(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グランドパターンは、前記基板の上面及び下面に配置されており、前記基板の上面の前記グランドパターンと、前記基板の下面の前記グランドパターンとが、前記第1のスルーホール及び、前記第1のスルーホールとは異なる位置に配置された第2のスルーホールを介して相互に接続されておおり、
前記スタッドと前記グランドパターンとの接続箇所から前記第2のスルーホールまでの距離が、前記スタッドと前記グランドパターンとの接続箇所から前記第1のスルーホールまでの距離より短い請求項3に記載の焦電型赤外線検出器。
前記焦電素子と前記リード端子とを接続する配線パターンに誘起されたノイズ電流を前記グランドパターンに流すノイズ除去回路を、さらに有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の焦電型赤外線検出器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ノイズの低減効果を高めることができる焦電型赤外線検出器が望まれている。本発明の目的は、ノイズの低減効果を高めることができる焦電型赤外線検出器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点による焦電型赤外線検出器は、
グランドパターンが形成された基板と、
前記基板に実装された焦電素子と、
前記基板に実装され、前記焦電素子に発生した電圧に依存する電気信号を出力する電子回路素子と、
前記基板を支持するステムと
を有し、
前記ステムは、前記電子回路素子からの電気信号を出力するリード端子、前記グランドパターンに外部からグランド電位を与えるグランドリード端子、及び前記グランドリード端子に電気的に接続されている支持台
、及び前記支持台から上方に突出し、平坦な上面を持つスタッドを含み、前記グランドパターンは、少なくとも2か所において前記支持台に電気的に接続されて
おり、そのうちの1か所は前記スタッドの上面である。
【0007】
本発明の第2の観点による焦電型赤外線検出器は、第1の観点による焦電型赤外線検出器の構成に加えて
、前記スタッドが、前記グランドパターンに電気的に接触している
という構成を有する。
【0008】
本発明の第3の観点による焦電型赤外線検出器は
、
グランドパターンが形成された基板と、
前記基板に実装された焦電素子と、
前記基板に実装され、前記焦電素子に発生した電圧に依存する電気信号を出力する電子回路素子と、
前記基板を支持するステムと
を有し、
前記ステムは、前記電子回路素子からの電気信号を出力するリード端子、前記グランドパターンに外部からグランド電位を与えるグランドリード端子、及び前記グランドリード端子に電気的に接続されている支持台を含み、前記グランドパターンは、少なくとも2か所において前記支持台に電気的に接続されており、
前記ステムは、さらに、前記支持台から上方に突出し、前記基板を支持するスタッドを含み、
前記スタッドが、前記グランドパターンに電気的に接触しており、
前記グランドリード端子が、前記支持台から上方に突出した突出部を含み、
前記グランドリード端子の前記突出部の一部は、前記基板の第1のスルーホールに挿入されて前記グランドパターンに電気的に接続されており、
前記スタッドは、該スタッドの上面において前記グランドパターンに接続されている。
【0009】
本発明の第4の観点による焦電型赤外線検出器は、第3の観点による赤外線検出器の構成に加えて、
前記グランドパターンが、前記基板の上面及び下面に配置されており、前記基板の上面の前記グランドパターンと、前記基板の下面の前記グランドパターンとが、前記第1のスルーホール及び、前記第1のスルーホールとは異なる位置に配置された第2のスルーホールを介して相互に接続されておおり、
前記スタッドと前記グランドパターンとの接続箇所から前記第2のスルーホールまでの距離が、前記スタッドと前記グランドパターンとの接続箇所から前記第1のスルーホールまでの距離より短い。
【0010】
本発明の第5の観点による焦電型赤外線検出器は、第3または第4の観点による赤外線検出器の構成に加えて、前記スタッドが、前記グランドリード端子の前記突出部より太い。
【0011】
本発明の第6の観点による焦電型赤外線検出器は、第1乃至第5の観点による赤外線検出器の構成に加えて、前記焦電素子と前記リード端子とを接続する配線パターンに誘起されたノイズ電流を前記グランドパターンに流すノイズ除去回路を、さらに有する。
【発明の効果】
【0012】
第1の観点による焦電型赤外線検出器においては、グランドパターンが、少なくとも2か所において支持台に電気的に接続されているため、グランドを強化することができる。これにより、ノイズ耐性を高めることができる。
【0013】
第2の観点による焦電型赤外線検出器においては、スタッドが、基板を支持する機能と、グランドパターンにグランド電位を与える機能とを併せ持つ。
【0014】
第3の観点による焦電型赤外線検出器においては、グランドパターンからグランドリード端子を経由して支持台に至る電流経路と、グランドパターンからスタッドを経由して支持台に至る電流経路とが形成される。これにより、グランドを強化することができる。
【0015】
第4の観点による焦電型赤外線検出器においては、上面に形成されたグランドパターンから、第1のスルーホールを経由して支持台に至る電流経路と、第2のスルーホールを経由して支持台に至る電流経路とが形成される。スタッドとグランドパターンとの接続箇所から第2のスルーホールまでの距離が、スタッドとグランドパターンとの接続箇所から第1のスルーホールまでの距離より短いため、上面に形成されたグランドパターンから第2のスルーホール及びスタッドを経由して支持台に至る電流経路が短くなる。これにより、グランドを強化することができる。
【0016】
第5の観点による焦電型赤外線検出器においては、スタッドが太いため、スタッドを経由する電流経路のインピーダンスを小さくすることができる。このため、高周波ノイズ電流が流れやすくなる。
【0017】
第6の観点による焦電型赤外線検出器においては、配線パターンに誘起されたノイズ電流がノイズ除去回路を経由してグランドパターンに流れるため、ノイズ耐性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に、実施例1による焦電型赤外線検出器の分解斜視図を示す。基板20は、ステム10に支持され、固定される。ステム10は、支持台11、グランドリード端子12、第1のリード端子13、第2のリード端子14、及び2つのスタッド15を含む。支持台11は円形の平面形状を有する。
【0020】
グランドリード端子12は、支持台11から上方に向かって突出した突出部、及び下方に向かって延びる引出部を含み、支持台11に電気的に接続(短絡)されている。スタッド15の各々は、支持台11の上面から上方に向って突出しており、グランドリード端子12の上方に突出した突出部よりも低い。さらに、スタッド15の各々は、グランドリード端子12よりも太く、かつ平坦な上面を有する。支持台11、グランドリード端子12、及びスタッド15は、単一の導電性材料(例えば金属材料)で形成することができる。
【0021】
第1のリード端子13及び第2のリード端子14は、支持台11に設けられた貫通孔を上下方向に貫通する。第1のリード端子13及び第2のリード端子14は、貫通孔に埋め込まれた絶縁材16により支持台11に固定されており、支持台11から電気的に絶縁されている。
【0022】
基板20の上面にグランドパターン21が形成されており、下面にもグランドパターン(
図1には現れていない)が形成されている。さらに、基板20の上面に、一対のパッド23、24が形成されている。一方のパッド23は、グランドパターン21に連続する。他方のパッド24に信号配線パターン30が連続する。
【0023】
基板20の、グランドリード端子12に対応する位置に、第1のスルーホール25が設けられている。グランドパターン21またはパッド23の内側に、第2のスルーホール26が設けられている。グランドパターン21は、第1のスルーホール25及び第2のスルーホール26内を経由して、基板20の下面のグランドパターンに電気的に接続される。第1のリード端子13及び第2のリード端子14に対応する位置に、それぞれ第3のスルーホール27及び第4のスルーホール28が形成されている。その他に、必要に応じて、上面の導電パターンと下面の導電パターンとを接続するためのスルーホール29が形成されている。
【0024】
基板20の下面に、電子回路素子33が実装されている。グランドリード端子12、第1のリード端子13、及び第2のリード端子14の上端が、それぞれ第1のスルーホール25、第3のスルーホール27、及び第4のスルーホール28に挿入され、半田によって固定される。基板20の上面に、焦電素子40が実装される。焦電素子40の一対の端子が、それぞれパッド23、24に接続される。
【0025】
基板20の下面に形成されているグランドパターンが、スタッド15の上面に接触することにより、基板20が一定の高さに支持される。さらに、基板20の下面に形成されているグランドパターンがスタッド15に電気的に接続される。
【0026】
図2A及び
図2Bに、実施例1による焦電型赤外線検出器の断面図を示す。
図2Aは、2つのスタッド15の中心を通過する縦断面図であり、
図2Bは、グランドリード端子12及び第1のリード端子13の中心を通過する縦断面図である。
【0027】
図2Aに示すように、支持台11の上面から上方に向って、2つのスタッド15が突出している。基板20の上面に、グランドパターン21、及びパッド23、24が形成されており、下面に、グランドパターン22が形成されている。下面のグランドパターン22が、スタッド15の上面に接触し、電気的に接続されている。下面のグランドパターン22と、上面のグランドパターン21とが、第2のスルーホール26内の導電材を介して相互に接続されている。基板20の下面に電子回路素子33が実装されている。基板20の上面に、焦電素子40が実装されている。焦電素子40の一対の端子が、それぞれパッド23、24に接続されている。
【0028】
ステム10に支持された基板20及び焦電素子40が、キャップ41で覆われて、封止されている。キャップ41の天面に、赤外線透過窓42が設けられている。赤外線が赤外線透過窓42を透過して、焦電素子40に入射する。
【0029】
図2Bに示すように、支持台11、スタッド15、及びグランドリード端子12が、単一の金属材料で形成されている。支持台11に設けられた貫通孔を第1のリード端子13が上下に貫通している。この貫通孔内に充填された絶縁材16により、第1のリード端子13が支持台11に固定されている。
【0030】
グランドリード端子12の一部(上端)が、基板20の第1のスルーホール25に挿入されており、第1のリード端子13の一部(上端)が、基板20の第3のスルーホール27に挿入されている。第1のスルーホール25に充填された半田35により、グランドリード端子12がグランドパターン21、22に接続されている。第3のスルーホール27に充填された半田36により、第1のリード端子13が、基板20に形成された信号配線パターン30に接続されている。外部からグランドリード端子12を通して、グランドパターン21、22にグランド電位が与えられる。
【0031】
焦電素子40の一方の端子が、基板20の上面の一方のパッド23に固定されている。パッド23は、グランドパターン21に連続している。
【0032】
図3に、実施例1による焦電型赤外線検出器50、及び焦電型赤外線検出器50の出力信号の処理回路の等価回路図を示す。焦電型赤外線検出器50は、基板20に実装された電子回路素子33(
図1、
図2A)として、電界効果トランジスタ(FET)51、インダクタ53、及びキャパシタ54を含む。
【0033】
焦電素子40として、焦電体セラミック板に二組の電極対が設けられたデュアル素子が採用される。二組の電極対は、相互に逆向きの極性で直列に接続される。その他に、焦電素子40として、一組の電極対を設けたシングル素子と採用してもよいし、四組の電極対を設けたクワッド素子を採用してもよい。さらに、その他に、種々の構造の焦電素子を採用することが可能である。
【0034】
焦電素子40の一方の端子が、グランドパターン21、22を介してグランドリード端子12に接続されており、他方の端子がFET51のゲート端子に接続されている。FETのドレイン端子が、第2のリード端子14に接続されており、ソース端子が、インダクタ53を介して第1のリード端子13に接続されている。
【0035】
FET51は、焦電素子40に発生した電圧に依存する電気信号を出力する。FET51は、焦電素子40の高い出力インピーダンスを低下させる機能を有する。第1のリード端子13とインダクタ53との接続点が、キャパシタ54を介してグランドパターン21、22に接続されている。インダクタ53とキャパシタ54とにより、ノイズ除去回路52が構成される。ノイズ除去回路52は、焦電素子40、基板20に形成されている信号配線パターンに誘起された高周波ノイズ電流をグランドパターン21、22に流す機能を有する。
【0036】
次に、焦電型赤外線検出器50の外部の回路について説明する。第2のリード端子14を介してFET51のドレイン端子に電源電圧VDDが印加される。グランドリード端子12が接地される。第1のリード端子13とグランドリード端子12との間にソース抵抗60が挿入される。
【0037】
第1のリード端子13が、増幅器62に接続される。増幅器62には、例えばオペアンプのボルテージフォロワ回路が用いられる。増幅器62の出力信号が、比較器63に入力される。比較器63の出力電圧は、入力電圧が参照電圧以上のときハイ(H)レベルとなり、入力電圧が参照電圧未満のときロー(L)レベルとなる。
【0038】
次に、
図4A及び
図4Bを参照して、上記実施例1による焦電型赤外線検出器の優れた効果について説明する。
【0039】
図4Aに、実施例1による焦電型赤外線検出器の部分断面図を示す。基板20の上面にグランドパターン21が形成されており、下面にグランドパターン22が形成されている。第1のスルーホール25の位置において、上面のグランドパターン21及び下面のグランドパターン22が、グランドリード端子12に接続されている。下面のグランドパターン22がスタッド15に接続されている。上面のグランドパターン21が、第2のスルーホール26内を経由して下面のグランドパターン22に接続されている。基板20に形成されたグランドパターン21、22は、グランドリード端子12が配置された位置、及びスタッド15が配置された位置の少なくとも2か所で、支持台11に電気的に接続されている。
【0040】
スタッド15と下面のグランドパターン22との接続箇所Pから第2のスルーホール26までの距離は、接続箇所Pから第1のスルーホール25までの距離より短い。
【0041】
下面のグランドパターン22内の点Aから支持台11に至る電流経路として、グランドパターン22、点P、及びスタッド15を経由する電流経路70、及びグランドパターン22、グランドリード端子12を経由する電流経路71が形成される。上面のグランドパターン21内の点Bから支持台11に至る電流経路として、グランドパターン21、第2のスルーホール26、グランドパターン22、点P、及びスタッド15を経由する電流経路72、グランドパターン21、第2のスルーホール26、グランドパターン22、及びグランドリード端子12を経由する電流経路73、及びグランドパターン21、第1のスルーホール25、及びグランドリード端子12を経由する電流経路74が形成される。
【0042】
図4Bに、比較例による焦電型赤外線検出器の部分断面図を示す。比較例においては、下面のグランドパターン22がスタッド15に電気的に接続されていない。下面のグランドパターン22内の点Aから支持台11に至る電流経路として、グランドパターン22及びグランドリード端子12を経由する電流経路71のみが形成される。上面のグランドパターン21内の点Bから支持台11に至る電流経路として、グランドパターン21、第1のスルーホール25、及びグランドリード端子12を経由する電流経路74のみが形成される。
【0043】
図4Aに示した実施例1においては、点Aが2つの電流経路70、71により、支持台11に接続され、点Bが3つの電流経路72、73、74により支持台11に接続される。これに対して、
図4Bに示した比較例においては、点Aは、1つの電流経路71のみにより支持台11に接続され、点Bは、1つの電流経路73のみにより支持台11に接続される。実施例1においては、グランドパターン21、22内の点A、点Bが、比較例と比べてより多くの電流経路で支持台11に接続される。このため、グランドを強化することができる。これにより、ノイズ耐性を高めることができる。
【0044】
上側のグランドパターン21内の点Bから支持台11に至る電流経路をできるだけ短くするために、点Pから第2のスルーホール26までの最短の電流経路を、点Pから第1のスルーホール25までの最短の電流経路より短くすることが好ましい。
【0045】
上記実施例では、基板20のグランドパターン21、22が、1本のグランドリード端子12、及び2つのスタッド15を介して、合計3か所において支持台11に電気的に接続されていた。その他の構成として、基板20のグランドパターン21、22を、2か所において支持台11に電気的に接続してもよい。例えば、1本のグランドリード端子12及び1つのスタッド15を介して、グランドパターン21、22を支持台11に電気的に接続してもよい。または、グランドリード端子12の上端は、グランドパターン22に接続せず、2つのスタッド15をグランドパターン22に接続してもよい。さらに、4か所以上において、グランドパターン21、22を支持台11に電気的に接続してもよい。
【0046】
図5A〜
図5Dを参照して、
図1〜
図3、及び
図4Aに示した実施例1による赤外線検出器、及び
図4Bに示した比較例による赤外線検出器のノイズ耐性を評価した実験結果について説明する。比較例による赤外線検出器は、スタッド15が基板20の下面のグランドパターン22に接続されていない点を除いて、実施例1による赤外線検出器と同一の構成を有する。
【0047】
赤外線検出器を電波暗室に配置し、赤外線検出器に高周波電磁ノイズを照射して、比較器63(
図3)の出力信号をオシロスコープでモニタした。高周波電磁ノイズの周波数は1GHzから2.7GHzの範囲で変化させた。赤外線検出器が配置されている位置における電界強度は、15V/mまたは20V/mとした。高周波電磁ノイズは、周波数1Hz、デューティ50%の変調パルスでオンオフ変調した。変調時間は3秒とした。
【0048】
図5A及び
図5Bは、比較例による赤外線検出器の評価結果を示し、
図5C及び
図5Dは、実施例1による赤外線検出器の評価結果を示す。
図5A及び
図5Cは、高周波電磁ノイズの電界強度が15V/mのときの評価結果を示し、
図5B及び
図5Dは、高周波電磁ノイズの電界強度が20V/mのときの評価結果を示す。
図5A〜
図5Dの横軸は高周波電磁ノイズの周波数を単位「GHz」で表し、縦軸は、比較器63(
図3)の出力レベルを表す。出力レベルがLレベルであることは、誤検出が無かったことを意味し、出力レベルがHレベルであることは、誤検出が有ったことを意味する。
【0049】
比較例による赤外線検出器においては、誤検出が発生したが、実施例1による赤外線検出器においては、誤検出は発生しなかった。実施例1による赤外線検出器において、グランドを強化することにより、ノイズ耐性が向上したことが実験により確認された。
【0050】
図6A〜
図6Cを参照して、
図1〜
図3に示した実施例1の変形例について説明する。以下、
図1〜
図3に示した実施例1との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
図6A〜
図6Cは、各変形例による赤外線検出器の等価回路図を示す。
【0051】
図6Aに示した変形例では、FET51のドレインと第2のリード端子14との間に、インダクタ55が挿入されている。さらに、インダクタ55と第2のリード端子14との接続点が、キャパシタ56を介してグランドパターン21、22に接続されている。インダクタ53、55、及びキャパシタ54、56が、ノイズ除去回路52を構成する。
【0052】
図6Bに示した変形例では、
図6Aに示した変形例のインダクタ53、55が省略されている。
図6Cに示すように、
図6Bに示した変形例の焦電素子40に並列にゲート抵抗57を挿入してもよい。
【0053】
図6A〜
図6Bに示した実施例においても、実施例1と同様に、ノイズ耐性を高めることができる。
【0054】
図7を参照して、実施例2による赤外線検出器について説明する。以下、
図1〜
図3に示した実施例1との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
【0055】
図7に、実施例2による焦電型赤外線検出器50の等価回路図を示す。焦電素子40の一方の端子がグランドパターン21、22に接続され、他方の端子がA/Dコンバータ58の入力端子に接続されている。A/Dコンバータ58は、焦電素子40の端子間電圧をA/D変換する。焦電素子40の端子間電圧をA/D変換されて得られたパラレルデジタル信号が、パラレルシリアル変換回路59に入力される。パラレルシリアル変換回路59でパラレルシリアル変換されたシリアルデジタル信号が、第1のリード端子13から出力される。第2のリード端子14から、A/Dコンバータ58及びパラレルシリアル変換回路59に、電源電圧VDDが供給される。
【0056】
図1〜
図3に示した実施例1では、焦電素子40に発生した電圧がアナログ信号として出力された。これに対し、
図7に示した実施例では、焦電素子40に発生した電圧が、デジタル信号として出力される。
図7に示した実施例においても、基板20に形成されたグランドパターン21、22を、少なくとも2か所において支持台11(
図1)に電気的に接続することにより、高周波ノイズ耐性を高めることができる。
【0057】
次に、
図8A及び
図8Bを参照して、実施例3による赤外線検出器について説明する。以下、
図1〜
図3に示した実施例1との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。
【0058】
図8Aに、実施例3による焦電型赤外線検出器のステム10及び基板20の平面図を示す。ステム10及び基板20は、長方形または正方形の平面形状を有する。基板20に、第1のスルーホール25、第3のスルーホール27、及び第4のスルーホール28が形成されている。基板20の上面に焦電素子40が実装されている。
【0059】
図8Bに、
図8Aの一点鎖線8B−8Bにおける断面図を示す。ステム10の支持台11が、長方形または正方形の底板17、底板17の縁から上方に立ち上がった側板18、及び側板18の上端から外側に張り出した鍔部19を含む。実施例1のステム10に設けられていたスタッド15(
図1)は、実施例3のステム10には設けられていない。基板20の下面のグランドパターン22が、基板20の縁の近傍まで広がっている。グランドパターン22が、縁の近傍領域において、支持台11の鍔部19の上面に電気的に接続されている。
【0060】
実施例3においても、グランドパターン22は、グランドリード端子12との接続箇所、及び鍔部19との接続箇所の少なくとも2か所において、支持台11に電気的に接続される。このため、実施例1の場合と同様に、ノイズ耐性を高めることができる。
【0061】
各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。