(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6410750
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】プリントデータの生成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/54 20060101AFI20181015BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20181015BHJP
B41J 2/21 20060101ALI20181015BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20181015BHJP
D06P 5/30 20060101ALN20181015BHJP
【FI】
H04N1/54
B41J2/525
B41J2/21
G06T1/00 510
!D06P5/30
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-47886(P2016-47886)
(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公開番号】特開2017-163443(P2017-163443A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2018年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151221
【氏名又は名称】株式会社島精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】太田 敦
(72)【発明者】
【氏名】楠戸 正明
【審査官】
鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−282205(JP,A)
【文献】
特開2009−231992(JP,A)
【文献】
特開2013−154513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/54
B41J 2/21
B41J 2/525
G06T 1/00
D06P 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布帛に顔料を含むインクによりプリントするプリントデータの生成装置であって、
画像を入力する画像入力部と、
入力画像を明度画像へ変換する明度変換部と、
明度画像を記憶する明度画像記憶部と、
入力画像をCMYK画像へ変換するためのプロファイルの記憶部と、
プロファイルに従い、入力画像をCMYK画像へ変換するCMYK変換部と、
CMYK画像、あるいはCMYK画像中のCMY成分から成るCMY画像を記憶する画像記憶部と、
明度画像と、CMYK画像あるいはCMY画像を独立して補正するための、画像補正部とカラーモニタ及びマニュアル入力手段と、
明度画像が白インク画像もしくは抜染剤の濃度画像として布帛にプリントされ、CMY画像あるいはCMYK画像中のCMY成分が布帛にプリントされるように、プリントデータを出力する出力部とを備える、ことを特徴とするプリントデータの生成装置。
【請求項2】
明度変換部は、入力画像を均一色空間での明度L*から成る明度画像に変換するように構成されていることを特徴とする、請求項1のプリントデータの生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、下地色を有する布帛に、顔料を含むインクによりプリントを施すための、プリントデータの生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下地色を有する布帛に白インクをプリントし、白インクの上からCMYK等のインクをプリントすることが知られている。この場合のインクは顔料を含むインクで、プリントにより布帛は厚くなり、また顔料は下地色を隠蔽する。
【0003】
特許文献1( US7134749)は、白インクを布帛にべた塗りに厚くプリントし、下地色を白に近い均一な色にした後に、CMYK等のプリントを施すことを開示している。例えば濃色の下地色のTシャツの場合、プリントする領域の全面に白インクをプリントして下地色を消し、その上部から所望の画像をCMYK等によりプリントする。しかしながら、均一に厚い白インクをプリントするので、布帛は厚くゴワゴワとした感触になり、また多量のインクを必要とする。
【0004】
特許文献2(JP4715548)は、布帛の下地色に相当するインクを使用せずに、プリントすることを提案している。下地色を黒と仮定して、CMY-Wの4成分によりプリントするモデルを
図6に示す。
図6の上部ほどプリントする画像は明るいものし、下部のハッチングを施した領域は黒とみなして、下地色の黒をそのまま利用し、インクをプリントしない。ハッチングを施した領域と、それよりも明るい領域との境界をpとする。境界pよりも明るい領域では、CMYインクあるいはCMY-Wインクによるプリントを施し、プリントしたインクで黒の下地色が隠蔽されるので、プリント後の明度は下地色よりも明るくなる。
【0005】
Tシャツの下地色の染色の程度は、ロットによって、またプリントまでの前処理等によって変化し、下地色はTシャツの1枚1枚で異なる。また入力画像をプリント画像に変換するプロファイルは、下地色に応じて定める必要がある。しかしプロファイルの作成は手間を要する作業なので、下地色に応じて境界pの位置を定めることは難しい。これらのため境界pで明度が不連続になることがあり、例えば下地色が想定よりも明るい場合、プリントした画像は境界pの下側が上側よりも明るくなることがある。逆に下地色が想定よりも暗いと、境界pの下側でプリントした画像が上側と不連続に暗くなる。
【0006】
境界pで明度が不連続になることを防ぐため、下地色をそのまま利用するのではなく、例えば
図6の境界pよりも暗い領域では、KあるいはCMYKによりプリントすることが考えられる。しかしこのようにするとインクの使用量が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US7134749
【特許文献2】JP4715548
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の課題は、プリントした画像で明度が不連続にならず、またインク使用量を少なくし、さらに多量のインクのために布帛がゴワゴワにならないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、布帛に顔料を含むインクによりプリントするプリントデータの生成装置であって、
画像を入力する画像入力部と、
入力画像を明度画像へ変換する明度変換部と、
明度画像を記憶する明度画像記憶部と、
入力画像をCMYK画像へ変換するためのプロファイルの記憶部と、
プロファイルに従い、入力画像をCMYK画像へ変換するCMYK変換部と、
CMYK画像、あるいはCMYK画像中のCMY成分から成るCMY画像を記憶する画像記憶部と、
明度画像と、CMYK画像あるいはCMY画像を独立して補正するための、画像補正部とカラーモニタ及びマニュアル入力手段と、
明度画像が白インク画像もしくは抜染剤の濃度画像として布帛にプリントされ、CMY画像あるいはCMYK画像中のCMY成分が布帛にプリントされるように、プリントデータを出力する出力部とを備える、ことを特徴とする。
【0010】
CMYK画像はCMYとKの4成分を含む画像を意味し、CMYKRB画像(CMYKに赤Rと青Bを追加)あるいはCMYKRBO画像(CMYKに赤Rと青B及びオレンジOを追加)等でも良い。同様にCMY画像はCMYの3成分を含む画像を意味し、CMYRB画像(CMYに赤Rと青Bを追加)あるいはCMYRBO画像(CMYに赤Rと青B及びオレンジOを追加)等でも良い。ただし黒Kを含むものはCMY画像には含めず、黒インクは基本的に使用しない。白インクのプリントは抜染剤のプリントと同等で、白インク画像を抜染剤の濃度を表す画像に置き換えても良い。
【0011】
CMYK画像はCMY画像としてプリントし、K成分は下地色で表現される。CMYK画像を記憶して必要に応じて補正した後に、CMYK画像中のCMY成分を抽出してCMY画像としても良い。あるいはCMYK画像を最初からCMY画像として記憶し、必要に応じて補正しプリントしても良い。なお入力画像を明度画像とCMY画像とに変換すると、明度が暗い領域をCMYの混色で表現することになるため、インク量が増す。このため入力画像をCMYK画像に一旦変換し、CMYK画像を介してCMY画像を生成する必要がある。
【0012】
プリント対象の布帛は、黒色あるいは視覚的に黒に近い下地色を有するものが適している。またプリントデータの生成装置は、布帛にプリントを施すカラープリンタと一体でも、別体でも良い。
【0013】
この発明では、画像入力部から入力された入力画像をCMYK画像と明度画像とに変換し、明度画像に従って白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像を生成する。そして白インクによりあるいは抜染剤により、下地色を隠蔽あるいは抜染し、その上部からCMYK画像中のCMY成分をプリントする。白インクは好ましくはCMYインクのプリント前にプリントするが、抜染剤はCMYインクの前にプリントしても同時にプリントしても良い。
【0014】
この発明では、白インク画像も抜染剤の濃度画像も、下地色には直接には依存せず、入力画像の明度に依存する。またCMY画像も、下地色には直接には依存せず、入力画像に依存する。なお入力画像を白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像とCMYK画像へ変換するプロファイルを下地色に応じて定めることにより、これらの画像が間接的に下地色に依存することはある。しかしプロファイルが定まると、白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像とCMYK画像は下地色には依存しなくなる。このことを、画像が下地色に直接には依存しないと呼ぶ。
【0015】
下地色に直接に依存して白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像やCMY画像を生成するのではないので、1枚ごとに下地色が変化しても、あるいは下地色が想定から外れていても、プリントした画像には明度の不連続性は生じない。また入力画像が暗い領域では、白インクあるいは抜染剤の使用量を少なくする。さらにCMYK画像をCMY画像としてプリントするので、基本的に黒インクは使用しない。これらのため、
・ プリントした画像に明度の不連続性は生じず、
・ インクあるいはインクと抜染剤の使用量を少なくできるので、プリントのコストを節減でき、
・ 多量のインクを使用しないため、布帛がゴワゴワになることを防ぐことができる。
【0016】
下地色に直接に依存せずに、白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像とCMY画像を生成するので、下地色が想定から大きく異なると、プリントした画像と入力画像との違いが大きくなる。このことに対して、この発明では、プロファイルを変更するのではなく、白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像と、CMYK画像あるいはCMY画像をカラーモニタに表示し、マニュアル入力手段からの入力に従って、画像補正部によりこれらの画像を独立に補正できるようにする。
【0017】
この補正は、プリントした画像を入力画像に近づけるための補正としても行えるが、実際にはプリントした画像を操作者の判断に従って変更する補正である。そしてこの補正では、明度画像のヒストグラムや、CMYKあるいはCMYの成分毎の画像のヒストグラムを変更する、明度画像やCMYK画像、CMY画像を鮮鋭化あるいは平滑化する、CMYK画像、あるいはCMY画像の色相を変更する、明度画像やCMYK画像、CMY画像のエッジを強調あるいは平滑化するなどの、所望の画像処理を行うことができる。即ち、プリントした画像を入力画像に忠実にするために補正するというよりも、布帛にプリントした画像を操作者の判断で最適化するように補正する。仮に下地色に直接に依存せずに、白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像とCMY画像等を生成したことに問題がある場合、補正の過程で問題を解消できる。
【0018】
以上のように、この発明では、インクの使用量を少なくでき、かつ布帛が厚くゴワゴワになることを防ぐことができる。また下地色に直接に依存せずに白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像とCMY画像を生成するので、明度が不連続になることがない。
【0019】
好ましくは、明度変換部は、入力画像を均一色空間(L*a*b*、L*u*v*等)での明度L*から成る明度画像に変換する。均一色空間での明度L*は、HLS等の他の色空間での明度Lに比べ、人の視覚に沿った明度である。このため適切な白インク画像あるいは抜染剤の濃度画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】プリントデータの生成アルゴリズムを示すフローチャート
【
図3】入力画像から明度画像への変換を示し、a)は入力画像を白黒で表示したものを、b)はHLSでのL画像を、c)はL*a*b*でのL*画像を示す
【
図4】L*画像から白インク濃度の画像への変換を示す図
【
図5】RGB画像をCMYK画像へ変換し、CMYK画像中のCMY成分に従ってプリントすることを示す図
【
図6】比較例での、CMY−Wによるプリントする領域と、下地色をそのまま使う領域との境界pを示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、発明を実施するための最適実施例を示す。
【実施例】
【0022】
図1に実施例のプリントデータの生成装置2を示し、4はカラープリンタで、生成装置2と一体でも別体でも良い。6は画像入力部で、カラー画像を読み取るスキャナ、インターネット等から画像ファイルを受信する通信部、USBメモリ等から画像ファイルを読み取るドライブなどで構成し、生成装置2へ画像を入力する。プロファイルメモリ7は、入力画像をCMYK画像へ変換するデータから成るプロファイルを、1個あるいは複数個記憶する。
【0023】
CMYK変換部8は、プロファイルに従い入力画像をシアンC、マゼンダM、イエロウY、黒Kの4成分からなるCMYK画像に変換し、L*変換部9は入力画像をL*a*b*あるいはL*u*v*等の均一色空間での明度成分L*に変換する。L*a*b*あるいはL*u*v*でも、入力画像が同じであれば、L*の画像もほぼ同じである。CMYK画像をメモリ10に、L*から成る明度画像をメモリ12に記憶する。
【0024】
14はヒューマンインターフェースで、カラーモニタ15,キーボード16,マウス17等から成り、マウス17の変わりにトラックボール等を用いても良い。カラーモニタ15に明度画像、あるいはCMYK画像、もしくはCMYK画像中のCMY成分から成るCMY画像を表示し、操作者はキーボード16,マウス17等により、画像をどのように補正するかを入力する。
【0025】
キーボード16,マウス17等からの入力に従い、画像補正部20により、明度画像、あるいはCMYK画像、もしくはCMYK画像中のCMY成分から成るCMY画像を補正する。階調変換部21は明度画像、CMYK画像あるいはCMY画像のヒストグラムに対し、圧縮、伸長等を施す。色相変換部22はCMYK画像あるいはCMY画像の色相を変更し、彩度変換部23はCMYK画像あるいはCMY画像の彩度を変更する。鮮鋭化部24は明度画像、CMYK画像、あるいはCMY画像を鮮鋭化し、平滑化部25は逆にこれらの画像を平滑化する。これらは画像の補正の例で、補正の種類は任意であり、階調変換部21〜平滑化部25は画像補正部20の一部である。
【0026】
画像の補正は、領域を指定して、領域毎に行うことができ、領域指定部26は操作者の入力に従い、画像を補正する領域を、明度あるいはCMYK等の補正する画像の種類と共に指定する。補正後の画像をメモリ10,12に書き戻し、出力部30からメモリ10,12の画像データをプリントデータとしてカラープリンタ4へ出力する。なお出力部30で、画像をインク濃度に変換するための補助的な変換を行っても良い。
【0027】
カラープリンタ4では、CMYKのプリントヘッド31と白Wのプリントヘッド32とが、ベッド33上を移動して、図示しない布帛にプリントする。プリントヘッド31はCMYの3成分のプリントヘッドでも良い。白のプリントヘッド32に代えて、抜染剤のプリントヘッドを設けても良く、またプリントヘッド31のK成分用のノズルから抜染剤あるいは白インクをプリントしても良い。白インクあるいは抜染剤をCMYインクのプリント前にプリントすることが好ましいが、同時にプリントしても良い。
【0028】
図2にプリントデータの生成アルゴリズムを示す。ステップ1で、RGBの3成分から成るデータをCMYKの4成分から成るデータ変換するためのプロファイルを作成し、このプロファイルでは下地色を白と仮定する。プリントはTシャツ、壁掛け等の布帛を対象とし、下地色は黒とし、多数枚のプリントを行う。ステップ2でRGBから成る入力画像をCMYK画像へ変換し、ステップ3でRGB画像を例えばL*a*b*画像へ変換する。この画像は、後のプリントで、CMY画像の下地となるので、アンダーベース画像(UB画像)と呼ぶ。
【0029】
入力画像から明度画像への変換を
図3に示す。a)は入力画像を白黒で表現したもので、紫P,赤R,黄Y,緑G,青B等の成分を備えている。a)の画像を色空間HLSでの明度Lに変換すると、b)のようになり、視覚とは異なる明度となる。これに対して均一色空間L*a*b*での明度L*に変換すると、c)のように視覚と一致する明度の画像が得られる。
【0030】
図4は明度画像から白インク濃度の画像への変換を示す。図の直線のように明度L*に比例するように白インク濃度を定めても、あるいは鎖線のように明度L*の両端付近で白インク濃度の変化を抑制しても良く、変換の種類は任意である。
【0031】
図2に戻り、1枚目の布帛には、補正の要否の判断基準となるプリント結果が無いので、ステップ4で補正不要とし、ステップ7,8で布帛にプリントする。ステップ9でプリントの良否を操作者が判断し、プリントが不良で補正が必要であれば、ステップ4へ戻り、ステップ5でUB画像を補正し、ステップ6でCMYK画像を補正する。UB画像の補正とCMYK画像の補正は、独立して行う。そしてステップ7,8で次の布帛にプリントし、プリントが良好であれば、ステップ10で多数枚から成る残りの布帛にプリントする。
【0032】
実施例でのプリントのモデルを
図5に示す。図から明らかなように、下地色はプリントデータには直接には関係しない。下地色の黒によりCMYK画像中のK成分を表現し、これに対応してUB画像での白インク濃度等を低下させる。また、ある境界でプリントを中止し、下地色に切り替える等ではないので、プリントした画像に明度の不連続性は生じない。仮にプリントした画像に不都合な点があれば、UB画像あるいはCMYK画像等を補正して、不具合を解消できる。実施例では、黒インクを使用せず、白インクあるいは抜染剤をCMYK画像中のK成分の補色として使用する。これらのため、インクの使用量が少ない。従って、プリント後の布帛は厚くならず、またゴワゴワにもならない。
【0033】
実施例では、CMYK画像を補正した後にCMYK画像からCMY画像を抽出したが、最初にCMYK画像からCMY画像を抽出してCMY画像を補正しても良い。なお特に黒を表現する必要がある領域、例えばKの値が最大値の255に近い領域で黒インクを追加しても良い。
【符号の説明】
【0034】
2 プリントデータの生成装置
4 カラープリンタ
6 画像入力部
7 プロファイルメモリ
8 CMYK変換部
9 L*変換部
10,12 メモリ
14 ヒューマンインターフェース
15 モニタ
16 キーボード
17 マウス
20 画像補正部
21 階調変換部
22 色相変換部
23 彩度変換部
24 鮮鋭化部
25 平滑化部
26 領域指定部
30 出力部
31,32 プリントヘッド
33 ベッド