特許第6410801号(P6410801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6410801結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6410801
(24)【登録日】2018年10月5日
(45)【発行日】2018年10月24日
(54)【発明の名称】結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20181015BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20181015BHJP
   B23K 1/005 20060101ALI20181015BHJP
【FI】
   H01L31/04 570
   B23K1/00 K
   B23K1/00 330D
   B23K1/005 A
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-513217(P2016-513217)
(86)(22)【出願日】2014年5月14日
(65)【公表番号】特表2016-524323(P2016-524323A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】CN2014077421
(87)【国際公開番号】WO2014190854
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2015年11月13日
【審判番号】不服2017-12184(P2017-12184/J1)
【審判請求日】2017年8月16日
(31)【優先権主張番号】201310198021.4
(32)【優先日】2013年5月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515317145
【氏名又は名称】蘇州易益新能源科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】季静佳
(72)【発明者】
【氏名】朱凡
(72)【発明者】
【氏名】覃楡森
【合議体】
【審判長】 恩田 春香
【審判官】 小松 徹三
【審判官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−4270(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/105510(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00 - 31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法であって、結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法は上下の加圧層の間の気体絶対圧力を大気圧より小さくし、大気圧の圧力によって、上下の加圧層の作用で、上下の加圧層の間の導電はんだリボンを同様に上下の加圧層の間にある結晶シリコン太陽電池の電極に均一に密着させ、レーザー溶接技術を使用して導電はんだリボンと結晶シリコン太陽電池とを溶接し、それは、
1)、加圧層を設置するステップと、
2)、導電はんだリボン及び結晶シリコン太陽電池を少なくとも1つずつ下加圧層に設置し、かつ導電はんだリボンを、溶接される結晶シリコン太陽電池の電極に位置合わせするステップと、
3)、導電はんだリボンと結晶シリコン太陽電池に上加圧層を設置するステップと、
4)、導電はんだリボンと結晶シリコン太陽電池の電極との間の接触表面におけるいずれか一点も均一で強力な物理接触が発生するように、上下の加圧層の間を真空化するステップと、
5)、レーザー溶接するステップと、を含み、
前記下加圧層及び上加圧層は、それぞれ一層の剛性材料の固体薄板と一層の弾性材料の固体薄板とが積層されてなり、
前記下加圧層及び上加圧層において、少なくとも1つの加圧層はレーザーが透過可能なものである
ことを特徴とする結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【請求項2】
前記下加圧層又は上加圧層は結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料が積層されてなり、或いは下加圧層及び上加圧層は共に結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【請求項3】
導電はんだリボン及び結晶シリコン太陽電池を少なくとも1つずつ下加圧層に設置するのは、1つの結晶シリコン太陽電池モジュールに必要なすべての結晶シリコン太陽電池及び対応する導電はんだリボンを順次に下加圧層に設置することであることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【請求項4】
前記真空化は上加圧層と下加圧層との間の絶対気体圧力を大気圧より小さくすることを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【請求項5】
前記レーザー溶接は、レーザーが加圧層を通過して導電はんだリボンと結晶シリコン太陽電池の電極との溶接を実施することを特徴とする請求項1に記載の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【請求項6】
前記レーザー溶接はレーザーが加圧層を透過して結晶シリコン太陽電池の正電極に密着された導電はんだリボン、又は負電極に密着された導電はんだリボンに照射し、該結晶シリコン太陽電池の正電極又は負電極に対してレーザー溶接を実施することを特徴とする請求項1、3、4又は5に記載の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【請求項7】
前記レーザー溶接はレーザーが加圧層を透過して結晶シリコン太陽電池の正電極に密着された導電はんだリボン及び負電極に密着された導電はんだリボンに照射し、かつ該結晶シリコン太陽電池の正電極及び負電極に対してレーザー溶接を実施することを特徴とする請求項1、3、4又は5に記載の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【請求項8】
前記レーザー溶接は導電はんだリボンが結晶シリコン太陽電池の電極に均一に密着した形を維持できる状態で、一部或いは全部の該結晶シリコン太陽電池モジュールにおける結晶シリコン太陽電池の連結を完成することを特徴とする請求項1、3、4又は5に記載の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に結晶シリコン太陽電池の連結方法に関する。本発明は結晶シリコン太陽電池の連結方法を提供し、本発明の結晶シリコン太陽電池の連結方法を使用し、通常の結晶シリコン太陽電池の溶接過程において現した結晶シリコン太陽電池の曲げ及び割れ問題を解決する。従って、本発明の結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法を採用し、必要である厚さの導電はんだリボンを使用し、電池からモジュールまでの損失問題を解決することができる。
【背景技術】
【0002】
結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法は、まず、結晶シリコン太陽電池モジュールの設計に従って、導電はんだリボンによって結晶シリコン太陽電池を並列又は直列の方式で連結させ、その後にホットプレスパッケージによって連結した結晶シリコン太陽電池を前後の2つのモジュールパネルにパッケージし、結晶シリコン太陽電池モジュールの使用過程において防風、防塵、防湿や防食などの条件に対する要求を満足する。
【0003】
熱膨張係数の差により、結晶シリコン太陽電池の電極に導電はんだリボンを溶接した後に、結晶シリコン太陽電池は異なる程度の曲げを生じ、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造に大きな困難を引き起こす。ひどい問題は、連結された結晶シリコン太陽電池が、導電はんだリボンの作用で、割れやすくなり、結晶シリコン太陽電池モジュールの光電変換効率を低下させることである。
【0004】
以上のような2つの問題を解決するための効果的な方法の1つは、導電はんだリボンの厚さを低減させることである。導電はんだリボンの厚さが低減された後に、導電はんだリボンがより柔軟になり、結晶シリコン太陽電池が導電はんだリボンに溶接された後に、その曲げ及び割れ問題も明らかに改善されることができる。
【0005】
しかしながら、導電はんだリボンの厚さを低減させた後に、導電はんだリボンの導電断面積が低減されるので、結晶シリコン太陽電池モジュールの直列抵抗が増大し、最終に結晶シリコン太陽電池から結晶シリコン太陽電池モジュールまでのパワー損失を引き起こす。既存の結晶シリコン太陽電池モジュールの製造において、この結晶シリコン太陽電池から結晶シリコン太陽電池モジュールまでの光電変換効率の損失が3〜5%の間に介在する。結晶シリコン太陽電池の光電変換効率の向上に伴って、特に結晶シリコン太陽電池の短絡電流の向上に伴って、この結晶シリコン太陽電池から結晶シリコン太陽電池モジュールまでの光電変換効率の損失はひどくなりつつある。
【0006】
結晶シリコン太陽電池から結晶シリコン太陽電池モジュールまでの光電変換効率の損失を解決する方法の1つは、伝統の加熱溶接技術を代わりにレーザー溶接技術を採用することである。伝統の溶接技術に対して、レーザー溶接技術は加熱時間が短く、入熱が精確で制御可能であり、熱影響部が小さいなどのメリットを有し、熱膨張係数の違いによる結晶シリコン太陽電池の曲げ及び割れ問題を効果的に回避することができる。レーザー溶接技術は熱膨張係数の違いによる結晶シリコン太陽電池の曲げ及び割れ問題を効果的に回避することができるので、レーザー溶接技術を採用した後に、導電はんだリボンの厚さを増加することで、結晶シリコン太陽電池から結晶シリコン太陽電池モジュールまでの光電変換効率の損失を効果的に低減させることができる。
【0007】
導電はんだリボンを結晶シリコン太陽電池に溶接させる条件の1つは、導電はんだリボンが必ず結晶シリコン太陽電池の電極に密着されることである。導電はんだリボンが結晶シリコン太陽電池の電極に密着される主な目的は、導電はんだリボンの熱エネルギができるだけ速く結晶シリコン太陽電池の電極に伝達し、溶融合金が結晶シリコン太陽電池の電極を湿潤させ、その後に結晶シリコン太陽電池の電極に冷却して凝固し、最終に導電はんだリボンと結晶シリコン太陽電池とを溶接連結する目的を実現することである。
【0008】
レーザー溶接が非接触式溶接であるので、導電はんだリボンが結晶シリコン太陽電池の電極に密着される方法はレーザー溶接技術によって結晶シリコン太陽電池を連結することができるかどうかのキーの1つである。特許出願CN101884114Aには導電はんだリボンが結晶シリコン太陽電池の電極に密着される方法を開示している。導電はんだリボンの表面及び結晶シリコン太陽電池の電極の表面は非常に平坦であるものではないので、該貼り合せ方法は局所領域に導電はんだリボンが結晶シリコン太陽電池の電極に密着されない状況を発生し、従ってレーザー溶接の信頼性を影響する。
【0009】
以上の問題により、レーザー溶接技術は実験室研究段階に留まり、昔から結晶シリコン太陽電池モジュールの製造に応用されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のような従来技術の欠陥について、本発明はレーザー溶接技術を採用して結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する方法を提供する。
【0011】
本発明の目的は導電はんだリボンを結晶シリコン太陽電池の電極に密着させる方法を求めており、該方法は導電はんだリボンの点ごとに受けている圧力をいつでも一致に保持することを確保することができ、最終に導電はんだリボンにおける各点がいずれも結晶シリコン太陽電池の電極と良好的で、均一的に接触することを確保した。
【0012】
本発明の他の目的は、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法を求めることであり、該方法は結晶シリコン太陽電池がモジュールの製造過程において移動される回数を低減させることができ、結晶シリコン太陽電池が移動される過程において割れの発生リスクを低減させる。
【0013】
本発明の最後の目的は、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法を求めることであり、該方法は操作ステップを大幅に簡略化させることができ、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造效率を向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を実現するために、本発明は結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法を開示しており、より具体的には、本発明はレーザー溶接技術を利用して結晶シリコン太陽電池を連結して結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する方法を開示している。本発明のレーザー溶接技術を利用して結晶シリコン太陽電池を連結して結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する方法において、上下の2つの加圧層の間に真空化し、大気圧の作用で、上下の2つの加圧層によって、導電はんだリボンに均一に加圧し、導電はんだリボンを結晶シリコン太陽電池の電極に密着させ、レーザー溶接技術によって、結晶シリコン太陽電池モジュールにおける結晶シリコン太陽電池を直列や、並列、直並列の方式で連結する。
【0015】
本発明は大気圧力が加圧された面積のいずれかの一点における圧力が均一で一致である特徴を利用し、固体薄板又は固体薄板層、例えば、剛性材料の固体薄板や、弾性材料の固体薄板、二種の材料の固体薄板の重畳層によって、導電はんだリボンの1つの表面に均一的な圧力を印加し、導電はんだリボンの別の表面と結晶シリコン太陽電池の電極表面との間のいずれの一点が均一で強力な物理接触があり、導電はんだリボンを結晶シリコン太陽電池の電極に密着させる目的を実現する。該均一で強力的な物理接触は、レーザー溶接過程において、導電はんだリボンがレーザーのエネルギーを受けた後に熱を接触された結晶シリコン太陽電池の電極に速く伝達させることができ、導電はんだリボンにおける低溶解温度合金が溶融した後に湿潤し、かつ冷却した後に結晶シリコン太陽電池の電極に凝固され、レーザー溶接ステップを効果的に完了することを保証する。
【0016】
本発明は、結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接連結方法を提供する。該方法はレーザー溶接技術を採用し、結晶シリコン太陽電池モジュールの結晶シリコン太陽電池を、導電はんだリボンによって、直列又は並列の形式で連結する。
【0017】
本発明は、本発明の加圧方法によって、太陽電池モジュールにおいて、すべての導電はんだリボンのいずれかの一点に受けている圧力が均一であるというメリットを有する。或いは、本発明の加圧方法は、導電はんだリボンのいずれかの一点も局所の圧力差を有しない。本発明の加圧方法は、レーザー溶接技術が結晶シリコン太陽電池モジュールの製造において応用されることを保証するキーの1つである。導電はんだリボンの表面及び結晶シリコン太陽電池の電極の表面は平坦な表面ではないので、導電はんだリボンに印加された圧力の均一性が特に重要である。均一ではない圧力は局所の圧力が大きすぎる問題を生じさせる可能性があり、結晶シリコン太陽電池の割れを引き起こし、或いは局所の圧力が小さすぎる現象を生じる可能性があり、導電はんだリボンが結晶シリコン太陽電池電極に密着されないことを引き起こし、レーザー溶接の品質を影響する。
【0018】
本発明のもう1つのメリットは、本発明の加圧方法が1つの結晶シリコン太陽電池モジュールにおけるすべての導電はんだリボンに対してワンタイムに加圧することができ、すなわち、本発明の加圧方法は1つのモジュールにおけるすべての溶接される導電はんだリボンを結晶シリコン太陽電池の電極に同時に密着させることができることである。そのほかの加圧方法に対して、本発明の方法は加圧操作ステップを簡略化させるだけでなく、すべての導電はんだリボンにおける圧力が均一であり、溶接点ごとの溶接品質を効果的に保証する。
【0019】
本発明の導電はんだリボンに対する加圧方法は面積に制限されず、或いは、本発明の加圧方法は結晶シリコン太陽電池モジュール全体のすべての溶接される導電はんだリボンに対してワンタイムに加圧を行うことができる。そのため、本発明のもう1つのメリットは、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造過程において結晶シリコン太陽電池が複数回移動される欠点を回避することである。本発明のレーザー溶接技術は、1つの結晶シリコン太陽電池モジュールのすべての結晶シリコン太陽電池と相応した導電はんだリボンとをワンタイムに整えることができ、本発明のレーザー溶接を実施した後に、結晶シリコン太陽電池モジュールに対してホットプレスパッケージステップを直接的に実施することができ、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造效率を大幅に向上させる。
【0020】
本発明のレーザー溶接方法は1つの結晶シリコン太陽電池モジュールのすべての結晶シリコン太陽電池と相応した導電はんだリボンとをワンタイムに整えることができ、結晶シリコン太陽電池が複数回移動されることにより割れを発生するリスクを完全に根絶し、そのため、本発明のもう1つのメリットは、本発明の結晶シリコン太陽電池モジュールの方法が比較的厚い導電はんだリボンを採用することができることである。結晶シリコン太陽電池モジュールは比較的厚い導電はんだリボンを使用した後に、結晶シリコン太陽電池モジュールの直列抵抗を低下させ、結晶シリコン太陽電池から結晶シリコン太陽電池モジュールまでの損失を低減させ、結晶シリコン太陽電池モジュールの出力パワーを向上させる。
【0021】
本発明のレーザー溶接方法は比較的厚い導電はんだリボンを使用して太陽電池モジュールを製造することができるだけでなく、無鉛の導電はんだリボンを使用して太陽電池モジュールを製造することもできる。有鉛の導電はんだリボンに比べて、無鉛の導電はんだリボンを使用するのが高い溶接温度が必要であるだけでなく、鉛フリーはんだの流動性が悪く、かつ極めて容易に酸化されるので、伝統の溶接方法を採用すると無鉛導電はんだリボンを使用することが困難である。本発明のレーザー溶接方法は導電はんだリボンを均一に太陽電池の電極に密着させ、導電はんだリボンと太陽電池の金属電極との間の効果的な熱伝達を増加し、無鉛導電はんだリボンの流動性が悪いので引き起こす問題を解決するだけでなく、かつ本発明のレーザー溶接方法は真空の条件でレーザー溶接を実施し、鉛フリーはんだの極めて容易に酸化する問題を効果的に解決する。そのため、本発明のレーザー溶接を実施する時に、無鉛導電はんだリボンを使用しても、レーザー溶接の温度を最低に低下させることができる。
【0022】
本発明のレーザー溶接によって結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する製造方法は、大部分の結晶シリコン太陽電池に適用し、特にそれらの溶接温度に敏感である結晶シリコン太陽電池に適用する。レーザー溶接技術を採用するので、加熱される結晶シリコン太陽電池は有限の加熱面積及び極めて短い加熱時間に制限され、そのため、それらの溶接温度に敏感である結晶シリコン太陽電池がレーザー溶接された後に、その光電変換の特性が破壊されることがしない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は両面電極の結晶シリコン太陽電池モジュールの実施例の模式図である。
図2図2は上下の2つの加圧層の間に真空を発生させる方法及びレーザー溶接を実施する実施例の断面図である。
図3図3は単一面電極の結晶シリコン太陽電池モジュールの実施例の模式図である。
図4】4は上下の2つの加圧層の間に真空を発生させる方法及び単一面レーザー溶接を実施する一例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照し、本発明をさらに詳しく説明することができる。明らかに、これらの説明は本発明を制限するためのものではない。本発明の精神及びその実質を逸脱しない範囲で、当業者は本発明に基づいてそのほかの相応した組合せや、変更、修正を行うことができる。これらの相応した組合せや、変更、修正は、本発明の請求項の保護範囲に属している。
【0025】
本発明の結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法は上下の2つの加圧層の間の絶対気体圧力を大気圧より小さく、上下の2つの加圧層の外部が受け大気圧の圧力によって、上下の2つの加圧層の間の導電はんだリボンを同様に上下の2つの加圧層の間にある結晶シリコン太陽電池の電極に均一に密着させる。図1の実施例において、上加圧層および下加圧層はそれぞれ1つの剛性材料の固体薄板と1つの弾性材料の固体薄板とが積層されてなる。
【0026】
図1を参照し、まず、下加圧層における剛性材料固体薄板110を作業台に設置する。需要及び用途によって、該作業台の台面が水平の作業台面であっでもよく、一定の傾斜角度を有する作業台面であっでもよい。本発明の好ましい作業台面はレーザー溶接を実施することができる作業台面である。このように、本発明の太陽電池モジュールを製造するのに必要である材料をすべて設置した後に、本発明のレーザー溶接ステップを直接的に実施することができる。
【0027】
本発明の下加圧層における剛性材料固体薄板110はレーザー透過することができるものであっでもよく、レーザー透過することができないものであっでもよい。本発明のこの好ましい下加圧層における剛性材料固体薄板110の材料はガラスであっでもよく、レーザー透過可能な高分子プラスチックであっでもよい。さらに、本発明の好ましい下加圧層における剛性材料固体薄板110は製造しようとする結晶シリコン太陽電池モジュールのうちの1つのパネルであり、例えば、ガラスである。製造しようとする結晶シリコン太陽電池モジュールのうちの1つのパネルを直接的に選択して本発明の好ましい下加圧層における剛性材料固体薄板110とする目的は、本発明のレーザー溶接ステップを実施した後に、溶接連結した結晶シリコン太陽電池モジュールはホットプレスパッケージされることができ、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造ステップを簡略化、かつ結晶シリコン太陽電池の割れの発生リスクを回避することができることである。
【0028】
該実施例において、剛性材料固体薄板110の以外に、下加圧層には一層の弾性材料固体薄板210をさらに含み、すなわち、下加圧層が一層の剛性材料の固体薄板と一層の弾性材料の固体薄板から構成される。下加圧層における剛性材料固体薄板110に一層の弾性材料固体薄板210を設置している。その後の真空化ステップにおいて、弾性材料固体薄板210の弾性特性は導電はんだリボン310が下加圧層における剛性材料固体薄板110の作用でより均一に圧力を受ける。本発明の好ましい弾性材料固体薄板210は結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料であっでもよい。弾性材料固体薄板210が結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料、例えば、ポリエチレン‐酢酸ビニル(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)などを採用すると、本発明のレーザー溶接の連結方法を実施した後に、溶接連結した結晶シリコン太陽電池は直接的にホットプレスパッケージされる可能性があり、さらに結晶シリコン太陽電池モジュールの製造ステップ簡略化さ、同様に結晶シリコン太陽電池の割れの発生リスク回避さる。
【0029】
図1に示すように、下加圧層を設置した後に、すなわち、剛性材料固体薄板110及び弾性材料固体薄板210を順次設置した後に、結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410と1つずつ下加圧層に設置する。ある状況で、まず、導電はんだリボン310を下加圧層に設置し、下加圧層における導電はんだリボン310の位置はその後に結晶シリコン太陽電池410を設置するための電極位置であるべきである。その後に導電はんだリボン310に結晶シリコン太陽電池410を設置し、結晶シリコン太陽電池410の電極を導電はんだリボン310に位置合わせする。続いて、すべての結晶シリコン太陽電池410と対応する導電はんだリボン310とを下加圧層に設置するまで導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410とを絶えずに繰り返して設置する。必要に応じて、導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410とは直列配列であっでもよく、直列と並列との混合配列であっでもよい。本発明の好ましい結晶シリコン太陽電池410の数は該モジュールのすべての電池の数であるはずである。そのため、本発明の好ましい方案は該モジュールのすべての結晶シリコン太陽電池410とすべての結晶シリコン太陽電池410を連結するのに必要である導電はんだリボン310とを下加圧層に設置し、本発明のレーザー溶接方法は連続的に一回で該モジュールのすべての溶接タスクを完成することができる。
【0030】
そのほかのある実施例において、導電はんだリボン310は、まず、結晶シリコン太陽電池410の電極に固定され、その後に導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410とが1つずつ下加圧層に設置されることができる。この設置方法により、導電はんだリボン310を結晶シリコン太陽電池410の電極に位置合わせする難しさを低下させることができる。
【0031】
本発明は使用した導電はんだリボン310が銅リボンの外表面に一層の低溶融温度特性を有する合金を浸漬めっきした導電はんだリボンであり、例えば、スズ含有の合金である。何らかの市販の結晶シリコン太陽電池モジュールの導電はんだリボンは本発明の導電はんだリボン310に用いられる。本発明の好ましい導電はんだリボンが浸漬めっきした低溶融温度合金は鉛を含まない低温溶融合金であり、例えば、無鉛のスズ含有の合金である。
【0032】
本発明のある実施例において、結晶シリコン太陽電池410は伝統のスクリーン印刷結晶シリコン太陽電池であっでもよい。伝統のスクリーン印刷結晶シリコン太陽電池の設計によれば、その正負電極はそれぞれ太陽電池の2つの表面に分布する。
【0033】
本発明の別の実施例において、結晶シリコン太陽電池410は両面電池であっでもよい。伝統のスクリーン印刷電池と異なり、両面結晶シリコン太陽電池の裏面は、伝統スクリーン印刷の裏面電界技術の代わりに、裏面安定化技術を使用する。両面結晶シリコン太陽電池の裏面が照明を受けた後に、受けた光エネルギーを直流電気エネルギーに変換することもできる。
【0034】
異なる結晶シリコン太陽電池モジュール構造及び製造ステップによれば、本発明のある実施例において、結晶シリコン太陽電池410を設置する時に、その受光面を下向きにしてもよいが、本発明のほかの実施例において、結晶シリコン太陽電池410の受光面を上向きにしてもよい。本発明の好ましい方法は結晶シリコン太陽電池410の受光面を下向きにすることであり、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造に有利であるメリットを有する。
【0035】
すべての溶接される結晶シリコン太陽電池410と導電はんだリボン310と下加圧層に設置された後に、図1に示すように、弾性材料固体薄板210において、順にシールリング510と上加圧層とを設置する。シールリング510の作用は本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410のレーザー溶接連結方法において上下の2つの加圧層の間の真空度を保持することである。シールリング510の材料は市販の弾性シール材料であっでもよい。
【0036】
本発明の別の実施例において、シールリング510は上加圧層に直接的に固定されることができる。シールリング510を上加圧層に直接的に固定るメリットは、上加圧層が該結晶シリコン太陽電池モジュールの1つの外板とされない場合、該結晶シリコン太陽電池モジュールがホットプレスパッケージされる前に、該結晶シリコン太陽電池モジュールの外板を非常に便利に置換し、結晶シリコン太陽電池モジュールにおける外板の置換ステップ簡略化される。
【0037】
下加圧層と類似し、本実施例において、図1を参照し、上加圧層は一層の弾性材料固体薄板220と一層の剛性材料固体薄板120とが積層されてなる。結晶シリコン太陽電池410と導電はんだリボン310にカバーされる弾性材料固体薄板220の作用は弾性材料固体薄板210と類似し、すなわち、該弾性材料固体薄板220の弾性特性により、導電はんだリボン310が上加圧層の作用でより均一に圧力を受ける。本発明の好ましい弾性材料固体薄板220は結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料であっでもよく、例えば、ポリエチレン‐酢酸ビニル(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)などであっでもよい。結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料を使用して本発明の弾性材料固体薄板220とするメリットは、本発明のレーザー溶接連結ステップを実施した後に、該結晶シリコン太陽電池モジュールは直接的にホットプレスパッケージされる可能性があり、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造ステップがさらに簡略化さ、結晶シリコン太陽電池の割れの発生リスクがさらに回避さる。
【0038】
異なる結晶シリコン太陽電池モジュールの設計及び製造プロセスによれば、本発明の剛性材料固体薄板120はレーザー透過することができる外板であっでもよく、レーザー透過することができない外板であっでもよい。最適化された本発明の剛性材料固体薄板120はガラスであっでもよく、そのほかの透明な高分子プラスチックであっでもよい。本発明のある実施例において、剛性材料固体薄板120は該結晶シリコン太陽電池モジュールのうちの1つの外板を直接的に採用する。これらの実施例において、本発明の導電はんだリボンと結晶シリコン太陽電池のレーザー溶接方法を経った後に、該結晶シリコン太陽電池モジュールは直接的にホットプレスパッケージステップされることができ、結晶シリコン太陽電池モジュールの製造操作大幅に簡略化さる。
【0039】
さらに、本発明の上加圧層および下加圧層の固体薄板の層数及び固体薄板の材料は結晶シリコン太陽電池モジュールの設計及び具体的な製造条件に応じて変化することができる。例えば、ほかの実施例において、上加圧層は弾性材料固体薄板と剛性材料固体薄板とが積層されてなる上加圧層ではなく、1つの剛性材料固体薄板をそのまま上加圧層とし採用し、例えば、一層のガラスをそのまま上加圧層として採用することにより、各種の結晶シリコン太陽電池モジュールの設計及び具体的な製造条件の要求に適応する。
【0040】
上加圧層ステップを設置した後に、本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410のレーザー溶接連結ステップを実施することができる。本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410のレーザー溶接連結方法の主要技術の1つは、上下の2つの加圧層の間の真空化の方法によって、該上下の2つの加圧層の間の絶対気体圧力を大気圧の圧力により小さくる。上下の2つの加圧層の間の絶対気体圧力と大気圧との圧力差を利用し、上下の2つの加圧層によって、上下の2つの加圧層の間のすべての導電はんだリボン310に均一な圧力を印加する。導電はんだリボン310が結晶シリコン太陽電池410の電極に密着されることを確保した上で、本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410のレーザー溶接ステップを実施する。
【0041】
図2を参照し、本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410のレーザー溶接連結ステップを実施する前に、上下の2つの加圧層の間の部分の空気は、空気抽出口710から抽出されることにより、上下の2つの加圧層の間の絶対気体圧力その外側の大気圧より小さくる。外側大気圧の作用で、上下の2つの剛性材料固体薄板120及び110は上下の2つの弾性材料固体薄板210及び220によって、同時に上下の2つの剛性材料固体薄板120と110との間のすべての導電はんだリボン310に均一に加圧し、該上下剛性材料固体薄板120と110との間のすべての導電はんだリボン310は同時に結晶シリコン太陽電池410の電極に密着されることができ、かつ導電はんだリボン310のいずれか一点が受けた圧力を等しくする。
【0042】
大気圧の圧力の均一性により、本発明の上下の2つの加圧層の間の絶対気体圧力をその外側の大気圧より小さくする方法は、太陽電池モジュールの面積全体において、該面積における1つの結晶シリコン太陽電池410があっでも、複数の結晶シリコン太陽電池410があっでも、すべての導電はんだリボン310におけるいずれかの一点も同時に同じ圧力を受ける。言い換えれば、太陽電池モジュールの面積全体において、すべての導電はんだリボン310は同じ圧力で結晶シリコン太陽電池410の電極に密着される。本発明のこの導電はんだリボン310に対する加圧方法は、局所の圧力が均一ではない問題を効果的に解決することができ、局所の圧力が大きすぎることにより発生した結晶シリコン太陽電池410の割れのリスクを回避し、かつ局所の圧力が小さすぎることに起因した効果的ではない溶接現象を効果的に防止する。
【0043】
本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410のレーザー溶接連結方法のもう1つのメリットは、本発明の方法がすべての溶接連結することが必要とされる導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410に対して同時加圧を実施することであり、すなわち、本発明のレーザー溶接連結方法は上下の2つの加圧層の間真空化するだけで、上下の2つの加圧層の間のすべての導電はんだリボン310が同じ圧力を受ける。局所加圧の方法に比べて、本発明の加圧方法はレーザー溶接連結過程において導電はんだリボン310に対する加圧操作を明らかに簡略化、従って大量生産に有利である。
【0044】
導電はんだリボン310が結晶シリコン太陽電池410の電極に密着された状態で、すなわち、上下の2つの加圧層の間の真空度を保持した状態で、本発明のレーザー溶接ステップを実施する。本発明のある実施例において、上下の2つの加圧層の間の真空度を保持する方法は、真空ポンプによって絶えずに真空化してその真空度を保持することができる。本発明のほかの実施例において、空気抽出口710にシール弁が取り付けられ、該シール弁が閉められた後に、上下の2つの加圧層の間の真空度が保持される。これらの実施例において、真空化コンソールとレーザー溶接連結コンソールとは分かられ、本発明の結晶シリコン太陽電池モジュールの製造方法の実施がより柔軟になる。
【0045】
本発明のレーザー溶接連結方法において、導電はんだリボン310が結晶シリコン太陽電池410の電極に密着されるので、レーザー溶接過程において、導電はんだリボン310がレーザーエネルギーを受けた後に変換した熱エネルギーは接触された結晶シリコン太陽電池410の電極に速く伝達することができ、溶融された、導電はんだリボン310の外部の低温溶融合金が結晶シリコン太陽電池410の電極を湿潤した後に太陽電池410の電極に凝固され、本発明のレーザー溶接連結ステップを効果的に完成する。
【0046】
本発明のレーザー溶接連結方法はそれぞれ上レーザー620又は下レーザー610を使用して上表面及び下表面に対するレーザー溶接連結ステップを実施することができる。本発明のある実施例において、上レーザー620又は下レーザー610のうちの1つのレーザーのみを使用して本発明のレーザー溶接連結方法を実施することができる。これらの実施例において、該レーザーの照射エネルギーが十分である限り、結晶シリコン太陽電池410の正負の2つの表面の金属電極に密着された導電はんだリボン310を同時に加熱することができ、一本のレーザーを使用して同時に結晶シリコン太陽電池410の2つの表面の金属電極に密着され導電はんだリボン310を溶接する本発明のレーザー溶接連結方法を実現する。
【0047】
本発明の別の実施例において、結晶シリコン太陽電池410に対する熱傷を低減させるために、該レーザーの照射エネルギーを低減させ、導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410との間の溶接導電はんだリボン310のレーザー照射された一面のみに発生させるが、太陽電池410の他面の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410の電極と溶接しないことができる。本発明のレーザー溶接連結方法はそのうちの一面の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410の金属電極のレーザー溶接連結を完了した後に、さらに太陽電池410の他面に対して本発明のレーザー溶接連結方法を実施する。
【0048】
本発明の最適化されたレーザー溶接連結方法は上下の2つのレーザー620及び610を使用して結晶シリコン太陽電池410の正面及び裏面が対応する電極点に対して同時にレーザー溶接連結を実施する。単一のレーザーを使用して溶接連結を実施する場合に、溶接される点の他面が室温条件にあるので、溶接目的を実現するために、必ず溶接温度を向上させることで、結晶シリコン太陽電池410電極の加熱要求を満足する必要がある。正面及び裏面の両面の温度差により、このレーザー溶接方法は結晶シリコン太陽電池410が比較的大きい熱応力を受け、結晶シリコン太陽電池410の割れ問題を発生する可能性がある。本発明の最適化方法を採用した後に、レーザー溶接連結を実施する時に、上下の2つのレーザー620及び610は同時に結晶シリコン太陽電池410の特定の点の両面に対して同時に溶接し、結晶シリコン太陽電池410の電極と導電はんだリボン310との温度勾配及び結晶シリコン太陽電池410の内部にある温度勾配を低減させ、レーザー溶接する時に結晶シリコン太陽電池410に対する熱応力作用を効果的に低減させ、結晶シリコン太陽電池410の割れ発生の可能性を回避する。ある具体的実施例において、上下の2つのレーザー620及び610の導電はんだリボン310に対する照射角度を改変し、すなわち、同時垂直照射を採用せず、上下の2つのレーザー620及び610は導電はんだリボン310のある点に同時に傾斜して照射することにより、上下の2つのレーザー620と610とがお互いに照射する可能性を完全に回避することができる。
【0049】
本発明のレーザー溶接連結の実施過程において、レーザー610及び620を移動する方法を採用してモジュールのすべての溶接される点の溶接を完成することができる。作業台面を移動する方法を採用してモジュールのすべての溶接される点の溶接を完成することができる。或いは、同時、或いはそれぞれレーザー610、620、及び作業台面を移動してすべての溶接される点の溶接を完成する。同時、或いはそれぞれレーザー及び作業台面を採用する方法のメリットは、レーザー及び作業台面の移動範囲を低減させることができ、レーザー溶接設備のコストを低下させるだけでなく、レーザー及び作業台面の移動精度を向上させることもできる。
【0050】
本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410とをレーザー溶接連結するのに使用したレーザーは、連続式レーザーであっでもよく、パルス式レーザーであっでもよい。本発明は連続的レーザーを採用すると、レーザーのパワー密度及びレーザー溶接速度を制御することで、溶接の目的を実現することができ、かつ電池に対して多くの熱応力を引き起こすことがない。本発明はパルス式レーザーを採用してもよく、レーザーのパワー密度及び溶接速度を制御する必要ある以外に、レーザーパルス波形及びレーザーパルスの幅を制御する必要がある。
【0051】
本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410とをレーザー溶接連結するのに使用したレーザーは、一本のレーザーは溶接される領域に1回又は複数回で繰り返して作用しても良く、2本のレーザービーム又は複数本のレーザービームは溶接される領域に共同に作用してもよい。その目的は溶接加熱及び冷却の温度勾配を制御し、結晶シリコン太陽電池に対して引き起こす熱応力を低下し、結晶シリコン太陽電池の割れの可能性を回避する。最適化された実施方案において、一本のレーザーは1つの溶接点に対して複数回のレーザー加熱を実施し、毎回の放出したパワー密度、焦点面位置、パルス波形などのパラメータは異なることができ、さらにレーザーの結晶シリコン太陽電池に対する熱応力を低下させる。
【0052】
本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410とをレーザー溶接連結するのに使用したレーザー溶接モードは、レーザー連続溶接であっでもよく、レーザー間欠スポット溶接であっでもよい。レーザー連続溶接を採用すると、レーザーの走行速度を制御することが溶接效果に対して極めて重要である。レーザー間欠スポット溶接を採用すると、単一点の溶接位置の滞留時間は溶接過程の熱入力量を決める。滞留時間が長すぎると、熱入力量が多くなりすぎ、電池の割れを引き起こす可能性があり、滞留時間がみじかくすぎると、熱入力量が少なくなりすぎ、溶接強度が足りない。
【0053】
本発明のレーザー溶接連結ステップを完成した後に、モジュールの設計構成に応じて、該モジュールに対してホットプレスパッケージを直接的に実施することができる。そのほかのある実施例において、上加圧層を結晶シリコン太陽モジュールの裏板、例えば、TPT裏板に置換することができ、その後に該モジュールに対してホットプレスパッケージを実施する。
【0054】
本発明のそのほかのある実施例において、図3に示すように、結晶シリコン太陽電池410は背後電極電池であっでもよく、すなわち、該結晶シリコン太陽電池410の正負電極が結晶シリコン太陽電池410の正面、裏面の両面に分布せず、結晶シリコン太陽電池410の裏面に集中する。背後電極電池のメリットは正面電極による陰影損失がないことである。
【0055】
順次に従って、まず、下加圧層を設置する。該実施例において、好ましい下加圧層は剛性材料固体薄板110と弾性材料固体薄板210とが積層されてなる下加圧層である。さらに好ましい下加圧層は結晶シリコン太陽電池モジュールを製造しようとする材料からなる。例えば、剛性材料固体薄板110は該モジュールのパネルガラスであるが、弾性材料固体薄板210は結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料であり、例えば、ポリエチレン‐酢酸ビニル(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)などである。
【0056】
図3に示すように、下加圧層を設置した後に、結晶シリコン太陽電池モジュールを製造する結晶シリコン太陽電池410と導電はんだリボン310とは1つずつ弾性材料固体薄板210に設置される。電極がそれぞれ結晶シリコン太陽電池の正面、裏面の2つの異なる表面にある電池に対して、正負電極を結晶シリコン太陽電池の同一表面に設置する電池はより簡単である。設置方法は、まず、結晶シリコン太陽電池410を弾性材料固体薄板210に設置し、その後に導電はんだリボン310を設置し、続いて、すべての結晶シリコン太陽電池410と相応した導電はんだリボン310とを弾性材料固体薄板210に設置するまで、結晶シリコン太陽電池410及び導電はんだリボン310を絶えずに繰り返して設置する。結晶シリコン太陽電池410と導電はんだリボン310とを簡単に設置する方法は、まず、1つの太陽電池モジュールのすべての結晶シリコン太陽電池410を弾性材料固体薄板210に設置し、その後にすべての導電はんだリボン310を結晶シリコン太陽電池410の電極に設置する。
【0057】
すべての溶接される結晶シリコン太陽電池410と導電はんだリボン310とは弾性材料固体薄板210に設置された後に、図3に示すように、さらに上加圧層を設置する。本発明の好ましい上加圧層は、例えば、ポリエチレン‐酢酸ビニル(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)などの、結晶シリコン太陽電池モジュールのパッケージ材料の弾性材料固体薄板性220と、剛性材料固体薄板120とが積層されてなる上加圧層である。最適化された本発明の剛性材料固体薄板120はガラスであっでもよく、ほかの透明な高分子プラスチックであっでもよい。
【0058】
上加圧層設置ステップを完了した後に、本発明の導電はんだリボン310と結晶シリコン太陽電池410のレーザー溶接連結ステップを実施することができる。図4を参照し、図2の実施例と異なり、本実施例はシールフレーム810を使用する。シールリング820によってシールフレーム810と作業台800、及びシールフレーム810と剛性材料固体薄板120との間のシールを実現し、シールフレームにおける気体が空気抽出口710によって抽出された後に、シールフレーム内側の絶対気体圧力、言い換えれば、上下の2つの加圧層の間の絶対気体圧力をその外側の大気圧より小さくする。外側の大気圧の作用で、剛性材料固体薄板120は弾性材料固体薄板220によって、弾性材料固体薄板220の下部におけるすべての導電はんだリボン310に均一に圧力を加え、弾性材料固体薄板220の下部におけるすべての導電はんだリボン310は同時に結晶シリコン太陽電池410の電極に密着されることができる。
【0059】
図4の実施例において、真の意義がある本発明の下加圧層は作業台800、剛性材料固体薄板110及び弾性材料固体薄板210を含む。該実施例に示した上加圧層が弾性材料固体薄板220と剛性材料固体薄板120とが積層されてなる以外に、具体的な要求及び条件に応じて、そのほかのある実施例において、上加圧層は一層の弾性材料固体薄板220を直接的に使用することができ、或いは一層の剛性材料固体薄板120を直接的に使用して上加圧層とすることができる。
【0060】
本発明のレーザー溶接連結方法において、導電はんだリボン310が結晶シリコン太陽電池410の電極に密着されるので、レーザー溶接過程において、導電はんだリボン310がレーザーエネルギーを受けた後に変換した熱エネルギーは接触した結晶シリコン太陽電池410の電極に速く伝達することができ、溶融された、導電はんだリボン310の外部の低温溶融合金が結晶シリコン太陽電池410の電極を湿潤した後に太陽電池410の電極に凝固され、本発明のレーザー溶接連結ステップを効果に完成することができる。
【0061】
該実施例において、レーザー溶接連結方法は上レーザー620を使用して本発明のレーザー溶接連結ステップを実施する。本発明のレーザー溶接連結の実施過程において、レーザー620を移動する方法を採用してモジュールのすべての溶接される点の溶接を完成することができる。作業台面800を移動する方法を採用してモジュールのすべての溶接される点の溶接を完成することができる。或いは、同時、或いはそれぞれレーザー620と作業台面800を移動してすべての溶接される点の溶接を完成する。同時、或いはそれぞれレーザー620及び作業台面800を移動する方法のメリットはレーザー及び作業台面の移動範囲を低減させることができ、レーザー溶接設備のコストを低下することができるだけでなく、レーザー及び作業台面の移動精度を向上させることができる。
【0062】
本発明のレーザー溶接連結ステップを完了した後に、モジュールの設計構造によって、該モジュールに対して直接的にホットプレスパッケージを実施することができる。そのほかのある実施例において、剛性材料固体薄板120を設計されたほかの裏板、例えば、TPT裏板などに交換することができ、その後に該モジュールにホットプレスパッケージを実施する。
図1
図2
図3
図4