【実施例】
【0010】
図1は、実施例の作業状態監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す作業状態監視システム1は、安全帯10と、端末装置30と、サーバ100とを有する。なお、
図1では、安全帯10および端末装置30について、それぞれ1つを一例として示したが、安全帯10および端末装置30の数は限定されず、任意の数の安全帯10および端末装置30を有してもよい。また、端末装置30は、監督者が利用する端末装置の一例である。
【0011】
安全帯10、端末装置30およびサーバ100の間は、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。かかるネットワークNには、有線または無線を問わず、インターネットを始め、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。本実施例では、ネットワークNとして第3世代移動通信システムやLTE(Long Term Evolution)等の携帯電話回線を用いた場合について説明する。
【0012】
安全帯10は、例えば、作業者が高所作業時に用いる装具であり、ハーネスおよび胴ベルトにより作業者に固定され、ランヤード(ロープ)で接続されたフックが支持物に掛けられる。安全帯10は、例えば、フックが支持物に掛けられた状態であることを示す入力を受け付けると、入力に応じてフックが掛けられた状態であるか否かを示す表示を表示部に表示する。また、安全帯10は、例えば、当該入力を受け付けると、フックが掛けられた状態であるか否かを示す信号、すなわち、安全帯10の状態を特定可能な情報をサーバ100に無線送信する。
【0013】
端末装置30は、例えば、作業現場の監督者が用いる端末装置であり、作業計画や作業に関する情報を表示する。端末装置30は、例えば、作業開始時に監督者によって入力された作業情報送信指示をサーバ100に送信する。端末装置30は、サーバ100から受信した監督者向けの表示画面に表示する各種情報に基づく表示画面を生成し、図示しない表示部に表示させる。また、端末装置30は、サーバ100から受信したアラーム信号の情報、すなわち、安全器具の状態が適切ではないと判定された第一の作業者の情報を、該第一の作業者の現在位置に関する情報と、安全器具の状態に関する情報とともに表示する。
【0014】
端末装置30の一例としては、タブレット端末を採用できる。端末装置30には、上記のタブレット端末等の可搬型の端末のみならず、据置型のパーソナルコンピュータを端末装置30として採用することもできる。また、端末装置30は、可搬型の端末としては、上記のタブレット端末の他にも、例えば、可搬型のパーソナルコンピュータや、スマートフォン、携帯電話機等の移動体通信端末等を採用することもできる。
【0015】
サーバ100は、安全帯10から作業者の現在位置を特定可能な情報と、該作業者が身に着けている安全帯10の状態を特定可能な情報とを取得する。サーバ100は、作業者の現在位置に応じて異なる判定基準に基づいて、安全帯10の状態の適否を判定する。サーバ100は、安全器具の状態が適切ではないと判定された場合に、アラーム信号を安全帯10および端末装置30に出力する。これにより、作業状態監視システム1は、作業者の位置に応じて安全器具の状態の適否を判定できる。
【0016】
ここで、
図2を用いて安全帯10の使用の一例を説明する。
図2は、安全帯の使用の一例を示す図である。
図2に示すように、作業者5は、安全帯10を装着し、安全帯10の胴ベルト17にランヤードを介して接続されたフック部11を支持物40に掛けて、足場41上で作業を行う。このとき、安全帯10は、フック部11が支持物40に掛けられた状態であると、安全帯10のハーネスに設けられた表示部14において、例えば青ランプが点灯することで安全帯10の状態が適切であることを報知する。また、作業者5を監督する監督者6は、端末装置30を利用することで、端末装置30に表示された作業者5の安全に関する情報を閲覧することができる。なお、フック部11が支持物40に掛けられていない状態では、表示部14において、例えば赤ランプが点灯することで安全帯10の状態が適切ではないことを報知する。また、監督者6の端末装置30には、作業者5の状態が適切ではないことを示す情報が表示される。
【0017】
次に、安全帯10の構成について説明する。
図1に示すように、安全帯10は、フック部11と、通信部12と、操作部13と、表示部14と、高度計15と、出力部16と、胴ベルト17と、制御装置20とを有する。また、胴ベルト17は、検出部18と、無線通信装置19とを有する。なお、通信部12および無線通信装置19は、制御装置20に内蔵されていてもよく、例えば、当該制御装置20の一例としては、スマートフォンを採用できる。また、制御装置20は、上記のスマートフォンの他にも、ウェアラブルコンピュータや携帯電話機等の移動体通信端末等を採用することもできる。
【0018】
フック部11は、例えば、胴ベルト17にランヤードで接続される。
図3は、フック部の一例を示す図である。
図3に示すように、フック部11は、支持物に掛けられるフックの内側に設けられた接触スイッチ11aと、作業者5によって押下される作業中スイッチ13aと、図示しない通信部とを有する。接触スイッチ11aは、フック部11が支持物40に掛けられる、すなわち接触すると、ONの状態となる。接触スイッチ11aは、例えば、テープスイッチを用いることができる。作業中スイッチ13aは、作業の開始前はOFFの状態13bであり、作業開始時に作業者5の指によって押下されると、ONの状態、つまり作業中スイッチ13aとして示す状態となる。また、作業中スイッチ13aは、作業終了時にONの状態から作業開始時とは逆方向に押下されると、OFFの状態13bとなる。フック部11は、接触スイッチ11aおよび作業中スイッチ13aのON/OFF状態を、通信部を介して安全帯10の通信部12に送信する。なお、通信部は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信モジュール等によって実現される。
【0019】
図1に説明に戻って、通信部12は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信モジュール等によって実現される。通信部12は、フック部11と無線で接続され、フック部11との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部12は、フック部11から接触スイッチ11aおよび作業中スイッチ13aのON/OFF状態を受信する。通信部12は、接触スイッチ11aおよび作業中スイッチ13aのON/OFF状態を制御装置20に出力する。
【0020】
操作部13は、作業中であることを示す入力を受け付ける入力デバイスである。すなわち、操作部13は、フック部11が掛けられた状態であることを示す入力を受け付ける入力デバイスである。操作部13は、例えば、上述のように、フック部11の作業中スイッチ13aとして設けられてもよい。操作部13は、作業中情報、すなわち自身のON/OFF状態を制御装置20に出力する。
【0021】
表示部14は、安全帯10の状態が適切であるか否かを表示する表示デバイスである。表示部14は、例えば、適切であることを示す青色または緑色のランプと、適切でないことを示す赤色のランプとによって実現される。また、表示部14は、液晶ディスプレイ等を用いてもよい。
【0022】
高度計15は、安全帯10を装着した作業者5の高度を計測する。高度計15は、例えば、気圧センサを用いて気圧の変化に基づいて高度を計測する。なお、高度計15は、どの高さを基準に高度を判断するかを校正してもよい。例えば、作業開始前のミーティング時等において、地面に作業者5がいる場合に高度が0mになるように高度計15を校正することで、作業者5の作業現場における地面からの高度を計測することができる。高度計15は、計測した高度を制御装置20に出力する。
【0023】
出力部16は、安全帯10がネットワークNを介してサーバ100から受信したアラーム信号を出力する出力デバイスである。出力部16は、例えば、ブザー、ヘッドホン、骨伝導イヤホン等によって実現される。
【0024】
胴ベルト17は、安全帯10のうち、作業者5の腰部分に装着するベルトである。胴ベルト17は、例えば、背中側で安全帯10のハーネスと接続され、左右それぞれのベルトに嵌合可能なバックルを有する。胴ベルト17には、バックルが嵌合状態であるか否かを検出する検出部18が取り付けられる。また、胴ベルト17には、例えば、無線通信装置19が取り付けられる。なお、胴ベルト17には、無線通信装置19を含む制御装置20が取り付けられてもよい。
【0025】
検出部18は、胴ベルト17のバックルが嵌合状態であるか否かを検出する。すなわち、検出部18は、胴ベルト17の装着状態を検出する。検出部18は、検出した胴ベルト17の装着状態の検出結果を制御装置20に出力する。
【0026】
無線通信装置19は、例えば、第3世代移動通信システム、LTE等の携帯電話回線および無線LAN等の通信モジュール等によって実現される。無線通信装置19は、ネットワークNを介してサーバ100と無線で接続され、サーバ100との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。無線通信装置19は、ネットワークNを介して、サーバ100からアラーム信号を受信する。無線通信装置19は、受信したアラーム信号を制御装置20に出力する。また、無線通信装置19は、制御装置20から入力された作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを、ネットワークNを介して、サーバ100に送信する。
【0027】
制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御装置20は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御装置20は、例えば、上述のようにスマートフォンを用いることができ、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0028】
制御装置20は、安全帯10の各部を制御する。制御装置20は、通信部12から接触スイッチ11aおよび作業中スイッチ13aのON/OFF状態が入力される。また、制御装置20は、検出部18から検出結果が入力される。制御装置20は、接触スイッチ11aおよび作業中スイッチ13aのON/OFF状態と、検出結果とに基づいて、安全帯10の状態を特定可能な情報を生成する。なお、制御装置20は、作業中スイッチ13aのON/OFF状態に代えて、操作部13から入力された操作部13のON/OFF状態を用いてもよい。
【0029】
制御装置20は、高度計15から高度が入力される。制御装置20は、入力された高度が、所定以上の高度である場合に、接触スイッチ11aがOFFである、すなわち、フック部11が支持物に掛けられていない状態であることを検出すると、アラート信号を出力部16に出力して、例えばブザーを鳴動させる。なお、所定の高度は、予め設定された値を用いてもよいし、サーバ100から受信してもよい。また、制御装置20は、入力された高度に基づいて、作業者5の現在位置を特定可能な情報を生成する。制御装置20は、生成した作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを、無線通信装置19およびネットワークNを介して、サーバ100に送信する。
【0030】
制御装置20は、接触スイッチ11aおよび作業中スイッチ13aのON/OFF状態がどちらもONである場合に、表示部14の青色または緑色のランプを点灯させる。制御装置20は、高度計15から入力された高度が所定以上の高度であって、作業中スイッチ13aがONであり、接触スイッチ11aがOFFである場合には、表示部14の赤色のランプを点灯させる。また、制御装置20は、当該場合には、出力部16に対してアラーム信号を出力して、例えばブザーを鳴動させてもよい。なお、制御装置20は、作業中スイッチ13aがOFFの場合には、作業開始前または前作業終了後であるとして、表示部14のランプを消灯させる。
【0031】
制御装置20は、サーバ100からネットワークNおよび無線通信装置19を介して、アラーム信号を受信する。制御装置20は、受信したアラーム信号に基づいて、表示部14の赤色のランプを点灯させる。また、制御装置20は、受信したアラーム信号を出力部16に出力して、例えばブザーを鳴動させる。
【0032】
次に、サーバ100の構成について説明する。
図1に示すように、サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、サーバ100は、
図1に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイス等の機能部を有することとしてもかまわない。
【0033】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。通信部110は、ネットワークNを介して安全帯10および端末装置30と有線または無線で接続され、安全帯10および端末装置30との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部110は、安全帯10から作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを受信する。通信部110は、受信した作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを制御部130に出力する。また、通信部110は、制御部130から入力されたアラーム信号を、安全帯10および端末装置30に送信する。また、通信部110は、制御部130から入力された監督者6向けの表示画面に表示する各種情報を、端末装置30に送信する。
【0034】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、作業記憶部121と、メンバ記憶部122と、判定基準記憶部123とを有する。また、記憶部120は、制御部130での処理に用いる情報を記憶する。
【0035】
作業記憶部121は、作業日における作業内容に関する情報を記憶する。
図4は、作業記憶部の一例を示す図である。
図4に示すように、作業記憶部121は、「作業日」、「作業内容」、「作業領域」、「高所作業」といった項目を有する。作業記憶部121は、例えば、作業内容ごとに1レコードとして記憶する。
【0036】
「作業日」は、作業が行われる日付を示す情報である。「作業内容」は、当該作業日に作業者5が行う作業の内容を示す情報である。「作業領域」は、作業内容の作業を行う領域を示す情報である。「作業領域」は、例えば、作業が行われる領域を複数の領域に分割し、さらに、高さ方向についても複数に分割し、それぞれの領域を示す英数字の組み合わせで表すことができる。「高所作業」は、当該作業内容が高所作業であるか否かを示す情報である。「高所作業」は、高所作業である場合には「Y」とし、高所作業でない場合には「N」とする。
図4の3行目の例では、作業日「11月10日」に作業領域「H−3」で、高所作業である作業内容「C作業」が行われることを示す。
【0037】
図1の説明に戻って、メンバ記憶部122は、作業に従事するメンバ、つまり作業者5を記憶する。
図5は、メンバ記憶部の一例を示す図である。
図5に示すように、メンバ記憶部122は、「作業日」、「作業者」、「作業内容」といった項目を有する。メンバ記憶部122は、例えば、作業者5ごとに1レコードとして記憶する。
【0038】
「作業日」は、作業が行われる日付を示す情報である。「作業者」は、当該作業日に作業に従事する作業者5を示す情報である。「作業内容」は、当該作業日に作業者5が行う作業の内容を示す情報である。
図5の例では、作業日「11月10日」の作業内容「C作業」には、作業者5である「Dさん、Eさん、Fさん」が従事することを示す。
【0039】
図1の説明に戻って、判定基準記憶部123は、安全帯10および端末装置30に対してアラーム信号を送信する判定基準を記憶する。
図6は、判定基準記憶部の一例を示す図である。
図6に示すように、判定基準記憶部123は、「作業領域」、「判定基準」といった項目を有する。また、「判定基準」は、「高度」、「装着状態」、「作業中スイッチ」、「接触スイッチ」といった項目を有する。
【0040】
「作業領域」は、作業内容の作業を行う領域を示す情報である。「高度」は、作業者5の現在位置における高度の判定基準を示す情報である。「装着状態」は、作業者5の安全帯10の装着状態の判定基準を示す情報である。「装着状態」は、安全帯10の状態を特定可能な情報が、例えば、装着、未装着、胴ベルト緩めといった状態を示す場合に、「装着」が判定基準であれば、「未装着」、「胴ベルト緩め」の場合に判定基準を満たさないものとする。「作業中スイッチ」は、作業者5の安全帯10における作業中スイッチ13aまたは操作部13に関する安全帯10の状態を特定可能な情報の判定基準を示す情報である。「接触スイッチ」は、作業者5の安全帯10における接触スイッチ11aに関する安全帯10の状態を特定可能な情報の判定基準を示す情報である。
【0041】
図6の例では、1行目の作業領域「G−1」では、作業開始前の準備を行う場所であるので、「高度」、「作業中スイッチ」、「接触スイッチ」はどの様な状態であってもよく、「装着状態」は、未装着であっても安全帯10の状態が適切であると判定される。なお、
図6の1行目の例では、作業者5が作業開始前であり、地面に立っていることが明らかであるので、安全帯10の状態が適切であるか否かの判定が行われなくてもよい。
図6の4行目の例では、作業領域「H−1」では、高度「3m以上」である場合に、装着状態「装着」、作業中スイッチ「ON」、接触スイッチ「ON」のとき、安全帯10の状態が適切であると判定される。すなわち、
図6の4行目の例では、高度「3m以上」である場合に、装着状態「未装着」または「胴ベルト緩め」であるか、作業中スイッチおよび接触スイッチのうちいずれかが「OFF」であれば、安全帯10の状態が適切ではないと判定される。
【0042】
さらに、
図6の7行目の例では、作業領域「H−1」では、高度「3m未満」である場合に、装着状態「装着」、作業中スイッチ「ON」、接触スイッチ「ON」または「OFF」のとき、安全帯10の状態が適切であると判定される。すなわち、
図6の7行目の例では、高度「3m未満」である場合に、装着状態「未装着」または「胴ベルト緩め」であるか、作業中スイッチが「OFF」であれば、安全帯10の状態が適切ではないと判定される。つまり、安全帯10の状態は、作業者5が、高所作業が行われる作業領域「H−1」に居たとしても、高度が低ければフック部11が支持物に掛けられていなくても、適切であると判定される。なお、高度の判定基準の値は、3mに限られず、5mや10m等の他の値であってもよい。
【0043】
図1の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部130は、取得部131と、判定部132と、出力制御部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図1に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0044】
取得部131は、通信部110およびネットワークNを介して、安全帯10から作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを受信して取得する。取得部131は、複数の作業者5のそれぞれについて、作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを受信して取得する。取得部131は、作業者5の現在位置を特定可能な情報として、例えば、作業者5の高度を取得する。取得部131は、取得した作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを判定部132に出力する。
【0045】
判定部132には、取得部131から作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とが入力される。判定部132は、判定基準記憶部123を参照し、作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とに基づいて、複数の作業者5のそれぞれについて、安全帯10の状態の適否を判定する。すなわち、判定部132は、作業者5の現在位置、つまり高度に応じて異なる判断基準に基づいて、安全帯10の状態の適否を判定する。
図6の例では、判定部132は、作業領域「H−1」で作業している作業者5が高度「3m以上」であれば、装着状態、作業スイッチおよび接触スイッチに係る情報を判定対象とする判定基準で判定する。また、判定部132は、作業者5が高度「3m未満」であれば、装着状態および作業スイッチに係る情報を判定対象とする判定基準で判定する。なお、
図6の1行目の例に示すように、判定部132は、作業者5が作業開始前であり、地面に立っていることが明らかである場合には、安全帯10の状態が適切であるか否かの判定を行わなくてもよい。
【0046】
判定部132は、安全帯10の状態が適切であると判定した場合には、引き続き、取得部131から入力される作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とに基づいて、安全帯10の状態の適否の判定を継続する。判定部132は、安全帯10の状態が適切ではないと判定した場合には、安全帯10の状態が適切ではない作業者5に係る発報指示を出力制御部133に出力する。
【0047】
出力制御部133は、端末装置30から作業情報送信指示が入力されると、作業記憶部121およびメンバ記憶部122を参照し、監督者6向けの表示画面に表示する各種情報を、通信部110およびネットワークNを介して、端末装置30に送信する。ここで、各種情報は、例えば、本日の作業一覧情報、作業者一覧情報、重機や工具等の情報、レイアウト情報、リスクアセスメント情報、コメント情報等が挙げられる。
【0048】
出力制御部133は、判定部132から発報指示が入力されると、通信部110およびネットワークNを介して、アラーム信号を安全帯10および端末装置30に送信する。また、出力制御部133は、通信部110およびネットワークNを介して、発報指示の対象である作業者5の情報を、当該作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とともに、端末装置30に送信する。
【0049】
ここで、
図7から
図9を用いて、監督者が用いる端末装置30における表示画面について説明する。
図7は、監督者の端末装置における表示画面の一例を示す図である。
図7に示すように、表示画面50には、例えば、本日の作業計画が表示される。また、表示画面50には、本日の作業一覧が表示される作業欄51と、作業欄51で選択中の作業に従事する作業メンバ、つまり作業者5が表示される作業メンバ欄52と、押下により危険情報等が表示されるリスクアセスメントボタン53とが表示される。監督者は、例えば、作業開始前にリスクアセスメントボタン53を押下して、本日の作業に関する危険情報を確認する。表示画面50は、作業が開始されて作業欄51の作業が選択されると、選択された作業に関する情報を表示する画面に遷移する。
【0050】
図8は、監督者の端末装置における表示画面の他の一例を示す図である。
図8に示す表示画面55は、例えば、表示画面50において、C作業が選択された場合の画面である。表示画面55には、メンバ詳細欄56と、レイアウト欄57と、重機配置欄58とが表示される。メンバ詳細欄56は、例えば、各作業者5の写真59が表示される。レイアウト欄57は、例えば、各作業者5の作業領域が表示される。重機配置欄58は、作業現場における重機の配置が表示される。
【0051】
図9は、作業者の安全器具の状態が適切ではない場合の表示の一例を示す図である。
図9は、
図8の表示画面55において、ある作業者5の安全帯10の状態が適切でない場合のメンバ詳細欄56の表示の一例である。ある作業者5の写真59には、高所作業を行う予定があることを示す「高所作業予定者」といった表示60と、作業者5の現在の高度を示す表示61とが重畳表示される。端末装置30は、サーバ100からアラーム信号、および、作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを含む各種情報を受信すると、例えば、メッセージ62、63、64をポップアップ表示させる。
【0052】
メッセージ62は、例えば、「安全帯をロックできていません」と表示される。メッセージ62は、例えば、安全帯10の状態を特定可能な情報に、装着状態が未装着、つまり胴ベルト17のロックができていない情報が含まれる場合に表示される。メッセージ63は、例えば、「ベルト、ハーネスが緩い可能性があります」と表示される。メッセージ63は、例えば、安全帯10の状態を特定可能な情報に、装着状態が胴ベルト緩めである情報が含まれる場合に表示される。メッセージ64は、例えば、「バックアップの人がいません」と表示される。メッセージ64は、例えば、二人一組で作業を行うべき場合に、もう一人が同じ作業領域に居ない場合に表示される。なお、端末装置30は、アラーム信号に基づく情報を表示させている場合に、監督者6によって当該作業者5の写真59が選択されると、安全帯10に対してメッセージを送信するようにしてもよい。
【0053】
次に、実施例の作業状態監視システム1の動作について説明する。
図10は、実施例の監視処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
作業現場の監督者6が用いる端末装置30は、例えば、作業開始時に監督者6によって入力された作業情報送信指示をサーバ100に送信する。サーバ100の出力制御部133は、端末装置30から作業情報送信指示が入力されると、作業記憶部121およびメンバ記憶部122を参照し、監督者6向けの表示画面に表示する各種情報を端末装置30に送信する。端末装置30は、サーバ100から受信した各種情報に基づく表示画面を表示させる。監督者6は、端末装置30の表示画面に表示された各種情報に基づいて、作業開始前のミーティングを行う。
【0055】
ミーティングは、例えば、作業現場の高度0mとみなす場所で行われる。ミーティングでは、例えば、監督者6が各作業者5に対して、安全帯10の高度計15のリセットを指示する。各作業者5が装着する安全帯10の高度計15は、それぞれ作業者5によって高度のリセット指示を受け付けると、現在位置を0mとするように校正する(ステップS1)。各作業者5が装着する安全帯10の制御装置20は、例えばミーティング終了時に、サーバ100に対して、作業者5の現在位置を特定可能な情報および安全帯10の状態を特定可能な情報の送信を開始する。
【0056】
サーバ100の取得部131は、安全帯10から作業者5の現在位置を特定可能な情報および安全帯10の状態を特定可能な情報を受信して、作業者5の現在位置を特定可能な情報および安全帯10の状態を特定可能な情報の取得を開始する(ステップS2)。取得部131は、取得した作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを判定部132に出力する。
【0057】
判定部132には、取得部131から作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とが入力される。判定部132は、判定基準記憶部123を参照し、作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とに基づいて、複数の作業者5のそれぞれについて、安全帯10の状態の適否を判定する(ステップS3)。判定部132は、安全帯10の状態が適切であると判定した場合には(ステップS3:肯定)、ステップS3の判定を繰り返し、安全帯10の状態の適否の判定を継続する。判定部132は、安全帯10の状態が適切ではないと判定した場合には(ステップS3:否定)、安全帯10の状態が適切ではない作業者5に係る発報指示を出力制御部133に出力する。
【0058】
出力制御部133は、判定部132から発報指示が入力されると、アラーム信号を安全帯10および端末装置30に送信する。また、出力制御部133は、発報指示の対象である作業者5の情報を、当該作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とともに、端末装置30に送信する。
【0059】
安全帯10の制御装置20は、サーバ100からアラーム信号を受信すると、表示部14の赤色のランプを点灯させてアラームを出力する(ステップS4)。また、制御装置20は、受信したアラーム信号を出力部16に出力して、例えばブザーを鳴動させたり、バイブレータを起動させたりすることでアラームを出力する。さらに、端末装置30は、サーバ100からアラーム信号を受信すると、発報指示の対象である作業者5の情報を、当該作業者5の現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とともに表示させることでアラームを出力する。
【0060】
これにより、作業状態監視システム1は、作業者5の位置に応じて、安全帯10の状態、つまり安全器具の状態の適否を判定できる。また、作業状態監視システム1は、不安全な状態を報知することで、作業者5の安全帯をロックするのを忘れたり、ベルトやハーネスが緩められていたり、フックを掛け忘れたりするような単純ミス等による事故の発生を抑止できる。また、作業状態監視システム1は、監督者6にも作業者5の状態が報知されるので、作業記録を第三者的視点から状況を検討でき、作業手順の見直しや事故の予防に利用できる。
【0061】
このように、作業状態監視システム1は、作業者5の現在位置を特定可能な情報と、該作業者5が身に着けている安全帯10の状態を特定可能な情報とを取得する。また、作業状態監視システム1は、作業者5の現在位置に応じて異なる判定基準に基づいて、安全帯10の状態の適否を判定する。また、作業状態監視システム1は、安全帯10の状態が適切ではないと判定された場合に、アラームを出力する。その結果、作業者5の位置に応じて安全器具の状態の適否を判定できる。
【0062】
また、作業状態監視システム1は、作業者5の高度を、現在位置を特定可能な情報として取得する。また、作業状態監視システム1は、作業者5の高度に応じて異なる判定基準に基づいて、安全帯10の状態の適否を判定する。その結果、作業者5の高度に応じて安全器具の状態の適否を判定できる。
【0063】
また、作業状態監視システム1では、安全帯10の状態を特定可能な情報は、安全帯10のフック部11が支持物に掛けられた状態であるか否かを特定可能な情報である。その結果、作業者5が高所作業中にフック部11を支持物に掛けているか否かを判定できる。
【0064】
また、作業状態監視システム1では、安全帯10の状態を特定可能な情報は、さらに、作業者5が作業中であることを明示するためのスイッチが押下されたか否かを示す作業中情報を含む。また、作業状態監視システム1は、作業中情報がスイッチが押下されたことを示す場合に、安全帯10の状態の適否を判定する。その結果、作業者5が高所作業中であることを明示できる。
【0065】
また、作業状態監視システム1は、複数の作業者5のそれぞれについて、現在位置を特定可能な情報と、身に着けている安全帯10の状態を特定可能な情報とを取得する。また、作業状態監視システム1は、作業者5の現在位置に応じて異なる判定基準に基づいて、複数の作業者5のそれぞれについて、安全帯10の状態の適否を判定する。また、作業状態監視システム1は、安全帯10の状態が適切ではないと判定された第一の作業者5の情報を、該第一の作業者5の現在位置に関する情報と、安全帯10の状態に関する情報とともに、複数の作業者5とは異なる監督者6が利用する端末装置30の画面に出力する。その結果、作業者5の位置に応じて安全器具の状態の適否を判定でき、判定結果を監督者6に報知できる。
【0066】
また、安全帯10は、ロープを介して接続されたフック部11を備える。また、安全帯10は、フック部11が掛けられた状態であることを示す入力を操作部13で受け付ける。また、安全帯10は、操作部13を用いた入力に応じてフック部11が掛けられた状態であるか、掛けられていない状態かを示す表示を行う。また、安全帯10は、入力に応じて、フック部11が掛けられた状態であるか、掛けられていない状態であるかを示す信号を無線通信装置19で無線送信する。その結果、フック部11が掛けられた状態であるか、掛けられていない状態かについて、安全帯10での表示、および、サーバ100への送信ができる。
【0067】
また、無線通信装置19は、安全帯10の胴ベルト17に取り付けられている。その結果、作業者5の作業の邪魔にならずに信号を無線送信できる。
【0068】
また、安全帯10は、胴ベルト17と、該胴ベルト17の装着状態を検出する検出部18とを含む。無線通信装置19は、胴ベルト17の装着状態の検出結果をさらに無線送信する。その結果、作業者5の胴ベルト17の装着状態の検出結果を無線送信できる。
【0069】
また、安全帯10は、さらに、高度計15と、該高度計15が所定以上の高度を示す場合に、フック部11が掛けられていない状態であることを検出すると、アラートを出力する出力部16とを備える。その結果、作業者5の高度が所定以上になると、アラートを出力できる。
【0070】
また、安全帯10は、安全帯10にロープを介して接続されたフック部11が掛けられているか否かを示す情報と、安全帯10が位置する高度の情報または安全帯10の装着者が位置する高度の情報とを取得する。また、安全帯10は、高度の情報が所定の高度条件を満たす場合に、フック部11が掛けられているか否かを示す情報の表示を行う。その結果、安全帯10の装着者である作業者5は、フック部11の状態を容易に把握できる。
【0071】
なお、上記実施例では、作業者5の現在位置として、高度を用いた場合を説明したが、これに限定されない。例えば、安全帯10にビーコンを発振する発信機を設け、作業現場にビーコンの受信機を設置することで、3次元での位置情報を取得し、3次元での位置情報に基づいて、安全帯10の状態の適否を判定してもよい。また、安全帯10は、発信機に代えて電子タグを用いてもよい。これにより、作業者5の動線をチェックすることで、今現在危険な場所にいないかを判定できる。また、位置情報や安全器具の状態など、上記実施例の処理で用いる情報についてログを記録することで作業後に、作業を振り返ることができる。
【0072】
また、上記実施例では、作業者5の情報として、現在位置を特定可能な情報と、安全帯10の状態を特定可能な情報とを取得したが、これに限定されない。例えば、作業者5の心拍数等の生体情報を取得することで、作業者の心理状態を把握し、危険な兆候があればアラームを出力することができる。
【0073】
また、上記実施例では、フック部11の接触スイッチ11aを用いてフック部11が支持物40に掛けられたことを検出したが、これに限定されない。例えば、安全帯10にマイクを設け、作業者5がフック部11を支持物40に掛けたときに音声でフックの固定を報告し、音声認識された情報を用いて、安全帯10の状態を特定可能な情報を生成してもよい。
【0074】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、出力制御部133についてアラーム信号を出力する第1の出力制御部と、端末装置30に各種情報を出力する第2の出力制御部とに分散させてもよい。また、図示した各処理は、上記の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲において、同時に実施してもよく、順序を入れ替えて実施してもよい。
【0075】
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0076】
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
図11は、作業状態監視プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0077】
図11に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、データ入力を受け付ける入力装置202と、モニタ203とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置204と、各種装置と接続するためのインタフェース装置205と、他の情報処理装置等と有線または無線により接続するための通信装置206とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM207と、ハードディスク装置208とを有する。また、各装置201〜208は、バス209に接続される。
【0078】
ハードディスク装置208には、
図1に示した取得部131、判定部132および出力制御部133の各処理部と同様の機能を有する作業状態監視プログラムが記憶される。また、ハードディスク装置208には、作業状態監視プログラムを実現するための各種データが記憶される。入力装置202は、例えば、コンピュータ200の管理者から操作情報等の各種情報の入力を受け付ける。モニタ203は、例えば、コンピュータ200の管理者に対して各種画面を表示する。インタフェース装置205は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置206は、例えば、
図1に示した通信部110と同様の機能を有しネットワークNと接続され、安全帯10および端末装置30と各種情報をやりとりする。
【0079】
CPU201は、ハードディスク装置208に記憶された各プログラムを読み出して、RAM207に展開して実行することで、各種の処理を行う。また、これらのプログラムは、コンピュータ200を
図1に示した取得部131、判定部132および出力制御部133として機能させることができる。
【0080】
なお、上記の作業状態監視プログラムは、必ずしもハードディスク装置208に記憶されている必要はない。例えば、コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ200が読み出して実行するようにしてもよい。コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこの作業状態監視プログラムを記憶させておき、コンピュータ200がこれらから作業状態監視プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0081】
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0082】
(付記1)作業者の現在位置を特定可能な情報と、該作業者が身に着けている安全器具の状態を特定可能な情報とを取得する取得部と、
前記作業者の前記現在位置に応じて異なる判定基準に基づいて、前記安全器具の状態の適否を判定する判定部と、
前記安全器具の状態が適切ではないと判定された場合に、アラームを出力する出力制御部と、
を有することを特徴とする作業状態監視システム。
【0083】
(付記2)前記取得部は、前記作業者の高度を、前記現在位置を特定可能な情報として取得し、
前記判定部は、前記作業者の高度に応じて異なる判定基準に基づいて、前記安全器具の状態の適否を判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の作業状態監視システム。
【0084】
(付記3)前記安全器具の状態を特定可能な情報は、前記安全器具のフックが支持物に掛けられた状態であるか否かを特定可能な情報である、
ことを特徴とする付記1または2に記載の作業状態監視システム。
【0085】
(付記4)前記安全器具の状態を特定可能な情報は、さらに、前記作業者が作業中であることを明示するためのスイッチが押下されたか否かを示す作業中情報を含み、
前記判定部は、前記作業中情報が前記スイッチが押下されたことを示す場合に、前記安全器具の状態の適否を判定する、
ことを特徴とする付記3に記載の作業状態監視システム。
【0086】
(付記5)複数の作業者のそれぞれについて、現在位置を特定可能な情報と、身に着けている安全器具の状態を特定可能な情報とを取得する取得部と、
前記作業者の前記現在位置に応じて異なる判定基準に基づいて、前記複数の作業者のそれぞれについて、前記安全器具の状態の適否を判定する判定部と、
前記安全器具の状態が適切ではないと判定された第一の作業者の情報を、該第一の作業者の現在位置に関する情報と、前記安全器具の状態に関する情報とともに、前記複数の作業者とは異なる監督者が利用する端末の画面に出力する出力制御部と、
を有することを特徴とする作業状態監視システム。
【0087】
(付記6)作業者の現在位置を特定可能な情報と、該作業者が身に着けている安全器具の状態を特定可能な情報とを取得し、
前記作業者の前記現在位置に応じて異なる判定基準に基づいて、前記安全器具の状態の適否を判定し、
前記安全器具の状態が適切ではないと判定された場合に、アラームを出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする作業状態監視方法。
【0088】
(付記7)前記取得する処理は、前記作業者の高度を、前記現在位置を特定可能な情報として取得し、
前記判定する処理は、前記作業者の高度に応じて異なる判定基準に基づいて、前記安全器具の状態の適否を判定する、
ことを特徴とする付記6に記載の作業状態監視方法。
【0089】
(付記8)前記安全器具の状態を特定可能な情報は、前記安全器具のフックが支持物に掛けられた状態であるか否かを特定可能な情報である、
ことを特徴とする付記6または7に記載の作業状態監視方法。
【0090】
(付記9)前記安全器具の状態を特定可能な情報は、さらに、前記作業者が作業中であることを明示するためのスイッチが押下されたか否かを示す作業中情報を含み、
前記判定する処理は、前記作業中情報が前記スイッチが押下されたことを示す場合に、前記安全器具の状態の適否を判定する、
ことを特徴とする付記8に記載の作業状態監視方法。
【0091】
(付記10)複数の作業者のそれぞれについて、現在位置を特定可能な情報と、身に着けている安全器具の状態を特定可能な情報とを取得し、
前記作業者の前記現在位置に応じて異なる判定基準に基づいて、前記複数の作業者のそれぞれについて、前記安全器具の状態の適否を判定し、
前記安全器具の状態が適切ではないと判定された第一の作業者の情報を、該第一の作業者の現在位置に関する情報と、前記安全器具の状態に関する情報とともに、前記複数の作業者とは異なる監督者が利用する端末の画面に出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする作業状態監視方法。
【0092】
(付記11)ロープを介して接続されたフックを備えた安全帯において、
前記フックが掛けられた状態であることを示す入力を受け付ける操作部と、
前記操作部を用いた入力に応じてフックが掛けられた状態であるか、掛けられていない状態かを示す表示を行う表示部と、
前記入力に応じて、前記フックが掛けられた状態であるか、掛けられていない状態であるかを示す信号を無線送信する無線通信装置と、
を備えたことを特徴とする安全帯。
【0093】
(付記12)前記無線通信装置は、前記安全帯の胴ベルトに取り付けられた、
ことを特徴とする付記11に記載の安全帯。
【0094】
(付記13)前記安全帯は、
胴ベルトと、
該胴ベルトの装着状態を検出する検出部とを含み、
前記無線通信装置は、前記胴ベルトの装着状態の検出結果をさらに無線送信する、
ことを特徴とする付記11に記載の安全帯。
【0095】
(付記14)前記安全帯は、さらに、
高度計と、
該高度計が所定以上の高度を示す場合に、前記フックが掛けられていない状態であることを検出すると、アラームを出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする付記11に記載の安全帯。
【0096】
(付記15)安全帯にロープを介して接続されたフックが掛けられているか否かを示す情報と、前記安全帯が位置する高度の情報または前記安全帯の装着者が位置する高度の情報と、を取得し、
前記高度の情報が所定の高度条件を満たす場合に、前記フックが掛けられているか否かを示す情報の表示を行う、
ことを特徴とする作業状態監視方法。