(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0014】
電磁波照射容器1は、
図1に示すように、底壁の外縁から側壁が立ち上げられ上方に開口した容器本体13と、容器本体13に取付けられると共にテラヘルツ波12を放射する帯状の電磁波放射体11と、を備える。
【0015】
容器本体13は、本実施形態では、市場に一般に流通している瓶やアンプルやプラスチック製のボトル等が用いられるが、特に限定されない。
【0016】
容器本体13には、収容物14が収容される。収容物14は、本実施形態では、水、クエン酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸水といった液体であるが、他の液体や固体や粉体でもよく、特に限定されない。
【0017】
電磁波放射体11は、本実施形態では、容器本体13の側壁の外表面の全周に亘って取付けられる放射体本体11aを備える。放射体本体11aは、容器本体13の側壁の外表面の形状に沿って形が変形できるような材質と厚みで、形成されることが好ましい。放射体本体11aは、本実施形態では、アルミニウムで形成される。なお、放射体本体11aの材質は、アルミニウムに限られず、他の金属や合成樹脂が考えられるが、特に限定されない。放射体本体11aの厚みは薄い方が好ましく、放射体本体11aとして金属箔や合成樹脂製のフィルムやシール、といったものが考えられるが、特に限定されない。
【0018】
放射体本体11aは、本実施形態では、長尺な帯状に形成されるが、特に限定されない。また、放射体本体11aは、容器本体13から着脱し易くするために、容器本体13の底壁を覆っていないが、底壁を覆ってもよい。
【0019】
放射体本体11aは、本実施形態では、
図1に示すように、容器本体13の側壁の外表面の全面を覆う。なお、放射体本体11aは、容器本体13の側壁の外表面の一部だけに取付けられてもよく、特に限定されない。また、ここで、容器本体13の側壁の外表面の全面とは、厳密な意味での全面ではなく、放射体本体11aの上下方向の長さが容器本体13の側壁の上下方向の長さよりも短く形成されてもよい。また、放射体本体11aの長手方向の長さが容器本体13の側壁の全周の長さよりも短く形成されてもよい。
【0020】
また、放射体本体11aは、本実施形態では、容器本体13に一枚の放射体本体11aが容器本体13の側壁に取付けられているが、複数枚の放射体本体11aが容器本体13の側壁に取付けられてもよい。このとき、複数枚の放射体本体11aは、容器本体13の側壁の外表面の全面を覆うことが好ましい。この例として、上方に開口した直方体状の容器本体11aの四つの側壁の夫々の外表面に、四枚の放射体本体11aが接着されることが考えられる。
【0021】
なお、他の放射体本体11aが容器本体13の側壁に取付けられる例として、上方に開口した直方体状の容器本体11aの四つの側壁の対向する一対の側壁の外表面に、二枚の放射体本体11aが接着されることが考えられる。
【0022】
また、上記した放射体本体11aは容器本体13の側壁の外表面に取付けられるが、放射体本体11aは容器本体13の側壁の内表面に取付けられてもよい。
【0023】
放射体本体11aは、所定の周波数のテラヘルツ波12を放射することで収容物14にテラヘルツ波12を照射する。
【0024】
テラヘルツ波12は、0.1〜100THzの周波数を有する。テラヘルツ波12は、電波と光の中間領域の波長をもつ電磁波である。そのため、電波が持つ性質である物質透過性を有し、さらに光が持つ性質である直進性を有する。テラヘルツ波12の周波数は、多くの原子や分子の固有振動数とほぼ等しい。また、テラヘルツ波12は、布、紙、木、プラスチック、陶磁器を透過するが、金属や水は透過しない、という特性がある。
【0025】
放射体本体11aは、本実施形態では、後述する方法で発生したテラヘルツ波が放射体本体11aに所定時間照射されることで、所定の周波数のテラヘルツ波12を放射するようになる。テラヘルツ波を照射する所定時間は、2〜12時間である。テラヘルツ波は、液体や液状の金属には吸収され易く、固形状の物質には吸収され難いので、その物質に合わせて所定時間が決定される。なお、放射体本体11aにテラヘルツ波を照射する際、周囲の温度は20〜100℃であることが好ましい。
【0026】
ここで、テラヘルツ波を発生させる方法の例を以下に記載する。テラヘルツ波は、例えば、電気回路を用いて発生させる方法では、フェムト秒レーザー光を光伝導素子や光整流素子に照射して発生させることができる。また、テラヘルツ波は、例えば、アルミニウム、シリコン、ゲルマニウム、セラミックス等に低周波電力を加えることにより発生させることができる。なお、テラヘルツ波を発生させる方法は上記したものに限定されない。また、放射体本体11aの製造方法は上記した方法に限定されない。
【0027】
放射体本体11aは、他の製造方法として、例えば、テラヘルツ波を発生する物質を混合して形成することが考えられる。その製造方法の例を以下に記載する。
【0028】
作業者は、深成岩であるケイ酸塩鉱物(玄武岩、安山岩、等)をパウダー状にし、そのパウダーに活性炭を加える。作業者は、無酸素状態の空間で、そのパウダーを1200℃以上の温度で約十時間加熱し焼結させる。作業者は、この焼結させた物質を砕いてパウダー状にする。このパウダーを、物質に混合したり、物質に塗布したりすることにより、放射体本体11aが形成される。
【0029】
ここで、放射体本体11aが放射するテラヘルツ波12の所定の周波数は、32〜38THzであることが好ましい。これは、人体の固有振動数が約32〜38THzに近いため、この固有振動数に合わせたテラヘルツ波12を照射することにより、人体を構成する細胞を活性化し易いためである。
【0030】
放射体本体11aは、容器本体13に取付けるために、以下に記載する方法で容器本体13に着脱可能に取付けられる。
【0031】
放射体本体11aは、
図2Aに示すように、粘着テープ21を用いて容器本体13に取付られることが考えられる。
【0032】
作業者は、放射体本体11aの長手方向の一端部を粘着テープ21により容器本体13に貼り付ける。作業者は、容器本体13の側壁の外表面に沿って放射体本体11aを巻き付ける。作業者は、放射体本体11aの長手方向の他端部を、放射体本体11aの長手方向の一端部の外面に粘着テープ21により貼り付ける。
【0033】
放射体本体11aの取付けには、繰り返し着脱できる粘着テープ21を用いることが好ましい。これにより、電磁波放射体11を容器本体13から取り外して、別の容器に取付けることができる。この場合、電磁波放射体11では、引張り部31となる放射体本体11aの長手方向の他端部を摘み、放射体本体11aを容器本体13に巻き付けた方向とは逆方向に引張ることで、放射体本体11aの取付け状態が解除される。なお、粘着テープ21の種類は限定されるものではなく、電磁波放射体11の取付方法も限定されない。
【0034】
また、放射体本体11aは、
図2Bに示すように、弾性粘着剤22を用いて容器本体13に取付られることが考えられる。
【0035】
作業者は、放射体本体11aの長手方向の一端部の内面に弾性粘着剤22を塗布し、放射体本体11aの一端部を容器本体13に貼り付ける。作業者は、容器本体13の側壁の外表面に沿って放射体本体11aを巻き付ける。作業者は、放射体本体11aの長手方向の他端部に弾性粘着剤22を塗布し、放射体本体11aの一端部の外面に放射体本体11aの長手方向の他端部を貼り付ける。
【0036】
放射体本体11aを容器本体13に取付ける際には、繰り返し着脱ができる弾性粘着剤22が用いられることが好ましい。これにより、電磁波放射体11を容器本体13から取り外して、別の容器に取付けることができる。この場合、電磁波放射体11では、引張り部31となる放射体本体11aの長手方向の他端部を摘み、放射体本体11aを容器本体13に巻き付けた方向とは逆方向に引張ることで、放射体本体11aの取付け状態が解除される。なお、弾性粘着剤22の代わりに接着剤を用いてもよく、放射体本体11aの取付方法は特に限定されない。
【0037】
放射体本体11aは、長尺状のシュリンクフィルムで形成されてもよい。シュリンクフィルムは、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタラート、等で形成されるが、特に限定されない。シュリンクフィルムは、その性質として、加熱することにより収縮する。従って、放射体本体11aは、
図2Cに示すように、容器本体13の外面の全周に亘って密着させて取付けられる。
【0038】
シュリンクフィルムである放射体本体11aの取付けの方法を以下に記載する。
【0039】
作業者は、第一の放射体本体を敷いた上に容器本体13を横にした状態で置く。作業者は、容器本体13に第二の放射体本体を被せる。作業者は、第一の放射体本体と第二の放射体本体が重なり合う部分の内で余分な箇所を切断する。作業者は、第一の放射体本体と第二の放射体本体が重なり合う部分を溶接する。作業者は、溶接することで連結された第一の放射体本体と第二の放射体本体に熱風を当て加熱することにより、第一の放射体本体と第二の放射体本体を熱収縮させ容器本体13に密着させる。なお、シュリンクフィルムである電磁波放射体11の容器本体13への取付方法は、上記した方法に限定されない。
【0040】
放射体本体11aの容器本体13への取付けには、第一の放射体本体と第二の放射体本体が用いられ、溶接により連結されたものが放射体本体11aとなる。この放射体本体11aの溶接部分が、溶接部23となる。
【0041】
放射体本体11aには、放射体本体11aの短手方向に二本の切り込み線32が設けられる。放射体本体11aの二本の切り込み線32の間の部分の上端部を持ち、下方に引張ることで、放射体本体11aの一部が取り外され、放射体本体11aの連結が解除される。二本の切り込み線32が放射体本体11aに設けられることにより、放射体本体11aの連結を解除できるので、放射体本体11aの取付け状態を解除できる。これにより、電磁波放射体11は容器本体13に着脱可能に取付けられることができる。なお、切り込み線32の数は二本に限定されない。
【0042】
容器本体13に放射体本体11aが巻き付いている場合、容器本体13に取付けられた放射体本体11aを取り外す位置が分かり難いことが考えられる。そのため、
図2A,
図2B,
図2Cに示すように、放射体本体11aには、取り外す位置を示す目印11bが設けられることが好ましい。目印11bは、本実施形態では、直角三角形状となっているが、その形状は限定されない。目印11bは引張り部31や切り込み線32に隣接して設けられる。目印11bは、例えば放射体本体11aの長手方向の他端部に隣接するように放射体本体11aの一端部に設けられたり、放射体本体11aの他端部に設けられたりする。
【0043】
上記した構成の電磁波照射容器1では、電磁波放射体11が容器本体13に後付けできるので、市場に流通している一般的な容器を用いて、容器本体13内部の収容物14にテラヘルツ波12を照射することができる。
【0044】
図3に示す電磁波照射容器1は、微細気泡41を含有する液体42を収容した容器本体13と、容器本体13の側壁の外表面に取付けられテラヘルツ波12を照射する電磁波放射体11と、を備える。そして、この電磁波照射容器1に溜められた液体42はテラヘルツ波12が照射されることで洗浄液43となる。洗浄液43は、本実施形態では、洗顔や洗髪に使用されるが、その使用方法は限定されない。洗浄液43は、二酸化炭素の微細気泡41を含有する炭酸水であることが好ましい。なお、洗浄液43は炭酸水に限定されない。
【0045】
以下に、
図3に示す洗浄液43の生成方法を記載する。
【0046】
作業者は、第一の容器51にクエン酸粉末と水を入れクエン酸水溶液を作成する。次に、作業者は、第二の容器52に炭酸水素ナトリウム粉末と水をいれ炭酸水素ナトリウム水溶液を作成する。作業者は、第三の容器53に、第一の容器51に充填されているクエン酸水溶液と第二の容器52に充填されている炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぐ。第三の容器53では、中和反応が起こり、その過程で二酸化炭素が発生する。これにより、第三の容器53には、二酸化炭素の微細気泡41を含有する液体42が生成される。
【0047】
ここで、炭酸水素ナトリウム水溶液は弱アルカリ性であるので、酸性の皮脂や分泌物等の油性の汚れを中和することができる。さらに、二酸化炭素の微細気泡41が弾けることにより、肌に刺激を与え血行を良くしたり、皮脂や角質が取り除かれたりする。
【0048】
なお、加圧することにより二酸化炭素を容器本体13の内部の水に溶け込ませて炭酸水を生成してもよく、炭酸水の生成方法は特に限定されない。
【0049】
上記した炭酸水の生成において、第三の容器53に電磁波放射体11が取付けられる。このとき、第三の容器53内の炭酸水にテラヘルツ波12が照射され、炭酸水は洗浄液43になる。なお、第一の容器51に電磁波放射体11を取付け、第二の容器52にも電磁波放射体11を取付けてもよい。これにより、洗浄液43の洗浄力を向上させることができる。
【0050】
また、洗浄液43にはアルミナやシリカやカーボンといったミネラルが含有されることが好ましい。放射体本体11aが放射するテラヘルツ波12がミネラルに照射されることにより、ミネラルがテラヘルツ波12を放射することができる。従って、洗浄液43による洗顔の後も皮膚に残るミネラルが、テラヘルツ波12を肌に照射することができる。
【0051】
本実施形態の電磁波照射容器1は、以下のような構成を備える。
【0052】
電磁波照射容器1は、底壁の外縁から側壁が立ち上げられ上方に開口した容器本体13と、可撓性を有することで容器本体13に取付けられると共にテラヘルツ波12を放射する帯状の電磁波放射体11とを備える。電磁波放射体11から放射されたテラヘルツ波12は、容器本体13の内部に収容された収容物14に照射されることを特徴とする。
【0053】
これにより、市場に流通している一般的な容器に電磁波放射体11を取付け、容器本体13内の収容物14にテラヘルツ波12を照射することができる。
【0054】
本実施形態の洗浄液43の生成方法は、以下のような方法を用いる。
【0055】
電磁波照射容器1に微細気泡41を含有する液体42を溜め、液体42に電磁波放射体11から放射されるテラヘルツ波12を照射することにより、洗浄液43を生成することを特徴とする。
【0056】
これにより、洗浄液43の洗浄力を向上させることができる。
【0057】
また、液体が炭酸水であることが好ましい。
【0058】
これにより、一般的な家庭でも洗浄液43を生成することができる。