【実施例】
【0088】
以下に本発明をその実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
ただし、実施例4は参考例1、実施例18は参考例2と読み替えるものとする
【0089】
(シリカ共重合ポリシロキサン溶液(b−1)の合成)
三口フラスコに、イソプロピルアルコール分散型中空シリカゾル(固形分10質量%、平均粒子径40nm)217.55g、イソプロピルアルコール分散型多孔質シリカゾル(固形分10質量%、平均粒子径25nm)217.55g、ダイアセトンアルコール(以下、「DAA」)204.70g、並びに、メチルトリメトキシシラン2.25g、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン2.40g、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物2.16g及びアクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.51g(アルコキシシランのmol比は、メチルトリメトキシシラン/トリフルオロプロピルトリメトキシシラン/3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物/アクリロキシプロピルトリメトキシシラン=30/20/15/35)を仕込み、40℃のオイルバスに漬けて撹拌しながら、水3.12gに酸触媒としてリン酸0.023g(仕込みアルコキシシランに対して0.2質量%)を溶かしたリン酸水溶液を、滴下ロートで10分かけて添加した。40℃で1時間撹拌した後、オイルバス温度を70℃に設定して1時間撹拌し、さらにオイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから1時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。反応中に、イソプロピルアルコールと、副生成物であるメタノール及び水を、リービッヒ冷却装置を用いて留去した。
【0090】
1時間経過後、5℃に冷却して反応停止し、イオン交換樹脂を用いてリン酸を除去した。得られた樹脂溶液に対し、固形分濃度が20質量%となるようにDAAを加えて、二酸化ケイ素由来の部位とアルコシキシラン由来の部位との質量比が、85/15である、シリカ共重合ポリシロキサン溶液(b−1)を得た。
【0091】
(ポリシロキサン溶液(c−1)の合成)
三口フラスコに、メチルトリメトキシシラン47.7g、フェニルトリメトキシシラン99.2g及び3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物39.4g(メチルトリメトキシシラン/フェニルトリメトキシシラン/3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物=30/50/15)、並びに、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」)152.3gを仕込み、40℃のオイルバスに漬けて撹拌しながら、水56.7gにリン酸0.372g(仕込みアルコキシシランに対して0.2質量%)を溶かしたリン酸水溶液を、滴下ロートで10分かけて添加した。40℃で1時間撹拌した後、オイルバス温度を70℃に設定して1時間撹拌し、さらにオイルバスを30分かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液の内温が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌した(内温は100〜110℃)。反応中に副生成物であるメタノール及び水を、リービッヒ冷却装置を用いて留去した。2時間経過後、5℃に冷却して反応停止し、イオン交換樹脂を用い、リン酸を除去した。得られた樹脂溶液に対し、固形分濃度が40質量%となるようにPGMEAを加えて、ポリシロキサン溶液(C)を得た。
【0092】
(アクリル樹脂溶液(d−1)の合成)
三口フラスコに、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2g及びPGMEA50gを仕込み、さらにメタクリル酸26.5g、スチレン21.3g及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート37.7gを仕込み、室温でしばらく撹拌してから、フラスコ内をバブリングによって十分に窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジル14.6g、クロムアセチルアセトナート1g、p−メトキシフェノール0.2g及びPGMEA100gを添加し、90℃で4時間加熱撹拌した。得られた樹脂溶液に対し、固形分濃度が40質量%になるようにPGMEAを加えて、アクリル樹脂溶液(d−1)を得た。
【0093】
(組成物(B−1)の調製)
シリカ共重合ポリシロキサン溶液(b−1)15.00gに、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819;BASF製)0.03gを添加し、固形分が10質量%となるようにDAAを加えて1時間撹拌して、組成物(B−1)を得た。
【0094】
(組成物(B−1)を用いて形成した層(B)の屈折率)
4インチのシリコンウェハ基板の表面に、スピンコーターで組成物(B−1)を塗布し、ホットプレート(SCW−636;大日本スクリーン製造(株)製)を用いて100℃で2分間プリベークし、PLA(PLA−501F;キヤノン(株)製)を用いて超高圧水銀灯を光源とし、露光量200mJ(i線換算)で全面露光した。その後、自動現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて、0.045質量%水酸化カリウム水溶液で120秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした後、基板実測温度が230℃となるよう予め設定したオーブン内で、空気中60分間キュアした。得られた厚さ1μmの層(B)の屈折率nBは、1.20であった。また、60分間のキュアを30分間×2回に分けた以外は同様の方法で得た層(B)の屈折率nBは、やはり1.20であった。さらに、層(B)の厚さを0.1μm、1.5μm、3μmと変化させて屈折率nBを調べたが、屈折率nBに差異はなかった。
【0095】
(組成物(B−2)〜(B−7)の調製)
組成物(B−1)に、高屈折率化成分であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを、添加量を小刻みに変動させて加え、固形分濃度が10質量%となるようにDAAを加えて1時間撹拌し、0.20μm濾過フィルターで処理した組成物を多数用意した。組成物(B−1)を用いて層(B)を形成したのと同様の方法で、各組成物を用いた層(B)をそれぞれ形成し、その屈折率nBを測定した。屈折率nBが1.31であった水準を組成物(B−2)、1.41であった水準を組成物(B−3)、1.35であった水準を組成物(B−5)、1.21であった水準を組成物(B−6)、1.47であった水準を組成物(B−7)、とした。組成物(B−1)を用いた場合と同様、組成物(B−2)〜(B−7)についても、キュア工程を30分間×2回に分けて行なった場合の層(B)の屈折率nBを調べたが、屈折率nBに差異はなかった。
【0096】
また、組成物(B−2)〜(B−7)のそれぞれについて、層(B)の厚さを0.1μm、1.5μm、3μmと変化させて屈折率nBを調べたが、いずれの組成物についても屈折率nBに差異はなかった。
【0097】
(組成物(B−8)の調製)
酸化ジルコニウム分散液(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/酸化ジルコニウム=3/7(重量比)のPGMEA分散液;ジルコニア含有量=35wt%)1.364gに、“IRGACURE”OXE−02を0.0382g、HQMEを0.0048g、THFAを9.50g、PGMEAを8.347g添加し攪拌、溶解させた。
【0098】
さらにジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの50wt%PGMEA溶液を0.0682g、CR−TR5(大阪ガスケミカル製;アルカリ可溶性カルド樹脂の50wt%PGMEA溶液)を0.478g、レベリング剤としてBYK−333のPGMEA1wt%溶液を0.2000g、それぞれ加えて1時間撹拌し、0.20μmフィルターで濾過し、組成物(B−8)を得た。
【0099】
組成物(B−1)と同様に、層(B)の厚さを0.1μm、1.5μm、3μmと変化させて測定したが、いずれも屈折率nBは、1.66であった。
【0100】
(組成物(B−9)の調製)
“IRGACURE”OXE−02を0.0382g、HQMEを0.0048g、THFAを9.50g、PGMEAを8.347g添加し攪拌、溶解させた。
【0101】
さらに、EA−0250P(大阪ガスケミカル製;9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンの50wt%PGMEA溶液;固形分濃度=50wt%)を0.287g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの50wt%PGMEA溶液を0.669g、CR−TR5を0.995g、BYK−333のPGMEA1wt%溶液を0.2000g、それぞれ加えて1時間撹拌し、0.20μmフィルターで濾過し、組成物(B−9)を得た。
【0102】
組成物(B−1)と同様に、層(B)の厚さを0.1μm、1.5μm、3μmと変化させて測定したが、いずれも屈折率nBは、1.47であった。
【0103】
(組成物(C−1)の調製)
白色顔料である二酸化チタン(ルチル型、平均粒子径0.3μm、アルミナ/シリカ被覆;R960;デュポン(株)製)75.34gを、ポリシロキサン溶液(c−1)102.45gに添加し、プレミキシングを行った後、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散処理を行い、白色顔料分散液を得た。続いて、多官能モノマーであるイソシアヌル酸−EO変性トリ及びジアクリレート混合物(M−315;東亞合成(株)製)30.13g、光重合開始剤であるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド3.77g及び酸化防止剤であるペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1010;BASF製)0.45gを、PGMEA89.19gに添加し、1時間撹拌して溶解させた後、上記の白色顔料分散液177.79gと混合し、さらに1時間撹拌して、組成物(C−1)を得た。
【0104】
(黒色樹脂組成物(D−1)の調製)
窒化チタン顔料(TiN UFP;日清エンジニアリング製)100g、アクリル樹脂溶液(d−1)47g、高分子分散剤(LPN21116;ビックケミー製)40質量%溶液15.5g、PGMEA337.5gを仕込み、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散処理を行い、固形分25質量%の窒化チタン分散液を得た。続いて、カーボンブラック顔料(TPX−1291;キャボット製)100g、アクリル樹脂溶液(d−1)47g、高分子分散剤(LPN21116;ビックケミー製)40質量%溶液15.5g及びPGMEA337.5gを仕込み、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散処理を行い、固形分25質量%のカーボンブラック分散液を得た。アクリル樹脂溶液(d−1)58.65g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート23.18g及び光重合開始剤(アデカオプトマーN−1919;ADEKA製)5.80gを、PGMEA670.50gに添加し、1時間撹拌して溶解させた後、上記の窒化チタン分散液137.10g及びカーボンブラック分散液137.10gと混合し、さらに1時間撹拌して、黒色樹脂組成物(D−1)を得た。
【0105】
(透明樹脂組成物(E−1)の調製)
アクリル樹脂溶液(d−1)50g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート16g、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](“IRGACURE”OXE−01;BASF製)2g、ダイアセトンアルコール31.9g及びポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−333;ビックケミー製)0.1gを混合し、透明樹脂組成物(E−1)を得た。
【0106】
(アクリル系樹脂溶液d−2の調製)
40mol%メタクリル酸、30mol%メチルメタクリレート、30mol%スチレンを共重合成分とする共重合体のカルボキシル基に対して、0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させたアクリル系樹脂A(重量平均分子量43000、酸価110mgKOH/g、ガラス転移温度Tg110℃)を、固形分が40質量%となるようにブチルカルビトールアセテートに溶解して、アクリル系樹脂溶液d−2を得た。
【0107】
(組成物(C−2)の調製)
49.02gの白色顔料(ルチル型酸化チタン;平均一次粒子径0.3μm;アルミナ/シリカ被覆;R960;デュポン製)、122.55gのアクリル系樹脂溶液d−2、19.61gのイソシアヌル酸−EO変性トリ及びジアクリレート混合物(M−315;東亞合成(株)製)、4.20gのウレタンアクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応物;UA−306H;共栄社化学(株)製)、2.80gの光重合開始剤B(IC−379)、酸化防止剤である0.42gのペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス1010;BASF製)、及び、3.13gのブチルカルビトールアセテートを混合し、予備撹拌した後、ロールミルを用いて分散/混練処理をして、組成物(C−2)を得た。
【0108】
(黒色樹脂組成物(D−2)の調製)
31.80gの黒色顔料(カーボンブラック;平均一次粒子径24nm;MA−100;三菱化学(株)製)、5.00gの高分子分散剤(LPN−21116;ビックケミー製)、21.20gのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、5.30gの光重合開始剤A(N−1919;ADEKA製)、3.18gの光重合開始剤B(IC−379)、110.25gのアクリル系樹脂溶液d−2、及び、24.58gのブチルカルビトールアセテートを混合し、予備撹拌した後、ロールミルを用いて分散/混練処理をして、黒色樹脂組成物(D−2)を得た。
【0109】
(実施例1)
基材(A−1)として、縦10cm、横10cm、厚み0.7mm、屈折率1.51の化学強化ガラスを用意した。組成物(B−1)と、組成物(C−1)とを用いて積層基材を作製し、(i)の方法で層(C)のパターン形状を、(ii)の方法で明度を含む全反射色の評価を実施した。
【0110】
基材(A−1)(
図2の符号1)の表面に、スピンコーターで組成物(B−1)を塗布し、ホットプレートを用いて100℃で2分間プリベークし、PLAを用いて超高圧水銀灯を光源とし、マスクギャップ150μm、露光量200mJ(i線換算)で露光した。その後、自動現像装置(AD−2000;滝沢産業(株)製)を用いて、0.045質量%水酸化カリウム水溶液で120秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした後、基材(A−1)の実測温度が230℃となるよう予め設定したオーブン内で、空気中30分間キュアし、厚さ1μmの層(B)のパターンを形成した(
図2の符号2)。続いて、層(B)の表面に、スピンコーターで組成物(C−1)を塗布し、現像液に2.38質量%TMAHを用いシャワー現像の時間を60秒とした以外は同様の方法で、厚さ16μmの層(C)のパターンを形成し(
図2の符号3)、積層基材1を製造した。なお層(C)の厚さは、層(C)と層(B)との二層の厚さから層(B)のみの厚さを差し引くことで求めた。また、下記(i)及び(ii)の方法に従い、層(C)のパターン形状及び積層基材1の反射色度を評価した。評価結果を表1に示す。
【0111】
(i)層(C)のパターン形状の評価
形成した層(C)のパターンについて、線幅3000μmの部位を切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてパターンのエッジ部分の断面を観察して、以下の判定基準に基づいてパターン形状を評価し、A、B及びCを合格とした。
A:テーパー角度が70°未満
B:テーパー角度が70°以上80°未満
C:テーパー角度が80°以上90°未満
D:90°以上又はアンダーカット形状
(ii)積層基材の反射色度の評価
白色校正板(CM−A145;コニカミノルタ(株)製)で校正した分光測色計(CM−2600d;コニカミノルタ(株)製)を用い、標準光源D65(色温度6504K)、視野角2°(CIE1976)、大気圧下、20℃の測定条件下で基材(A)の反対面から入射させた光に対する全反射色度(SCI)を測定し、反射色度(L*,a*,b*)を評価した。
【0112】
なお測定は、分光測色計を逆さにして上向きに光を照射する状態にして、積層基材の基材(A)の反対面を分光測色計の光照射部に押し当てて行なった。
【0113】
(実施例2)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材2を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0114】
(実施例3)
基材(A−1)に代えて、基材(A−2)(縦10cm、横10cm、厚み0.7mm、屈折率nAが1.77のサファイア基板)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材3を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0115】
(実施例4)
層(B)の形成に組成物(B−3)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材4を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0116】
(実施例5)
層(B)の形成に組成物(B−4)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材5を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0117】
(実施例6)
層(B)の形成に組成物(B−5)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材6を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0118】
(実施例7)
層(B)の形成に組成物(B−6)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材7を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0119】
(実施例8)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを0.2μm、層(C)の厚さを15μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材8を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0120】
(実施例9)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを0.2μm、層(C)の厚さを18μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材9を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0121】
(実施例10)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを1.5μm、層(C)の厚さを15μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材10を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0122】
(実施例11)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを1.5μm、層(C)の厚さを18μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材11を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0123】
(実施例12)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを0.1μm、層(C)の厚さを10μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材12を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0124】
(実施例13)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを0.1μm、層(C)の厚さを20μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材13を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0125】
(実施例14)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを3μm、層(C)の厚さを10μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材14を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0126】
(実施例15)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを3μm、層(C)の厚さを20μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材15を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0127】
(実施例16)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを1μm、層(C)の厚さを30μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材16を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0128】
(実施例17)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを1μmとし、層(C)の形成にネガ型感光性黒色樹脂組成物(D−1)、現像液に0.045質量%水酸化カリウムを用い、層(C)の厚さを1μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材17を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0129】
(実施例18)
層(B)の形成に組成物(B−8)、現像液に0.4質量%TMAHを用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材18を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0130】
(実施例19)
層(B)の形成に組成物(B−2)を用い、層(B)の厚さを1μm、層(C)の厚さを40μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材19を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0131】
(比較例1)
層(B)を形成することなく、基材(A−1)の表面に層(C)のみを形成した以外は、実施例1と同じ方法で積層基材20を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0132】
(比較例2)
層(B)を形成することなく、基材(A−1)の表面に層(C)のみを形成し、層(C)の厚さを30μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材21を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0133】
(比較例3)
層(B)の形成に組成物(B−7)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で積層基材22を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0134】
(比較例4)
層(B)を形成することなく、層(C)の厚さを41μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材23を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0135】
(比較例5)
層(B)を形成することなく、基材(A−1)の表面にネガ型感光性黒色樹脂組成物(D−1)、現像液に0.045質量%水酸化カリウムを用いて層(C)を形成し、厚さを1μmとした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材24を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0136】
(比較例6)
層(B)の形成に組成物(B−9)、現像液に0.4質量%TMAHを用いた以外は、実施例3と同じ方法で積層基材25を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0137】
(比較例7)
層(B)と層(C)を形成する順序を逆にした以外は、実施例1と同じ方法で積層基材26を得て、それを評価した。評価結果を表1に示す。
【0138】
(実施例20)
積層基材1の層(C)の表面に、スピンコーターで黒色樹脂組成物(D−1)を塗布し、線幅が400μm小さいパターンのマスク用い、現像液に0.045質量%水酸化カリウムを用いた以外は、層(C)の形成と同様の方法で、黒色の遮光層である厚さ2μmの層(D)のパターン(
図4の符号4)を形成し、積層基材1’を得た。
【0139】
積層基材1’に、スパッタリング装置(HSR−521A;島津製作所製)を用いて、RFパワー1.4kW、真空度6.65×10
−1Paで12.5分間スパッタリングすることにより、厚さが150nmのITOを成膜し、その表面にさらにポジ型フォトレジスト(OFPR−800;東京応化工業(株)製)を塗布し、80℃で20分間プリベークして厚さ1.1μmのレジスト膜を得た。PLAを用いて超高圧水銀灯を光源とし、得られたレジスト膜をマスクを介してパターン露光した後、自動現像装置を用いて2.38質量%TMAH水溶液で90秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスした。その後、3.5質量%シュウ酸水溶液に150秒浸すことでITOをエッチングし、50℃の剥離液(4質量%水酸化カリウム水溶液)で120秒処理することでフォトレジストを除去し、230℃で30分アニール処理を加え、厚さ150nmのITOのパターンを形成した(
図3、4の符号5)。
【0140】
ITOのパターンを形成した積層基材の表面に、スピンコーターで透明樹脂組成物(E−1)を塗布し、マスク変更した以外は層(D)の形成と同様の方法で、透明絶縁膜のパターンを形成した(
図3、4の符号6)。
【0141】
透明絶縁膜を形成した積層基材の表面上に、ターゲットとしてモリブデン及びアルミニウムを用いて、エッチング液としてH
3PO
4/HNO
3/CH
3COOH/H
2O=65/3/5/27(質量比)混合溶液を用いた以外は層(D)の形成と同様の方法で、厚さ250nmのMAM(Moモリブデン/Alアルミニウム/Moモリブデン)配線を形成し(
図3、4の符号7)、カバーガラス上にタッチパネル層を直接形成するOGS(One Glass Solution)方式のカバーガラス一体型タッチパネル1を製造した。
【0142】
得られたカバーガラス一体型タッチパネル1の加飾領域について、上記(ii)の方法に従い、反射色度を評価した。また、カバーガラス一体型タッチパネル1の導通試験を行ない、導通した場合を「良好」、電極配線が断線して導通しなかった場合を「不良」と判定した。評価結果を表2に示す。
【0143】
(実施例21)
実施例2と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル2を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0144】
(実施例22)
実施例3と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル3を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0145】
(実施例23)
実施例4と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル4を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0146】
(実施例24)
実施例5と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル5を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0147】
(実施例25)
実施例6と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル6を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0148】
(実施例26)
実施例7と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル7を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0149】
(実施例27)
実施例8と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル8を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0150】
(実施例28)
実施例9と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル9を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0151】
(実施例29)
実施例10と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル10を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0152】
(実施例30)
実施例11と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル11を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0153】
(実施例31)
実施例12と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル12を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0154】
(実施例32)
実施例13と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル13を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0155】
(実施例33)
実施例14と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル14を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0156】
(実施例34)
実施例15と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル15を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0157】
(実施例35)
実施例16と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル16を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0158】
(実施例36)
実施例17と同様の方法で得た積層基材を用い、層(D)を形成しなかった以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル17を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0159】
(実施例37)
実施例18と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル18を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0160】
(実施例38)
実施例19と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル19を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0161】
(比較例8)
比較例1と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル20を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0162】
(比較例9)
比較例2と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル21を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0163】
(比較例10)
比較例3と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル22を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0164】
(比較例11)
比較例4と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル23を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0165】
(比較例12)
比較例5と同様の方法で得た積層基材を用い、層(D)を形成しなかった以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル24を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0166】
(比較例13)
比較例6と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル25を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0167】
(比較例14)
比較例7と同様の方法で得た積層基材を用いた以外は、実施例20と同様の方法でカバーガラス一体型タッチパネル26を得て、それを評価した。評価結果を表2に示す。
【0168】
(実施例39)
実施例1で用いた、屈折率1.51の化学強化ガラスを用意し、組成物(D−2)と、組成物(C−2)と、硬化後の屈折率nBが1.41である粘着材(B−1)を用いてカバーガラス1を作製し、(ii)の方法で明度を含む全反射色の評価を実施した。ここで屈折率nBは、予め、粘着材(B−1)それ単体を、露光量1000mJ/cm
2で全面露光し、ついでオーブンで180℃20分間加熱して得られた硬化膜(厚さ50μm)を測定して求めた。
【0169】
支持体(メラミン系離型層付き二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム;セラピール;厚さ75μm、幅50cm、巻きの長さ100m;東レ(株)製)の離型層が形成された面に、スクリーン印刷機とステンレス製のスクリーンメッシュとを用いて黒色樹脂組成物(D−2)を部分塗布し、オーブンを用いて、100℃で15分間加熱乾燥し、黒色塗布膜を得た。
【0170】
黒色塗布膜の表面に、組成物(C−2)を塗布し、100℃で15分間加熱乾燥する作業を二回繰り返して、積層塗布膜を得た。
【0171】
PLAを用い、高圧水銀紫外線ランプを光源とし、マスクギャップ150μm、露光量200mJ/cm
2(i線換算値)で、マスクを介して積層塗布膜を露光し、積層露光膜を得た。
【0172】
積層露光膜を、自動現像装置を用いて0.045質量%水酸化カリウム水溶液で90秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間シャワーリンスし、さらにエアーブローをして、パターン状の積層現像膜を得た。得られた積層現像膜はオーブンを用いて、60℃で10分間加熱乾燥した。次いで、積層現像膜の表面のみに、粘着材(B−1)をスクリーン印刷で部分塗布し、PLAを用いて露光量1000mJ/cm
2で、全面露光し、粘着層を形成した。
【0173】
粘着層の面が化学強化ガラス基板上に重なるように支持体の端部を固定し、ロールラミネーターを用いて加圧(大気圧下、ロール温度40℃、ロール圧0.2MPa、ラミネート速度100mm/秒)し、化学強化ガラスに粘着材(B−1)の露光膜を結合させ、支持体を剥離した。次いで、オーブンを用い、180℃で20分間加熱して、カバーガラス1を得た。
【0174】
カバーガラスの表面に対して垂直方向に割断し、走査型電子顕微鏡(SEM)上でその断面を観察し、測長したところ、粘着材(B−1)から得られた層(B)に相当する粘着層の厚さは50μm、組成物(C−2)から得られた層(C)の厚さは23μm、組成物(D−2)から得られた層(D)の厚さは2μmであった。
【0175】
(実施例40)
硬化後の屈折率nBが1.31である粘着材(B−2)を用いた以外は、実施例39と同様の方法でカバーガラス2を得て、それを評価した。評価結果を表3に示す。
【0176】
(実施例41)
粘着層の厚さを51μmとした以外は、実施例39と同様の方法でカバーガラス3を得て、それを評価した。評価結果を表3に示す。
【0177】
(実施例42)
塗布装置をスピンコーターに変更し、粘着層の厚さを0.1μmとした以外は、実施例39と同様の方法でカバーガラス4を得て、それを評価した。評価結果を表3に示す。
【0178】
(比較例15)
硬化後の屈折率nBが1.51である粘着材(B−3)を用いた以外は、実施例39と同様の方法でカバーガラス5を得て、それを評価した。評価結果を表3に示す。
【0179】
(比較例16)
硬化後の屈折率nBが1.47である粘着材(B−4)を用いた以外は、実施例39と同様の方法でカバーガラス6を得て、それを評価した。評価結果を表3に示す。
【0180】
【表1】
【0181】
【表2】
【0182】
【表3】
【0183】
本発明の積層基材の、層(C)の厚さT(μm)と明度L*の関係を
図5に示す。横軸に層(C)の厚さT(μm)、縦軸に明度L*を示す。実施例2,16,19を黒四角で、比較例1,2,4を黒三角で示す。