特許第6410318号(P6410318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6410318
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】ガスコンロ装置
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/02 20060101AFI20181015BHJP
   F24C 3/12 20060101ALI20181015BHJP
   F23N 5/24 20060101ALI20181015BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   F24C3/02 H
   F24C3/12 K
   F23N5/24 A
   F23N5/00 N
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-113120(P2015-113120)
(22)【出願日】2015年6月3日
(65)【公開番号】特開2016-223744(P2016-223744A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2017年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】森口 誠治
(72)【発明者】
【氏名】倉地 大修
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−106796(JP,A)
【文献】 特開2002−174422(JP,A)
【文献】 特開2012−117687(JP,A)
【文献】 特開2001−263671(JP,A)
【文献】 特開2008−215722(JP,A)
【文献】 米国特許第4681084(US,A)
【文献】 特開2011−030728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 3/02
F23N 5/00
F23N 5/24
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナ上に調理器具が載置されたことを検知する鍋底センサを有し、この鍋底センサが調理器具が載置されていることを検知しない状態でバーナに対する点火操作がされた場合に、バーナへの点火を禁止する点火禁止手段を備えたガスコンロ装置において、バーナへの点火を制御する制御部を備え、上記点火操作の途中で制御部への通電が開始されるように構成されており、押し操作している間だけオン状態になる強制点火スイッチを設け、この強制点火スイッチのオン状態から強制点火スイッチにオン故障が発生したと判断した場合に、オン故障発生を記憶する不揮発性メモリを設け、上記強制点火スイッチを押し操作している状態で上記点火操作がされ、制御部に通電が開始された時点で上記強制点火スイッチがオン状態の場合であって、かつ、不揮発性メモリ内にオン故障発生が格納されていない場合に、上記点火禁止手段による点火禁止を解除して上記バーナの点火を許可することを特徴とするガスコンロ装置。
【請求項2】
上記強制点火スイッチのオン状態の継続時間を計時し、その計時時間がオン故障判定時間を超えた場合と、消火時点で強制点火スイッチがオンの状態の場合との一方の場合に、強制点火スイッチにオン故障が発生したと判断することを特徴とする請求項1に記載のガスコンロ装置。
【請求項3】
上記鍋底センサが調理器具が載置されていることを検知していれば、上記不揮発性メモリにオン故障発生が記憶されていてもバーナへの点火を許可することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスコンロ装置。
【請求項4】
ガスコンロ装置に対する手動操作によって、上記不揮発性メモリに格納されているオン故障発生を消去できるようにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスコンロ装置。
【請求項5】
上記強制点火スイッチがオン状態からオフ状態になれば、上記不揮発性メモリに格納されているオン故障発生を消去するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスコンロ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナ上に調理器具が載置されたことを検知する鍋底センサを有し、この鍋底センサが調理器具が載置されていることを検知しない状態でバーナに対する点火操作がされた場合に、バーナへの点火を禁止する点火禁止手段を備えたガスコンロ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスコンロ装置では、装置の上面である天板にバーナが露出して設けられているので、バーナ上に調理器具を載置しない状態で点火すると、炎全体が露出して安全上好ましくない。そのため、バーナ上に調理器具が載置されていることを検知する鍋底センサを備え、調理器具が載置されていない状態で点火操作がされてもバーナに点火しない点火禁止手段が設けられている。
【0003】
ただし、例えば海苔をあぶる場合など、調理器具をバーナ上に載置しない状態でバーナを一時的に点火したい場合が生じる。このような場合のために、強制点火スイッチを設け、通常の点火操作を先行して行い、点火禁止手段によってバーナの点火が禁止されている状態で強制点火スイッチを押し操作すると、点火禁止手段による点火禁止を解除してバーナへの点火を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところが、このガスコンロ装置では、バーナ上に調理器具を載置しない状態でバーナに点火する場合、通常の点火操作を行ってもバーナは点火されず、その後に強制点火スイッチを押すことによってバーナに点火される。このため、点消火ボタンを押し込むという慣れ親しんでいる点火操作ではバーナは点火せず、通常の点火操作とは全く相違する強制点火スイッチに対する押し操作によってバーナが点火するので、非常に違和感を覚えることになる。特に、調理器具がバーナに載置されていないので、点火によって生じる炎が突然発生するように感じるため、使用感が非常に悪いものとなる。
【0005】
そこで、本出願人は、特願2014−250774号として、押し操作している間だけオン状態になる強制点火スイッチを設け、この強制点火スイッチを押し操作している状態で上記点火操作がされ、制御部に通電が開始された時点で上記強制点火スイッチがオン状態の場合に、上記点火禁止手段による点火禁止を解除して上記バーナの点火を許可するものを出願した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−234764号公報([0015]、図2図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、先の出願したものでは、点火時に強制点火スイッチが押されている場合にバーナの点火を許可するものであるが、この強制点火スイッチがオン故障、すなわち、故障により押し操作していなくても常にオン状態となる故障が生じている場合、実際には強制点火スイッチが押されていなくても押された場合と同様の動作になるという不具合が生じる。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、点火時にオンにする強制点火スイッチがオン故障しても不具合が生じないガスコンロ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明によるガスコンロ装置は、バーナ上に調理器具が載置されたことを検知する鍋底センサを有し、この鍋底センサが調理器具が載置されていることを検知しない状態でバーナに対する点火操作がされた場合に、バーナへの点火を禁止する点火禁止手段を備えたガスコンロ装置において、バーナへの点火を制御する制御部を備え、上記点火操作の途中で制御部への通電が開始されるように構成されており、押し操作している間だけオン状態になる強制点火スイッチを設け、この強制点火スイッチのオン状態から強制点火スイッチにオン故障が発生したと判断した場合に、オン故障発生を記憶する不揮発性メモリを設け、上記強制点火スイッチを押し操作している状態で上記点火操作がされ、制御部に通電が開始された時点で上記強制点火スイッチがオン状態の場合であって、かつ、不揮発性メモリ内にオン故障発生が格納されていない場合に、上記点火禁止手段による点火禁止を解除して上記バーナの点火を許可することを特徴とする。
【0010】
強制点火スイッチ単独で点火を行うのでは無く、あくまで点火操作の補助として強制点火スイッチを押し操作し、強制点火スイッチが押し操作されている状態で通常の点火操作と同じ操作がされることによって制御部への通電が開始され、制御部は通電が開始された時点で上記強制点火スイッチがオン状態の場合に、バーナの点火を許可するようにした。ただし、強制点火スイッチがオン故障している場合には、実際に強制点火スイッチを押し操作していなくても制御部は強制点火スイッチが押されているものと判断する。そこで、この強制点火スイッチのオン状態から強制点火スイッチにオン故障が発生したと判断した場合に、オン故障発生を記憶する不揮発性メモリを設けて、制御部に通電が開始された時点で上記強制点火スイッチがオン状態の場合であって、かつ、不揮発性メモリ内にオン故障発生が格納されていない場合に、上記点火禁止手段による点火禁止を解除して上記バーナの点火を許可するようにした。
【0011】
具体的には、上記強制点火スイッチのオン状態の継続時間を計時し、その計時時間がオン故障判定時間を超えた場合と、消火時点で強制点火スイッチがオンの状態の場合との一方の場合に、強制点火スイッチにオン故障が発生したと判断する。
【0012】
なお、五徳上に調理器具が載置されていれば、例え強制点火スイッチがオン故障していても、ガスバーナの点火によって不具合は生じない。そこで、上記鍋底センサが調理器具が載置されていることを検知していれば、上記不揮発性メモリにオン故障発生が記憶されていてもバーナへの点火を許可することが望ましい。
【0013】
なお、オン故障した強制点火スイッチを交換した場合などのため、ガスコンロ装置に対する手動操作によって、上記不揮発性メモリに格納されているオン故障発生を消去できるようにしておくことが望ましい。
【0014】
また、上記強制点火スイッチがオン状態からオフ状態になれば、上記不揮発性メモリに格納されているオン故障発生を消去することも考えられる。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明から明らかなように、本発明は、強制点火スイッチが押し操作されている状態で通常の点火操作をすることによって、バーナの点火を許可するので、バーナ上に調理器具が載置されていない場合に、違和感なくバーナに点火が行える。そして、強制点火スイッチがオン故障している場合にはバーナに点火しないことによって、使用者の予期しない動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明によるガスコンロ装置の外観を示す図
図2】バーナまでのガス管路を示すブロック図
図3】制御部周りの構成を示すブロック図
図4】制御部による制御ブローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照して、1は本発明によるガスコンロ装置である。このガスコンロ装置1の天板11には左右2機のバーナ12が設けられている。両バーナ12は環状で有り、中心の空間には下方から上方に向かって延びる鍋底センサ13が設けられている。この鍋底センサ13の上端には温度センサが内蔵されており、上方に付勢された状態で上下方向に移動自在に保持されている。調理器具として例えばフライパンFPがバーナ12の上方に載置されると、鍋底センサ13の上端はフライパンFPの鍋底Bに付勢力によって密着したまま下方に押し下げられることになる。
【0018】
このようにフライパンFPが載置された状態で調理を開始する場合には、点消火ボタン2を押し込む。すると、バーナ12が点火し、調理を開始することができる。なお、バーナ12の近傍には熱電対14が配置されており、バーナ12の炎をこの熱電対14で検知することによりバーナ12の点火の確認、および立ち消えの発生などを検知することができる。また、10は電池ボックスであり、ガスコンロ装置1の作動電力をこの電池ボックス10内に収納されている乾電池で賄うように構成されている。
【0019】
点消火ボタン2の上方には強制点火スイッチ3が設けられている。この強制点火スイッチ3はバーナ12上に調理器具が載置されていない状態でもバーナ12の点火を許可するためのスイッチで有り、例えば「あぶり」を行う場合に押し操作する。「あぶり」とは調理器具を載置しない状態で、例えば海苔をあぶるような作業を言う。また、この強制点火スイッチ3は「高温炒め」調理時にも押し操作する。
【0020】
「高温炒め」調理とは、通常であれば鍋底Bの温度が空だきに相当するくらいの高温になる調理で有り、例えば、フライパンFPにごく少量の調理物を入れた状態で炒め物をする場合などが相当する。なお、31はLEDである。
【0021】
図2を参照して、点消火ボタン2を押し込むと、火力調節装置22の操作杆22aが火力調節装置22内に押し込まれる。火力調節装置22には図示しない2個のマイクロスイッチSW1、SW2が設けられており、操作杆22aが移動する途中でSW1が先行してオンになり、続いて点消火ボタン2の押し切り位置でSW2がオンになる。なお、SW2がオンになる押し切り位置では電磁安全弁23の弁体が強制的に開弁され、その状態で電磁安全弁23内の電磁石によって弁体は開弁状態で吸着保持される。
【0022】
電磁安全弁23が開弁すると、ガスが火力調節装置22内に流入し、火力調節装置22内を通ってバーナ12に向かって流出する。その流出流量は火力調節レバー21を操作することによって増減される。
【0023】
火力調節装置22から流出したガスは第1開閉弁24に流れる。この第1開閉弁24にはオリフィス25が並列に接続されており、第1開閉弁24が開弁状態であればガスは何ら絞られること無く、さらに下流に流れるが、第1開閉弁24が閉弁すればオリフィス25によって規定される少量のガスが下流へと流れることになる。さらに下流には第2開閉弁26が設けられており、この第2開閉弁26が閉弁していればバーナ12には一切ガスが供給されない。なお、鍋底センサ13にはマイクロスイッチ13aが設けられており、上述のようにフライパンFPなどの調理器具を載置して鍋底センサ13が押し下げられると、このマイクロスイッチ13aがオンになり、調理器具がバーナ12上に載置されたことを検知することができる。
【0024】
図3を参照して、ガスコンロ装置1内には制御部4が設けられており、上記電磁安全弁23の開弁保持および第1開閉弁24、第2開閉弁26の開閉、スパーカ15の作動を行うと共に、マイクロスイッチSW2およびマイクロスイッチ13aのオン信号の入力、および鍋底センサ13や熱電対14による温度検知信号の入力がされる。
【0025】
図4を参照して、制御部4による制御内容を説明する。点火操作を行う際には、通常の調理を行う場合であれば点消火ボタン2を押し操作し、調理器具が載置されていない状態での点火を行う場合には上記強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)を押し操作した状態で点消火ボタン2を押し操作する(以上、PS)。いずれの場合も、制御部4は未通電の状態であるので、制御部4はPSでどのような操作がされているのかを検知することはできない。
【0026】
点消火ボタン2が押し操作されると、その押し操作途中でSW1がオンになってその時点で制御部4に乾電池からの電力が投入される。すると、制御部4は直ちに強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)がオン状態であるかを確認する(S1a)。この強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)はモーメンタリ動作をするノンロックスイッチであり、押し操作している間だけオン状態になり、押し操作をやめるとオフ状態に戻るものである。通常の調理時には上述のように、強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)はオンされていない。
【0027】
ただし、強制点火スイッチ3がオン故障している場合には、押し操作していなくても強制点火スイッチ3はオン状態になっている。そこで、EEPROMのような不揮発性メモリを設け、この不揮発性メモリ内にオン故障が発生している旨が記憶されているか否かを判断することとした(S1b)。
【0028】
そして、オン故障情報が格納されていなければS100に進むが、あぶり高温スイッチ3がオンになっていない場合か、あるいは不揮発性メモリにオン故障情報が格納されている場合にはS2に進む。
【0029】
S2に進んで、マイクロスイッチ13a(鍋無し検知スイッチ)がオンになっているかを確認する。また、例え強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)を押し続けていても点火操作時に手を離したのでは、強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)を押さずに点火操作を行う通常の点火操作と同じになるので、S2に進む。ここで、マイクロスイッチ13a(鍋無し検知スイッチ)がオフであれば、調理器具を載置せずに点火操作がされたことになるので、バーナ12の点火は行わず、点火を禁止する(S3)これが点火禁止手段に相当する。
【0030】
一方、マイクロスイッチ13a(鍋無し検知スイッチ)がオンであれば、調理器具がバーナ12上に載置されているので、第1開閉弁24を開弁して火力を強火にすると共に第2開閉弁26を開弁して、さらにスパーカ15を作動させてバーナ12の点火を行う(S4)。熱電対14からの検知信号によってバーナ12の点火が確認されると(S5)、通常の火力制御(ND)に移行する。この通常の火力制御(ND)では、マイクロスイッチ13a(鍋無し検知スイッチ)を常に監視し(S6)、調理器具が持ち上げられてマイクロスイッチ13a(鍋無し検知スイッチ)がオフになると、通常の火力制御(ND)を抜けて第1開閉弁24を閉弁し、オリフィス25でガス流量を絞って火力を弱火にする(S8)。また、通常の火力制御(ND)では、強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)も常時監視しており、強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)が3秒間継続して押し操作されると、後述する高温の火力制御(HD)に移行する(S7)。
【0031】
なお、通常の火力制御(ND)で調理器具が持ち上げられ、その状態が60秒継続すると(S9)、鍋無しエラーとしてバーナ12を消火するが(S12)、60秒以内に調理器具が再度載置されると、第1開閉弁24を開弁して火力を強火に戻して、通常の火力制御(ND)に復帰する(S10,S11)。
【0032】
本フローの最初に戻り、制御部4に電源が投入された時点で強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)がオンになっていると、S100に進んで第1開閉弁24が開弁された状態での点火が行われる。なお、この状態ではまだ油過熱防止機能は通常モードに設定されている。この油過熱防止機能とは、鍋底センサ13で調理器具の鍋底温度を監視し、鍋底温度が過熱温度以上にならないように第1開閉弁24を開閉して火力を調節する機能である。
【0033】
続いて、強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)が3秒以上オン状態であれば(S101、S102)、上記油過熱防止機能によって温調される温度を引き上げ、高温炒め調理を行うことのできる高温モードに切り替える(S103)。そして、マイクロスイッチ13a(鍋無し検知スイッチ)がオフになったら火力を弱火にするという機能を解除して強火のままを保持する(S104)。このフローには示していないが、このような高温の火力制御(HD)は30分継続すると自動的にバーナ12を消火させる。また、高温の火力制御(HD)に移行している間は上記LED31を点灯もしくは点滅させて、高温の火力制御(HD)状態になることを報知する。
【0034】
高温の火力制御(HD)状態で強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)が押し操作されると(S105)、高温の火力制御(HD)を脱出して、油過熱防止機能を通常モードに戻した後(S106)、上述の通常の火力制御(ND)に移行する。なお、強制点火スイッチ3が15秒継続してオン状態であると、強制点火スイッチ3にオン故障が生じたいものと判断して不揮発性メモリにオン故障の発生を格納すると共に異常状態時の停止を行うこととした(S107、S108)。そして、オン故障が生じたと判断した場合には、ガスコンロ装置1に設けたランプまたはブザーなどによって、オン故障発生を報知する。
【0035】
また、上記S101で、3秒経過する前に強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)がオフになると、S5で着火確認をした後、通常の火力制御(ND)に移行するようにした。
【0036】
なお、この場合、S5に流れるのでは無く、点火操作時に限ってS3に流れて点火を禁止するように制御してもよい。
【0037】
ところで、上記不揮発性メモリをリセットするスイッチをガスコンロ装置に設け、このリセットスイッチを手動操作によって、上記不揮発性メモリに格納されているオン故障発生を消去できるようにしてもよい。
【0038】
さらに、上記強制点火スイッチがオン状態からオフ状態になれば、上記不揮発性メモリに格納されているオン故障発生を消去するようにしてもよい。
【0039】
ところで、図4に示すフローでは、S102で強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)が3秒継続して押し操作されることを確認する前に先行してS100でバーナ12に点火を行ったが、このタイミングでは点火を行わず、S102で強制点火スイッチ3(あぶり高温炒めSW)が3秒継続して押し操作されたことを確認した後でバーナ12に点火するように変更してもよい。
【0040】
また、上記S1bで不揮発性メモリにオン故障情報が格納されている場合にはS2に進んだが、その場合にS2に進まず、以後の点火を禁止するように制御してもよい。
【0041】
ところで、上記実施の形態では、強制点火スイッチ3が15秒継続してオン状態であると、強制点火スイッチ3にオン故障が生じたいものと判断して不揮発性メモリにオン故障の発生を格納するようにしたが、消火時点で強制点火スイッチ3がオン状態であれば、強制点火スイッチ3にオン故障が生じたいものと判断して不揮発性メモリにオン故障の発生を格納するようにしてもよい。
【0042】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0043】
1 ガスコンロ装置
2 点消火ボタン
3 強制点火スイッチ
4 制御部
12 バーナ
13 鍋底センサ
21 火力調節レバー
22 火力調節装置
23 電磁安全弁
24 第1開閉弁
25 オリフィス
26 第2開閉弁
図1
図2
図3
図4