(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1〜
図6を参照して、本発明の第1実施形態による警報器100の構成について説明する。なお、警報器100は、特許請求の範囲の「電子機器」の一例である。
【0018】
(警報器の全体構成)
図1および
図2に示すように、第1実施形態による警報器100は、センサ1と表示部2とスピーカ3と基板4とを備える。そして、警報器100は、センサ1により被検知ガスを検知した場合に、基板4に形成された検知回路および制御回路の処理に基づいて、表示部2またはスピーカ3の少なくとも一方により被検知ガスの検知を報知する(表示または発声を行う)ように構成されている。センサ1は、特許請求の範囲の「電子部品」の一例である。また、表示部2およびスピーカ3は、特許請求の範囲の「報知部」の一例である。
【0019】
また、第1実施形態では、警報器100は、壁掛け用の警報器として構成されている。具体的には、
図2に示すように、警報器100は、ケース部5と取付板6とを備える。ケース部5には、センサ1、表示部2、スピーカ3および基板4が配置されている。取付板6は、ケース部5の後側(背面側:矢印Y2方向側)に配置されている。
【0020】
たとえば、取付板6の孔部61が壁(建築物の壁)に固定されている締結部材に引っ掛けられることにより、警報器100が壁に配置される。また、取付板6には、電気コード(図示せず)を巻回した状態で配置可能なコード配置部62が設けられている。そして、
図1に示すように、取付板6とケース部5(後側外壁部31)との間には、隙間Dが形成されており、隙間Dにおいて通風(通気)される。
【0021】
なお、本願明細書では、「前側」とは、たとえば、警報器100の表示部2が配置されている側を意味し、
図1の矢印Y1方向側を意味するものとする。また、「後側」または「背面側」とは、警報器100の後側または背面側(壁側)を意味し、
図1の矢印Y2方向側を意味するものとする。また、「上(天)」は、矢印Z1方向、「下(底)」は、矢印Z2方向、「左」は、矢印X1方向、「右」は、矢印X2方向を意味するものとする。
【0022】
図2に示すように、警報器100には、複数のセンサ1が設けられている。たとえば、警報器100には、センサ1として、一酸化炭素ガスを被検知ガスとするCOセンサ11と、都市ガス(メタンガス)を検知するメタンガスセンサ12とが設けられている。なお、COセンサ11およびメタンガスセンサ12は、特許請求の範囲の「電子部品」および「センサ」の一例である。
【0023】
表示部2は、たとえば、基板4に実装された発光ダイオード(LED)を含む。そして、
図1に示すように、表示部2は、ケース部5(前側外壁部21)を介して、矢印Y1方向側に発光するように構成されている。スピーカ3は、ケース部5の内部(スピーカ配置室51b)に配置されており、ケース部5のスピーカ用孔部3aを介して、音を警報器100の外部に発するように構成されている。
【0024】
基板4は、ケース部5の内部(基板配置室51a)に配置されており、XZ平面に広がる(X方向に延び、かつ、Z方向に延びる)平板状に形成されている。そして、基板4には、センサ1、表示部2、スピーカ3および各種の電子部品を互いに接続する回路パターンが形成されている。そして、基板4の表面上には、表示部2およびスイッチ41などの電子部品が実装されている。また、スピーカ3は、電線(図示せず)を介して、基板4に接続されている。また、基板4には、センサ1のリード線12bが基板4に半田付けされることにより、センサ1が配置されている。
【0025】
(ケース部の構成)
図1に示すように、ケース部5は、略直方体形状を有する箱状に形成されている。たとえば、ケース部5は、樹脂により構成されている。詳細には、ケース部5は、難燃性のABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエンおよびスチレンの共重合合成樹脂)により形成されている。そして、ケース部5は、箱状のケース部5の矢印Y1方向側を構成する前側ケース部20と、箱状のケース部5の矢印Y2方向側を構成する後側ケース部30とを含む。
【0026】
ここで、第1実施形態では、
図3に示すように、ケース部5の内部には、前側ケース部20と後側ケース部30とが互いに組み合わされた状態で、機器室51とセンサ室52とが構成されている。機器室51とセンサ室52とは、隔壁部53を隔てて構成されている。
【0027】
また、機器室51とセンサ室52とは、隔壁部53およびクッション部材9により互いに通風することが抑制されている。これにより、機器室51とセンサ室52とが通風可能である場合と異なり、センサ室52に被検知ガスが進入した際に、センサ室52内の被検知ガスのガス濃度を迅速に向上させることができるので、センサ1の応答時間を短くすること(応答性を向上させること)が可能になる。
【0028】
また、
図2に示すように、機器室51は、基板4が配置されている基板配置室51aと、スピーカ3が配置されているスピーカ配置室51bとを含む。そして、基板配置室51aとスピーカ配置室51bとは、隔壁部54により隔てて配置されている。
【0029】
センサ室52は、たとえば、箱状のケース部5の左右方向(X方向)の端部近傍で、かつ、上下方向(Z方向)の端部近傍に配置されている。詳細には、センサ室52は、前側ケース部20の前側外壁部21および右側外壁部22と、後側ケース部30の後側外壁部31および右側外壁部32と、隔壁部53とに囲まれた空間である。また、隔壁部53は、前側外壁部21および右側外壁部22に連続して、前側ケース部20と一体的に形成されている部分53aと、後側外壁部31および右側外壁部32に連続して、後側ケース部30と一体的に形成されている部分53bとを有する。そして、部分53aと部分53bとは、前後方向に近接(接触)して配置されている。
【0030】
図1に示すように、前側ケース部20には、前側外壁部21から右側外壁部22に渡って、複数の通気孔部23が設けられている。そして、
図3に示すように、ケース部5は、複数の通気孔部23により、ケース部5の外部とセンサ室52との間で通気(換気)可能に構成されている。これにより、警報器100の周囲(ケース部5の外部)に被検知ガスが存在する場合に、センサ室52内に被検知ガスが導入される。
【0031】
図4に示すように、センサ室52において、COセンサ11とメタンガスセンサ12とが、X方向に並列して配置されている。
図3に示すように、メタンガスセンサ12は、内部にセンサ素子(図示せず)が配置され円筒形状を有するセンサ本体部12aと、センサ本体部12aと基板4とを接続するリード線12bとを含む。また、COセンサ11は、メタンガスセンサ12と同様に、センサ本体部11aとリード線(図示せず)とを含む。
【0032】
そして、メタンガスセンサ12は、円筒形状のセンサ本体部12aの先端部から被検知ガスをセンサ本体部12a内部のセンサ素子に導入して、リード線12bを介して検知結果(検知電圧または検知電流)を基板4に伝達するように構成されている。COセンサ11は、メタンガスセンサ12と同様に、リード線を介して検知結果を基板4に伝達するように構成されている。
【0033】
図3に示すように、第1実施形態では、メタンガスセンサ12は、基板4が延びる方向に基板4から突出した状態で、基板4に配置されている。具体的には、円筒形状のセンサ本体部12aは、XZ平面に沿って延びる基板4と略平行に、基板4から矢印Z1方向に延びるように配置されている。そして、センサ本体部12aの底部側(矢印Z2方向側)の一部は、基板配置室51aに配置されている。そして、センサ1のリード線12bは、一方端はセンサ本体部12aの底部に接続されているとともに、他方端は、基板4に半田付けされている。なお、COセンサ11の構成は、メタンガスセンサ12と同様である。
【0034】
図1に示すように、前側ケース部20の下方側(矢印Z2方向側)には、スイッチカバー部24が設けられている。スイッチカバー部24は、矢印Y2方向に押されることにより、スイッチ41を押下(操作)するように構成されている。たとえば、スイッチ41は、警報時に、警報を停止させるためのスイッチとして構成されている。
【0035】
(緩衝部の構成)
図3に示すように、第1実施形態では、警報器100には、ケース部5と一体的に形成され、センサ1に接触した状態でセンサ1を保持しているとともに、センサ1への衝撃を緩和する緩衝部8が設けられている。
【0036】
具体的には、
図4に示すように、第1実施形態では、緩衝部8は、後側ケース部30の後側外壁部31にスリット状の通気孔部31aが設けられていることにより後側外壁部31に対して撓み変形(
図6参照)する片持梁部81を含む。
【0037】
また、矢印Y1方向側から見て、後側ケース部30の後側外壁部31に、略U字形状を有するスリット状の通気孔部31aが設けられていることにより、後側外壁部31に沿って矢印Z1方向に延びる片持梁部81が形成されている。また、通気孔部31aは、後側外壁部31のセンサ室52を構成する位置に設けられており、ケース部5の外部とセンサ室52との通気(換気)を行うように構成されている。したがって、第1実施形態では、ケース部5は、矢印Y1方向側および矢印X2方向側に設けられた通気孔部23と、矢印Y2方向側に設けられた通気孔部31aとにより、3方向からセンサ室52への導風およびセンサ室52内の換気が可能に構成されている。
【0038】
図3に示すように、片持梁部81の矢印Z2方向側(隔壁部53側)の部分が後側外壁部31に固定されている一方、片持梁部81の矢印Z1方向側(隔壁部53とは反対側)の先端部81aが後側外壁部31に対して固定されていない。これにより、
図6に示すように、緩衝部8は、先端部81aがY方向に移動するように、片持梁部81がY方向に撓み変形するように構成されている。また、
図3に示すように、片持梁部81が撓み変形する方向(Y方向)において、片持梁部81の厚みt1は、後側外壁部31の厚みt2よりも小さい。
【0039】
図5に示すように、緩衝部8は、片持梁部81の先端部81a(
図3参照)の近傍に設けられており、センサ本体部11aの側面11cに接触する部分82aおよびセンサ本体部12aの側面12cに接触する部分82bを含む接触部82を有する。すなわち、緩衝部8は、COセンサ11の衝撃を緩和するための緩衝部と、メタンガスセンサ12の衝撃を緩和するための緩衝部との両方を兼ねている。
【0040】
接触部82の部分82aおよび82bの表面は、たとえば、平坦面として構成されている。そして、部分82aは、センサ本体部11aの側面11cに線接触する。また、部分82bは、センサ本体部12aの側面12cに線接触する。これにより、緩衝部8は、センサ1に接触した状態で、センサ1を保持するように構成されている。また、円筒形状のCOセンサ11の直径d1が円筒形状のメタンガスセンサ12の直径d2よりも小さい場合には、部分82aの突出長さL1(Y方向の厚み)は、部分82bの突出長さL2よりも大きく構成されている。
【0041】
また、矢印Z1方向側から見て、隔壁部53の部分53aおよび53bは、それぞれ、センサ本体部11aおよび12aの外周に沿って窪む凹形状を有する。そして、隔壁部53と、センサ本体部11aおよび12aとは近接して配置されているとともに、隔壁部53とセンサ本体部11aおよび12aとの間には、隙間CLが形成されている。
【0042】
また、
図5に示すように、第1実施形態では、警報器100には、センサ室52に配置され、センサ本体部11aの矢印Y1方向側の側面11d、および、センサ本体部12aの矢印Y1方向側の側面12dに接触(面接触)するクッション部材9が設けられている。たとえば、
図3に示すように、前側ケース部20に矢印Y1方向に窪む凹部25が設けられており、凹部25にクッション部材9が嵌るように配置されている。
【0043】
また、クッション部材9は、ケース部5とは別個に形成されており、Y方向に伸縮するように構成されている。たとえば、クッション部材9は、ケース部5よりも柔らかい材料(弾性変形しやすい材料)により形成されている。これにより、センサ本体部11aおよび12aは、それぞれ、矢印Y1方向側で緩衝部8に接し、Y2方向側から保持されるとともに、矢印Y1方向側からクッション部材9に保持される。そして、
図6に示すように、センサ1(センサ本体部12a)にY方向に衝撃荷重Gが生じた場合でも、緩衝部8がY方向に撓み変形すること、および、クッション部材9がY方向に伸縮することにより衝撃が緩和される。
【0044】
また、クッション部材9は、隔壁部53に隣接して配置されている。ここで、隔壁部からクッション部材が離れて(矢印Z1方向側に)配置されている場合には、クッション部材の矢印Z1方向側のセンサ室内の容積を確保するために、センサ室が大型化するが、上記第1実施形態の構成のようにクッション部材9を隔壁部53に隣接して配置することにより、センサ室52の内部の容積を確保するためにセンサ室52が大型化するのが抑制される。
【0045】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0046】
第1実施形態では、上記のように、緩衝部8を、ケース部5と一体的に形成し、センサ1に接触した状態でセンサ1を保持するとともに、センサ1への衝撃を緩和するように構成する。これにより、緩衝部8がセンサ1に接触した状態でセンサ1を保持するので、基板4またはセンサ1に衝撃荷重Gが加わった場合でも、緩衝部8(ケース部5)とセンサ1とが衝突することが抑制される。その結果、衝突することに起因するセンサ1の故障およびセンサ1内部の素子の故障を抑制することができる。また、緩衝部8をケース部5と一体的に形成することにより、緩衝部8をケース部5と別個に形成する場合と異なり、警報器100の部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、センサ1を、基板4から突出した状態で、基板4に配置する。また、緩衝部8を、センサ1の突出方向に沿ったセンサ1の側面11cおよび12cに接触した状態で、センサ1を保持するように構成する。ここで、センサ1に対してセンサ1の突出方向に交差する方向に衝撃荷重Gが加わった場合でも、センサ1がケース部5等に衝突することなく、衝撃荷重Gを吸収することができる。その結果、衝撃荷重Gに起因したセンサ1の故障を、より効果的に抑制することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、緩衝部8に、ケース部5の後側外壁部31にスリット状の通気孔部31aが設けられていることにより後側外壁部31に対して撓み変形する片持梁部81を設ける。これにより、ケース部5の後側外壁部31に通気孔部31aを設けることによって、容易に緩衝部8を構成することができる。また、緩衝部8を構成するための孔部を通気孔部31aとして用いることができるので、通気孔部31aにより被検知ガスをケース部5(センサ室52)内に導入することができる。また、通気孔部31aによりケース部5内が換気されることにより、ケース部5内の温度上昇を抑制することができる。その結果、緩衝部8を構成するための孔部と、被検知ガスをケース部5内に導入するための通気孔部31aと、ケース部5内の温度上昇を抑制するための通気孔部31aとを、それぞれ、別個に構成する場合と異なり、警報器100(ケース部5)の構成が複雑化するのを抑制することができる。また、緩衝部8に片持梁部81を設けることにより、両持梁部または孔部を設けない外壁部を緩衝部として用いる場合に比べて、容易に撓み変形させることができる。すなわち、ケース部5の後側外壁部31を比較的撓み変形しにくく構成しながら、緩衝部8を撓み変形しやすく構成することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、片持梁部81が変形する方向(Y方向)において、片持梁部81の厚みt1を、後側外壁部31の厚みt2よりも小さく構成する。これにより、片持梁部81の厚みt1が後側外壁部31の厚みt2よりも小さい分、片持梁部81をより一層容易に撓み変形させることができる。また、後側外壁部31の厚みt2が片持梁部81の厚みt1よりも大きい分、ケース部5の機械的強度を大きくすることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、警報器100には、ケース部5に配置され、緩衝部8が接触している方向(矢印Y2方向側の側面11cおよび12c)とは異なるセンサ1の側面11dおよび12dに接触しているクッション部材9が設けられている。これにより、センサ1の一方側の側面11cおよび12cおよび他方側の側面11dおよび12dの両側から緩衝部8およびクッション部材9によって、2つ以上の方向からセンサ1が保持されるので、いずれの方向からセンサ1に衝撃荷重Gが加わった場合でも、衝撃荷重Gを吸収して、センサ1が故障するのを抑制することができる。また、ケース部5とは別個に形成されるクッション部材9を、ケース部5よりも柔らかい材料により形成することにより、ケース部5に一体的に形成される緩衝部8が比較的硬い部材により形成されている場合でも、より効果的にセンサ1に加わる衝撃を吸収することができる。なお、クッション部材のみでセンサ1に加わる衝撃荷重Gを吸収可能に構成する場合には、円筒形状のセンサ1の外周に沿ってクッション部材を形成する必要がある。この場合、クッション部材の構成が複雑化するという問題点が生じる。これに対して、上記第1実施形態のように緩衝部8を設けることにより、クッション部材の構成を簡素化しながらセンサ1に加わる衝撃を吸収することができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、
図7〜
図9を参照して、第2実施形態の警報器200の構成について説明する。第2実施形態による警報器200は、壁掛け用の警報器として構成されていた第1実施形態による警報器100と異なり、天井配置用の警報器として構成されている。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0052】
(第2実施形態による警報器の構成)
本発明の第2実施形態による警報器200は、
図7に示すように、ケース部205を備える。たとえば、ケース部205は、矢印Z2方向側(下側)から見て、略円形状(略円盤形状)を有する。なお、警報器200は、特許請求の範囲の「電子機器」の一例である。
【0053】
図8に示すように、ケース部205のセンサ室252にセンサ1が配置されているとともに、ケース部205の機器室251に基板204およびスピーカ203(
図7参照)が配置されている。スピーカ203は、ケース部205のスピーカ用孔部203aを介して、センサ1により被検知ガスが検知された旨を報知するように構成されている。なお、スピーカ203は、特許請求の範囲の「報知部」の一例である。
【0054】
ケース部205は、下側ケース部220と上側ケース部230とを含む。
図9に示すように、上側ケース部230には、矢印Z1方向に突出するフック状に形成され、天井(天井に取り付けられた取付部材)に係合する取付係合部232が設けられている。これにより、ケース部205は、天井に固定(取付け)可能に構成されている。すなわち、警報器200は、天井配置用の警報器として構成されている。
【0055】
図8に示すように、第2実施形態では、警報器200に、上側ケース部230と一体的に形成され、センサ1に接触した状態でセンサ1を保持しているとともに、センサ1への衝撃を緩和する緩衝部208が設けられている。具体的には、緩衝部208は、第1実施形態による緩衝部8と略同様に構成されている。すなわち、
図9に示すように、緩衝部208は、上側ケース部230の外壁部231に、矢印Z1方向側から見て略U字形状を有する通気孔部233が設けられている。これにより、
図8に示すように、緩衝部208は、片持梁部281と、片持梁部281から矢印Z2方向側に突出するとともに、センサ1(センサ本体部12a)の矢印Z1方向側の側面12cに接触する接触部282とを含む。
【0056】
そして、片持梁部281は、Z方向に撓み変形可能に構成されている。また、片持梁部281が撓む方向(Z方向)において、片持梁部281の厚みt11は、外壁部231の厚みt12よりも小さい。
【0057】
また、下側ケース部220には、センサ1(センサ本体部12a)の矢印Z2方向側の側面12dに接触するクッション部材209が設けられている。また、下側ケース部220には、センサ室252とケース部205の外部とを通風(通気)する複数の通気孔部223が設けられている。また、上側ケース部230には、センサ室252とケース部205の外部とを通風(通気)する複数の通気孔部234が設けられている。なお、第2実施形態によるその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
【0058】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
第2実施形態では、上記のように、警報器200を、天井配置用の警報器として構成する。また、警報器200に、上側ケース部230と一体的に形成され、センサ1に接触した状態でセンサ1を保持しているとともに、センサ1への衝撃を緩和する緩衝部208を設ける。これにより、第2実施形態による天井配置用の警報器200においても、警報器200の部品点数が増加するのを抑制しながら、センサ1の故障を抑制することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0061】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明を警報器およびセンサに適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち衝撃により故障する可能性のある電子部品および当該電子部品を備える電子機器でも同様に本発明の構成を適用することは可能である。
【0062】
また、上記第1および第2実施形態では、センサを一酸化炭素(CO)およびメタン(都市ガス)を検出するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、一酸化炭素およびメタン以外の被検知ガスを検知するセンサを備える警報器に本発明を適用してもよい。たとえば、プロパン・ブタンガス(LPガス)を被検知ガスとして検知するセンサを備える警報器に本発明を適用してもよい。
【0063】
また、上記第1および第2実施形態では、警報器にセンサを2つ設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、警報器に1つのセンサを設けてもよいし、3つ以上のセンサを設けてもよい。たとえば、3つ以上のセンサを警報器に設ける場合には、3つ以上のセンサにそれぞれ接触するセンサの数と同数の接触部を有する緩衝部を設けることが好ましい。
【0064】
また、上記第1および第2実施形態では、緩衝部とクッション部材とによりセンサが保持される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図10に示す第1変形例による警報器300のように、クッション部材を設けずに、センサ1が前後方向(Y方向)の両側からそれぞれ緩衝部308aおよび308bにより保持されるように構成してもよい。
【0065】
ここで、
図10に示すように、第1変形例による警報器300は、センサ1と前側ケース部320と後側ケース部330とを備える。そして、後側ケース部330の後側外壁部331に、センサ1の矢印Y2方向側の側面に接触する緩衝部308aが設けられており、前側ケース部320の隔壁部353から矢印Z1方向に延びるとともに、センサ1の矢印Y1方向側の側面に接触する緩衝部308bが設けられている。これにより、センサ1は、Y方向(前後方向)の両側から緩衝部308aおよび308bに保持される。
【0066】
また、上記第1および第2実施形態では、1つの緩衝部により2つのセンサを保持する例(
図4参照)を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図11に示す第2変形例による警報器400のように、1つのセンサごとに、緩衝部408a(および408b)が設けられていてもよい。具体的には、警報器400には、ケース部の外壁部431に略M字形状を有する通気孔部432が設けられることにより、COセンサ(図示せず)に接触して保持するCOセンサ用緩衝部408aと、メタンガスセンサ(図示せず)に接触して保持するメタンガスセンサ用緩衝部408bとが形成されている。
【0067】
また、上記第1および第2実施形態では、後側外壁部(外壁部)において、片持梁部の隔壁部側の部分を後側外壁部に固定するとともに、片持梁部の隔壁部とは反対側の部分を後側外壁部に固定しないように構成する例(
図3参照)を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図12に示す第3変形例による警報器500のように、後側外壁部531において、片持梁部581の隔壁部53とは反対側の部分を後側外壁部531に固定するとともに、片持梁部581の隔壁部53側の部分を後側外壁部531に対して接続しないように構成してもよい。
【0068】
ここで、
図12に示すように、第3変形例による警報器500は、後側ケース部530を備える。後側ケース部530の後側外壁部531には、通気孔部531aが後側外壁部531に形成されることにより、片持梁部581が構成されている。片持梁部581は、第1実施形態の片持梁部81と異なり、矢印Z2方向に延びるように形成されている。すなわち、後側外壁部531において、片持梁部581の矢印Z1方向側の部分を後側外壁部531に固定するとともに、片持梁部581の矢印Z2方向側の部分は、後側外壁部531に対して接続されていない。なお、第3変形例の警報器500の場合、第1実施形態による警報器100に比べて、通気孔部531a(U字形状の底部)が隔壁部53に近接する構造となるため、通気孔部531aからの空気が機器室51に侵入する可能性が高くなる。この点に対して、第1実施形態では、通気孔部31a(U字形状の底部)が隔壁部53から離れた位置に配置される構造となるため、通気孔部31aからの空気が機器室51に侵入するのを抑制することが可能になる。
【0069】
また、上記第1および第2実施形態では、警報器にケース部の外壁部にスリット状の孔部が形成して外壁部に対して撓み変形する片持梁部を構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図13に示す第4変形例による警報器600のように、後側ケース部630の後側外壁部631にスリット状の孔部を形成せずに、後側外壁部631に対して撓み変形する片持梁部681を形成してもよい。
【0070】
また、上記第1および第2実施形態では、片持梁部の厚みを外壁部の厚みよりも小さく構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、十分に撓み変形可能であれば、片持梁部の厚みを外壁部の厚み以上に構成してもよい。
【0071】
また、上記第1および第2実施形態では、センサ本体部が円筒形状を有するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、センサ本体部が円筒形状以外の形状(たとえば、四角柱形状)を有するように構成してもよい。
【0072】
また、上記第1および第2実施形態では、緩衝部が電子部品(センサ)の側面に接して保持する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、緩衝部が電子部品の側面以外の面を保持するようにしてもよい。たとえば、
図14に示す第5変形例による警報器700のように、緩衝部708bがセンサ701の矢印Z1方向側の端面701a(センサ701の突出方向の先端部)を保持するように構成してもよい。
【0073】
また、上記第1および第2実施形態では、緩衝部が1つの方向(Y方向)から電子部品(センサ)を保持する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、異なる2つの方向(例えばY方向とZ方向)から電子部品(センサ)が緩衝部によって保持されるようにしてもよい。たとえば、
図14に示す第5変形例による警報器700のように、緩衝部708aがセンサ701の矢印Y2方向側の側面701bに接触して、Y方向からセンサ701を保持するとともに、緩衝部708bがセンサ701の矢印Z1方向側の端面701aに接触して、Z方向からセンサ701を保持するように構成してもよい。なお、緩衝部708aおよび708bは共に、ケース部705と一体的に形成されている。
【解決手段】警報器は、基板4と、基板4に配置されているセンサ1と、基板4およびセンサ1が配置されているケース部と、ケース部と一体的に形成され、センサ1に接触した状態でセンサ1を保持しているとともに、センサ1への衝撃を緩和する緩衝部8とを備える。緩衝部8は、後側ケース部30の後側外壁部31にスリット状の通気孔部31aが設けられていることにより後側外壁部31に対して撓み変形する片持梁部81を含む。