特許第6409741号(P6409741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6409741
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/30 20180101AFI20181015BHJP
   F24F 11/50 20180101ALI20181015BHJP
【FI】
   F24F11/30
   F24F11/50
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-211934(P2015-211934)
(22)【出願日】2015年10月28日
(65)【公開番号】特開2017-83076(P2017-83076A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2016年9月21日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】鍋島 規宏
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−117357(JP,A)
【文献】 特開平11−141957(JP,A)
【文献】 特開平06−054371(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02083226(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/30
F24F 11/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって直接操作される操作部(11)を有する室内機(1)と、
上記室内機(1)のアドレスを指定するための指定部(21)と、この指定部(21)で指定された目標アドレスを示すアドレス変更信号を上記室内機(1)に送信するリモコン側送信部(23)と、リモコン側受信部(24)とを有するリモコン(2)と
を備え、
上記室内機(1)は、
上記操作部(11)がユーザによって直接操作されたとき、アドレス変更モードになる室内機側制御部(12)と、
上記リモコン(2)から上記アドレス変更信号を受信する室内機側受信部(14)と、
上記室内機側制御部(12)が上記アドレス変更モードになっているとき、上記室内機側受信部(14)が上記リモコン(2)から上記アドレス変更信号を受信すると、上記室内機(1)のアドレスを上記目標アドレスに変更する室内機側アドレス変更部(12a)と、
上記室内機(1)のアドレスを上記目標アドレスに変更したとき、上記室内機(1)のアドレスを変更したことを示すアドレス確定信号を上記リモコン(2)に送信する室内機側送信部(13)と
を有し、
上記リモコン(2)は、
上記室内機(1)へ上記アドレス変更信号を送信した後、上記リモコン側受信部(24)が上記室内機(1)から上記アドレス確定信号を受信したとき、上記リモコン(2)のアドレスを上記目標アドレスに変更するリモコン側アドレス変更部(22a)
を有することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の空気調和機において、
上記室内機側制御部(12)は、
上記リモコン(2)から待機指示信号を受信したとき、上記アドレス変更モードへ移行可能な待機モードになり、
上記待機モードのとき、上記操作部(11)が操作されると、上記アドレス変更モードになる一方、上記待機モードでないとき、上記操作部(11)が操作されても、上記アドレス変更モードにならないことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
請求項2に記載の空気調和機において、
上記室内機(1)は、上記待機モードおよびアドレス変更モードのときに点滅する発光部(15)を有し、
上記待機モードのときの発光部(15)の点滅パターンは、上記アドレス変更モードのときの発光部(15)の点滅パターンと異なることを特徴とする空気調和機。
【請求項4】
請求項2に記載の空気調和機において、
上記室内機(1)は、
上記待機モードのときに発光する一方、上記アドレス変更モードのときに発光しない第1発光部(17)と、
上記待機モードのときに発光しない一方、上記アドレス変更モードのときに発光する第2発光部(18)と
を有することを特徴とする空気調和機。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の空気調和機において、
上記リモコン(2)は、上記アドレス変更信号の送信後、予め設定された時間内に、上記リモコン側受信部(24)が上記アドレス確定信号を受信しないとき、上記アドレス確定信号の非受信、または、上記リモコン(2)のアドレス変更の失敗を表示する表示部を有することを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機としては、室内機と、この室内機と通信を行うリモコンとを備えたものがある(例えば特開2002−71196号公報(特許文献1)参照)。
【0003】
上記構成の空気調和機によれば、ユーザは室内機のアドレスを他のアドレスに変更したい場合、リモコンを操作して、上記他のアドレスを示す信号(以下、「アドレス変更信号」と言う。)をリモコンから室内機に送信する。このとき、上記室内機が上記アドレス変更信号を受信すると、室内機のアドレスが上記他のアドレスに変更される。また、上記他のアドレスの送信に伴い、上記リモコンのアドレスも上記他のアドレスに変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−71196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来の空気調和機では、室内機が複数台あると、この複数台のうち、特定の1台のアドレスだけ、上記他のアドレスに変更しようとしても、特定の1台以外のアドレスも変更されてしまうことがある。すなわち、特定の1台の室内機に対してアドレス変更を行うのは困難だという問題があった。
【0006】
上記問題を解決する方法としては、室内機が上記アドレス変更信号を受信しても、すぐには室内機のアドレスが上記他のアドレスに変更されないようにする方法が考えられる。この方法を用いる場合、室内機が上記アドレス変更信号を受信したとき、室内機の運転LED(発光ダイオード)を所定時間点滅させ、このLEDの点滅中に、室内機の運転スイッチが押下されたときに、室内機のアドレスが上記他のアドレスに変更されるようにする。
【0007】
しかしながら、上記方法では、例えば、子供の悪戯により、上記アドレス変更信号が室内機に送信されたとき、室内機の運転スイッチは押下されないので、室内機のアドレスは上記他のアドレスに変更されないが、リモコンのアドレスは上記他のアドレスに変更されてしまう。その結果、上記室内機のアドレスはリモコンのアドレスと一致しなくなるため、室内機に冷房運転や暖房運転をリモコンで指示できなくなる。このような事態は、故障だと思われ、クレームの原因になってしまうことがある。
【0008】
このように、上記方法を用いると、子供の悪戯などにより、室内機のアドレスとリモコンのアドレスが互いに一致しなくなるという問題が新たに生じてしまう。
【0009】
そこで、この発明の課題は、室内機のアドレスとリモコンのアドレスが互いに不一致になるのを防ぐことができる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明の空気調和機は、
ユーザによって直接操作される操作部を有する室内機と、
上記室内機のアドレスを指定するための指定部と、この指定部で指定された目標アドレスを示すアドレス変更信号を上記室内機に送信するリモコン側送信部と、リモコン側受信部とを有するリモコンと
を備え、
上記室内機は、
上記操作部がユーザによって直接操作されたとき、アドレス変更モードになる室内機側制御部と、
上記リモコンから上記アドレス変更信号を受信する室内機側受信部と、
上記室内機側制御部が上記アドレス変更モードになっているとき、上記室内機側受信部が上記リモコンから上記アドレス変更信号を受信すると、上記室内機のアドレスを上記目標アドレスに変更する室内機側アドレス変更部と、
上記室内機のアドレスを上記目標アドレスに変更したとき、上記室内機のアドレスを変更したことを示すアドレス確定信号を上記リモコンに送信する室内機側送信部と
を有し、
上記リモコンは、
上記室内機へ上記アドレス変更信号を送信した後、上記リモコン側受信部が上記室内機から上記アドレス確定信号を受信したとき、上記リモコンのアドレスを上記目標アドレスに変更するリモコン側アドレス変更部
を有することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、例えばユーザが操作部を操作すると、室内機側制御部はアドレス変更モードになる。このとき、上記室内機側受信部がアドレス変更信号を受信すると、室内機のアドレスは、アドレス変更信号に対応する目標アドレスに変更される。
【0012】
また、上記アドレス変更信号の受信に応じて、室内機側送信部からリモコンにアドレス確定信号が送信される。このとき、上記リモコン側受信部がアドレス確定信号を受信すると、リモコンのアドレスも、アドレス変更信号に対応する目標アドレスに変更される。
【0013】
したがって、上記室内機のアドレスとリモコンのアドレスを互いに一致させることができる。
【0014】
また、例えば子供がリモコンをいじって、リモコンから室内機へアドレス変更信号が送信されただけでは、室内機側制御部はアドレス変更モードになっていないので、室内機のアドレスは目標アドレスに変更されない。
【0015】
したがって、上記室内機のアドレスがリモコンのアドレスと一致しなくなる事態を回避できる。
【0016】
一実施形態の空気調和機では、
上記室内機側制御部は、
上記リモコンから待機指示信号を受信したとき、上記アドレス変更モードへ移行可能な待機モードになり、
上記待機モードのとき、上記操作部が操作されると、上記アドレス変更モードになる一方、上記待機モードでないとき、上記操作部が操作されても、上記アドレス変更モードにならない。
【0017】
上記実施形態によれば、上記室内機側制御部が待機モードになっていれば、操作部を操作すると、室内機側制御部をアドレス変更モードにすることができる。一方、上記室内機側制御部が待機モードになっていなければ、操作部を操作しても、室内機側制御部をアドレス変更モードにすることはできない。したがって、上記室内機側制御部が待機モードにしなければ、操作部をモード切り替え以外のためのものとして利用できる。すなわち、上記操作部に他の操作部の役割を兼用させることができる。
【0018】
一実施形態の空気調和機では、
上記室内機は、上記待機モードおよびアドレス変更モードのときに点滅する発光部を有し、
上記待機モードのときの発光部の点滅パターンは、上記アドレス変更モードのときの発光部の点滅パターンと異なる。
【0019】
上記実施形態によれば、上記発光部の点滅パターンを見れば、室内機側制御部のモードを容易に把握できる。
【0020】
一実施形態の空気調和機では、
上記室内機は、
上記待機モードのときに発光する一方、上記アドレス変更モードのときに発光しない第1発光部と、
上記待機モードのときに発光しない一方、上記アドレス変更モードのときに発光する第2発光部と
を有する。
【0021】
上記実施形態によれば、上記第1発光部と第2発光部のどちらが発光しているかを見れば、室内機側制御部のモードを容易に把握できる。
【0022】
一実施形態の空気調和機では、
上記リモコンは、上記アドレス変更信号の送信後、予め設定された時間内に、上記リモコン側受信部が上記アドレス確定信号を受信しないとき、上記アドレス確定信号の非受信、または、上記リモコンのアドレス変更の失敗を表示する表示部を有する。
【0023】
上記実施形態によれば、上記リモコン側受信部がアドレス確定信号受信しないと、リモコンのアドレスは変更されなくて、リモコンのアドレスが室内機のアドレスと一致しなくなるが、例えばユーザは、表示部による表示から、リモコンのアドレスは変更されていないことを知ることができる。したがって、上記リモコンのアドレスが室内機のアドレスと一致しない状態が放置される可能性を下げることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上より明かなように、この発明は、室内機のアドレスとリモコンのアドレスが互いに不一致になるのを防ぐことができる空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の一実施形態の空気調和機の室内機およびリモコンの斜視図である。
図2】上記実施形態の室内機およびリモコンの構成を説明するためのブロック図である。
図3A】上記実施形態の室内機およびリモコンのアドレス変更を説明するためのフローチャートである。
図3B図3Aに続くフローチャートである。
図4】上記実施形態の空気調和機の一変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0027】
図1は、この発明の一実施形態の空気調和機の室内機1およびリモコン2の斜視図である。
【0028】
上記空気調和機は、室内の壁面に取り付けられる室内機1と、この室内機1を遠隔するためのリモコン2とを備える。
【0029】
上記室内機1の前面には、ケーシング10と、操作部の一例としての運転スイッチ11と、室内機側受信部の一例としての第1受信部14と、発光部の一例としての運転LED15とが設けられている。この第1受信部14は、例えば、赤外線受光素子を有し、室内機1とリモコン2の間で赤外線通信が行われる。また、第1受信部14近傍には、運転スイッチ11および運転LED15が位置する。この運転スイッチ11を押下すれば、リモコン2を操作しなくても、室内機1が運転したり、停止したりする。また、運転LED15は、室内機1の運転中、点灯する。
【0030】
上記リモコン2の上面には、指定部の一例としての操作ボタン群21(図2に示す)と、運転の種類や設定温度などを表示する表示部25とが設けられている。ユーザは操作ボタン群21を操作することにより、例えば冷房運転や暖房運転の温度や時間を設定できるようになっている。また、操作ボタン群21の操作により、後述する待機指示信号およびアドレス変更信号を室内機1へ送信することもできるようにもなっている。
【0031】
図2は、上記室内機1およびリモコン2の構成を説明するためのブロック図である。
【0032】
上記室内機1は、運転スイッチ11と、室内機側制御部の一例としての第1制御装置12と、室内機側送信部の一例としての第1送信部13と、第1受信部14とを備えている。
【0033】
上記第1制御装置12は、マイクロコンピュータ、入出力回路などで構成されている。この第1制御装置12は、リモコン2から待機指示信号を受信したとき、アドレス変更モードへ移行可能な待機モードになると共に、待機モードのとき、運転スイッチ11が押下されると、アドレス変更モードになる。また、第1制御装置12は、ソフトウェアからなる第1アドレス変更部12aを有する。この第1アドレス変更部12aは、第1制御装置12がアドレス変更モードになっているとき、第1受信部14がリモコン2からアドレス変更信号を受信すると、アドレス変更信号が示す目標アドレスに室内機1のアドレスを変更する。一方、第1アドレス変更部12aは、第1制御装置12がアドレス変更モードになっていないとき、第1受信部14がリモコン2からアドレス変更信号を受信しても、室内機1のアドレスの変更を行わない。すなわち、第1制御装置12がアドレス変更モードになっていなければ、室内機1のアドレスの変更は禁止される。なお、第1アドレス変更部12aは室内機側アドレス変更部の一例である。
【0034】
また、上記第1制御装置12は待機モードおよびアドレス変更モードになったとき、運転LED15が点滅する。このとき、上記待機モードのときの運転LED15の点滅パターンは、上記アドレス変更モードのときの運転LED15の点滅パターンと異なる。例えば、上記第1制御装置12が待機モードになっているときに比べて、第1制御装置12がアドレス変更モードになっているときの方が、運転LED15の点滅間隔が短くなる。
【0035】
上記第1送信部13は、例えば赤外線発光素子を有する。この第1送信部13は、室内機1のアドレスを目標アドレスに変更したとき、室内機1のアドレスを変更したことを示すアドレス確定信号をリモコン2に送信する。
【0036】
上記第1受信部14は、リモコン2の第2送信部23から送信されたアドレス変更信号を受信する。
【0037】
上記リモコン2は、第2制御装置22と、リモコン側送信部の一例としての第2送信部23と、リモコン側受信部の一例としての第2受信部24とを備えている。
【0038】
上記第2制御装置22は、マイクロコンピュータ、入出力回路などで構成されている。また、第2制御装置22は、ソフトウェアからなる第2アドレス変更部22aを有している。この第2アドレス変更部22aは、ソフトウェアからなって、第2受信部24が室内機1からアドレス確定信号を受信したとき、リモコン2のアドレスを目標アドレスに変更する。この目標アドレスは、第2受信部24が室内機1からアドレス確定信号を受信する前に第2送信部23が送信したアドレス変更信号が示すアドレスである。なお、第2アドレス変更部22aはリモコン側アドレス変更部の一例である。
【0039】
上記第2送信部23は、例えば赤外線発光素子を有し、操作ボタン群21で指定された目標アドレスを示すアドレス変更信号を室内機1に送信する。
【0040】
上記第2受信部24は、例えば赤外線受光素子を有し、室内機1のアドレスを変更したことを示すアドレス確定信号を受信する。
【0041】
上記構成の空気調和機では、例えばユーザが運転スイッチ11を押下すると、第1制御装置12はアドレス変更モードになる。このとき、目標アドレスを示すアドレス変更信号が第1受信部14で受信され
ると、室内機1のアドレスは上記目標アドレスに変更される。
【0042】
また、上記アドレス変更信号の受信に応じて、アドレス確定信号がリモコン2に送信される。このとき、アドレス確定信号が第2受信部24で受信されると、リモコン2のアドレスも上記目標アドレスに変更される。
【0043】
したがって、上記室内機1のアドレスとリモコン2のアドレスを互いに確実に一致させることができる。
【0044】
また、上記リモコン2の操作ボタン群21が誤操作されたとき、リモコン2から室内機1へアドレス変更信号が送信されても、第1制御装置12はアドレス変更モードになっていなければ、室内機1のアドレスは変更されずに維持される。
【0045】
したがって、上記室内機1のアドレスがリモコン2のアドレスと一致しなくなる事態の発生確率を下げることができる。
【0046】
また、上記第1制御装置12が待機モードになっていれば、運転スイッチ11を押下すると、第1制御装置12をアドレス変更モードにすることができる。一方、第1制御装置12が待機モードになっていなければ、運転スイッチ11を押下しても、第1制御装置12をアドレス変更モードにすることはできない。したがって、運転スイッチ11は、長押しなどの特殊な操作をしなくても、第1制御装置12をアドレス変更モードにするためのスイッチとして使える。
【0047】
また、上記第1制御装置12をアドレス変更モードにするためのスイッチとして運転スイッチ11を使えるので、スイッチ数の増加を防ぐことができ、その結果、室内機1のケーシング10の良好な美観を維持できる。
【0048】
また、上記第1制御装置12が待機モードになっているときの運転LED15の点滅パターンは、第1制御装置12がアドレス変更モードになっているときの運転LED15の点滅パターンと異なる。したがって、運転LED15の点滅パターンを見れば、第1制御装置12が待機モードとアドレス変更モードのどちらのモードになっているのかを容易に確認することができる。
【0049】
また、上記リモコン2の第2受信部24がアドレス確定信号をしないと、リモコン2のアドレスは変更されないが、ユーザは、リモコン2の表示を見れば、リモコン2のアドレス変更が失敗したことを把握できる。したがって、リモコン2のアドレス変更を再度行うようにユーザに促すことができるので、リモコン2のアドレスが室内機1のアドレスと一致しない状態が放置される可能性を下げることができる。
【0050】
以下、図3A,図3Bのフローチャートを用いて、室内機1およびリモコン2のアドレス変更に関する制御について説明する。なお、室内機1の第1制御装置12が通常モードになっているときに、上記制御が開始されるものとする。ここで、上記通常モードとは、室内機1およびリモコン2のアドレス変更を行うためのモードを除くモードであって、例えば冷房運転および暖房運転を行うためのモードである。
【0051】
上記制御がスタートすると、まず、図3Aに示すように、ステップS1で、操作ボタン群21の操作に応じて、リモコン2の第2送信部23に待機指示信号を送信させる。
【0052】
次に、ステップS2で、室内機1の第1受信部14が待機指示信号を受信したか否かを判定する。このステップS2で、室内機1の第1受信部14が待機指示信号を受信したと判定されると、次のステップS3に進む。一方、室内機1の第1受信部14が待機指示信号を受信していないと判定されると、再び、ステップS2を行う。
【0053】
次に、ステップS3で、室内機1の第1制御装置12を通常モードから待機モードに切り替える。これにより、室内機1の第1制御装置12はアドレス変更モードに移行可能になり、運転LED15が点滅する。
【0054】
次に、ステップS4で、運転スイッチ11が押下されたか否かを判定する。このステップS4で、運転スイッチ11が押下されたか否かを判定すると、次のステップS5に進む。一方、ステップS4で、運転スイッチ11が押下されていないと判定すると、ステップS41に進む。
【0055】
上記ステップS4からステップS41に進んだ場合、待機指示信号の受信から第1所定時間が経過したか否かを判定する。このステップS41で、待機指示信号の受信から第1所定時間が経過していないと判定すると、ステップS4に戻る。一方、ステップS41で、待機指示信号の受信から第1所定時間が経過したと判定されると、ステップS51で、室内機1の第1制御装置12を待機モードから通常モードに戻した後、ステップS2に戻る。
【0056】
次に、ステップS5で、室内機1の第1制御装置12を待機モードからアドレス変更モードに切り替える。これにより、待機モードのときとは異なる間隔で、運転LED15が点滅する。
【0057】
次に、図3Bに示すように、ステップS6で、操作ボタン群21の操作に応じて、リモコン2の第2送信部23にアドレス変更信号を送信させる。
【0058】
次に、ステップS7で、室内機1の第1受信部14がアドレス変更信号を受信したか否かを判定する。このステップS7で、室内機1の第1受信部14がアドレス変更信号を受信したと判定すると、次のステップS8に進む。一方、ステップS7で、室内機1の第1受信部14がアドレス変更信号を受信していないと判定されると、ステップS42に進む。
【0059】
上記ステップS7からステップS42に進んだ場合、運転スイッチ11の押下から第2所定時間が経過したか否かを判定する。このステップS42で、運転スイッチ11の押下から第2所定時間が経過していないと判定すると、ステップS7に戻る。一方、ステップS42で、運転スイッチ11の押下から第2所定時間が経過したと判定されると、ステップS52で、室内機1の第1制御装置12をアドレス変更モードから通常モードに戻した後、図3Aに示すステップS2に戻る。
【0060】
次に、図3Bに示すように、ステップS8で、アドレス変更信号に対応する目標アドレスに室内機1のアドレスを変更すると共に、室内機1の第1送信部13にアドレス確定信号を送信させる。
【0061】
次に、ステップS9で、リモコン2の第2受信部24がアドレス確定信号を受信したか否かを判定する。このステップS9で、リモコン2の第2受信部24がアドレス確定信号を受信したと判定すると、次のステップS10に進む。一方、リモコン2の第2受信部24がアドレス確定信号を受信していないと判定すると、ステップS43に進む。
【0062】
上記ステップS9からステップS43に進んだ場合、アドレス変更信号の送信から第3所定時間が経過したか否かを判定する。このステップS43で、アドレス変更信号の送信から第3所定時間が経過していないと判定すると、ステップS9に戻る。一方、ステップS43で、アドレス変更信号の送信から第3所定時間が経過したと判定すると、ステップS53で、リモコン2の表示部25に、アドレス変更の失敗を示す内容を表示させた後、上記制御が終了する。このとき、リモコン2の表示部25には、例えば、「受信失敗」、「リモコンのアドレス変更だけ失敗」などの文字が表示される。
【0063】
最後に、ステップS8で、アドレス変更信号に対応する目標アドレスにリモコン2のアドレスを変更すると共に、リモコン2の表示部25に、アドレス変更の成功を示す内容を表示させる。
【0064】
上記実施形態では、第1制御装置12は、待機モード以外のモードのときに運転スイッチ11を押下しても、アドレス変更モードにならなかったが、アドレス変更モードになるようにしてもよい。このようにする場合、ユーザは、待機指示信号の送信ための操作を操作ボタン群21にしなくて済む。
【0065】
上記実施形態では、第1制御装置12が待機モードとアドレス変更モードのどちらのモードになっているのかは、運転LED15の点滅パターンに基づいて確認できるようにしていたが、図4に示すように、ケーシング10の前面に、第1発光部の一例としての第1LED17と、第2発光部の一例としての第2LED18とを設け、この第1,第2LED17,18の発光に基づいて確認できるようにしてもよい。このようにする場合、例えば、第1制御装置12が待機モードになっているときには、第1,第2LED17,18のうち、第1LED17だけが発光するようにする一方、第1制御装置12がアドレス変更モードになっているときには、第1,第2LED17,18のうち、第2LED18だけが発光するようにしてもよい。
【0066】
上記実施形態では、第1,第2アドレス変更部12a,22aは、それぞれ、ソフトウェアで構成されていたが、少なくとも一方がハードウェアで構成されるようにしてもよい。
【0067】
上記実施形態では、室内機1は1台であったが、2台以上にしてもよい。このようにする場合、特定の1台の室内機に対してアドレス変更するのは容易である。
【0068】
上記実施形態において、第1〜第3所定時間は、全て同じにしてもよいし、2つだけ同じ時間にし、かつ、残りの1つは他の時間にしてもよいし、互いに異なるようにしてもよい。例えば、第1〜第3所定時間のうちの少なくとも1つを60秒に設定してもよい。
【0069】
この発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、この発明は、リモンコンと、このリモコンと通信する空気清浄機本体とを備える空気清浄機に適用してもよい。このようにする場合、空気清浄機本体が室内機の一例となる。
【符号の説明】
【0070】
1 室内機
2 リモコン
10 ケーシング
11 運転スイッチ
12 第1制御装置
12a 第1アドレス変更部
13 第1送信部
14 第1受信部
15 運転LED
17 第1LED
18 第2LED
21 操作ボタン群
22 第2制御装置
23 第2送信部
24 第2受信部
25 表示部
図1
図2
図3A
図3B
図4