特許第6410028号(P6410028)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6410028文書処理装置、画像形成装置、画像形成システムおよび文書処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6410028
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】文書処理装置、画像形成装置、画像形成システムおよび文書処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20181015BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20181015BHJP
   B42C 11/04 20060101ALI20181015BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 303
   G06F3/12 353
   G06F3/12 364
   G06F3/12 382
   B42C11/04
   B41J5/30 Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-186470(P2014-186470)
(22)【出願日】2014年9月12日
(65)【公開番号】特開2016-55610(P2016-55610A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】児玉 真里
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−214406(JP,A)
【文献】 特開2011−186813(JP,A)
【文献】 特開2001−038978(JP,A)
【文献】 特開2008−310526(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0138170(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 5/30
B42C 11/04
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記表頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷するように指示する指示手段と
前記受付手段により受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持する保持手段と、
前記指示手段の指示結果により前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取る読取手段と、を有し、
前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御される文書処理装置。
【請求項2】
前記受付手段は、前記表紙頁の印刷設定情報を含み、前記受付手段により受け付けられた前記表紙頁の印刷設定が正しいか否か判定する判定手段をさらに有する請求項1に記載の文書処理装置。
請求項1に記載の文書処理装置。
【請求項3】
表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた表紙頁と前記文書本体とをそれぞれ別々に印刷するように指示する指示手段と、
前記指示手段の指示に基づいて前記表紙頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷する印刷手段と、
前記受付手段により受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持する保持手段と、
前記指示手段の指示結果により前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取る読取手段と、を有し、
前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御される画像形成装置。
【請求項4】
表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた表紙頁と前記文書本体とをそれぞれ別々に印刷するように指示する指示手段と、
前記指示手段の指示に基づいて前記表紙頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された前記表紙頁と前記文書本体頁とを製本する製本手段と、
前記受付手段により受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持する保持手段と、
前記指示手段の指示結果により前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取る読取手段と、を有し、
前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御される画像形成システム。
【請求項5】
前記製本手段は、前記表紙頁により前記文書本体頁をくるむように製本する請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付けるステップと、
前記受付手段により受け付けられた表紙頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷するように指示するステップと、
受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持するステップと、
前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取るステップと、
前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御するステップと、
をコンピュータに実行させる文書処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書処理装置、画像形成装置、画像形成システムおよび文書処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、媒体に対して、印刷装置と、製本装置と、折り装置とが順に配置されており、ジョブに、折り情報及び製本処理に関する製本情報が含まれているか否かを判定するジョブ判定手段と、ジョブ判定手段が、折り情報及び製本情報が含まれていると判定した場合には、ジョブを、印刷情報及び折り情報を含む第1のサブセットジョブと、製本情報を含む第2のサブセットジョブと、に分割するジョブ分割手段と、印刷装置及び折り装置に対し、第1のサブセットジョブに基づいて、印刷処理及び折る処理を行うよう指示した後、製本装置に対し、第2のサブセットジョブに基づいて製本処理を行うよう指示する指示手段と、を含む印刷システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−193395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、表紙頁のデータと文書本文頁のデータを有する電子文書から、表紙頁と文書本体頁とを別々に印刷することが可能な文書処理装置、画像形成装置、画像形成システムおよび文書処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[文書処理装置]
請求項1に係る本発明は、表頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた前記表示頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷するように指示する指示手段と、前記受付手段により受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持する保持手段と、前記指示手段の指示結果により前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取る読取手段と、を有し、前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御される文書処理装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記受付手段は、前記表紙頁の印刷設定情報を含み、前記受付手段により受け付けられた前記表紙頁の印刷設定が正しいか否か判定する判定手段をさらに有する請求項1に記載の文書処理装置である。
【0008】
[画像形成装置]
請求項3に係る本発明は、表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた表紙頁と前記文書本体とをそれぞれ別々に印刷するように指示する指示手段と、前記指示手段の指示に基づいて前記表紙頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷する印刷手段と、前記受付手段により受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持する保持手段と、前記指示手段の指示結果により前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取る読取手段と、を有し、前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御される画像形成装置である。
【0009】
[画像形成システム]
請求項4に係る本発明は、表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた表紙頁と前記文書本体とをそれぞれ別々に印刷するように指示する指示手段と、前記指示手段の指示に基づいて前記表紙頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷する印刷手段と、前記印刷手段により印刷された前記表紙頁と前記文書本体頁とを製本する製本手段と、前記受付手段により受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持する保持手段と、前記指示手段の指示結果により前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取る読取手段と、を有し、前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御される画像形成システムである。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記製本手段は、前記表紙頁により前記文書本体頁をくるむように製本する請求項4に記載の画像形成システムである。
【0011】
[文書処理プログラム]
請求項6に係る本発明は、表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書の前記表紙頁の指定を受け付けるステップと、前記受付手段により受け付けられた表紙頁と前記文書本体頁とをそれぞれ別々に印刷するように指示するステップと、受け付けられた表紙頁及び文書本体頁の情報で構成される関連付け情報を保持するステップと、前記表紙頁を用いて印刷された表紙から識別情報を読み取るステップと、前記関連付け情報と、前記識別情報とを比較し、前記文書本体頁が前記表紙頁と関連付けられている場合に印刷を続行するよう制御するステップと、をコンピュータに実行させる文書処理プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書から、表紙頁と文書本体頁とを別々に印刷することが可能な文書処理装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によれば、受け付けた電子文書の表紙の指定を間違えることを防止する文書処理装置を提供することができる。
【0015】
請求項に係る本発明によれば、表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書から、表紙頁と文書本体頁とを別々に印刷することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0016】
請求項に係る本発明によれば、表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書から、表紙頁と文書本体頁とを別々に印刷し、印刷された表紙頁と文書本体頁を用いた本を製本することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0017】
請求項に係る本発明によれば、印刷された表紙頁と文書本体頁を用いた本をくるみ製本することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0018】
請求項に係る本発明によれば、表紙頁と文書本体頁とを有する電子文書から、表紙頁と文書本体頁とを別々に印刷することが可能な文書処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態の画像形成システムに用いられる印刷データの例示である。
図3図3(a)は図2(a)をくるみ製本する際の模式図、図3(b)は図2(b)及び図2(c)をくるみ製本した際の模式図である。
図4】本発明の一実施形態における画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態における設定入力装置11の機能構成を示すブロック図である。
図6】表示部42での表示画面の例示である。
図7】本発明の一実施形態における製本装置20の構成を示す図である。
図8】本発明の一実施形態における端末装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図9】本発明の一実施形態の画像形成システムにおいてくるみ製本を行う際の全体動作を説明するためのフローチャートである。
図10図8のフローチャートにおけるステップS103で説明した表紙の印刷指示の詳細を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の一次し形態の画像形成システムにおける画像形成装置の機能構成を示す別のブロック図である。
図12】本発明の一実施形態の画像形成システムにおける製本装置の構成を示す別の図である。
図13】本発明の一実施形態の画像形成システムにおいて表紙と文書本体との関連付け処理についての詳細を説明するためのフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態の画像形成システムにおいて表紙と文書本体との別の関連付け処理についての詳細を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。但し、以下に示す各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための文書処理装置、画像形成装置、画像形成システムおよび文書処理プログラムを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも均しく適応し得るものである。
【0021】
図1は本発明の一実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る文書処理プログラムを用いた画像形成システムは、図1に示されるように、ネットワーク40により相互に接続された画像形成装置10、製本装置20及び端末装置30により構成される。端末装置30は、印刷データを生成して、ネットワーク40経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。画像形成装置10は、端末装置30から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。製本装置20は、画像形成装置10により印刷された表紙用の用紙によって、本文用の用紙をくるむ、くるみ製本を行い、一冊の本へと製本するいわゆるくるみ製本機と呼ばれる装置である。
【0022】
図2に端末装置30から送信される印刷データである電子文書の例を示す。印刷データ内には表紙頁及び文書本体頁が混在している。図2(a)は、1頁目におもて表紙の表紙頁、最終頁であるN頁目にうら表紙の表紙頁を有し、2頁目からN−1頁目が文書本体頁となっている。図2(b)は、1頁目及び2頁目に見開きの表紙頁及び見開きの裏側となる表紙頁を有し、3頁目以降が文書本体頁となっている。図2(c)は、図2(b)における表紙頁を見開きとしてではなく、それぞれ半分ずつのデータである4頁分の表紙頁として有し、5頁目以降が文書本体頁となっている。
【0023】
これらの印刷データが端末装置30から送信され、画像形成装置10により印刷され、製本装置20により、それぞれ、図2(a)の印刷データは図3(a)のように、図2(b)及び図2(c)は図3(b)のように製本される。
【0024】
図2では表紙頁及び文書本体頁が混在している印刷データについて説明を行ったが、表紙頁の印刷データ及び文書本体頁の印刷データを別々のデータとして有していてもよい。この場合も同様に、端末装置30からそれぞれの印刷データが送信され、画像形成装置10によって印刷され、製本装置20によって製本される。
【0025】
本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図4に示す。
【0026】
画像形成装置10は、図4に示されるように、画像形成手段12、画像形成御手段13、後述する設定入力装置11や端末装置30との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14を有する。これらの構成要素は、制御バス15を介して互いに接続されている。
【0027】
画像形成手段12は、端末装置30から受信した印刷データについて画像形成を行う。画像形成手段12は、画像形成制御手段13により制御されている。
【0028】
また、画像形成装置10は、表紙頁と文書本体頁とを有する印刷データの表紙頁の指定等を受け付ける設定入力装置11を有している。図5は、設定入力装置11の機能構成を示すブロック図であり、図6図1における設定入力装置11部分の拡大図であって、表示部42に表示される画面の例示である。
【0029】
本実施形態の設定入力装置11は、図5に示されるように、制御部41と、表示部42と、通信部43と、印刷指示部44と、判定部45とを備えている。
【0030】
制御部41は、表示部42への表示や、通信部43による通信、印刷指示部44、判定部45の制御等を行う。
【0031】
表示部42は、表紙頁の指定に必要な情報を使用者へと表示する。ここで、図6を用いて表示部42の詳細を説明する。
【0032】
表示部42には、製本要否確認部421、表紙頁確認部422、表紙詳細設定部423、表紙頁指定部424及び印刷開始部425が表示される。
【0033】
製本要否確認部421は、製本の要否を確認するものである。表紙頁確認部422は、端末装置30から送信される印刷データ内に表紙頁が含まれているかどうかの確認をするものである。これらはどちらもチェックボックスとなっており、画像形成装置10の使用者は、製本が必要な場合、製本要否確認部421へとチェックを入れ、その後、印刷データ内に表紙頁が含まれている場合、表紙頁確認部422へとチェックを入れる。
【0034】
表紙詳細設定部423は、表示部42に表示されている画面を、図6(a)から、表紙頁の詳細設定を行う画面である図6(b)へと遷移させるものである。
【0035】
表紙頁指定部424は、表紙詳細設定部423により表示部42に表示されている画面が図6(b)へと遷移した後に表示され、印刷データ内のどの頁が表紙頁に当たるものであるかを指定するものである。例えば、図2(a)の印刷データの場合、画像形成装置10の使用者は「表紙頁の指定」と左に記載されたテキストボックス欄に、1及びNを入力する。また、表紙に使用する用紙の種類や、坪量の指定も可能である。
【0036】
頁指定部424で頁を使用者が指定するのではなく、表紙頁確認部422で印刷データ内に表紙頁の存在を確認した際に、印刷データ内で用紙サイズの大きいデータを表紙頁と判定し、印刷するよう設定しておいてもよい。
【0037】
印刷開始部425は、画像形成装置10の使用者が、端末装置30から送信された印刷データの印刷を開始するものである。
【0038】
通信手段43は、端末装置30からの印刷データ等の受信や、画像形成装置10への印刷指示の送信等を行う。
【0039】
印刷指示部44は、表紙頁指定部424で指定された表紙頁の印刷指示を先に行い、その後、文書本体頁の印刷指示を行う。
【0040】
判定部45は、表紙頁指定部424で指定された表紙頁の書式が、文書本体頁に対して適切であるかの判定を行う。具体的には、表紙頁の用紙サイズが、文書本体頁と比較して大きいか否かの判定や、表紙頁と文書本体に用いられる用紙の紙質の比較等を行う。
【0041】
上記設定入力装置11によって表紙頁の指定が行われ、印刷が指示された場合、端末装置30から送信された印刷データについて印刷順序を変更し、まず表紙データの印刷を行い、その後、本文データの印刷を行う。表紙頁が印刷された用紙である表紙は画像形成装置10の表紙用トレイ(図示省略)へと排出される。
【0042】
表紙トレイ11へと排出された表紙は、後述する製本装置20のくるみ製本表紙トレイ21へと載置され、文書本体頁が印刷された用紙である文書本体用紙は、同じく後述する製本装置20の製本本文トレイ22へと載置され、製本が開始される。
【0043】
本実施形態の画像形成システムにおける製本装置20の内部構成を図7に示す。製本装置20はくるみ製本を行う装置であり、製本表紙トレイ21と、製本本文トレイ22と、糊付けユニット23と、断裁ユニット24と、積載トレイ25と、を有している。
【0044】
製本表紙トレイ21は、画像形成装置10により印刷された表紙を載置するトレイであり、製本本文トレイ22は、画像形成装置10により印刷された文書本体用紙を載置するトレイである。
【0045】
くるみ製本表紙トレイ21と、くるみ製本本文トレイ22にそれぞれ表紙用紙及び本文用紙が載置され、端末装置30からの信号の送信又は製本装置20に取り付けられている開始釦(図示せず)を押下することにより、くるみ製本が開始される。まず、製本表紙トレイ21に載置されている表紙が製本装置内の糊付けユニット23へと送られ、表紙の背表紙となる位置に、製本本文トレイ22に載置されている文書本体用紙が送られ、糊付けされる。
【0046】
その後、糊付けされて一体となった表紙及び文書本体用紙群は断裁ユニット24へと送られ、背表紙方向以外に設けられている余白部分を断裁し、積載トレイ25へと製本済みの本が載置され、製本が完了する。
【0047】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける端末装置30のハードウェア構成を図8に示す。
【0048】
端末装置30は、図8に示されるように、CPU31、メモリ32、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置33、画像形成装置10や製本装置20との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)34を有する。これらの構成要素は、制御バス35を介して互いに接続されている。
【0049】
CPU31は、メモリ32または記憶装置33に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、端末装置30の動作を制御する。
【0050】
なお、本実施形態では、CPU31は、メモリ32または記憶装置33内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU31に提供することも可能である。
【0051】
表紙頁と文書本体頁とを有する印刷データを用いて、くるみ製本を行う場合の画像形成装置10における処理を、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0052】
まず、くるみ製本指定の有無を確認する(ステップS101)。くるみ製本指定が行われずに印刷が開始された場合、終了し、通常印刷を行う。
【0053】
ステップS101において、くるみ製本指定が行われた場合、表紙指定の有無を確認する(ステップS102)。表紙指定が行われずに印刷が開始された場合、後述するステップS106へと進む。
【0054】
ステップS102において、表紙指定が行われた場合、端末装置30の印刷指示部44により、表紙の印刷指示が行われる(ステップS103)。表紙の印刷指示についての詳細な処理を図10のフローチャートを用いて説明する。
【0055】
まず、表紙の詳細設定のため、設定入力装置11の表示が、図7(b)で示されるような表紙の詳細設定画面へと変更される(ステップS1031)。
【0056】
次に、設定入力装置11に表示されるテキストボックス内に、決められた書式に従い表紙データの頁指定を入力する(ステップS1032)。
【0057】
そして、端末装置30の判定部45により、ステップS1032により入力された頁指定の書式が正しいかどうかの判定がを行われる(ステップS1033)。一般的に、本の表紙は文書本体を覆う必要があるため、表紙のサイズは文書本体の用紙サイズよりも大きい。また、文書本体を保護する必要があるため、表紙に用いられる用紙は文書本体の用紙よりも堅固なものが使用される。そのため、入力された頁指定の頁の用紙サイズや紙質と、その他の頁の用紙サイズや紙質等を比較し、判定を行う。
【0058】
ステップS1033により頁指定の書式が誤っていると判定された場合、再度表紙データの頁指定の入力(ステップS1032)へと戻り、頁指定の書式が正しいと判定された場合、表紙の詳細設定画面を閉じ(ステップS1034)、表紙の印刷指示は終了する。
【0059】
表紙の印刷指示(ステップS103)が終了すると、表紙の印刷を開始し、表紙の印刷が成功したかどうかの確認を行う(ステップS104)。表紙の印刷が成功した場合、印刷された表紙を製本表紙トレイ21へと載置する(ステップS105)。これに対し、表紙の印刷が失敗した場合、ステップS103へと戻り、再度表紙の印刷指示を行う。
【0060】
表紙が製本表紙トレイ21へと載置されると、端末装置30の印刷指示部44により、くるみ製本指定と共に文書本体頁の印刷を開始し、表紙と文書本体とを用いてくるみ製本が行われ(ステップS106)、製本が完了する。
【0061】
[第2実施例]
次に、表紙頁と文書本体頁とを有する印刷データを用いて、くるみ製本を行う場合の画像形成装置におけるその他の処理を、図11図14を用いて説明する。
【0062】
図11は第2実施例における画像形成装置の構成を示す図、図12は第2実施例における製本装置の構成を示す図、図13は第2実施例におけるくるみ製本での表紙画像読取処理を説明するためのフローチャート、図14は第2実施例におけるくるみ製本での別の表紙画像読取処理を説明するためのフローチャートである。なお、第1実施例と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0063】
第2実施例では端末装置30から送信される印刷データが表紙頁と文書本体頁とで別々に送信される場合の製本処理について説明を行う。
【0064】
画像形成装置10Aの機能構成は、図11に示されるように、第1実施例での画像形成装置10の機能構成に加え、保持手段17、判断手段18を有する。
【0065】
保持手段17は、端末装置30から受信した印刷データの表紙頁及び文書本体頁を関連付ける関連付け情報を保持する。関連付け情報とは、表紙頁及び文書本体頁を識別するための識別子又は印刷データを用いた画像などであり、印刷を行う印刷データの表紙頁と文書本体頁が対応していることを判断することのできる情報を有するものである。
【0066】
識別子としては、印刷データの識別子、表紙頁の識別子、あるいは文書本体頁の識別子であってもよいし、それら識別子に対して一方向性関数による処理を施した結果であるハッシュ値としてもよい。印刷データが出版物である場合は、出版物に付与されるISBN(国際標準図書番号)を識別子としてもよい。
【0067】
印刷データを用いた画像としては、印刷処理に必要な変換処理を印刷データに施した画像であってもよいし、端末装置30で確認可能な印刷データのプレビュー画像であってもよい。
【0068】
判断手段18は、保持手段17に保持されている関連付け情報と、後述する表紙読取手段26で読み取られた識別情報とを比較し、印刷された表紙と、これから印刷を行おうとしている文書本体頁が関連付けられているものであるかの判断を行う。判断の結果、文書本体と関連付けられた表紙である場合は文書本体の印刷及び製本を続行し、文書本体と関連付けられていない表紙である場合は、文書本体の印刷を中止する。
【0069】
製本装置20Aは、図12に示されるように、第1実施例での製本装置20に加え、製本表紙トレイ21の給紙口付近に表紙読取手段26を有する。表紙読取手段26は、製本する際に製本表紙トレイ21から給紙される表紙を光学的若しくは磁気的に読み取り、表紙から識別情報を取得する。表紙読取手段26は、製本対象となる表紙を読み取り可能な位置であれば、製本表紙トレイ21の給紙口、製本表紙トレイ21上でもよく、表紙の表面と裏面とを同時に読み取るために複数の表紙読取手段26を設置しても良い。
【0070】
識別情報は、画像形成装置10Aの保持手段17に保持されている関連付け情報を用い、印刷された表紙と、これから印刷を行おうとしている文書本体頁が関連付けられているものであるかを識別するものである。識別情報は、識別子の情報を含む識別符号や、表紙頁の読取画像などである。
【0071】
図13のフローチャートを用い、第2実施例における製本装置20での表紙読取処理についての詳細を説明する。
【0072】
ステップS105で表紙が製本表紙トレイ21へと載置されると、画像形成装置10Aは、端末装置30から製本を行う文書に関連する情報である識別子を取得する(ステップS201)。
【0073】
画像形成装置10Aによって印刷された表紙には、端末装置30から送信された表紙の印刷データと共に、上記の識別子情報を含む識別符号が、画像形成装置10Aによって印刷されている。識別符号は、バーコードやQRコード(登録商標)などの機械で読取可能な符号である。印刷は、表紙読取部26によって読取可能な箇所であれば、表紙の表面又は裏面どちらに行われていてもよい。また、識別符号は可視のインク又はトナーで印刷されてもよいし、紫外線に反応して発光する不可視のインク又はトナーで印刷されてもよいし、透明な磁気インクで印刷されてもよい。
【0074】
次に、製本装置20Aは製本表紙トレイ21に載置された表紙を送り出し、表紙読取部26により、表紙へ印刷された識別符号を取得する(ステップS202)。画像形成装置10Aの判断手段18は、製本を行う文書の識別子と、表紙から取得した識別符号によって得られる識別子とを比較し、表紙と本文が関連付けられているか否かを判断する(ステップS203)。
【0075】
識別子が一致した場合、表紙と本文が関連付けられていると判断し、本文の印刷及び製本処理を続行し(ステップS204)、識別子が不一致だった場合、表紙と本文が関連付けられていないと判断し、本文の印刷及び製本処理を停止する(ステップS205)。
【0076】
ステップS205で本文の印刷及び製本処理を停止した場合、警告音を発したり、表示部42へ印刷及び製本処理を停止した旨を表示したりするよう制御してもよい。
【0077】
次に、図14のフローチャートを用い、第2実施例における製本装置20でのその他の表紙読取処理についての詳細を説明する。
【0078】
ステップS105で表紙が製本表紙トレイ21へと載置されると、画像形成装置10Aは、端末装置30から製本を行う文書における表紙の印刷用画像を取得する(ステップS301)。表紙の印刷用画像とは、印刷処理に必要な変換処理を印刷データに施した画像や、端末装置30で確認可能な印刷データのプレビュー画像などである。
【0079】
次に、製本装置20Aで製本表紙トレイ21に載置された表紙を送り出し、表紙読取部26で表紙の読取画像を取得する(ステップS302)。画像形成装置10Aの判断手段18は、表紙の印刷用画像と、表紙の読取画像との類似度を算出する(ステップS303)。画像の比較には、ヒストグラム抽出法や、キーポイントマッチング法などの既知の画像比較技術により算出される類似度を用いる。
【0080】
画像形成装置10Aの判断手段18は、ステップS303で算出された類似度が所定の閾値と比較し(ステップS304)、閾値以上である場合、表紙と本文が関連付けられていると判断して本文の印刷及び製本処理を続行し(ステップS305)、閾値未満である場合、表紙と本文が関連付けられていないと判断し、本文の印刷及び製本処理を停止する(ステップS306)。
【0081】
本実施形態においてはくるみ製本についての説明を行ったが、くるみ製本だけではなく、平綴じ製本、中綴じ製本、リング綴じ製本など、その他の製本処理についても同様に、一連の操作で製本を行うことが可能である。
【0082】
なお、本発明のプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
【0083】
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
【0084】
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
【0085】
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
【0086】
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 画像形成装置
11 設定入力装置
20 製本装置
30 端末装置
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11
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