(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す外観斜視図である。以下、画像形成装置1の通常の使用状態を基準として
図1で定義された上下方向D1、前後方向D2、及び左右方向D3を用いて本実施形態を説明する。
【0015】
図1に示される画像形成装置1は、プリンターである。画像形成装置1は、入力された画像をトナーなどの印刷材料を用いて印刷シートに画像を印刷する。なお、画像形成装置1はプリンターに限られず、ファクシミリ、複写機、或いはこれらの機能を有する複合機などであってもよい。
【0016】
画像形成装置1は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づき印刷シートに画像を印刷する。
図1に示されるように、画像形成装置1は、外枠のカバー及び内部フレームを含む筐体2を有する。
【0017】
画像形成装置1は、いわゆるタンデム方式のカラープリンターである。
図2に示されるように、画像形成装置1は、複数の画像形成部3と、中間転写ユニット4と、二次転写装置5と、定着装置6と、露光装置7と、給紙部8と、排紙部9と、制御部10と、ベルトクリーニング装置16(本発明の廃トナー除去部の一例)と、廃トナー収容容器50と、を有する。
【0018】
複数の画像形成部3(3A〜3D)は、前後方向D2に並設されている。複数の画像形成部3は、互いに色の異なるトナー像を形成する。
図2において、最も後ろ側に位置する画像形成部3Aはブラック色のトナーでトナー像を形成する。後ろから2番目の画像形成部3Bはイエロー色のトナーでトナー像を形成する。後ろから3番目の画像形成部3Cはシアン色のトナーでトナー像を形成する。そして、最も前側に位置する画像形成部3Dはマゼンタ色のトナーでトナー像を形成する。画像形成部3のそれぞれは、感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置13、一次転写装置14、ドラムクリーニング装置15を備えている。したがって、画像形成装置1は、複数の感光体ドラム11、現像装置13、ドラムクリーニング装置15などを備えている。
【0019】
中間転写ユニット4は、中間転写ベルト4A(本発明の像担持体の一例)と、駆動ローラー4Bと、従動ローラー4Cとを有する。中間転写ベルト4Aは、複数色のトナー像(本実施形態では4色)からなるトナー像を担持する。中間転写ベルト4Aは、駆動ローラー4B及び従動ローラー4Cによって回転駆動可能に支持されることにより、その表面が各感光体ドラム11の表面に接しながら移動(走行)可能となる。中間転写ベルト4Aが回転駆動されると、その表面が感光体ドラム11と一次転写装置14との間を通過する。その際に、複数の感光体ドラム11に担持された各色のトナー像が重ね合わさるように順に中間転写ベルト4Aに転写される。
【0020】
二次転写装置5は、中間転写ベルト4Aに転写されたトナー像を給紙部8から搬送されてきた印刷シートに転写する。トナー像が転写された印刷シートは、定着装置6に搬送される。定着装置6は、加熱ローラー6Aと加圧ローラー6Bとを有する。定着装置6は、トナー像が転写された印刷シートに対して熱と圧力を加えながら搬送する。これにより、トナー像が溶融して印刷シートに定着される。トナー像が定着された印刷シートは、更に下流側へ搬送されて、中間転写ユニット4の情報に配置されたトレイ状の排紙部9に排出されて保持される。
【0021】
ベルトクリーニング装置16は、中間転写ユニット4の前方側に配置されている。ベルトクリーニング装置16は、クリーニング部材であるクリーニングローラー24、スクリュー部材25、及びトナーボックス26を備えている。クリーニングローラー24は、従動ローラー4Cと対向するように配置されており、その表面が中間転写ベルト4Aに接触している。クリーニングローラー24は、トナーボックス26内で回転可能に支持されている。クリーニングローラー24の支軸に回転駆動力が入力されることによってクリーニングローラー24が回転する。クリーニングローラー24は、中間転写ベルト4Aとほぼ同じ長さを有している。クリーニングローラー24は、中間転写ベルト4Aに接触した状態で回転されることにより、二次転写装置5による転写後に中間転写ベルト4Aの表面に残留したトナーを取り除く。この取り除かれたトナー(以下「廃トナー」という。)は、重力の作用又はクリーニングローラー24の回転力によってトナーボックス26に取り入れられる。トナーボックス26に取り入れられた廃トナーは、スクリュー部材25により搬送される。トナーボックス26の底面の右端部側に排出口27(
図4参照)が形成されている。スクリュー部材25は、円柱状の軸部材の周囲に螺旋状の羽根を有している。スクリュー部材25が回転されることにより、前記羽根の作用を受けて、前記廃トナーがトナーボックス26内を前記排出口27へ向けて搬送される。その後、排出口27から外部へ廃トナーが排出される。つまり、中間転写ベルト4Aの表面に残留したトナーは、ベルトクリーニング装置16によって取り除かれて廃トナーとして中間転写ベルト4Aから排出される。
【0022】
図3は、画像形成部3における感光体ドラム11、現像装置13、及びドラムクリーニング装置15を模式的に示す断面図である。複数の画像形成部3それぞれは、使用されるトナーの色が異なる点を除き、同じ構成である。
【0023】
感光体ドラム11は、表面に感光層が形成された筒状の回転体である。感光体ドラム11は、筐体2の内部に回転可能に支持されており、回転駆動力が入力されることにより所定方向に回転する。感光体ドラム11の表面には、対応する色のトナー像が担持される。具体的には、帯電装置12によって感光体ドラム11の表面が所定の電位に帯電された状態で、露光装置7が感光体ドラム11の表面を露光すると、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像が後述の現像装置13によって現像されることにより、トナー像が感光体ドラム11の表面に担持される。感光体ドラム11上のトナー像は、一次転写装置14によって中間転写ベルト4Aに転写される。
【0024】
現像装置13は、現像剤により感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像を顕像化する。現像装置13は、現像ケース37、マグネットローラー38を有する。現像ケース37内にトナーを含む現像剤が収容されている。マグネットローラー38は、現像に用いられるものであり、現像ケース37内に回転可能に支持されている。マグネットローラー38には、感光体ドラム11の帯電極性と同極性のバイアスが印加されている。現像ケース37には撹拌スクリュー(不図示)が設けられており、撹拌スクリューが回転されることにより、現像剤が撹拌されて、トナーが所定の電荷に帯電される。また、マグネットローラー38によって、前記帯電されたトナーが感光体ドラム11との対向位置に搬送されて、その対向位置から感光体ドラム11の表面の静電潜像にトナーが飛翔される。これにより、感光体ドラム11上の前記静電潜像が現像される。現像ケース37にはトナー供給口40が設けられており、このトナー供給口40を介してトナーコンテナ(不図示)からトナーが現像ケース37に補給される。
【0025】
図4に示されるように、現像装置13の現像ケース37は、仕切り壁35を有する。仕切り壁35は、現像ケース37の長手方向(左右方向D3に一致する方向)に沿って現像ケース37の底面に立設されている。仕切り壁35によって現像ケース37の内部空間が2つの空間に分割されている。2つの空間それぞれは、前記長手方向の両端部にある連通部31,32で連通する。また、2つの空間それぞれに現像剤を撹拌しつつ搬送するスクリュー部材33(
図3参照)が設けられている。スクリュー部材33の回転により、現像ケース37内の現像剤が各空間同士を循環経路30(
図4の二点鎖線参照)に沿って循環して搬送される。
【0026】
ドラムクリーニング装置15は、感光体ドラム11の後方側に配置されている。ドラムクリーニング装置15は、感光体ドラム11ごとに設けられている。ドラムクリーニング装置15は、クリーニング部材であるクリーニングブレード41、クリーニングローラー42、スクリュー部材43、及びトナーボックス44を備えている。クリーニングブレード41及びクリーニングローラー42は、感光体ドラム11とほぼ同じ長さを有する。クリーニングブレード41の先端は感光体ドラム11の表面に接触して又は近接して配置されている。クリーニングローラー42は、トナーボックス44内で回転可能に支持されている。クリーニングローラー42の支軸に回転駆動力が入力されることによってクリーニングローラー42が回転する。クリーニングブレード41は、感光体ドラム11が回転されると、一次転写装置14による転写後に感光体ドラム11の表面に残留したトナーを取り除く。この取り除かれたトナー(以下「廃トナー」という。)は、重力の作用又はクリーニングローラー42の回転力によってトナーボックス44に取り入れられる。トナーボックス44に取り入れられた廃トナーは、スクリュー部材43によって
図4中の矢印47に示す排出方向へ搬送される。トナーボックス44の右端部の側壁に排出口45(
図4参照)が形成されている。スクリュー部材43は、円柱状の軸部材の周囲に螺旋状の羽根を有している。スクリュー部材43が回転されることにより、前記羽根の作用を受けて、前記廃トナーはトナーボックス44内を排出口45へ向けて搬送される。その後、排出口45から外部へ廃トナーが排出される。つまり、感光体ドラム11の表面に残留したトナーは、ドラムクリーニング装置15によって取り除かれて廃トナーとして感光体ドラム11から排出される。
【0027】
感光体ドラム11及びドラムクリーニング装置15は、ドラムユニット17(
図4参照)としてユニット化されている。ドラムクリーニング装置15が備える排出口45は、ドラムユニット17の筐体(不図示)から外部へ突出しており、後述の廃トナー収容容器50の受入口65(65A〜65D)に連結されている。
【0028】
図4は、ドラムクリーニング装置15によって感光体ドラム11から除去された廃トナー、及びベルトクリーニング装置16によって中間転写ベルト4Aから除去された廃トナーが廃トナー収容容器50に排出されるまでの排出流路の説明図である。
【0029】
図4に示されるように、ドラムクリーニング装置15で除去された廃トナーは、スクリュー部材43によって画像形成装置1の左右方向D3の右側へ向かう排出方向(矢印47参照)へ搬送される。トナーボックス44の右端部に搬送されてきた前記廃トナーは、排出口45から廃トナー収容容器50の受入口65(65A〜65D)を経て後述の容器本体52の内部に排出される。
【0030】
また、ベルトクリーニング装置16によって中間転写ベルト4Aから除去された廃トナーは、スクリュー部材25によって画像形成装置1の左右方向D3の右側へ向かう排出方向(矢印48参照)へ搬送される。トナーボックス26の右端部側に搬送されてきた前記廃トナーは、トナーボックス26の底面にある排出口27から廃トナー収容容器50の受入口65(65E)を経て後述の容器本体52の内部に排出される。
【0031】
廃トナー収容容器50は、筐体2内に設けられている。
図2に示されるように、廃トナー収容容器50は、中間転写ベルト4Aの下方に配置されている。また、
図4に示されるように、廃トナー収容容器50は、ドラムクリーニング装置15及びベルトクリーニング装置16の右端部よりも更に右側に配置されている。
【0032】
図5及び
図6に示されるように、廃トナー収容容器50は、容器本体52と、上段搬送スクリュー61(本発明の搬送部の一例)と、下段搬送スクリュー62と、移動機構90と、を備えている。ここで、
図5は、廃トナー収容容器50を右側から見た斜視図である。
図6は、廃トナー収容容器50を右側から見た側面図である。なお、説明の便宜上、
図5及び
図6では、容器本体52を構成するカバー部の図示が省略されている。
【0033】
容器本体52は、本体ケース52Aと、カバー部(不図示)と、により構成されている。容器本体52は、前後方向D2に長い形状に形成されている。本体ケース52Aは、容器本体52において左側(画像形成部3側)の部分を構成しており、前記カバー部は、容器本体52において右側の部分を構成している。容器本体52の右側面に前記カバー部が取り付けられることによって、内部に収容空間を有する容器本体52が構成される。
【0034】
容器本体52の内部に、ドラムクリーニング装置15及びベルトクリーニング装置16から排出された廃トナーが収容される。具体的には、
図5に示されるように、本体ケース52Aの左側面に5つの受入口65(65A〜65E)が設けられており、各受入口65から廃トナーが流入される。
【0035】
図5に示されるように、本体ケース52Aの左側面に同じ形状の4つの受入口65(65A〜65D)が設けられている。各受入口65A〜65Dは、前後方向D2へ均等間隔を隔てられており、概ね同じ高さ位置に配置されている。受入口65Aは、最も後方側に位置している。この受入口65Aは、ブラック色のトナー像を形成する画像形成部3Aに対応する位置に設けられており、画像形成部3Aのドラムクリーニング装置15の排出口45に連結されている。つまり、画像形成部3Aのドラムクリーニング装置15によって感光体ドラム11から除去されて排出されたブラック色の廃トナーは、受入口65Aから容器本体52に流入する。同様に、受入口65Bは、イエロー色のトナー像を形成する画像形成部3Bに対応する位置に設けられている。受入口65Cは、シアン色のトナー像を形成する画像形成部3Cに対応する位置に設けられている。受入口65Dは、マゼンタ色のトナー像を形成する画像形成部3Dに対応する位置に設けられている。受入口65A〜65Dは、本体ケース52Aの左側面から左方向へ突出する筒部66の先端に形成されている。筒部66は、受入口65A〜65Dに入った廃トナーを容器本体52の内部に案内する搬送路の役割を担っている。
【0036】
容器本体52には、ガイド部67(本発明の搬送ガイド部の一例)が設けられている。ガイド部67は、本体ケース52Aの左側面の最も前方側に設けられている。ガイド部67は、左側面から左側へ突出した形状であり、その上面が水平な平坦面に形成された上壁67Aを有する。本体ケース52Aの左側面の最も前方側に受入口65Eが設けられている。具体的には、ガイド部67の上壁67Aの突出側の端部に受入口65Eが形成されている。受入口65Eは上向きに開放された開口である。ガイド部67の内部は空洞となっており、受入口65Eから容器本体52の内部まで連通している。ガイド部67の底側には、受入口65Eから容器本体52の内部へ向けて斜め下方に傾斜する傾斜面67B(本発明の傾斜ガイド面の一例)となっている。受入口65Eは、ベルトクリーニング装置16に対応する位置に形成されており、具体的には、トナーボックス26の排出口27に連結可能な位置に形成されている。排出口27と受入口65Eとは、直接或いは図示しない搬送ガイド部材などによって間接的に連結されている。このため、排出口27から排出される廃トナーは、受入口65Eに流入可能となる。したがって、ベルトクリーニング装置16よって中間転写ベルト4Aから除去されて排出された廃トナーは、受入口65Aに流入すると、受入口65Eからガイド部67の内部を通って、傾斜面67Bに沿って斜め下方へ移動する。つまり、廃トナーは、傾斜面67Bに案内されるようにして下降移動して容器本体52の収容空間に流入する。
【0037】
容器本体52には、廃トナーの流入量の偏りによる廃トナーの嵩の不均一を解消するために、容器本体52に上段搬送スクリュー61が設けられ、更にその下方に下段搬送スクリュー62が設けられている。上段搬送スクリュー61及び下段搬送スクリュー62は、容器本体52の内部に回転可能に設けられている。
【0038】
上段搬送スクリュー61は、容器本体52において上下方向D1の中間付近に回転可能に設けられている。上段搬送スクリュー61は、長手方向の両端部に位置する側壁54,55を貫通して、側壁54,55に架け渡された状態で軸受101,102により回転可能に支持されている。上段搬送スクリュー61は、駆動モーター(不図示)によって後述する駆動伝達機構110を介して回転駆動される。上段搬送スクリュー61は、回転されることにより容器本体52内の廃トナーを回転軸線方向へ搬送する。
【0039】
本実施形態では、上段搬送スクリュー61は、後側搬送部61Aと、前側搬送部61Bとを有する。上段搬送スクリュー61において、後側搬送部61A及び前側搬送部61Bは同軸上に配置されている。つまり、後側搬送部61Aは、上段搬送スクリュー61の後方側に位置している。後側搬送部61Aは、本発明の第1搬送部の一例であり、回転されることによって前記廃トナーを回転軸線方向の前方側へ搬送する。また、前側搬送部61Bは上段搬送スクリュー61の前方側、つまり、後側搬送部61Aの回転軸線方向において前方側に隣接して設けられている。前側搬送部61Bは、回転されることによって前記廃トナーを回転軸線方向の後方側へ搬送する。廃トナーの搬送は、上段搬送スクリュー61に形成された螺旋形状の羽根によって実現される。本実施形態では、後側搬送部61Aの羽根と、前側搬送部61Bの羽根とが互いに異なる角度に形成されている。これにより、上段搬送スクリュー61が回転されると、後側搬送部61A及び前側搬送部61Bそれぞれは、廃トナーを互いに異なる方向(反対方向)へ搬送する。
【0040】
なお、本実施形態では、上段搬送スクリュー61が後側搬送部61Aと前側搬送部61Bとを有する構成について説明するが、上段搬送スクリュー61は、前側搬送部61Bを有しない構成のもの、つまり、後側搬送部61Aのみからなるものであってもよい。
【0041】
下段搬送スクリュー62は、容器本体52において上下方向D1の下方側に回転可能に設けられている。具体的には、下段搬送スクリュー62は、上段搬送スクリュー61よりも下側で、上段搬送スクリュー61と平行に設けられている。下段搬送スクリュー62は、長手方向の両端部に位置する側壁54,55を貫通して、側壁54,55に架け渡された状態で軸受103,104により回転可能に支持されている。下段搬送スクリュー62は、駆動モーター(不図示)によって後述する駆動伝達機構110を介して回転駆動される。下段搬送スクリュー62は、回転されることにより容器本体52内の底側の廃トナーを回転軸線方向の後方側へ搬送する。この下段搬送スクリュー62は、受入口65Eから流入した廃トナーを受入口65Eから遠ざけるように後方へ搬送するように回転される。
【0042】
本実施形態では、上段搬送スクリュー61による廃トナーの搬送力は、下段搬送スクリュー62による廃トナーの搬送力よりも大きく設定されている。具体的には、上段搬送スクリュー61及び下段搬送スクリュー62が備える羽根の大きさを異ならせたり、羽根の傾斜角を異ならせることにより、搬送力を異ならせることができる。また、上段搬送スクリュー61及び下段搬送スクリュー62それぞれの回転速度を異ならせるようにしてもよい。なお、搬送力は、単位時間当たりに廃トナーが移動する量(搬送量)で表すこともできる。
【0043】
側壁54には、駆動伝達機構110が設けられている。駆動伝達機構110は、ギヤ111と、ギヤ112とを有する。ギヤ111は、側壁54を外側に貫通した上段搬送スクリュー61の回転軸63の端部に連結されており、上段搬送スクリュー61と同軸上に設けられている。ギヤ112は、側壁54を外側に貫通した下段搬送スクリュー62の回転軸64の端部に連結されており、下段搬送スクリュー62と同軸上に設けられている。そして、これらのギヤ111とギヤ112とは、互いに噛合されている。ギヤ111は、ス前記駆動モーターにアイドルギヤを介して駆動伝達可能に連結されている。前記駆動モーターの回転駆動力が駆動伝達機構110に伝達されると、ギヤ111が矢印71の方向に回転されて、上段搬送スクリュー61も同方向に回転される。これにより、後側搬送部61Aは廃トナーを前方側へ搬送し、前側搬送部61Bは廃トナーを後方側へ搬送することができる。一方、ギヤ112は、ギヤ111とは反対の方向(矢印72で示す方向)に回転されて、下段搬送スクリュー62も同方向に回転される。これにより、下段搬送スクリュー62は廃トナーを後方側へ搬送することができる。
【0044】
廃トナーがガイド部67を通って容器本体52の収容空間に搬送される過程で、ガイド部67の途中で廃トナーが滞留する場合がある。この滞留を解消するために、本実施形態では、後述する移動部材92を有する移動機構90が容器本体52に設けられている。
【0045】
移動機構90は、偏芯軸91(本発明の変換部の一例)と、移動部材92とにより構成されている。
【0046】
図5及び
図6に示されるように、偏芯軸91は、回転軸63の回転に連動してその回転運動を往復運動に変換するものであり、上段搬送スクリュー61の回転軸63に設けられている。偏芯軸91は、回転軸63の前方端に回転軸63と一体に形成されている。偏芯軸91は、回転軸63から中心位置のずれた軸を有するものでる。このため、回転軸63に回転駆動力が入力されて回転すると、その回転に連動して偏芯軸91は回転軸63の周りを回動する。本実施形態では、偏芯軸91は回転軸63の外径よりも大きなサイズに形成された円柱状の部材であり、その中心が回転軸63の中心から軸垂直方向へ隔てられた状態で回転軸63に一体に形成されている。この偏芯軸91に移動部材92の一端が連結されている。上述したように、偏芯軸91が回転軸63の周りを回動すると、移動部材92は往復運動をする。偏芯軸91は上述のような円柱状の部材に限られず、回転軸63から中心位置のずれた軸を有するものであればよく、クラン軸のクランクピンのような構造のものであってもよい。偏芯軸91は、少なくとも、回転軸63の回転運動を往復運動に変換する構造を有するものであればよい。
【0047】
図7及び
図8は、移動部材92を示す図である。移動部材92は、一端側が偏芯軸91に連結されており、偏芯軸91から受けた往復運動の力によってガイド部67の傾斜面67Bに沿う方向へ往復移動する。移動部材92は、偏芯軸91に外嵌される連結部94と、連結部94からガイド部67の内部を受入口65Eへ向けて延出する板状のベース部95と、ベース部95から更に受入口65Eへ向けて延出するアーム部96と、を有する。移動部材92は、樹脂製品であり、連結部94、ベース部95、及びアーム部96が一体に形成されたものである。アーム部96は、ベース部95の延出端部の角部から受入口65Eへ向けて延出された棒状部材96Aに、串歯状に3つの櫛歯部96Bが設けられた構成である。最も延出端側に位置する櫛歯部96B1は、ガイド部67内に存在する廃トナーなどによって邪魔されなければ、その自重によって傾斜面67Bに接触される。
【0048】
回転軸63が回転されると、偏芯軸91が回動して、回転軸63の回転運動が偏芯軸91によって往復運動に変換される。このとき、連結部94から前記往復運動が移動部材92に伝達されて、移動部材92が傾斜面67Bに沿う方向へ往復移動する。このため、ガイド部67に廃トナーが滞留している場合でも、往復移動する移動部材92によって廃トナーが掻き取られながら撹拌されて、傾斜面67Bに沿って下降移動する。
【0049】
しかし、傾斜面67Bに滞留した廃トナーを十分に掻き取ることができない場合がある。例えば、偏芯軸91が回動する際に、移動部材92と傾斜面67Bとの間に隙間が生じ、その隙間に廃トナーが入り込むと、廃トナーが掻き落とされにくくなり、その廃トナーはいずれ凝集し、ガイド部67の傾斜面67Bに固着し、時間の経過とともに大きく成長する。この場合、廃トナーが掻き取れなくなる。また、上述したように移動部材92は樹脂製品であり、しかも、ガイド部67内の狭小な空間に配置される程の小さな部材であるため、その重量は軽量である。したがって、廃トナーの排出量が多い場合、傾斜面67Bの廃トナーの上層を移動部材92が往復移動するに留まり、十分に掻き取ることが出来ない場合がある。このような不具合を解消するために、本実施形態では、容器本体52の内部に規制部材93が設けられている。
【0050】
規制部材93は、ガイド部67の内部に設けられている。規制部材93は、移動部材92の延出端側を傾斜面67Bに当接可能なように移動部材92を傾斜面67Bへ押圧する。言い換えると、規制部材93は、移動部材92の櫛歯部96B1が傾斜面67Bから離間しないように移動部材92の上方への変位を規制する。本実施形態では、
図7に示されるように、ガイド部67は、傾斜面67Bから上方へ延びる側壁67Cを有している。そして、規制部材93は、その側壁67Cの内面に突状に設けられた突起状の部材である。規制部材93は、側壁67Cの内面から垂直に突出しており、傾斜面67Bに概ね平行に延びるリブ状に形成されている。なお、規制部材93は、リブ状に限られず、円柱状の突起であってもよい。
【0051】
図8に示されるように、規制部材93は、偏芯軸91が回動して最も受入口65E側の位置に配置された状態(
図8(A)に示される状態)で、規制部材93が移動部材92のアーム部96の上端に当接して、移動部材92を下方へ規制する(つまり上方への変位を規制する)ことができる位置に配置されている。なお、偏芯軸91が受入口65Eから最も離れた位置に配置された状態(
図8(B)に示される状態)では、移動部材92は規制部材93による規制を受けない。
【0052】
このような位置に規制部材93が設けられているため、移動部材92が往復移動される過程で、規制部材93によって櫛歯部96B1が傾斜面67Bに当接することになる。また、移動部材92は、移動部材92の往復移動に応じて周期的に規制部材93による規制を受けるため、移動部材92が傾斜面67Bに滞留した廃トナーの上層部を移動するような状況であっても、櫛歯部96B1が周期的に傾斜面67Bに当接される。このため、ガイド部67において廃トナーを確実に掻き落とすことができ、廃トナーの滞留によるガイド部67の詰まりの発生を防止することができる。これにより、受入口65Eに流入した廃トナーが円滑に容器本体52の収容空間に案内される。
【0053】
なお、上述の実施形態では、中間転写ベルト4Aから排出された廃トナーをガイドするガイド部67に移動機構90及び規制部材93が設けられた構成を例示したが、本発明は上述の構成に限られない。例えば、移動機構90が、感光体ドラム11からの廃トナーをガイドする筒部66に適用されるものであってもよく、この場合は、規制部材93は筒部66の内壁に設けられる。
【0054】
また、上述の実施形態では、ガイド部67の側壁67Cに設けられた規制部材93を例示したが、本発明は上述の規制部材93に限られない。
図9に示されるように、規制部材93に代えて、移動部材92に設けられた規制部材98によって、移動部材92を下方へ規制するようにしてもよい。ここで、規制部材98は、移動部材92のアーム部96の上部に設けられている。より詳細には、規制部材98は、アーム部96の上部から上方へ向けて突設された突起状の部材である。規制部材98の上端部98Aは円弧形状に形成されており、偏芯軸91が最も鉛直上方の位置に配置された状態(
図9に示される状態)で、上端部98Aが上壁67Aの裏面に当接される。このような規制部材98であっても、移動部材92が往復移動される過程で、規制部材98によって櫛歯部96B1が傾斜面67Bに当接する。