(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、印刷したい領域を予めマーキングして指定する必要があり、マーキングすることなく、答案用紙に基づいて不正解の答えを解き直す復習問題を簡単に作成できないという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の復習問題作成装置は、答案用紙を読み取って画像データを取得する画像読み取り部と、前記画像データから不正解を示す特定マークを検出するマーク検出部と、検出された前記特定マークに基づいて空白化領域を特定する空白化領域特定部と、前記画像データの前記空白化領域を空白にして復習用画像データを作成する空白化領域処理部と、作成された前記復習用画像データを出力する出力部
と、前記画像データの前記空白化領域を示したプレビュー画像を表示する表示部と、表示された前記プレビュー画像に基づいて前記空白化領域に対する処理の指示を受け付ける指示受け付け部とを備え、前記空白化領域処理部は、指示された前記処理に対応して前記空白化領域を空白にすることを特徴とする。
また、前記空白化領域特定部は、検出された前記特定マークが突き出し部を有する形状である場合、前記特定マークの前記突き出し部が内接するような大きさで前記特定マークを囲
う矩形領域を形成し、前記特定マーク以外の前記矩形領域の内部領域を前記空白化領域としてもよい。
また、前記空白化領域特定部は、検出された前記特定マークが円形状である場合、前記特定マークの内部領域を前記空白化領域としてもよい。
また、前記空白化領域処理部は、前記特定マークごと前記空白化領域を空白にしてもよい。
また、前記指示受け付け部は、前記空白化領域に対する処理の指示として、前記プレビュー画像でユーザーにより指定された位置に新たに前記空白化領域を追加する指示を受け付けてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、答案用紙に基づいて不正解の答えを解き直す復習問題を簡単に作成することができる技術を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付してある。
【0010】
本発明の実施形態の画像形成装置1は、複合機であり、復習問題作成装置として機能する。画像形成装置1は、操作部11と、画像読み取り部12と、画像処理部13と、印字部14と、通信部15と、記憶部17と、問題作成制御部18とがシステムバス16によって接続されている。
【0011】
操作部11は、表示部と操作ボタンとが設けられている。ユーザーは操作部11を操作して指示を入力することで、画像形成装置1の各種の設定を行い、画像形成等の各種機能を実行させる。表示部は、画像形成装置1の状態を表示したり、画像形成状況や印刷部数を表示したり、タッチパネルとして、両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定などの各種設定を受け付ける。操作ボタンとしては、画像形成の開始を指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置1の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン、テンキー等が設けられている。
【0012】
画像読み取り部12は、答え合わせされた(採点された)答案用紙を読み取って画像データを取得するスキャナー装置である。
【0013】
画像処理部13は、画像データに対して所定の画像処理を行う手段であり、例えば、拡大縮小処理や、濃度調整、階調調整等の画像改善処理を行う。
【0014】
印字部14は、問題作成制御部18によって作成された復習用画像データに基づいて印刷する印刷手段である。印字部14は、復習用画像データに基づき感光体ドラムの表面に潜像を形成し、トナーによってその潜像をトナー像とする画像形成を行い、その感光体ドラムから記録紙にトナー像を転写させ、そのトナー像を記録紙に定着させて排紙する。
【0015】
通信部15は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して外部端末との間で各種データを送受信する機能を有する。
【0016】
記憶部17は、半導体メモリーやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段である。また、記憶部17は、答え合わせで不正解の答えに使用される特定マークを記憶している。記憶部17は、予めマル印、バツ印、レ点印など不正解の答えに使用されそうな複数のマークを記憶していてもよく、複数のマークの中からユーザーによって選択されたマークを特定マークとして記憶してもよい。また、記憶部17は、タッチパネル(操作部11)を介してユーザーが描いた所望のマークや、ユーザーの指示により画像読み取り部12を介して読み取ったマークを特定マークとして記憶してもよい。また、特定マークは、1つだけでなく、複数でもよい。
【0017】
問題作成制御部18は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ等の情報処理部である。ROMには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。問題作成制御部18は、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、制御プログラムをRAMに展開させることで、操作部11から入力された所定の指示情報に応じて、問題作成動作を実行する。
【0018】
また、問題作成制御部18は、制御プログラムを実行することで、マーク検出部81と、空白化領域特定部82と、プレビュー処理部83と、指示受け付け部84と、空白化領域処理部85と、出力部86として機能する。
【0019】
マーク検出部81は、答え合わせされた答案用紙の画像データから特定マークを検出する機能を有する。マーク検出部81は、記憶部17に記憶された特定マークと一致又は類似しているマークを画像データから検出する。
【0020】
空白化領域特定部82は、マーク検出部81により画像データから検出された特定マークに基づいて、画像データ上で解答が空白にされる領域である空白化領域を特定する機能を有する。
【0021】
図2を参照して具体的に説明する。例えば、
図2(a)に示すように、特定マーク71が円形状のマル印である場合には、空白化領域特定部82は、特定マーク71の内部領域、すなわち、マル印の円内を空白化領域21として特定する。
図2(a)に示すように、特定マーク71が略円形で、円が閉じていない場合には、空白化領域特定部82は、円を閉じるように補足線23を継ぎ足して、特定マーク71の内部領域を特定し、空白化領域21とする。また、特定マーク71が、
図2(b)に示すようにレ点印や、
図2(c)に示すようにバツ印であり、突き出し部24を有する形状である場合には、空白化領域特定部82は、特定マーク71の外部領域、すなわち、特定マーク71を囲うように矩形領域22を形成し、特定マーク71を除く矩形領域22の内部を空白化領域21として特定する。形成される矩形領域22の大きさは、特定マーク71の突き出し部24が矩形領域22に内接するような大きさとなる。
【0022】
プレビュー処理部83は、空白化領域特定部82により空白化領域21が特定されると、空白化領域21を示したプレビュー画像を表示するプレビュー画面を表示させる機能を有する。具体的には、プレビュー処理部83は、空白化領域21と同じ形状のOSD画像を生成して、画像データの空白化領域21に合わせてOSD画像を重ねて表示させることで、空白化領域21を示したプレビュー画像を表示させる。
【0023】
指示受け付け部84は、プレビュー画面を介して空白化領域21に対する処理の指示を受け付ける機能を有する。ユーザーは、印刷前にプレビュー画像を見ながら空白化領域21に対する処理の指示を出すことができる。空白化領域21に対する処理の指示としては、空白にする/しないを指定したり、空白化領域21の特定マーク71を消したり、空白化領域21の形状を変形(例えば拡大/縮小など)させたり、空白化領域21を削除したり、特定マーク71とは関係なく新たに空白化領域21を追加したりする指示が可能である。指示受け付け部84により空白化領域21に対する処理の指示が受け付けられると、指示に従って空白化領域処理部85により空白化領域21が処理されるとともに、プレビュー処理部83により処理後の空白化領域21を示したプレビュー画像が表示される。
【0024】
空白化領域処理部85は、画像データの空白化領域21を処理する機能を有し、空白化領域21を画像データから消去して空白にしたり、空白化領域21の特定マーク71を消去したり、空白化領域21を新たに追加したり、空白化領域21の形状を変形させたり、空白化領域21を削除したりする処理を実行する。空白化領域処理部85が画像データの全ての空白化領域21を空白にし終えると復習用画像データができあがる。
【0025】
出力部86は、空白化領域処理部85によって作成された復習用画像データを出力する機能を有する。出力部86は、印字部14を介して復習用画像データを印刷してもよいし、通信部15を介してユーザーに指定された送信先に復習用画像データを送信してもよい。
【0026】
次に、
図3を参照して復習問題作成処理の流れを具体的に説明する。以下では、記憶部17にはレ点印が特定マーク71として記憶されているものとする。
【0027】
問題作成制御部18は、復習問題の作成が指示されるまで待機している(ステップs11、ステップs11でNo)。ユーザーが、答え合わせされた(特定マーク71が付けられた)答案用紙(例えば
図4を参照)50を画像読み取り部12にセットし、操作部11を介して復習問題の作成を指示すると(ステップs11でYes)、問題作成制御部18は、画像読み取り部12を介して、答え合わせされた答案用紙50を読み取って(ステップs12)、答え合わせされた答案用紙50の画像データを取得する。
【0028】
つづいて、マーク検出部81は、記憶部17に記憶された特定マーク71に基づいて、答え合わせされた答案用紙50の画像データから特定マーク71を検出する(ステップs13)。
【0029】
特定マーク71が検出されると、空白化領域特定部82は、特定マーク71に基づいて画像データ上で空白にされる空白化領域21を特定する(ステップs14)。
【0030】
空白化領域21が特定されると、プレビュー処理部83は、空白化領域21の範囲を示す枠(OSD画像)を生成し、画像データの空白化領域21に枠を重ねて、空白化領域21を示したプレビュー画像を表示させる(ステップs15)。
【0031】
図5はプレビュー画像63を表示するプレビュー画面G60の一例である。プレビュー画面G60には、プレビュー画像63が表示される画像表示領域62と、空白化領域21に対する処理の指示を受け付けるボタンとが設けられている。図示では、空白化領域21を示す枠65を点線の矩形で示している。空白化領域21に対する処理の指示を受け付けるボタンには、空白化領域21を空白にする指示を受け付ける「空白にする」ボタンB61と、空白化領域21の空白化を取りやめる指示を受け付ける「空白にしない」ボタンB62と、特定マーク71を消す指示を受け付ける「マークを消す」ボタンB63と、空白化領域21の形状を変形させる指示を受け付ける「変形させる」ボタンB64と、新たに空白化領域21を追加する指示を受け付ける「空白化領域追加」ボタンB65と、空白化領域21に対する処理の指示終了を受け付けるボタンとして、「OK」ボタンB66が設けられている。
【0032】
「空白にする」ボタンB61、「空白にしない」ボタンB62、「マークを消す」ボタンB63、「変形させる」ボタンB64、「空白化領域追加」ボタンB65が押された場合、指示受け付け部84は、空白化領域21に対する処理の指示があると判断し(ステップs16でYes)、空白化領域21に対する処理の指示を受け付ける。つづいて、空白化領域処理部85は、指示受け付け部84で受け付けた処理の指示に対応して空白化領域21に対する処理を実行し(ステップs17)、ステップs15に処理を戻す。
【0033】
具体的には、「空白にする」ボタンB61が押されると(ステップs16でYes)、空白化領域処理部85は、選択された空白化領域21を消去して空白にする処理を実行する(ステップs17)。空白化領域21が消去されることにより、プレビュー処理部83は消去された空白化領域21を示していた枠65を消去したプレビュー画像63を表示させる(ステップs15)。
【0034】
「空白にしない」ボタンB62が押されると(ステップs16でYes)、空白化領域処理部85は、選択された空白化領域21を解除する(空白化領域21として特定されていないものとする)処理を実行する(ステップs17)。また、空白化領域21が解除されたことに伴い、プレビュー処理部83は解除された空白化領域21を示していた枠65を消去する(ステップs15)。
【0035】
「マークを消す」ボタンB63が押されると(ステップs16でYes)、空白化領域処理部85は、選択された空白化領域21に対応する特定マーク71(マーク検出部81により検出された特定マーク71)を画像データから消去する(ステップs17)。空白化領域21は残っているので、プレビュー処理部83は空白領域64を示す枠65をプレビュー画像63に表示させる(ステップs15)。特定マーク71を残すことで、ユーザーが間違えた問題であることを確認でき、特定マーク71を消すことで、ユーザーが解答を書きやすくなる。
【0036】
「変形させる」ボタンB64が押されると(ステップs16でYes)、空白化領域処理部85は、選択された空白化領域21の形状をユーザーのタッチ操作に応じて拡大や縮小させたりして自在に変形させる(ステップs17)。プレビュー処理部83は、空白化領域21の形状に合わせて枠65の形状を変化させてプレビュー画像63に表示させる(ステップs15)。
【0037】
「空白化領域追加」ボタンB65が押され(ステップs16でYes)、プレビュー画像63内がタッチされると、空白化領域処理部85は、ユーザーによってタッチされた位置に対応して画像データに新たに空白化領域21(64)を追加する(ステップs17)。
図5では、新たに追加された空白化領域21(64)の形状を矩形で示しているが、他の形状であってもよい。また、新たに追加された空白化領域21(64)が画像データに追加されたことに伴い、プレビュー処理部83は、追加された空白化領域21(64)を示す枠65をプレビュー画像63に表示させる(ステップs15)。これにより、ユーザーは特定マーク71に関係なく、例えば正答の解答部分を空白化領域21に指定して、正答を復習問題にすることができる。
【0038】
「OK」ボタンB66が押されると、指示受け付け部84は、空白化領域21に対する処理の指示が終了したと判断する(ステップs16でNo)。つづいて、空白化領域処理部85は、画像データにおける全ての空白化領域21を空白にして復習用画像データを作成する(ステップs18)。これにより、
図6に示すように、プレビュー画面G60で指示された処理に対応して空白化領域21が空白にされた復習用画像データ70が作成される。
図6では特定マーク71は残されているが、上記処理の指示において「マークを消す」ボタンB63が押された場合、選択された空白化領域21に対応する特定マーク71も消去された復習用画像データ70が作成される。
【0039】
つづいて、出力部86は、空白化領域処理部85により作成された復習用画像データ70を出力し(ステップs19)、本処理を終了する。出力部86は、復習用画像データ70を、印字部14を介して印刷して出力してもよいし、表示部に表示してもよいし、ユーザーにより指定された外部端末に送信して出力してもよい。
【0040】
このように、本実施形態の画像形成装置1は、答案用紙50を読み取って画像データを取得する画像読み取り部12と、画像データから不正解を示す特定マーク71を検出するマーク検出部81と、検出された特定マーク71に基づいて空白化領域21を特定する空白化領域特定部82と、画像データの空白化領域21を空白にして復習用画像データ70を作成する空白化領域処理部85と、作成された復習用画像データ70を出力する出力部86とを備えている。これにより、画像形成装置1は、答え合わせされた答案用紙50に基づいて不正解の答えを解き直す復習問題を簡単に作成することができる。
【0041】
なお、上記実施形態では、レ点印を特定マーク71として説明したが、レ点印とともにマル印を特定マーク71としてもよい。このように、特定マーク71は複数であってもよい。また、特定マーク71として、マークの形状とともにマークの色(例えば、青や赤など)が設定されてもよい。この場合、マーク検出部81は、記憶部17に記憶された特定マーク71の色と形状に一致又は類似するマークを画像データから特定マーク71として検出する。
【0042】
また、空白化領域処理部85は、空白化領域21を消去して解答を空白にしたが、空白化領域21の画素値を"0"にして空白化してもよいし、空白化領域21に白色画像を合成してもよい。また、空白化領域処理部85は、空白化領域21を空白にしたあとで、その空白領域21に色(例えば薄緑や薄赤)をつけて、復習問題であることを分かりやすく示してもよい。
【0043】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々様々に変更が可能であることは言うまでもない。