(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
前記電力制御手段は、前記所定条件の成立により前記アプリケーションと共に前記定期通信管理手段に対する通電を停止させ、前記定期通信管理手段に対する通電を停止させた後に、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
前記アプリケーションは、前記電力制御手段によって通電が停止される所定時間前に前記サーバーとの定期通信を行うとき、前記サーバーから定期通信応答を受信するまでのタイムアウト時間を前記所定時間よりも短い時間に設定し、
前記電力制御手段は、前記アプリケーションが前記サーバーに対する定期通信を行ってから前記タイムアウト時間が経過した場合に前記アプリケーションに対する通電を停止させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのそれぞれに前記第1のサーバー及び前記第2のサーバーとの定期通信を行わせると共に前記タイマーによる前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間の計測時間をリセットすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更することができない場合、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止された後、前記一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔が経過したことに伴って前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が再開された場合、前記他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションの双方が前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更可能である場合、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔を互いに一致する時間間隔に変更することを特徴とする請求項6又は7に記載の画像処理装置。
前記定期通信管理手段は、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔のうち、短い時間間隔を長い時間間隔に一致させるように変更することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項12に記載の画像処理システム。
前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項13に記載の画像処理システム。
前記電力制御手段は、前記所定条件の成立により前記アプリケーションと共に前記定期通信管理手段に対する通電を停止させ、前記定期通信管理手段に対する通電を停止させた後に、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項14に記載の画像処理システム。
前記アプリケーションは、前記電力制御手段によって通電が停止される所定時間前に前記サーバーとの定期通信を行うとき、前記サーバーから定期通信応答を受信するまでのタイムアウト時間を前記所定時間よりも短い時間に設定し、
前記電力制御手段は、前記アプリケーションが前記サーバーに対する定期通信を行ってから前記タイムアウト時間が経過した場合に前記アプリケーションに対する通電を停止させることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の画像処理システム。
前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのそれぞれに前記第1のサーバー及び前記第2のサーバーとの定期通信を行わせると共に前記タイマーによる前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間の計測時間をリセットすることを特徴とする請求項17に記載の画像処理システム。
前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更することができない場合、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする請求項17に記載の画像処理システム。
前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止された後、前記一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔が経過したことに伴って前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が再開された場合、前記他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする請求項19に記載の画像処理システム。
前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションの双方が前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更可能である場合、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔を互いに一致する時間間隔に変更することを特徴とする請求項17又は18に記載の画像処理システム。
前記定期通信管理手段は、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔のうち、短い時間間隔を長い時間間隔に一致させるように変更することを特徴とする請求項21に記載の画像処理システム。
前記第2のステップは、前記第1のステップによって前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
前記第2のステップは、前記第1のステップによって前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
前記第5のステップは、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔のうち、短い時間間隔を長い時間間隔に一致させるように変更することを特徴とする請求項29に記載のプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では上述したゲートウェイの機能を内蔵した画像処理装置が提供されつつある。この場合、画像処理装置は、インターネット上のサーバーと接続状態を確立し、その接続状態を維持するために一定の時間間隔で定期的にサーバーと通信を行うように構成される。
【0007】
一方、画像処理装置は、省電力を目的としたスリープ機能を有しており、サーバーとの接続状態を確立している場合であっても所定条件が成立すると、ディープスリープモードへ移行する。画像処理装置がディープスリープモードへ移行すると、サーバーと定期通信を行うための機能が停止するため、サーバーとの定期通信が行われなくなり、画像処理装置とサーバーとの接続状態が切断されてしまう可能性がある。これを防止するためには、ディープスリープモードへ移行した場合であっても、サーバーとの定期通信を行うために一定の時間間隔で画像処理装置の通電状態を元の通常モードに復帰させることが必要となる。
【0008】
しかし、画像処理装置がディープスリープモードへ移行した直後にサーバーと定期通信を行うためのタイミングになると、ディープスリープモードから直ぐに通常モードへ復帰してしまうため、ディープスリープモードの継続時間が短くなり、十分な省電力効果を得られないという課題があった。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、従来よりも省電力効果を得られるようにした画像処理装置、画像処理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、サーバーと連携してジョブを実行可能な画像処理装置であって、前記サーバーと通信可能な接続状態を確立し、
前記接続状態を利用して前記サーバーとの間でジョブの送受信を行うと共に、前記接続状態を維持するべく前記サーバーと所定の時間間隔で定期通信を行うアプリケーションと、前記アプリケーションが前記サーバーと行う定期通信を管理する定期通信管理手段と、前記アプリケーションが前記サーバーと定期通信を行ってからの経過時間を計測するタイマーを有し、所定条件の成立により前記アプリケーションに対する通電を停止させた後、前記タイマーが前記時間間隔を計測することに伴い前記アプリケーションに対する通電を再開させる電力制御手段と、を備え、前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記アプリケーションに対する通電が停止される前に、前記アプリケーションに前記サーバーとの定期通信を行わせると共に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記電力制御手段は、前記所定条件の成立により前記アプリケーションと共に前記定期通信管理手段に対する通電を停止させ、前記定期通信管理手段に対する通電を停止させた後に、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置において、前記アプリケーションは、前記電力制御手段によって通電が停止される所定時間前に前記サーバーとの定期通信を行うとき、前記サーバーから定期通信応答を受信するまでのタイムアウト時間を前記所定時間よりも短い時間に設定し、前記電力制御手段は、前記アプリケーションが前記サーバーに対する定期通信を行ってから前記タイムアウト時間が経過した場合に前記アプリケーションに対する通電を停止させることを特徴とする構成である。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置において、前記サーバーは、第1のサーバーと第2のサーバーとを含んでおり、前記アプリケーションは、前記第1のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第1のサーバーと第1の時間間隔で定期通信を行う第1のアプリケーションと、前記第2のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第2のサーバーと第2の時間間隔で定期通信を行う第2のアプリケーションと、を含み、前記電力制御手段は、前記タイマーによって、前記第1のアプリケーションが前記第1のサーバーと定期通信を行ってからの第1の経過時間を計測すると共に、前記第2のアプリケーションが前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの第2の経過時間を計測し、前記所定条件の成立により前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を停止させた後、前記タイマーが前記第1の時間間隔又は前記第2の時間間隔を計測することに伴い前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を再開させることを特徴とする構成である。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのそれぞれに前記第1のサーバー及び前記第2のサーバーとの定期通信を行わせると共に前記タイマーによる前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間の計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の画像処理装置において、前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更することができない場合、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の画像処理装置において、前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止された後、前記一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔が経過したことに伴って前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が再開された場合、前記他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0019】
請求項10に係る発明は、請求項6又は7に記載の画像処理装置において、前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションの双方が前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更可能である場合、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔を互いに一致する時間間隔に変更することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の画像処理装置において、前記定期通信管理手段は、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔のうち、短い時間間隔を長い時間間隔に一致させるように変更することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項12に係る発明は、サーバーと、前記サーバーと連携してジョブを実行可能な画像処理装置と、を有する画像処理システムであって、前記サーバーは、前記画像処理装置からの接続要求に応じて前記画像処理装置と通信可能な接続状態を確立し、前記画像処理装置から所定の時間間隔で行われる定期通信を受信することによって前記画像処理装置との接続状態を維持すると共に、前記画像処理装置から定期通信を受信することなく、一定の時間が経過後した場合に前記接続状態を切断する接続管理手段、を備え、前記画像処理装置は、前記サーバーに接続要求を送信することによって前記サーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記サーバー前記時間間隔で定期通信を行うアプリケーションと、前記アプリケーションが前記サーバーと行う定期通信を管理する定期通信管理手段と、前記アプリケーションが前記サーバーと定期通信を行ってからの経過時間を計測するタイマーを有し、所定条件の成立により前記アプリケーションに対する通電を停止させた後、前記タイマーが前記時間間隔を計測することに伴い前記アプリケーションに対する通電を再開させる電力制御手段と、を備え、前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記アプリケーションに対する通電が停止される前に、前記アプリケーションに前記サーバーとの定期通信を行わせると共に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0022】
請求項13に係る発明は、請求項12に記載の画像処理システムにおいて、前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0023】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の画像処理システムにおいて、前記定期通信管理手段は、前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0024】
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の画像処理システムにおいて、前記電力制御手段は、前記所定条件の成立により前記アプリケーションと共に前記定期通信管理手段に対する通電を停止させ、前記定期通信管理手段に対する通電を停止させた後に、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0025】
請求項16に係る発明は、請求項12乃至15のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記アプリケーションは、前記電力制御手段によって通電が停止される所定時間前に前記サーバーとの定期通信を行うとき、前記サーバーから定期通信応答を受信するまでのタイムアウト時間を前記所定時間よりも短い時間に設定し、前記電力制御手段は、前記アプリケーションが前記サーバーに対する定期通信を行ってから前記タイムアウト時間が経過した場合に前記アプリケーションに対する通電を停止させることを特徴とする構成である。
【0026】
請求項17に係る発明は、請求項12乃至16のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記サーバーは、第1のサーバーと第2のサーバーとを含んでおり、前記アプリケーションは、前記第1のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第1のサーバーと第1の時間間隔で定期通信を行う第1のアプリケーションと、前記第2のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第2のサーバーと第2の時間間隔で定期通信を行う第2のアプリケーションと、を含み、前記電力制御手段は、前記タイマーによって、前記第1のアプリケーションが前記第1のサーバーと定期通信を行ってからの第1の経過時間を計測すると共に、前記第2のアプリケーションが前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの第2の経過時間を計測し、前記所定条件の成立により前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を停止させた後、前記タイマーが前記第1の時間間隔又は前記第2の時間間隔を計測することに伴い前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を再開させることを特徴とする構成である。
【0027】
請求項18に係る発明は、請求項17に記載の画像処理システムにおいて、前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのそれぞれに前記第1のサーバー及び前記第2のサーバーとの定期通信を行わせると共に前記タイマーによる前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間の計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0028】
請求項19に係る発明は、請求項17に記載の画像処理システムにおいて、前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更することができない場合、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0029】
請求項20に係る発明は、請求項19に記載の画像処理システムにおいて、前記定期通信管理手段は、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止された後、前記一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔が経過したことに伴って前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が再開された場合、前記他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、当該他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0030】
請求項21に係る発明は、請求項17又は18に記載の画像処理システムにおいて、前記定期通信管理手段は、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションの双方が前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更可能である場合、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔を互いに一致する時間間隔に変更することを特徴とする構成である。
【0031】
請求項22に係る発明は、請求項21に記載の画像処理システムにおいて、前記定期通信管理手段は、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔のうち、短い時間間隔を長い時間間隔に一致させるように変更することを特徴とする構成である。
【0032】
請求項23に係る発明は、サーバーと連携してジョブを実行可能な画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置は、前記サーバーと通信可能な接続状態を確立し、
前記接続状態を利用して前記サーバーとの間でジョブの送受信を行うと共に、前記接続状態を維持するべく前記サーバーと所定の時間間隔で定期通信を行うアプリケーションと、前記アプリケーションが前記サーバーと定期通信を行ってからの経過時間を計測するタイマーを有し、所定条件の成立により前記アプリケーションに対する通電を停止させた後、前記タイマーが前記時間間隔を計測することに伴い前記アプリケーションに対する通電を再開させる電力制御手段と、を備えており、前記プログラムは、前記画像処理装置に、前記電力制御手段によって前記アプリケーションに対する通電が停止される前に、前記アプリケーションに前記サーバーとの定期通信を行わせる第1のステップと、前記タイマーの計測時間をリセットする第2のステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【0033】
請求項24に係る発明は、請求項23に記載のプログラムにおいて、前記第2のステップは、前記第1のステップによって前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0034】
請求項25に係る発明は、請求項24に記載のプログラムにおいて、前記第2のステップは、前記第1のステップによって前記アプリケーションに前記サーバーに対する定期通信を行わせた後、前記サーバーから定期通信応答を受信した場合に前記タイマーの計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0035】
請求項26に係る発明は、請求項23に記載のプログラムにおいて、前記サーバーは、第1のサーバーと第2のサーバーとを含んでおり、前記アプリケーションは、前記第1のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第1のサーバーと第1の時間間隔で定期通信を行う第1のアプリケーションと、前記第2のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第2のサーバーと第2の時間間隔で定期通信を行う第2のアプリケーションと、を含み、前記電力制御手段は、前記タイマーによって、前記第1のアプリケーションが前記第1のサーバーと定期通信を行ってからの第1の経過時間を計測すると共に、前記第2のアプリケーションが前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの第2の経過時間を計測し、前記所定条件の成立により前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を停止させた後、前記タイマーが前記第1の時間間隔又は前記第2の時間間隔を計測することに伴い前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を再開させる構成であり、前記第1のステップは、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのそれぞれに前記第1のサーバー及び前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記第2のステップは、前記タイマーによる前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間の計測時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0036】
請求項27に係る発明は、請求項23に記載のプログラムにおいて、前記サーバーは、第1のサーバーと第2のサーバーとを含んでおり、前記アプリケーションは、前記第1のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第1のサーバーと第1の時間間隔で定期通信を行う第1のアプリケーションと、前記第2のサーバーと通信可能な接続状態を確立し、該接続状態を維持するべく前記第2のサーバーと第2の時間間隔で定期通信を行う第2のアプリケーションと、を含み、前記電力制御手段は、前記タイマーによって、前記第1のアプリケーションが前記第1のサーバーと定期通信を行ってからの第1の経過時間を計測すると共に、前記第2のアプリケーションが前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの第2の経過時間を計測し、前記所定条件の成立により前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を停止させた後、前記タイマーが前記第1の時間間隔又は前記第2の時間間隔を計測することに伴い前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電を再開させる構成であり、前記第1のステップは、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更することができない場合、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止される前に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションのうちの他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせ、前記第2のステップは、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、前記他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットすることを特徴とする構成である。
【0037】
請求項28に係る発明は、請求項27に記載のプログラムにおいて、前記画像処理装置に、更に、前記電力制御手段によって前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が停止された後、前記一方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔が経過したことに伴って前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションに対する通電が再開された場合、前記他方のアプリケーションに前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーとの定期通信を行わせる第3のステップと、前記第3のステップが行われることに伴い、前記タイマーによって計測されている前記第1の経過時間及び前記第2の経過時間のうち、前記他方のアプリケーションが前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行ってからの経過時間をリセットする第4のステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【0038】
請求項29に係る発明は、請求項26に記載のプログラムにおいて、前記画像処理装置に、更に、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションの双方が前記第1のサーバー又は前記第2のサーバーと定期通信を行う時間間隔を変更可能である場合、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔を互いに一致する時間間隔に変更する第5のステップ、を実行させることを特徴とする構成である。
【0039】
請求項30に係る発明は、請求項29に記載のプログラムにおいて、前記第5のステップは、前記第1の時間間隔及び前記第2の時間間隔のうち、短い時間間隔を長い時間間隔に一致させるように変更することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、画像処理装置においてサーバーとの接続状態を有効に維持しつつ、従来よりも高い省電力効果が得られるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明に関するいくつかの好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0043】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である画像処理システム1の構成例を示す図である。この画像処理システム1は、LAN(Local Area Network)などのローカルネットワーク2に画像処理装置3と通信中継装置4とが設けられ、インターネット上のクラウド5にサーバー6が設けられた構成である。
【0044】
画像処理装置3は、例えばMFPなどで構成され、スキャンジョブや印刷ジョブなどの各種のジョブを実行することができる。また画像処理装置3は、クラウド5上のサーバー6と連携してジョブを実行することも可能である。このような画像処理装置3は、省電力を目的としたスリープ機能を有しており、例えばユーザーによって使用されない状態が所定時間以上継続するなどの所定の条件が成立すると、スリープ機能が作動し、各部への電力供給を停止させるように構成される。
【0045】
通信中継装置4は、例えばネットワークルーターなどによって構成され、ローカルネットワーク2をインターネットに接続するための装置である。この通信中継装置4は、ファイヤウォール機能を備えており、画像処理装置3とサーバーとの間に確立される常時接続状態を利用した通信を除き、インターネット上からローカルネットワーク2へのアクセスを遮断する。
【0046】
サーバー6は、インターネット経由でクラウドサービスを提供するサーバーである。サーバー6によって提供されるサービスには様々なサービスがあり、例えばドキュメントデータや画像データなどの各種データを記憶しておくストレージサービスや、ドキュメントが画像などを編集するための編集サービス、画像処理装置3のファームウェアをアップデートするためのアップデートサービスなどがある。
【0047】
上記のような画像処理システム1では、画像処理装置3に、サーバー6と連携してジョブを実行するためのアプリケーションが予めインストールされる。画像処理装置3においてそのアプリケーションが起動されると、画像処理装置3は、クラウド5上のサーバー6との間にXMPPによる接続状態を確立させる。具体的に説明すると、まず画像処理装置3は、通信中継装置4を介してクラウド5上のサーバー6のアドレスに対して接続要求を送信する。サーバー6は、画像処理装置3からの接続要求に基づき、XMPPによる通信路を新規に開設して画像処理装置3との接続状態を確立させる。そしてサーバー6は、その通信路を介して画像処理装置3と定期的に通信を行うことにより、画像処理装置3との接続状態を維持する。画像処理装置3とサーバー6との接続状態が継続的に維持されることにより、サーバー6は、その接続状態を利用してローカルネットワーク2内に設けられた画像処理装置3に印刷ジョブを送信することができる。そのため、ユーザーは、スマートフォンやタブレット端末などの情報処理端末を操作してサーバー6にアクセスし、サーバー6に記憶されているデータを印刷対象として指定すると共に、印刷ジョブの出力先としてローカルネットワーク2内の画像処理装置3を指定すると、サーバー6から画像処理装置3に印刷ジョブが送信されるようになる。そして画像処理装置3がサーバー6から送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを実行することにより、ユーザーによって指定されたデータに基づく印刷出力を行うことができる。またサーバー6は、画像処理装置3との接続状態を利用して印刷ジョブ以外の他のジョブを画像処理装置3へ送信することができると共に、画像処理装置3へファームウェアを送信することにより画像処理装置3のファームウェアをアップデートさせることもできる。
【0048】
またサーバー6は、画像処理装置3との定期通信が所定時間以上途絶えると、画像処理装置3との接続状態を切断する。これにより、サーバー6は、ローカルネットワーク2内の画像処理装置3に対してジョブやファームウェアなどのデータを送信することができなくなる。
【0049】
通信中継装置4は、画像処理装置3とサーバー6との間の接続状態が確立されることに伴い、ローカルネットワーク2における画像処理装置3のローカルアドレスと、クラウド5上におけるサーバー6のインターネットアドレスとを相互に関連付けた接続情報を生成し、画像処理装置3とサーバー6との接続状態(通信路)を管理する。そして通信中継装置4は、その接続情報を参照することにより、画像処理装置3とサーバー6との間で行われる通信を中継する。通信中継装置4は、画像処理装置3とサーバー6との間で定期的に通信が行われることにより、そのような接続情報を保持し続ける。これに対し、画像処理装置3とサーバー6との間の定期通信が所定時間以上途絶えると、通信中継装置4は、接続情報を破棄し、画像処理装置3とサーバー6との接続状態を管理対象から消去する。この場合、通信中継装置4によって画像処理装置3とサーバー6との接続状態が切断されることになり、サーバー6は、ローカルネットワーク2内の画像処理装置3に対してジョブやファームウェアなどのデータを送信することができなくなる。尚、通信中継装置4が接続情報を保持し続ける時間、すなわち画像処理装置3とサーバー6との間の定期通信が途絶えたと判断するまでの待機時間(タイムアウト時間)は、サーバー6が画像処理装置3との定期通信が途絶えたと判断するまでの待機時間よりも長くなるように予め設定される。
【0050】
画像処理装置3は、アプリケーションの起動によってサーバー6との接続状態を確立させると、その接続状態を維持すべく、サーバー6と一定の時間間隔で定期的に通信を行う。また画像処理装置3は、サーバー6との接続状態を確立させている状態においても、所定の条件が成立すると、スリープ機能を作動させ、各部への電力供給を停止させる。画像処理装置3においてスリープ機能が作動すると、サーバー6と定期通信を行うための機能が停止する。そのため、画像処理装置3は、スリープ機能の作動中においても、サーバー6と定期通信を行うための時間間隔を計測し、サーバー6と定期通信を行うタイミングになると、スリープ状態を解除して各部への電力供給を再開し、サーバー6との定期通信を行うように構成される。そして本実施形態では、画像処理装置3がスリープ状態へ移行する直前にサーバー6との定期通信を強制的に行うことにより、スリープ状態の継続時間が長くなるような制御を行う。以下、このような画像処理システム1の詳細について更に詳しく説明する。
【0051】
図2は、サーバー6のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバー6は、ハードウェア構成として、通信インタフェース10と、制御部11と、記憶部12とを有している。通信インタフェース10は、サーバー6をネットワークに接続し、インターネットを介して画像処理装置3と通信を行うものである。制御部11は、CPUとメモリとを備えて構成され、画像処理装置3とのXMPPによる接続状態を管理すると共に、各種のクラウドサービスを提供するための処理を実行する。記憶部12は、例えばハードディスクドライブ(HDD)などによって構成される不揮発性の記憶手段である。記憶部12には、例えば制御部11のCPUによって実行されるプログラム13が予めインストールされている。また記憶部12にはクラウドサービスを提供するためのデータ記憶領域14が設けられ、そのデータ記憶領域14に、ドキュメントデータや画像データ、画像処理装置3のファームウェアなどの各種のデータ14aが記憶される。
【0052】
制御部11は、CPUがプログラム13を実行することにより、通信制御部15及びサービス提供部16として機能する。通信制御部15は、画像処理装置3とのXMPPによる接続状態を確立し、その接続状態を管理する処理部であり、後述する接続管理部21と、通知部23とを備えている。サービス提供部16は、通信インタフェース10を介してクラウドサービスを提供する処理部である。例えばサービス提供部16は、データ記憶領域14に記憶されているデータ14aを読み出して印刷ジョブを生成し、通信制御部15によって確立されている画像処理装置3との接続状態を利用してその印刷ジョブを画像処理装置3へ送信することにより、画像処理装置3に印刷ジョブを実行させることが可能である。
【0053】
接続管理部21は、画像処理装置3から受信する接続要求に基づき、画像処理装置3との間にXMPPによる接続状態を確立し、その後、画像処理装置3と定期的に通信を行うことによってその接続状態を維持するものである。すなわち、接続管理部21は、画像処理装置3から接続要求を受信すると、その画像処理装置3と通信を行うためのXMPPによる新規な通信路を開設し、その通信路に対してユニークなセッションIDを付与する。そして接続管理部21は、そのセッションIDを画像処理装置3へ通知する。その後、接続管理部21は、そのセッションIDを用いて画像処理装置3と通信を行うことにより、画像処理装置3との間に開設した通信路を有効に維持する。つまり、接続管理部21は、画像処理装置3との間でジョブの送受信を行うときに限らず、画像処理装置3と定期通信を行うときにも、セッションIDを用いた通信を行うことにより、画像処理装置3との間に開設した通信路(接続状態)を維持する。
【0054】
この接続管理部21は、画像処理装置3との間の定期通信を管理するための定期通信情報22をメモリなどに保存して管理する。
図3は、この定期通信情報22の一例を示す図である。定期通信情報22には、画像処理装置3との接続状態を維持するために画像処理装置3との間で行う定期通信の時間間隔を定めた定期通信間隔22a、画像処理装置3からの定期通信を検知しなかった場合に画像処理装置3との接続状態を切断するタイミングを定めたタイムアウト時間22b、及び、画像処理装置3との間で行う定期通信の時間間隔の変更可能な範囲(下限値及び上限値)を定めた変更可能範囲22c、に関する情報が含まれる。接続管理部21は、このような定期通信情報22に基づいて画像処理装置3との定期通信を管理する。ただし、定期通信情報22には定期通信間隔22aが定められている場合を示しているが、この定期通信間隔22aは必須ではない。すなわち、接続管理部21は、定期通信間隔22aが定められている場合であっても、タイムアウト時間22bが経過するまでは画像処理装置3との接続状態を有効に維持する。そしてタイムアウト時間22bが経過すると、接続管理部21は、セッションIDを破棄し、画像処理装置3との接続状態を切断する。尚、サーバー6において定期通信の時間間隔を変更不可に設定する場合には例えば変更可能範囲22cにおける下限値と上限値とが同じ値に設定される。
【0055】
通知部23は、接続管理部21によって画像処理装置3との接続状態を切断された後に画像処理装置3からその切断されたセッションIDが付加された定期通信を受信した場合に機能し、画像処理装置3に対してタイムアウトエラーを示すエラー通知を送信する処理部である。
【0056】
次に
図4は、画像処理装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置3は、ハードウェア構成として、メイン制御部30と、操作パネル31と、通信インタフェース32と、スキャナ部33と、プリンタ部34と、FAX部35と、記憶装置36と、電力制御部37とを備えている。メイン制御部30は、各部の動作を制御するものであり、図示を省略するCPUとメモリとを備えて構成される。操作パネル31は、ユーザーが画像処理装置3を使用する際のユーザーインタフェースとなるものであり、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部20aと、ユーザーによる操作を受け付ける操作部20bとを有している。通信インタフェース32は、画像処理装置3をローカルネットワーク2に接続して通信を行うためのものである。
【0057】
スキャナ部33は、ユーザーによってセットされる原稿を光学的に読み取って画像データを生成するものである。プリンタ部34は、画像データに基づいてトナー像を形成し、そのトナー像を印刷用紙などの印刷媒体に転写して印刷出力を行うものである。FAX部35は、図示を省略する電話回線を介してFAXデータの送受信を行うものである。
【0058】
記憶装置36は、例えばハードディスクドライブ(HDD)などの不揮発性の記憶手段によって構成され、メイン制御部30のCPUによって実行される各種プログラムを記憶する。本実施形態では、記憶装置36に、画像処理装置3のオペレーティングシステムとなるプログラム38と、クラウド5上のサーバー6と連携した処理を行うためのアプリケーションプログラム39とが予めインストールされている。
【0059】
電力制御部37は、画像処理装置3のスリープ機能を制御するためのものである。電力制御部37は、画像処理装置3における通電モードを、例えば、通常モードと、スリープモードと、ディープスリープモードとの3段階で切り換えて制御する。通常モードは、上述した各部に対して電力を供給する通常の通電モードであり、画像処理装置3においてジョブの実行が可能な状態となるモードである。スリープモードは、通常モードにおいて画像処理装置3が使用されない状態で所定時間が継続した場合に移行する第1段階目の省電力モードであり、操作パネル31の表示部20aへの通電を停止すると共に、プリンタ部34に設けられる図示しない定着ヒーターに対する通電を停止するモードである。ディープスリープモードは、スリープモードにおいて画像処理装置3が使用されない状態が更に所定時間継続した場合に移行する第2段階目の省電力モードであり、メイン制御部30、操作パネル31の表示部20a、スキャナ部33、プリンタ部34、FAX部35及び記憶装置36への通電を停止するモードである。したがって、電力制御部37の制御によって画像処理装置3がディープスリープモードへ移行すると、メイン制御部30は、その機能を停止させる。尚、ディープスリープモードは、スリープモードを経由せずに、通常モードから直接移行することもある。
【0060】
この電力制御部37は、第1のタイマー51aと第2のタイマー51bとを備えている。第1のタイマー51aは、通電モードをスリープモード又はディープスリープモードへ移行させる時間を計測するタイマーである。この第1のタイマー51aは、例えばメイン制御部30においてジョブに関する処理が行われていない状態のときに作動し、通電モードをスリープモード又はディープスリープモードへ移行させるまでの時間を計測する。第2のタイマー51bは、画像処理装置3がサーバー6とXMPPによる常時接続状態を確立しているときに、そのサーバー6との定期通信を行うための時間間隔を計測するタイマーであり、特にディープスリープ中においては通常モードへ復帰させるまでの時間を計測するタイマーである。例えば第2のタイマー51bは、画像処理装置3がサーバー6との定期通信を行うことによって作動し、画像処理装置3が次にサーバー6と定期通信を行うための時間間隔を計測する。
【0061】
電力制御部37は、第1のタイマー51aによって所定時間が計測されることに伴い、通電モードを通常モードからスリープモードへ、又はスリープモードからディープスリープモードへ移行させる。また電力制御部37は、ディープスリープモード中においては第2のタイマー51bによって所定の時間間隔が計測されることに伴い、ディープスリープモードから通常モードへ移行させ、メイン制御部30がサーバー6と定期通信を行うことができる状態に復帰させる。
【0062】
さらに電力制御部37は、メモリ52を備えている。このメモリ52は、画像処理装置3がサーバー6と定期通信を行う時間間隔53を記憶する。電力制御部37は、ディープスリープモード中において、メモリ52に記憶されている時間間隔53を参照し、第2のタイマー51bがその時間間隔53を計測する度にディープスリープモードから通常モードへ復帰させる処理を行う。
【0063】
画像処理装置3に主電源が投入されると、メイン制御部30のCPUが記憶装置36からプログラム38を自動的に読み出して実行する。これにより、メイン制御部30は、ジョブ制御部43及び定期通信管理部44として機能する。ジョブ制御部43は、画像処理装置3におけるジョブの実行を統括的に制御するものである。ジョブ制御部43は、操作パネル31や通信インタフェース32を介してジョブの入力を受け付け、スキャナ部33、プリンタ部34又はFAX部35を動作させることにより、受け付けたジョブの実行を制御する。定期通信管理部44は、メイン制御部30においてアプリケーション40が起動した場合に、そのアプリケーション40がクラウド5上のサーバー6と行う定期通信を管理すると共に、その定期通信を制御する。
【0064】
またメイン制御部30のCPUは、プログラム38を起動した後、自動的に、或いは、ユーザーによる指示操作に基づいて、記憶装置36からアプリケーションプログラム39を読み出して実行する。これにより、メイン制御部30は、アプリケーション40を機能させる。アプリケーション40は、クラウド5上のサーバー6と連携した処理を行うためのものである。アプリケーション40は、その起動時に、サーバー6に対して接続要求を送信し、サーバー6と常時通信可能な接続状態を確立させる。このとき、アプリケーション40は、サーバー6からセッションIDを取得する。そのため、アプリケーション40は、サーバー6との接続状態を確立させた後にサーバー6と通信を行うときには、そのセッションIDを用いて通信する。そしてアプリケーション40は、その接続状態を利用してサーバー6から送信されるジョブを受信すると、そのジョブをジョブ制御部43へ出力する。これにより、画像処理装置3においてサーバー6から受信したジョブが実行されるようになる。
【0065】
またアプリケーション40は、サーバー6との間でジョブデータの送受信を行っていないときには、サーバー6と一定の時間間隔で定期通信を行うことにより、サーバー6との接続状態を維持する。その定期通信を行うための時間間隔として、アプリケーション40には時間間隔53が予め設定されている。時間間隔53は、サーバー6において定期通信間隔22aとして定められている時間間隔と同じである。アプリケーション40は、内部タイマーを備えており、サーバー6とジョブの送受信を行っていない状態のときにその内部タイマーを作動させる。そしてアプリケーション40は、その内部タイマーが時間間隔53で定められた時間を計測する度に、自動的にサーバー6と定期通信を行う。例えば、アプリケーション40は、セッションIDを付加したアライブ信号をサーバー6へ送信することにより定期通信を行う。更にアプリケーション40は、時間間隔53を変更することが可能であれば、内部タイマーが時間間隔53で定められた時間に達していない場合であっても、定期通信管理部44から指定されたタイミングでサーバー6との定期通信を開始する。またアプリケーション40は、時間間隔53を変更することが可能であれば、外部からの指令に基づき、時間間隔53を変更することも可能である。尚、時間間隔53を変更することができない場合、アプリケーション40は、時間間隔53の設定変更を受け付けない。
【0066】
アプリケーション40は、メイン制御部30において起動すると、サーバー6と定期通信を行うための時間間隔53を電力制御部37のメモリ52に書き込む。これにより、電力制御部37は、画像処理装置3の通電モードをディープスリープモードへ移行させた場合であっても、アプリケーション40がサーバー6と定期通信を行うべきタイミングで画像処理装置3の通電モードを通常モードへ復帰させることができる。そしてアプリケーション40は、通電モードが通常モードへ復帰したタイミングでサーバー6との定期通信を行うことができるようになる。尚、電力制御部37が定期通信のためにディープスリープモードから復帰させるべき通電モードは、通常モードではなく、スリープモードであっても構わない。
【0067】
定期通信管理部44は、メイン制御部30においてアプリケーション40が起動した状態になると、アプリケーション40がサーバー6と行う定期通信を管理し、アプリケーション40による定期通信を制御する。定期通信管理部44は、電力制御部37の第1のタイマー51aを逐次監視し、画像処理装置3がディープスリープモードへ移行するタイミングを把握することによってアプリケーション40にサーバー6との定期通信を強制的に行わせるように制御する。
【0068】
図5は、定期通信管理部44によって行われる定期通信制御処理の処理手順を示すフローチャートである。定期通信管理部44は、アプリケーション40が起動した状態で、この処理を開始すると、まず電力制御部37における第1のタイマー51aの計測値を取得し、その計測値に基づいてディープスリープモードへ移行するまでの残り時間を確認する(ステップS10)。そして定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行するタイミングの所定時間前であるか否かを判断する(ステップS11)。その結果、ディープスリープモード移行の所定時間前でなかった場合は、ステップS10へ戻り、所定時間前になるまで待機する。そしてディープスリープモード移行の所定時間前になると(ステップS11でYES)、定期通信管理部44は、アプリケーション40に対してサーバー6との定期通信を指示する(ステップS12)。すなわち、定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行するタイミングの所定時間前にアプリケーション40に対して強制的にサーバー6との定期通信を行わせるのである。これにより、アプリケーション40は、前回の定期通信からの経過時間が所定の時間間隔53に達していなくても、サーバー6との定期通信を開始する。そして定期通信管理部44は、アプリケーション40にサーバー6との定期通信を強制的に行わせることに伴い、電力制御部37の第2のタイマー51b及びアプリケーション40の内部タイマーをリセットするためのタイマーリセットを行う(ステップS13)。これにより、電力制御部37は、ディープスリープモードへ移行した後に通常モードへ復帰させるために計測中である第2のタイマー51bの計測値を初期値にリセットする。
【0069】
定期通信管理部44は、通電モードが通常モードのときに、上述の処理を行っておくことにより、その後、通電モードがディープスリープモードへ移行すると、そのディープスリープモードを、次にアプリケーション40がサーバー6と定期通信を行うタイミングとなるまで継続させることができるようになる。つまり、定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行する直前に、アプリケーション40にサーバー6との定期通信を強制的に行わせることにより、ディープスリープモードへ移行した直後にアプリケーション40がサーバー6と定期通信を行うタイミングとなってしまうことを防止することが可能であり、ディープスリープモードの継続時間を長期化することができるのである。
【0070】
図6は、画像処理システム1における全体的な処理プロセスの流れを示す図である。まず電力制御部37によって各部への通電が開始されると(プロセスP1)、画像処理装置3の通電モードが通常モードになる(プロセスP2)。その状態で、アプリケーション40が起動すると(プロセスP3)、アプリケーション40は、サーバー6に対する接続処理を行い(プロセスP4)、サーバー6との接続状態を確立させる(プロセスP5)。そしてアプリケーション40は、サーバー6とジョブの送受信を行っていない状態で所定時間が経過すると、サーバー6との接続状態を利用して定期通信を行う(プロセスP6)。サーバー6は、画像処理装置3との接続状態を維持している状態で画像処理装置3から正常な定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP7)。アプリケーション40は、例えばサーバー6から定期通信応答を受信することに伴い、内部タイマーをリセットし、次の定期通信を行うまでの時間間隔53を計測する計時動作を開始する。また電力制御部37は、アプリケーション40とサーバー6とが定期通信を行うことに伴い、第2のタイマー51bによる時間間隔53の計時動作をスタートさせる(プロセスP8)。その後、画像処理装置3が通常モードを維持している状態で時間間隔53が経過すると、アプリケーション40がサーバー6との接続状態を利用して再び定期通信を行い(プロセスP9)、サーバー6が画像処理装置3に定期通信応答を返信する(プロセスP10)。これに伴い、電力制御部37は、第2のタイマー51bをリセットして再び時間間隔53の計時動作をスタートさせる(プロセスP11)。尚、プロセスP6で定期通信が行われてからプロセスP9で再び定期通信が行われるまでの間隔Tは、アプリケーション40に予め設定されている時間間隔53とほぼ等しくなる。
【0071】
上記のような動作が行われている間、定期通信管理部44は、ディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となるまで待機する。そしてディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となったことを検知すると(プロセスP12)、定期通信管理部44は、アプリケーション40に対して定期通信指示を出力する(プロセスP13)。これにより、アプリケーション40は、前回の定期通信(プロセスP9)から予め定められた時間間隔53が経過していない場合であっても、サーバー6との定期通信を開始する(プロセスP14)。そしてサーバー6は、画像処理装置3から定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP15)。アプリケーション40は、定期通信管理部44から定期通信指示に基づいて定期通信を行った場合、サーバー6から定期通信応答を受信することに伴い、定期通信応答を受信したことを定期通信管理部44へ通知する。そして定期通信管理部44は、アプリケーション40が定期通信応答を受信したことを検知すると、電力制御部37が計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP16)。これにより、電力制御部37は、第2のタイマー51bの計測値を初期値にリセットし、その後、初期値からの計時動作を開始する。このような処理が、ディープスリープモードに移行する直前に行われることになる。
【0072】
そして電力制御部37は、ディープスリープモードに移行するタイミングになると、メイン制御部30に対する通電を停止させ(プロセスP17)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP18)。これにより、定期通信管理部44及びアプリケーション40はその機能を一時的に停止させる。
【0073】
その後、電力制御部37は、第2のタイマー51bの計時動作を継続させ、その計測値が時間間隔53に一致する起床タイミングを検知すると(プロセスP19)、メイン制御部30に対する通電を再開させ(プロセスP20)、通電モードを通常モードに復帰させる(プロセスP21)。これにより、アプリケーション40が再稼働し、次の定期通信を行うべきタイミングであることを認識する。そのため、アプリケーション40は、通常モードへ復帰した後にサーバー6との定期通信を開始し(プロセスP22)、サーバー6から定期通信応答を受信する(プロセスP23)。このような定期通信により、画像処理装置3とサーバー6との間の接続状態が維持される。そして電力制御部37は、アプリケーション40によるサーバー6との定期通信が終了すると、メイン制御部30に対する通電を再び停止させ(プロセスP24)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP25)。
【0074】
図7は、アプリケーション40が定期通信を行うタイミングを示す図である。
図7では、アプリケーション40の定期通信間隔である時間間隔53がT(分)に設定されている場合を示している。
図7に示すように、タイミングT10でアプリケーション40が起動すると、アプリケーション40は、サーバー6との接続状態を確立し、その後、時間間隔Tが経過したタイミングT11でサーバー6との定期通信を行い、更にその後、時間間隔Tが経過したタイミングT12でサーバー6との定期通信を行う。そして画像処理装置3は、タイミングT14で通常モードからディープスリープモードへ移行する。定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行するタイミングT14よりも所定時間Txだけ早いタイミングT13でアプリケーション40に定期通信指示を出力する。そのため、アプリケーション40は、タイミングT13でサーバー6との定期通信を行う。このとき、電力制御部37において第2のタイマー51bがリセットされ、時間間隔Tをはじめから計時する動作が開始される。その後、画像処理装置3は、タイミングT14で通常モードからディープスリープモードへ移行する。そして電力制御部37は、第2のタイマー51bが時間間隔Tを計測したタイミングT15で通電モードを通常モードへ復帰させる。そしてアプリケーション40による定期通信を行わせた後、再びディープスリープモードへと移行する。その後、画像処理装置3は、時間間隔Tで定期的にディープスリープモードから通常モードへ復帰するようになり、通常モードへ復帰したタイミングT16,T17でアプリケーション40による定期通信を行わせる処理を継続する。
【0075】
このように画像処理装置3がディープスリープモードへ移行する直前のタイミングで、アプリケーション40にサーバー6との定期通信を強制的に行わせると共に、そのタイミングで電力制御部37の第2のタイマー51bをリセットしておくことにより、画像処理装置3がディープスリープモードへ移行した後に次にサーバー6との定期通信のために通常モードへ復帰するまでの時間Tzを長くすることができる。そのため、ディープスリープモードの継続時間Tzを少なくとも一定時間以上確保することができるので、従来のようにディープスリープモードへ移行した後、直ぐに通常モードへ復帰してしまうことを回避でき、優れた省電力効果を発揮するようになる。
【0076】
ところで、サーバー6には、様々なローカルネットワークからアクセス可能である。そのため、サーバー6は、多数の画像処理装置3との接続状態を同時に確立した状態となることがある。そのような場合、サーバー6は、多数の画像処理装置3のそれぞれから受ける定期通信に対して順次応答処理を行っていく。それ故、サーバー6は、一の画像処理装置3からの定期通信を受信しても直ぐには定期通信応答を返信することができず、定期通信応答を返信するまでに時間がかかることもある。そこで、サーバー6が多数の画像処理装置3と同時に接続状態を確立していることを想定し、画像処理装置3がサーバー6から定期通信応答を受信してからディープスリープモードへ移行できるように、
図7に示す所定時間Txを数分程度の時間に設定するようにしても良い。
【0077】
しかしその一方、所定時間Txをあまり長い時間に設定すると、画像処理装置3がサーバー6との定期通信を開始してからディープスリープモードへ移行するまでの時間が長くなるため、その分、ディープスリープモードの継続時間Tzが短くなる。そこで、アプリケーション40は、定期通信管理部44からの定期通信指示に基づいてサーバー6との定期通信を行うとき、サーバー6からの定期通信応答がタイムアウトするタイムアウト時間を設定することが好ましい。この場合、タイムアウト時間は、ディープスリープモードへ移行するまでの残り時間である所定時間Txよりも短い時間に設定される。そして電力制御部37は、アプリケーション40がサーバー6に対する定期通信を開始した後、そのタイムアウト時間が経過したタイミングで通常モードからディープスリープモードへ移行させることにより、所定時間Txが経過するタイミングよりも早期にディープスリープモードへ移行させることができるようになり、ディープスリープモードの継続時間Tzが長くすることができる。
【0078】
図8は、アプリケーション40が定期通信指示に基づいてサーバー6との定期通信を行うときにタイムアウト時間を設定する第1の動作態様を示す図である。この第1の動作態様では、アプリケーション40がサーバー6との定期通信を開始した後、タイムアウト時間が経過する前にサーバー6から定期通信応答を受信する例を示している。
図8に示すように、定期通信管理部44は、ディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となったことを検知すると(プロセスP30)、アプリケーション40に対して定期通信指示を出力する(プロセスP31)。これにより、アプリケーション40は、タイムアウト時間を設定し(プロセスP32)、そのタイムアウト時間を電力制御部37に通知する(プロセスP33)。このタイムアウト時間は、ディープスリープモードへ移行するまでの残り時間よりも短い時間に設定される。そして電力制御部37は、アプリケーション40からタイムアウト時間が通知されることにより、第1のタイマー51aが計測中の残り時間をそのタイムアウト時間に変更する。これにより、ディープスリープモードへ移行するタイミングが早くなる。
【0079】
そしてアプリケーション40は、サーバー6との定期通信を開始する(プロセスP34)。サーバー6は、画像処理装置3から定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP35)。このとき、サーバー6の負荷が比較的軽い状態であれば、サーバー6からの定期通信応答はタイムアウト時間が経過する前にアプリケーション40によって受信される。そしてアプリケーション40は、サーバー6から定期通信応答を受信したことを定期通信管理部44へ通知する。定期通信管理部44は、アプリケーション40が定期通信応答を受信したことを検知すると、電力制御部37が計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP36)。
【0080】
その後、電力制御部37は、第1のタイマー51aによって計測されているタイムアウト時間が経過したことを検知すると(プロセスP37)、メイン制御部30に対する通電を停止させ(プロセスP38)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP39)。これにより、定期通信管理部44及びアプリケーション40はその機能を一時的に停止させる。
【0081】
次に
図9は、アプリケーション40が定期通信指示に基づいてサーバー6との定期通信を行うときにタイムアウト時間を設定する第2の動作態様を示す図である。この第2の動作態様では、アプリケーション40がサーバー6との定期通信を開始した後、タイムアウト時間が経過した後にサーバー6から定期通信応答を受信する例を示している。
図9に示すように、定期通信管理部44は、ディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となったことを検知すると(プロセスP40)、アプリケーション40に対して定期通信指示を出力する(プロセスP41)。これにより、アプリケーション40は、タイムアウト時間を設定し(プロセスP42)、そのタイムアウト時間を電力制御部37に通知する(プロセスP43)。このタイムアウト時間は、上記と同様、ディープスリープモードへ移行するまでの残り時間よりも短い時間に設定される。そして電力制御部37は、アプリケーション40からタイムアウト時間が通知されることにより、第1のタイマー51aが計測中の残り時間をそのタイムアウト時間に変更する。これにより、ディープスリープモードへ移行するタイミングが早くなる。
【0082】
そしてアプリケーション40は、サーバー6との定期通信を開始する(プロセスP44)。このとき、サーバー6の負荷が比較的重い状態であれば、サーバー6からの定期通信応答が直ぐには送信されずに遅延する。そのため、アプリケーション40がサーバー6からの定期通信応答を受信する前に、電力制御部37によってタイムアウト時間の経過が検知されることもある(プロセスP45)。この場合、電力制御部37は、タイムアウト時間が経過したことを検知することに伴い、メイン制御部30に対する通電を停止させ(プロセスP46)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP47)。これにより、定期通信管理部44及びアプリケーション40はその機能を一時的に停止させる。
【0083】
その後、サーバー6から定期通信応答が送信されると(プロセスP48)、その定期通信応答は、通信インタフェース32によって受信され、受信バッファに一時的に格納される。電力制御部37は、ディープスリープモード中において通信インタフェース32によって受信されるデータを監視しており、サーバー6からの定期通信応答以外のデータが受信された場合には、通電モードをディープスリープモードから通常モードに復帰させ、メイン制御部30が受信データを処理できる状態とする。これに対し、ディープスリープモード中にサーバー6からの定期通信応答が受信された場合、電力制御部37は、通電モードをディープスリープモードから通常モードに復帰させることなく、第2のタイマー51bをリセットするためのタイマーリセットを行う(プロセスP49)。
【0084】
図10は、アプリケーション40がタイムアウト時間を設定して定期通信を行う場合のタイミングを示す図である。
図10に示すように、タイミングT10でアプリケーション40が起動すると、アプリケーション40は、サーバー6との接続状態を確立し、その後、時間間隔Tが経過したタイミングT11でサーバー6との定期通信を行い、更にその後、時間間隔Tが経過したタイミングT12でサーバー6との定期通信を行う。定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行するタイミングよりも所定時間だけ早いタイミングT13でアプリケーション40に定期通信指示を出力する。そのため、アプリケーション40は、タイミングT13でサーバー6との定期通信を行う。このとき、アプリケーション40は、ディープスリープモードへ移行する残り時間よりも短い時間となるタイムアウト時間Txを設定する。そして画像処理装置3は、タイムアウト時間Txが経過したタイミングT14で通常モードからディープスリープモードへ移行する。その後、電力制御部37は、第2のタイマー51bが時間間隔Tを計測したタイミングT15で通電モードを通常モードへ復帰させる。そしてアプリケーション40による定期通信を行わせた後、再びディープスリープモードへと移行する。これ以降、画像処理装置3は、時間間隔Tで定期的にディープスリープモードから通常モードへ復帰するようになり、通常モードへ復帰したタイミングT16,T17でアプリケーション40による定期通信を行わせる処理を継続する。
【0085】
このようにディープスリープモードへ移行する直前のタイミングで、アプリケーション40にサーバー6との定期通信を強制的に行わせ、サーバー6から定期通信応答を受信するか否かにかかわらず、アプリケーション40が定期通信を開始した後、予め設定したタイムアウト時間が経過したタイミングでディープスリープモードへ移行させることにより、画像処理装置3がディープスリープモードへ移行するタイミングT14が、
図7に示したタイミングT14よりも早くなる。そのため、ディープスリープモードの継続時間Tzを、
図7に示した継続時間Tzよりも長く確保することができるので、より優れた省電力効果を発揮する。
【0086】
このように本実施形態では、定期通信管理部44が、電力制御部37によってアプリケーション40に対する通電が停止される前に、アプリケーション40にサーバー6との定期通信を行わせると共に、第2のタイマー51bの計測時間をリセットする構成であるので、アプリケーション40に対する通電を停止させた状態を長時間に亘って継続させることが可能であり、従来よりも高い省電力効果を得ることができるようになる。
【0087】
尚、上記において、定期通信管理部44は、アプリケーション40にサーバー6に対する定期通信を行わせた後、サーバー6から定期通信応答を受信した場合に第2のタイマー51bの計測時間をリセットする場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、アプリケーション40にサーバー6に対する定期通信を行わせたタイミングで第2のタイマー51bの計測時間をリセットするようにしても良い。
【0088】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態における画像処理システム1の構成例を示す図である。この画像処理システム1が第1実施形態と異なる点は、画像処理装置3がインターネット上のクラウド5に設けられた第1のサーバー6a及び第2のサーバー6bと通信を行う点である。すなわち、本実施形態では、クラウド5上のサーバー6が複数のサーバー6a,6bを備えて構成され、それら複数のサーバー6a,6bのそれぞれが互いに異なるクラウドサービスを提供する。そして画像処理装置3は、それら複数のクラウドサービスを利用するため、通信中継装置4を介してクラウド5上の第1のサーバー6a及び第2のサーバー6bと個別に接続状態を確立した状態となる。尚、各サーバー6a,6bのハードウェア構成及び機能構成は、
図2に示したものと同様である。
【0089】
図12は、画像処理装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態では、画像処理装置3の記憶装置36に、複数のアプリケーションプログラム39a,39bが予めインストールされる。メイン制御部30のCPUは、それらのアプリケーションプログラム39a,39bを実行することにより、メイン制御部30において第1のアプリケーション41及び第2のアプリケーション42を機能させる。
【0090】
第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aと連携して画像処理装置3にジョブを実行させるためのアプリケーションである。第1のアプリケーション41は、その起動時に、第1のサーバー6aに対して接続要求を送信し、第1のサーバー6と常時通信可能な接続状態を確立させる。そして第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとジョブの送受信を行わないときには、一定の時間間隔で第1のサーバー6aと定期通信を行うことにより、第1のサーバー6aとの接続状態を維持するように構成される。その定期通信を行うための時間間隔として、第1のアプリケーション41には第1の時間間隔53が予め設定されている。そして第1のアプリケーション41は、メイン制御部30において起動すると、第1のサーバー6aと定期通信を行うための第1の時間間隔53を電力制御部37のメモリ52に書き込む。これにより、電力制御部37は、画像処理装置3の通電モードをディープスリープモードへ移行させた場合であっても、第1のアプリケーション41が第1のサーバー6aと定期通信を行うべきタイミングで画像処理装置3の通電モードを通常モードへ復帰させることができる。
【0091】
第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bと連携して画像処理装置3にジョブを実行させるためのアプリケーションである。第2のアプリケーション42は、その起動時に、第2のサーバー6bに対して接続要求を送信し、第2のサーバー6bと常時通信可能な接続状態を確立させる。そして第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bとジョブの送受信を行わないときには、一定の時間間隔で第2のサーバー6bと定期通信を行うことにより、第2のサーバー6bとの接続状態を維持するように構成される。その定期通信を行うための時間間隔として、第2のアプリケーション42には第2の時間間隔54が予め設定されている。そして第2のアプリケーション42は、メイン制御部30において起動すると、第2のサーバー6bと定期通信を行うための第2の時間間隔54を電力制御部37のメモリ52に書き込む。これにより、電力制御部37は、画像処理装置3の通電モードをディープスリープモードへ移行させた場合であっても、第2のアプリケーション42が第2のサーバー6bと定期通信を行うべきタイミングで画像処理装置3の通電モードを通常モードへ復帰させることができる。
【0092】
尚、
図12におけるその他の構成は、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0093】
そして本実施形態では、画像処理装置3がディープスリープモードへ移行する直前に、第1のアプリケーション41及び第2のアプリケーション42のそれぞれに各サーバー6a,6bとの定期通信を強制的に行わせ、電力制御部37において第2のタイマー51bが計測中である第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54のそれぞれの計測値をリセットする。
【0094】
図13は、本実施形態の画像処理システム1における全体的な処理プロセスの流れを示す図である。まず電力制御部37によって各部への通電が開始されると(プロセスP50)、画像処理装置3の通電モードが通常モードになる(プロセスP51)。その状態でまず第1のアプリケーション41が起動すると(プロセスP52)、第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aに対する接続処理を行い(プロセスP53)、第1のサーバー6aとの接続状態を確立させる(プロセスP54)。続いて第2のアプリケーション42が起動すると(プロセスP55)、第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bに対する接続処理を行い(プロセスP56)、第2のサーバー6bとの接続状態を確立させる(プロセスP57)。
【0095】
そして第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとジョブの送受信を行っていない状態で所定時間が経過すると、第1のサーバー6aとの接続状態を利用して定期通信を行う(プロセスP58)。第1のサーバー6aは、画像処理装置3との接続状態を維持している状態で第1のアプリケーション41から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP59)。第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aから定期通信応答を受信することに伴い、内部タイマーをリセットし、次の定期通信を行うまでの第1の時間間隔53を計測する計時動作を開始する。また電力制御部37は、第1のアプリケーション41と第1のサーバー6aとが定期通信を行うことに伴い、第2のタイマー51bによる第1の時間間隔53の計時動作をスタートさせる(プロセスP60)。
【0096】
また第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bとジョブの送受信を行っていない状態で所定時間が経過すると、第2のサーバー6bとの接続状態を利用して定期通信を行う(プロセスP61)。第2のサーバー6bは、画像処理装置3との接続状態を維持している状態で第2のアプリケーション42から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP62)。第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bから定期通信応答を受信することに伴い、内部タイマーをリセットし、次の定期通信を行うまでの第2の時間間隔54を計測する計時動作を開始する。また電力制御部37は、第2のアプリケーション42と第2のサーバー6bとが定期通信を行うことに伴い、第2のタイマー51bによる第2の時間間隔54の計時動作をスタートさせる(プロセスP63)。
【0097】
上記のような動作が行われている間、定期通信管理部44は、ディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となるまで待機する。そしてディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となったことを検知すると(プロセスP64)、定期通信管理部44は、第1のアプリケーション41に対して定期通信指示を出力すると共に(プロセスP65)、第2のアプリケーション42に対しても同様に定期通信指示を出力する(プロセスP66)。これにより、第1及び第2のアプリケーション41,42は、前回の定期通信(プロセスP58,P61)から予め定められた第1又は第2の時間間隔53,54が経過していない場合であっても、第1及び第2のサーバー6a,6bとの定期通信をほぼ同時に開始する(プロセスP67,P68)。
【0098】
第1のサーバー6aは、第1のアプリケーション41から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP69)。第1のアプリケーション41は、定期通信管理部44から定期通信指示に基づいて定期通信を行った場合、第1のサーバー6aから定期通信応答を受信することに伴い、定期通信応答を受信したことを定期通信管理部44へ通知する。そして定期通信管理部44は、第1のアプリケーション41が定期通信応答を受信したことを検知すると、電力制御部37が第1の時間間隔53の計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP70)。これにより、電力制御部37は、第2のタイマー51bにおける第1の時間間隔53の計測値を初期値にリセットし、その後、初期値からの計時動作を開始する。
【0099】
また第2のサーバー6bは、第2のアプリケーション42から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP71)。第2のアプリケーション42は、定期通信管理部44から定期通信指示に基づいて定期通信を行った場合、第2のサーバー6bから定期通信応答を受信することに伴い、定期通信応答を受信したことを定期通信管理部44へ通知する。そして定期通信管理部44は、第2のアプリケーション42が定期通信応答を受信したことを検知すると、電力制御部37が第2の時間間隔53の計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP72)。これにより、電力制御部37は、第2のタイマー51bにおける第2の時間間隔54の計測値を初期値にリセットし、その後、初期値からの計時動作を開始する。このような処理が、ディープスリープモードに移行する直前に行われることになる。
【0100】
そして電力制御部37は、ディープスリープモードに移行するタイミングになると、メイン制御部30に対する通電を停止させ(プロセスP73)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP74)。これにより、定期通信管理部44、第1のアプリケーション41及び第2のアプリケーション42はその機能を一時的に停止させる。
【0101】
その後、電力制御部37は、第2のタイマー51bの計時動作を継続させ、その計測値が第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54のいずれか一方に一致する起床タイミングを検知すると、通電モードを通常モードに復帰させる。
【0102】
図14は、第1及び第2のアプリケーション41,42が定期通信を行うタイミングを示す図である。
図14では、第1のアプリケーション41の定期通信間隔である第1の時間間隔53がTa(分)に設定されており、第2のアプリケーション42の定期通信間隔である第2の時間間隔54がTb(分)に設定されている場合を示している。
図14に示すように、タイミングT20で第1のアプリケーション41が起動すると、第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとの接続状態を確立し、その後、第1の時間間隔Taが経過したタイミングで第1のサーバー6aとの定期通信を行うようになる。またタイミングT21で第2のアプリケーション42が起動すると、第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bとの接続状態を確立し、その後、第2の時間間隔Tbが経過したタイミングで第2のサーバー6bとの定期通信を行うようになる。
【0103】
定期通信管理部44は、通常モードからディープスリープモードへ移行するタイミングT23よりも所定時間Txだけ早いタイミングT22で第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに定期通信指示を出力する。これにより、第1及び第2のアプリケーション41,42は、タイミングT13で第1及び第2のサーバー6a,6bとの定期通信を行う。このとき、電力制御部37において第2のタイマー51bがリセットされ、第1及び第2の時間間隔Ta,Tbのそれぞれをはじめから計時する動作が開始される。その後、画像処理装置3は、タイミングT23で通常モードからディープスリープモードへ移行する。
【0104】
ここで第1の時間間隔Taが第2の時間間隔Tbよりも短い場合、電力制御部37は、ディープスリープモードへ移行させた後、第2のタイマー51bが第1の時間間隔Taを計測したタイミングT24で通電モードを通常モードへ復帰させる。そして第1のアプリケーション41による定期通信を行わせた後、再びディープスリープモードへと移行させる。その後、電力制御部37は、第2のタイマー51bが第2の時間間隔Tbを計測したタイミングT25で通電モードを再び通常モードへ復帰させる。そして第2のアプリケーション42による定期通信を行わせた後、再びディープスリープモードへと移行させる。そしてこれ以降、上記の処理が繰り返し実行される。
【0105】
このように本実施形態では、画像処理装置3がディープスリープモードへ移行する直前のタイミングで、クラウド5上のサーバー6a,6bとの接続状態を確立している全てのアプリケーション41,42に定期通信を強制的に行わせると共に、そのタイミングで電力制御部37の第2のタイマー51bをリセットしておくことにより、画像処理装置3がディープスリープモードへ移行した後に次の定期通信のために通常モードへ復帰するまでの時間Tzを長くすることができる。そのため、ディープスリープモードの継続時間Tzを少なくとも一定時間以上確保することができるので、従来のようにディープスリープモードへ移行した後、直ぐに通常モードへ復帰してしまうことを回避でき、優れた省電力効果を発揮するようになる。
【0106】
また本実施形態においても、第1実施形態で説明したように、第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれが定期通信管理部44からの定期通信指示に基づいてサーバー6a,6bとの定期通信を行うときにタイムアウト時間を設定し、電力制御部37は、そのタイムアウト時間が経過したタイミングで通電モードを通常モードからディープスリープモードへ移行させるようにしても良い。
【0107】
図15は、アプリケーション40がタイムアウト時間を設定して定期通信を行う場合のタイミングを示す図である。
図15に示すように、タイミングT20で第1のアプリケーション41が起動すると、第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとの接続状態を確立し、その後、第1の時間間隔Taが経過したタイミングで第1のサーバー6aとの定期通信を行うようになる。またタイミングT21で第2のアプリケーション42が起動すると、第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bとの接続状態を確立し、その後、第2の時間間隔Tbが経過したタイミングで第2のサーバー6bとの定期通信を行うようになる。
【0108】
定期通信管理部44は、通常モードからディープスリープモードへ移行するタイミングよりも所定時間だけ早いタイミングT22で第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに定期通信指示を出力すると共に、第2のタイマー51bの計測値をリセットする。そして第1及び第2のアプリケーション41,42は、タイミングT22で第1及び第2のサーバー6a,6bとの定期通信を行う。このとき、第1及び第2のアプリケーション41,42は、ディープスリープモードへ移行する残り時間よりも短い時間となるタイムアウト時間Txを設定する。そして画像処理装置3は、タイムアウト時間Txが経過したタイミングT23で通常モードからディープスリープモードへ移行する。
【0109】
ここでも第1の時間間隔Taが第2の時間間隔Tbよりも短いとすると、電力制御部37は、ディープスリープモードへ移行させた後、第2のタイマー51bが第1の時間間隔Taを計測したタイミングT24で通電モードを通常モードへ復帰させる。そして第1のアプリケーション41による定期通信を行わせた後、再びディープスリープモードへと移行させる。その後、電力制御部37は、第2のタイマー51bが第2の時間間隔Tbを計測したタイミングT25で通電モードを再び通常モードへ復帰させる。そして第2のアプリケーション42による定期通信を行わせた後、再びディープスリープモードへと移行させる。そしてこれ以降、上記の処理が繰り返し実行される。
【0110】
このようにディープスリープモードへ移行する直前のタイミングで、第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれにサーバー6a,6bとの定期通信を強制的に行わせ、サーバー6a,6bから定期通信応答を受信するか否かにかかわらず、第1及び第2のアプリケーション41,42が定期通信を開始した後、予め設定したタイムアウト時間が経過したタイミングでディープスリープモードへ移行させることにより、画像処理装置3がディープスリープモードへ移行するタイミングT23を、
図14に示したタイミングT14よりも早くすることができる。そのため、ディープスリープモードの継続時間Tzを、
図14に示した継続時間Tzよりも長く確保することができるので、より優れた省電力効果を発揮する。
【0111】
また本実施形態では、画像処理装置3が第1のサーバー6aと第2のサーバー6bのそれぞれと定期通信を行うため、第1及び第2のサーバー6a,6bのうちの少なくとも一方が定期通信間隔を変更可能であれば、その一方の定期通信間隔を、他方の定期通信間隔に一致させるように変更することにより、ディープスリープモードから通常モードへ復帰させたときに第1及び第2のアプリケーション41,42がほぼ同時に各サーバー6a,6bと定期通信を行うように制御することができる。このとき、第1の時間間隔53と第2の時間間隔54のうち、短い時間間隔を長い時間間隔に一致させることができれば、ディープスリープモードから通常モードへの復帰頻度を低減できるので、より好ましい。以下、このような制御態様について詳しく説明する。
【0112】
図16は、定期通信管理部44によって行われる定期通信制御処理の処理定順の一例を示すフローチャートである。定期通信管理部44は、メイン制御部30において複数のアプリケーション41,42が起動したか否かを判断する(ステップS20)。そして複数のアプリケーション41,42が起動した状態になると(ステップS20でYES)、定期通信管理部44は、第1のアプリケーション41から第1の時間間隔53を取得すると共に、第2のアプリケーション42から第2の時間間隔54を取得し、それら第1及び第2の時間間隔53,54が変更可能であるか否かを確認する(ステップS21)。そして定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42の全てが定期通信間隔を変更することができるか否かを判断する(ステップS22)。
【0113】
第1及び第2のアプリケーション41,42の全てが定期通信間隔を変更可能である場合(ステップS22でYES)、定期通信管理部44は、定期通信間隔調整処理を行う(ステップS23)。定期通信間隔調整処理(ステップS23)では、ディープスリープモードでの継続時間がなるべく長くなるように、第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54が互いに一致する時間間隔に調整される。例えば、第1の時間間隔53が第2の時間間隔54よりも短い時間間隔である場合、定期通信管理部44は、第1の時間間隔53を第2の時間間隔54と同じ時間間隔に合わせるように第1の時間間隔53を変更する。これにより、ディープスリープモードの継続時間を長くすることができ、ディープスリープモードから通常モードへ復帰したときには、第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに同時に定期通信を行わせることができるようになる。ただし、第1の時間間隔53が第2の時間間隔54よりも更に長い時間間隔に変更可能であり、且つ、第2の時間間隔54も更に長い時間間隔に変更可能な場合は、第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54の双方を更に長い時間に変更して互いに一致する時間間隔に揃えるようにしても良い。これにより、ディープスリープモードの継続時間をより一層長くすることができる。また第1の時間間隔53を第2の時間間隔54と同じ時間間隔まで長くすることができない場合には、第1の時間間隔53を第2の時間間隔54の1/N倍(ただし、Nは自然数)となるように変更しても良い。この場合、ディープスリープモードから通常モードへ復帰したとき、N回に1回の割合で、第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに同時に定期通信を行わせることができるようになる。尚、第2の時間間隔54が第1の時間間隔53よりも短い時間間隔である場合も上記と同様である。
【0114】
上記のような定期通信間隔調整処理(ステップS23)によって第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54を変更すると、定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに対して変更後の定期通信間隔を通知する(ステップS24)。これにより、第1及び第2のアプリケーション41,42は、第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54を変更後の値に変更する。また定期通信管理部44は、電力制御部37に対して変更後の定期通信間隔を通知する(ステップS25)。これにより、電力制御部37は、メモリ52の第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54を変更後の値に更新する。
【0115】
そして定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行するまでの残り時間を確認し(ステップS26)、ディープスリープモードへ移行するタイミングの所定時間前であるか否かを判断する(ステップS27)。その結果、ディープスリープモード移行の所定時間前でなかった場合は、ステップS26へ戻り、所定時間前になるまで待機する。そしてディープスリープモード移行の所定時間前になると(ステップS27でYES)、定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42に対して各サーバー6a,6bとの定期通信を指示する(ステップS28)。すなわち、定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行するタイミングの所定時間前に第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに強制的にサーバー6a,6bとの定期通信を行わせるのである。これにより、第1及び第2のアプリケーション41,42は、前回の定期通信からの経過時間が第1の時間間隔53又は第2の時間間隔54に達していなくても、サーバー6a,6bとの定期通信を開始する。そして定期通信管理部44は、各アプリケーション41,42にサーバー6a,6bとの定期通信を強制的に行わせることに伴い、電力制御部37の第2のタイマー51bをリセットするためのタイマーリセットを行う(ステップS29)。これにより、電力制御部37は、ディープスリープモードへ移行した後に通常モードへ復帰させるために計測中である第2のタイマー51bの計測値を初期値にリセットする。
【0116】
一方、第1及び第2のアプリケーション41,42の全てが定期通信間隔を変更可能でなかった場合(ステップS22でNO)、定期通信管理部44は、定期通信間隔の変更可能なアプリケーションがあるか否かを判断する(ステップS30)。すなわち、ここでは第1及び第2のアプリケーション41,42のいずれか一方が定期通信間隔を変更可能であるか否かが判断される。その結果、第1及び第2のアプリケーション41,42の双方が定期通信間隔を変更不可能である場合(ステップS30でNO)、ディープスリープ移行直前に強制的に定期通信を行わせることができないため、この処理は終了する。これに対し、第1及び第2のアプリケーション41,42のいずれか一方が定期通信間隔を変更可能である場合(ステップS30でYES)、定期通信管理部44は、定期通信間隔調整処理を実行する(ステップS31)。この定期通信間隔調整処理(ステップS31)では、変更可能な定期通信間隔を変更不可能な定期通信間隔に合わせるように変更する。ただし、変更可能な定期通信間隔を変更不可能な定期通信間隔に一致させることができない場合には、変更可能な定期通信間隔を変更不可能な定期通信間隔の1/N倍又はN倍(ただし、Nは自然数)となるように変更しても良い。尚、図示を省略しているが、定期通信管理部44は、変更可能な定期通信間隔を変更不可能な定期通信間隔に合わせて調整すると、上記と同様に、定期通信間隔を変更したアプリケーションに対して変更後の値を通知すると共に、電力制御部37に対しても変更後の値を通知する。
【0117】
そして定期通信管理部44は、ディープスリープモードへ移行するまでの残り時間を確認し(ステップS32)、ディープスリープモードへ移行するタイミングの所定時間前であるか否かを判断する(ステップS33)。その結果、ディープスリープモード移行の所定時間前でなかった場合は、ステップS32へ戻り、所定時間前になるまで待機する。そしてディープスリープモード移行の所定時間前になると(ステップS32でYES)、定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42のうち、定期通信間隔を変更したアプリケーションに対してサーバー6a又は6bと定期通信を行うことを指示する(ステップS34)。これにより、定期通信間隔を変更したアプリケーションは、前回の定期通信からの経過時間が第1の時間間隔53又は第2の時間間隔54に達していなくても、サーバー6a又は6bとの定期通信を開始する。そして定期通信管理部44は、電力制御部37の第2のタイマー51bにおいて定期通信間隔を変更したアプリケーションが次に定期通信を行うために現在計測中である計測値をリセットするためのタイマーリセットを行う(ステップS35)。その後、定期通信管理部44は、定期通信間隔を変更不可能なアプリケーションが定期通信を行うためにディープスリープモードから通常モードへ復帰したタイミングで、定期通信間隔を変更したアプリケーションに定期通信を指示することにより、第1及び第2のアプリケーション41,42が同時に定期通信を行えるように制御する。
【0118】
図17は、第1及び第2のアプリケーション41,42の双方が定期通信間隔を変更可能な場合の全体的な処理プロセスの流れを示す図である。画像処理装置3の通電モードが通常モードであるときに第1のアプリケーション41が起動して接続処理が行われると(プロセスP80)、第1のサーバー6aとの接続状態が確立される(プロセスP81)。続いて第2のアプリケーション42が起動して接続処理が行われると(プロセスP82)、第2のサーバー6bとの接続状態が確立される(プロセスP83)。
【0119】
定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42が起動した状態になると、定期通信間隔調整処理を行う(プロセスP84)。この定期通信間隔調整処理(プロセスP84)によって例えば第1の時間間隔53が第2の時間間隔54と同じ時間間隔に変更される。そして定期通信管理部44は、第1のアプリケーション41に対して第1の時間間隔53の変更を通知すると共に(プロセスP85)、電力制御部37にも第1の時間間隔53の変更を通知する(プロセスP86)。これにより、第1のアプリケーション41及び電力制御部37のそれぞれにおいて第1の時間間隔53が変更される。
【0120】
その後、第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとジョブの送受信を行っていない状態で所定時間(第1の時間間隔53)が経過すると、第1のサーバー6aとの接続状態を利用して定期通信を行う(プロセスP87)。第1のサーバー6aは、画像処理装置3との接続状態を維持している状態で第1のアプリケーション41から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP88)。また電力制御部37は、第1のアプリケーション41と第1のサーバー6aとが定期通信を行うことに伴い、第2のタイマー51bによる第1の時間間隔53の計時動作をスタートさせる(プロセスP91)。
【0121】
また第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bとジョブの送受信を行っていない状態で所定時間(第2の時間間隔54)が経過すると、第2のサーバー6bとの接続状態を利用して定期通信を行う(プロセスP89)。第2のサーバー6bは、画像処理装置3との接続状態を維持している状態で第2のアプリケーション42から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP90)。また電力制御部37は、第2のアプリケーション42と第2のサーバー6bとが定期通信を行うことに伴い、第2のタイマー51bによる第2の時間間隔54の計時動作をスタートさせる(プロセスP92)。
【0122】
上記のような動作が行われている間、定期通信管理部44は、ディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となるまで待機する。そしてディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となったことを検知すると(プロセスP93)、定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに対して定期通信指示を出力する(プロセスP94,P95)。これにより、第1及び第2のアプリケーション41,42は、前回の定期通信(プロセスP87,P89)から予め定められた第1又は第2の時間間隔53,54が経過していない場合であっても、第1及び第2のサーバー6a,6bとの定期通信をほぼ同時に開始する(プロセスP96,P97)。
【0123】
第1のサーバー6aは、第1のアプリケーション41から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP98)。第1のアプリケーション41は、定期通信管理部44から定期通信指示に基づいて定期通信を行った場合、第1のサーバー6aから定期通信応答を受信することに伴い、定期通信応答を受信したことを定期通信管理部44へ通知する。そして定期通信管理部44は、第1のアプリケーション41が定期通信応答を受信したことを検知すると、電力制御部37が第1の時間間隔53の計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP100)。これにより、電力制御部37は、第2のタイマー51bにおける第1の時間間隔53の計測値を初期値にリセットし、その後、初期値からの計時動作を開始する。
【0124】
また第2のサーバー6bは、第2のアプリケーション42から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP99)。第2のアプリケーション42は、定期通信管理部44から定期通信指示に基づいて定期通信を行った場合、第2のサーバー6bから定期通信応答を受信することに伴い、定期通信応答を受信したことを定期通信管理部44へ通知する。そして定期通信管理部44は、第2のアプリケーション42が定期通信応答を受信したことを検知すると、電力制御部37が第2の時間間隔53の計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP101)。これにより、電力制御部37は、第2のタイマー51bにおける第2の時間間隔54の計測値を初期値にリセットし、その後、初期値からの計時動作を開始する。このような処理が、ディープスリープモードに移行する直前に行われることになる。
【0125】
そして電力制御部37は、ディープスリープモードに移行するタイミングになると、メイン制御部30に対する通電を停止させ(プロセスP102)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP103)。これにより、定期通信管理部44、第1のアプリケーション41及び第2のアプリケーション42はその機能を一時的に停止させる。
【0126】
その後、電力制御部37は、第2のタイマー51bの計時動作を継続させ、その計測値が第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54に一致する起床タイミングを検知すると、メイン制御部30に対する通電を再開させ(プロセスP104)、通電モードをディープスリープモードから通常モードへ復帰させる(プロセスP105)。これに伴い、第1及び第2のアプリケーション41,42は、前回の定期通信(プロセスP95,P96)から予め定められた第1及び第2の時間間隔53,54が共に経過していることを検知するため、第1及び第2のサーバー6a,6bとの定期通信をほぼ同時に開始する(プロセスP106,P107)。そして第1及び第2のアプリケーション41,42がサーバー6a,6bから定期通信応答を受信することに伴い(プロセスP108,P109)、定期通信管理部44は、電力制御部37が第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54の計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP110,P111)。その後、電力制御部37は、メイン制御部30に対する通電を再び停止させ(プロセスP112)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP113)。
【0127】
図18は、第1及び第2のアプリケーション41,42の双方が定期通信間隔を変更可能な場合において第1及び第2のアプリケーション41,42が定期通信を行うタイミングを示す図である。
図18に示すように、タイミングT30で第1のアプリケーション41が起動すると、第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとの接続状態を確立し、その後、第1の時間間隔Taが経過したタイミングで第1のサーバー6aとの定期通信を行うようになる。またタイミングT21で第2のアプリケーション42が起動すると、第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bとの接続状態を確立し、その後、第2の時間間隔Tbが経過したタイミングで第2のサーバー6bとの定期通信を行うようになる。
【0128】
定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42の双方が起動した状態になると、上述した定期通信間隔調整処理を行うことにより、例えば第1の時間間隔Taを第2の時間間隔Tbと等しくなるように変更する。そのため、第1のアプリケーション41は、その後、第2の時間間隔Tbでサーバー6aとの定期通信を行うようになる。
【0129】
そして定期通信管理部44は、通常モードからディープスリープモードへ移行するタイミングよりも所定時間だけ早いタイミングT32で第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれに定期通信指示を出力する。これにより、第1及び第2のアプリケーション41,42は、タイミングT32で第1及び第2のサーバー6a,6bとの定期通信を行う。このとき、電力制御部37において第2のタイマー51bがリセットされ、第1及び第2の時間間隔Ta,Tbのそれぞれをはじめから計時する動作が開始される。その後、画像処理装置3は、タイミングT33で通常モードからディープスリープモードへ移行する。
【0130】
その後、電力制御部37は、第1及び第2の時間間隔53,54(=Tb)が経過したことを検知したタイミングT34で通常モードに復帰させる。そして第1及び第2のアプリケーション41,42は、通常モードに復帰したタイミングで同時に各サーバー6a,6bとの定期通信を行う。そして第1及び第2のアプリケーション41,42による定期通信が終了すると、電力制御部37は、再びディープスリープモードへ移行させる。以後同様に、一定の時間間隔Tbでディープスリープモードから通常モードへ復帰する処理が行われ、通常モードへ復帰したときに、第1及び第2のアプリケーション41,42による定期通信が同時に行われる。
【0131】
上記のような制御が行われることにより、ディープスリープモードの継続時間Tzを長くすることができると共に、ディープスリープモードから通常モードへ復帰する頻度を少なくすることができるため、より高い省電力効果を得ることができるようになる。
【0132】
次に
図19は、第1及び第2のアプリケーション41,42の一方が定期通信間隔を変更不可能な場合の全体的な処理プロセスの流れを示す図である。画像処理装置3の通電モードが通常モードであるときに第1のアプリケーション41が起動して接続処理が行われると(プロセスP120)、第1のサーバー6aとの接続状態が確立される(プロセスP121)。続いて第2のアプリケーション42が起動して接続処理が行われると(プロセスP122)、第2のサーバー6bとの接続状態が確立される(プロセスP123)。
【0133】
定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42が起動した状態になると、定期通信間隔調整処理を行う(プロセスP124)。この定期通信間隔調整処理(プロセスP124)によって例えば第2の時間間隔54が第1の時間間隔53と同じ時間間隔に変更される。そして定期通信管理部44は、第2のアプリケーション42に対して第2の時間間隔54の変更を通知すると共に(プロセスP125)、電力制御部37にも第2の時間間隔54の変更を通知する(プロセスP126)。これにより、第2のアプリケーション42及び電力制御部37のそれぞれにおいて第2の時間間隔54が変更される。
【0134】
その後、定期通信管理部44は、ディープスリープモードに移行するタイミングの所定時間前となったことを検知すると(プロセスP127)、定期通信間隔を変更可能な第2のアプリケーション42に対して定期通信指示を出力する(プロセスP128)。これにより、第2のアプリケーション42は、前回の定期通信から予め定められた第2の時間間隔54が経過していない場合であっても、第2のサーバー6bとの定期通信を開始する(プロセスP129)。尚、定期通信管理部44は、第1のアプリケーション41の第1の時間間隔53を変更することができないため、第1のアプリケーション41には定期通信指示を出力しない。
【0135】
第2のサーバー6bは、第2のアプリケーション42から送信される定期通信を受信すると、その定期通信に対する定期通信応答を返信する(プロセスP130)。第2のアプリケーション42は、定期通信管理部44から定期通信指示に基づいて定期通信を行った場合、第2のサーバー6bから定期通信応答を受信することに伴い、定期通信応答を受信したことを定期通信管理部44へ通知する。そして定期通信管理部44は、第2のアプリケーション42が定期通信応答を受信したことを検知すると、電力制御部37が第2の時間間隔53の計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP131)。これにより、電力制御部37は、第2のタイマー51bにおける第2の時間間隔54の計測値を初期値にリセットし、その後、初期値からの計時動作を開始する。このような処理が、ディープスリープモードに移行する直前に行われることになる。
【0136】
そして電力制御部37は、ディープスリープモードに移行するタイミングになると、メイン制御部30に対する通電を停止させ(プロセスP132)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP133)。これにより、定期通信管理部44、第1のアプリケーション41及び第2のアプリケーション42はその機能を一時的に停止させる。
【0137】
その後、電力制御部37は、第2のタイマー51bの計時動作を継続させ、その計測値が第1の時間間隔53に一致する起床タイミングを検知すると、メイン制御部30に対する通電を再開させ(プロセスP134)、通電モードをディープスリープモードから通常モードへ復帰させる(プロセスP135)。これに伴い、第1のアプリケーション41は、前回の定期通信から予め定められた第1の時間間隔53が経過していることを検知するため、第1のサーバー6aとの定期通信を開始する(プロセスP136)。このとき、定期通信管理部44は、第2のアプリケーション41に対して定期通信指示を再び出力する(プロセスP137)。これにより、第2のアプリケーション42は、前回の定期通信(プロセスP128)から予め定められた第2の時間間隔54が経過していない場合であっても、第2のサーバー6bとの定期通信を開始する(プロセスP138)。そして第1及び第2のアプリケーション41,42がサーバー6a,6bから定期通信応答を受信することに伴い(プロセスP139,P141)、定期通信管理部44は、電力制御部37が第1の時間間隔53及び第2の時間間隔54の計時動作を継続させている第2のタイマー51bをリセットするために、電力制御部37に対してタイマーリセットを行う(プロセスP140,P141)。このタイマーリセット(P140,P141)がほぼ同時に行われることにより、第1及び第2のアプリケーション41,42による定期通信のタイミングがその後同期するようになる。そして電力制御部37は、メイン制御部30に対する通電を再び停止させ(プロセスP143)、通電モードをディープスリープモードへ移行させる(プロセスP144)。
【0138】
図20は、第1及び第2のアプリケーション41,42の一方が定期通信間隔を変更不可能な場合において第1及び第2のアプリケーション41,42が定期通信を行うタイミングを示す図である。尚、
図20では、第1のアプリケーション41の定期通信間隔Taが変更不可能な場合を示している。
図20に示すように、タイミングT40で第1のアプリケーション41が起動すると、第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとの接続状態を確立し、その後、第1の時間間隔Taが経過したタイミングで第1のサーバー6aとの定期通信を行うようになる。またタイミングT21で第2のアプリケーション42が起動すると、第2のアプリケーション42は、第2のサーバー6bとの接続状態を確立し、その後、第2の時間間隔Tbが経過したタイミングで第2のサーバー6bとの定期通信を行うようになる。
【0139】
定期通信管理部44は、第1及び第2のアプリケーション41,42の双方が起動した状態になると、上述した定期通信間隔調整処理を行うことにより、例えば第2の時間間隔Tbを第1の時間間隔Taと等しくなるように変更する。そのため、第2のアプリケーション42は、その後、第1の時間間隔Taでサーバー6bとの定期通信を行うようになる。
【0140】
そして定期通信管理部44は、通常モードからディープスリープモードへ移行するタイミングよりも所定時間だけ早いタイミングT42で第2のアプリケーション42に定期通信指示を出力する。これにより、第2のアプリケーション42は、タイミングT42で第2のサーバー6bとの定期通信を行う。このとき、第1のアプリケーション41は、第1のサーバー6aとの定期通信を行わない。またこのとき、電力制御部37において第2のタイマー51bがリセットされ、第2の時間間隔54(=Ta)をはじめから計時する動作が開始される。その後、画像処理装置3は、タイミングT43で通常モードからディープスリープモードへ移行する。
【0141】
その後、電力制御部37は、第1の時間間隔53(=Ta)が経過したことを検知したタイミングT44で通常モードに復帰させる。これにより、第1のアプリケーションは、第1のサーバー6aとの定期通信を行う。またこのとき、定期通信管理部44は、第2のアプリケーション42に定期通信指示を再び出力する。これにより、第2のアプリケーション42は、タイミングT44で第2のサーバー6bとの定期通信を行う。つまり、第1及び第2のアプリケーション41,42は、タイミングT44でほぼ同時に定期通信を行うのである。そして第1及び第2のアプリケーション41,42による定期通信が終了すると、電力制御部37は、再びディープスリープモードへ移行させる。以後同様に、一定の時間間隔Taでディープスリープモードから通常モードへ復帰する処理が行われ、通常モードへ復帰したときには第1及び第2のアプリケーション41,42による定期通信が同時に行われる。
【0142】
上記のような制御が行われることにより、第1及び第2のアプリケーション41,42の一方の定期通信間隔が変更不可能な場合であっても、ディープスリープモードから通常モードへ復帰する頻度を少なくすることができるため、より高い省電力効果を得ることができるようになる。
【0143】
以上のように本実施形態では、画像処理装置3において第1のアプリケーション41と第2のアプリケーション42とが起動し、それら第1及び第2のアプリケーション41,42のそれぞれが異なるサーバー6a,6bと常時通信可能な接続状態を確立しているときでも、ディープスリープモードの継続時間を従来よりも長期化できるため、高い省電力効果を得ることができるようになる。
【0144】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0145】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0146】
例えば上記実施形態では、画像処理装置3における通電モードとして、通常モードと、スリープモードと、ディープスリープモードとの3段階が存在する場合を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、画像処理装置3における通電モードとしては、通常モードと、ディープスリープモード(省電力モード)との少なくとも2段階が存在するものであれば、本発明を適用することが可能である。
【0147】
また上記第2実施形態では、主としてクラウド5上に2つのサーバー6a,6bが設けられ、画像処理装置3において2つのアプリケーション41,42が起動した場合の動作について説明した。しかし、上述した動作は、クラウド5上に3つ以上の複数のサーバーが設けられ、それに対応して画像処理装置3において3つ以上の複数のアプリケーションが起動する場合にも適用可能である。