特許第6409738号(P6409738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409738
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20181015BHJP
   H04M 1/56 20060101ALI20181015BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   H04M1/00 V
   H04M1/56
   H04N1/00 C
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-209072(P2015-209072)
(22)【出願日】2015年10月23日
(65)【公開番号】特開2017-85242(P2017-85242A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2017年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】藤田 裕幸
【審査官】 西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−334720(JP,A)
【文献】 特開平09−294171(JP,A)
【文献】 特開昭62−048161(JP,A)
【文献】 特開平05−075685(JP,A)
【文献】 特開平09−186759(JP,A)
【文献】 特開平04−354235(JP,A)
【文献】 特開平05−308405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04N1/00
1/32
1/34−1/36
1/42−1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話回線を接続するための回線側接続端子と、
電話機を接続するための電話機側接続端子と、
前記電話機側接続端子を前記電話回線に繋げるために、前記電話機側接続端子と前記回線側接続端子とを接続するための接続線と、
リダイヤルのためのリダイヤル情報を記憶するリダイヤル情報記憶部と、
前記電話機側接続端子に接続された電話機から前記接続線に送信された電話番号を認識し、認識した電話番号を前記リダイヤル情報記憶部に記憶させる電話番号認識部と、
前記電話機のオフフックを検出するオフフック検出部と、
リダイヤルの指示操作が可能な操作部と、
前記オフフック検出部により前記電話機のオフフックが検出され、前記操作部を通じてユーザーからリダイヤルが指示されると、前記リダイヤル情報記憶部に記憶されている電話番号を前記電話回線に送信するリダイヤル実行部とを備え、
前記電話番号認識部が、前記電話機側接続端子に接続された電話機から前記接続線に送信された番号間のインターバル時間を認識し、認識したインターバル時間情報を前記リダイヤル情報記憶部に記憶させ、
前記リダイヤル実行部が、前記リダイヤル情報記憶部に記憶されている電話番号及びインターバル時間情報に基づいて、番号間の送信休止時間を設定し、
更に、前記リダイヤル実行部が、前記インターバル時間情報が示す前記番号間のインターバル時間が、予め定められた第1時間以下である場合、当該番号間の送信休止時間を予め定められた第1送信休止時間に設定し、
前記第1送信休止時間が、ミニマムポーズに準じた長さであり、
更に、前記リダイヤル実行部が、前記番号間のインターバル時間が前記第1時間よりも長く、前記第1時間よりも長い予め定められた第2時間以下である場合、当該番号間の送信休止時間を予め定められた第2送信休止時間に設定し、前記番号間のインターバル時間が前記第2時間よりも長い場合、当該番号間の送信休止時間を当該インターバル時間と同じ長さに設定し、
前記第2送信休止時間が、前記番号間へポーズを挿入するための適正な長さである通信装置。
【請求項2】
前記リダイヤル実行部が、前記番号間のインターバル時間が前記第2時間よりも長い場合に、当該番号間の送信休止時間を当該インターバル時間と同じ時間に設定するか否かを示すユーザーからの指示に基づき、当該指示が前記設定をしないことを示すときは、当該番号間の送信休止時間を前記第2送信休止時間に設定する請求項に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関し、特に、電話回線に接続されて使用される通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電話回線に接続されて使用される、ファクシミリ機能を有した通信装置には、電話回線に接続するためのポート(回線側接続端子)が設けられ、このポートは通信装置に内蔵されたNCU(Network Control Unit)等に接続されている。また、通信装置には、電話機を接続するためのポート(電話機側接続端子)が設けられ、電話回線をファクシミリとしてだけでなく、通話用として使用できるようになっているものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−133142号公報
【特許文献2】特開平6−252996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相手先の通話中などにより通信データを送信できなかったり、通話ができなかったりした場合には、通信装置本体や電話機に装備されたリダイヤルキーを操作すれば便利である。また、ファクシミリ送信においてリダイヤルを自動的に繰り返し行う技術については、上記の特許文献1等に記載され、そして実用化されている。ところが、通信装置に接続される安価な電話機には、ダイヤルキーしか装備されず、リダイヤルキーが装備されていないものがある。そのため、直前にかけた電話番号であっても、最初からダイヤルキーを操作し直さなければならず、大変面倒であり、誤入力が生じる可能性もある。
【0005】
また、特許文献2には、付属のハンドセットテンキーを操作することによる、キー入力や短縮ダイヤル機能等の方法により入力され発信された、過去から現在に至る複数件の電話番号とその発信履歴データを不揮発性メモリーに蓄積しておき、ハンドセットのリダイヤルキーまたは音量調節キーを押下操作することにより、不揮発性メモリーから読み出した電話番号と発信履歴データをハンドセットの電話番号表示部に順番に表示する技術が記載されている。この技術では、リダイヤルで呼び出した電話番号に電話をかける場合は、通話相手の電話番号が電話番号表示部に表示されている状態で発信キーを押し、これにより通常の発信動作を行わせる。このため、当該電話機によれば、多くの電話番号に対し、簡単なキー操作で発信が可能になるが、番号間のインターバルの長さについては何も考慮されていない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、電話機にリダイヤルキーが装備されていなくても、通話に対するリダイヤルを可能にするとともに、この電話機でインターバルがあった場合でも、適切にダイヤル間のポーズの時間の設定を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る通信装置は、電話回線を接続するための回線側接続端子と、
電話機を接続するための電話機側接続端子と、
前記電話機側接続端子を前記電話回線に繋げるために、前記電話機側接続端子と前記回線側接続端子とを接続するための接続線と、
リダイヤルのためのリダイヤル情報を記憶するリダイヤル情報記憶部と、
前記電話機側接続端子に接続された電話機から前記接続線に送信された電話番号を認識し、認識した電話番号を前記リダイヤル情報記憶部に記憶させる電話番号認識部と、
前記電話機のオフフックを検出するオフフック検出部と、
リダイヤルの指示操作が可能な操作部と、
前記オフフック検出部により前記電話機のオフフックが検出され、前記操作部を通じてユーザーからリダイヤルが指示されると、前記リダイヤル情報記憶部に記憶されている電話番号を前記電話回線に送信するリダイヤル実行部とを備え、
前記電話番号認識部が、前記電話機側接続端子に接続された電話機から前記接続線に送信された番号間のインターバル時間を認識し、認識したインターバル時間情報を前記リダイヤル情報記憶部に記憶させ、
前記リダイヤル実行部が、前記リダイヤル情報記憶部に記憶されている電話番号及びインターバル時間情報に基づいて、番号間の送信休止時間を設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電話機側接続端子に接続された電話機から接続線に送信された電話番号がリダイヤル情報記憶部に記憶され、電話機のオフフックが検出され、ユーザーからリダイヤルが指示されると、リダイヤル情報記憶部に記憶されているポーズを伴う電話番号が電話回線に送信される。従って、電話機にリダイヤルキーが装備されていなくても、通話に対するリダイヤルを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る通信装置としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図2】第1実施形態に係る通信装置としての画像形成装置のファクシミリ通信部及び制御ユニットの主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
図3】制御ユニットにおける処理動作の一例を示したフローチャートである。
図4】(A)は、電話機のダイヤルキーを使って電話が掛けられた場合に、電話機から接続線に送信される信号の一例を示した図であり、(B)は、リダイヤル情報記憶部に記憶されるデータ構造の一例を示した図である。
図5】(A)は、電話機のダイヤルキーを使って電話が掛けられた場合に、電話機から接続線に送信される信号の一例を示した図であり、(B)は、リダイヤル情報記憶部に記憶されるデータ構造の一例を示した図である。
図6】(A)は、電話機のダイヤルキーを使って電話が掛けられた場合に、電話機から接続線に送信される信号の一例を示した図であり、(B)は、リダイヤル情報記憶部に記憶されるデータ構造の一例を示した図である。
図7】制御ユニットにおける処理動作の一例を示したフローチャートである。
図8】(A)〜(C)は、ダイヤル情報の一例を示した図である。
図9】(A)〜(C)は、表示画面の一例を示した図である。
図10】表示画面の一例を示した図である。
図11】ダイヤル情報の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る通信装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る通信装置としての画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、画像メモリー32、HDD(Hard Disk Drive)92、定着部13、操作部47、ファクシミリ通信部71、及びネットワークインターフェイス部91を含んで構成されている。
【0011】
原稿給送部6は、読取対象の原稿を原稿読取部5へ給送する。
【0012】
原稿読取部5は、制御ユニット10を構成する制御部100による制御の下、光照射部及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等を有する読取機構(図示せず)を備えており、原稿読取部5は、光照射部を使って原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することによって、原稿から画像を読み取る。
【0013】
画像形成部12は、印刷すべき画像のトナー像を用紙上に形成する。
【0014】
画像メモリー32は、原稿読取部5による読み取りで得られた原稿の画像データを一時的に記憶したり、画像形成部12のプリント対象となるデータを一時的に保存したりするための領域である。
【0015】
HDD92は、原稿読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。
【0016】
定着部13は、用紙上のトナー像を、熱圧着により用紙に定着させる。
【0017】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について操作者から画像形成動作実行指示や原稿読取動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0018】
ファクシミリ通信部71は、図示しない符号化・複合化部、変復調部、及びNCU等を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの通信を行うものである。
【0019】
ネットワークインターフェイス部91は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含んで構成され、ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内、又はインターネット上のパーソナルコンピューター等の外部装置20と種々のデータの送受信を行うものである。
【0020】
制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。制御ユニット10は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る制御部100と、電話番号認識部101と、リダイヤル実行部102と、リダイヤル情報記憶部103と、を備えている。
【0021】
制御ユニット10は、HDD92にインストールされている制御プログラムに従った動作により、制御部100、電話番号認識部101、リダイヤル実行部102、及びリダイヤル情報記憶部103として機能するものである。但し、制御部100、電話番号認識部101、リダイヤル実行部102、及びリダイヤル情報記憶部103は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0022】
制御部100は、原稿給送部6、画像読取部5、画像形成部12、画像メモリー32、HDD92、定着部13、操作部47、ファクシミリ通信部71、及びネットワークインターフェイス部91と接続され、これら各部の駆動制御を行う。なお、電話番号認識部101、リダイヤル実行部102、及びリダイヤル情報記憶部103については、図2を用いて後で詳しく説明する。
【0023】
図2は、ファクシミリ通信部71及び制御ユニット10の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。なお、図1に示した画像形成装置1と同様の構成部分については同符号を付し、ここではその詳しい説明を省略する。
【0024】
ファクシミリ通信部71は、NCU72と、電話機81のオフフックを検出するオフフック検出部73とを備えている。また、ファクシミリ通信部71には、交換機80と繋げられている電話回線Lを接続するための回線側接続端子P1と、電話機81を接続するための電話機側接続端子P2とが形成されている。回線側接続端子P1は接続線W1を介してNCU72と接続され、電話機側接続端子P2は接続線W2を介して接続線W1(回線側接続端子P1)と接続されている。
【0025】
操作部47は、表示部473と、電話番号を入力するダイヤルキー474と、リダイヤルキー475とを備えている。
【0026】
制御ユニット10を構成するリダイヤル情報記憶部103は、通話に対するリダイヤルのためのリダイヤル情報を記憶する。
【0027】
電話番号認識部101は、ファクシミリ通信部71から送信されてくるデータに基づいて、電話機81から接続線W2に送信された電話番号及び番号間のインターバル時間を認識し、認識した電話番号及びインターバル時間情報をリダイヤル情報記憶部103に記憶させる。
【0028】
リダイヤル実行部102は、オフフック検出部73により電話機81のオフフックが検出され、リダイヤルキー475が操作される(ユーザーから操作部47の操作によりリダイヤルが指示される)と、リダイヤル情報記憶部103に記憶されているリダイヤル情報に基づいて、リダイヤルを実行する。
【0029】
次に、制御ユニット10で行われる処理動作の一例について、図3に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作は、オフフック検出部73により電話機81のオフフックが検出された後、電話機81から接続線W2へ信号が送信された(すなわち、電話機81のダイヤルキーが操作された)と電話番号認識部101が判断した場合に行われる処理動作である。
【0030】
電話番号認識部101は、電話機81から接続線W2に送信された信号(番号)を認識し、認識した番号をリダイヤル情報記憶部103に記憶させ(S1)、電話番号認識部101は、番号間のインターバル時間(1つの番号が送信された時点から次の番号が送信された時点までの時間)の計測を開始する(S2)。
【0031】
電話番号認識部101は、電話機81から接続線W2に新たな信号(番号)が送信されたか否かを判断し(S3)、電話番号認識部101は、電話機81から接続線W2に新たな信号(番号)が送信されたと判断すれば(S3でYES)、電話番号認識部101は、番号間のインターバル時間情報をリダイヤル情報記憶部103に記憶させるとともに(S4)、電話番号認識部101は、電話機81から接続線W2に送信された番号を認識し、認識した番号をリダイヤル情報記憶部103に記憶させる(S1)。
【0032】
一方、電話番号認識部101は、電話機81から接続線W2に新たな信号(番号)が送信されていないと判断すれば(S3でNO)、電話番号認識部101は、オフフック検出部73により電話機81のオンフックが検出されたか否かを判断する(S5)。
【0033】
電話番号認識部101は、電話機81のオンフックが検出されたと判断すれば(S5でYES)、この処理動作を終了する。一方、電話番号認識部101は、電話機81のオンフックが検出されてないと判断すれば(S5でNO)、S3へ戻る。これにより、電話番号認識部101は、電話機81から接続線W2に送信された全ての信号(番号)及び各番号間のインターバル時間を全て認識してリダイヤル情報記憶部103に記憶させる。
【0034】
図4(A)〜図6(A)は、電話機81のダイヤルキーを使って電話が掛けられた場合に、電話機81から接続線W2に送信される信号の一例を示した図であり、図4(B)〜図6(B)は、リダイヤル情報記憶部103に記憶されるデータ構造の一例を示した図である。
【0035】
図4(A)には、相手先の電話番号「1234567890」が送信されていること、そして各番号間のインターバル時間が示されている。図4(B)は、図4(A)に示した信号が接続線W2に送信された場合に、リダイヤル情報記憶部103に記憶されるデータ構造を示している。
【0036】
図5(A)には、日本国内での国際電話の識別番号「010」、アメリカの国番号「1」、及び相手先の電話番号「1234567890」が送信されていること、そして各番号間のインターバル時間が示され、国番号と相手先の電話番号との間に比較的長いインターバル時間「4.2秒」が設けられていることが分かる。図5(B)は、図5(A)に示した信号が接続線W2に送信された場合に、リダイヤル情報記憶部103に記憶されるデータ構造を示している。
【0037】
海外への電話など、番号間にポーズ(3秒前後)の挿入が必要な場合、ユーザーは意図的に例えば3秒程度の時間を空けて次の番号を押す。そのため、ポーズの挿入が必要な場合のインターバル時間は、通常のインターバル時間よりも長く、両者には明らかな時間差があり、区別が可能である。
【0038】
換言すれば、番号間のインターバル時間の長さから、当該番号間にポーズの挿入が必要であるか否かを判断することができる。例えば、図5(B)に示したリダイヤル情報記憶部103に記憶されているデータから、インターバル時間の長い4桁目の番号「1」と5桁目の番号「1」との間にポーズの挿入が必要であると判断することができる。
【0039】
図6(A)には、国際電話サービスを受けるためのアクセス番号「0987654321」、中国の国番号「86」、及び相手先の電話番号「1234567890」が送信されていること、そして各番号間のインターバル時間が示され、アクセス番号と国番号との間に長いインターバル時間「10.2秒」が設けられ、国番号と相手先の電話番号との間にも比較的長いインターバル時間「3.9秒」が設けられていることが分かる。図6(B)は、図6(A)に示した信号が接続線W2に送信された場合に、リダイヤル情報記憶部103に記憶されるデータ構造を示している。
【0040】
次に、制御ユニット10で行われる処理動作の一例について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作は、オフフック検出部73により電話機81のオフフックが検出されたとリダイヤル実行部102が判断した場合に行われる処理動作である。
【0041】
リダイヤル実行部102は、リダイヤル情報記憶部103に記憶されているリダイヤル情報を読み出し(S11)、リダイヤル実行部102は、読み出したリダイヤル情報に含まれるインターバル時間情報に基づいて、各番号間の送信休止時間を設定し、電話回線Lに送信するダイヤル情報を作成する(S12)。各番号間の送信休止時間の設定方法を、以下のケース1〜ケース3に分けて説明する。
【0042】
《ケース1》番号間のインターバル時間が時間T1(例えば、2秒)以下である場合、ポーズの挿入が不要なので、リダイヤル実行部102は、当該番号間の送信休止時間を、ミニマムポーズに準じた送信休止時間TP1(例えば、30m秒)に設定する。ミニマムポーズは、番号間の送信休止時間の最小値である。番号間の送信休止時間が短すぎると、交換機80が番号と番号との切れ目を判別できなくなるため、ミニマムポーズは端末設備等規則により30m秒に規定されている。
【0043】
ユーザーがダイヤルした実際のインターバル時間をそのまま再現すると、全体のダイヤル時間が長くなり、ユーザーが不快に思うおそれがあるが、上記ケース1に示したように、番号間へのポーズの挿入が不要な場合には、当該番号間の送信休止時間がミニマムポーズに準じた長さに設定されるので、無駄にダイヤル時間が長くならないようにし、ユーザーが不快に思うのを防ぐことができる。
【0044】
《ケース2》番号間のインターバル時間が時間T1より長く、時間T2(例えば、5秒)以下である場合、リダイヤル実行部102は、当該番号間の送信休止時間を、ポーズを挿入するための適正な送信休止時間TP2(例えば、3秒)に設定する。海外へ電話する場合など、番号間にポーズの挿入が必要なときに、それに対応することができる。
【0045】
《ケース3》番号間のインターバル時間が時間T2よりも長い場合、リダイヤル実行部102は、当該番号間の送信休止時間を、当該インターバル時間と同じ長さに設定する。電話回線が開いた後、音声ガイダンスが流れ、対話形式で番号を送信する場合など、送信休止時間TP2よりも長い送信休止時間が必要なときに、それに対応することができる。
【0046】
図8(A)〜(C)は、作成されるダイヤル情報の一例を示しており、図4(B)、図5(B)、図6(B)に示したリダイヤル情報がリダイヤル情報記憶部103に記憶されている場合に作成されるダイヤル情報である。
【0047】
図4(B)に示したリダイヤル情報がリダイヤル情報記憶部103に記憶されている場合、番号間のインターバル時間はすべて時間T1以下であるので、番号間の送信休止時間はすべて送信休止時間TP1に設定され、図8(A)に示したようなダイヤル情報が作成される。
【0048】
また、図5(B)に示したリダイヤル情報がリダイヤル情報記憶部103に記憶されている場合、4桁目の番号「1」と5桁目の番号「1」との番号間のインターバル時間が時間T1よりも長く、時間T2以下であるので、当該番号間の送信休止時間が送信休止時間TP2に設定され、その他の番号間の送信休止時間は送信休止時間TP1に設定され、図8(B)に示したようなダイヤル情報が作成される。
【0049】
また、図6(B)に示したリダイヤル情報がリダイヤル情報記憶部103に記憶されている場合、10桁目の番号「1」と11桁目の番号「8」との番号間のインターバル時間が時間T2よりも長いので、当該番号間の送信休止時間は当該インターバル時間と同じ長さに設定され、12桁目の番号「6」と13桁目の番号「1」との番号間のインターバル時間が時間T1よりも長く、時間T2以下であるので、当該番号間の送信休止時間は送信休止時間TP2に設定され、その他の番号間の送信休止時間は送信休止時間T1に設定され、図8(C)に示したようなダイヤル情報が作成される。
【0050】
リダイヤル実行部102は、ダイヤル情報を作成した後、作成したダイヤル情報を表示部473に表示する(S13)。例えば、図8(A)に示したようなダイヤル情報が作成された場合には、図9(A)に示したようなダイヤル情報「1234567890」をリダイヤル実行部102が表示部473に表示させる。これにより、ユーザーはリダイヤル番号を確認することができる。
【0051】
また、図8(B)に示したようなダイヤル情報が作成された場合には、図9(B)に示したような、4桁目の番号「1」と5桁目の番号「1」との間にポーズ時間を示す符号「P」が挿入されたダイヤル情報「0101P1234567890」をリダイヤル実行部102が表示部473に表示させる。
【0052】
また、図8(C)に示したようなダイヤル情報が作成された場合には、図9(C)に示したような、10桁目の番号「1」と11桁目の番号「8」との間に長いポーズ時間を示す符号「*」が挿入され、12桁目の番号「6」と13桁目の番号「1」との間に、ポーズ時間を示す符号「P」が挿入されたダイヤル情報「0987654321*86P1234567890」をリダイヤル実行部102が表示部473に表示させる。
【0053】
リダイヤル実行部102は、ダイヤル情報を表示部473に表示させた後、操作部47に設けられたリダイヤルキー475が操作されたか否かを判断し(S14)、リダイヤル実行部102が、リダイヤルキー475が操作され、電話機81を用いた通話によるリダイヤルがユーザーから指示されたと判断すれば(S14でYES)、作成したダイヤル情報に基づいて、NCU72を介して、電話番号を接続線W1(電話回線L)に送信する(S15)。例えば、図8(A)に示したようなダイヤル情報が作成された場合には、番号間に送信休止時間30m秒を設けて、10桁の電話番号「1234567890」を送信する。
【0054】
一方、リダイヤル実行部102が、リダイヤルキー475が操作されていないと判断すれば(S14でNO)、リダイヤル実行部102が、電話機81のダイヤルキーが操作されたか否かを判断する(S16)。
【0055】
リダイヤル実行部102が、電話機81のダイヤルキーが操作されたと判断すれば(S16でYES)、リダイヤル実行部102は、ダイヤル情報を表示部473から消去し(S17)、その後、この処理動作を終了する。一方、リダイヤル実行部102が、電話機81のダイヤルキーが操作されてないと判断すれば(S16でNO)、S14へ戻る。
【0056】
上記実施形態によれば、電話機側接続端子P2に接続された電話機81から接続線W2に送信された電話番号がリダイヤル情報記憶部103に記憶され、電話機81のオフフックが検出され、ユーザーからリダイヤルが指示されると、リダイヤル情報記憶部103に記憶されている電話番号が電話回線Lに送信される。従って、電話機81にリダイヤルキーが形成されていなくても、通話に対するリダイヤルを実現することができる。
【0057】
なお、上記実施形態では、インターバル時間情報に基づいて、各番号間の送信休止時間を設定する場合について説明しているが、別の実施形態では、実際のインターバル時間をそのまま再現しても良い。その場合、全体のダイヤル時間が長くなるが、制御ユニット10における処理を単純化させることができ、製品化が容易になる。
【0058】
また、さらに別の実施形態では、番号間のインターバル時間が時間T2よりも長いものが存在し、例えばリダイヤル情報記憶部103に記憶されているリダイヤル情報が図6(B)に示したようなものである場合、リダイヤル実行部102が、当該番号間の送信休止時間を当該インターバル時間と同じ時間に設定するか否かの確認をユーザーに求めるメッセージを表示部473に表示させ、ユーザーから操作部47に、当該設定を求めていないことを示す指示が入力されたと判断したときは、当該番号間の送信休止時間を、当該インターバル時間と同じ時間に設定するのではなく、送信休止時間TP2に設定するようにしても良い。
【0059】
例えば、リダイヤル実行部102が、図10に示したような選択ボタンB1が形成された表示画面を表示部473に表示させ、当該番号間の送信休止時間を、当該インターバル時間と同じ時間ではなく、送信休止時間TP2に設定するか否かの確認をユーザーに求める。リダイヤル実行部102は、選択ボタンB1が押下されたと判断すると、当該番号間の送信休止時間を送信休止時間T2に設定する。音声ガイダンスが流れる対話形式のものであったとしても、例えば3秒程度のポーズを設ければ十分な場合があり、それに対応可能となる。図11は、この場合に作成されるダイヤル情報を示した図であり、図8(C)とは、10桁目の番号「1」と11桁目の番号「8」との送信休止時間が「3秒」である点で相違している。
【0060】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る通信装置の一実施形態として画像形成装置の複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、他の電子機器、例えば、ファクシミリ機能を有した他の画像形成装置でもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、図1乃至図11を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0062】
1 画像形成装置
10 制御ユニット
47 操作部
71 ファクシミリ通信部
73 オフフック検出部
81 電話機
100 制御部
101 電話番号認識部
102 リダイヤル実行部
103 リダイヤル情報記憶部
L 電話回線
P1 回線側接続端子
P2 電話機側接続端子
W1,W2 接続線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11