(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は本発明の実施形態における構成を模式的に表している。更に以下に記載される本発明の実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
【0017】
<第1の実施形態>
(電源制御システム)
本発明の第1の実施形態に係る電源制御システム100の構成例について
図1を参照して説明する。
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る電源制御システム100は、電源制御装置1、スイッチ部2、UPS3、サーバ4、4a、4b、4c(以下、サーバ4〜4cと記載)、電源ケーブル5およびネットワーク6を備える。
【0019】
電源制御システム100において、電源制御装置1は、スイッチ部2を介して、UPS3からサーバ4〜4cに対する電源の投入および切断(電源供給の開始及び終了)を制御する。サーバ4〜4cはUPS3から電気が供給されて起動すると、起動したことを、ネットワーク6を介して電源制御装置1に通知する。本実施形態においては、この通知はサーバ4〜4cの起動時に行われるものとする。この通知には、サーバ4〜4cの各々を識別するための情報を含む。電源制御装置1は、受け取った複数の通知に基づいて、UPS3とサーバ4〜4cとの間の電力供給状態、即ち、正しく配線されているか、ネットワーク6上の機器に異常が発生していないか等を検査する。電源制御装置1の詳細については後述する。
【0020】
スイッチ部2は、電源制御装置1からの指示に従い、UPS3からサーバ4〜4cに対する電源供給の開始及び終了を制御する。
【0021】
UPS3は、電源装置の一種で、二次電池など電力を蓄積する装置を内蔵し、停電等で外部からの電力供給が途絶えても、一定時間決められた出力でネットワーク6上のサーバ4〜4cに対し電力を供給することができる。
【0022】
UPS3は、任意のプログラムにて制御可能であるが、その一例としてSNMP(Simple Network Management Protocol)カードを使用する場合について説明する。この場合、UPS3は、当該SNMPカード挿入するためのカードスロット(不図示)を備える。当該SNMPカードにはネットワーク管理のためのプログラムが格納されており、UPS3は、当該SNMPカードから当該プログラムを読み出し、読み出したプログラムに従いネットワーク管理を実行する。
【0023】
サーバ4〜4cは、特定の処理を行うサーバ装置である。サーバ4〜4cは、汎用性サーバであってもよいし、緊急性の高い処理を行うサーバであってもよい。緊急性の高い処理を行うサーバとは、電源が切られることでシャットダウンするとシステムに重大な損害を与えるため、特にシャットダウンを防ぐことが必要なサーバである。緊急性の高い処理としては、例えば、人命に関わる医療現場での処理、24時間稼働する業務に関する重要なデータの処理等がある。
【0024】
図1に示すように、UPS3とサーバ4〜4cは、1対1または1対多で接続される。1つのUPS3と、これに接続される少なくとも一つ以上のサーバ4〜4cとの組み合わせを以下の説明においては「装置組合せ」と記載する。例えば、
図1左側の3台のUPS3と3台のサーバ4(装置組合せA、B、C)とは、それぞれ1対1で直列に接続される。これに対し、
図1右側の1台のUPS3とサーバ4a、4b、4c(装置組合せD)とは、1対多で並列に接続される。
【0025】
電源ケーブル5は、スイッチ部2と各UPS3との間、および、各UPS3とサーバ4〜4cとの間を接続するためのケーブルである。
【0026】
ネットワーク6は、UPS3、サーバ4〜4cおよび電源制御装置1の間をデータ通信可能にするための、有線、無線、またはこれらの組合せから構成されるネットワークである。
(電源制御装置)
電源制御装置1は、
図2に示すように、制御部7aと記憶部1gとを含む。制御部7aは、電源管理部1a、通知受信部1b、算出部1c、判断部1d、結果表示部1eおよび設定部1fを備えている。記憶部1gは、作業メモリ1hおよび判断表メモリ1iを格納する。尚、
図2に示す構成は一例であり、本実施形態はこれに限定されない。
【0027】
作業メモリ1hは、制御部7aがサーバ4〜4cから送出される通知を受信する毎に、その受信時刻を一時記憶する履歴メモリを備える。尚、一定時間経過後に当該履歴メモリ内のデータは削除されてもよい。また、作業メモリ1hは、電源が投入された回数を記憶するカウンタメモリを備える。
【0028】
判断表メモリ1iは、装置組合せに基づく時間間隔として、ある通知からその次の通知までにかかるべき時間(以下、インターバルと記載する)を含む判断表データを記憶する。判断表メモリに記憶される判断表データを
図3に示す。判断表データは、UPS3を識別可能な識別子、例えば3a、3b、3c、3dと、ある電源供給から次の電源供給開始までのインターバル(秒)とを含む。各インターバルは識別子に関連づけされ記憶される。
【0029】
電源管理部1aは、スイッチ部2の制御を行い、UPS3に対する電源の投入および切断を管理する。電源管理部1aは、UPS3からサーバ4〜4cへ対する電源供給をそれぞれ異なる時間(タイミング)にて行う。
【0030】
通知受信部1bは、サーバ4〜4cから、起動したことを知らせる通知を受信し、通知に含まれるサーバ4〜4cを識別可能な情報(例えば、IPアドレス等)を取得する。通知受信部1bは、作業メモリ1h内の履歴メモリに、当該識別可能な情報と共に、通知の受信時刻を格納する。更に、通知受信部1bは、通知の受信毎に、作業メモリ1h内のカウンタメモリの数を増加させる。
【0031】
算出部1cは、作業メモリ1h内の履歴メモリを読み出し、履歴メモリに格納される受信時刻を基に、ある通知の受信時刻から次の通知の受信時刻までの経過時間を算出する。
【0032】
判断部1dは、通知受信部1bが受信する通知を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの装置組合せA〜Dを求め、求められた組合せを用いて、UPS3とサーバ4〜4cとの接続関係(例えば、電源供給状態)を判断する。具体的に、判断部1dは、算出された経過時間と、
図3に示す判断表データにおけるインターバル(秒)とを比較し、一致する値が有るか否かを判断する。これによって判断部1dは、UPS3とサーバ4〜4cとの装置組合せを判断する。なぜなら、判断表データのインターバルは装置組合せを反映した値を有するからである。またこの判断結果に従い、判断部1dは、各装置組合せにおけるUPS3とサーバ4〜4cとの間の電源供給状態を判断する。尚、判断部1dが時間を比較する際には、通信の遅延等を考慮し、ある程度の時間誤差(マージン)を含めて判断することが望ましい。
【0033】
結果表示部1eは、判断部1dの判断結果を、システムの管理者等に表示する。例えば、結果表示部1eは、モニタ(不図示)へ診断結果を表示する。この他、結果表示部1eは、電源制御装置1等に搭載されたランプ(不図示)の点灯等によって判断結果を周知させてもよい。尚、ランプの点灯による判断結果の周知手法には、判断結果に応じて、異なるランプを点灯させる方法、発光周期を異ならせる方法、ランプの色を違える方法等がある。
【0034】
設定部1fは、各サーバ4〜4cに対し、通知を送信するタイミング、即ちある通知からその次の通知間のインターバルの設定を行う。設定部1fは、設定されたインターバルを判断表メモリ1iに格納する。
(電源制御システムの動作)
電源制御システム100の動作について図面を参照して説明する。
【0035】
先ず、電源制御装置1が、各サーバ4〜4cから通知を受け取るタイミングを設定する動作について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0036】
先ずステップS101において、電源制御装置1の設定部1fは、サーバ4〜4cから通知されるべき回数(全サーバ同じ数)を設定する。また、設定部1fは、装置組合せ毎に、UPS3に対する電源の切り替え(投入および切断)のインターバルの設定を行う。全てのUPS3は、電源の投入(ON)後、所定時間、例えば1秒経過後に、電源を切断(OFF)する。電源のONからOFFまでの時間はいずれも同じである。しかし、電源OFFからONまでの時間は、
図3に示すように、UPS毎、ONの回数毎に異なる。
【0037】
この動作について
図5に示すタイミングチャートを用いて説明する。このタイミングチャートでは、各UPSの電源ONの回数は3回である。UPS3aは、1回目のONからOFF(例えば、この間を1秒とする)後、A秒後に2回目のON状態となる。即ち、1回目のONから2回目のONまでの時間は(1+A)秒となる。UPS3aは、2回目のONからOFF後、B秒後に3回目のON状態となる。即ち、2回目のONから3回目のONまでの時間は(1+B)秒となる。
【0038】
同様に、UPS3bは、1回目のONからOFF後、C秒後に2回目のON状態となる。即ち、1回目のONから2回目のONまでの時間は(1+C)秒となる。UPS3bは、2回目のONからOFF後、D秒後に3回目のON状態となる。即ち、2回目のONから3回目のONまでの時間は(1+D)秒となる。
【0039】
ステップS102において、電源制御装置1の設定部1fは、装置組合せ毎に、設定したインターバルを判断表メモリ1i(
図3)に格納する。
【0040】
以上により、各サーバ4〜4cから通知を受け取るタイミングを設定する動作を終了する。
【0041】
次に、電源制御システム100において、電源制御装置1が、各装置組み合わせの電源供給状態を確認する動作について、
図6のフローチャートを参照して説明する。作業メモリ1hは、サーバ4〜4cの数分のカウンタメモリを備えていることが好ましい。また、電源制御装置1は、サーバ4〜4cから通知されるべき回数を予め設定されているものとする。
【0042】
先ずステップS201において、電源制御装置1の制御部7aは、UPS3を起動するよう指示する。具体的には、電源管理部1aが、スイッチ部2を介して、装置組合せA〜DのいずれかのUPS3の電源を投入する。これにより1つのUPS3は起動する(ステップS202)。更に、当該UPS3と接続されるサーバ4〜4cが、電力の供給を受けて起動する(ステップS203)。
【0043】
ステップS204において、当該UPS3と装置組合せされているサーバ4〜4cは起動し、起動したことを知らせる通知を、ネットワーク6を介して、制御部7aに送信する。
【0044】
ステップS205において、通知受信部1bが当該通知を受信すると、当該通知の受信時刻を作業メモリ1h内の履歴メモリに格納する。更に、通知受信部1bは、当該通知に含まれるサーバ4〜4cの識別子から、送信元サーバ4〜4cを判別し、作業メモリ1h内の当該サーバに対応するカウンタメモリを1増加させる。
【0045】
ステップS206において判断部1dは、この通知が最後となるべき通知であったか、即ち、カウンタメモリの数が予め設定された数以上となったかを判断する。最後の通知でなければ処理はステップS207へ進められ、最後の通知であれば処理はステップS211へ進められる。
【0046】
ステップS207においては、所定時間経過(例えば電源投入(ON)から1秒)後、電源管理部1aが、スイッチ部2に当該通知に関連する装置組合せのUPS3の電源を切断するよう指示する。この指示に従い、スイッチ部2はUPS3の電源を切断し(ステップS208)、これに伴いサーバ4〜4cの電源が切断される(ステップS209)。尚、電源投入から切断までの所定時間は、電源供給毎や組み合わせ毎等において異ならせてもよい。
【0047】
ステップS210において、電源管理部1aは、作業メモリ1h内のサーバ4〜4cのカウンタメモリの回数と、当該サーバ4〜4cと装置組合せとされているUPS3とから、判断表データに記載された所定の時間を取得する。例えば、カウンタメモリが1回目、UPSの識別子が3aであるとすると、
図3に示す判断表データを参照し、10秒の間、電源停止状態を続ける。電源管理部1aは、当該所定の時間の経過後に、ステップS201に戻り、当該UPS3への電源投入を実行する。
【0048】
ステップS211においては、算出部1cが、作業メモリ1h内の履歴メモリから、送信元サーバ4〜4cに関連する1回目〜3回目の電源投入(ON)の時刻を取得する。算出部1cは、1回目のONから2回目のONまでの時間と、2回目のONから3回目のONまでの時間(
図5参照)とをそれぞれ算出する。
【0049】
ステップS212において、判断部1dは、判断表メモリ1i(
図3参照)から、送信元サーバ4〜4cと装置組合せとなっているUPS3に対応するインターバルを取得し、算出部1cが取得した時間間隔と比較する。例えば、
図3に示す識別子3aのUPSの場合、1回目のONから2回目のONまでの時間は10秒、2回目のONから3回目のONまでの時間は3秒である。判断部1dは、実際に取得した時間が、これらの時間と等しければ、この識別3aのUPS3とサーバとの装置組合せに対する電源供給は成功したと判断する。逆に、判断部1dは、これらの時間と等しくなければ、このUPS3の装置組合せに対する電源供給は失敗した、即ち、どこかに異常があると判断する。尚、この判断は、通信遅延等を考慮し、所定のマージンを持たせることが望ましい。
【0050】
ステップS213において、結果表示部1eは、判断部1dの判断結果を、スクリーン(不図示)等に表示する。
【0051】
最後に、ステップS214において、判断部1dは、全ての装置組合せA〜Dに対して、ステップS201〜S213の処理が実行されたかを判断する。全ての装置組合せA〜Dに対して、処理が実行されていない場合、判断部1dは、未処理の装置組合せのUPS3を選択し、ステップS201へ処理を戻す。尚、処理を実行する順番は予め定められていてもよい。
【0052】
第1の実施形態の変更例1について説明する。
【0053】
上記の説明においては、電源制御装置1側で全ての電源の投入および切断を制御するように記載したが、UPS3が自律して、予め設定された電源の投入および切断を実行するよう制御することも可能である。この場合、UPS3は、ステップS208の電源切断後、設定された秒数(
図5における(1+A)秒等)の間OFF状態のまま待機し(ステップS210)、その後、自ら起動する(ステップS202)。UPS3は、予め設定された電源の投入および切断が全て終了すると、動作を終了する。電源制御装置1は、ステップS206において最後の通知を受信したと判断した後、ステップS211〜S213の処理を実行する。
【0054】
尚、変更例1の場合、電源制御装置1の作業メモリ1hに装置組合せ毎のカウンタメモリは不要である。
【0055】
第1の実施形態の変更例2について説明する。
【0056】
第1の実施形態においては、各装置組合せA〜DのUPS3への電源投入を順番に(直列的に)投入し、電源供給の成功を判断した。しかし、全ての装置組合せA〜DのUPS3への電源供給を同時に(並列的に)又は一部同時に行っても良い。このような第1の実施形態の変更例2に係る電源制御装置1Aを
図7に示す。電源制御装置1Aは、制御部7Aと記憶部1gとを含む。制御部7Aは、電源管理部10a、通知受信部1b、算出部1c、判断部1d、結果表示部1eおよび設定部1fを備えている。記憶部1gは、作業メモリ1hおよび判断表メモリ1iを格納する。電源管理部10aは、スイッチ部2を介して、同時に起動させる装置組合せA〜DのUPS3の電源の各々を同時に投入する。
【0057】
第1の実施形態の変更例2に係る電源制御装置1Aの動作について説明する。上記のステップS201において、電源制御装置1Aの制御部7Aは、UPS3を起動するよう指示する際、電源管理部10aが、スイッチ部2を介して、同時に起動させる装置組合せA〜DのUPS3の電源を各々投入する。これにより起動対象となるUPS3を同時に起動させる。その他の構成および動作は第1の実施形態と同様である。
【0058】
第1の実施形態の変更例3について説明する。
【0059】
本実施形態においては、通知はサーバ4〜4cの起動時に行われたが、この通知の送信タイミングはこれに限られず、サーバ4〜4cの終了(停止)時に通知されても良いし、サーバ4〜4cの起動時および終了時において通知されてもよい。これは、サーバ4〜4cに通知タイミングの設定を予め行うこと等で可能となる。
【0060】
サーバの終了時において通知される場合について、
図8のフローチャートを参照して説明する。この場合、サーバ4〜4cの起動後(ステップS203)、ステップS215において、サーバ4〜4cが動作を終了する(電源が切断される)と、ステップS204において、サーバ4〜4cは電源制御装置1に対し、終了の旨を通知する。この終了の指示は、予めサーバ起動後の所定間隔後(例えば10秒後)に自動的に終了するように予め設定していても良い。または、電源制御装置1から所定間隔後に終了の指示を送っても良い。この終了の通知は電源制御装置1の通知受信部1bにて受信される(ステップS205)。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
図8に示すフローチャートの内容は、第1の実施形態の
図6のフローチャートのステップS201〜S206、ステップS210〜214の内容と同様である。
【0061】
サーバの起動時および終了時において通知される場合について、
図9のフローチャートを参照して説明する。この場合、サーバ4〜4cの起動の通知後(ステップS204)に、ステップS215において、サーバ4〜4cが動作を終了する(電源が切断される)と、処理はステップS204に戻され、サーバ4〜4cは電源制御装置1に対し、終了の旨を通知する。この終了の指示は、予めサーバ起動後の所定間隔後(例えば10秒後)に自動的に終了するように予め設定していても良い。または、電源制御装置1から所定間隔後に終了の指示を送っても良い。起動および終了の通知は電源制御装置1の通知受信部1bにて受信される(ステップS205)。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
図9に示すフローチャートの内容は、第1の実施形態の
図6のフローチャートのステップS201〜S206、ステップS210〜214の内容と同様である。
【0062】
尚、これらの変更例1〜3は後述する第2〜4の実施形態においても適用可能である。
【0063】
上述したように、本発明の第1の実施形態によると、UPS3とサーバ4〜4cとの接続関係、即ち、配線接続関係および電力供給状態を、目視により予め確認をせずとも、コストをかけることなく検査(接続関係を把握)することができる。即ち、目視等により配線接続関係を調査せずとも、更にPLC等の機器を導入せずとも、装置間の電源供給状態を確認することが出来る。これは、電源管理部1aがUPS3から、当該UPS3に接続するサーバ4〜4cへの電源の供給を制御し、判断部1dが、この供給に応じて起動されるサーバ4〜4cより通知を受け、当該通知を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの組合せを求め、当該組み合わせを用いて接続関係を判断するからである。
【0064】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、電源制御システム100は、各サーバ4〜4cから受信する通知の受信時間差を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの接続関係を判断した。第2の実施形態においては、各サーバ4〜4cから受信する通知の数を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの接続関係を判断する電源制御システム200について説明する。
(電源制御システム)
本発明の第2の実施形態に係る電源制御システム200は、
図10に示すように、電源制御装置10、スイッチ部2、UPS3、サーバ4〜4c、電源ケーブル5およびネットワーク6を備える。
【0065】
電源制御装置10は、
図11に示すように、制御部7bと記憶部10gとを含む。制御部7bは、電源管理部1a、通知受信部10b、判断部10d、結果表示部1eおよび設定部10fを備えている。記憶部10gは、作業メモリ10hおよび判断表メモリ10iを格納する。
【0066】
作業メモリ10hは、制御部7bがサーバ4〜4cから送出される通知を受信する毎にその受信回数を記憶する通知カウンタメモリを備える。尚、一定時間経過後に当該メモリ内のデータは削除されてもよい。
【0067】
判断表メモリ10iは、装置組合せA〜Dに基づく時間間隔として、ある通知からその次の通知までにかかるべきインターバルを含む判断表データを記憶する。判断表メモリに記憶される判断表データを
図12に示す。判断表データは、UPS3を識別可能な識別子、例えば3a、3b、3c、3dと、各UPS3が電源投入すべき回数とを含む。判断表メモリ10iを基に、電源管理部1aは、UPS3からサーバ4〜4cへ対する電源供給をそれぞれ異なる回数にて行う。
【0068】
通知受信部10bは、サーバ4〜4cから、起動したことを知らせる通知を受信し、当該通知からサーバ4〜4cを識別する情報を取得する。通知受信部10bは、当該識別する情報を基にサーバを特定し、特定したサーバと装置組合せされているUPS3の通知カウンタメモリの値を増加させる。
【0069】
判断部10dは、作業メモリ10h内の通知カウンタメモリの値と、
図12に示す判断表データの値(回数)とを比較し、値が一致するか否かを判断する。またこの判断結果に従い、判断部10dは、UPS3とサーバ4〜4cとの間の電源供給状態を判断する。
【0070】
設定部10fは、各サーバ4〜4cの通知を送信すべき回数の設定を行う。設定部10fは、設定された回数を判断表データに格納する。
【0071】
その他の装置、部等については第1の実施形態と同様である。
(電源制御システムの動作)
電源制御システム200の動作について図面を参照して説明する。
【0072】
先ず、電源制御装置10が、各サーバ4〜4cから通知を受け取るタイミングを設定する動作について、
図13のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
先ずステップS301において、電源制御装置10の設定部10fは、各サーバ4〜4cから通知されるべき回数を設定する。この回数は装置組合せA〜D毎に異なる値となるようにする。全てのUPS3は、電源の投入(ON)後、所定時間、例えば1秒経過後に、電源を切断(OFF)する。その後所定時間、例えば1秒経過後に、電源を再度投入(ON)する。電源をON状態にする回数は、
図12に示すように、UPS毎に異なる。
【0074】
この動作について
図14に示すタイミングチャートを用いて説明する。このタイミングチャートでは、各UPSの電源ON、OFFの切り替えタイミングは適当なもの(例えば、一秒おき等)であるが、回数はUPS毎に異なる。UPS3aは、ON状態となる回数は2回、UPS3bは、ON状態となる回数は3回、UPS3cは、ON状態となる回数は4回である。
【0075】
ステップS302において、電源制御装置10の設定部10fは、装置組合せA〜D毎に、設定した通知回数を判断表メモリ10i(
図12)に格納する。
【0076】
以上により、各サーバ4〜4cから通知を受け取る回数を設定する動作を終了する。
【0077】
次に、電源制御システム200において、電源制御装置10が、各装置組み合わせの電源供給状態を確認する動作について、
図15のフローチャートを参照して説明する。作業メモリ10hは、サーバ4〜4cの数分の通知カウンタメモリを備えていてもよい。
【0078】
先ずステップS401〜S404については、
図6のステップS201〜S204と同様である。
【0079】
ステップS405において、電源制御装置10がサーバ4〜4cから起動を知らせる通知を受信すると、電源制御装置10の通知受信部10bは、当該通知に含まれるサーバ4〜4cの識別子を取得する。更に、通知受信部10bは、取得した識別子を基に、送信元サーバ4〜4cを判別し、作業メモリ10h内の当該サーバに対応する通知カウンタメモリを1増加させる。
【0080】
ステップS406において判断部10dは、複数の通知カウンタメモリのうち、通知カウンタメモリの値が予め設定された値(
図12に示す判断表データ参照)となったものがあるかを判断する。予め設定された値でなければ処理はステップS407へ進められ、予め設定された値であれば処理はステップS411へ進められる。
【0081】
ステップS407〜S409については、
図6のステップS207〜209と同様である。
【0082】
ステップS412において、判断部10dは、通知カウンタメモリの値が予め設定された回数(
図12参照)となった装置組合せA〜Dを判断する。即ち、当該サーバ4〜4cと装置組合せされているUPS3がどれかを判断する。判断部10dは、サーバに対応する通知カウンタメモリの値(実測値)が、このサーバと装置組合せされるUPSの識別子に対応して、予め設定された値(
図12参照)と等しければ、この識別子を有するUPS3とサーバとの装置組合せに対する電源供給は成功したと判断する。逆に、判断部10dは、予め設定された値(
図12参照)と一致する回数分、通知を受けなければ、そのUPS3の装置組合せに対する電源供給は失敗した、即ち、どこかに異常があると判断する。判断部10dは、取得した装置組合せ(UPS3およびサーバ4〜4c)を結果表示部1eに引き渡す。
【0083】
ステップS413において、結果表示部1eは、判断部10dの判断結果を、スクリーン(不図示)等に表示する。
【0084】
最後に、ステップS414において、判断部1dは、全ての装置組合せA〜Dに対して、ステップS401〜S413の処理が実行されたかを判断する。全ての装置組合せA〜Dに対して、処理が実行されていない場合、判断部1dは、未処理の装置組合せのUPS3を選択し、ステップS401へ処理を戻す。
【0085】
第2の実施形態の変更例について説明する。上記の説明においては、電源制御装置10側で全ての電源の投入および切断を制御するように記載したが、UPS3が自律して、予め設定された電源の投入および切断を実行するよう制御することも可能である。
【0086】
上述したように、本発明の第2の実施形態によると、UPSとサーバとの接続関係および電力供給状態を、目視により予め確認をせずとも、コストをかけることなく検査(接続関係を把握)することができる。即ち、目視等により配線接続関係を調査せずとも、更にPLC等の機器を導入せずとも、装置間の電源供給状態を確認することが出来る。これは、電源管理部1aがUPS3から、当該UPS3に接続するサーバ4〜4cへの電源の供給を制御し、判断部10dが、この供給に応じて起動されるサーバ4〜4cより通知を受け、当該通知を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの組合せを求め、当該組合せを基に電力供給状態を判断するからである。
【0087】
更に、第2の実施形態では、サーバ4〜4cからの通知回数というカウントし易い要素を基に判断する為、確実に電力供給状態を把握することが出来る。
【0088】
<第3の実施形態>
第1の実施形態においては、電源制御システム100は、各サーバ4〜4cから受信する通知の受信時間差を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの電力供給状態を判断した。しかしこの判断には、サーバ4〜4cの起動遅延、ネットワーク6上の通信遅延等を考慮したマージンを取ることが必要となる。第2の実施形態においては、各サーバ4〜4cから受信する通知の数を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの電力供給状態を判断した。しかしこの判断では、サーバ4〜4c数が増加するに従い、同じ数の電源投入パターンが必要となるため、サーバ4〜4c数が多い場合には、判断に多くの時間を要することとなる。よって、第3の実施形態においては、これらの長所を組合せ、各サーバ4〜4cから受信する通知の受信時間差および通知の回数(即ち、異なる時間および異なる回数)を基に、電力供給状態を判断する電源制御システム300について説明する。
(電源制御システム)
本発明の第3の実施形態に係る電源制御システム300は、
図16に示すように、電源制御装置20、スイッチ部2、UPS3、サーバ4〜4c、電源ケーブル5およびネットワーク6を備える。UPS3とサーバ4〜4cとは、装置組合せ毎に、例えば、グループ1とグループ2とに分けられている。尚、このグループ分けは本実施形態における理解の簡便の為であり、必須要素ではない。
【0089】
電源制御装置20は、
図17に示すように、制御部7cと記憶部20gとを含む。制御部7cは、電源管理部1a、通知受信部20b、判断部20d、結果表示部1eおよび設定部20fを備えている。記憶部20gは、作業メモリ20hおよび判断表メモリ20iを格納する。
【0090】
作業メモリ20hは、制御部7cがサーバ4〜4cから送出される通知を受信する毎にその受信回数を記憶する通知カウンタメモリと、通知を受信する毎にその受信時刻を一時記憶する履歴メモリを備える。
【0091】
判断表メモリ20iは、装置組合せに基づく時間間隔として、ある通知からその次の通知までにかかるべきインターバルを含む判断表データを記憶する。判断表メモリに記憶される判断表データを
図18に示す。判断表データは、UPS3を識別可能な識別子、例えば3a、3b、3c、3dと、ある電源供給から次の電源供給開始までのインターバル(秒)とを含む。各インターバルは識別子に関連づけされ記憶される。尚、本実施形態において、UPS3は、
図16に示すように、グループ1、グループ2等にグループ分けされる。
【0092】
判断表データは、
図18に示すように、グループ1は通知回数3回、グループ2は通知回数2回等、受信する回数が異なるよう設定されている。通知するインターバルは、各グループ内で、異なるように設定する。即ち、別グループ内であれば、同一のインターバルが存在しても良い。
【0093】
通知受信部20bは、サーバ4〜4cから、起動したことを知らせる通知を受信すると、当該通知からサーバ4〜4cを特定する情報を取得する。通知受信部20bは、当該特定する情報からサーバを特定し、作業メモリ20h内の当該サーバ4〜4cに対応する通知カウンタメモリを受信毎に1増加させる。更に、通知受信部20bは、サーバ4〜4cから、当該通知受信後に、作業メモリ20h内の履歴メモリに当該サーバ4〜4cに対応する情報と共に、通知を受信した時刻を格納する。
【0094】
算出部20cは、作業メモリ20h内の履歴メモリを読み出し、履歴メモリに格納される受信時刻を基に、ある通知の受信時刻から次の通知の受信時刻までの経過時間を算出する。
【0095】
判断部20dは、作業メモリ20h内の通知カウンタメモリ値と、
図18に示す判断表データの値(回数)とを比較し、値が一致するか否かを判断する。更に、判断部20dは、算出された経過時間と、
図18に示す判断表データにおけるインターバル(秒)とを比較し、一致する値が有るか否かを判断する。これによって判断部20dは、UPS3とサーバ4〜4cとの装置組合せを判断する。またこの判断結果に従い、判断部20dは、各装置組合せにおけるUPS3とサーバ4〜4cとの間の電源供給状態を判断する。
【0096】
設定部20fは、各サーバ4〜4cが通知を送信すべき回数および通知送信時間差の設定を行う。設定部20fは、設定された回数およびインターバルを判断表メモリ20iに格納する。
【0097】
その他の装置、部等については第1の実施形態および第2の実施形態と同様である。
(電源制御システムの動作)
電源制御システム300の動作について図面を参照して説明する。
【0098】
先ず、電源制御装置20が、各サーバ4〜4cから通知の受信回数および通知を受け取るタイミングを設定する動作について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
【0099】
先ずステップS501において、電源制御装置20の設定部20fは、全サーバ4〜4cをいくつかのグループに分ける。このグループ分けは管理者による目視のし易さ、データ管理のし易さ、サーバ4〜4cとUPS3の接続の種類等から分けられる。以下の説明においては、
図16に示すように、サーバ4とUPS3との間が直列接続の装置組合せをグループ1、サーバ4a〜4cとUPS3との間が並列接続の装置組合せをグループ2と分けたことを前提とする。更に、設定部20fは、グループ毎に、サーバ4〜4cから通知されるべき回数を設定する。この回数は同一グループの装置組合せ毎に異なる値となるようにする。
【0100】
ステップS502において、設定部20fは、グループ毎に、通知のインターバルを設定する。全てのUPS3は、電源の投入(ON)後、所定時間、例えば1秒経過後に、電源を切断(OFF)する。電源のONからOFFまでの時間はいずれも同じである。しかし、電源OFFからONまでの時間は同一グループ内のUPS毎に異なる。
【0101】
図20は、設定する通知回数およびインターバルの一例を示すタイミングチャートである。
図20に示すタイミングチャートでは、電源投入(ON)の回数は、グループ1では3回、グループ2では2回である。尚、グループ1にはUPS3a、UPS3b、UPS3cが属し、グループ2には、UPS3dが属している。
【0102】
ON状態からOFF状態に切り替わるまでに1秒要するとすると、UPS3aは、1回目のONから2回目のONまでの時間は(1+A)秒、2回目のONから3回目のONまでの時間は(1+B)秒となる。UPS3bは、1回目のONから2回目のONまでの時間は(1+C)秒、2回目のONから3回目のONまでの時間は(1+D)秒となる。UPS3cは、1回目のONから2回目のONまでの時間は(1+E)秒、2回目のONから3回目のONまでの時間は(1+F)秒となる。UPS3dは、1回目のONから2回目のONまでの時間は(1+G)秒となる。尚、ON状態からOFF状態に切り替わるまでの時間間隔は装置組み合わせ毎、グループ毎等に応じて変更させても良い。
【0103】
ステップS503において、設定部20fは、グループ別の装置組合せ毎に、設定したインターバルを判断表メモリ20i(
図18)に格納する。
【0104】
以上により、各サーバ4〜4cから通知回数および通知受信間隔を設定する動作を終了する。
【0105】
次に、電源制御システム300において、電源制御装置20が、各装置組み合わせの電源供給状態を確認する動作について、
図21のフローチャートを参照して説明する。作業メモリ20hは、サーバ4〜4cの数分のカウンタメモリを備えていてもよい。
【0106】
先ずステップS601〜S604については、
図6のステップS101〜S104と同様である。
【0107】
ステップS605において、電源制御装置20がサーバ4〜4cから起動を知らせる通知を受信すると、電源制御装置20の通知受信部20bは、当該通知に含まれるサーバ4〜4cの識別子を取得する。更に、通知受信部20bは、取得した識別子を基に、送信元サーバ4〜4cおよび送信元サーバ4〜4cが属するグループを判別し、作業メモリ20h内の当該サーバに関連する通知カウンタメモリを1増加させる。更に、通知受信部20bは、送信元サーバ4〜4cを特定する情報と共に、当該通知の受信時刻を履歴メモリに格納する。
【0108】
ステップS606において判断部20dは、通知カウンタメモリの値が予め設定された値となったかを判断する。具体的には、グループ2の通知回である2回になったか、または、グループ1の通知回である3回になったかを判断する。予め設定された値でなければ処理はステップS607へ進められ、予め設定された値であれば処理はステップS611へ進められる。
【0109】
ステップS607〜S610については、
図6のステップS207〜210と同様である。
【0110】
ステップS611において、算出部20cは、作業メモリ20h内の履歴メモリから、送信元サーバ4〜4cに関連する電源投入(ON)の時刻を取得する。算出部20cは、1回目のONから2回目のONまでの時間等をそれぞれ算出する。
【0111】
具体的に、ステップS606から、グループ2のUPS3dの処理が回ってきた場合について考える。この場合、算出部20cは、作業メモリ1h内の履歴メモリから、送信元サーバ4a〜4cに関連する1回目および2回目の電源投入(ON)の時刻を取得し、1回目の受信時刻と2回目の受信時刻との差分時間を算出する。
【0112】
ステップS612において、判断部20dは、判断表データ(
図18参照)から、送信元サーバ4〜4cと装置組合せであるUPS3に対応するインターバルを取得し、算出部20cが算出した差分時間と比較する。
【0113】
具体的に、例えば、グループ2のUPS3dの処理の場合、算出部20cが算出した差分時間と、判断表データ(
図18参照)においてUPS3dに紐付けられた「4秒」とが一致するかを判断する。判断部20dは、実際に取得した時間が、これらの時間と等しければ、この識別子3dのUPS3とサーバとの装置組合せに対する電源供給は成功したと判断する。逆に、判断部20dは、これらの時間と等しくなければ、このUPS3の装置組合せに対する電源供給は失敗した、即ち、どこかに異常があると判断する。
【0114】
ステップS613において、結果表示部1eは、判断部20dの判断結果を、スクリーン(不図示)等に表示する。
【0115】
最後に、ステップS614において、判断部20dは、全ての装置組合せに対して、ステップS601〜S613の処理が実行されたかを判断する。全ての装置組合せに対して、処理が実行されていない場合、判断部20dは、未処理の装置組合せのUPS3を選択し、ステップS601へ処理を戻す。
【0116】
第3の実施形態の変更例について説明する。上記の説明においては、電源制御装置20側で全ての電源の投入および切断を制御するように記載したが、UPS3が自律して、予め設定された電源の投入および切断を実行するよう制御することも可能である。
【0117】
上述したように、本発明の第3の実施形態によると、UPSとサーバとの接続関係および電力供給状態を、目視により予め確認をせずとも、コストをかけることなく検査(接続関係を把握)することができる。即ち、目視等により配線接続関係を調査せずとも、更にPLC等の機器を導入せずとも、装置間の電源供給状態を確認することが出来る。これは、電源管理部20aがUPS3から、当該UPS3に接続するサーバ4〜4cへの電源の供給を制御し、判断部20dが、この供給に応じて起動されるサーバ4〜4cより通知を受け、当該通知を基に、UPS3とサーバ4〜4cとの組合せを求め、当該組合せを用いて、電力供給状態を判断するからである。
【0118】
更に、第3の実施形態では、装置組合せをグループ分けし、グループに応じて通知回数を変更し、更に各グループ内において通知のインターバルを変化させるため、多くのサーバを備えるシステムであっても、正確に電力供給状態を把握することが出来る。
【0119】
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態に係る電源制御装置30は、UPS(不図示)と電力線にて接続され、サーバ(不図示)とネットワークを介して接続されている。
図22に示すように、電源制御装置30は、電源管理部31と、判断部32とを備える。第4の実施形態に係る電源制御装置30は、第1〜第3の実施形態に係る電源制御装置の最小限の構成に対応する。
【0120】
電源管理部31は、無停電電源装置から、当該無停電電源装置に接続するサーバへの電源の供給を制御する。
【0121】
判断部32は、その供給に応じてサーバより通知を受け、当該通知を基に無停電電源装置とサーバとの組み合わせを判断する。
【0122】
電源制御装置30の動作について
図23に示すフローチャートを参照して説明する。
【0123】
ステップS41において、電源管理部31は、無停電電源装置から、当該無停電電源装置に接続するサーバへの電源の供給を制御する。具体的には、サーバへの電源供給の開始及び終了を制御する。電源供給が開始されたサーバは起動する。この起動時、起動後の終了時、または両方の時に、サーバは無停電電源装置へ対して通知を行う。
【0124】
ステップS42において、サーバより通知を受けた判断部32は、当該通知を基に無停電電源装置とサーバとの組合せを求め、当該組合せを用いて電源供給状態を判断する。
【0125】
本発明の第4の実施形態によると、UPSとサーバとの接続関係および電源供給状態を、目視により予め確認をせずとも、コストをかけることなく検査(接続関係を把握)することができる。即ち、目視等により配線接続関係を調査せずとも、更にPLC等の機器を導入せずとも、装置間の電源供給状態を確認することが出来る。これは、電源管理部31がUPSから、当該UPSに接続するサーバへの電源の供給を制御し、判断部32が、供給に応じて起動されるサーバより通知を受け、当該通知を基に無停電電源装置とサーバとの組合せを求め、当該組合せを用いて、電源供給状態を判断するからである。
【0126】
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態に係る電源制御装置50は、複数の無停電電源装置(不図示)と電力線にて接続され、複数のサーバ(不図示)とネットワークを介して接続されている。無停電電源装置とサーバとは電力線にて接続されている(
図1参照)。
【0127】
図24に示すように、電源制御装置50は、電源管理部51と、判断部52とを備える。第5の実施形態に係る電源制御装置50は、第1の実施形態に係る電源制御装置の最小構成例、および、第4の実施形態に係る電源制御装置の変形例に対応する。
【0128】
電源管理部51は、無停電電源装置から、当該無停電電源装置に接続するサーバへの電源の供給を制御する。電源管理部51は、無停電電源装置と、少なくとも一つのサーバから構成される装置組合せを備える。装置組合せは複数存在する。この装置組合せの各々に対して電源を供給する際、それぞれに対し、一定の周期時間(第1の時間)内に、所定の時間間隔(第2の時間)をおいて、電源を投入および切断する。
【0129】
この電源の投入および切断の一例について
図25のタイミングチャートを参照して説明する。タイミングチャートの縦軸は無停電電源装置を含む装置組合せの種類、および、それらの電力供給状態(ONおよびOFF)を示す。タイミングチャートの横軸は時間(秒)を示す。
図25に示すように、装置組合せが3つあり、装置組合せ毎の電源の投入(ON)、切断(OFF)およびその検知に必要となる第1の時間が、例えば10秒であるとする。この場合、電源管理部51は、1つ目の装置組合せの無停電電源装置に電源を投入(ON)する。この電源投入時刻をn秒目とする。続いて、電源管理部51は、n秒目から第2の時間経過後、例えば8秒後に電源供給を開始した無停電電源装置の電源投入を終了(OFF)する。この後、電源管理部51は、(n+10)秒後に2つ目の装置組合せの無停電電源装置に電源供給を開始し、第2の時間後に電源供給を終了する。更にこの後、電源管理部51は、(n+20)秒後に3つ目の装置組合せの無停電電源装置に電源供給を開始し、第2の時間後に電源供給を終了する。
【0130】
第1および第2の時間の設定は、電源制御装置50が、検査対象となっている装置組合せ(例えば1つ目の装置組合せ)と、その次に検査対象となる装置組合せ(例えば2つ目の装置組合せ)とを、それぞれから受信する通知を基に識別可能なように設定する。
【0131】
例えば、サーバから送信される電源投入時の通電確認の通知を電源制御装置50が受信するよう設定されているとする。この場合、第1の時間は、1つ目の装置組合せの無停電電源装置に電源を投入してからサーバが通電し、電源制御装置50が通電確認の通知を、2つ目の装置組合せの無停電電源装置に電源を投入する前に、受け取るのに十分な時間に設定する。
【0132】
サーバから送信される電源切断時の通電終了確認の通知を電源制御装置50が受信するよう設定されているとする。この場合、第2の時間は、1つ目の装置組合せの無停電電源装置に供給中の電源を切断後から、電源制御装置50が切断確認の通知を、2つ目の装置組合せに対する電源供給開始(または終了)までに、受け取るのに十分な時間に設定する。
【0133】
尚、サーバから送信される電源投入時の通電確認の通知および電源切断時の通電終了確認の通知を受信する場合は、これら2つの通知を電源制御装置50が受け取るのに十分な時間に設定する。第1のおよび第2の時間の設定には様々なバリエーションを設けてもよい。
【0134】
判断部52は、電源供給に応じてサーバより通知を受け、当該通知を基に無停電電源装置とサーバとの組み合わせを判断する。例えば、電源投入時に通知を受信するように設定され、装置組合せの通電および通知受信までに5秒要したとする。この場合、(n+5)秒後に通知を受信すると、判断部52は、1つ目の装置組合せの通電が成功したと判断する。(n+15)秒後に通知を受信すると、判断部52は、2つ目の装置組合せの通電が成功したと判断する。(n+25)秒後に通知を受信すると、判断部52は、3つ目の装置組合せの通電が成功したと判断する。尚、サーバの種類の違い、無停電電源装置からサーバまでの距離(電力線の長さ)の違い等によって、装置組合せの通電および通知受信までの時間にはばらつきがでるが、電源投入時、即ち、n秒、(n+10)秒、(n+20)秒から、それぞれ所定の時間間隔内、例えば10秒以内に通知が受信できればよいものとする。尚、所定の時間間隔内に通知を受信しなかった場合は、判断部52は、通電が失敗したと判断する。
【0135】
電源制御装置50の動作について
図25に示すフローチャートを参照して説明する。
【0136】
ステップS61において、電源管理部51は、無停電電源装置に接続するサーバへの電源の供給を制御する。具体的には、複数存在する無停電電源装置の各々一台ずつ、サーバへの電源供給の開始(電力投入)及び終了(電力切断)を制御する。電源供給が開始されたサーバは起動する。この起動時、起動後の終了時、または両方の時に、サーバは無停電電源装置へ対して通知を行う。電源管理部51は、所定間隔後、例えば8秒後に電源供給を開始した無停電電源装置の電源投入を終了する。
【0137】
ステップS62において、所定時間(第1の時間)内にサーバより通知を受けた判断部52は、当該通知を基に無停電電源装置とサーバとの組合せを求め、当該組合せを用いて電源供給状態を判断する。例えば、所定時間を10秒とすると、n秒に通電された装置組合せの場合、(n+10)秒以内に当該装置組合せのサーバから通知を受信したかを判断する。判断部52は、所定時間内に通知を受信した場合、通電は成功したと判断し、所定時間内に通知を受信しなかった場合、通電は失敗したと判断する。判断部52は各々の装置組合せの判断結果を一時記憶するためのメモリを備えていてもよい。一時記憶された判断結果は検査終了後にユーザ端末等に出力(表示)するようにしてもよい。
【0138】
ステップS63において、所定時間が経過すると(ステップS63にてYES)、判断部52は処理をステップS64に進める。所定時間が経過しない間は(ステップS63にてNO)、ステップS62に戻り当該判断を実行する。
【0139】
ステップS64において、電源管理部51は、全ての無停電電源装置に対し電源供給の開始および終了をしたかを判断する。これは無停電電源装置またはサーバ等の信号の入出力で判断してもよいし、所定時間の経過で判断してもよい。例えば、時間経過で判断する場合、10秒間隔で3台の装置組合せの判断を実行し、開始から30秒に全ての無停電電源装置に対し電源供給の開始および終了をしたと判断してもよい。電源管理部51は、全ての無停電電源装置に対し電源供給の制御をしていないと判断した場合、処理をステップS61に戻し、別の装置組合せに対して上述したステップS61〜S63の処理を実行する。電源管理部51は、全ての無停電電源装置に対し電源供給の制御(開始および終了)をしたと判断した場合、この処理を終了する。
【0140】
本発明の第5の実施形態によると、無停電電源装置とサーバとの配線接続関係および電源供給状態を、目視により予め確認をせずとも、コストをかけることなく検査(接続関係を把握)することができる。即ち、目視等により配線接続関係を調査せずとも、更にPLC等の機器を導入せずとも、装置間の電源供給状態を確認することが出来る。これは、電源管理部51が無停電電源装置から、当該無停電電源装置に接続するサーバへの電源の供給を制御し、判断部52が、供給に応じて起動されるサーバより通知を受け、当該通知を基に無停電電源装置とサーバとの組合せを求め、当該組合せを用いて、電源供給状態を判断するからである。
(情報処理装置の構成)
上述した本発明の各実施形態において、各サーバ、端末、システム(以下、単に装置と記載)の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、例えば
図27に示すような情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。情報処理装置500は、一例として、以下のような構成を含む。
【0141】
・CPU(Central Processing Unit)501
・ROM(Read Only Memory)502
・RAM(Ramdom Access Memory)503
・RAM503にロードされるプログラム504
・プログラム504を格納する記憶装置505
・記録媒体506の読み書きを行うドライブ装置507
・通信ネットワーク509と接続する通信インターフェース508
・データの入出力を行う入出力インターフェース510
・各構成要素を接続するバス511
各実施形態における各装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム504をCPU501が取得して実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム504は、例えば、予め記憶装置505やRAM503に格納されており、必要に応じてCPU501が読み出す。なお、プログラム504は、通信ネットワーク509を介してCPU501に供給されてもよいし、予め記録媒体506に格納されており、ドライブ装置507が当該プログラムを読み出してCPU501に供給してもよい。
【0142】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0143】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路 、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップ によって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップ によって構成されてもよい。
【0144】
各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0145】
各装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。