は、その端子部54を前記ベース10に設けた端子孔21dに圧入して固定される。
【0026】
第3可動接点端子60は、その上辺縁部から略U字形状に屈曲した可動接触片61を延在してある。そして、前記可動接触片61は、その自由端部から延在した可動接点片62の両側に、操作舌片63,64をそれぞれ配置し、かつ、一体に回動するように連結されている。ついで、前記第3可動接点端子60は、その端子部65を前記ベース10に設けた端子孔21bに圧入して固定される。
【0027】
第1,第2復帰バネ70,71は、後述する第1,第2プランジャ80,90を元の位置に復帰させるバネ力を付与するために設けられたものである。そして、前記第1,第2復帰バネ70,71は、前記ベース10の支持突部16,18にそれぞれ挿通して位置決めされる。
【0028】
第1プランジャ80は、その下端部に前記ベース10の第1凹所13内を摺動できる鍔部81を設けてあるとともに、その上端部に押圧部82を設けてある。また、前記第1プランジャ80は、前記鍔部81の内向面から略直角に屈曲した操作腕部83を延在してある。そして、前記操作腕部83は、その自由端部に操作体84を一体成形してあるとともに、その基部にガイド溝85を設けてある。前記操作体84は、
図2に示すように、正面略台形を有し、その片側側面に操作面84aを有している。前記操作面84aは、前記操作舌片43,63を円滑に操作するためにテーパ面となっている。なお、前記操作面84aは、必ずしもこの形状に限らず、円弧面、例えば、放物線形状であってもよく、必要に応じて各種の形状から選択できることは勿論である。さらに、前記第1プランジャ80は、その底面に収納孔86を設けてある(
図3)。
そして、第1プランジャ80の収納孔86に第1復帰バネ70を収納することにより、前記第1プランジャ80は前記第1復帰バネ70のバネ力で上方に付勢される。
【0029】
第2プランジャ90は、前記第1プランジャ80との間を仕切る仮想面を中心として鏡像の関係となるように形成されている。すなわち、両者は右手と左手のように互いに重ね合わすことができない立体形状を有している。このため、第2プランジャ90は、前記第1プランジャ80と同様に、その下端部に前記ベース10の第2凹所14内を摺動可能な鍔部91を設けてあるとともに、その上端部に押圧部92を設けてある。また、前記第2プランジャ90は、前記鍔部91の内向面から略直角に屈曲した操作腕部93を延在してある。そして、前記操作腕部93は、その自由端部に操作体94を一体成形してあるとともに、その基部にガイド溝95を設けてある。前記操作体94は、
図3に示すように、正面略台形を有し、その片側側面に操作面94aを有している。前記操作面94aは、前記操作舌片64,53を円滑に操作するためにテーパ面となっている。なお、前記操作面94aは、必ずしもこの形状に限らず、円弧面、例えば、放物線形状であってもよく、必要に応じて各種の形状から選択できることは勿論である。さらに、前記第2プランジャ90は、その底面に収納孔96を設けてある。
そして、第2プランジャ90の収納孔96に第2復帰バネ71を収納することにより、前記第2プランジャ90は前記第2復帰バネ71のバネ力で上方に付勢される。
【0030】
カバー100は、前記ベース10に嵌合可能な平面形状を有する箱形状であり、その上面に面板101を一体成形してあるとともに、一対の環状仕切り壁102,103で一対の操作孔104,105を形成してある。このため、前記カバー100は、前記環状仕切り壁102,103で3つの空間、すなわち、操作孔104,105および中央凹所106(
図3)に仕切られている。
また、前記カバー100は、前記環状仕切り壁102,103の対向する内向面にガイド溝102a,103aを設けてある。前記ガイド溝102a,103aは、前記ベース10のガイド溝11a,12aにそれぞれ連続するものである。そして、前記中央凹所106の隅部に抜け止めリブ107,107を設けてある。さらに、前記カバー100は、長辺側の一方の側面に前記操作孔104,105に連通する水抜き孔108a,108bを設けてある。ついで、前記カバー100は、その下方開口縁部に沿って、前記ベース10の係合爪部25に係合する係合孔109を設けてある。
【0031】
次に、組立手順について説明する。
前記ベース10の端子孔21a,21b,21c,21dに、第1可動接点端子40の端子部44,第3可動接点端子60の端子部65,共通固定接点端子30の端子部34,第2可動接点端子50の端子部54をそれぞれ圧入する。このとき、共通固定接点端子30、および、第1,第2,第3可動接点端子40,50,60を前記ベースに10に組み付けると、前記可動接触片41,51,61自身のバネ力で、前記可動接点42a,52a,62aが固定接点31a,32a,33aにそれぞれ所定の圧力で接触する。
そして、前記ベース10の支持突部16,18に第1,第2復帰バネ70,71を挿通する。
一方、前記カバー100の操作孔104,105に第1,第2プランジャ80,90を下方側から組み付ける。そして、前記第1,第2プランジャ80,90の収納孔86,96内に前記第1,第2復帰バネ70,71を収納するように組み付け、前記ベース10の係合爪部25に前記カバー100の係合孔109を係合することにより、組立作業が完了する。
このとき、第1プランジャ80の操作体84が、第1可動接点端子40の操作舌片43および第3可動接点端子60の操作舌片63を押圧する。また、第2プランジャ90の操作体94が、第2可動接点端子50の操作舌片53および第3可動接点端子60の操作舌片64を押圧する。このため、可動接点42aが固定接点31aから開離し、可動接点52aが固定接点32aから開離するとともに、可動接点62aが固定接点33aから開離している。
【0032】
なお、前記押しボタンスイッチは、
図23ないし
図25に示すように取付板110の取付孔111に、前記ベース10側から挿入することにより、弾性爪部26が内側に弾性変形した後、弾性復帰する。そして、前記弾性爪部26と前記カバー100の面板101とで、前記取付板110の取付孔111の開口縁部を挟持することにより、押しボタンスイッチが抜け止めされる。
特に、本実施形態では、前記取付孔111の開口縁部が1段低くなっている。このため、前記押しボタンスイッチを取り付けても、前記面板101と取付板110とが面一になる。この結果、外部からの衝撃力が前記押しボタンスイッチに作用する可能性が低くなり、故障しにくいだけでなく、デザインとして美麗になるという利点がある。
【0033】
また、前記押しボタンスイッチは、冷蔵庫等に使用された場合であっても、防滴・防食品汁による短絡および復帰不良を防止するための下記のような防水構造を有している。
すなわち、第1,第2プランジャ80,90を収納した空間と、共通固定接点端子30等を収納した空間とは、前記ベース10の仕切り壁11,12と、前記カバー100の環状仕切り壁102,103とで仕切られている。このため、共通固定接点端子30等を配置した空間内に外部からの水滴,食品汁等が侵入,付着することを防止できる。
また、前記共通固定接点端子30等は、前記ベース10の底面から一段高い段部20に組み付けられている。このため、万一、前記ベース10の第3凹所15内に食品汁が浸入しても、固定接点31a,32a,33aに付着しにくい。
そして、第1,第2プランジャ80,90か復帰位置に復帰している場合には、第1,第2復帰バネのバネ力により、前記操作腕部83,93の基部が、前記カバー100の環状仕切り壁102,103の下端部に圧接している。このため、水等の侵入を効果的に防止できる。
さらに、前記第1,第2プランジャ80,90の押圧部82,92の外周縁部が円弧面であり、前記カバー100の操作孔104,105の内周面に線接触している。このため、水滴,食品汁の侵入を防止できる。特に、前記食品汁が前記押圧部82,92と前記操作孔104,105との隙間に溜まり、凝固しても、スイッチの開閉操作に伴って前記凝固状態が破壊され、正常動作するという利点がある。
ついで、前記カバー100には操作孔104,105に連通する水抜き孔108a,108bを設けてある。このため、前記操作孔104,105に水等が浸入しても、前記水抜き孔108a,108bを介して外部に流出させることができ、水等が内部深くに侵入することを防止できる。
また、前記第1,第2プランジャ80,90の操作腕部83,93は、略L字形状に屈曲している。このため、操作孔104,105内に進入した水は前記操作腕部83,93を伝って内部に侵入することがない。特に、
図4および
図5に示すように、前記操作腕部83,93の角部83a,93aが前記カバー100のガイド溝102a,103aにそれぞれ嵌合しているので、沿面距離が長くなり、水等がより一層浸入しにくくなるという利点がある。
【0034】
次に、前記押しボタンスイッチの操作方法について説明する。
まず、操作前の復帰位置に第1,第2プランジャ80,90がある場合、
図9および
図10に示すように、第1プランジャ80の操作体84の操作面84aが、可動接触片41の操作舌片43と、可動接触片61の操作舌片63とを押圧している。また、第2プランジャ90の操作体94の操作面94aが、第2可動接点端子50の操作舌片53と、第3可動接点端子60の操作舌片64を押圧している。このため、可動接点42a,52a,62aは、固定接点31a,32a,33aからそれぞれ開離している。
【0035】
そして、
図13および
図14に示すように、第1プランジャ80だけを押し下げると、操作体84が下降し、操作面84aが操作舌片43の表面を摺動することにより、前記操作舌片43に対する負荷が低減する。このため、可動接触片41が弾性復帰し、可動接点42aが固定接点31aに接触する。要するに、第1プランジャ80の押し込み方向に対して垂直方向に可動接触片41の可動接点42aが変位する。
さらに、
図15および
図16に示すように、前記第1プランジャ80を押し下げると、前記操作体84の操作面84aが操作舌片43から離れ、操作舌片43への負荷が全くなくなり、可動接点42aが固定接点31aに所定の圧力で接触する。
なお、前記第3可動接点端子60の可動接触片61は、その操作舌片64がプランジャ90の操作体94に位置規制されているので、可動接点62aが固定接点33aに接触することはない。
そして。前記第1プランジャ80に対する押し下げ操作を解除すると、第1復帰バネ70のバネ力で前記第1プランジャ80が押し戻され、元に位置に復帰する。このため、前記操作体84が上昇し、操作面84aが操作舌片43を押し戻し、可動接点42aが固定接点31aから開離する。
【0036】
ついで、
図17および
図18に示すように、第2プランジャ90だけを押し下げると、操作体94が下降し、操作面94aが操作舌片53の表面を摺動することにより、操作舌片53に対する負荷が低減する。このため、可動接触片51が弾性復帰し、可動接点52aが固定接点32aに接触する。要するに、第2プランジャ90の押し込み方向に対して垂直方向に可動接触片51の可動接点52aが変位する。
さらに、前記第2プランジャ90を押し下げると、前記操作体94の操作面94aが操作舌片53から離れ、
図18に示すように、前記操作体94から操作舌片53への負荷が全くなくなり、可動接点52aが固定接点32aに所定の圧力で接触する。
なお、前記第3可動接点端子60の可動接触片61は、その操作舌片63が第1プランジャ80の操作体84に位置規制されているので、可動接点62aが固定接点33aに接触することはない。
そして、前記第2プランジャ90に対する押し下げ操作を解除すると、第2復帰バネ71のバネ力で前記第2プランジャ90が押し戻され、元に位置に復帰する。このため、前記操作体94が上昇し、操作面94aが操作舌片53を押し戻し、可動接点52aが固定接点32aから開離する。
【0037】
第1,第2プランジャを同時に押し下げると、
図19ないし
図22に示すように、操作体84,94が下降し、操作面84aが操作舌片43,63の表面を摺動するとともに、操作面94aが操作舌片64,53の表面を摺動し、操作舌片43,63,64,53に対する負荷が低減する。このため、可動接触片41,61,51が弾性復帰し、可動接点42a,62a,52aが固定接点31a,33a,32aにそれぞれ接触する。
さらに、前記第1,第2プランジャ80,90を更に押し下げると、前記操作体84,94の操作面84a,94aが操作舌片43,63,64,53から離れ、操作体84,94から可動接触片41,61,51への負荷が全くなくなり、可動接点42a,62a,52aが固定接点31a,33a,32aに所定の圧力でそれぞれ接触する。
そして、前記第1,第2プランジャ80,90に対する押し下げ操作を解除すると、第1,第2復帰バネ70,71のバネ力で前記第1,第2プランジャ80,90が押し戻され、元に位置に復帰する。このため、前記操作体84,94が上昇し、操作面84a,94aが操作舌片43,53および操作舌片63,64をそれぞれ押し戻し、可動接点42a,62a,52aが固定接点31a,33a,32aからそれぞれ開離する。
【0038】
第2実施形態は、
図26ないし
図30に示すように、第3可動接点端子60を組み込んでいない点を除き、前述の第1実施形態と同一の基本構造を有している。このため、他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
なお、本実施形態によれば、第1,第2プランジャ80,90を操作するだけで、可動接点42a,52aが固定接点31a,32aにそれぞれ接触する押しボタンスイッチが得られる。
【0039】
第3実施形態は、
図31ないし
図35に示すように、第1,第2可動接点端子40,50を組み込んでいない点を除き、前述の第1実施形態と同一の基本構造を有している。このため、他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
なお、本実施形態によれば、第1,第2プランジャ80,90を同時に操作した場合にのみ、可動接点62aが固定接点33aに接触する押しボタンスイッチが得られる。
【0040】
前述の操作工程を理解しやすくするため、前記押しボタンスイッチを観音開きのドアを有する冷凍冷蔵庫に適用し、前記観音開きのドアの開閉検知を行った場合についてまとめたタイムチャートを
図36に示す。
【0041】
第4実施形態は、
図37ないし
図46に示すように、第1プランジャ80のみを有する押しボタンスイッチである。
本実施形態に係る押しボタンスイッチは、
図43および
図44に示すように、大略、ベース10と、共通固定接点端子30と、第1可動接点端子40と、第1復帰バネ70と、第1プランジャ80と、カバー100と、で構成されている。基本構造は前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0042】
操作前は、
図37および
図38に示すように、第1プランジャ80は復帰位置にあるので、操作体84が第1可動接点端子40の操作舌片43に圧接しており、可動接点42aが固定接点31aから開離している。
【0043】
そして、
図39および
図40に示すように、前記第1プランジャ80を押し下げると、前記操作体84が下降し、操作面84aか操作舌片43の表面を摺動し、操作舌片43に対する負荷が低減する。このため、可動接触片41が弾性復帰し、可動接点42aが固定接点31aに接触する。
【0044】
さらに、前記第1プランジャ80を押し下げると、
図41および
図42に示すように、前記操作体84が下降し、前記操作体84からの負荷が全くなくなり、可動接点42aが固定接点31aに所定の圧力で接触する。
【0045】
ついで、前記第1プランジャ80に対する押し下げ操作を解除すると、第1復帰バネ70のバネ力で前記第1プランジャ80が押し戻され、元に位置に復帰する。このため、前記操作体84が上昇し、操作面84aが操作舌片43を押し戻し、可動接点42aが固定接点31aから開離する。
【0046】
本実施形態によれば、共通部品を必要に応じて選択して組み合わせることにより、出力タイプが異なる押しボタンスイッチが得られる。このため、多種多様な商品を製造するための部品点数が実質的に少なくなり、部品の在庫管理が容易になるという利点がある。